JPH0617265Y2 - 光デッキ取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は光ディスク再生装置において、外部からの振動
を遮断することができる光デッキ取付装置に関するもの
である。

従来の技術 近年、光デッキ取付装置は、外部からの振動を遮断する
耐振構造が重視されている。

以下図面を参照しながら上述した従来の光デッキ取付装
置について、ポータブルＣＤプレーヤを例に説明する。
第５図，第６図は従来の光デッキ取付装置の構造を示す
ものである。第５図において、１はポータブルＣＤプレ
ーヤの本体、２は光デッキ、３は光デッキ２を取り付け
るための金属製シャーシであり、内部に雌ねじを有する
金属製支持軸３−１が複数個スポット溶接または、カシ
メ等により取り付けられている。

本シャーシ３は取付ビス４により本体１に固定される。
５はゴム等弾性材より成る断面瓢箪形状の防振支持部材
で、光デッキ２に設けた係合部２−１に瓢箪形状のくび
れ部５−１が係合するよう取り付けられている。６は光
デッキ取付ねじ、７は本体底板、８は本体底板７を本体
１に取り付けるためのねじである。第６図は第５図の光
デッキ取付装置の組み立て後の断面図である。

以上のように構成された光デッキ取付装置について以下
その動作を説明する。

第７図は下方向の振動を吸収している状態の断面図で、
光デッキ３に加わる力を防振支持部材５の瓢箪形状の下
側曲面部の変形により吸収する。上方向については防振
支持部材５の瓢箪形状の上側曲面部の変形により吸収す
る。次に第８図は、横方向の振動を吸収している状態の
断面図で、防振支持部材５の瓢箪形状の横方向の変形に
より振動を吸収する。

このように、上下方向は、瓢箪形状の上下曲面部の変形
寸法、横方向は、瓢箪形状のくびれ部内側寸法と、支持
棒との空隙距離のみにより、防振している。

考案が解決しようとする課題 しかしながら防振支持部材の瓢箪形状の寸法は大きい
程、防振効果を上げる事ができるが、ＣＤプレーヤ本体
の寸法により規制を受け、限られた寸法に制限されてい
る。又、防振支持部材５を軟かくすると、高い周波数の
振動を吸収できるが、逆に低い周波数の振動には底当り
をするため低周波数での防振性能が悪くなり、逆に硬く
すると低い周波数は底当りがしにくくなるため、防振性
能は良くなるが高い周波数で悪くなる。以上のように従
来の構成では、高い周波数と低い周波数の振動のどちら
も満足できる耐振性能を得ることができなかった。

本考案は上記の従来の問題点を解決するもので、高い周
波数から低い周波数までの広い範囲の振動を吸収する事
のできる光デッキ取付装置を提供する事を目的とする。

課題を解決するための手段 この目的を達成するため、本考案の光デッキ取付装置
は、樹脂等で本体に一体形成された複数の支持軸と、光
デッキと、光デッキを本体に浮体支持する断面瓢箪形状
部と円筒形状部を組み合わせた防振支持部材と、本体に
固定される弾性体より成る本体底板から構成されてい
る。

作用 この構成によって、高い周波数から低い周波数までの広
い範囲の振動を吸収することができる。

実施例 以下本考案の実施例について、図面を参照しながら説明
する。

第１図は本考案の一実施例における光デッキ取付装置の
組み立て後の断面図を示すものである。第１図におい
て、１０は樹脂等で形成されたＣＤプレーヤの本体であ
りシャーシ１０−２が一体成形されている。１０−１は
本体１０のシャーシ１０−２と一体に形成された複数の
支持軸で、底板に当接しないよう空隙１１が設けられて
いる。５は断面瓢箪形状部５−３と円筒形状部５−２を
組み合わせ一体に形成された防振支持部材である。２は
光デッキ、２−１は防振支持部材係合部、７は弾性体よ
り成る本体底板、８は底板７を本体１０に取り付けるた
めのねじである。

以上のように構成された本実施例の光デッキ取付装置に
ついて、以下その作用を説明する。

第２図は下側方向の振動を吸収している状態の断面図
で、防振支持部材５の瓢箪形状部５−３下部曲面部が変
形するまでは従来例と同じであるが、それ以上の振動が
加わった時には、瓢箪形状部５−３の下側の円筒部５−
２が変形し、振動を吸収する。また、それ以上の振動が
加われば本体底板７が変形し、振動を吸収する。

第３図は横方向の振動を吸収している状態の断面図で、
防振部材５の内面と支持軸１０−１が当接するまでは従
来例と同じであるが、それ以上の振動が加わると、支持
軸１０−１が変形し、それ以上の振動では本体１０のシ
ャーシ１０−２が変形し、振動を吸収する。

第４図は本考案の光デッキ取付装置をバネに置き換えた
等価図で、記号は第２図構成部品と同じである。

以上のように本実施例によれば、振動を吸収する等価バ
ネを３段に増やし、バネ定数を組み合わせる事により、
高い周波数から低い周波数までの広い範囲の振動を吸収
することができる。

考案の効果 本考案は、樹脂等で本体に一体形成された複数の支持軸
と、光デッキと、光デッキを本体に浮体支持する断面瓢
箪形状部と円筒形状部を組み合わせた防振支持材と、弾
性体より成る本体底板を設けることにより、高い周波数
から、低い周波数までの広い範囲の振動を吸収すること
ができ、さらに、本体，シャーシ，支持軸を一体形成
し、光デッキ取付ねじを廃止することにより、安価で組
み立てが簡単という効果を得ることができる優れた光デ
ッキ取付装置を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における光デッキ取付装置の
組み立てた状態の断面図、第２図は第１図の下側方向の
振動を吸収している状態の断面図、第３図は第１図の横
方向の振動を吸収している状態の断面図、第４図は第２
図のバネ等価図、第５図は従来の光デッキ取付装置を使
用したポータブルＣＤプレーケの構成を示す分解斜視
図、第６図は従来例の断面図、第７図は従来の下方向の
振動を吸収している状態の断面図、第８図は従来の横方
向の振動を吸収している状態の断面図である。 ２……光デッキ、２−１……防振支持部材係合部、５…
…防振支持部材、５−１……瓢箪くびれ部、５−２……
円筒形状部、５−３……瓢箪形状部、７……本体底板、
８……ねじ、１０……ＣＤプレーヤ本体、１０−１……
支持軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】樹脂等で本体に一体形成された複数の支持
   軸と、光デッキと、光デッキを本体に浮体支持する断面
   瓢箪形状部と円筒形状部を組み合わせた防振支持部材
   と、本体に固定される弾性体より成る本体底板とを備え
   た事を特徴とする光デッキ取付装置。