JP2004019695A - 情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】情報処理装置における耐振性能と耐衝撃性能との双方の向上を同時に図る際に、それぞれの性能の向上を独立して容易に行うことが可能な支持部材を提供する。
【解決手段】情報処理装置のハウジング2に内蔵されたHDDを、情報処理装置に作用する振動及び衝撃から保護するための構造であって、情報処理装置におけるハウジング2の底部に、情報処理装置を装置設置面17に対して支持させる支持部材14が取り付けられ、支持部材14が、情報処理装置に作用する振動を緩和可能な振動緩和部材15と、振動緩和部材15よりも低い剛性とされて情報処理装置に作用する衝撃を緩和可能な衝撃緩和部材16とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】情報処理装置のハウジング2に内蔵されたHDDを、情報処理装置に作用する振動及び衝撃から保護するための構造であって、情報処理装置におけるハウジング2の底部に、情報処理装置を装置設置面17に対して支持させる支持部材14が取り付けられ、支持部材14が、情報処理装置に作用する振動を緩和可能な振動緩和部材15と、振動緩和部材15よりも低い剛性とされて情報処理装置に作用する衝撃を緩和可能な衝撃緩和部材16とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置(以下、HDDと記す)の大容量・低価格化が急速に発展する中、HDDは、ノート型パソコンに代表される携帯型情報処理装置ばかりではなく、デジタルテレビやカメラレコーダなど、多くの製品への利用が検討されている。
【0003】
しかし、このような携帯型情報処理装置にHDDを搭載して利用するためには、この携帯型情報処理装置がHDDを振動と衝撃から保護し得る構造でなければならない。
【0004】
そこで、内蔵されたHDDを振動と衝撃から保護するための情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を図23〜図24を用いて説明する。
図23に示すように、情報処理装置1における金属製のハウジング2内には、HDD3、回路基板4及び電源装置5が内蔵されており、それぞれが取付金具(図示は省略)によってハウジング2に取り付けられている。6は通風孔であり、7は、ハウジング2内の空気をハウジング2の外部に排出するための空気吐出し用のファンである。このハウジング2の底部2aにおける例えば四隅の位置には、比較的に剛性の高いゴム製の支持部材8が取り付けられており、これにより、ハウジング2が装置設置面9に対して支持されている。
【0005】
このゴム製の支持部材8は、図24に示すように、中実円柱状の本体部8aと、この本体部8aに連続して形成されてハウジング2の底部2aに形成されている丸孔2bにはめ込み可能な首部8bと、この首部8bの先端に形成されている抜止め用の頭部8cとを有する。頭部8cは先細り状に形成され、その先端は丸孔2bより小径に形成され、基端は丸孔2b及び首部8bよりも大径に形成されている。また、首部8bの軸方向の長さはハウジング2の肉厚とほぼ同様に形成されている。
【0006】
ハウジング2に支持部材8を取り付ける際には、金属製のハウジング2の底部2aに形成されている丸孔2bにゴム製の支持部材8における頭部8cを弾性変形させつつ押し込み、首部8bを丸孔2bにはめ込む。
【0007】
このような構成において、この情報処理装置1に、例えばHDD3などを発振源とする情報処理装置1の内部からの振動や、例えば情報処理装置1を車などに搭載したときに発生する情報処理装置1の外部からの振動が作用した場合には、支持部材8が比較的に剛性の高いゴム製であることにより、この振動をある程度緩和させることができ、耐振構造として有効である。また、この情報処理装置1を持ち上げて運搬している最中にこの情報処理装置1が落下し、ハウジング2の底部2aに対して垂直な方向に衝撃が作用した場合には、ゴム製の支持部材8が弾性変形することによりこの衝撃をある程度緩和することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図25は、従来の技術における情報処理装置を加振器(図示は省略)に取り付け、正弦波形の加速度を印加することで情報処理装置に外力を作用させたときの計測結果を示すもので、横軸はそのときの加振周波数[Hz]の値を、縦軸は、そのときのHDDがリード・ライト可能であるときの前記外力の最大値(以下、耐振G値[G]と記す。ただし、1[G]=9.8[m/s2]である。)を示している。なお、図中の実線10は、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合の計測結果を示しており、破線11は、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合の計測結果を示している。また、通常、支持部材8は、情報処理装置に1.5[G]の外力が作用してもHDDがリード・ライト可能であるように設計されており、この設計の目標値である1.5[G]の値を図中の一点鎖線12で示す。
【0009】
図25の実線10にて示すように、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合、この剛性の高い支持部材8が情報処理装置に作用する振動を効果的に緩和していることから、情報処理装置に、例えば図中の一点鎖線12にて示す設計の目標値の1.5[G]の外力が作用しても、HDDは加振周波数に関係なく全般的にリード・ライト可能である。
【0010】
しかし、図25の破線11にて示すように、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合、このように剛性の低い支持部材8では、特に加振周波数が10[Hz]〜100[Hz]において情報処理装置に作用する振動を効果的に緩和することができず、支持部材8の耐振性能は著しく低下する。すなわち、情報処理装置に設計の目標値である1.5[G]の外力が作用したときに、場合によってはHDDがリード・ライト可能でないことがある。
【0011】
以上のことから、情報処理装置に作用する振動を支持部材8によって効果的に緩和させる、すなわち情報処理装置の耐振性能を向上させるためには、支持部材8を剛性の高いゴムで構成しなければならない。
【0012】
また、図26は、情報処理装置をその底部に対して垂直な方向に落下させたときに、その落下高さ[m]とそのときに市販のHDDに作用する衝撃のピーク値[G]との関係を計測した結果を示している。なお、図中の実線10は、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合の計測結果を示しており、破線11は、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合の計測結果を示している。また、図中の一点鎖線13は、この実験で使用されたHDDの許容衝撃値=500[G]の値を示している。
【0013】
図26における破線11に示すように、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合、HDDに作用する衝撃のピーク値が、HDDの許容衝撃値である500[G]に達するときの落下高さH1[m]は、0.4〜0.6[m]の間である。
【0014】
しかし、実線10にて示すように、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合では、HDDに作用する衝撃のピーク値が、HDDの許容衝撃値である500[G]に達するときの落下高さH2[m]は、0.2〜0.4[m]の間とH1より低くなり、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合よりも耐衝撃性能が劣る。したがって、耐衝撃性能を向上させるためには、支持部材8に剛性の低いゴムを用いなければならない。
【0015】
これにより、情報処理装置1の耐振性能を向上させるためには、支持部材8の剛性を高くすることが有効であり、情報処理装置1の耐衝撃性能を向上させるためには、支持部材8の剛性を低くすることが有効であることから、耐衝撃性能の向上を図ることと耐振性能の向上を図ることとは互いに相反する関係となる。
【0016】
すなわち、耐衝撃性能の向上を図れば耐振性能が低下し、逆に耐振性能の向上を図れば耐衝撃性能が低下するため、耐振性能と耐衝撃性能の双方を同時に満足する構造の実現が困難であった。
【0017】
また、上述したように、耐衝撃性能の向上を図ることと耐振性能の向上を図ることとは互いに相反することであるので、耐振性能と耐衝撃性能との双方を考慮した設計を行うことは難しく、耐振性能と耐衝撃性能とを兼ね備えた総合的な性能の向上を図るための最適化には多くの時間を費やさなければならなかった。
【0018】
そこで本発明はこのような問題を解決して、情報処理装置における耐振性能と耐衝撃性能との双方の向上を同時に図る際に、それぞれの性能の向上を独立して容易に行うことが可能な支持部材を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、情報処理装置のハウジングに内蔵されたデバイスを、前記情報処理装置に作用する振動及び衝撃から保護するための構造であって、前記情報処理装置におけるハウジングの底部に、前記情報処理装置を装置設置面に対して支持させる支持部材が取り付けられ、前記支持部材が、前記情報処理装置に作用する振動を緩和可能な振動緩和部材と、前記振動緩和部材よりも低い剛性とされて前記情報処理装置に作用する衝撃を緩和可能な衝撃緩和部材とを有するものである。
【0020】
このような構成によれば、情報処理装置に振動が作用した場合には、支持部材における振動緩和部材がこの振動を緩和することができ、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和することができる。このように、支持部材において、情報処理装置に作用する振動を緩和する振動緩和部材と衝撃を緩和する衝撃緩和部材とが別であることにより、支持部材の耐振性能の向上と支持部材の耐衝撃性能の向上とを独立して、すなわち、振動を緩和する特性と衝撃を緩和する特性とが相反する性質であっても、互いの性能を相殺することなく、それぞれの性能の向上を同時にかつ容易に図ることができる。また、これにより、耐振性能及び耐衝撃性能を向上させるため設計に費やす時間を短縮することができる。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、支持部材における振動緩和部材がハウジングの底部にかかり合うことで、情報処理装置を装置設置面に対して支持させており、前記情報処理装置に衝撃が作用したときに前記ハウジングと前記振動緩和部材とのかかり合いが解消されて、前記振動緩和部材が衝撃が作用した方向に移動することによって、前記支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和することが可能となるものである。
【0022】
このような構成によれば、情報処理装置を装置設置面に設置している時に振動が作用した場合には、ハウジングの底部にかかり合うことで情報処理装置を装置設置面に対して支持させている振動緩和部材がこの振動を受けて緩和することができる。また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合には、ハウジングと振動緩和部材とのかかり合いが解消され、振動緩和部材がこの衝撃が作用した方向に移動することにより、支持部材における衝撃緩和部材に衝撃を作用させ、この衝撃を緩和させることができる。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、支持部材における振動緩和部材が筒状に形成され、前記振動緩和部材の内部に衝撃緩和部材が配置されているものである。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項3項記載の発明において、振動緩和部材はハウジングの底部を貫通して配置され、前記振動緩和部材は、前記貫通部におけるハウジングの底部にかかり合い可能であるとともに衝撃が作用したときに変形して前記ハウジングの底部の貫通部を通過可能な径方向突部を有するものである。
【0025】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、径方向突部がハウジングに押し当てられて変形し、ハウジングの底部の貫通部を通過することにより、振動緩和部材が貫通部からハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。これにより、衝撃緩和部材に衝撃を作用させて緩和することができる。
【0026】
請求項5記載の発明は、請求項4項記載の発明において、振動緩和部材の上部において、前記振動緩和部材の軸方向に、ハウジングの底部の肉厚よりも長い切欠部が形成され、前記ハウジングの底部は、前記切欠部が形成された前記振動緩和部材が貫通するC字形状の切り抜き部を有することで、前記筒状の振動緩和部材の内側に対応する位置の蓋体部を有し、衝撃緩和部材は前記蓋体部に接触可能であるものである。
【0027】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、切り抜き部に貫通して配置されている振動緩和部材が、切欠部が形成されている範囲でハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。したがって、筒状の振動緩和部材の内部に配置されている衝撃緩和部材は、ハウジングにおける蓋体部によりハウジング内に入り込むことを防止されてハウジングの外側に残り、この蓋体部と装置設置面との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明において、ハウジングの底部に孔が形成され、前記孔に筒状の振動緩和部材がはめ込まれるとともに、前記振動緩和部材の径方向突部が前記孔の周縁にかかり合うように構成され、前記ハウジングの内部に、前記筒状の振動緩和部材の内部に配置された衝撃緩和部材に接触可能なストッパが設けられているものである。
【0029】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、ハウジングの孔の周縁にかかり合っている振動緩和部材の径方向突部が変形してハウジング内に入り込むことにより、振動緩和部材はハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。このとき、振動緩和部材の内部に配置されている衝撃緩和部材は、ハウジングの内部に配置されているストッパによりハウジング内に入り込むことを防止されてハウジングの外側に残り、ストッパと装置設置面との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0030】
請求項7記載の発明は、請求項1または2項記載の発明において、支持部材における振動緩和部材が柱状に形成され、前記支持部材における衝撃緩和部材が前記振動緩和部材の外周に配置されているものである。
【0031】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、振動緩和部材はハウジングの底部を貫通して配置され、前記振動緩和部材は、前記貫通部におけるハウジングの底部にかかり合い可能であるとともに衝撃が作用したときに変形して前記ハウジングの底部の貫通部を通過可能な径方向突部を有するものである。
【0032】
請求項9記載の発明は、請求項4から6までのいずれか1項または8記載の発明において、ハウジングの底部における振動緩和部材の貫通部に径方向外向きの切り込み部が形成され、前記振動緩和部材の径方向突部が前記切り込み部を通過可能な形状に形成されることで、前記ハウジングと前記振動緩和部材とをバヨネット構造により互いに結合可能とされているものである。
【0033】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用したときに、径方向突部がハウジングの底部における孔に接触して変形し、ハウジング内に入り込んでしまっても、このようにハウジングと振動緩和部材とがバヨネット構造により互いに連結される構造であることから、ハウジング内に入り込んだ径方向突部を、切り込み部を通過させてハウジングの外側に戻すことができ、ハウジングと振動緩和部材とを再び所定の位置にて容易に結合させることができる。
【0034】
請求項10記載の発明は、請求項1から9までのいずれか1項記載の発明において、支持部材における衝撃緩和部材が、前記支持部材における振動緩和部材と同一部材で前記振動緩和部材と一体に形成され、前記衝撃緩和部材が空隙を有する形状に形成されることで、前記振動緩和部材よりも剛性が低くされているものである。
【0035】
このような構成によれば、衝撃緩和部材が振動緩和部材と同一部材でかつ一体に形成されていても、情報処理装置に衝撃が作用したときには振動緩和部材に対して独立して変形し、この衝撃を緩和することができる。これにより、支持部材を構成する部品点数を減らすことができ、経済性の向上を図ることができる。
【0036】
請求項11記載の発明は、請求項2から9までのいずれか1項記載の発明において、振動緩和部材が衝撃の作用した方向に移動するときにハウジングに接触して抵抗となる突起部が、前記振動緩和部材に形成されているものである。
【0037】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、振動緩和部材がこの衝撃の作用した方向に移動し、このときに、振動緩和部材に形成されている突起部がハウジングに接触してこの移動に対する抵抗となることができる。これにより、情報処理装置に作用する衝撃のエネルギーがある程度減衰されるので、支持部材における衝撃緩和部材に作用する衝撃を小さくすることができ、より確実に、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0038】
請求項12記載の発明は、請求項1記載の発明において、情報処理装置に衝撃が作用したときに、振動緩和部材が前記衝撃の作用した方向に座屈変形することで、前記支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和させることが可能となるものである。
【0039】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用したときに、振動緩和部材が座屈変形することでこの衝撃のエネルギーをある程度減衰することができる。これにより、衝撃緩和部材に作用する衝撃を小さくすることができ、情報処理装置に作用する衝撃をより効果的に緩和することができる。
【0040】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、支持部材における振動緩和部材の外周に、前記支持部材における衝撃緩和部材が配置されているものである。
【0041】
請求項14記載の発明は、請求項1記載の発明において、支持部材における振動緩和部材の上端部が情報処理装置におけるハウジングに取り付けられ、前記振動緩和部材の下端部に開口凹部が形成され、前記開口凹部に、前記情報処理装置が装置設置面から持ち上げられたときに前記開口凹部からはみ出す材料にて形成されている衝撃緩和部材が収容されているものである。
【0042】
このような構成によれば、運搬中の情報処理装置が落下した場合に、衝撃緩和部材が、振動緩和部材からはみ出している分だけ振動緩和部材よりも先に衝撃を受けることができる。したがって、衝撃緩和部材が、この衝撃が振動緩和部材に直接作用することを防止し、かつこの衝撃を緩和することができる。
【0043】
請求項15記載の発明は、請求項4または8記載の発明において、支持部材における振動緩和部材が、ハウジングにその内側からかかり合い前記ハウジングから前記振動緩和部材が抜け落ちることを防止する抜け落ち防止部を有するものである。
【0044】
このような構成によれば、抜け落ち防止部がハウジングにその内側からかかり合うことができるので、ハウジングと支持部材との取り付けを容易に行うことができる。
【0045】
請求項16記載の発明は、請求項1から15までのいずれか1項記載の発明において、ハウジングの底部の外側に、情報処理装置を装置設置面に対して支持させるための複数の支持部材が取り付けられ、前記複数の支持部材のうち、前記情報処理装置におけるハウジングに内蔵された、耐衝撃処置を必要とするデバイスの下部に対応する位置の支持部材を構成する第1の衝撃緩和部材が、その他の位置に配置されている支持部材を構成する第2の衝撃緩和部材よりも剛性が高いものである。
【0046】
このような構成によれば、情報処理装置に落下等による衝撃が作用したときに、第2の衝撃緩和部材が、情報処理装置に内蔵されたデバイスの下部となる位置の支持部材を構成する第1の衝撃緩和部材よりも先に変形し、その分だけ第1の衝撃部材に作用する衝撃、すなわち耐衝撃処置を必要とするデバイスが内蔵されている側に作用する衝撃を緩和することができる。また、第2の衝撃緩和部材が第1の衝撃緩和部材よりも先に変形して情報処理装置が装置設置面に対して傾き、その直後にこの傾きが戻ることで情報処理装置に作用する衝撃をさらに緩和することができる。
【0047】
請求項17記載の発明は、請求項1から9までのいずれか1項または11から16までのいずれか1項記載の発明において、支持部材における衝撃緩和部材がゲル系の材料から形成されているものである。
【0048】
このような構成によれば、支持部材における衝撃緩和部材がゲル系の材料から形成されていることにより、衝撃緩和部材が緩やかに変形することができるので、より効果的に衝撃を緩和することができる。
【0049】
請求項18記載の発明は、請求項1から9までのいずれか1項または11から16までのいずれか1項記載の発明において、支持部材における衝撃緩和部材がシリコン系の材料から形成されているものである。
【0050】
請求項19記載の発明は、請求項17または18記載の発明において、衝撃緩和部材が複数の材料を組み合わせて成るものである。
請求項20記載の発明は、請求項1から9までのいずれか1項または11から16までのいずれか1項記載の発明において、支持部材における衝撃緩和部材が、その剛性が情報処理装置に作用する衝撃に依存して変化する材料から形成されているものである。
【0051】
このような構成によれば、情報処理装置が落下した場合などでは、衝撃緩和部材の剛性は、情報処理装置の落下時の衝撃に応じて高くなる。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図1〜図3を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明の実施の形態1の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す構造の断面図である。また、図2は、図1に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図であり、図3は、図1に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態1において用いられる情報処理装置は、図23に示した情報処理装置1における支持部材8が後述する支持部材14に置換されたものである。
【0053】
図1〜図2に示すように、支持部材14は、例えば剛性の高いゴム製で上下が開口した円筒状に形成されている振動緩和部材15と、この振動緩和部材15の筒状の内部に収容され、振動緩和部材15よりも剛性の低いゲル系(例えば北川工業社製KGゲル)またはシリコン系(日本発条社製スーパーシート)材料よりなる円柱状の衝撃緩和部材16とを有する。
【0054】
振動緩和部材15は、一方の端面から軸方向に他方の端面に達さない切欠部15aが、ハウジング2の肉厚よりも長く形成されており、切欠部15aの開口側部分の外周には抜け落ち防止部である第1外周突部15bと径方向突部である第2の外周突部15cとが互いに軸方向に、ハウジング2の肉厚に対応した間隔をおいて形成されている。15dは、この第1の外周突部15bと第2の外周突部15cと間の部分である首部である。
【0055】
一方、情報処理装置におけるハウジング2の底部には、振動緩和部材15における首部15dの径方向断面の形状に対応した貫通部であるC字形状の切り抜き部2cが形成されている。
【0056】
C字形状の切り抜き部2cが形成されることで、ハウジング2において、筒状の振動緩和部材15の外側に対応する位置の本体部2dと、振動緩和部材15の切欠部15aに対応する位置の接続部2eと、筒状の振動緩和部材15の内側に対応する位置の蓋体部2fとが形成される。
【0057】
この首部15dが切り抜き部2cにはめ合わされるようにして、第1の外周突部15bがハウジング2内に入り込んだ状態で第1の外周突部15bと第2の外周突部15cとの間にハウジング2における本体部2dを挟んでいる。この状態の振動緩和部材15における、ハウジング2の蓋体部2fよりも外部で、その筒状の内側となる部分に、支持部材14における衝撃緩和部材16が収容されている。なお、振動緩和部材15の底面と衝撃緩和部材16の底面とは装置設置面17に対してそろっている。
【0058】
このような情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成するためには、図2に示すように、ハウジング2の底部における接続部2eの位置に、振動緩和部材15における切欠部15aの位置を対応させ、第1の外周突部15bを変形させつつ切り抜き部2cに通してハウジング2内に挿入し、切り抜き部2cに振動緩和部材15における首部15dをはめ込む。
【0059】
そして、この状態の振動緩和部材15における、ハウジング2の蓋体部2fよりも外部に衝撃緩和部材16を挿入し、情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成する。このとき、ハウジング2における蓋体部2fと衝撃緩和部材16とを適宜の手段により接着しておく。
【0060】
このような構成において、図1(b)に示すように、情報処理装置は、ハウジング2の本体部2dが支持部材14における振動緩和部材15の第1の外周突部15bと第2の外周突部15cとの間に挟まれて装置設置面17に対して支持されている。
【0061】
この情報処理装置に、内蔵されたデバイスであるHDDなどを発振源とする情報処理装置の内部からの振動や、例えば情報処理装置を車などに搭載したときに発生する情報処理装置の外部からの振動が作用した場合には、振動緩和部材15が振動を緩和するのに優れた特性である高い剛性のゴムで形成されているので、この振動のエネルギーが、振動緩和部材15を微小変形させるためのエネルギーや、この変形の際に生じる熱に変換されて消費される。したがって、情報処理装置に作用した振動が減衰させて効率良く緩和することができる。
【0062】
また、この情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合は、図3に示すように、振動緩和部材15における第2の外周突部15cが、この衝撃によりハウジング2における本体部2dに強く押し付けられて変形し、このハウジング2における切り抜き部2cを通過することで、振動緩和部材15は、切欠部15aが形成されている範囲でハウジング2に対してスライドし、ハウジング2内に入り込むことができる。
【0063】
このとき、振動緩和部材15内に収容されている衝撃緩和部材16が、衝撃を緩和するのに優れた特性である低い剛性のゲル系またはシリコン系の材料で形成されているので、ハウジング2における蓋体部2fと装置設置面17との間で緩やかに圧縮され、この衝撃エネルギーを衝撃緩和部材16に作用させて減衰させ、効率良く緩和することができる。
【0064】
また、支持部材14が別部材から構成されることにより、振動緩和部材15を、振動を緩和するのに適した物性の材料で振動を緩和することのみを目的として設計する、すなわち衝撃を緩和させるための物性を考慮しない材料で設計とすることができる。これにより、図24(a)及び図24(b)に示した従来の技術における支持部材8の材料よりもさらに剛性の高いゴムを使用することができるので、図25の実線10にて示した、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合とよりも優れた耐振性能を発揮することができる。
【0065】
さらに、衝撃緩和部材16を、衝撃を緩和するのに適した物性の材料で衝撃を緩和することのみを目的として設計する、すなわち振動を緩和させるための物性を考慮しない材料で設計とすることができる。これにより、図24(a)及び図24(b)に示した従来の技術における支持部材8の材料よりもさらに剛性の低いゲル系またはシリコン系の材料を使用することができるので、図26の破線11にて示した、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合とよりも優れた耐衝撃性能を発揮することができる。
【0066】
したがって、上記の実施の形態1のように、支持部材14を、振動を緩和する役割を担う剛性の高いゴムで形成された振動緩和部材15と、衝撃を緩和する役割を担う剛性の低い材料で形成された衝撃緩和部材16との別部材からなる構成として振動緩和部材15と衝撃緩和部材16との剛性に高低の差をつけることによって、耐振性能の向上に必要な特性と耐衝撃性能の向上に必要な特性とを同時に、かつ互いに独立して情報処理装置に容易に付与することができる。またこれにより、耐振性能と耐衝撃性能とを兼ね備えた総合的な性能の向上を容易に、かつ迅速に行うことができ、設計時間の大幅な短縮が可能となる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2を図4〜図6を参照しながら説明する。図4(a)は、本発明の実施の形態2の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示す構造の断面図である。また、図5は、図4に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図であり、図6は、図4に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態2において用いられる情報処理装置は、支持部材18における振動緩和部材19が、実施の形態1の支持部材14の振動緩和部材15と異なるのみで、その他の部分の構成は実施の形態1と同じである。
【0067】
図4〜図5に示すように、振動緩和部材19の外周には、第1の外周突部19b及び第2の外周突部19cとは異なる、突起部である外周突起部20が、軸方向に一定の間隔をおいて複数形成されている。
【0068】
この外周突起部20は、第1の外周突部19b及び第2の外周突部19cよりも小径で、かつ切り抜き部2cの周縁の本体部2dに接触可能に形成されている。
【0069】
このような構成において、情報処理装置を装置設置面17に設置しているとき及び情報処理装置に振動が作用した場合の情報処理装置の挙動は、実施の形態1と同様である。
【0070】
また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合、図6に示すように、振動緩和部材19がハウジング2内に入り込む際に、外周突起部20がハウジング2における本体部2dに接触し、強く押し付けられて第2の外周突部19cと同様に変形し、このハウジング2における切り抜き部2cを通過してハウジング2内に入り込むことができる。
【0071】
このとき、情報処理装置に作用する衝撃のエネルギーは、外周突起部20を変形させるエネルギーや、外周突起部20とハウジング2における本体部2dとが接触する際の摩擦熱に変換されるので、より効果的に衝撃を緩和することができる。なお、振動緩和部材19の外周に複数の外周突起部20が形成されていることにより、図6の仮想線にて示すように、情報処理装置に作用する衝撃の大きさに応じてこれら複数の外周突起部20がハウジング2内に順に入り込むことができる。すなわち、外周突起部20とハウジング2における本体部2dとが接触する回数を増やすことができ、これにより大きな衝撃が作用した場合であってもより一層効果的に衝撃を緩和することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3を図7〜図9を参照しながら説明する。図7(a)は、本発明の実施の形態3の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している斜視図であり、図7(b)は、図7(a)に示す構造の断面図である。また、図8は、図7に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図であり、図9は、図7に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、上述した実施の形態2はハウジング2に接触して抵抗となる突起部が振動緩和部材19の外周に形成された場合であるが、本発明の実施の形態3はこの突起部が振動緩和部材22の内周に形成された場合を示すものである。実施の形態3における突起部である内周突起部23は、ハウジング2における蓋体部2fと接触可能なように形成されている。
【0072】
したがって、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、実施の形態2と同様に、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4を図10〜図11を参照しながら説明する。図10(a)は、本発明の実施の形態4の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している斜視図であり、図10(b)は、図10(a)に示す構造の断面図である。また、図11は、図10に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。なお、本発明の実施の形態4において用いられる情報処理装置は、図1に示した支持部材14における衝撃緩和部材16が後述する格子状構造部26に置換されたものである。
【0073】
図10〜図11に示すように、支持部材24は、情報処理装置に作用する振動を緩和可能な振動緩和部材としての筒状構造部25と、情報処理装置に作用する衝撃を緩和可能な衝撃緩和部材としての格子状構造部26とを有している。この格子状構造部26は、平面視で格子状となるように複数の空隙部26aが軸方向に形成され、筒状構造部25の内部に、この筒状構造部25と同一部材でかつ一体に形成されている。このように、格子状構造部26が格子形状に形成されることによって、筒状構造部25よりも低い剛性となるように構成され、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
【0074】
このような構成において、情報処理装置を振動が作用した場合、筒状構造部25がこの振動を緩和することができる。
また、この情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合、第2の外周突部25cがハウジング2における本体部2dに接触して変形し、ハウジング2内に入り込む。このとき、格子状構造部26が空隙部26aを有する格子状に形成されて筒状構造部25よりも低い剛性になるように構成されていることにより、図示は省略するが、筒状構造部25の筒状の内側に一体に形成されている格子状構造部26が、ハウジング2における蓋体部2fと装置設置面17との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用した衝撃のエネルギーは、格子状構造部26を変形させるエネルギーなどに変換されて緩和される。したがって、格子状構造部26が、筒状構造部25と同一部材でかつ一体に形成されていても、その剛性に高低の差をつけることにより、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
【0075】
また、筒状構造部25と格子状構造部26とを一体に形成することで、支持部材24の部品点数の削減を図ることができ、耐振性能と耐衝撃性能とを備えた支持部材24を安価に提供することができる。なお、支持部材24において、格子状構造部26は、複数の空隙部26aが軸方向に形成されることによって格子形状に形成され、筒状構造部25よりも低い剛性とされているが、この形状に限らず、形状を変化させることによって筒状構造部25よりも低い剛性とすることができればそれで良い。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5を図12〜図14を参照しながら説明する。図12(a)は、本発明の実施の形態5の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している断面の斜視図であり、図12(b)は、図12(a)に示す構造の断面図である。また、図13は、図12に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図であり、図14は、図12に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態5において用いられる情報処理装置は、図1に示した蓋体部2fが後述する支持部材27に置換されたものである。
【0076】
ハウジング2の底部には孔である丸孔2gが形成されており、この丸孔2gに振動緩和部材28における首部28cがはめ合わされている。
ハウジング2内には、ストッパ支持部31が配置されており、このストッパ支持部31には、振動緩和部材28の内部に配置された衝撃緩和部材29に接触可能なストッパ30が取り付けられている。なお、図12(a)及び図12(b)に示すように、支持部材27をハウジング2に取り付けたときにストッパ30が振動緩和部材28に対して径方向にずれて抜けないように、ストッパ30の下部を振動緩和部材28の中に入り込ませておくと良い。
【0077】
このような構成において、情報処理装置を装置設置面17に設置しているとき及び情報処理装置に振動が作用した場合の情報処理装置の挙動は、実施の形態1と同様である。
【0078】
また、この情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合、第2の外周突部28bがハウジング2における本体部2dに接触して変形し、ハウジング2内に入り込む。このとき、図14に示すように、衝撃緩和部材29は、ストッパ30によってハウジング2内に入り込むことを防止され、ハウジング2の外側に残される。これにより、この衝撃緩和部材29を、ストッパ30と、振動緩和部材28の内側の面と、装置設置面17との間で圧縮することができる。したがって、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6を図15及び図16を参照しながら説明する。
【0079】
図15及び図16に示すように、実施の形態6は、実施の形態5において、ハウジング2に形成されている丸孔2gから径方向外側に向けて、例えば扇形状の切り込み部2hが周方向の二ヶ所に形成され、かつ振動緩和部材28における第2の外周突部28bがこの切り込み部2hの形状に対応した扇形状に形成されてこの二ヶ所のそれぞれの切り込み部2hを通過可能とされることで、ハウジング2と振動緩和部材28とをバヨネット構造により互いに連結可能としたものである。
【0080】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用してハウジング2内に振動緩和部材28における第2の外周突部28bが入り込んだ後、図16の仮想線にて示すように、切り込み部2hに第2の外周突部28bをはめ入れ、首部28cを丸孔2gにはめ合わせたうえで、この仮想線に示す位置から実線にて示す位置までこの振動緩和部材28を軸方向回りに旋回させる。
【0081】
これにより、切り込み部2hと第2の外周突部28bとの周方向の位置がずれてハウジング2から振動緩和部材28が軸方向に対して抜けないようにされ、ハウジング2と振動緩和部材28とを、支持部材27に衝撃が作用する前の所定の状態にしっかりと、かつ容易に連結させることができる。
【0082】
このバヨネット構造は、図1〜図12に示したものや、図20〜図21に示したものにも適用可能である。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7を図17を参照しながら説明する。図17(a)は、本発明の実施の形態7の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造の断面を示している斜視図であり、図17(b)は、図17(a)に示す構造の組み立て前の状態の各部材の断面を示している分解斜視図である。なお、本発明の実施の形態7において用いられる情報処理装置は、図23に示した情報処理装置1における支持部材8が後述する支持部材32に置換されたものである。
【0083】
図17(a)及び図17(b)に示すように、ハウジング2の底部の外側に、支持部材32が取り付けられており、この支持部材32は、剛性の高い振動緩和部材33と、剛性の低い衝撃緩和部材34とを有する。
【0084】
振動緩和部材33は、先端に平坦部33aが形成されている中空円錐台形状で、平坦部33aと逆側の開口している端面にはフランジ部33bが形成されている。また、衝撃緩和部材34は、振動緩和部材33における平坦部33aを除く部分の外周をはめ合わせ可能な形状の嵌合孔34aを有する環状に形成されている。この衝撃緩和部材34における嵌合孔34aに振動緩和部材33が、その平坦部33aの先端が衝撃緩和部材34の一方の端面から出るようにはめ合わされて支持部材32が構成されている。なお、このときの振動緩和部材33の外周と衝撃緩和部材34の内周とは接触しており、振動緩和部材33におけるフランジ部33及び衝撃緩和部材34におけるハウジング2側の端面34cは、ハウジング2の底部に接着されている。
【0085】
このような情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成するためには、図17(b)に示すように、振動緩和部材33を、その平坦部33aの先端が衝撃緩和部材34の一方の端面から出るように、衝撃緩和部材34における嵌合孔34aにはめ合わせ、振動緩和部材33と衝撃緩和部材34とを適宜の手段によって互いに接着し、支持部材32を構成する。
【0086】
そして、支持部材32の振動緩和部材33におけるフランジ部33b及び衝撃緩和部材34の他方の端面をハウジング2の底部の外側に接着によって取り付け、情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成する。
【0087】
このような構成において、情報処理装置に振動が作用した場合には、この情報処理装置におけるハウジング2と装置設置面17とを連結させている振動緩和部材33の剛性が高いことにより、この振動のエネルギーが、振動緩和部材33を微小変形させるためのエネルギーや、この変形の際に生じる熱に変換されて消費される。したがって、情報処理装置に作用した振動を減衰させて効率良く緩和することができる。
【0088】
また、この情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合には、振動緩和部材33が、その平坦部33aの先端が衝撃緩和部材34の一方の端面から突き出るようにはめ合わされているので、衝撃緩和部材34よりも先に装置設置面17に接触し、振動緩和部材33が中空円錐台形状に形成されていることにより、振動緩和部材33はこの中空部側に、すなわち内側に座屈するようにへこんで変形する。これにより、衝撃緩和部材34が装置設置面17に接触することができ、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8を図18〜図19を参照しながら説明する。図18(a)は、本発明の実施の形態8の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している断面図であり、図18(b)は、図18(a)に示す構造を組み立てる前の状態の各部材の断面を示す分解斜視図である。また、図19(a)は、図18に示す情報処理装置が持ち上げられているときの状態を示す断面図であり、図19(b)は、図19(a)に示す情報処理装置がその位置から落下した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態8において用いられる情報処理装置は、図23に示した情報処理装置1における支持部材8が後述する支持部材35に置換されたものである。
【0089】
図18〜図19に示すように、ハウジング2の底部には丸孔2gが形成されており、この丸孔2gに支持部材35がはめ込まれている。この支持部材35は、剛性の高い振動緩和部材36と、剛性の低い衝撃緩和部材37とを有する。
【0090】
この振動緩和部材36は剛性の高いゴム製であり、図24に示した支持部材8とほぼ同様の構成であるが、その下方の端部に、端面に向かって開口している開口凹部36dが形成されている。
【0091】
振動緩和部材36における開口凹部36dには、図19(a)に示すように、この開口凹部36dの深さよりも軸方向長さが大きい円柱状の衝撃緩和部材37が、情報処理装置を持ち上げている際には開口凹部36dからはみ出るように収容されている。
【0092】
この衝撃緩和部材37は、情報処理装置に作用する衝撃に依存してその剛性が変化する、すなわち剛性の速度依存性が高いシリコン系の材料(例えば日本発条社製スーパーシート)で形成されており、例えば、2.5[m/s]で高速圧縮した(高さ30cmの位置から落下した場合の圧縮に相当する)場合の剛性は、1[mm/min]の割合で静的に圧縮した場合の剛性と比べて約10倍程度に大きくなる(ただし、振動緩和部材36よりは低い剛性である。)物性である。
【0093】
したがって、図19(a)に示している状態の情報処理装置をそのまま静かに装置設置面17に設置した場合には、衝撃緩和部材37は、情報処理装置の自重により、振動緩和部材36の開口凹部36dと装置設置面17との間で徐々に静的に圧縮され、図18(a)に示すように、装置設置面17と開口凹部36dとの間に圧縮状態で収容される。
【0094】
このような情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成するには、図18(b)に示すように、振動緩和部材36を、図24に示した支持部材8の場合と同様にして、ハウジング2の底部に形成されている丸孔2gにはめ合わせる。そして、図19(a)に示すように、この状態の振動緩和部材36の開口凹部36dに衝撃緩和部材37を収容して支持部材35を構成する。振動緩和部材36における開口凹部36dに衝撃緩和部材37を収容すると、図18(a)に示すように、情報処理装置を装置設置面17に設置する。
【0095】
このような構成において、情報処理装置に振動が作用した場合には、ハウジング2の底部に取り付けられている振動緩和部材36がこの振動を緩和することができる。
【0096】
この情報処理装置を運搬するために持ち上げた場合には、図19(a)に示すように、この衝撃緩和部材37に情報処理装置の自重が作用しなくなることから、この衝撃緩和部材37はもとの非圧縮時の形状に戻る。
【0097】
このとき、情報処理装置が落下して衝撃が作用した場合、衝撃緩和部材37は上述したように、情報処理装置に作用する衝撃に依存して剛性が変化する、すなわち剛性の速度依存性が高いシリコン系の材料で形成されており、かつ振動緩和部材36における開口凹部36dからはみ出るように収容されていることから、図19(b)に示すように、装置設置面17に振動緩和部材36よりも先に接触することができ、かつ装置設置面17に接触した直後の衝撃緩和部材37の剛性が、振動緩和部材36の剛性以下の範囲で高くなる。これにより、この衝撃緩和部材37が開口凹部36dと装置設置面17との間で圧縮されて変形するので、情報処理装置に作用する衝撃をより一層効果的に緩和することができる。
(実施の形態9)
次に、本発明の実施の形態9を図20〜図21を参照しながら説明する。図20(a)は、本発明の実施の形態9の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している断面図であり、図20(b)は、図20(a)に示す構造を構成する前の状態の、各部材の断面を示す分解斜視図である。また、図21は、図20に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態9において用いられる情報処理装置は、図23に示した情報処理装置1における支持部材8が後述する支持部材38に置換されたものである。
【0098】
図20〜図21に示すように、ハウジング2の底部に支持部材38が取り付けられている。この支持部材38は、剛性の高い振動緩和部材39と、剛性の低い衝撃緩和部材40とを有する。
【0099】
支持部材38における振動緩和部材39は、剛性の高いゴム製であり、円柱状の本体部39aの一方の端部に、図19に示した振動緩和部材36の頭部36cと同様に構成された連結部である頭部39bと、この頭部39bから軸方向にずれた位置に、本体部39aよりも大径に形成されている支持部である外周突部39cと、この本体部39aの他方の端部に形成されているフランジ部39dとを有する。
【0100】
この振動緩和部材39は、図19に示した振動緩和部材36と同様に、ハウジング2の底部に形成されている丸孔2gに首部39eがはめ合わされてハウジング2に取り付けられている。
【0101】
一方、衝撃緩和部材40は、例えば、振動緩和部材39における外周突部39cからフランジ部39dまでの部分をはめ込み可能な嵌合孔40aを有する環状に形成されている。この衝撃緩和部材40における嵌合孔40aに、振動緩和部材39における外周突部39cからフランジ部39dまでの部分がはめ合わされることで支持部材38が構成されている。
【0102】
このような構成の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成するためには、図20(b)に示すように、衝撃緩和部材40における嵌合孔40aに振動緩和部材39をはめ合わせて支持部材38を構成し、図20(a)に示すように、この支持部材38の振動緩和部材39における首部39eをハウジング2に形成されている丸孔2gにはめ合わせる。
【0103】
このような構成において、情報処理装置に振動が作用した場合には、ハウジング2の底部に取り付けられている振動緩和部材39がこの振動を緩和することができる。
【0104】
また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合には、図21に示すように、振動緩和部材39における外周突部39cが、ハウジング2における本体部2dに強く押し付けられて変形し、このハウジング2における丸孔2gを通過してハウジング2内に入り込む。
【0105】
このとき、振動緩和部材39に対して外ばめ状態に配置されている衝撃緩和部材40は、ハウジング2の本体部2dと、振動緩和部材39のフランジ部39d及び装置設置面17との間で圧縮される。これにより、この衝撃エネルギーを衝撃緩和部材40によって減衰させ、この衝撃を効率良く緩和することができる。(実施の形態10)
次に、本発明の実施の形態10を図22を参照しながら説明する。図22(a)は、本発明の実施の形態10の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している下面図であり、図22(b)は、図22(a)に示す構造に衝撃が作用している状態を示す側面図である。
【0106】
図22(a)に示すように、情報処理装置1におけるハウジング2の底部には、情報処理装置1に内蔵された耐衝撃処置を必要とするデバイスであるHDD3の下部に対応する位置の例えば二ヶ所に第1の支持部材41が取り付けられており、これら二つの第1の支持部材41が取り付けられている側とは逆側の例えば二ヶ所に第2の支持部材42が取り付けられている。
【0107】
第1の支持部材41は、円筒状で剛性の高いゴム製である振動緩和部材43と、この振動緩和部材43よりも剛性の低い材料で円柱状に形成され、振動緩和部材43の内部に収容されている第1の衝撃緩和部材44とを有する。また、第2の支持部材42は、第1の支持部材41に使用されているものと同様の振動緩和部材43と、第1の支持部材41に使用されている第1の衝撃緩和部材44よりもさらに剛性の低い材料で円柱状に形成され、この振動緩和部材43の内部に収容されている第2の衝撃緩和部材45とを有する。
【0108】
このような構成において、情報処理装置1に振動が作用した場合には、情報処理装置1のハウジング2の底部に取り付けられている第1の支持部材41及び第2の支持部材42における振動緩和部材43が、この振動を緩和することができる。
【0109】
また、情報処理装置1に落下等による衝撃が作用した場合は、図22(b)に示すように、耐衝撃処置を必要とするHDD3の下部に対応する位置に取り付けられている第1の支持部材41の第1の衝撃緩和部材44が、これら二つの第1の支持部材41が取り付けられている側とは逆側に取り付けられている第2の支持部材42の第2の衝撃緩和部材45よりも剛性が高いことにより、第2の衝撃緩和部材45から構成されている第2の支持部材42を、第1の衝撃緩和部材44から構成されている第1の支持部材41よりも先に変形させることができる。
【0110】
したがって、その分だけHDD3の下部に対応する位置に取り付けられている第1の支持部材41に作用する衝撃、すなわちHDD3が内蔵されている側に作用する衝撃を緩和することができる。また、第2の支持部材42が第1の支持部材41よりも先に変形して、情報処理装置1が装置設置面17に対して傾き、その直後にこの傾きが戻ることで情報処理装置1に作用する衝撃をより一層効果的に緩和することができる。
【0111】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、情報処理装置に振動が作用した場合には、支持部材における振動緩和部材がこの振動を緩和することができ、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和することができる。このように、支持部材において、情報処理装置に作用する振動を緩和する振動緩和部材と衝撃を緩和する衝撃緩和部材とが別であることにより、支持部材の耐振性能の向上と支持部材の耐衝撃性能の向上とを独立して、すなわち、振動を緩和する特性と衝撃を緩和する特性とが相反する性質であっても、互いの性能を相殺することなく、それぞれの性能の向上を同時にかつ容易に図ることができる。また、これにより、耐振性能及び耐衝撃性能を向上させるための設計に費やす時間を短縮することができる。
【0112】
また、情報処理装置を装置設置面に設置している時に振動が作用した場合には、ハウジングの底部にかかり合うことで情報処理装置を装置設置面に対して支持させている振動緩和部材がこの振動を受けて緩和することができる。また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合には、ハウジングと振動緩和部材とのかかり合いが解消され、振動緩和部材がこの衝撃が作用した方向に移動することにより、支持部材における衝撃緩和部材に衝撃を作用させ、この衝撃を緩和させることができる。
【0113】
また、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、径方向突部がハウジングに押し当てられて変形し、ハウジングの底部の貫通部を通過することにより、振動緩和部材が貫通部からハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。これにより、衝撃緩和部材に衝撃を作用させて緩和することができる。
【0114】
また、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、切り抜き部に貫通して配置されている振動緩和部材が、切欠部が形成されている範囲でハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。したがって、筒状の振動緩和部材の内部に配置されている衝撃緩和部材は、ハウジングにおける蓋体部によりハウジング内に入り込むことを防止されてハウジングの外側に残り、この蓋体部と装置設置面との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0115】
また、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、ハウジングの孔の周縁にかかり合っている振動緩和部材の径方向突部が変形してハウジング内に入り込むことにより、振動緩和部材はハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。このとき、振動緩和部材の内部に配置されている衝撃緩和部材は、ハウジングの内部に配置されているストッパによりハウジング内に入り込むことを防止されてハウジングの外側に残り、ストッパと装置設置面との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0116】
また、情報処理装置に衝撃が作用したときに、径方向突部がハウジングの底部における孔に接触して変形し、ハウジング内に入り込んでしまっても、このようにハウジングと振動緩和部材とがバヨネット構造により互いに連結される構造であることから、ハウジング内に入り込んだ径方向突部を、切り込み部を通過させてハウジングの外側に戻すことができ、ハウジングと振動緩和部材とを再び所定の位置にて容易に結合させることができる。
【0117】
また、衝撃緩和部材が振動緩和部材と同一部材でかつ一体に形成されていても、情報処理装置に衝撃が作用したときには振動緩和部材に対して独立して変形し、この衝撃を緩和することができる。これにより、支持部材を構成する部品点数を減らすことができ、経済性の向上を図ることができる。
【0118】
また、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、振動緩和部材がこの衝撃の作用した方向に移動し、このときに、振動緩和部材に形成されている突起部がハウジングに接触してこの移動に対する抵抗となることができる。これにより、情報処理装置に作用する衝撃のエネルギーがある程度減衰されるので、支持部材における衝撃緩和部材に作用する衝撃を小さくすることができ、より確実に、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0119】
また、情報処理装置に衝撃が作用したときに、振動緩和部材が座屈変形することでこの衝撃のエネルギーをある程度減衰することができる。これにより、衝撃緩和部材に作用する衝撃を小さくすることができ、情報処理装置に作用する衝撃をより効果的に緩和することができる。
【0120】
また、運搬中の情報処理装置が落下した場合に、衝撃緩和部材が、振動緩和部材からはみ出している分だけ振動緩和部材よりも先に衝撃を受けることができる。したがって、衝撃緩和部材が、この衝撃が振動緩和部材に直接作用することを防止し、かつこの衝撃を緩和することができる。
【0121】
また、抜け落ち防止部がハウジングにその内側からかかり合うことができるので、ハウジングと支持部材との取り付けを容易に行うことができる。
また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用したときに、第2の衝撃緩和部材が、情報処理装置に内蔵されたデバイスの下部となる位置の支持部材を構成する第1の衝撃緩和部材よりも先に変形し、その分だけ第1の衝撃部材に作用する衝撃、すなわち耐衝撃処置を必要とするデバイスが内蔵されている側に作用する衝撃を緩和することができる。また、第2の衝撃緩和部材が第1の衝撃緩和部材よりも先に変形して情報処理装置が装置設置面に対して傾き、その直後にこの傾きが戻ることで情報処理装置に作用する衝撃をさらに緩和することができる。
【0122】
また、支持部材における衝撃緩和部材がゲル系の材料から形成されていることにより、衝撃緩和部材が緩やかに変形することができるので、より効果的に衝撃を緩和することができる。
【0123】
さらに、情報処理装置が落下した場合などでは、衝撃緩和部材の剛性は、情報処理装置の落下時の衝撃に応じて高くなる。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図2】図1に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図5】図4に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図6】図4に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図8】図7に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図9】図7に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図11】図10に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態5の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図13】図12に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図14】図12に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態6の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図16】図15に示す振動緩和部材とハウジングとがバヨネット構造により接続されている状態を示す下面図である。
【図17】本発明の実施の形態7の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその断面の斜視図であり、(b)はその分解斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態8の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその断面図、(b)はその分解斜視図である。
【図19】(a)は、図18に示す情報処理装置が持ち上げられている際の状態を示す断面図であり、(b)は、この装置が落下した状態を示す断面図である。
【図20】本発明の実施の形態9の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその断面図、(b)はその分解斜視図である。
【図21】図20に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図22】本発明の実施の形態10の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその下面図、(b)はその構造に衝撃が作用している状態を示す側面図である。
【図23】従来の技術における情報処理装置を示す斜視図である。
【図24】図23に示す情報処理装置において、支持部材をハウジングに取り付けている様子を示す斜視図である。
【図25】従来の技術における情報処理装置の耐振性能を示すグラフである。
【図26】従来の技術における情報処理装置の耐衝撃性能を示すグラフである。
【符号の説明】
2 ハウジング
14 支持部材
15 振動緩和部材
16 衝撃緩和部材
17 装置設置面
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置(以下、HDDと記す)の大容量・低価格化が急速に発展する中、HDDは、ノート型パソコンに代表される携帯型情報処理装置ばかりではなく、デジタルテレビやカメラレコーダなど、多くの製品への利用が検討されている。
【0003】
しかし、このような携帯型情報処理装置にHDDを搭載して利用するためには、この携帯型情報処理装置がHDDを振動と衝撃から保護し得る構造でなければならない。
【0004】
そこで、内蔵されたHDDを振動と衝撃から保護するための情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を図23〜図24を用いて説明する。
図23に示すように、情報処理装置1における金属製のハウジング2内には、HDD3、回路基板4及び電源装置5が内蔵されており、それぞれが取付金具(図示は省略)によってハウジング2に取り付けられている。6は通風孔であり、7は、ハウジング2内の空気をハウジング2の外部に排出するための空気吐出し用のファンである。このハウジング2の底部2aにおける例えば四隅の位置には、比較的に剛性の高いゴム製の支持部材8が取り付けられており、これにより、ハウジング2が装置設置面9に対して支持されている。
【0005】
このゴム製の支持部材8は、図24に示すように、中実円柱状の本体部8aと、この本体部8aに連続して形成されてハウジング2の底部2aに形成されている丸孔2bにはめ込み可能な首部8bと、この首部8bの先端に形成されている抜止め用の頭部8cとを有する。頭部8cは先細り状に形成され、その先端は丸孔2bより小径に形成され、基端は丸孔2b及び首部8bよりも大径に形成されている。また、首部8bの軸方向の長さはハウジング2の肉厚とほぼ同様に形成されている。
【0006】
ハウジング2に支持部材8を取り付ける際には、金属製のハウジング2の底部2aに形成されている丸孔2bにゴム製の支持部材8における頭部8cを弾性変形させつつ押し込み、首部8bを丸孔2bにはめ込む。
【0007】
このような構成において、この情報処理装置1に、例えばHDD3などを発振源とする情報処理装置1の内部からの振動や、例えば情報処理装置1を車などに搭載したときに発生する情報処理装置1の外部からの振動が作用した場合には、支持部材8が比較的に剛性の高いゴム製であることにより、この振動をある程度緩和させることができ、耐振構造として有効である。また、この情報処理装置1を持ち上げて運搬している最中にこの情報処理装置1が落下し、ハウジング2の底部2aに対して垂直な方向に衝撃が作用した場合には、ゴム製の支持部材8が弾性変形することによりこの衝撃をある程度緩和することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図25は、従来の技術における情報処理装置を加振器(図示は省略)に取り付け、正弦波形の加速度を印加することで情報処理装置に外力を作用させたときの計測結果を示すもので、横軸はそのときの加振周波数[Hz]の値を、縦軸は、そのときのHDDがリード・ライト可能であるときの前記外力の最大値(以下、耐振G値[G]と記す。ただし、1[G]=9.8[m/s2]である。)を示している。なお、図中の実線10は、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合の計測結果を示しており、破線11は、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合の計測結果を示している。また、通常、支持部材8は、情報処理装置に1.5[G]の外力が作用してもHDDがリード・ライト可能であるように設計されており、この設計の目標値である1.5[G]の値を図中の一点鎖線12で示す。
【0009】
図25の実線10にて示すように、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合、この剛性の高い支持部材8が情報処理装置に作用する振動を効果的に緩和していることから、情報処理装置に、例えば図中の一点鎖線12にて示す設計の目標値の1.5[G]の外力が作用しても、HDDは加振周波数に関係なく全般的にリード・ライト可能である。
【0010】
しかし、図25の破線11にて示すように、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合、このように剛性の低い支持部材8では、特に加振周波数が10[Hz]〜100[Hz]において情報処理装置に作用する振動を効果的に緩和することができず、支持部材8の耐振性能は著しく低下する。すなわち、情報処理装置に設計の目標値である1.5[G]の外力が作用したときに、場合によってはHDDがリード・ライト可能でないことがある。
【0011】
以上のことから、情報処理装置に作用する振動を支持部材8によって効果的に緩和させる、すなわち情報処理装置の耐振性能を向上させるためには、支持部材8を剛性の高いゴムで構成しなければならない。
【0012】
また、図26は、情報処理装置をその底部に対して垂直な方向に落下させたときに、その落下高さ[m]とそのときに市販のHDDに作用する衝撃のピーク値[G]との関係を計測した結果を示している。なお、図中の実線10は、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合の計測結果を示しており、破線11は、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合の計測結果を示している。また、図中の一点鎖線13は、この実験で使用されたHDDの許容衝撃値=500[G]の値を示している。
【0013】
図26における破線11に示すように、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合、HDDに作用する衝撃のピーク値が、HDDの許容衝撃値である500[G]に達するときの落下高さH1[m]は、0.4〜0.6[m]の間である。
【0014】
しかし、実線10にて示すように、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合では、HDDに作用する衝撃のピーク値が、HDDの許容衝撃値である500[G]に達するときの落下高さH2[m]は、0.2〜0.4[m]の間とH1より低くなり、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合よりも耐衝撃性能が劣る。したがって、耐衝撃性能を向上させるためには、支持部材8に剛性の低いゴムを用いなければならない。
【0015】
これにより、情報処理装置1の耐振性能を向上させるためには、支持部材8の剛性を高くすることが有効であり、情報処理装置1の耐衝撃性能を向上させるためには、支持部材8の剛性を低くすることが有効であることから、耐衝撃性能の向上を図ることと耐振性能の向上を図ることとは互いに相反する関係となる。
【0016】
すなわち、耐衝撃性能の向上を図れば耐振性能が低下し、逆に耐振性能の向上を図れば耐衝撃性能が低下するため、耐振性能と耐衝撃性能の双方を同時に満足する構造の実現が困難であった。
【0017】
また、上述したように、耐衝撃性能の向上を図ることと耐振性能の向上を図ることとは互いに相反することであるので、耐振性能と耐衝撃性能との双方を考慮した設計を行うことは難しく、耐振性能と耐衝撃性能とを兼ね備えた総合的な性能の向上を図るための最適化には多くの時間を費やさなければならなかった。
【0018】
そこで本発明はこのような問題を解決して、情報処理装置における耐振性能と耐衝撃性能との双方の向上を同時に図る際に、それぞれの性能の向上を独立して容易に行うことが可能な支持部材を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、情報処理装置のハウジングに内蔵されたデバイスを、前記情報処理装置に作用する振動及び衝撃から保護するための構造であって、前記情報処理装置におけるハウジングの底部に、前記情報処理装置を装置設置面に対して支持させる支持部材が取り付けられ、前記支持部材が、前記情報処理装置に作用する振動を緩和可能な振動緩和部材と、前記振動緩和部材よりも低い剛性とされて前記情報処理装置に作用する衝撃を緩和可能な衝撃緩和部材とを有するものである。
【0020】
このような構成によれば、情報処理装置に振動が作用した場合には、支持部材における振動緩和部材がこの振動を緩和することができ、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和することができる。このように、支持部材において、情報処理装置に作用する振動を緩和する振動緩和部材と衝撃を緩和する衝撃緩和部材とが別であることにより、支持部材の耐振性能の向上と支持部材の耐衝撃性能の向上とを独立して、すなわち、振動を緩和する特性と衝撃を緩和する特性とが相反する性質であっても、互いの性能を相殺することなく、それぞれの性能の向上を同時にかつ容易に図ることができる。また、これにより、耐振性能及び耐衝撃性能を向上させるため設計に費やす時間を短縮することができる。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、支持部材における振動緩和部材がハウジングの底部にかかり合うことで、情報処理装置を装置設置面に対して支持させており、前記情報処理装置に衝撃が作用したときに前記ハウジングと前記振動緩和部材とのかかり合いが解消されて、前記振動緩和部材が衝撃が作用した方向に移動することによって、前記支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和することが可能となるものである。
【0022】
このような構成によれば、情報処理装置を装置設置面に設置している時に振動が作用した場合には、ハウジングの底部にかかり合うことで情報処理装置を装置設置面に対して支持させている振動緩和部材がこの振動を受けて緩和することができる。また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合には、ハウジングと振動緩和部材とのかかり合いが解消され、振動緩和部材がこの衝撃が作用した方向に移動することにより、支持部材における衝撃緩和部材に衝撃を作用させ、この衝撃を緩和させることができる。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、支持部材における振動緩和部材が筒状に形成され、前記振動緩和部材の内部に衝撃緩和部材が配置されているものである。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項3項記載の発明において、振動緩和部材はハウジングの底部を貫通して配置され、前記振動緩和部材は、前記貫通部におけるハウジングの底部にかかり合い可能であるとともに衝撃が作用したときに変形して前記ハウジングの底部の貫通部を通過可能な径方向突部を有するものである。
【0025】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、径方向突部がハウジングに押し当てられて変形し、ハウジングの底部の貫通部を通過することにより、振動緩和部材が貫通部からハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。これにより、衝撃緩和部材に衝撃を作用させて緩和することができる。
【0026】
請求項5記載の発明は、請求項4項記載の発明において、振動緩和部材の上部において、前記振動緩和部材の軸方向に、ハウジングの底部の肉厚よりも長い切欠部が形成され、前記ハウジングの底部は、前記切欠部が形成された前記振動緩和部材が貫通するC字形状の切り抜き部を有することで、前記筒状の振動緩和部材の内側に対応する位置の蓋体部を有し、衝撃緩和部材は前記蓋体部に接触可能であるものである。
【0027】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、切り抜き部に貫通して配置されている振動緩和部材が、切欠部が形成されている範囲でハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。したがって、筒状の振動緩和部材の内部に配置されている衝撃緩和部材は、ハウジングにおける蓋体部によりハウジング内に入り込むことを防止されてハウジングの外側に残り、この蓋体部と装置設置面との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明において、ハウジングの底部に孔が形成され、前記孔に筒状の振動緩和部材がはめ込まれるとともに、前記振動緩和部材の径方向突部が前記孔の周縁にかかり合うように構成され、前記ハウジングの内部に、前記筒状の振動緩和部材の内部に配置された衝撃緩和部材に接触可能なストッパが設けられているものである。
【0029】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、ハウジングの孔の周縁にかかり合っている振動緩和部材の径方向突部が変形してハウジング内に入り込むことにより、振動緩和部材はハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。このとき、振動緩和部材の内部に配置されている衝撃緩和部材は、ハウジングの内部に配置されているストッパによりハウジング内に入り込むことを防止されてハウジングの外側に残り、ストッパと装置設置面との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0030】
請求項7記載の発明は、請求項1または2項記載の発明において、支持部材における振動緩和部材が柱状に形成され、前記支持部材における衝撃緩和部材が前記振動緩和部材の外周に配置されているものである。
【0031】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、振動緩和部材はハウジングの底部を貫通して配置され、前記振動緩和部材は、前記貫通部におけるハウジングの底部にかかり合い可能であるとともに衝撃が作用したときに変形して前記ハウジングの底部の貫通部を通過可能な径方向突部を有するものである。
【0032】
請求項9記載の発明は、請求項4から6までのいずれか1項または8記載の発明において、ハウジングの底部における振動緩和部材の貫通部に径方向外向きの切り込み部が形成され、前記振動緩和部材の径方向突部が前記切り込み部を通過可能な形状に形成されることで、前記ハウジングと前記振動緩和部材とをバヨネット構造により互いに結合可能とされているものである。
【0033】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用したときに、径方向突部がハウジングの底部における孔に接触して変形し、ハウジング内に入り込んでしまっても、このようにハウジングと振動緩和部材とがバヨネット構造により互いに連結される構造であることから、ハウジング内に入り込んだ径方向突部を、切り込み部を通過させてハウジングの外側に戻すことができ、ハウジングと振動緩和部材とを再び所定の位置にて容易に結合させることができる。
【0034】
請求項10記載の発明は、請求項1から9までのいずれか1項記載の発明において、支持部材における衝撃緩和部材が、前記支持部材における振動緩和部材と同一部材で前記振動緩和部材と一体に形成され、前記衝撃緩和部材が空隙を有する形状に形成されることで、前記振動緩和部材よりも剛性が低くされているものである。
【0035】
このような構成によれば、衝撃緩和部材が振動緩和部材と同一部材でかつ一体に形成されていても、情報処理装置に衝撃が作用したときには振動緩和部材に対して独立して変形し、この衝撃を緩和することができる。これにより、支持部材を構成する部品点数を減らすことができ、経済性の向上を図ることができる。
【0036】
請求項11記載の発明は、請求項2から9までのいずれか1項記載の発明において、振動緩和部材が衝撃の作用した方向に移動するときにハウジングに接触して抵抗となる突起部が、前記振動緩和部材に形成されているものである。
【0037】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、振動緩和部材がこの衝撃の作用した方向に移動し、このときに、振動緩和部材に形成されている突起部がハウジングに接触してこの移動に対する抵抗となることができる。これにより、情報処理装置に作用する衝撃のエネルギーがある程度減衰されるので、支持部材における衝撃緩和部材に作用する衝撃を小さくすることができ、より確実に、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0038】
請求項12記載の発明は、請求項1記載の発明において、情報処理装置に衝撃が作用したときに、振動緩和部材が前記衝撃の作用した方向に座屈変形することで、前記支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和させることが可能となるものである。
【0039】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用したときに、振動緩和部材が座屈変形することでこの衝撃のエネルギーをある程度減衰することができる。これにより、衝撃緩和部材に作用する衝撃を小さくすることができ、情報処理装置に作用する衝撃をより効果的に緩和することができる。
【0040】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、支持部材における振動緩和部材の外周に、前記支持部材における衝撃緩和部材が配置されているものである。
【0041】
請求項14記載の発明は、請求項1記載の発明において、支持部材における振動緩和部材の上端部が情報処理装置におけるハウジングに取り付けられ、前記振動緩和部材の下端部に開口凹部が形成され、前記開口凹部に、前記情報処理装置が装置設置面から持ち上げられたときに前記開口凹部からはみ出す材料にて形成されている衝撃緩和部材が収容されているものである。
【0042】
このような構成によれば、運搬中の情報処理装置が落下した場合に、衝撃緩和部材が、振動緩和部材からはみ出している分だけ振動緩和部材よりも先に衝撃を受けることができる。したがって、衝撃緩和部材が、この衝撃が振動緩和部材に直接作用することを防止し、かつこの衝撃を緩和することができる。
【0043】
請求項15記載の発明は、請求項4または8記載の発明において、支持部材における振動緩和部材が、ハウジングにその内側からかかり合い前記ハウジングから前記振動緩和部材が抜け落ちることを防止する抜け落ち防止部を有するものである。
【0044】
このような構成によれば、抜け落ち防止部がハウジングにその内側からかかり合うことができるので、ハウジングと支持部材との取り付けを容易に行うことができる。
【0045】
請求項16記載の発明は、請求項1から15までのいずれか1項記載の発明において、ハウジングの底部の外側に、情報処理装置を装置設置面に対して支持させるための複数の支持部材が取り付けられ、前記複数の支持部材のうち、前記情報処理装置におけるハウジングに内蔵された、耐衝撃処置を必要とするデバイスの下部に対応する位置の支持部材を構成する第1の衝撃緩和部材が、その他の位置に配置されている支持部材を構成する第2の衝撃緩和部材よりも剛性が高いものである。
【0046】
このような構成によれば、情報処理装置に落下等による衝撃が作用したときに、第2の衝撃緩和部材が、情報処理装置に内蔵されたデバイスの下部となる位置の支持部材を構成する第1の衝撃緩和部材よりも先に変形し、その分だけ第1の衝撃部材に作用する衝撃、すなわち耐衝撃処置を必要とするデバイスが内蔵されている側に作用する衝撃を緩和することができる。また、第2の衝撃緩和部材が第1の衝撃緩和部材よりも先に変形して情報処理装置が装置設置面に対して傾き、その直後にこの傾きが戻ることで情報処理装置に作用する衝撃をさらに緩和することができる。
【0047】
請求項17記載の発明は、請求項1から9までのいずれか1項または11から16までのいずれか1項記載の発明において、支持部材における衝撃緩和部材がゲル系の材料から形成されているものである。
【0048】
このような構成によれば、支持部材における衝撃緩和部材がゲル系の材料から形成されていることにより、衝撃緩和部材が緩やかに変形することができるので、より効果的に衝撃を緩和することができる。
【0049】
請求項18記載の発明は、請求項1から9までのいずれか1項または11から16までのいずれか1項記載の発明において、支持部材における衝撃緩和部材がシリコン系の材料から形成されているものである。
【0050】
請求項19記載の発明は、請求項17または18記載の発明において、衝撃緩和部材が複数の材料を組み合わせて成るものである。
請求項20記載の発明は、請求項1から9までのいずれか1項または11から16までのいずれか1項記載の発明において、支持部材における衝撃緩和部材が、その剛性が情報処理装置に作用する衝撃に依存して変化する材料から形成されているものである。
【0051】
このような構成によれば、情報処理装置が落下した場合などでは、衝撃緩和部材の剛性は、情報処理装置の落下時の衝撃に応じて高くなる。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図1〜図3を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明の実施の形態1の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す構造の断面図である。また、図2は、図1に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図であり、図3は、図1に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態1において用いられる情報処理装置は、図23に示した情報処理装置1における支持部材8が後述する支持部材14に置換されたものである。
【0053】
図1〜図2に示すように、支持部材14は、例えば剛性の高いゴム製で上下が開口した円筒状に形成されている振動緩和部材15と、この振動緩和部材15の筒状の内部に収容され、振動緩和部材15よりも剛性の低いゲル系(例えば北川工業社製KGゲル)またはシリコン系(日本発条社製スーパーシート)材料よりなる円柱状の衝撃緩和部材16とを有する。
【0054】
振動緩和部材15は、一方の端面から軸方向に他方の端面に達さない切欠部15aが、ハウジング2の肉厚よりも長く形成されており、切欠部15aの開口側部分の外周には抜け落ち防止部である第1外周突部15bと径方向突部である第2の外周突部15cとが互いに軸方向に、ハウジング2の肉厚に対応した間隔をおいて形成されている。15dは、この第1の外周突部15bと第2の外周突部15cと間の部分である首部である。
【0055】
一方、情報処理装置におけるハウジング2の底部には、振動緩和部材15における首部15dの径方向断面の形状に対応した貫通部であるC字形状の切り抜き部2cが形成されている。
【0056】
C字形状の切り抜き部2cが形成されることで、ハウジング2において、筒状の振動緩和部材15の外側に対応する位置の本体部2dと、振動緩和部材15の切欠部15aに対応する位置の接続部2eと、筒状の振動緩和部材15の内側に対応する位置の蓋体部2fとが形成される。
【0057】
この首部15dが切り抜き部2cにはめ合わされるようにして、第1の外周突部15bがハウジング2内に入り込んだ状態で第1の外周突部15bと第2の外周突部15cとの間にハウジング2における本体部2dを挟んでいる。この状態の振動緩和部材15における、ハウジング2の蓋体部2fよりも外部で、その筒状の内側となる部分に、支持部材14における衝撃緩和部材16が収容されている。なお、振動緩和部材15の底面と衝撃緩和部材16の底面とは装置設置面17に対してそろっている。
【0058】
このような情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成するためには、図2に示すように、ハウジング2の底部における接続部2eの位置に、振動緩和部材15における切欠部15aの位置を対応させ、第1の外周突部15bを変形させつつ切り抜き部2cに通してハウジング2内に挿入し、切り抜き部2cに振動緩和部材15における首部15dをはめ込む。
【0059】
そして、この状態の振動緩和部材15における、ハウジング2の蓋体部2fよりも外部に衝撃緩和部材16を挿入し、情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成する。このとき、ハウジング2における蓋体部2fと衝撃緩和部材16とを適宜の手段により接着しておく。
【0060】
このような構成において、図1(b)に示すように、情報処理装置は、ハウジング2の本体部2dが支持部材14における振動緩和部材15の第1の外周突部15bと第2の外周突部15cとの間に挟まれて装置設置面17に対して支持されている。
【0061】
この情報処理装置に、内蔵されたデバイスであるHDDなどを発振源とする情報処理装置の内部からの振動や、例えば情報処理装置を車などに搭載したときに発生する情報処理装置の外部からの振動が作用した場合には、振動緩和部材15が振動を緩和するのに優れた特性である高い剛性のゴムで形成されているので、この振動のエネルギーが、振動緩和部材15を微小変形させるためのエネルギーや、この変形の際に生じる熱に変換されて消費される。したがって、情報処理装置に作用した振動が減衰させて効率良く緩和することができる。
【0062】
また、この情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合は、図3に示すように、振動緩和部材15における第2の外周突部15cが、この衝撃によりハウジング2における本体部2dに強く押し付けられて変形し、このハウジング2における切り抜き部2cを通過することで、振動緩和部材15は、切欠部15aが形成されている範囲でハウジング2に対してスライドし、ハウジング2内に入り込むことができる。
【0063】
このとき、振動緩和部材15内に収容されている衝撃緩和部材16が、衝撃を緩和するのに優れた特性である低い剛性のゲル系またはシリコン系の材料で形成されているので、ハウジング2における蓋体部2fと装置設置面17との間で緩やかに圧縮され、この衝撃エネルギーを衝撃緩和部材16に作用させて減衰させ、効率良く緩和することができる。
【0064】
また、支持部材14が別部材から構成されることにより、振動緩和部材15を、振動を緩和するのに適した物性の材料で振動を緩和することのみを目的として設計する、すなわち衝撃を緩和させるための物性を考慮しない材料で設計とすることができる。これにより、図24(a)及び図24(b)に示した従来の技術における支持部材8の材料よりもさらに剛性の高いゴムを使用することができるので、図25の実線10にて示した、支持部材8の材料として剛性の高いゴムを使用した場合とよりも優れた耐振性能を発揮することができる。
【0065】
さらに、衝撃緩和部材16を、衝撃を緩和するのに適した物性の材料で衝撃を緩和することのみを目的として設計する、すなわち振動を緩和させるための物性を考慮しない材料で設計とすることができる。これにより、図24(a)及び図24(b)に示した従来の技術における支持部材8の材料よりもさらに剛性の低いゲル系またはシリコン系の材料を使用することができるので、図26の破線11にて示した、支持部材8の材料として剛性の低いゴムを使用した場合とよりも優れた耐衝撃性能を発揮することができる。
【0066】
したがって、上記の実施の形態1のように、支持部材14を、振動を緩和する役割を担う剛性の高いゴムで形成された振動緩和部材15と、衝撃を緩和する役割を担う剛性の低い材料で形成された衝撃緩和部材16との別部材からなる構成として振動緩和部材15と衝撃緩和部材16との剛性に高低の差をつけることによって、耐振性能の向上に必要な特性と耐衝撃性能の向上に必要な特性とを同時に、かつ互いに独立して情報処理装置に容易に付与することができる。またこれにより、耐振性能と耐衝撃性能とを兼ね備えた総合的な性能の向上を容易に、かつ迅速に行うことができ、設計時間の大幅な短縮が可能となる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2を図4〜図6を参照しながら説明する。図4(a)は、本発明の実施の形態2の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示す構造の断面図である。また、図5は、図4に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図であり、図6は、図4に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態2において用いられる情報処理装置は、支持部材18における振動緩和部材19が、実施の形態1の支持部材14の振動緩和部材15と異なるのみで、その他の部分の構成は実施の形態1と同じである。
【0067】
図4〜図5に示すように、振動緩和部材19の外周には、第1の外周突部19b及び第2の外周突部19cとは異なる、突起部である外周突起部20が、軸方向に一定の間隔をおいて複数形成されている。
【0068】
この外周突起部20は、第1の外周突部19b及び第2の外周突部19cよりも小径で、かつ切り抜き部2cの周縁の本体部2dに接触可能に形成されている。
【0069】
このような構成において、情報処理装置を装置設置面17に設置しているとき及び情報処理装置に振動が作用した場合の情報処理装置の挙動は、実施の形態1と同様である。
【0070】
また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合、図6に示すように、振動緩和部材19がハウジング2内に入り込む際に、外周突起部20がハウジング2における本体部2dに接触し、強く押し付けられて第2の外周突部19cと同様に変形し、このハウジング2における切り抜き部2cを通過してハウジング2内に入り込むことができる。
【0071】
このとき、情報処理装置に作用する衝撃のエネルギーは、外周突起部20を変形させるエネルギーや、外周突起部20とハウジング2における本体部2dとが接触する際の摩擦熱に変換されるので、より効果的に衝撃を緩和することができる。なお、振動緩和部材19の外周に複数の外周突起部20が形成されていることにより、図6の仮想線にて示すように、情報処理装置に作用する衝撃の大きさに応じてこれら複数の外周突起部20がハウジング2内に順に入り込むことができる。すなわち、外周突起部20とハウジング2における本体部2dとが接触する回数を増やすことができ、これにより大きな衝撃が作用した場合であってもより一層効果的に衝撃を緩和することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3を図7〜図9を参照しながら説明する。図7(a)は、本発明の実施の形態3の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している斜視図であり、図7(b)は、図7(a)に示す構造の断面図である。また、図8は、図7に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図であり、図9は、図7に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、上述した実施の形態2はハウジング2に接触して抵抗となる突起部が振動緩和部材19の外周に形成された場合であるが、本発明の実施の形態3はこの突起部が振動緩和部材22の内周に形成された場合を示すものである。実施の形態3における突起部である内周突起部23は、ハウジング2における蓋体部2fと接触可能なように形成されている。
【0072】
したがって、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、実施の形態2と同様に、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4を図10〜図11を参照しながら説明する。図10(a)は、本発明の実施の形態4の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している斜視図であり、図10(b)は、図10(a)に示す構造の断面図である。また、図11は、図10に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。なお、本発明の実施の形態4において用いられる情報処理装置は、図1に示した支持部材14における衝撃緩和部材16が後述する格子状構造部26に置換されたものである。
【0073】
図10〜図11に示すように、支持部材24は、情報処理装置に作用する振動を緩和可能な振動緩和部材としての筒状構造部25と、情報処理装置に作用する衝撃を緩和可能な衝撃緩和部材としての格子状構造部26とを有している。この格子状構造部26は、平面視で格子状となるように複数の空隙部26aが軸方向に形成され、筒状構造部25の内部に、この筒状構造部25と同一部材でかつ一体に形成されている。このように、格子状構造部26が格子形状に形成されることによって、筒状構造部25よりも低い剛性となるように構成され、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
【0074】
このような構成において、情報処理装置を振動が作用した場合、筒状構造部25がこの振動を緩和することができる。
また、この情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合、第2の外周突部25cがハウジング2における本体部2dに接触して変形し、ハウジング2内に入り込む。このとき、格子状構造部26が空隙部26aを有する格子状に形成されて筒状構造部25よりも低い剛性になるように構成されていることにより、図示は省略するが、筒状構造部25の筒状の内側に一体に形成されている格子状構造部26が、ハウジング2における蓋体部2fと装置設置面17との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用した衝撃のエネルギーは、格子状構造部26を変形させるエネルギーなどに変換されて緩和される。したがって、格子状構造部26が、筒状構造部25と同一部材でかつ一体に形成されていても、その剛性に高低の差をつけることにより、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
【0075】
また、筒状構造部25と格子状構造部26とを一体に形成することで、支持部材24の部品点数の削減を図ることができ、耐振性能と耐衝撃性能とを備えた支持部材24を安価に提供することができる。なお、支持部材24において、格子状構造部26は、複数の空隙部26aが軸方向に形成されることによって格子形状に形成され、筒状構造部25よりも低い剛性とされているが、この形状に限らず、形状を変化させることによって筒状構造部25よりも低い剛性とすることができればそれで良い。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5を図12〜図14を参照しながら説明する。図12(a)は、本発明の実施の形態5の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している断面の斜視図であり、図12(b)は、図12(a)に示す構造の断面図である。また、図13は、図12に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図であり、図14は、図12に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態5において用いられる情報処理装置は、図1に示した蓋体部2fが後述する支持部材27に置換されたものである。
【0076】
ハウジング2の底部には孔である丸孔2gが形成されており、この丸孔2gに振動緩和部材28における首部28cがはめ合わされている。
ハウジング2内には、ストッパ支持部31が配置されており、このストッパ支持部31には、振動緩和部材28の内部に配置された衝撃緩和部材29に接触可能なストッパ30が取り付けられている。なお、図12(a)及び図12(b)に示すように、支持部材27をハウジング2に取り付けたときにストッパ30が振動緩和部材28に対して径方向にずれて抜けないように、ストッパ30の下部を振動緩和部材28の中に入り込ませておくと良い。
【0077】
このような構成において、情報処理装置を装置設置面17に設置しているとき及び情報処理装置に振動が作用した場合の情報処理装置の挙動は、実施の形態1と同様である。
【0078】
また、この情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合、第2の外周突部28bがハウジング2における本体部2dに接触して変形し、ハウジング2内に入り込む。このとき、図14に示すように、衝撃緩和部材29は、ストッパ30によってハウジング2内に入り込むことを防止され、ハウジング2の外側に残される。これにより、この衝撃緩和部材29を、ストッパ30と、振動緩和部材28の内側の面と、装置設置面17との間で圧縮することができる。したがって、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6を図15及び図16を参照しながら説明する。
【0079】
図15及び図16に示すように、実施の形態6は、実施の形態5において、ハウジング2に形成されている丸孔2gから径方向外側に向けて、例えば扇形状の切り込み部2hが周方向の二ヶ所に形成され、かつ振動緩和部材28における第2の外周突部28bがこの切り込み部2hの形状に対応した扇形状に形成されてこの二ヶ所のそれぞれの切り込み部2hを通過可能とされることで、ハウジング2と振動緩和部材28とをバヨネット構造により互いに連結可能としたものである。
【0080】
このような構成によれば、情報処理装置に衝撃が作用してハウジング2内に振動緩和部材28における第2の外周突部28bが入り込んだ後、図16の仮想線にて示すように、切り込み部2hに第2の外周突部28bをはめ入れ、首部28cを丸孔2gにはめ合わせたうえで、この仮想線に示す位置から実線にて示す位置までこの振動緩和部材28を軸方向回りに旋回させる。
【0081】
これにより、切り込み部2hと第2の外周突部28bとの周方向の位置がずれてハウジング2から振動緩和部材28が軸方向に対して抜けないようにされ、ハウジング2と振動緩和部材28とを、支持部材27に衝撃が作用する前の所定の状態にしっかりと、かつ容易に連結させることができる。
【0082】
このバヨネット構造は、図1〜図12に示したものや、図20〜図21に示したものにも適用可能である。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7を図17を参照しながら説明する。図17(a)は、本発明の実施の形態7の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造の断面を示している斜視図であり、図17(b)は、図17(a)に示す構造の組み立て前の状態の各部材の断面を示している分解斜視図である。なお、本発明の実施の形態7において用いられる情報処理装置は、図23に示した情報処理装置1における支持部材8が後述する支持部材32に置換されたものである。
【0083】
図17(a)及び図17(b)に示すように、ハウジング2の底部の外側に、支持部材32が取り付けられており、この支持部材32は、剛性の高い振動緩和部材33と、剛性の低い衝撃緩和部材34とを有する。
【0084】
振動緩和部材33は、先端に平坦部33aが形成されている中空円錐台形状で、平坦部33aと逆側の開口している端面にはフランジ部33bが形成されている。また、衝撃緩和部材34は、振動緩和部材33における平坦部33aを除く部分の外周をはめ合わせ可能な形状の嵌合孔34aを有する環状に形成されている。この衝撃緩和部材34における嵌合孔34aに振動緩和部材33が、その平坦部33aの先端が衝撃緩和部材34の一方の端面から出るようにはめ合わされて支持部材32が構成されている。なお、このときの振動緩和部材33の外周と衝撃緩和部材34の内周とは接触しており、振動緩和部材33におけるフランジ部33及び衝撃緩和部材34におけるハウジング2側の端面34cは、ハウジング2の底部に接着されている。
【0085】
このような情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成するためには、図17(b)に示すように、振動緩和部材33を、その平坦部33aの先端が衝撃緩和部材34の一方の端面から出るように、衝撃緩和部材34における嵌合孔34aにはめ合わせ、振動緩和部材33と衝撃緩和部材34とを適宜の手段によって互いに接着し、支持部材32を構成する。
【0086】
そして、支持部材32の振動緩和部材33におけるフランジ部33b及び衝撃緩和部材34の他方の端面をハウジング2の底部の外側に接着によって取り付け、情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成する。
【0087】
このような構成において、情報処理装置に振動が作用した場合には、この情報処理装置におけるハウジング2と装置設置面17とを連結させている振動緩和部材33の剛性が高いことにより、この振動のエネルギーが、振動緩和部材33を微小変形させるためのエネルギーや、この変形の際に生じる熱に変換されて消費される。したがって、情報処理装置に作用した振動を減衰させて効率良く緩和することができる。
【0088】
また、この情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合には、振動緩和部材33が、その平坦部33aの先端が衝撃緩和部材34の一方の端面から突き出るようにはめ合わされているので、衝撃緩和部材34よりも先に装置設置面17に接触し、振動緩和部材33が中空円錐台形状に形成されていることにより、振動緩和部材33はこの中空部側に、すなわち内側に座屈するようにへこんで変形する。これにより、衝撃緩和部材34が装置設置面17に接触することができ、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8を図18〜図19を参照しながら説明する。図18(a)は、本発明の実施の形態8の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している断面図であり、図18(b)は、図18(a)に示す構造を組み立てる前の状態の各部材の断面を示す分解斜視図である。また、図19(a)は、図18に示す情報処理装置が持ち上げられているときの状態を示す断面図であり、図19(b)は、図19(a)に示す情報処理装置がその位置から落下した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態8において用いられる情報処理装置は、図23に示した情報処理装置1における支持部材8が後述する支持部材35に置換されたものである。
【0089】
図18〜図19に示すように、ハウジング2の底部には丸孔2gが形成されており、この丸孔2gに支持部材35がはめ込まれている。この支持部材35は、剛性の高い振動緩和部材36と、剛性の低い衝撃緩和部材37とを有する。
【0090】
この振動緩和部材36は剛性の高いゴム製であり、図24に示した支持部材8とほぼ同様の構成であるが、その下方の端部に、端面に向かって開口している開口凹部36dが形成されている。
【0091】
振動緩和部材36における開口凹部36dには、図19(a)に示すように、この開口凹部36dの深さよりも軸方向長さが大きい円柱状の衝撃緩和部材37が、情報処理装置を持ち上げている際には開口凹部36dからはみ出るように収容されている。
【0092】
この衝撃緩和部材37は、情報処理装置に作用する衝撃に依存してその剛性が変化する、すなわち剛性の速度依存性が高いシリコン系の材料(例えば日本発条社製スーパーシート)で形成されており、例えば、2.5[m/s]で高速圧縮した(高さ30cmの位置から落下した場合の圧縮に相当する)場合の剛性は、1[mm/min]の割合で静的に圧縮した場合の剛性と比べて約10倍程度に大きくなる(ただし、振動緩和部材36よりは低い剛性である。)物性である。
【0093】
したがって、図19(a)に示している状態の情報処理装置をそのまま静かに装置設置面17に設置した場合には、衝撃緩和部材37は、情報処理装置の自重により、振動緩和部材36の開口凹部36dと装置設置面17との間で徐々に静的に圧縮され、図18(a)に示すように、装置設置面17と開口凹部36dとの間に圧縮状態で収容される。
【0094】
このような情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成するには、図18(b)に示すように、振動緩和部材36を、図24に示した支持部材8の場合と同様にして、ハウジング2の底部に形成されている丸孔2gにはめ合わせる。そして、図19(a)に示すように、この状態の振動緩和部材36の開口凹部36dに衝撃緩和部材37を収容して支持部材35を構成する。振動緩和部材36における開口凹部36dに衝撃緩和部材37を収容すると、図18(a)に示すように、情報処理装置を装置設置面17に設置する。
【0095】
このような構成において、情報処理装置に振動が作用した場合には、ハウジング2の底部に取り付けられている振動緩和部材36がこの振動を緩和することができる。
【0096】
この情報処理装置を運搬するために持ち上げた場合には、図19(a)に示すように、この衝撃緩和部材37に情報処理装置の自重が作用しなくなることから、この衝撃緩和部材37はもとの非圧縮時の形状に戻る。
【0097】
このとき、情報処理装置が落下して衝撃が作用した場合、衝撃緩和部材37は上述したように、情報処理装置に作用する衝撃に依存して剛性が変化する、すなわち剛性の速度依存性が高いシリコン系の材料で形成されており、かつ振動緩和部材36における開口凹部36dからはみ出るように収容されていることから、図19(b)に示すように、装置設置面17に振動緩和部材36よりも先に接触することができ、かつ装置設置面17に接触した直後の衝撃緩和部材37の剛性が、振動緩和部材36の剛性以下の範囲で高くなる。これにより、この衝撃緩和部材37が開口凹部36dと装置設置面17との間で圧縮されて変形するので、情報処理装置に作用する衝撃をより一層効果的に緩和することができる。
(実施の形態9)
次に、本発明の実施の形態9を図20〜図21を参照しながら説明する。図20(a)は、本発明の実施の形態9の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している断面図であり、図20(b)は、図20(a)に示す構造を構成する前の状態の、各部材の断面を示す分解斜視図である。また、図21は、図20に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。なお、本発明の実施の形態9において用いられる情報処理装置は、図23に示した情報処理装置1における支持部材8が後述する支持部材38に置換されたものである。
【0098】
図20〜図21に示すように、ハウジング2の底部に支持部材38が取り付けられている。この支持部材38は、剛性の高い振動緩和部材39と、剛性の低い衝撃緩和部材40とを有する。
【0099】
支持部材38における振動緩和部材39は、剛性の高いゴム製であり、円柱状の本体部39aの一方の端部に、図19に示した振動緩和部材36の頭部36cと同様に構成された連結部である頭部39bと、この頭部39bから軸方向にずれた位置に、本体部39aよりも大径に形成されている支持部である外周突部39cと、この本体部39aの他方の端部に形成されているフランジ部39dとを有する。
【0100】
この振動緩和部材39は、図19に示した振動緩和部材36と同様に、ハウジング2の底部に形成されている丸孔2gに首部39eがはめ合わされてハウジング2に取り付けられている。
【0101】
一方、衝撃緩和部材40は、例えば、振動緩和部材39における外周突部39cからフランジ部39dまでの部分をはめ込み可能な嵌合孔40aを有する環状に形成されている。この衝撃緩和部材40における嵌合孔40aに、振動緩和部材39における外周突部39cからフランジ部39dまでの部分がはめ合わされることで支持部材38が構成されている。
【0102】
このような構成の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を構成するためには、図20(b)に示すように、衝撃緩和部材40における嵌合孔40aに振動緩和部材39をはめ合わせて支持部材38を構成し、図20(a)に示すように、この支持部材38の振動緩和部材39における首部39eをハウジング2に形成されている丸孔2gにはめ合わせる。
【0103】
このような構成において、情報処理装置に振動が作用した場合には、ハウジング2の底部に取り付けられている振動緩和部材39がこの振動を緩和することができる。
【0104】
また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合には、図21に示すように、振動緩和部材39における外周突部39cが、ハウジング2における本体部2dに強く押し付けられて変形し、このハウジング2における丸孔2gを通過してハウジング2内に入り込む。
【0105】
このとき、振動緩和部材39に対して外ばめ状態に配置されている衝撃緩和部材40は、ハウジング2の本体部2dと、振動緩和部材39のフランジ部39d及び装置設置面17との間で圧縮される。これにより、この衝撃エネルギーを衝撃緩和部材40によって減衰させ、この衝撃を効率良く緩和することができる。(実施の形態10)
次に、本発明の実施の形態10を図22を参照しながら説明する。図22(a)は、本発明の実施の形態10の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示している下面図であり、図22(b)は、図22(a)に示す構造に衝撃が作用している状態を示す側面図である。
【0106】
図22(a)に示すように、情報処理装置1におけるハウジング2の底部には、情報処理装置1に内蔵された耐衝撃処置を必要とするデバイスであるHDD3の下部に対応する位置の例えば二ヶ所に第1の支持部材41が取り付けられており、これら二つの第1の支持部材41が取り付けられている側とは逆側の例えば二ヶ所に第2の支持部材42が取り付けられている。
【0107】
第1の支持部材41は、円筒状で剛性の高いゴム製である振動緩和部材43と、この振動緩和部材43よりも剛性の低い材料で円柱状に形成され、振動緩和部材43の内部に収容されている第1の衝撃緩和部材44とを有する。また、第2の支持部材42は、第1の支持部材41に使用されているものと同様の振動緩和部材43と、第1の支持部材41に使用されている第1の衝撃緩和部材44よりもさらに剛性の低い材料で円柱状に形成され、この振動緩和部材43の内部に収容されている第2の衝撃緩和部材45とを有する。
【0108】
このような構成において、情報処理装置1に振動が作用した場合には、情報処理装置1のハウジング2の底部に取り付けられている第1の支持部材41及び第2の支持部材42における振動緩和部材43が、この振動を緩和することができる。
【0109】
また、情報処理装置1に落下等による衝撃が作用した場合は、図22(b)に示すように、耐衝撃処置を必要とするHDD3の下部に対応する位置に取り付けられている第1の支持部材41の第1の衝撃緩和部材44が、これら二つの第1の支持部材41が取り付けられている側とは逆側に取り付けられている第2の支持部材42の第2の衝撃緩和部材45よりも剛性が高いことにより、第2の衝撃緩和部材45から構成されている第2の支持部材42を、第1の衝撃緩和部材44から構成されている第1の支持部材41よりも先に変形させることができる。
【0110】
したがって、その分だけHDD3の下部に対応する位置に取り付けられている第1の支持部材41に作用する衝撃、すなわちHDD3が内蔵されている側に作用する衝撃を緩和することができる。また、第2の支持部材42が第1の支持部材41よりも先に変形して、情報処理装置1が装置設置面17に対して傾き、その直後にこの傾きが戻ることで情報処理装置1に作用する衝撃をより一層効果的に緩和することができる。
【0111】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、情報処理装置に振動が作用した場合には、支持部材における振動緩和部材がこの振動を緩和することができ、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和することができる。このように、支持部材において、情報処理装置に作用する振動を緩和する振動緩和部材と衝撃を緩和する衝撃緩和部材とが別であることにより、支持部材の耐振性能の向上と支持部材の耐衝撃性能の向上とを独立して、すなわち、振動を緩和する特性と衝撃を緩和する特性とが相反する性質であっても、互いの性能を相殺することなく、それぞれの性能の向上を同時にかつ容易に図ることができる。また、これにより、耐振性能及び耐衝撃性能を向上させるための設計に費やす時間を短縮することができる。
【0112】
また、情報処理装置を装置設置面に設置している時に振動が作用した場合には、ハウジングの底部にかかり合うことで情報処理装置を装置設置面に対して支持させている振動緩和部材がこの振動を受けて緩和することができる。また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用した場合には、ハウジングと振動緩和部材とのかかり合いが解消され、振動緩和部材がこの衝撃が作用した方向に移動することにより、支持部材における衝撃緩和部材に衝撃を作用させ、この衝撃を緩和させることができる。
【0113】
また、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、径方向突部がハウジングに押し当てられて変形し、ハウジングの底部の貫通部を通過することにより、振動緩和部材が貫通部からハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。これにより、衝撃緩和部材に衝撃を作用させて緩和することができる。
【0114】
また、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、切り抜き部に貫通して配置されている振動緩和部材が、切欠部が形成されている範囲でハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。したがって、筒状の振動緩和部材の内部に配置されている衝撃緩和部材は、ハウジングにおける蓋体部によりハウジング内に入り込むことを防止されてハウジングの外側に残り、この蓋体部と装置設置面との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0115】
また、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、ハウジングの孔の周縁にかかり合っている振動緩和部材の径方向突部が変形してハウジング内に入り込むことにより、振動緩和部材はハウジング内に入り込む、すなわち衝撃の作用した方向に移動することができる。このとき、振動緩和部材の内部に配置されている衝撃緩和部材は、ハウジングの内部に配置されているストッパによりハウジング内に入り込むことを防止されてハウジングの外側に残り、ストッパと装置設置面との間で圧縮される。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0116】
また、情報処理装置に衝撃が作用したときに、径方向突部がハウジングの底部における孔に接触して変形し、ハウジング内に入り込んでしまっても、このようにハウジングと振動緩和部材とがバヨネット構造により互いに連結される構造であることから、ハウジング内に入り込んだ径方向突部を、切り込み部を通過させてハウジングの外側に戻すことができ、ハウジングと振動緩和部材とを再び所定の位置にて容易に結合させることができる。
【0117】
また、衝撃緩和部材が振動緩和部材と同一部材でかつ一体に形成されていても、情報処理装置に衝撃が作用したときには振動緩和部材に対して独立して変形し、この衝撃を緩和することができる。これにより、支持部材を構成する部品点数を減らすことができ、経済性の向上を図ることができる。
【0118】
また、情報処理装置に衝撃が作用した場合には、振動緩和部材がこの衝撃の作用した方向に移動し、このときに、振動緩和部材に形成されている突起部がハウジングに接触してこの移動に対する抵抗となることができる。これにより、情報処理装置に作用する衝撃のエネルギーがある程度減衰されるので、支持部材における衝撃緩和部材に作用する衝撃を小さくすることができ、より確実に、情報処理装置に作用する衝撃を緩和することができる。
【0119】
また、情報処理装置に衝撃が作用したときに、振動緩和部材が座屈変形することでこの衝撃のエネルギーをある程度減衰することができる。これにより、衝撃緩和部材に作用する衝撃を小さくすることができ、情報処理装置に作用する衝撃をより効果的に緩和することができる。
【0120】
また、運搬中の情報処理装置が落下した場合に、衝撃緩和部材が、振動緩和部材からはみ出している分だけ振動緩和部材よりも先に衝撃を受けることができる。したがって、衝撃緩和部材が、この衝撃が振動緩和部材に直接作用することを防止し、かつこの衝撃を緩和することができる。
【0121】
また、抜け落ち防止部がハウジングにその内側からかかり合うことができるので、ハウジングと支持部材との取り付けを容易に行うことができる。
また、情報処理装置に落下等による衝撃が作用したときに、第2の衝撃緩和部材が、情報処理装置に内蔵されたデバイスの下部となる位置の支持部材を構成する第1の衝撃緩和部材よりも先に変形し、その分だけ第1の衝撃部材に作用する衝撃、すなわち耐衝撃処置を必要とするデバイスが内蔵されている側に作用する衝撃を緩和することができる。また、第2の衝撃緩和部材が第1の衝撃緩和部材よりも先に変形して情報処理装置が装置設置面に対して傾き、その直後にこの傾きが戻ることで情報処理装置に作用する衝撃をさらに緩和することができる。
【0122】
また、支持部材における衝撃緩和部材がゲル系の材料から形成されていることにより、衝撃緩和部材が緩やかに変形することができるので、より効果的に衝撃を緩和することができる。
【0123】
さらに、情報処理装置が落下した場合などでは、衝撃緩和部材の剛性は、情報処理装置の落下時の衝撃に応じて高くなる。これにより、情報処理装置に作用する衝撃を効果的に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図2】図1に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図5】図4に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図6】図4に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図8】図7に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図9】図7に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図11】図10に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態5の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。
【図13】図12に示す構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図14】図12に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態6の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造の組み立て前の状態を示す分解斜視図である。
【図16】図15に示す振動緩和部材とハウジングとがバヨネット構造により接続されている状態を示す下面図である。
【図17】本発明の実施の形態7の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその断面の斜視図であり、(b)はその分解斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態8の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその断面図、(b)はその分解斜視図である。
【図19】(a)は、図18に示す情報処理装置が持ち上げられている際の状態を示す断面図であり、(b)は、この装置が落下した状態を示す断面図である。
【図20】本発明の実施の形態9の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその断面図、(b)はその分解斜視図である。
【図21】図20に示す構造に衝撃が作用した状態を示す断面図である。
【図22】本発明の実施の形態10の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造を示す図であって、(a)はその下面図、(b)はその構造に衝撃が作用している状態を示す側面図である。
【図23】従来の技術における情報処理装置を示す斜視図である。
【図24】図23に示す情報処理装置において、支持部材をハウジングに取り付けている様子を示す斜視図である。
【図25】従来の技術における情報処理装置の耐振性能を示すグラフである。
【図26】従来の技術における情報処理装置の耐衝撃性能を示すグラフである。
【符号の説明】
2 ハウジング
14 支持部材
15 振動緩和部材
16 衝撃緩和部材
17 装置設置面
Claims (20)
- 情報処理装置のハウジングに内蔵されたデバイスを、前記情報処理装置に作用する振動及び衝撃から保護するための構造であって、前記情報処理装置におけるハウジングの底部に、前記情報処理装置を装置設置面に対して支持させる支持部材が取り付けられ、前記支持部材が、前記情報処理装置に作用する振動を緩和可能な振動緩和部材と、前記振動緩和部材よりも低い剛性とされて前記情報処理装置に作用する衝撃を緩和可能な衝撃緩和部材とを有することを特徴とする情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における振動緩和部材がハウジングの底部にかかり合うことで、情報処理装置を装置設置面に対して支持させており、前記情報処理装置に衝撃が作用したときに前記ハウジングと前記振動緩和部材とのかかり合いが解消されて、前記振動緩和部材が衝撃が作用した方向に移動することによって、前記支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和することが可能となることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における振動緩和部材が筒状に形成され、前記振動緩和部材の内部に衝撃緩和部材が配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 振動緩和部材はハウジングの底部を貫通して配置され、前記振動緩和部材は、前記貫通部におけるハウジングの底部にかかり合い可能であるとともに衝撃が作用したときに変形して前記ハウジングの底部の貫通部を通過可能な径方向突部を有することを特徴とする請求項3記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 振動緩和部材の上部において、前記振動緩和部材の軸方向に、ハウジングの底部の肉厚よりも長い切欠部が形成され、前記ハウジングの底部は、前記切欠部が形成された前記振動緩和部材が貫通するC字形状の切り抜き部を有することで、前記筒状の振動緩和部材の内側に対応する位置の蓋体部を有し、衝撃緩和部材は前記蓋体部に接触可能であることを特徴とする請求項4記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- ハウジングの底部に孔が形成され、前記孔に筒状の振動緩和部材がはめ込まれるとともに、前記振動緩和部材の径方向突部が前記孔の周縁にかかり合うように構成され、前記ハウジングの内部に、前記筒状の振動緩和部材の内部に配置された衝撃緩和部材に接触可能なストッパが設けられていることを特徴とする請求項4記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における振動緩和部材が柱状に形成され、前記支持部材における衝撃緩和部材が前記振動緩和部材の外周に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 振動緩和部材はハウジングの底部を貫通して配置され、前記振動緩和部材は、前記貫通部におけるハウジングの底部にかかり合い可能であるとともに衝撃が作用したときに変形して前記ハウジングの底部の貫通部を通過可能な径方向突部を有することを特徴とする請求項7記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- ハウジングの底部における振動緩和部材の貫通部に径方向外向きの切り込み部が形成され、前記振動緩和部材の径方向突部が前記切り込み部を通過可能な形状に形成されることで、前記ハウジングと前記振動緩和部材とをバヨネット構造により互いに結合可能とされていることを特徴とする請求項4から6までのいずれか1項または8記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における衝撃緩和部材が、前記支持部材における振動緩和部材と同一部材で前記振動緩和部材と一体に形成され、前記衝撃緩和部材が空隙を有する形状に形成されることで、前記振動緩和部材よりも剛性が低くされていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 振動緩和部材が衝撃の作用した方向に移動するときにハウジングに接触して抵抗となる突起部が、前記振動緩和部材に形成されていることを特徴とする請求項2から9までのいずれか1項記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 情報処理装置に衝撃が作用したときに、振動緩和部材が前記衝撃の作用した方向に座屈変形することで、前記支持部材における衝撃緩和部材がこの衝撃を緩和させることが可能となることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における振動緩和部材の外周に、前記支持部材における衝撃緩和部材が配置されていることを特徴とする請求項12記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における振動緩和部材の上端部が情報処理装置におけるハウジングに取り付けられ、前記振動緩和部材の下端部に開口凹部が形成され、前記開口凹部に、前記情報処理装置が装置設置面から持ち上げられたときに前記開口凹部からはみ出す材料にて形成されている衝撃緩和部材が収容されていることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における振動緩和部材が、ハウジングにその内側からかかり合い前記ハウジングから前記振動緩和部材が抜け落ちることを防止する抜け落ち防止部を有することを特徴とする請求項4または8記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- ハウジングの底部の外側に、情報処理装置を装置設置面に対して支持させるための複数の支持部材が取り付けられ、前記複数の支持部材のうち、前記情報処理装置におけるハウジングに内蔵された、耐衝撃処置を必要とするデバイスの下部に対応する位置の支持部材を構成する第1の衝撃緩和部材が、その他の位置に配置されている支持部材を構成する第2の衝撃緩和部材よりも剛性が高いことを特徴とする請求項1から15までのいずれか1項記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における衝撃緩和部材がゲル系の材料から形成されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項または11から16までのいずれか1項記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における衝撃緩和部材がシリコン系の材料から形成されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項または11から16までのいずれか1項記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 衝撃緩和部材が複数の材料を組み合わせて成ることを特徴とする請求項17または18記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
- 支持部材における衝撃緩和部材が、その剛性が情報処理装置に作用する衝撃に依存して変化する材料から形成されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項または11から16までのいずれか1項記載の情報処理装置の耐振及び耐衝撃構造。
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-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002172140A patent/JP2004019695A/ja active Pending
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