JPH06171045A - 空洞含有積層ポリエステル系フィルム - Google Patents

空洞含有積層ポリエステル系フィルム

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JPH06171045A
JPH06171045A JP4329268A JP32926892A JPH06171045A JP H06171045 A JPH06171045 A JP H06171045A JP 4329268 A JP4329268 A JP 4329268A JP 32926892 A JP32926892 A JP 32926892A JP H06171045 A JPH06171045 A JP H06171045A
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JP
Japan
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polyester
film
nitrogen
cationic
void
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JP4329268A
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English (en)
Inventor
Tadashi Tahoda
多保田  規
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
Chikao Morishige
地加男 森重
Kazuhiro Abe
和洋 阿部
Mutsuyuki Kawaguchi
睦行 河口
Koji Yamada
浩二 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、帯電防止性に優れた空洞含有ポリ
エステルフィルムを提供することにある。 【構成】 空洞含有ポリエステルフィルムの積層面のE
SCAから求まるカチオン性窒素とイオン化されていな
い窒素のピークの面積比がある一定範囲になるようにし
て帯電防止性を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル、ポスター、記
録紙、包装材料などに用いる際、腰の強度を十分持ち、
フィルム内部に微細な空洞を多量に含有した描画性を有
し、かつ優れた帯電防止性を有するポリエステルフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。合成紙の主原料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが用いられてい
るがこの中でもポリエチレンテレフタレートを代表とす
るポリエステルは、耐熱性が高い点や、腰が強いという
点で優れており、広範な用途展開が可能である。ポリエ
ステルを主原料とした紙と類似した機能を有するフィル
ムを得る方法として、従来(1)微細な空洞をフィルム
内部に多量に含有させる方法や通常の平坦なポリエステ
ルフィルムを(2−1)サンドプラスト処理や(2−
2)ケミカルエッチング処理や(2−3)マット化処理
(マット剤をバインダーとともに積層する方法)などに
よって粗面化する方法、などが開示されている。これら
の中で、(1)の微細な空洞をフィルム内部に多量に含
有させる方法には、フィルム自体を軽量化できる点や適
度な柔軟性を付与できて、鮮明な印刷や転写が可能にな
るという利点がある。一方、ポリエステルフィルム自体
は絶縁体であるので、静電気による帯電を受けやすいと
いう欠点を有しているのでフィルムの加工時に静電気に
よるトラブルが問題となる。従来より、これらのフィル
ムに対し種々の方法で帯電防止性を付与する工夫がなさ
れてきた。例えば、帯電防止性を有する界面活性剤、イ
オン性の化合物、金属粉または金属酸化物等よりなる導
電性の物質等を、フィルム組成物中に練り込んだり、塗
膜中に配合してフィルム表面に塗布したりする方法が取
られていた。しかし、帯電防止剤として界面活性剤及び
イオン性の化合物を用いる方法は、低い湿度の下で帯電
防止性が低下するという問題があった。導電性の物質を
用いる方法は、低い湿度の環境下でも帯電防止性が低下
するという問題はないが、十分な帯電防止性を得るため
には多量の導電性物質を添加する必要があり、導電性物
質が高価なのでコスト的に問題がある。またフィルムは
単膜での用途は少なく、ほとんどが更に異種の層が積層
または塗布された形で用いられている。塗布の場合水
系、溶剤系の塗料を使用するので、耐水性、耐溶剤性が
問題となる。また、積層または塗布された異種の層との
接着性も要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前期の欠
点、即ち、印刷や印字、複写などの鮮明で耐久性のあ
り、腰が強くかつ低湿度の帯電防止性の優れたラベル、
ポスター、記録紙、伝票、宅配便などの配送伝票、感圧
紙、複写用紙、プリンター用紙などに好適な基材を提供
せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわちこれらを解決す
るための手段としての本発明の主旨は、微細な空洞を含
有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に帯電防
止層が積層されたフィルムであって、該帯電防止層面の
ESCA測定から求まる窒素スペクトルがカチオン性窒
素とイオン化されていない窒素による2種類のピークが
検出されることを特徴とする空洞含有積層ポリエステル
系フィルムに関する。本発明におけるポリエステルと
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1、4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコ
ールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。
これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコー
ルとを直接反応させてからほか、芳香族ジカルボン酸の
アルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応さ
せた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸の
ジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によっ
て製造させる。かかるポリエステルの代表例としてはポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレ
フタレートあるいはポリエチレン−2、6−ナフタレー
トなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマー
であってもよく、第三成分を共重合したものであっても
良い。いずれにしても本発明においては、エチレンテレ
フタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいは
エチレン−2、6−ナフタレート単位が70モル%以
上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モ
ル%以上であるポリエステルが好ましい。
【0005】本発明に用いられるポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂は、上記したポリエステルに非相溶性
のものでなければならない。具体的には、ポリスチレン
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロー
ス系樹脂などがあげられる。特にポリスチレン系樹脂、
ポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂が好ましい。本発明の該ポリエステルと該ポ
リエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合
体混合物は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機
内で溶融混練した後、押出して固化することによって得
られる方法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練
したものを更に押出機より溶融押出して固化する方法
や、ポリエステルの重合工程においてポリエステルに非
相溶性の熱可塑性樹脂を添加し、かくはん分散して得た
チップを溶融押出して固化する方法などによっても得ら
れる。固化して得られた重合体(未延伸シート)は通
常、無配向もしくは弱い配向状態のものである。また、
ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂はポリエステル
中に、球状もしくは楕円球状、もしくは糸状など様々な
形状で分散した形態をとって存在する。
【0006】該重合体混合物には、必要に応じて隠ぺい
性や描画性を向上させるため無機粒子を含有することが
できる。そのための無機粒子としては二酸化チタン、二
酸化珪素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ
ニウム、カオリン、タルクなどがあげられるが特に限定
されるものではない。該重合体混合物には、用途に応じ
て着色剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加する
ことも可能である。こうして得た重合体混合物は、更に
速度差をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリ
ップに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延
伸)や空気圧によって拡げることによる延伸(インフレ
ーション延伸)などによって少なくとも1軸に配向処理
する。このときに分散された該ポリエステルに非相溶性
の熱可塑性樹脂とポリエステルとの界面で剥離が起こり
重合体混合物に空洞が多数発生する。したがってポリエ
ステルに混合させる該ポリエステルに非相溶性の熱可塑
性樹脂の量は、目的とする空洞の量によって異なってく
るが、重合体混合物全体に対して3重量%〜39重量%
が好ましく、特に8〜35重量%が好ましい。3重量%
未満では、空洞の生成量を多くすることに限界があり、
目的の柔軟性や軽量性や描画性が得られない。逆に、4
0重量%以上では、ポリエステルフィルムの持つ耐熱性
や強度、特に腰の強さが著しく損なわれる。
【0007】さらにフィルム表面に塗布層を設けること
によって、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着
性が改良される。該塗布層を構成する化合物としては、
ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウ
レタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹
脂などの通常のポリエステルフィルムの接着性を向上さ
せる手段として開示させている化合物が適用可能であ
る。該重合体混合物を配向処理する条件は、腰の強い空
洞含有フィルムを得るための重要なポイントとなる。し
たがって本目的を達成するための条件はたとえば、もっ
とも一般的に行われている逐次2軸延伸工程を例に挙げ
ると、該重合体混合物の連続シートを長手方向にロール
延伸した後に、幅方向にテンター延伸する逐次2軸延伸
法の場合以下のようになる。ロール延伸(縦延伸)にお
いては空洞を多数発現させるため温度をポリエステルの
2次転移温度+30℃以下、倍率を2.0〜5.0と
し、テンター延伸(横延伸)においては破断せずに安定
製膜するため温度を80〜150℃、倍率を2.8〜5
倍とする。さらに本発明においては、延伸後の熱処理条
件を以下に述べる方法で実施することが望ましい。熱処
理は延伸終了後、200℃以上、好ましくは220℃以
上、さらに好ましくは230℃以上で行わなくてはなら
ない。また、このときに3〜8%緩和させながら熱固定
を行わなくてはならない。200℃未満または3%未満
では150℃の熱収縮率が2%未満、好ましくは1.7
%未満、さらに好ましくは1.5%未満の空洞含有フィ
ルムは得られない。全体の平均空洞率は、50体積%以
下が好適であり、平均空洞率が50体積%以上の空洞含
有フィルムはそれ自体延伸工程での破断が多発するため
製造しにくく、できたフィルムも表面の強度や引っ張り
強度などが不十分となり好ましくない。
【0008】本発明のフィルムは腰が強いため初期弾性
率が300kg/mm2 以上が好ましい。これ未満では
腰の弱いフィルムとなってしまう。本発明のカチオン性
窒素に起因する物質としては、有機のカチオン性の化合
物が挙げられる。さらには4級化された窒素を有する化
合物であり低分子、高分子どちらでも構わない。好まし
くはカチオン性ポリマーが好ましい。カチオン性ポリマ
ーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジメチルジアリ
ルアンモニウムクロライド、ポリアルキレンポリアミン
ジシアンジアミドアンモニウム縮合物、ポリビニールピ
リジウムハライド、(メタ)アクリル酸アルキル4級ア
ンモニウム塩、(メタ)アクリルアミドアルキル4級ア
ンモニウム塩、ω−クロロ−ポリ(オキシエチレン−ポ
リメチレン−アルキル4級アンモニウム塩)、ポリビニ
ールベンジルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられ
る。カチオン性ポリマー、特に4級アンモニウム塩ポリ
マーとしては、ポリスチレン系カチオン性ポリマー、ア
クリル系カチオン性ポリマー、ポリビニルピリジン系ポ
リマー、環状インテグラル型ポリマー、直線状インテグ
ラル型ポリマー、ペンダント型に4級アンモニウムイオ
ン基を2個以上有する芳香族ビニル単量体の重合体、更
には主鎖にピロリジウム環を有するポリマー等である。
カチオンの対アニオンとしては、例えばF- ,Cl-
Br- 及びI- などのハロゲンイオンやメトキシサルフ
ェート、エトキシサルフェート、ドデシルベンゼンスル
フォン酸、デデシルスルフォン酸などのアルキルサルフ
ェート類及びジオクチルリン酸エステル等である。これ
らのポリマーはホモポリマーであっても共重合体であっ
ても構わない。共重合可能な単量体は公知のものを使用
できる。
【0009】本発明のイオン化されていない窒素に起因
する物質としては、前記カチオン性窒素が3級化された
もの、その他の化合物等が挙げられる。その他の化合物
としては塗膜の耐水性、耐溶剤性を考慮すると架橋剤が
好ましい。架橋剤としてはイオン化されていない窒素を
有していれば特に限定されなが、好ましくはイソシアネ
ート系、メラミン系等の架橋剤が挙げられる。特に好ま
しくはカチオン性ポリマーとの相溶性を考えるとポリエ
ーテル型ブロックイソシアネートが挙げられる。本発明
のESCAスペクトルから求まるカチオン性窒素とイオ
ン化されていない窒素のピークの面積比は10/90〜
99/1であることが好ましい。さらに好ましくは、面
積比が10/90〜60/40である。ピークの面積比
が10/90未満の場合はカチオン化された窒素成分が
少ないため、帯電防止性が不足する。一方、ピークの面
積比が99/1を超える場合、イオン化されていない窒
素が少ないため塗膜の水溶性が大きくなり、耐水性が不
足する。なお本発明の塗膜形成用組成物を使用して塗膜
を形成する場合、架橋剤の架橋反応を促進させるため
に、有機もしくは無機のアルカリ性化合物、例えば、ア
ミン、ポリアミン、アミドアミン、ポリアミドアミン、
イミダゾール、及びアルカリ金属炭酸塩、ならびにこれ
らの誘導体からなる架橋硬化剤等を少量使用することが
望ましい。
【0010】本発明における塗膜形成用の溶液は水溶性
であるので水溶液で用いるのが好適であるが、ポリエス
テルとの濡れ性を改良する等の目的でアルコール等の有
機溶剤を併用しても良い。また、必要に応じてさらに他
の架橋剤、触媒、塗れ剤等を加えることができる。ま
た、本発明の目的を阻害しない限り紫外線吸収剤、顔
料、有機フィラー、無機フィラー、潤滑剤、ブロッキン
グ防止剤等を併用してもよい。また他のバインダー樹脂
を併用し、接着性やブロッキング性等の特性を改良を行
っても良い。多成分を混合して積層する場合の混合のた
めの手段も制限はなく、高速撹はん法、高圧分散法、超
音波分散法等の公知の方法が任意に使用できる。これら
の方法を組み合わせた方法も好適である。このようにし
て得られる組成物の溶液を基材フィルム表面に積層する
方法としては、特に限定はないが溶液あるいは分散液を
基材フィルム表面に塗布するコーティング法が特に好ま
しい。すなわち基材フィルム表面に塗布した後、乾燥、
熱処理するをする方法が好ましい。基材フィルム上に塗
布層を塗布する方法としては、公知の方法が適用でき
る。例えばスプレーコート法、エアーナイフ法、リバー
コート法、キスコート法、グラビヤコート法、マイヤー
バー法、ロールブラッシュ法等が適用できる。
【0011】該塗布は、製造終了後のフィルムの表面に
行ってもよいし、例えば二軸延伸フィルムの場合、フィ
ルム製造過程すなわちキャスト原反あるいは一軸延伸後
に塗布し、その後延伸処理を行ってもよい。該塗布は、
製造終了後のフィルムの表面に行ってもよいし、例えば
二軸延伸フィルムの場合、フィルム製造過程すなわちキ
ャスト原反あるいは一軸延伸後に塗布し、その後延伸処
理を行うほうが好ましい。特に、キャスト原反あるいは
一軸延伸後に塗布後の塗膜の水分率が2%以下の状態で
延伸処理を行うほうが好ましい。2%以上の状態で延伸
処理を行うと表面のカチオン性窒素量が多くなり耐水性
が不足となる。本発明のESCAより求まるカチオン性
窒素とイオン化されていない窒素比は塗工液中の仕込か
らもとまる比よりもカチオン性窒素の量が少ない。これ
はカチオン性窒素含有化合物とイオン化されていない窒
素を含有する化合物の水への水溶性の違いから、塗工、
乾燥することにより水溶性の高いイオン化されていない
窒素含有化合物が表面に多く存在するためである。した
がって、延伸処理前に塗膜の水分率を2%以下になるよ
う十分乾燥する必要がある。基材フィルムに塗布される
塗膜形成用組成物の水溶液の塗布量は、固形分として0.
01〜5g/m2 である。塗布量が0.01g/m2未満の場合は、十
分な帯電防止性が得られない。5g/m2 以上塗布するとブ
ロッキングが問題となる。上記組成物の溶液を塗布する
前に、基材フィルムにコロナ放電処理を施すことによっ
て、溶液の塗布性が改良されたり基材フィルムと塗膜と
の間の接着性を改善する等の手段を採用することができ
る。また積層後の塗膜層にコロナ放電処理、窒素雰囲気
下でのコロナ放電処理、紫外線照射処理などを施すこと
によってフィルム表面の濡れ性や接着性を向上させるこ
とができる。
【0012】かくして得られた本発明の空洞含有ポリエ
ステル系フィルムを機材として用いた場合、ラベル、ポ
スター、カード、記録用紙、包装材料、ビデオプリンタ
ー受像紙、バーコードラベル、バーコードプリンター受
像紙、感熱記録紙、地図、無塵紙、表示板、白板、電子
白板、印画紙、化粧紙、壁紙、紙幣、離型紙、折り紙、
カレンダー、磁気カード、トレーシング紙、伝票、配送
伝票、感圧記録紙、複写用紙、臨床検査紙、パラボラア
ンテナ反射板などに用いることができる。
【0013】
【作用】本発明において、ポリエステルを用いるのは、
該空洞含有ポリエステルフィルムの耐熱性や機械的強度
を満足させるためである。本発明において、ポリエステ
ルに該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を混合
し、重合体混合物を得るのは、ポリエステル中に該ポリ
エステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の微細な粒子を分散
させて、次の配向処理によって生じる空洞の核を作るた
めである。本発明において、該重合体混合物を少なくと
も一軸に配向するのは、重合体混合物に多数の微細な空
洞を発生させるためである。空洞を発生させることによ
ってフィルムは軽量化でき、作業性が良くなり、面積当
たりの価格も安くなる。また空洞を含有することによっ
て柔軟性が増し、印刷、転写を行うときに鮮明な印刷、
印字が可能となる。更に空洞を含有することによって、
光線隠ぺい性や白さが得られる。さらにフィルム表面に
も該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂に由来する
突起が多数形成され、鉛筆やボールペンによる筆記が可
能になる。本発明において帯電防止層が2種類の窒素の
ESCA測定により求まるピーク有することにより帯電
防止性及び耐水性、耐溶剤性に優れたフィルムとなる。
かくして得られた空洞含有ポリエステルフィルムはポス
ター、ラベル、配送伝票、バーコードラベル、受像紙な
どの用途に要求される耐熱性や機械的強度、帯電防止性
に優れ伝票、配送伝票、感圧記録紙などに用いることが
できるものが得られた。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示す。本
発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。 1)密度 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に正確
に切り出し、その厚みを50点測定し平均厚みをtμm
とし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、下
式によって計算した。
【0015】
【数1】 2)フィルムの平均空洞率 下式によって計算した。
【0016】
【数2】 ただし、
【0017】
【数3】
【0018】
【数4】 上式におけるxiはi成分の重量分率、diはi成分の
真比重を表す。実施例中の計算において用いた真比重の
値は、ポリエチレンテレフタレート1.40、一般用ポ
リスチレン1.05、ポリプロピレン0.91、アナタ
ーゼ型二酸化チタン3.9を用いた。
【0019】3)表面抵抗 タケダ理研社製固有抵抗測定器で印加電圧500V、2
3℃、15%RHの条件下で測定した。 4)耐水性、耐溶剤性の評価 水、MEK、酢酸エチル、アセトンにフィルムを各々浸
漬し、室温(26℃)で16時間放置後の表面抵抗を測
定した。浸漬前後で表面抵抗変化なしを○、浸漬後、表
面抵抗が大きくなるものを×とした。
【0020】5)ESCA測定 フィルムの積層面の、ESCAスペクトルを島津製作所
製ESCA−850を用いて光源にMg−Kαを使用し
出力8kW×30mA、真空度5×10-6Paで測定し
た。カチオン性窒素のピークは403eV付近、イオン
化されていない窒素のピークは400eV付近にそれぞ
れ検出される。各々のピークの面積を求め面積比を計算
した。
【0021】実施例1 常法によりメチルメタアクリレート/エチルアクリレー
ト/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ジメチルア
ミノエチルメタクリレート4級化物を、重量組成比とし
て48/5/15/32の割合で共重合して共重合体水
溶液を得た。この共重合体水溶液に、ブロックイソシア
ネート化合物としてエラストロンMF−9(第一工業、
ポリアルキレンオキサイドタイプ)を共重合体の固形分
に対して20重量%添加し、さらに架橋硬化剤としてC
at64(第一工業(株)製)を前記ブロックイソシア
ネートに対して5.0重量%添加混合して固形分7重量
%塗膜形成用組成物の水溶液を得た。仕込からもとまる
カチオン性窒素とイオン化されていない窒素の比は92
/8であった。原料として固有粘度0.62のポリエチ
レンテレフタレート樹脂85重量%にメルトフローイン
デックス2.0g/10分一般用ポリスチレン15重量
%を原料とし、2軸スクリュー押出機でT−ダイスより
290℃で溶融押出しし、静電気的に冷却回転ロールに
密着固化し未延伸シートを得た。引き続き該未延伸シー
トをロール延伸機で83℃で3.5倍縦延伸を行い、、
前記の塗膜形成用組成物の水溶液を、キスコート法で1
0g/m2 塗布し、70℃の熱風で乾燥して塗膜の水分
率が約1%になるようにし、引き続きテンターで130
℃で3.5倍横延伸したあと235℃で4%緩和させな
がら熱処理し、内部に多数の空洞を含有するポリエステ
ルフィルムを得た。得られたフィルムの空洞率は20体
積%であった。また、ESCAより表面のカチオン性と
イオン化されていない窒素の比は20/80であった。
本実施例で得られた空洞含有フィルムは重ね書き性が良
好で、かつ帯電防止、耐水性、耐溶剤性の優れたもので
あった。
【0022】実施例2 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂に85重量%にメルトフローインデックス5.
5g/10分の結晶性ポリプロピレン15重量%を用い
た以外はまったく同様の方法において空洞含有フィルム
を得た。得られたフィルムの空洞率は27%であった。
本実施例で得られたフィルムの特性を表2に示す。
【0023】実施例3 実施例1において原料をポリエチレンテレフタレート8
0重量%、ポリスチレン15重量%、アナターゼ型二酸
化チタン5重量%にした以外はまったく同様の方法にお
いて空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。
【0024】実施例4〜9 実施例3の塗膜形成用組成物の組成を表2の様に変更す
る以外は同様にして行った。
【0025】比較例1〜6 実施例3の塗膜形成用組成物の組成を表2の様に変更す
る以外は同様にして行った。
【0026】比較例7 実施例3の塗膜形成用組成物の水溶液を塗布しない他は
同様にして行った。
【0027】表2に示すように実施例の帯電防止性フィ
ルムは低湿度でも表面抵抗が小さく帯電防止性に優れ、
かつ耐水性、耐溶剤性にも優れている。一方、比較例
1、3は耐水性に乏しく、比較例2は帯電防止性に劣
る。比較例5は帯電防止性に劣っている。比較例4は帯
電防止性が優れているが耐水性、耐溶剤性には劣る。比
較例5は耐水性には優れるが、帯電防止性に劣る。比較
例6は低湿度下での帯電防止性に劣りかつ耐水性に劣
る。。比較例7は帯電防止性がまったくない。
【0028】
【発明の効果】以上より本発明の帯電防止性空洞含有フ
ィルムは、低湿度での帯電防止性に優れかつ、耐水性、
耐溶剤性にも優れている。従って本発明の空洞含有ポリ
エステルフィルムは、安価でラベル、ポスター、記録
紙、包装用材料などのきわめて広い分野で使用できるの
みならず、伝票、宅配便の配送伝票、複写用紙、感圧紙
などの用途に特に有用なフィルムが得られた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で求まるESCAスペクトル
である。図1の縦軸はピークの強度を表し、横軸は結合
エネルギーを表している。縦軸は2つのピークの内大き
いピークの強度を100%として表している。図1のピ
ークは機械的にスムージングを行い得られたものであ
る。
【符号の説明】 ;カチオン性窒素のピーク ;イオン化されていない窒素のピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 和洋 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 河口 睦行 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 浩二 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細な空洞を含有するポリエステルフィ
    ルムの少なくとも片面に帯電防止層が積層されたフィル
    ムであって、該帯電防止層面のESCA測定から求まる
    窒素スペクトルがカチオン性窒素とイオン化されていな
    い窒素による2種類のピークが検出されることを特徴と
    する空洞含有積層ポリエステル系フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空洞含有ポリエステルフ
    ィルムがポリエステルに該ポリエステルに非相溶の熱可
    塑性樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも1軸に
    配向することにより作られる微細な空洞を含有するポリ
    エステルフィルムであることを特徴とする請求項1記載
    の空洞含有積層ポリエステル系フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のカチオン性窒素とイオン
    化されていない窒素のピークの面積比が10/90〜9
    9/1の範囲であることを特徴とする請求項1及び2記
    載の空洞含有積層ポリエステル系フィルム。
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