JPH061871A - 空洞含有フィルム - Google Patents

空洞含有フィルム

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JPH061871A
JPH061871A JP15781892A JP15781892A JPH061871A JP H061871 A JPH061871 A JP H061871A JP 15781892 A JP15781892 A JP 15781892A JP 15781892 A JP15781892 A JP 15781892A JP H061871 A JPH061871 A JP H061871A
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勝文 熊野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空洞発現剤の種類および空洞の大きさを適性
化することによって、印刷や印字、複写などの鮮明で耐
久性のあり、従来の空洞含有ポリエステルフィルムに比
べ、印刷、記録等の取扱中にしわの入りにくい特に伝
票、宅配便の配送伝票、複写用紙、感圧紙などの用途に
好適な基材を提供せんとするものである。 【構成】 熱可塑性樹脂(A)に対して非相溶の熱可塑
性樹脂(B)を混合分散し、少なくとも一軸に配向する
ことにより空洞を含有するフィルムにおいて該熱可塑性
樹脂AとBの表面張力差Δγ(dyne/cm)と該熱
可塑性樹脂Bの平均分散粒子径R(μm)が以下の関係
を満足することを特徴とする空洞含有フィルム。 10≦Δγ・R≦75

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル、ポスター、記
録紙、包装材料などに用いる際、腰の強度を十分持ち、
特に印刷、記録等の取扱中にしわの入りにくい、フィル
ム内部に微細な空洞を多量に含有した描画性を有するポ
リエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。合成紙の主原料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが用いられてい
るがこの中でもポリエチレンテレフタレートを代表とす
るポリエステルは、耐熱性が高い点や、腰が強いという
点で優れており、広範な用途展開が可能である。ポリエ
ステルを主原料とした紙と類似した機能を有するフィル
ムを得る方法として、従来(1)微細な空洞をフィルム
内部に多量に含有させる方法や通常の平坦なポリエステ
ルフィルムを(2−1)サンドプラスト処理や(2−
2)ケミカルエッチング処理や(2−3)マット化処理
(マット剤をバインダーとともに積層する方法)などに
よって粗面化する方法、などが開示されている。これら
の中で、(1)の微細な空洞をフィルム内部に多量に含
有させる方法には、フィルム自体を軽量化できる点や適
度な柔軟性を付与できて、鮮明な印刷や転写が可能にな
るという利点がある。微細な空洞をフィルム内部に生成
させる方法として、従来、ポリエステルと相溶しないポ
リマーを押出機で溶融混練し、ポリエステル中に該ポリ
マーを微粒子に分散させたシートを得て更に該シートを
延伸することによって微粒子の周囲に空洞を発生させる
方法が開示されている。空洞のために用いられるポリエ
ステルに非相溶のポリマー(以下、空洞発現剤と呼ぶ)
としては、ポリオレフィン系樹脂(たとえば特開昭49
−134755号公報)やポリスチレン系樹脂(たとえ
ば特公昭49−2016号公報、特公昭54−2955
0号公報)やポリアリレート樹脂(たとえば特公昭58
−28097号公報)など多数提案されている。しかし
ながら、これら空洞発現剤の分散粒子径を適性に選択
し、かつ空洞の大きさを適正化する技術が完成されてい
るとはいいがたく、紙として具備すべき印刷適性や取扱
性等を充分に満足するものが得られていないのが現状で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、印刷や印
字、複写などが鮮明で耐久性のあり、かつ表面強度、腰
の強さが良好なだけ出なく、印刷機、複写機、プリンタ
ー等の機器に通紙した時、しわの入りにくい、ラベル、
ポスター、記録紙、伝票、宅配便などの配送伝票、感圧
紙、複写用紙、プリンター用紙などに好適な基材を提供
せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわちこれらを解決す
るための手段としての本発明の主旨は熱可塑性樹脂
(A)に対して非相溶の熱可塑性樹脂(B)を混合分散
し、少なくとも一軸に配向することにより空洞を含有す
るフィルムにおいて該熱可塑性樹脂AとBの表面張力差
Δγ(dyne/cm)と該熱可塑性樹脂Bの平均分散
粒子径R(μm)の関係をを最適化することを特徴とす
る空洞含有フィルムに関する。
【0005】本発明における基材となる熱可塑性樹脂は
ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンや
ポリアミド、ポリ塩化ビニルなどがあげられるが好まし
いのは以下に示すようなポリエステルである。本発明に
おけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン
酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1、4ーブタンジオール、ネオペンチルグ
リコールのごときグリコールとを重縮合させて製造され
るポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族
ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させてからほ
か、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコー
ルとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、ある
いは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮
合させるなどの方法によって製造させる。かかるポリエ
ステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチ
レンー2、6ーナフタレートなどが挙げられる。このポ
リエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を
共重合したものであっても良い。いずれにしても本発明
においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテ
レフタレート単位あるいはエチレンー2、6ーナフタレ
ート単位が70モル%以上、好ましくは90モル%以
上、更に好ましくは96モル%以上であるポリエステル
が好ましい。
【0006】本発明においては内部に多数の空洞を含有
しなければならない。空洞を含有する方法は窒素などの
不活性ガスや発泡剤を熱可塑性樹脂に混合し、同時に押
し出す方法など公知の方法を用いることができるが、好
ましいのはポリエステルなどの基材となる樹脂に非相溶
の熱可塑性樹脂を混合、溶融押しだした未延伸シートを
少なくとも1軸に配向することにより空洞を発現させる
方法である。本発明に用いられるポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂は、上記したポリエステルに非相溶性
のものでなければならない。具体的には、ポリスチレン
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロー
ス系樹脂などがあげられる。特にポリスチレン系樹脂、
ポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂が好ましい。本発明において重要な点は、熱
可塑性樹脂(A)に対して非相溶の熱可塑性樹脂(B)
を混合分散し、少なくとも一軸に配向することにより空
洞を含有するフィルムにおいて該熱可塑性樹脂AとBの
表面張力差Δγ(dyne/cm)と該熱可塑性樹脂B
の平均分散粒子径R(μm)の関係が 10≦Δγ・R≦75 となることであり、更に好ましくは 20≦Δγ・R≦50 となることである。発明者らは樹脂間の表面張力差と平
均分散粒子径の積を上記の範囲に適性化することによ
り、描画性、耐久性に優れ、特に、印刷機、複写機、プ
リンター等の機器に通紙した時、しわの入りにくい合成
紙を提供することができることを見いだし、本発明を完
成するに至った。本発明の空洞含有フィルムはフィルム
中の空洞含有率が10〜40体積%、好ましくは10〜
30体積%であることが望ましい。10体積%未満では
描画性やクッション性が無くなる。
【0007】本発明の熱可塑性樹脂(A)と該熱可塑性
樹脂(A)に非相溶性の熱可塑性樹脂(B)を混合させ
た重合体混合物中の熱可塑性樹脂(B)は球状もしくは
楕円球状で分散した形態をとって存在する。この分散粒
子の平均分散粒子径は樹脂間の表面張力差と溶融混練中
の剪断の大きさによって左右される。表面張力差が大き
い場合、平均分散粒子径を一定値以下に下げるためには
大きな剪断が必要であるが、表面張力差が小さい場合は
小さな剪断で目標値を達成することが出来る。すなわ
ち、樹脂間の表面張力差と平均分散粒子径の積を上記特
定の範囲内に入れるためには樹脂の組合せによって溶融
混練中の剪断の大きさをコントロールすることが重要で
あり、これによってのみ上記特定の範囲を満足すること
が可能である。溶融混練中の剪断の大きさをコントロー
ルする方法としては混練回数、混練時間、押し出し機や
混練機のスクリュウの回転数、本数、径、ギアポンプの
回転数、フィルターメッシュ径等が挙げられるがこれに
限定されるものではない。例えば、表面張力差が5〜1
5(J/cm2)の場合、あらかじめ混練機によって両
樹脂を混練したものを更に押出機より溶融押出して固化
する方法が表面張力差と平均粒子径の積を上記特定範囲
にするのに有効である。該重合体混合物には、必要に応
じて隠ぺい性や描画性を向上させるため無機粒子を含有
することができる。そのための無機粒子としては二酸化
チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
酸化アルミニウム、カオリン、タルクなどがあげられる
が特に限定されるものではない。
【0008】該重合体混合物には、用途に応じて着色
剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加することも
可能である。こうして得た重合体混合物は、更に速度差
をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに
把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や
空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーショ
ン延伸)などによって少なくとも1軸に配向処理する。
このときに分散された該ポリエステルに非相溶性の熱可
塑性樹脂とポリエステルとの界面で剥離が起こり重合体
混合物に空洞が多数発生する。この時、空洞の発生率と
大きさは樹脂間の表面張力差と平均分散粒子径に大きな
影響を受ける。表面張力差と平均分散粒子径の積を上記
の範囲に限定することは空洞の発生率と大きさを最適化
し、描画性に優れ、しわの入りにくい合成紙を製造する
上で有効である。
【0009】さらにフィルム表面に塗布層を設けること
によって、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着
性が改良される。該塗布層を構成する化合物としては、
ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウ
レタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹
脂などの通常のポリエステルフィルムの接着性を向上さ
せる手段として開示させている化合物が適用可能であ
る。また塗布層を設ける方法としては、グラビアコート
方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート
方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブ
レードコート方式、リバースロールコート方式など通常
用いられている方法が適用できる。塗布する段階として
は、配向処理を行う前の混合重合体物表面にあらかじめ
塗布する方法、1軸方向に配向した空洞含有フィルム表
面に塗布し、それを更に直角方向に配向させる方法、配
向処理の終了した空洞含有フィルム表面に塗布する方法
などのいずれの方法も可能である。
【0010】本発明においては、表層と中心層を積層し
たいわゆる複合フィルムとすることも可能である。その
方法は特に限定されるものではない。しかし生産性を考
慮すると、表層と中心層の原料は別々の押出機から押出
し、1つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少なく
とも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層が
もっとも好ましい。該重合体混合物を配向処理する条件
は、腰の強い空洞含有フィルムを得るための重要なポイ
ントとなる。したがって本目的を達成するための条件は
たとえば、もっとも一般的に行われている逐次2軸延伸
工程を例に挙げると、該重合体混合物の連続シートを長
手方向にロール延伸した後に、幅方向にテンター延伸す
る逐次2軸延伸法の場合以下のようになる。ロール延伸
(縦延伸)においては空洞を多数発現させるため温度を
ポリエステルの2次転移温度+30℃以下、倍率を2.
0〜5.0とし、テンター延伸(横延伸)においては破
断せずに安定製膜するため温度を80〜150℃、倍率
を2.8〜5倍とする。さらに本発明においては、延伸
後の熱処理条件を以下に述べる方法で実施することが望
ましい。熱処理は延伸終了後、200℃以上、好ましく
は220℃以上、さらに好ましくは230℃以上で行わ
なくてはならない。また、このときに3〜8%緩和させ
ながら熱固定を行わなくてはならない。
【0011】かくして得られた空洞含有ポリエステル系
フィルムは、従来提案されているフィルムに比べ、表面
強度、クッション性が良好で、しわの入りにくい性質を
有するため、本発明の空洞含有フィルムを基材として用
いた場合、ラベル、ポスター、カード、記録用紙、包装
材料、ビデオプリンター受像紙、バーコードラベル、バ
ーコードプリンター受像紙、感熱記録紙、感圧記録紙、
地図、無塵紙、表示板、白板、電子白板、印画紙、化粧
紙、壁紙、紙幣、離型紙、折り紙、カレンダー、磁気カ
ード、トレーシング紙、伝票、配送伝票、感圧記録紙、
複写用紙、臨床検査紙、建材、アンテナ反射板、コンデ
ンサ用フィルム、断熱材、化粧箱、プリペイドカード、
装飾用ディスプレー、電飾広告板などに優れた性質を有
する製品をうることが出来る。
【0012】
【作用】本発明において、好ましくはポリエステルを用
いるのは、該空洞含有ポリエステルフィルムの耐熱性や
機械的強度を満足させるためである。本発明において、
ポリエステルに該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹
脂を混合し、重合体混合物を得るのは、ポリエステル中
に該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の微細な粒
子を分散させて、次の配向処理によって生じる空洞の核
を作るためである。本発明において、該重合体混合物を
少なくとも一軸に配向するのは、重合体混合物に多数の
微細な空洞を発生させるためである。空洞を発生させる
ことによってフィルムは軽量化でき、作業性が良くな
り、面積当たりの価格も安くなる。また空洞を含有する
ことによって柔軟性が増し、印刷、転写を行うときに鮮
明な印刷、印字が可能となる。更に空洞を含有すること
によって、光線隠ぺい性や白さが得られる。さらにフィ
ルム表面にも該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂
に由来する突起が多数形成され、鉛筆やボールペンによ
る筆記が可能になる。かくして得られた空洞含有ポリエ
ステルフィルムはポスター、ラベル、配送伝票、バーコ
ードラベル、受像紙などの用途に要求される耐熱性や機
械的強度に優れ、かつ、特に印刷機、複写機、プリンタ
ー等の機器に通紙した時、しわの入りにくいものが得ら
れた。
【0013】実施例 次に本発明の実施例および比較例を示す。本発明に用い
る測定・評価方法を以下に示す。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。
【0014】2)表面張力差:Δγ 樹脂の表面張力の値を化学便覧第 版により、樹脂間の
値の差の絶対値を表面張力差とした。
【0015】3)平均分散粒子径:R フィルムの断面の表層付近を走査型電子顕微鏡(日立製
作所製S−510型)で写真撮影した後、分散粒子をト
レーシングフィルムにトレースし塗りつぶした図を画像
解析装置(ニレコ社製ルーゼックスIID)で画像処理
を行い、平均分散粒子径を求めた。
【0016】4)密度 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に性格
に切り出し、その厚みを50点測定し平均厚みをtμm
とし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、下
式によって計算した。
【0017】
【数1】
【0018】5)フィルムの平均空洞率 下式によって計算した。
【0019】
【数2】 ただし、
【0020】
【数3】
【0021】
【数4】 上式におけるxiはフィルム全体のi成分の重量分率、
diはi成分の真比重を表す。実施例中の計算において
用いた真比重の値は、ポリエチレンテレフタレート1.
40、一般用ポリスチレン1.05、ポリプロピレン
0.91、ポリ−4−メチルペンテン0.83、アナタ
ーゼ型二酸化チタン3.9を用いた。
【0022】6)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの光線
透過率を測定した。この値が小さいほど隠ぺい性が高
い。
【0023】7)耐しわ入り性 A4版に裁断した空洞含有フィルムを複写機(リコー社
製RICOPY FT6860)に手ざしで通紙し、し
わの状態を目視判定し、以下の3段階に評価した。 まったくしわが入らない ○ すこししわが入る △ 多量にしわが入る ×
【0024】実施例1 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂に70重量%に一般用ポリスチレン30重量%
を2軸スクリュー押出機(A)に投入し、290℃で1
0分間混練りした後、ペレタイズした。別の2軸スクリ
ュウ押出機(B)にポリエチレンテレフタレート樹脂と
一般用ポリスチレンが85:15重量比となるように上
記マスターバッチとポリエチレンテレフタレート樹脂を
混合投入し、290℃で30μm孔径のフィルターを通
過させた後、溶融押出しし、静電気的に冷却回転ロール
に密着固化し、約500μmの重合体混合物の未延伸シ
ートを得た。引き続き該未延伸シートをロール延伸機で
90℃で3.5倍縦延伸を行い、引き続きテンターで1
40℃で3.3倍横延伸したあと235℃で4%緩和さ
せながら熱処理し、内部に多数の空洞を含有する厚さ5
0μmのポリエステルフィルムを得た。
【0025】実施例2 実施例1において、一般用ポリスチレンの代わりに一般
用ポリプロピレンを使用した以外は、実施例1とまった
く同様の方法において空洞含有フィルムを得た。
【0026】実施例3 実施例1において、一般用ポリスチレンの代わりにポリ
−4−メチルペンテンを使用し、フィルターの孔径を1
0μmとした以外は実施例1とまったく同様の方法にお
いて空洞含有ポリエステルフィルムを得た。
【0027】実施例4 実施例1において、原料としてアナターゼ型二酸化チタ
ンを5重量%添加した以外は実施例1とまったく同様の
方法において空洞含有ポリエステルフィルムを得た。
【0028】実施例5 実施例4のフィルムを中心層として、その両面にポリエ
チレンテレフタレート樹脂95重量%にルチル型二酸化
チタンを5重量%添加した層を5μmとなるように積層
した以外は実施例4と全く同様の方法において空洞含有
ポリエステルフィルムを得た。
【0029】比較例1 2軸スクリュウ押出機(B)に原料として固有粘度0.
62のポリエチレンテレフタレート樹脂とポリメチルメ
タクリレートが85:15重量比となるように樹脂を混
合投入し、290℃で30μm孔径のフィルターを通過
させた後、溶融押出しし、静電気的に冷却回転ロールに
密着固化し、約500μmの重合体混合物の未延伸シー
トを得た。引き続き該未延伸シートをロール延伸機で9
0℃で3.5倍縦延伸を行い、引き続きテンターで14
0℃で3.3倍横延伸したあと235℃で4%緩和させ
ながら熱処理し、内部に多数の空洞を含有する厚さ50
μmのポリエステルフィルムを得た。
【0030】比較例2 実施例1において一般用ポリスチレンの代わりにポリ−
4−メチルペンテンを使用した以外は実施例1と全く同
様の方法において空洞含有ポリエステルフィルムを得
た。
【0031】
【発明の効果】本発明の空洞含有ポリエステルフィルム
は、従来のポリスチレンやポリオレフィンを空洞発現剤
として用いて得られる空洞含有ポリエステルフィルムと
同様に、軽量性、柔軟性、隠ぺい性、艶消し性、描画性
などを有していると共に、従来の空洞含有ポリエステル
フィルムに比べ、印刷機、複写機、プリンター等の機器
に通紙した時、しわの入りにくいフィルムが得られる。
従って本発明の空洞含有ポリエステルフィルムは、安価
でラベル、ポスター、記録紙、包装用材料などのきわめ
て広い分野で使用できるのみならず、伝票、宅配便の配
送伝票、複写用紙、感圧紙などの用途に特に有用なフィ
ルムが得られた。
【0032】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:00 (72)発明者 濱野 明人 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 熊野 勝文 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐々木 靖 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)に対して非相溶の熱
    可塑性樹脂(B)を混合分散し、少なくとも一軸に配向
    することにより空洞を含有するフィルムにおいて該熱可
    塑性樹脂AとBの表面張力差Δγ(dyne/cm)と
    該熱可塑性樹脂Bの平均分散粒子径R(μm)が以下の
    関係を満足することを特徴とする空洞含有フィルム。 10≦Δγ・R≦75
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