JPH10315419A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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JPH10315419A
JPH10315419A JP12922298A JP12922298A JPH10315419A JP H10315419 A JPH10315419 A JP H10315419A JP 12922298 A JP12922298 A JP 12922298A JP 12922298 A JP12922298 A JP 12922298A JP H10315419 A JPH10315419 A JP H10315419A
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polyester
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stretching
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JP12922298A
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Katsuya Ito
勝也 伊藤
Yasushi Sasaki
靖 佐々木
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面加工をしなくても、インキ受容性や吸水
性を有する紙代替物として有用なポリエステルフィルム
基材を提供する。 【解決手段】 ポリエステルA層の少なくとも片面に、
不活性粒子を含有するポリエステルB層が積層された積
層ポリエステルフィルムであって、該ポリエステルB層
にはB層表面から厚み方向に亀裂が存在しており、該亀
裂は、B層厚みの30%以上の深さを持つと共に、任意
の縦断面領域において1個/100μm以上の割合で存
在している積層ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラベル、ポスタ
ー、記録紙、刷版用基材、包装材料として使用されるフ
ィルム内部に微細な空洞を多量に含有するポリエステル
フィルムに関し、詳しくは、インキ受容性や吸収性を有
する紙代替物としても有用な積層ポリエステルフィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度等が優
れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が進
められている。
【0003】合成紙の主原料としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステルなどが用いられている
が、この中でもポリエチレンテレフタレートを代表とす
るポリエステルは、耐熱性が高い点や、腰が強いという
点で優れており、広範な用途展開が可能である。
【0004】ポリエステルを主原料として紙と類似した
機能を有するフィルムを得る方法として、従来、微細な
空洞をフィルム内部に多量に含有させる方法や、通常の
平坦なポリエステルフィルムをサンドブラスト処理、ケ
ミカルエッチング処理、あるいはマット化処理(マット
剤をバインダーと共に積層する方法)等によって粗面化
する方法等が開示されている。
【0005】上記手法の中でも、空洞をフィルム内部に
含有させる方法は、フィルム自体を軽量化できる点や、
フィルムに適度な柔軟性を付与できるために鮮明な印刷
や転写が可能になるという利点がある。微細な空洞をフ
ィルム内部に生成させるための具体的な方法としては、
ポリエステルと相溶しないポリマーをポリエステルと共
に押出機で溶融混練し、該ポリマーをポリエステル中に
微粒子状分散させたシートを得て、さらにこのシートを
延伸することによって微粒子の周囲に空洞を発生させる
方法が知られている。
【0006】空洞発生のために用いられるポリエステル
に非相溶性であるポリマー(以下、空洞発現剤と呼ぶ)
としては、ポリオレフィン系樹脂(例えば特開昭49−
134755号公報)やポリスチレン系樹脂(例えば特
公昭49−2016号公報、特公昭54−29550号
公報)やポリアクリレート樹脂(例えば特公昭58−2
8097号公報)等多数提案されているが、ポリプロピ
レンやポリスチレンは空洞を発現させ易いことや密度が
低いこと、そして安価であるため広く用いられていた。
【0007】この様なフィルムは、凹版、凸版、平版等
の商業印刷やインキジェット方式や熱転写方式の印刷用
途に使用されてはいるが、フィルム基材自身にはインキ
受容性や吸水性がほとんどなかったため、表面にコーテ
ィング層を設ける等の加工が施されている。しかし、コ
ーティング層を厚くしなければならなかったり、加工用
処理剤の濃度を高くする必要があり、コストアップや処
理効率の悪さ等に問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、表
面加工をしなくても、インキ受容性や吸水性を有するフ
ィルム基材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の積層ポリエステ
ルは、ポリエステルA層の少なくとも片面に、不活性粒
子を含有するポリエステルB層が積層された積層ポリエ
ステルフィルムであって、該ポリエステルB層にはB層
表面から厚み方向に亀裂が存在しており、該亀裂は、B
層厚みの30%以上の深さを持つと共に、任意の縦断面
領域において1個/100μm以上の割合で存在してい
るところに要旨を有する。また、ポリエステルA層が空
洞含有ポリエステルであることは本発明の好ましい実施
態様である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、ポリエステルA層の
少なくとも片面に、フィルム表面に短い溝状の亀裂が存
在しているポリエステルB層が積層されていることが最
大のポイントである。この亀裂の存在によって、インキ
受容性や吸水性をフィルム基材自身に持たせることがで
きる様になった。以下本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明におけるポリエステルとは、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール等のグリコールとを重縮合
させて製造されるポリエステルである。これらのポリエ
ステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反
応させてから、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステル
とグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させ
るか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエス
テルを重縮合させる等の公知の方法によって製造するこ
とができる。
【0012】この様なポリエステルの代表例としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、あるいはポリエチレン−2,6−ナフタレート等
が挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであっ
ても、また第三成分を共重合したものであっても良い。
いずれにしても本発明においては、エチレンテレフタレ
ート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレ
ン−2,6−ナフタレート単位が、70モル%以上、好
ましくは90モル%以上、さらに好ましくは96モル%
以上であるポリエステルが推奨される。
【0013】本発明では、B層に亀裂を生じさせるため
に、不活性粒子が含まれていなければならない。不活性
粒子とはポリエステルと何ら反応を起こさない不活性な
粒子の意味で、本発明では300℃程度まで溶融しない
粒子であれば特に限定せず用いることができる。具体的
には、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタ
ン、二酸化珪素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化
アルミニウム、炭酸ストロンチウム、合成ゼオライト粒
子、クレー、カオリン、タルク等の無機粒子の他、架橋
シリコン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリス
チレン粒子、エポキシ樹脂粒子等の耐熱性ポリマー微粒
子等が挙げられる。
【0014】これらの不活性粒子は、B層における亀裂
の核となるものであるが、フィルムの延伸工程で複数の
粒子から生じる亀裂が合体して、粒子の平均1次粒子径
より大きな亀裂となっていくことが本発明者等によって
明確にされた。この亀裂の間にインキや水が入り込むこ
とによって、フィルムにインキ受容性あるいは吸水性が
付与できるものと考えられる。
【0015】本発明では、B層の厚さの30%以上の深
さの亀裂が、任意の縦断面領域において1個/100μ
m以上の割合で存在することが必要条件である。亀裂の
深さがB層の厚さの30%より小さいと、また、その存
在密度が1個/100μmより小さいと、インキ受容性
や吸水性の改善効果が見られない。より好ましい亀裂の
存在割合は、5個/100μm以上である。なお、任意
の縦断面領域における1個/100μmの亀裂とは、積
層ポリエステルフィルムを任意の位置で切断したとき
に、フィルム断面において、断面横方向(深さ方向に直
交する方向)の任意の100μmの中に亀裂が1個存在
するということである。もちろん、B層の厚さの30%
より小さい亀裂の存在は許容される。
【0016】この様な亀裂は、不活性粒子の周囲に生じ
る亀裂が合体して起きるものであるから、用いる粒子の
大きさや量によって亀裂の大きさや量が変化するが、B
層の厚さによって不活性粒子の大きさを調製すべきであ
り(B層の厚みより直径が小さい不活性粒子を使用しな
ければ表面粗さが増大する)、通常、直径0.1〜5.
0μmの粒子を、B層中10〜60重量%以上使用する
ことが好ましい。より好ましい使用量は20〜50重量
%である。60重量%を超えて不活性粒子を存在させる
と、フィルム化自体が不可能になったり、フィルム化で
きても亀裂の量が多過ぎてフィルム強度が減少してしま
う。また、10重量%より少ないと、前述の亀裂の数値
規定要件を満足させることができない。不活性粒子は、
フィルム内部で2次、3次あるいはそれ以上の凝集体と
なっていても構わない。なお、これらの不活性粒子は、
必要に応じてポリエステルA層に配合してもよい。
【0017】本発明では、ポリエステルA層が空洞含有
ポリエステル層であることが好ましい。空洞があると描
画性やクッション性が向上する。空洞発現剤としては、
ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂または不活性無
機粒子等が用いられる。例えば、ポリスチレン系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹
脂、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂や、不活性粒子
として例を挙げた無機粒子が挙げられる。特にポリスチ
レン系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0018】空洞の量は、ポリエステルA層中、10〜
50体積%、好ましくは10〜30体積%存在している
とよい。50体積%より多いとフィルムの腰が弱くな
る。空洞発現剤の必要重量%は、空洞含有率の体積%と
大体同程度であるので(もちろん押出条件や延伸条件で
変化するため全く同一ではない)、これを目安にして所
望体積の空洞が発現する様に、発現剤の配合量を適宜決
定すれば良い。
【0019】ポリエステルA層は、ポリエステルと上記
空洞発現剤が混合されてシート化されて構成されるが、
例えばそれぞれの樹脂のチップを混合し押出機内で溶融
混練した後、押出して固化する方法や、予め混練機によ
って両樹脂を混練したものを更に押出機より溶融押出し
て固化する方法や、ポリエステルの重合工程において空
洞発現剤を添加して、撹拌分散して得られたチップを溶
融押出して固化する方法等の採用によってシート化する
ことができる。得られた未延伸シートは通常、無配向も
しくは弱い配向状態のものである。また、空洞発現剤は
ポリエステルAで中で、球状、楕円球状、あるいは糸状
等様々な形状で分散した形態となって存在している。
【0020】また、前述の不活性粒子含有ポリエステル
B層も同様な方法でシート化されるが、ポリエステルA
層とポリエステルB層夫々の原料を独立した別々の押出
機に投入して共押出することによって、延伸後、好まし
くは延伸前に積層し、積層した未延伸シートを縦および
/または横方向に延伸する手段によって、本発明の積層
ポリエステルフィルムを得ることができる。
【0021】押出されて積層された未延伸シートは、速
度差を有するロール間でのロール延伸法、クリップに把
持して拡げていくテンター延伸法、空気圧によって円周
方向に拡げるインフレーション法等の公知の延伸法によ
って、少なくとも1軸に配向処理される。この配向処理
工程で、分散状態であった空洞発現剤や不活性粒子とポ
リエステルとの界面で剥離が起こり、延伸フィルムに空
洞および亀裂が多数発生する。
【0022】配向処理条件は、前述の規定条件を満足す
る様な亀裂を生じさせるための重要なポイントである。
最も一般的に行なわれている逐次2軸延伸工程を例に挙
げて説明すると、未延伸連続シートを長手方向にロール
延伸した後に、幅方向にテンター延伸する逐次2軸延伸
法では次の条件での配向処理が推奨される。まず、ロー
ル延伸(縦延伸)においては、B層に亀裂を生じさせ、
安定して延伸することができる様に、2段階縦延伸を行
うことが好ましい。第1段目は、延伸時の温度を原料ポ
リエステルの2次転移温度(Tg)+15℃以下、延伸
倍率を1.2〜2.0として、まずB層に亀裂を作る。
続く第2段目の縦延伸は延伸安定性を重視して、原料ポ
リエステルの2次転移温度(Tg)+15〜+40℃で
1.5〜4.0倍延伸する。この後に3段目以上の縦延
伸があってもよい。
【0023】次のテンター延伸(横延伸)においては、
破断せずに安定製膜できる様に、延伸温度を110〜1
50℃、倍率を2.8〜5倍とする。その他の延伸法に
おいても、上記条件に準じて、適宜変更すれば良い。
【0024】さらに本発明においては、延伸後の熱処理
条件を以下に述べる方法で実施することが望ましい。熱
処理は延伸終了後、200℃以上、好ましくは220℃
以上、さらに好ましくは230℃以上で行う。また、こ
の時に3〜8%緩和させながら熱固定を行うことが好ま
しい。この様に熱処理を行なえば、150℃での熱収縮
率が2%未満、好ましくは1.7%未満、さらに好まし
くは1.5%未満の空洞含有フィルムを得ることができ
る。
【0025】本発明の積層ポリエステルフィルムは以上
の工程を経て製造することができ、B層の存在によって
良好なインキ受容性を示す。インキ受容性はB層が厚い
程良好となるが、B層が厚くなると延伸安定性が悪くな
るため、B層の表面に本発明の目的に反しない程度の厚
みの塗布層を設けることによって、インキやコーティン
グ剤等の塗れ性や接着性をさらに改良することもでき
る。塗布層のみ、あるいはB層のみをフィルム表面に設
けたときに比べ、両層の作用によって一段と優れたイン
キ受容性を得ることができる。該塗布層を構成する化合
物としては、ポリエステル系樹脂が好ましいが、その他
にも、ポリウレタン樹脂、ポリエステル−ウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂等、ポリエステルフィルムの接着性
を向上させるために通常用いられている化合物が適用可
能である。
【0026】これらの塗布層を設ける方法としては、グ
ラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、ス
プレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコ
ート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート
方式等の公知の塗工方法を採用できる。塗布する段階と
しては、配向処理を行なう前の未延伸シート表面に予め
塗布する方法、1軸方向に配向した積層フィルム表面に
塗布しそれをさらに直角方向に配向させる方法、配向処
理の終了した積層フィルム表面に塗布する方法等のいず
れの方法も可能である。
【0027】本発明の積層ポリエステルフィルムは、従
来のフィルムに比べ、インキ受容性や吸水性が優れてい
るため、本発明の積層ポリエステルフィルムを各種基材
として用いた場合、ラベル、ポスター、カード、記録用
紙、包装材料、ビデオプリンター受像紙、バーコードラ
ベル、バーコードプリンター受像紙、感熱記録紙、地
図、無塵紙、表示板、白板、電子白板、印画紙、化粧
紙、壁紙、紙幣、離型紙、折り紙、カレンダー、磁気カ
ード、トレーシング紙、伝票、配送伝票、感圧記録紙、
複写用紙、臨床検査紙、建材、アンテナ反射板、コンデ
ンサ用フィルム、断熱材、化粧箱、プリペイドカード、
装飾用ディスプレー、インキジェット用紙等に好適に用
いることができる。
【0028】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。実施例で用いた測定・
評価方法は次の通りである。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。 2)ポリスチレン系樹脂のメルトフローインデックス JIS−K7210に準じて200℃、荷重5kgで測
定した。 3)ポリプロピレン系樹脂のメルトフローインデックス JIS−K6758−1981に準じて行なった。
【0029】4)積層ポリエステルのB層の亀裂存在状
態 フィルム断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製:S−
510型)で500倍で写真撮影した後、エリオニクス
製画像処理装置を用いて、B層の厚みの30%以上の深
さを持つ亀裂の数を、幅300μm当たりについて数え
た。 5)フィルム密度 フィルムを5.00cm×5.00cmに正確に切り出
して試験片とし、その厚みを50点測定して平均厚みを
求め、試験片の重さを0.1mgまで測定して計算し
た。 6)初期弾性率 ASTM D−882−81(A法)により測定した。
【0030】7)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmにとり、200
mm間隔で印をつけ、5gの一定張力下で固定した後の
印の間隔Aを測る。続いて、無張力下で30分間、15
0℃の雰囲気中のオーブンにいれた後の印の間隔Bを求
め、以下の式により熱収縮率とした。 (A−B)/A×100(%) 8)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの光線
透過率を測定した。この値が小さいほど隠蔽性が高い。 9)白色度 色差計(日本電色工業社製:N1001)を用いて、J
IS−L1015−1981のB法(2波長法)により
測定した。
【0031】10)表面粗さ JIS−B0601−1982に準じ、表面粗さ計(東
京精密製:サーフコム300A型)を用い、触針径2μ
m、触針圧30mg、カットオフ0.8mgで中心線平
均厚さを測定した。 11)インキ受容性 シャチハタスタンパーネーム9をフィルム表面にスタン
プし、25℃65%RHの雰囲気下で1時間乾燥させた
後に、印影を指で軽くこすった。印影の文字が見えれば
○、見えないほどにじんでしまった場合は×として評価
した。
【0032】実施例1 固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートをA層
の原料とし、別にB層の原料としてポリエチレンテレフ
タレートを60重量%とアナターゼ型二酸化チタン(平
均一次粒径0.3μm)を40重量%を用い、それぞれ
別々の2軸スクリュー押出機に投入した後T−ダイスか
ら、B−A−Bとなる様に290℃で溶融押出し、静電
気的に冷却回転ロールに密着固化し、約1100μmの
未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール延伸機
で、77℃において1.9倍の第1段目の縦延伸を行
い、さらに100℃で1.9倍の第2段目の縦延伸を行
った。引き続きテンターで130℃で3.4倍横延伸し
た後、235℃で3%緩和させながら熱処理し、亀裂を
有する積層ポリエステルフィルムを得た。厚みは、B/
A/B=5/90/5μmであった。得られたフィルム
の特性を表2に示した。
【0033】実施例2 B層の原料として、ポリエチレンテレフタレート80重
量%と平均粒径2.0μmの合成ゼオライト粒子(水澤
化学社製:JC−20)を20重量%用いた以外は実施
例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。
【0034】実施例3〜4 実施例1および2において、A層の原料をポリエチレン
テレフタレート80重量%と、一般用ポリスチレン(メ
ルトフローインデックス:2.0g/10分)15重量
%、およびアナターゼ型二酸化チタン5重量%の混合物
にした以外は、それぞれ実施例1および2と同様にして
積層ポリエステルフィルムを得た。
【0035】実施例5 B層の原料として、ポリエチレンテレフタレート70重
量%と平均粒径0.6μmの炭酸カルシウムを30重量
%用いた以外は実施例1と同様にして積層ポリエステル
フィルムを得た。
【0036】実施例6 実施例3において、積層フィルム厚を2.5/20/
2.5μmとした以外は同様にして積層フィルムを得
た。
【0037】実施例7 実施例3において、ポリスチレンに代えて、結晶性ポリ
プロピレン(メルトフローインデックス:5.5g/1
0分)を用いた以外は同様にして積層フィルムを得た。
【0038】比較例1〜3 実施例3において、縦延伸を表1に示した様に変更した
以外は同様にして積層フィルムを得た。
【0039】比較例4〜5 実施例3において、B層の二酸化チタン量をそれぞれ
5、70重量%(残部ポリエチレンテレフタレート)と
した以外は同様にして積層フィルムを得た。
【0040】以上の実施例、比較例の積層ポリエステル
フィルムの構成を表1に、得られたフィルムの特性評価
結果を表2に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】実施例のフィルムは各特性に優れ、インキ
受容性にも優れるものであった。
【0044】
【発明の効果】本発明の積層ポリエステルフィルムは、
従来の空洞含有フィルムと同様に、軽量性、柔軟性、隠
蔽性、艶消し性、描画性等を有していると共に、従来の
空洞含有ポリエステルフィルムに比べ、インキ受容性や
吸収性が大きく改善されている。従って本発明の積層ポ
リエステルフィルムは、ラベル、ポスター、記録紙、伝
票、感圧紙、複写用紙、プリンター用紙、包装用材料等
の極めて広い分野で使用できるのみならず、インキジェ
ット用紙、印刷用紙としても好適に使用することができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルA層の少なくとも片面に、
    不活性粒子を含有するポリエステルB層が積層された積
    層ポリエステルフィルムであって、該ポリエステルB層
    にはB層表面から厚み方向に亀裂が存在しており、該亀
    裂は、B層厚みの30%以上の深さを持つと共に、任意
    の縦断面領域において1個/100μm以上の割合で存
    在していることを特徴とする積層ポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】 上記ポリエステルA層が空洞含有ポリエ
    ステルである請求項1に記載の積層ポリエステルフィル
    ム。
JP12922298A 1998-05-12 1998-05-12 積層ポリエステルフィルム Withdrawn JPH10315419A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000054986A (ko) * 1999-02-02 2000-09-05 장용균 조명기구 피복용 폴리에스테르 필름

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000054986A (ko) * 1999-02-02 2000-09-05 장용균 조명기구 피복용 폴리에스테르 필름

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