JPH06170498A - 耐酸化性に優れたFe−Cr−Al系合金薄帯の製造方法 - Google Patents
耐酸化性に優れたFe−Cr−Al系合金薄帯の製造方法Info
- Publication number
- JPH06170498A JPH06170498A JP35001192A JP35001192A JPH06170498A JP H06170498 A JPH06170498 A JP H06170498A JP 35001192 A JP35001192 A JP 35001192A JP 35001192 A JP35001192 A JP 35001192A JP H06170498 A JPH06170498 A JP H06170498A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxidation resistance
- alloy
- ribbon
- excellent oxidation
- cooling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来よりも耐酸化性に優れるFe−Cr−Al系合
金を、急冷凝固法を適用した場合のノズル詰まりを効果
的に抑制して製造する。 【構成】 Cr:5〜30wt%及びAl:2〜15wt%を含み、
さらにLa:0.04〜0.15wt%及びSi:0.01〜2.0 wt%を含
有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる合金溶湯
を、冷却面が更新移動する冷却体の該冷却面上に噴出し
て急冷凝固させて、厚み100 μm 以下の薄帯にする。
金を、急冷凝固法を適用した場合のノズル詰まりを効果
的に抑制して製造する。 【構成】 Cr:5〜30wt%及びAl:2〜15wt%を含み、
さらにLa:0.04〜0.15wt%及びSi:0.01〜2.0 wt%を含
有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる合金溶湯
を、冷却面が更新移動する冷却体の該冷却面上に噴出し
て急冷凝固させて、厚み100 μm 以下の薄帯にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の排ガス浄化
用の触媒担体や、高温発熱体、電気抵抗材などのよう
に、高温における耐酸化性が要求される用途に好適なFe
−Cr−Al系合金薄帯の製造方法に関するものである。
用の触媒担体や、高温発熱体、電気抵抗材などのよう
に、高温における耐酸化性が要求される用途に好適なFe
−Cr−Al系合金薄帯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Fe−Cr−Al系合金は、古くから電熱線等
の高温耐酸化性材料として知られている。例えば、特開
昭58-177437 号公報には、Fe−Cr−Alに、さらにCe、L
a、Nd等の希土類元素を含有させた合金が開示され、か
かる合金は、スケールの密着性に優れているとされてい
る。
の高温耐酸化性材料として知られている。例えば、特開
昭58-177437 号公報には、Fe−Cr−Alに、さらにCe、L
a、Nd等の希土類元素を含有させた合金が開示され、か
かる合金は、スケールの密着性に優れているとされてい
る。
【0003】ところで、近年、自動車の排ガス浄化用の
触媒担体として、このFe−Cr−Al系合金箔を適用するこ
とが試みられるようになった。このような用途において
は、合金箔中のAlが選択酸化される結果、Alの含有量が
低下して長時間での耐酸化性が維持できなくなることが
問題となっていて、上掲特開昭58-177437 号公報に開示
された合金でも、過酷な高温繰り返し酸化と激しい振動
により酸化スケールがはく離する問題があったことは特
開昭63-45351号公報に記載されているとおりである。そ
こでこの特開昭63-45351号公報では、酸化スケールの耐
はく離性に優れたFe−Cr−Al系合金として、Fe−Cr−Al
に加えて、Laを0.05〜0.2 wt%含有する合金が提案され
ている。
触媒担体として、このFe−Cr−Al系合金箔を適用するこ
とが試みられるようになった。このような用途において
は、合金箔中のAlが選択酸化される結果、Alの含有量が
低下して長時間での耐酸化性が維持できなくなることが
問題となっていて、上掲特開昭58-177437 号公報に開示
された合金でも、過酷な高温繰り返し酸化と激しい振動
により酸化スケールがはく離する問題があったことは特
開昭63-45351号公報に記載されているとおりである。そ
こでこの特開昭63-45351号公報では、酸化スケールの耐
はく離性に優れたFe−Cr−Al系合金として、Fe−Cr−Al
に加えて、Laを0.05〜0.2 wt%含有する合金が提案され
ている。
【0004】しかしながら、この特開昭63-45351号公報
では、合金箔の製造方法として圧延加工を用いる例が開
示されているのみであり、このような圧延加工では、Al
を多く含有する場合に圧延性が劣化するばかりでなく、
コストアップともなるという不利があり、したがってAl
を6wt%を超えて含有する場合は現実的でなかった。し
かも、排ガス浄化用の触媒は、高温環境下で使用するほ
ど、排ガスの浄化に有効であるため、触媒担体には、さ
らなる高温耐酸化性が望まれていた。
では、合金箔の製造方法として圧延加工を用いる例が開
示されているのみであり、このような圧延加工では、Al
を多く含有する場合に圧延性が劣化するばかりでなく、
コストアップともなるという不利があり、したがってAl
を6wt%を超えて含有する場合は現実的でなかった。し
かも、排ガス浄化用の触媒は、高温環境下で使用するほ
ど、排ガスの浄化に有効であるため、触媒担体には、さ
らなる高温耐酸化性が望まれていた。
【0005】圧延法によらないFe−Cr−Al系合金薄帯の
製造方法として特開昭63-7347 号公報、特開平3-13413
7 号、同3-177542 号各公報には、Fe−Cr−Al−REM 合
金を、急冷凝固法で作製することにより、加工性に優れ
る合金が大幅なコストダウンで製造可能であることが示
されているが、これらの公報に開示された合金を急冷凝
固法で作製する際には、冷却体に向けて合金溶湯を噴出
させるための注湯ノズルの閉塞が生じやすいという問題
があった。
製造方法として特開昭63-7347 号公報、特開平3-13413
7 号、同3-177542 号各公報には、Fe−Cr−Al−REM 合
金を、急冷凝固法で作製することにより、加工性に優れ
る合金が大幅なコストダウンで製造可能であることが示
されているが、これらの公報に開示された合金を急冷凝
固法で作製する際には、冷却体に向けて合金溶湯を噴出
させるための注湯ノズルの閉塞が生じやすいという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、急冷凝固法を適用した場合
のノズル詰まりを効果的に抑制することができ、しかも
従来よりも耐酸化性に優れるFe−Cr−Al系合金を製造す
ることのできる方法を提案することがこの発明の目的で
ある。
題を有利に解決するもので、急冷凝固法を適用した場合
のノズル詰まりを効果的に抑制することができ、しかも
従来よりも耐酸化性に優れるFe−Cr−Al系合金を製造す
ることのできる方法を提案することがこの発明の目的で
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、急冷凝固法
で作製したFe−Cr−Al合金薄帯は、圧延材と比べてコス
トダウンを図ることができるばかりでなく、耐酸化性の
面でも遙かに有利であること、また、Laの含有により、
優れた耐酸化性を持つ合金薄帯が得られること、さらに
Siの含有により、ノズル詰まりが著しく軽減されて製板
性が良好になるが、その一方でスケールのはく離を惹き
起こすため含有量の上限を定めるべきであることを見い
だした。この発明は、上記の知見に立脚するものであ
る。
で作製したFe−Cr−Al合金薄帯は、圧延材と比べてコス
トダウンを図ることができるばかりでなく、耐酸化性の
面でも遙かに有利であること、また、Laの含有により、
優れた耐酸化性を持つ合金薄帯が得られること、さらに
Siの含有により、ノズル詰まりが著しく軽減されて製板
性が良好になるが、その一方でスケールのはく離を惹き
起こすため含有量の上限を定めるべきであることを見い
だした。この発明は、上記の知見に立脚するものであ
る。
【0008】この発明は、Cr:5〜30wt%及びAl:2〜
15wt%を含み、さらにLa:0.04〜0.15wt%及びSi:0.01
〜2.0 wt%を含有し、残部はFe及び不可避的不純物より
なる合金溶湯を、冷却面が更新移動する冷却体の該冷却
面上に噴出して急冷凝固させて、厚み100 μm 以下の薄
帯にすることを特徴とする耐酸化性に優れたFe−Cr−Al
系合金薄帯の製造方法である。
15wt%を含み、さらにLa:0.04〜0.15wt%及びSi:0.01
〜2.0 wt%を含有し、残部はFe及び不可避的不純物より
なる合金溶湯を、冷却面が更新移動する冷却体の該冷却
面上に噴出して急冷凝固させて、厚み100 μm 以下の薄
帯にすることを特徴とする耐酸化性に優れたFe−Cr−Al
系合金薄帯の製造方法である。
【0009】
【作用】まず、この発明において、合金の成分組成範囲
を限定した理由について説明する。 Cr:5〜30wt% Crが5wt%に満たないと、アルミナの酸化スケールが安
定生成されず、耐酸化性が確保できない。一方、30wt%
を超えると、急冷凝固時にノズル詰まりが発生し易く、
またじん性が低下して加工性が劣化する。このため、5
〜30wt%の範囲とした。
を限定した理由について説明する。 Cr:5〜30wt% Crが5wt%に満たないと、アルミナの酸化スケールが安
定生成されず、耐酸化性が確保できない。一方、30wt%
を超えると、急冷凝固時にノズル詰まりが発生し易く、
またじん性が低下して加工性が劣化する。このため、5
〜30wt%の範囲とした。
【0010】Al:2〜15wt% Alが2wt%に満たないと、アルミナの酸化スケールが安
定生成されず、耐酸化性が確保できない。一方15wt%を
超えるとじん性が低下して加工性が劣化する。このため
2〜15wt%の範囲とした。特に排ガス清浄化用の触媒担
体として用いる場合には、曲げ加工性が求められるた
め、より好ましい範囲は2〜8wt%である。
定生成されず、耐酸化性が確保できない。一方15wt%を
超えるとじん性が低下して加工性が劣化する。このため
2〜15wt%の範囲とした。特に排ガス清浄化用の触媒担
体として用いる場合には、曲げ加工性が求められるた
め、より好ましい範囲は2〜8wt%である。
【0011】La:0.04〜0.15wt% Laは、耐酸化性の向上に有用な成分である。図1に、C
r:20wt%、Al:5wt%でLa量を種々に変化させた厚み5
0μm の合金薄帯の、1200℃大気中における耐酸化寿命
について調べた結果をグラフで示す。図1から明らかな
ように、La量が0.04〜0.15wt%の範囲で優れた耐酸化性
が得られる。Laが0.04wt%に満たないと、アルミナの酸
化スケールの合金下地への密着性が低く、加熱、冷却時
の熱変形によってスケールがはく離するために耐酸化性
が確保できず、一方La含有量の増加に伴って、酸化速度
が増加し、またスケール中のLa含有量が増加するため、
0.15wt%を超える含有はかえって耐酸化性を劣化させる
のである。このため、La含有量は、0.04〜0.15wt%の範
囲とする。
r:20wt%、Al:5wt%でLa量を種々に変化させた厚み5
0μm の合金薄帯の、1200℃大気中における耐酸化寿命
について調べた結果をグラフで示す。図1から明らかな
ように、La量が0.04〜0.15wt%の範囲で優れた耐酸化性
が得られる。Laが0.04wt%に満たないと、アルミナの酸
化スケールの合金下地への密着性が低く、加熱、冷却時
の熱変形によってスケールがはく離するために耐酸化性
が確保できず、一方La含有量の増加に伴って、酸化速度
が増加し、またスケール中のLa含有量が増加するため、
0.15wt%を超える含有はかえって耐酸化性を劣化させる
のである。このため、La含有量は、0.04〜0.15wt%の範
囲とする。
【0012】また発明の原料とするLa合金は、ランタノ
イド元素(原子番号51〜71の元素)を含む場合があり、
さらに、これらのランタノイド元素は、スケールはく離
性の抑制に効果があるので、この発明においては、Laを
除くランタノイド元素を0.03wt%以下の範囲で含有して
もよい。
イド元素(原子番号51〜71の元素)を含む場合があり、
さらに、これらのランタノイド元素は、スケールはく離
性の抑制に効果があるので、この発明においては、Laを
除くランタノイド元素を0.03wt%以下の範囲で含有して
もよい。
【0013】Si:0.01〜2.0 wt% Siを含有させることによって、合金溶湯の液相線温度の
低下、流動性の向上により急冷凝固時のノズル詰まりを
解消する効果が得られる。またSiを2.0 wt%以下の範囲
で含有させることにより、酸化速度も低減されることが
実験的に確かめられた。しかしながら、2.0 wt%を超え
るSi含有量では、酸化スケールと合金下地との界面にSi
の内部酸化物が生成されるためにスケールのはく離が多
くなって、かえって耐酸化性が劣化する。このため、Si
含有量は0.01〜2.0 wt%の範囲に限定する。
低下、流動性の向上により急冷凝固時のノズル詰まりを
解消する効果が得られる。またSiを2.0 wt%以下の範囲
で含有させることにより、酸化速度も低減されることが
実験的に確かめられた。しかしながら、2.0 wt%を超え
るSi含有量では、酸化スケールと合金下地との界面にSi
の内部酸化物が生成されるためにスケールのはく離が多
くなって、かえって耐酸化性が劣化する。このため、Si
含有量は0.01〜2.0 wt%の範囲に限定する。
【0014】次に、上述した成分組成範囲になる合金溶
湯を、冷却面が更新移動する冷却体の該冷却面上に噴出
させて合金薄帯を製造する。ここに、鋼塊鋳造などのよ
うに溶湯の冷却速度が小さい場合には、Al、Crの金属酸
化物や窒化物、Laと酸素、硫黄との化合物が析出物ある
いは介在物として生成し、これらの析出物、介在物が酸
化スケールに混在したり、スケールと合金との界面に内
部酸化物を生成して、耐酸化性が低下する。これに対し
て急冷凝固法では、冷却速度が大きいため、析出物、介
在物の生成が抑制されて均一な合金を得ることができ、
耐酸化性の劣化が抑制される。
湯を、冷却面が更新移動する冷却体の該冷却面上に噴出
させて合金薄帯を製造する。ここに、鋼塊鋳造などのよ
うに溶湯の冷却速度が小さい場合には、Al、Crの金属酸
化物や窒化物、Laと酸素、硫黄との化合物が析出物ある
いは介在物として生成し、これらの析出物、介在物が酸
化スケールに混在したり、スケールと合金との界面に内
部酸化物を生成して、耐酸化性が低下する。これに対し
て急冷凝固法では、冷却速度が大きいため、析出物、介
在物の生成が抑制されて均一な合金を得ることができ、
耐酸化性の劣化が抑制される。
【0015】また薄帯の厚みは100 μm 以下に限定す
る。この理由は、この発明の合金薄帯を排ガス浄化用の
触媒担体に用いた場合には、厚みが100 μm を超えると
排ガス流路の通気抵抗が増えてエンジンの負担が大きく
なるからである。
る。この理由は、この発明の合金薄帯を排ガス浄化用の
触媒担体に用いた場合には、厚みが100 μm を超えると
排ガス流路の通気抵抗が増えてエンジンの負担が大きく
なるからである。
【0016】
【実施例】表1に示す種々の成分組成になるFe−Cr−Al
系合金薄帯を、急冷凝固法と鋼塊圧延法の二種の方法で
製造した。
系合金薄帯を、急冷凝固法と鋼塊圧延法の二種の方法で
製造した。
【0017】
【表1】
【0018】ここに、急冷凝固法による合金薄帯は、各
成分組成に調製した合金溶湯を、アルゴン雰囲気中で、
1000 rpmで回転する直径300 mmの単ロールの周面に噴射
して、厚み50μm 、幅20mmの急冷合金薄帯としたもので
ある。また鋼塊圧延法による合金薄帯は、各成分組成に
調製した合金溶湯を、10kgの鋼塊に鋳造し、次いで1250
℃に加熱した後、熱間圧延を施して板厚3mmとした。次
いで冷間圧延を施して最終板厚である50μm とした。そ
の後Ar中950 ℃の熱処理を行ったものである。
成分組成に調製した合金溶湯を、アルゴン雰囲気中で、
1000 rpmで回転する直径300 mmの単ロールの周面に噴射
して、厚み50μm 、幅20mmの急冷合金薄帯としたもので
ある。また鋼塊圧延法による合金薄帯は、各成分組成に
調製した合金溶湯を、10kgの鋼塊に鋳造し、次いで1250
℃に加熱した後、熱間圧延を施して板厚3mmとした。次
いで冷間圧延を施して最終板厚である50μm とした。そ
の後Ar中950 ℃の熱処理を行ったものである。
【0019】かくして得られた薄帯について、製板性、
耐酸化性、加工性及び酸化スケールの耐はく離性につい
て調査した結果を表1に併記する。ここに、製板性は、
急冷金属薄帯の製造の際に、ノズル詰まりの発生の有無
で評価した。また耐酸化性は、1200℃、大気雰囲気中で
酸化試験を行い、薄帯が異常酸化(薄帯が酸化して黒色
になり脆くなった状態)を生じるまでの時間を耐酸化時
間として評価した。また加工性は、薄帯を180 °に繰り
返して曲げ、破断するまでの回数で評価した。さらに耐
はく離性は、1200℃で80時間の酸化を行った後、常温に
急冷してスケールのはく離状態を評価したものである。
耐酸化性、加工性及び酸化スケールの耐はく離性につい
て調査した結果を表1に併記する。ここに、製板性は、
急冷金属薄帯の製造の際に、ノズル詰まりの発生の有無
で評価した。また耐酸化性は、1200℃、大気雰囲気中で
酸化試験を行い、薄帯が異常酸化(薄帯が酸化して黒色
になり脆くなった状態)を生じるまでの時間を耐酸化時
間として評価した。また加工性は、薄帯を180 °に繰り
返して曲げ、破断するまでの回数で評価した。さらに耐
はく離性は、1200℃で80時間の酸化を行った後、常温に
急冷してスケールのはく離状態を評価したものである。
【0020】表1から明らかなように、この発明に従う
適合例は、いずれも耐酸化性、耐はく離性、加工性及び
製板性のいずれも良好な結果が得られた。また試料No.
A9、A10の結果から、Si含有量が増えると、より低温
の合金溶湯でも安定した製板が可能であった。これに対
して、比較例B1,2は、鋼塊圧延法で薄帯としている
ために、成分組成がほぼ同一の適合例A1〜3に比べ
て、耐酸化性が著しく劣った。またB1の薄帯には、図
2に重ね合わせた断面の顕微鏡写真で示すような介在物
が見られたが、A1にはこのような介在物は認められな
かった。また比較例C1〜4は、耐酸化性が、またC
5,6は製板性及び加工性が、C7,8は耐はく離性が
劣っていた。
適合例は、いずれも耐酸化性、耐はく離性、加工性及び
製板性のいずれも良好な結果が得られた。また試料No.
A9、A10の結果から、Si含有量が増えると、より低温
の合金溶湯でも安定した製板が可能であった。これに対
して、比較例B1,2は、鋼塊圧延法で薄帯としている
ために、成分組成がほぼ同一の適合例A1〜3に比べ
て、耐酸化性が著しく劣った。またB1の薄帯には、図
2に重ね合わせた断面の顕微鏡写真で示すような介在物
が見られたが、A1にはこのような介在物は認められな
かった。また比較例C1〜4は、耐酸化性が、またC
5,6は製板性及び加工性が、C7,8は耐はく離性が
劣っていた。
【0021】
【発明の効果】この発明のFe−Cr−Al系合金薄帯の製造
方法によれば、特に耐酸化性及び加工性に優れる合金薄
帯を製板性良く製造することができる。
方法によれば、特に耐酸化性及び加工性に優れる合金薄
帯を製板性良く製造することができる。
【図1】La含有量が耐酸化性に及ぼす効果を示すグラフ
である。
である。
【図2】合金薄帯断面の金属組織を示す顕微鏡写真であ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小沢 三千晴 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 清水 寛 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内
Claims (1)
- 【請求項1】 Cr:5〜30wt%及びAl:2〜15wt%を含
み、さらにLa:0.04〜0.15wt%及びSi:0.01〜2.0 wt%
を含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる合金溶
湯を、冷却面が更新移動する冷却体の該冷却面上に噴出
して急冷凝固させて、厚み100 μm 以下の薄帯にするこ
とを特徴とする耐酸化性に優れたFe−Cr−Al系合金薄帯
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35001192A JPH06170498A (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 耐酸化性に優れたFe−Cr−Al系合金薄帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35001192A JPH06170498A (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 耐酸化性に優れたFe−Cr−Al系合金薄帯の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06170498A true JPH06170498A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18407633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35001192A Pending JPH06170498A (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 耐酸化性に優れたFe−Cr−Al系合金薄帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06170498A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019150762A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | Jfeスチール株式会社 | Fe-Cr合金およびその製造方法、ならびに、抵抗発熱体 |
-
1992
- 1992-12-03 JP JP35001192A patent/JPH06170498A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019150762A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | Jfeスチール株式会社 | Fe-Cr合金およびその製造方法、ならびに、抵抗発熱体 |
KR20200100828A (ko) * | 2018-01-30 | 2020-08-26 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | Fe-Cr 합금 및 그 제조 방법, 그리고 저항 발열체 |
CN111655882A (zh) * | 2018-01-30 | 2020-09-11 | 杰富意钢铁株式会社 | Fe-Cr合金及其制造方法、以及电阻发热体 |
EP3748026A4 (en) * | 2018-01-30 | 2021-01-20 | JFE Steel Corporation | FE-CR ALLOY, METHOD OF MANUFACTURING IT, AND RESISTANT HEATING ELEMENT |
CN111655882B (zh) * | 2018-01-30 | 2021-08-10 | 杰富意钢铁株式会社 | Fe-Cr合金及其制造方法、以及电阻发热体 |
US11497085B2 (en) | 2018-01-30 | 2022-11-08 | Jfe Steel Corporation | Fe—Cr alloy, method for producing same, and resistance heating element |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4784984A (en) | Stainless steel ribbon for use as a catalyst carrier for automobile exhaust gas and catalyst carrier containing the ribbon coiled into a honeycomb | |
US5160390A (en) | Rapidly solidified fe-cr-al alloy foil having excellent anti-oxidation properties | |
US20070292300A1 (en) | Ferritic Stainless Steel | |
CN104870675A (zh) | 不锈钢板及不锈钢箔 | |
EP1601804B1 (de) | Verwendung einer eisen-chrom-aluminium-legierung | |
CN1659300A (zh) | 主要由猛奥氏体构成的钢带或薄钢板的制备方法 | |
CN109844157B (zh) | 不锈钢板和不锈钢箔 | |
JPH0660386B2 (ja) | 金属半仕上げ製品及びその製造方法 | |
US5476554A (en) | FE-CR-AL alloy foil having high oxidation resistance for a substrate of a catalytic converter and method of manufacturing same | |
JPH06170498A (ja) | 耐酸化性に優れたFe−Cr−Al系合金薄帯の製造方法 | |
US5405460A (en) | Fe-Cr-Al alloy steel sheet and process for producing the same | |
JPS6342356A (ja) | 耐酸化性に優れたFe−Cr−高Al系合金とその製造方法 | |
JP2579393B2 (ja) | 耐酸化性の優れたFe−Cr−Al系急冷合金箔 | |
JPH0199647A (ja) | 自動車排ガス触媒担体用箔、担体およびその製造法 | |
JP3491334B2 (ja) | 耐酸化性に優れた触媒コンバーター担体用Fe−Cr−Al合金およびこれを用いた合金箔の製造方法 | |
EP0511699B1 (en) | Aluminium-coated iron-chromium foil containing additions of rare earths or yttrium | |
JP3142884B2 (ja) | 触媒の耐剥離性に優れ、γAl2O3の密着性を低下させるウイスカ生成を抑制するFe−Cr−Al合金 | |
JPS6342347A (ja) | 酸化スケ−ルの耐剥離性に優れたFe−Cr−Al系合金の製造方法 | |
JPH1161348A (ja) | Fe−Cr−Al−W系急冷合金箔 | |
JPH07113118A (ja) | 耐酸化性に優れたFe−Cr−Al合金箔の製造方法 | |
KR0146808B1 (ko) | 자동차 배기가스 정화용 금속촉매 담체재료 | |
JPH07316746A (ja) | 触媒メタル担体 | |
JPH06108268A (ja) | フェライト系ステンレス鋼箔およびその製造法 | |
JPH0480746B2 (ja) | ||
JPH03134137A (ja) | 触媒担体材料に用いる加工性の優れたFe―Cr―Al系合金薄帯およびその製造方法 |