JPH06169A - Mrによるディフュージョン測定方法および装置 - Google Patents

Mrによるディフュージョン測定方法および装置

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JPH06169A
JPH06169A JP4158254A JP15825492A JPH06169A JP H06169 A JPH06169 A JP H06169A JP 4158254 A JP4158254 A JP 4158254A JP 15825492 A JP15825492 A JP 15825492A JP H06169 A JPH06169 A JP H06169A
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diffusion
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鉄二 塚元
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディフュージョン係数の定量的な計測を可能
とする。 【構成】 RFパルスα,β,γを加えると共にそれと
同じタイミングでスライス勾配磁場SZ,SY,SXを
印加することによって被検体の測定部位をボクセルとし
て選択励起し、且つ、ディフュージョン用勾配磁場DG
を印加することによって前記ボクセルからのNMR信号
に前記測定部位のディフュージョン情報を反映させてN
MR信号を採取し、そのNMR信号からディフュージョ
ン係数を算出する。 【効果】 体動の影響を受けず、ディフュージョン係数
を定量測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、MRによるディフュ
ージョン測定方法および装置に関し、特に、ディフュー
ジョン係数の定量測定に有用なMRによるディフュージ
ョン測定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、MRI装置において、被検体の
ディフュージョン情報を反映させたディフュージョン画
像を得るためのIVIM(intravoxel incoherent moti
on)法のパルスシーケンスの例示図である。このパルス
シーケンスは、スピンエコー法のパルスシーケンスの各
軸に、強度が大きく印加時間の長いディフュージョン用
勾配磁場dgを印加することによって、ディフュージョ
ン情報を強調するものである。なお、sgはスライス勾
配磁場であり,phは位相エンコード勾配磁場である。
また、teはエコー時間である。
【0003】前記パルスシーケンスにより収集されるN
MR信号の絶対値Iは、 I=k・exp{−b・D} (1) のように表せる。ここで、kは、パルスシーケンスおよ
び被検体の磁気パラメータにより決まる定数である。こ
の定数kは、ディフュージョン用勾配磁場dgには影響
されない。bは、前記ディフュージョン用勾配磁場dg
の強度,印加時間などにより決まる定数である。Dは、
被検体のディフュージョン係数である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)式の定数b
を変えてNMR信号を収集すれば(つまり、強度,印加
時間などの異なるディフュージョン用勾配磁場dgを付
加したパルスシーケンスによりNMR信号を収集すれ
ば)、ディフュージョン係数Dを算出できると考えられ
る。ところが、前記ディフュージョン用勾配磁場dgを
印加すると、ディフュージョンとは関係のない体動が、
位相エンコード勾配磁場phによる位相量に対して無視
できない影響を及ぼし、ディフュージョン画像上にゴー
スト状アーチファクトを発生させる。このため、ディフ
ュージョン係数Dの測定の定量性が損われる問題点があ
る。
【0005】そこで、この発明の目的は、ディフュージ
ョン係数の定量的な測定を好適に行うことが可能なMR
によるディフュージョン測定方法および装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、この発
明は、MRI装置を用いてRFパルスを加えると共にそ
れと同じタイミングでスライス勾配磁場を印加するスラ
イシングを直交座標系の各軸ごとに行うことによって被
検体の測定部位をボクセルとして選択励起し、且つ、デ
ィフュージョン用勾配磁場を印加することによって前記
ボクセルからのNMR信号に前記測定部位のディフュー
ジョン情報を反映させ、前記NMR信号を採取し、その
採取したNMR信号から前記測定部位のディフュージョ
ン情報を取り出すことを特徴とするMRによるディフュ
ージョン測定方法を提供する。なお、SN比を向上させ
るためには、上記構成において、NMR信号を同じ時点
で採取することを複数回繰り返し各NMR信号を加算す
るのが好ましい。また、NMR信号を異なる時点で採取
し、各NMR信号からディフュージョン情報を取り出
し、それらディフュージョン情報を平均化するのが好ま
しい。
【0007】第2の観点では、この発明は、(90゜)−(1
80゜)−(180゜)のRFパルス系列を用いてスライシング
を行って被検体の測定部位をボクセルとして選択励起し
且ついずれかの 180゜パルスの前後にディフュージョン
用勾配磁場を印加する励起手段と、NMR信号を採取す
るNMR信号採取手段と、異なるディフュージョン用勾
配磁場で採取したNMR信号間の演算によりディフュー
ジョン係数を算出する演算手段とを具備したことを特徴
とするディフュージョン測定装置を提供する。
【0008】第3の観点では、この発明は、(90゜)−(9
0゜)−(90゜)のRFパルス系列を用いてスライシングを
行って被検体の測定部位をボクセルとして選択励起し且
つ2番目の90゜パルスの前と3番目の90゜パルスの後に
ディフュージョン用勾配磁場を印加する励起手段と、N
MR信号を採取するNMR信号採取手段と、異なるディ
フュージョン用勾配磁場で採取したNMR信号間の演算
によりディフュージョン係数を算出する演算手段とを具
備したことを特徴とするディフュージョン測定装置を提
供する。
【0009】
【作用】上記第1の観点によるこの発明のMRによるデ
ィフュージョン測定方法では、被検体の測定部位をボク
セルとして励起するため、NMR信号から位置情報を得
る必要がない。すなわち、体動に影響される位相エンコ
ードおよび周波数エンコードの必要がない。従って、体
動に影響されず、ディフュージョン係数dの測定の定量
性が損われることがない。上記第2または第3の観点に
よるこの発明のディフュージョン測定装置では、上記M
Rによるディフュージョン測定方法を好適に実施でき
る。
【0010】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づいてこの発明を
さらに詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限
定されるものではない。図1は、この発明のディフュー
ジョン測定装置として機能するMRI装置1のブロック
図である。計算機2は、操作卓13からの指示に基づ
き、全体の作動を制御する。シーケンスコントローラ3
は、記憶しているシーケンスに基づいて、勾配磁場駆動
回路4を作動させ、マグネットアセンブリ5の静磁場コ
イル,勾配磁場コイルで静磁場,勾配磁場を発生させ
る。また、ゲート変調回路7を制御し、RF発振回路6
で発生したRFパルスを所定の波形に変調して、RF電
力増幅器8からマグネットアセンブリ5の送信コイルに
加える。
【0011】マグネットアセンブリ5の受信コイルで得
られたNMR信号は、前置増幅器9を介して位相検波器
10に入力され、さらにAD変換器11を介して計算機
2に入力される。計算機2は、AD変換器11から得た
NMR信号のデータに基づき、イメージを再構成し、表
示装置12で表示する。この発明のディフュージョン測
定方法は、計算機2およびシーケンスコントローラ3に
記憶された手順により実施される。
【0012】ユーザが、マグネットアセンブリ5に被検
体をセッティングした後、操作卓13を用いて、測定部
位を指定し、ディフュージョン測定の指示を与えると、
計算機2は図2に示すフロー図の処理を実行する。ステ
ップS1では、ユーザの指定した測定部位について、デ
ィフュージョン測定のためのパルスシーケンスを作成す
る。図3に、ディフュージョン測定のためのパルスシー
ケンスを例示する。このパルスシーケンスPaでは、90
゜パルスαを加えるタイミングでZ軸にスライス勾配磁
場SZを印加し、図4に示すように、Z軸方向にスライ
ス幅WZを有するスライスUZを選択的に励起する。ま
た、第1の180゜パルスβ を加えるタイミングでY軸に
スライス勾配磁場SYを印加し、Y軸方向にスライス幅
WYを有するスライスUYを選択的に励起する。さら
に、第2の180゜パルスγ を加えるタイミングでX軸に
スライス勾配磁場SXを印加し、X軸方向にスライス幅
WXを有するスライスUXを選択的に励起する。このよ
うなスライシングにより、ユーザの設定した測定部位に
対応するボクセルV(実線)を選択的に励起する。ディ
フュージョン用勾配磁場DGは、第1の180゜パルスβ
の前後のタイミングで各軸に印加される。CGは、FI
D信号を消すためのデフェーズ用勾配磁場である。デー
タ収集Acqは、第2の180゜パルスγを加えてから時
間[Tb/2]のタイミング(t=0)から複数時点のサ
ンプルポイントtjでNMR信号を採取する。なお、T
aはスピンエコー法での第1エコーのエコー時間に相当
する。ステップS2では、前記(1)式の定数b=B1
となるディフュージョン用勾配磁場DG1を設定する。
ステップS3では、ディフュージョン用勾配磁場DG1
によるパルスシーケンスPaにしたがってデータ収集A
cqを行う。サンプルポイントtjで採取されるNMR
信号の複素表現A1(tj)は、 A1(tj)=k(tj)・exp{−B1・D}・exp{i・φ1(tj)} である。ここで、k(tj)は、パルスシーケンスおよび被
検体の磁気パラメータにより決まる定数である。この定
数k(tj)は、ディフュージョン用勾配磁場DGには影響
されない。B1は、前記ディフュージョン用勾配磁場D
G1の強度,印加時間などにより決まる定数である。D
は、被検体のディフュージョン係数である。また、φ1
(tj)は、位相であり、体動,渦電流などにより変化する
可能性がある。なお、ディフュージョン用勾配磁場DG
1によるパルスシーケンスPaにしたがってデータ収集
Acqを行うことを複数回行って、対応するサンプルポ
イントtjで採取されたNMR信号を加算することによ
り、SN比を向上させることが出来る。
【0013】ステップS4では、定数b=B2であるか
否かを判断する。b≠B2であれば、ステップS5に進
む。b=B2であればステップS6に進む。
【0014】ステップS5では、前記(1)式の定数b
=B2となるディフュージョン用勾配磁場DG2を設定
する。そして、前記ステップS3に戻る。ステップS3
では、ディフュージョン用勾配磁場DG2によるパルス
シーケンスPaにしたがってデータ収集Acqを行う。
サンプルポイントtjで採取されるNMR信号の複素表
現A2(tj)は、 A2(tj)=k(tj)・exp{−B2・D}・exp{i・φ2(tj)} である。ここで、B2は、前記ディフュージョン用勾配
磁場DG2の強度,印加時間などにより決まる定数であ
る。φ2(tj) は、位相である。
【0015】ステップS6では、対応するサンプルポイ
ントtjごとに、 D=Log{|A1(tj)|/|A2(tj)|}/(B2−B1) により、ディフュージョン係数Dを算出する。そして、
サンプルポイントごとのディフュージョン係数Dを平均
化する。
【0016】この発明の他の実施例としては、図5に示
すパルスシーケンスPbのように、ディフュージョン用
勾配磁場DGを、第2の180゜パルスγ の前後のタイミ
ングで各軸に印加するものが挙げられる。この発明のさ
らに他の実施例としては、図6に示すように、(90゜)−
(90゜)−(90゜)のRFパルス系列を用いるスティミュレ
ーテッドエコーを利用したパルスシーケンスPcを用
い、2番目の90゜パルスの前と3番目の90゜パルスの後
にディフュージョン用勾配磁場DGを印加するものが挙
げられる。
【0017】さらに他の実施例としては、(90゜)−(180
゜)−(180゜)や(90゜)−(90゜)−(90゜)以外の(α)−
(β)−(γ)のRFパルス系列を用い、βパルスの前後に
ディフュージョン用勾配磁場DGを印加するものが挙げ
られる。
【0018】
【発明の効果】この発明のMRによるディフュージョン
測定方法および装置によれば、体動の影響を受けずに、
より定量的にディフュージョン情報を測定可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のディフュージョン測定装置として機
能するMRI装置のブロック図である。
【図2】この発明の一実施例のディフュージョン測定方
法のフロー図である。
【図3】この発明の一実施例のディフュージョン測定方
法に用いるパルスシーケンスの例示図である。
【図4】図2のパルスシーケンスにより選択励起される
ボクセルの説明図である。
【図5】この発明の他の実施例のディフュージョン測定
方法に用いるパルスシーケンスの例示図である。
【図6】この発明のさらに他の実施例のディフュージョ
ン測定方法に用いるパルスシーケンスの例示図である。
【図7】従来のIVIM法によるパルスシーケンスの例
示図である。
【符号の説明】
1 MRI装置 2 計算機 3 シーケンスコントローラ 5 マグネットアセンブリ DG ディフュージョン用勾配磁場 Pa パルスシーケンス SX X軸のスライス勾配磁場 SY Y軸のスライス勾配磁場 SZ Z軸のスライス勾配磁場 V ボクセル α 90゜パルス β 第1の180゜パルス γ 第2の180゜パルス δ 90゜パルス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MRI装置を用いてRFパルスを加える
    と共にそれと同じタイミングでスライス勾配磁場を印加
    するスライシングを直交座標系の各軸ごとに行うことに
    よって被検体の測定部位をボクセルとして選択励起し、
    且つ、ディフュージョン用勾配磁場を印加することによ
    って前記ボクセルからのNMR信号に前記測定部位のデ
    ィフュージョン情報を反映させ、前記NMR信号を採取
    し、その採取したNMR信号から前記測定部位のディフ
    ュージョン情報を取り出すことを特徴とするMRによる
    ディフュージョン測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のMRによるディフュー
    ジョン測定方法において、NMR信号を同じ時点で採取
    することを複数回繰り返し各NMR信号を加算すること
    を特徴とするディフュージョン測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のMRに
    よるディフュージョン測定方法において、NMR信号を
    異なる時点で採取し、各NMR信号からディフュージョ
    ン情報を取り出し、それらディフュージョン情報を平均
    化することを特徴とするディフュージョン測定方法。
  4. 【請求項4】 (90゜)−(180゜)−(180゜)のRFパルス
    系列を用いてスライシングを行って被検体の測定部位を
    ボクセルとして選択励起し,且つ,いずれかの 180゜パ
    ルスの前後にディフュージョン用勾配磁場を印加する励
    起手段と、NMR信号を採取するNMR信号採取手段
    と、異なるディフュージョン用勾配磁場で採取したNM
    R信号間の演算によりディフュージョン係数を算出する
    演算手段とを具備したことを特徴とするディフュージョ
    ン測定装置。
  5. 【請求項5】 (90゜)−(90゜)−(90゜)のRFパルス系
    列を用いてスライシングを行って被検体の測定部位をボ
    クセルとして選択励起し且つ2番目の90゜パルスの前と
    3番目の90゜パルスの後にディフュージョン用勾配磁場
    を印加する励起手段と、NMR信号を採取するNMR信
    号採取手段と、異なるディフュージョン用勾配磁場で採
    取したNMR信号間の演算によりディフュージョン係数
    を算出する演算手段とを具備したことを特徴とするディ
    フュージョン測定装置。
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