JPH10179545A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JPH10179545A
JPH10179545A JP8356384A JP35638496A JPH10179545A JP H10179545 A JPH10179545 A JP H10179545A JP 8356384 A JP8356384 A JP 8356384A JP 35638496 A JP35638496 A JP 35638496A JP H10179545 A JPH10179545 A JP H10179545A
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JP
Japan
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gradient magnetic
magnetic field
sequence
intensity
magnetic resonance
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Pending
Application number
JP8356384A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kajiyama
孝治 梶山
Tetsuhiko Takahashi
哲彦 高橋
Kazumi Nishimura
和美 西村
Masahiro Takizawa
将宏 瀧澤
Masayuki Isobe
正幸 磯部
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 血流描画の際に、乱流、狭窄等の加速度を持
つ部位の流れを表示できる磁気共鳴イメージング装置を
提供する。 【解決手段】 磁気共鳴イメージング装置が実行するパ
ルスシーケンスは、定速度のスピンからの信号強度は同
じで、加速度を持つスピンからの信号の信号強度が異な
るような2系列の傾斜磁場印加パターン30、30’の
シーケンスから成る。これら2つの系列のパルスシーケ
ンスで得られた信号をそれぞれ再構成し、複数の画像を
合成することにより、加速度成分を描画する。加速度成
分は、定速度の流れ成分とは色を変える等して識別可能
に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴(NM
R)現象を利用して被検体の断層画像を得るようにした
磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)
に係り、特に加速度成分の描出を容易にしたMRI装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、核磁気共鳴現象を利用し
て被検体中の所望の検査部位における原子核スピン(以
下、単にスピンと称す。)の密度分布、緩和時間分布等
を計測して、その計測データから、被検体の断面を画像
表示するものであり、一般に静磁場発生磁石と、被検体
に高周波磁場を印加するための送信系と、被検体からの
信号を検出するための受信系と、検出した信号を処理し
て画像再構成するための信号処理系とを備え、更に信号
に位置情報を与える傾斜磁場を与える傾斜磁場発生系
と、送信系の高周波コイル及び傾斜磁場コイルを所定の
シーケンスで駆動するためのシーケンサ及び装置全体を
制御する中央処理装置を備えている。
【0003】このようなMRI装置を用いて、血流等の
動きのあるスピンからの情報を得る手法としてTime-of-
Flight(TOF)法やPhase Contrast(PC)法などが
開発されている。このうちTOF法は、高周波パルスに
よって励起したスピンが励起した領域(スライス面)か
ら流出し、未励起スピンが流入することにより周辺組織
の静止スピンとの信号強度に差を生じる流入効果を用い
たもので、流れのある部分の信号を得るために、図6に
示すような3つの傾斜磁場601〜603の組合せを印
加する。図中、縦軸は傾斜磁場強度Gであり横軸は時間
である。この3つの傾斜磁場は、それぞれの強度と時間
との積が、第1の傾斜磁場601をGTとするとき、第
2の傾斜磁場602では−2GT、第3の傾斜磁場60
3ではGTとなるように印加される。図では、このよう
な傾斜磁場パターンを印加した場合の静止しているスピ
ンsと、定速度vで移動しているスピンmの位相変化を
示している。
【0004】静止しているスピンは、第1の傾斜磁場6
01を印加すると、静磁場のみの回転速度を基準とした
相対角速度で表すと、
【数1】 (ここでxは、スピンの位置を表す。またγは磁気回転
比を表す。)となる。時刻Tで第1の傾斜磁場601の
印加を止めた瞬間にスピンの位相φs1は、式(1)を時
刻0から時刻Tまでで時間積分すれば求められ、
【数2】 となる。同様に時刻Tから2Tまで、2Tから3Tまで
の位相変化は、それぞれφs2、φs3とすると、
【数3】 で与えられる。よって第3の傾斜磁場603を印加し終
わった時刻での位相変化φT3は、
【数4】 となる。これは、スピンの位相が揃っており、信号を発
生することを意味する。
【0005】次に定速度vで動いているスピンmでは、
これら3つの傾斜磁場による位相変化φmT3は、
【数5】 (ここで、φm1は傾斜磁場601による位相変化、φm2
は傾斜磁場602による位相変化、φm3は傾斜磁場60
3による位相変化を表す。)となる。このことは、定速
度Vで動いているスピンについても位相が揃い信号が発
生することを意味する。
【0006】このように定速度のスピンでは、速度がど
のような値をとろうと一定であれば、信号を得ることが
できる。これに対し加速度をもつスピンでは、位相変化
が速度の関数となるため、位相がさまざまに変化し、信
号が出たり出なかったりする。
【0007】またPC法は、位相情報を積極的に使用す
る方法で、図7に示すように、強度、時間が同一で極性
が異なる傾斜磁場701を任意のパルスシーケンスに加
える。次に、この傾斜磁場の符合を反転させた傾斜磁場
702を印加する。これら701,702はフローエン
コードパルスと呼ばれ、1つのフローエンコードパルス
の印加により静止部スピンの位相は揃うのに対し、速度
を有する部分のスピンの位相は揃わないことになる。一
対のフローエンコードパルス701,702のうち、前
者を印加するシーケンスで得られた信号から、後者を印
加するシーケンスで得られた信号の位相差を求めること
により、速度を有する部分を画像化することができる。
これらPC法に関する原理は、”Magnetic Resonance A
ngiography:E.James Potchan”に詳しい。
【0008】このPC法でも、同一速度を有するスピン
については一対のフローエンコードパルスの差分をとる
ことにより、位相差を求めて画像化することができる
が、加速度を持つスピンでは位相が種々に変化するた
め、画像化することが困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように上述した血
流描画方法では定速のスピンからの情報を得ることはで
きるが、加速度を持つ動きを撮影することは困難であっ
た。しかし、この加速度を持つ流れは、血流の場合、狭
窄部位に見られ、臨床上重要である。そこで、本発明は
加速度を持つ流れの画像を得ることができるMRI装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のMRI装置は、加速度を持つスピンからの
信号の信号強度が異なるような複数の系列のパルスシー
ケンスを実行する。これら複数の系列のシーケンスで得
られた信号に基づき複数種類の画像を再構成し、これを
合成して表示する。この場合、パルスシーケンスとして
は、TOF法、PC法等の血流描画シーケンスが採用さ
れる。
【0011】TOF法のパルスシーケンスの場合は、複
数の系列においてそれぞれ、少なくとも1軸方向につい
て、定速度スピンの位相が揃うような少なくとも3つの
傾斜磁場パルスの組合せを印加する。これら3つの傾斜
磁場パルスは印加時間及び強度の積が、第1の傾斜磁場
の積をTGとするとき、第2、第3の傾斜磁場の印加時
間と強度の積がそれぞれ−2TG、TGであり、且つ第
1の系列と第2の系列とではTGが異なる値となるよう
にする。
【0012】またPC法のパルスシーケンスの場合は、
複数の系列においてそれぞれ、強度が同一で極性の異な
る正負一対の傾斜磁場から成るフローエンコードパルス
を反転して印加する。且つそれらの傾斜磁場の強度ある
いは時間が第1の系列と第2の系列とで異なるようにす
る。
【0013】第1の系列のシーケンスと第2の系列のシ
ーケンスとから計測される信号は、定速度のスピンにつ
いては同一信号強度であるのに対し、加速度を持つスピ
ンからの信号強度は加速度の値により異なるものとな
る。従って両者の差分をとることにより、定速度成分の
信号を除去し、加速度成分のみの信号を得ることができ
る。
【0014】このような加速度成分の信号から乱流等の
加速度を持つ流れのみを画像化できるため、臨床上有用
な情報を提供できる。また加速度成分についての画像を
定速度成分の信号から再構成した画像と合成することに
より、加速度成分を含む血流全体の画像を、必要に応じ
て加速度成分の表示形態を変えて表示させることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を説明す
る。図5は本発明が適用されるMRI装置を示す全体構
成のブロック説明図である。このMRI装置は、大別す
ると、中央処理装置(CPU)1と、シーケンサ2と、
送信系3と、静磁場発生磁石4と、傾斜磁場発生系21
と、受信系5と、信号処理系6とを備えている。
【0016】CPU1は、予めキーボード22等の入力
装置から撮影パラメータを入力し、プログラムに従って
シーケンサ2、送信系3、受信系5、信号処理系6の各
々を制御するものである。シーケンサ2は、CPU1か
らの制御指令に基づいて動作し、被検体7の断層画像の
データ収集に必要な種々の命令を送信系3、傾斜磁場発
生系21及び受信系5に送るようにしている。
【0017】送信系3は、高周波発信器8と変調器9と
高周波コイルとしての照射コイル11を有し、シーケン
サ2の指令により高周波発信器8からの高周波パルスを
変調器9で振幅変調し、この振幅変調された高周波パル
スを高周波増幅器10を介し増幅して照射コイル11に
供給することにより、所定のパルス状の電磁波を被検体
7に照射するようにしている。
【0018】静磁場発生磁石4は、被検体7の回りに任
意の方向に均一な静磁場を発生させるためのものであ
る。この静磁場発生磁石の内部には、照射コイル11の
他、傾斜磁場を発生させる傾斜磁場コイル13と、受信
系5の受信コイル14が設置されている。傾斜磁場発生
系21は互いに直交するデカルト座標軸方向にそれぞれ
独立に傾斜磁場を印加できる構成を有する3方向の傾斜
磁場コイル13と傾斜磁場コイルに電流を供給する傾斜
磁場電源12と、傾斜磁場電源12を制御するシーケン
サ2により構成される。
【0019】受信系5は、高周波コイルとしての受信コ
イル14と該受信コイル14に接続された増幅器15と
直交位相検波器16とA/D変換器17とを有し、被検
体7からのNMR信号を受信コイル14が検出すると、
その信号を増幅器15、直交位相検波器16、A/D変
換器17を介しデジタル量に変換するとともに、シーケ
ンサ2からの指令によるタイミングで直交位相検波器1
6によってサンプリングされた二系列の収集データに変
換してCPU1に送るようにしている。
【0020】信号処理系6は、光ディスク19、磁気デ
ィスク20等の外部記憶装置と、CRT等からなるディ
スプレイ18とを有し、受信系5からのデータがCPU
1に入力されると、CPU1が信号処理、画像再構成等
の処理を実行し、その結果の被検体7の所望の断面像を
ディスプレイ18に表示するとともに、外部記憶装置の
磁気ディスク20等に記録する。
【0021】次にこのような構成においてMRI装置で
実行されるパルスシーケンスについて説明する。図1
は、本発明をTOF法に適応したときのパルスシーケン
スを示す模式図であり、2系列のシーケンスA、Bから
成る。これら2系列のシーケンスA、Bは、それぞれ所
定のスライスを選択的に励起するためにスライス方向傾
斜磁場29と同時に印加される高周波磁場28、それに
続くスライス方向の3つの傾斜磁場30(30’)、位
相方向の傾斜磁場26、周波数方向の傾斜磁場27から
成り、いずれのシーケンスも周波数方向の傾斜磁場27
を印加しながらエコー信号を計測し、これを位相方向の
傾斜磁場26の強度を変化させながら所定の繰り返し時
間TR毎に繰り返し画像再構成に必要なデータを取得す
る。
【0022】高周波磁場28の印加に続いて印加される
3つの傾斜磁場30(30’)は、これら2系列のシー
ケンスA、B共に、正の第1の傾斜磁場、負の第2の傾
斜磁場、正の第3の傾斜磁場の組合せからなるが、以下
説明するように印加強度或いは印加時間が異なる。ここ
で図中点線で示す領域Asの傾斜磁場のそれぞれの印加
強度をga1、ga2、ga3、印加時間をta1、ta2、ta3、領域
Bsの傾斜磁場のそれぞれの印加強度をgb1、gb2、gb
3、印加時間をtb1、tb2、tb3とする。
【0023】まず領域Asで印加される3つの傾斜磁場
は、印加強度と印加時間の積をそれぞれAgtl、Agt2、Ag
t3とするとき、次式を満たすように印加強度及び印加時
間が決定される。
【数6】 式中、Ga及びTaは、任意の定数である。即ち、第1の傾
斜磁場と第3の傾斜磁場は、強度と時間の積が等しく、
第2の傾斜磁場は強度と時間の積が第1の傾斜磁場の2
倍で且つ符号が異なる。それぞれの傾斜磁場の時間及び
強度は、式(7)を満足すれば任意でよく、例えば、領
域Asの第2の傾斜磁場の時間をta2とすると、強度ga2
は(7)−2式から
【数7】 で求められる。第1、第3の傾斜磁場についても同様に
求められる。
【0024】一方、領域Bsで印加される3つの傾斜磁
場は、印加強度と印加時間の積Bgtl、Bgt2、Bgt3は、次
式を満たすように印加強度及び印加時間が決定される。
【数8】 式中、Gb及びTbは、任意の定数であり、第1の傾斜磁場
と第3の傾斜磁場は、強度と時間の積が等しく、第2の
傾斜磁場は強度と時間の積が第1の傾斜磁場の2倍で且
つ符号が異なる。また、それぞれの傾斜磁場の時間及び
強度は、式(9)を満足するように設定される。
【0025】この際、2系列A、Bにおける関係は、傾
斜磁場30、30’の時間及び強度が下式(10)の少
なくとも1式を満たすようにする。
【数9】 このような3つの傾斜磁場を印加したとき、傾斜磁場強
度と印加時間との積が式(7)を満たすことから、図6
に示す傾斜磁場印加パターンを印加したときについて説
明したのと同様に、静止部及び定速度vのスピンは、式
(5)或いは式(6)により位相回転は0(ゼロ)とな
る。
【0026】これに対し、加速度を持つスピンは、その
速度をva(t)とすると、領域Asの傾斜磁場による
位相回転は、
【数10】 となる。また領域Bsの傾斜磁場による位相回転は、
【数11】 となる。つまり、2系列のシーケンスで得られる2つの
信号は、静止部、定速度部は同一の信号強度となるが、
加速度成分の部分では、加速度の値によって信号が強い
部分と弱い部分とができ、しかも領域Asと領域Bsと
では異なる位相回転を受けているため異なる信号強度の
信号が得られる。
【0027】次にこのような2系列のシーケンスで得ら
れた信号に基づき、加速度成分を画像化する手法につい
て説明する。
【0028】まず2系列のシーケンスの繰り返しによっ
てそれぞれ得られた信号に基づき各々画像Ia、Ibを
作成する。図2(a)及び(b)はそれぞれこのような
画像Ia、Ibを模式的に示したものであるが、定速度
の部分では同じ信号強度が得られ、加速度成分を持つ部
分では加速度の値に応じて種々の位相回転を受けている
ので信号強度の分布が異なり、且つ画像Ia、Ibとで
は信号強度が異なることを示している。尚、静止部の信
号はTOFの原理より消失する。
【0029】次にこれら画像Ia、Ibを画像処理し
て、加速度部分のみの合成画像Ic(同図(c))を作
成する。この場合、上述したように画像Ia、Ibの各
画素値は、定速度部分では一様であるのに対し、加速度
のある部分では場所によって異なる。従って、式(1
3)に示すように画像Ia、Ibの差分を求めることに
より、定速度の部分は消去され、加速度のある部分のみ
の合成画像Icを作成することができる。尚、式(1
3)中、p及びqは任意の定数を表し、定速度部分を消
去するために導入される。この場合、式(14)に示す
ように差分の絶対値を求めてもよい。式(14)中、
[x]はxの絶対値であることを表す。
【数12】
【0030】更に式(15)に示すように画像Ia、I
bの商を求めて、合成画像Icを作成してもよく、この
場合にも加速度成分のみの画像を得ることができる。
【数13】 (式中、rは任意の定数を表す。[x]はxの絶対値で
あることを表す。)
【0031】このようにして得られた合成画像Icはそ
のままディスプレィ18に表示してもよいが、さらに原
画像Ia、Ibと合成して表示することもできる。原画
像と合成する場合には、2つの画像Ia、Ibのいずれ
か一方と算術和を求める。必要に応じ、式(16)左辺
の各項に定数を掛けてもよい。
【数14】
【0032】画像Idは、図2(d)に示すように定速
度の流れと加速度成分を持つ乱流部分とを含み、血流に
おける乱流部分の位置が明確にわかる。更にIa(I
b)の色を黒、白のグレイレベルとして、Icに色を付
ける等、色分けて表示しても良い(同図(d’))。こ
れにより、全体の定速度の流れと同時に加速度成分を持
つ乱流部分を明確に区別して表示できる。
【0033】以上説明した実施例では、定速度成分のス
ピンの位相を揃える3つの傾斜磁場の組合せ30、3
0’をスライス方向にのみ印加するパルスシーケンスを
示したが、このような3つの傾斜磁場はスライス方向の
みならず位相方向、周波数方向にも印加することができ
る。
【0034】図3は3つの傾斜磁場の組合せをスライス
方向と周波数方向にそれぞれ印加したパルスシーケンス
を示すもので、図1の実施例と同様に2系列のシーケン
スから成る。これら2系列のシーケンスにおけるスライ
ス方向傾斜磁場30、30’の印加条件は図1の実施例
で説明したのと同様であるが、周波数方向でも2系列の
シーケンスにおいてそれぞれ領域Af、Bfで印加され
る傾斜磁場31、31’は、それぞれ定速度のスピンの
位相が揃い、加速度を持つスピンの受ける位相回転が領
域Af、Bfとで異なるように印加される。
【0035】即ち、領域Afで印加される3つの傾斜磁
場31の強度及び時間をgafl、gaf2、gaf3、tafl、taf
2、taf3、領域Bfで印加される3つの傾斜磁場31’
の強度及び時間をgbfl、gbf2、gbf3、tbfl、tbf2、tbf3
としたとき、これらは
【数15】 を全て満たし、且つ次式(18)の少なくとも一式が成
立するようにする。
【数16】
【0036】このような2系列のシーケンスから成るパ
ルスシーケンスを実行して得られた信号は、上述の実施
例と同様に信号処理系において信号処理、画像再構成す
ることにより、2つの画像を作成し、さらにこれら2つ
の画像を合成することにより、加速度成分のみの画像或
いは加速度成分を色分け表示された血流画像を得ること
ができる。
【0037】このように1方向のみならず2方向或いは
3方向について3つの傾斜磁場の組合せを印加するシー
ケンスを採用した場合には、それぞれの方向について速
度成分を持つスピン及び加速度成分を持つスピンを画像
化することができる。従って3つの傾斜磁場の組合せを
印加する方向は、関心領域の血流の方向に応じて適宜組
合せて決定することができる。
【0038】次の本発明をPC法のパルスシーケンスに
適用した実施例を説明する。図4はこのような実施例を
示す図で、2系列のシーケンスAp、Bpから成り、2
系列のシーケンスのそれぞれは、図7に示したような通
常のPC法のシーケンスを構成する。即ち、高周波磁場
28とスライス方向傾斜磁場25の印加に続いて、正負
極性の異なる2つの傾斜磁場で構成されるフローエンコ
ードパルス40、40’を印加する。図では省略されて
いるが、点線で示すパルス40、40’全体の極性を反
転したフローエンコードパルス41、41’を印加する
シーケンスが繰り返される。位相エンコードのための位
相方向傾斜磁場26及び信号読みだしのための周波数方
向傾斜磁場27を印加する点も通常のPC法と同じであ
る。またフローエンコードパルスはスライス方向、位相
方向、周波数方向のどの軸に印加しても、複数軸に印加
しても構わない。
【0039】但し、このパルスシーケンスでは2系列の
シーケンスで、互にフローエンコードパルス40(4
1)、40’(41’)の強度が異なっている。このよ
うな条件で、2系列のそれぞれについて、フローエンコ
ードパルスの極性の異なる1対のシーケンスを所定数繰
り返して信号を計測し、これらの信号の位相差を求める
ことにより画像を得る。第1の系列で得られた画像をI
a、第2の系列で得られた画像Ibとすると、これら画
像において加速度成分は、速度によって信号強度が異な
り、また画像Ia,Ibとでは強度分布が異なるものと
なる。従って、TOF法で説明した場合と同様に、これ
ら画像Ia,Ibの差分或いは商を求めることにより、
加速度を持つスピンについての合成画像Icを作成する
ことができる。合成画像Icから更に合成画像Id等を
形成手法は、既に説明したものと同様でよい。
【0040】以上、本発明をTOF法、PC法に適用し
た実施例について説明したが、本発明は他の流れに感度
を持つパルスシーケンスにも適応することができ同様の
効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、加速度を持つ成分につ
いて信号強度が異なるような2系列のシーケンスを導入
し、これら2系列のシーケンスで得られた信号を処理す
ることにより、乱流、狭窄等の血流の定速度ではない部
位を計測、表示ができるため、臨床上重要な画像を提供
できる効果がある。
【0042】そのうえ、乱流、狭窄等の血流の定速度で
はない部位と定速度の部位と明確に区別して表示できる
ため、臨床上病辺部位を見つけやすい画像を提供できる
効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をTOF法のパルスシーケンスに適用し
た一実施例を示すタイムチャート図。
【図2】本発明のMRI装置における画像合成、表示の
一実施例を示す図。
【図3】本発明をTOF法のパルスシーケンスに適用し
た他の実施例を示すタイムチャート図。
【図4】本発明をPC法のパルスシーケンスに適用した
一実施例を示すタイムチャート図。
【図5】本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示
すブロック図。
【図6】定速度の信号を得るための傾斜磁場印加パター
ンとスピンの位相変化を示す図。
【図7】従来のPC法における傾斜磁場印加パターンと
スピンの位相変化を示す図。
【符号の説明】
1 中央処理装置(CPU) 2 シーケンサ 21 傾斜磁場発生系 3 送信系 4 静磁場磁石(静磁場を与える手段) 5 受信系 6 信号処理系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧澤 将宏 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 磯部 正幸 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に静磁場を与える手段と、前記被
    検体にスライス方向傾斜磁場、周波数エンコード傾斜磁
    場及び位相エンコード傾斜磁場及び前記被検体の組織を
    構成する原子の原子核スピンに磁気共鳴を起こさせる高
    周波パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印
    加する手段と、核磁気共鳴信号を検出する手段と、検出
    された核磁気共鳴信号に基づき画像を再構成する手段と
    を備えた磁気共鳴イメージング装置において、 前記パルスシーケンスは、加速度を持つ原子核スピンか
    らの信号の信号強度が異なるような複数の系列を備え、
    前記画像再構成手段は、前記複数の系列のシーケンスで
    得られた信号に基づき複数種類の画像を再構成、合成す
    ることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 前記パルスシーケンスは、少なくとも3
    つの傾斜磁場パルスの組合せを印加する手段を含み、前
    記3つの傾斜磁場パルスは印加時間及び強度の積が、第
    1の傾斜磁場の積をTGとするとき、第2、第3の傾斜
    磁場の印加時間と強度の積がそれぞれ−2TG、TGで
    あり、且つ第1の系列と第2の系列とではTGの値が異
    なることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージ
    ング装置。
  3. 【請求項3】 前記パルスシーケンスは、強度が同一で
    極性が異なる一対の傾斜磁場から成るフローエンコード
    パルスを印加するシーケンスとこのフローエンコードパ
    ルスと極性が反転するフローエンコードパルスを印加す
    るシーケンスとを含み、且つそれらのフローエンコード
    パルスの強度あるいは時間が第1の系列と第2の系列と
    で異なることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメ
    ージング装置。
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