JPH0616785A - エポキシ樹脂硬化剤 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化剤

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JPH0616785A
JPH0616785A JP19741392A JP19741392A JPH0616785A JP H0616785 A JPH0616785 A JP H0616785A JP 19741392 A JP19741392 A JP 19741392A JP 19741392 A JP19741392 A JP 19741392A JP H0616785 A JPH0616785 A JP H0616785A
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JP
Japan
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anhydride
epoxy resin
butenyl
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butene
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JP19741392A
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Hiroshi Furukawa
寛 古川
Hiroshi Ito
浩 伊東
Takami Kimura
孝美 木村
Hiroshi Ueno
廣 上野
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なエポキシ樹脂硬化剤の提供。 【構成】 本発明によって、(A)1-アリールブテニル
無水コハク酸及び(B)メチルノルボルネンジカルボン
酸無水物を含有する、新規なエポキシ樹脂硬化剤が提供
された。成分(A)と成分(B)とは、好ましくは95:
5〜5:95の重量比で使用する。本発明の硬化剤は低粘
度で作業性が良い上、優れた耐熱性及び耐湿性を有する
エポキシ硬化物を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂硬化剤に
関し、さらに詳しくは二種の酸無水物を含有するエポキ
シ樹脂硬化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ジカルボン酸無水物をエポキシ樹脂硬化
剤として使用することは従来より公知である。そうした
酸無水物として、例えばメチルテトラヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(特公昭39-14521
号公報)、メチルノルボルナンジカルボン酸無水物(特
公昭62-47891号公報)、メチルノルボルネンジカルボン
酸無水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
ドデセニル無水コハク酸等が知られている。また、本発
明者らは先に、次の化学式
【0003】
【化2】 (ここで、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で示され
る化合物(以下、アリールブテニル無水コハク酸と言う
ことがある)を特許出願した(特願平4-80247)。
【0004】酸無水物の内、メチルノルボルネンジカル
ボン酸無水物は室温で低粘度の液体であり、作業性に優
れたエポキシ樹脂硬化剤である上、その硬化物は耐熱性
に優れることが知られている。また、アリールブテニル
無水コハク酸を用いると熱安定性及び耐湿性に優れたエ
ポキシ硬化物の得られることが、本発明者らにより見出
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらメチルノ
ルボルネンジカルボン酸無水物を用いた硬化物は、耐湿
性が不十分である。一方、アリールブテニル無水コハク
酸は室温における粘度が高く、エポキシ樹脂との混合が
困難であり、また、それによって硬化された硬化物は耐
熱性が不十分である。
【0006】本発明は、上記の欠点が解決されたエポキ
シ樹脂硬化剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)次の式
(I)
【0008】
【化3】 (ここで、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で表され
る化合物、及び(B)メチルノルボルネンジカルボン酸
無水物を含有するエポキシ樹脂硬化剤である。
【0009】初めに、成分(A)のアリールブテニル無
水コハク酸について説明する。成分(A)として使用す
る化合物は、式(I)で示されるものであればどのよう
な化合物であっても良く、例として1-フェニル-1- ブテ
ニル-3- 無水コハク酸、1-トリル-1- ブテニル-3- 無水
コハク酸、1-キシリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸、
1-(エチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸、 1
-(n-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸、
1-(i-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク
酸、 1-(n-ブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク
酸、 1-(sec-ブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸、1-(t-ブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸、 1-(トリメチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コ
ハク酸、 1-(ジメチルブチルフェニル)-1-ブテニル-3-
無水コハク酸、 1-(メチルエチルブチルフェニル)-1-ブ
テニル-3- 無水コハク酸、 1-(トリブチルフェニル)-1-
ブテニル-3- 無水コハク酸等が挙げられるが、これらに
限定されない。これらの化合物には、二重結合に関し
て、トランス体とシス体の異性体が存在するが、本発明
ではそのいずれをも使用することができる。
【0010】アリールブテニル無水コハク酸は、次の式
(II)
【0011】
【化4】 (ここで、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で表され
る化合物と、無水マレイン酸とを反応させることによっ
て製造することができる。ここで、反応は下記のように
進むものと推定される:
【0012】
【化5】 式中、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素原子
または炭素数1〜4のアルキル基である。これは一種の
エン合成であり、エン合成自体は、例えば特公昭58-519
95号公報等に記載されている。
【0013】ここで原料の一つである式(II)の化合
物、すなわち1-アリール-2- ブテン類は、例えば、ブレ
ンストッフ・ケミー(Brennstoff-Chemie),1963年,44
巻 6号,175 頁に記載されているように、ベンゼンとブ
タジエン(4/1モル比)を95%リン酸触媒存在下、60〜65
℃にて反応させる方法、また、ドクラディ・アカデミー
・ナウク・アゼルバイジャンスコイ・エスエスアール(D
okl.Akad.Nauk Azerb.SSR),1965年,21巻 2号,15頁に
記載されているように、ベンゼン、ブタジエン及び70%
硫酸(4/1/1 モル比)を55℃にて反応させる方法等によ
って、高収率にて得ることができる。
【0014】1-アリール-2- ブテン類には、二重結合に
関して、トランス体とシス体の二種類の異性体が存在す
るが、本発明においてはこのどちらを用いても良く、両
者の混合物を使用することもできる。
【0015】上記の1-アリール-2- ブテン類としては、
具体的には、1-フェニル-2- ブテン、1-トリル-2- ブテ
ン、1-キシリル-2- ブテン、1-(エチルフェニル)-2-ブ
テン、1-(n-プロピルフェニル)-2-ブテン、1-(i-プロ
ピルフェニル)-2-ブテン、1-(n-ブチルフェニル)-2-ブ
テン、1-(sec-ブチルフェニル)-2-ブテン、1-(t-ブチ
ルフェニル)-2-ブテン、1-(トリメチルフェニル)-2-ブ
テン、1-(ジメチルブチルフェニル)-2-ブテン、1-(メ
チルエチルブチルフェニル)-2-ブテン、1-(トリブチル
フェニル)-2-ブテン等が挙げられる。
【0016】これら1-アリール-2- ブテン類と無水マレ
イン酸とを反応させることによって、本発明の化合物を
容易に製造することができる。
【0017】1-アリール-2- ブテン類と無水マレイン酸
との好ましい反応条件を例示すると、両者を約 0.2〜5
倍、特に約 0.5〜2倍のモル比で仕込み、約 120〜250
℃、特に約 150〜230 ℃で約1〜24時間加熱攪拌するこ
とによって行う。本発明の反応を任意の触媒の存在下で
行っても良い。触媒としては、塩化アルミニウム、フッ
化ホウ素等のルイス酸が好ましいが、これらに限定され
ない。本発明の反応は溶媒の使用を必要としないが、溶
媒を使用するとすれば、ジフェニルブタン、α‐メチル
ナフタレン、テトラリン、デカリン等が挙げられる。
【0018】上記の反応後、好ましくは生成物を精製処
理に付す。精製は、未反応の原料を減圧蒸留等によって
除去した後、得られた粗生成物を再び減圧蒸留に付す方
法などによって行うことができる。
【0019】このような製造法によって、例えば 1- フ
ェニル-2- ブテンと無水マレイン酸とから 1- フェニル
-1- ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-トリル-2- ブテン
と無水マレイン酸とから 1- トリル-1- ブテニル-3- 無
水コハク酸が、1-キシリル-2- ブテンと無水マレイン酸
とから 1- キシリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸が、
1-(エチルフェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから
1-(エチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、
1-(n-プロピルフェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸と
から 1-(n-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸が、1-(i-プロピルフェニル)-2-ブテンと無水マレ
イン酸とから 1-(i-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3-
無水コハク酸が、1-(n-ブチルフェニル)-2-ブテンと無
水マレイン酸とから 1-(n-ブチルフェニル)-1-ブテニル
-3- 無水コハク酸が、1-(sec-ブチルフェニル)-2-ブテ
ンと無水マレイン酸とから 1-(sec-ブチルフェニル)-1-
ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(t-ブチルフェニル)-
2-ブテンと無水マレイン酸とから1-(t-ブチルフェニ
ル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(トリメチルフ
ェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから 1-(トリメチ
ルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(ジメ
チルブチルフェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから
1-(ジメチルブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸が、1-(メチルエチルブチルフェニル)-2-ブテンと
無水マレイン酸とから 1-(メチルエチルブチルフェニ
ル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(トリブチルフ
ェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから 1-(トリブチ
ルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、夫々製造
される。
【0020】これらの化合物の構造は、赤外線吸収スペ
クトル(IR)、 1H‐NMR等によって同定すること
ができる。例えば当該化合物のIRにおいては、1770〜
1780cm-1及び1850cm-1に無水カルボン酸のC=O伸縮に
起因するピ−クが観察される。また、例えば1-フェニル
-1- ブテニル-3- 無水コハク酸の 1H‐NMRにおいて
は、δ= 1.1〜1.4 ppm にメチル基のプロトンに起因す
るピーク3H分(原料の無水マレイン酸では観察されな
い)が、δ= 2.6〜3.4 ppm に一つの−CH2−に起因
するピ−ク(原料の無水マレイン酸では観察されない)
と二つの−C<に起因するピーク(原料の無水マレイ
ン酸及び1-フェニル-2- ブテンでは観察されない)の合
計4H分が、δ= 6.0〜6.5 ppm に二つの−C=に起
因するピーク2H分が、δ= 7.1〜7.5 ppm にフェニル
基のに起因するピーク5H分(原料の無水マレイン酸
では観察されない)が、夫々観察される。
【0021】次に、成分(B)について説明すると、メ
チルノルボルネンジカルボン酸無水物自体は公知であ
り、従来より公知の方法によって製造することができ
る。市販品を用いても良い。メチルノルボルネンジカル
ボン酸無水物には、メチル基の位置、ノルボルネン環に
対して酸無水物基が結合する位置等による種々の異性体
が存在するが、本発明においてはそのいずれをも使用す
ることができる。複数の異性体の混合物を用いても良
い。
【0022】本発明のエポキシ樹脂硬化剤における上記
した(A) 及び(B) の好ましい配合比は、(A) 95〜5重量
部に対して (B)5〜95重量部であり、さらに好ましくは
(A)90〜20重量部に対して(B) 10〜80重量部である。(A)
が5重量部より少ないと得られる硬化物の耐湿性が改
善されず、95重量部を超えると室温における粘度が低下
せず、エポキシ樹脂との混合が困難になる上、硬化物の
熱変形温度が低下する。
【0023】本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、成分(A)
及び(B) を混合することにより製造できる。また、成分
(A) と(B) を別々にエポキシ樹脂に加え、混合してもよ
い。
【0024】本発明のエポキシ樹脂硬化剤を使用して硬
化し得るエポキシ樹脂は、エポキシ基を分子内に2個以
上有する化合物であり、例えばビスフェノールAなどの
多価フェノールまたは1,4-ブタンジオールなどの多価ア
ルコールのポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸などのポリグリシジルエステル、アミ
ン、アミド及び複素環式窒素塩基を有する化合物のN‐
グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラックエポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラックエ
ポキシ樹脂などである。
【0025】硬化剤は、上記エポキシ樹脂のエポキシ基
1当量に対して、酸無水物基が 0.3〜1.5 モルになるよ
うに配合するのが好ましく、特に 0.7〜1.2 モルになる
ように配合するのが好ましい。
【0026】上記硬化剤とエポキシ樹脂とを適宜の手段
で混合し、好ましくは70〜200 ℃で硬化させることがで
きる。例えば80〜120 ℃で1〜10時間、続いて 120〜15
0 ℃で2〜20時間硬化されることが特に好ましい。
【0027】本発明のエポキシ樹脂硬化剤を配合したエ
ポキシ樹脂組成物をそのまま硬化することもできるが、
さらに3級アミン、3級アミン塩、第4アンモニウム
塩、イミダゾール、金属塩などの硬化促進剤を併用する
と、硬化時間を短縮することができるので好ましい。
【0028】本発明のエポキシ樹脂硬化組成物は、任意
的成分として成分(A) 及び(B) 以外の一以上の酸無水物
を含有することができる。その含有量は任意であるが、
好ましくは成分(A) 及び(B) の合計 100重量部当たり0
〜20重量部、特に0〜15重量部である。また、上記の成
分の他に、慣用の添加剤、例えばアスファルト、石英
粉、雲母、ガラス繊維、繊維素、タルク、粘土、カオリ
ン、ベントナイト、炭酸カルシウム、水和アルミナもし
くはアルミニウムのような金属粉などの充填剤、染料も
しくは顔料、成形潤滑剤、難燃剤(三酸化アンチモン、
赤燐等)、有機溶剤(例えばキシレン、トルエン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等を含有
することができる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂硬化組成物は、耐熱
性の注型もしくは成形用または塗料、積層もしくは含浸
用ワニスなどの材料として使用することができる。
【0030】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0031】
【実施例】実施例において、「部」は重量部を表す。
【0032】
【参考実施例1】500ml のガラス製オートクレーブに、
250mlの65重量%硫酸水溶液(小宗化学製)を入れ、そ
こへベンゼン(東京化成製)/ブタジエン(東燃化学
製)のモル比10/1の混合物を定量ポンプにて 250ml/
時間で送入し、攪拌し、かつ内部温度を70℃に保ちなが
ら、油層のみを 250ml/時間で抜き出した。10時間分の
反応液を集め、 2.5リットルの15%苛性ソーダ溶液で洗
浄し、さらに 2.5リットルの水で洗浄した。
【0033】反応生成物を常圧蒸留に付して軽質分の未
反応生成物を留去し、さらに減圧蒸留にて、252gの1-フ
ェニル-2- ブテンを得た。
【0034】還流冷却器、温度計、攪拌機を備えた 500
mlの四ッ口フラスコ中に、上記で得られた 1- フェニル
-2- ブテン 132.2g 、及び 98.1gの無水マレイン酸を入
れ、180℃で2時間、さらに 200℃で3時間攪拌して反
応させた。次に、3mmHgの圧力下で、釜温が 170℃に
なるまで単蒸留を行い、未反応の1-フェニル-2- ブテン
及び無水マレイン酸を除去すると、184.0gの粗生成物が
得られた。このものを2mmHgの圧力下で蒸留し、 182
〜187 ℃の留分126.0gを得た。該留分は室温で液体であ
った。この液体の粘度を25℃で測定したところ、98ポイ
ズであった。該留分について、赤外(IR)吸収スペク
トル、 1H‐NMRスペクトル、中和価及び質量分析を
測定した。また、元素分析を行った。その結果を表1及
び表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 以上より、この蒸留留分は、1-フェニル-1- ブテニル-3
- 無水コハク酸であると同定された。
【0037】
【参考実施例2】ベンゼンの代わりにトルエン(東京化
成製)を用いた以外は、参考実施例1と同じ反応条件で
同じ操作を行い、258gの1-トリル-2- ブテンを得た。
【0038】上記で得られた1-トリル-2- ブテン146.2g
と無水マレイン酸98.1g を用いた以外は参考実施例1と
同じ操作をさらに行ったところ、粗生成物173.5gが得ら
れた。このものを2mmHgの圧力下で蒸留し、 186〜19
1 ℃の留分124.9gを得た。該留分は室温で液体であっ
た。この液体の粘度を25℃で測定したところ、74ポイズ
であった。該留分について、IRスペクトル、 1H‐N
MRスペクトル、元素分析、中和価及び質量分析を行っ
た結果、1-トリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸である
と同定された。
【0039】
【実施例1】参考実施例1で得られた最終生成物1-フェ
ニル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸70部と、メチルノル
ボルネンジカルボン酸無水物(商標:カヤハード MCD、
日本化薬株式会社製; endo-1-メチルノルボルネン-2,3
- ジカルボン酸無水物47.0%、 endo-5-メチルノルボル
ネン-2,3- ジカルボン酸無水物17.0%、exo-5-メチルノ
ルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物21.0%、 endo-ノ
ルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物11.3%、exo-ノル
ボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物 3.7%より成る)30
部とを室温で混合して均一にすることにより、エポキシ
樹脂硬化剤を製造した。
【0040】この硬化剤の粘度を、B型回転粘度計〔東
京計器株式会社製のDVM‐B(商標)〕を使用し、25
℃で測定した。その結果を表3に示す(表3において、
PBSAは1-フェニル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸
を、MeNAはメチルノルボルネンジカルボン酸無水物
を示す)。
【0041】次に、エポキシ樹脂(商品名;エピコート
828、油化シェル株式会社製) 100部、上記で得たエポ
キシ樹脂硬化剤 111部及び硬化促進剤として2-エチル-4
- メチルイミダゾール(2E4MZ と略す、四国化成株式会
社製) 0.5部を、室温にて配合した。この配合物を 100
℃にて2時間、引き続いて 150℃にて5時間硬化反応さ
せて、硬化物を得た。
【0042】この硬化物について、JIS K6911に準拠
して、熱変形温度を測定した。また、耐湿性について調
べるため、 122℃、24時間のプレッシャー・クッカー・
テスト(PCT)後の重量増加率(単位:重量%)を測
定した。それらの結果を表3に示す。
【0043】
【実施例2〜5及び比較例1〜3】参考実施例1及び2
で得られたアリールブテニル無水コハク酸及びメチルノ
ルボルネンジカルボン酸無水物を用い、硬化剤の組成及
び使用量を表3(表中、TBSAは1-トリル-1- ブテニ
ル-3- 無水コハク酸を示す)のようにした以外は実施例
1と同じ操作を行って、得られた硬化物について熱変形
温度、曲げ強度及び重量増加率を測定した。それらの結
果を表3に示す。
【0044】
【表3】 表3より、本発明の硬化剤は、成分(A)または(B)
の一方のみから成る硬化剤に比べ、低粘度で作業性が良
い上、優れた耐熱性及び耐湿性を有するエポキシ硬化物
を与えることが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 廣 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)次の式(I) 【化1】 (ここで、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素
    原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で表され
    る化合物、及び(B)メチルノルボルネンジカルボン酸
    無水物を含有するエポキシ樹脂硬化剤。
  2. 【請求項2】 (A)及び(B)を95:5〜5:95の重
    量比で含有する、請求項1記載のエポキシ樹脂硬化剤。
JP19741392A 1992-07-02 1992-07-02 エポキシ樹脂硬化剤 Pending JPH0616785A (ja)

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