JPH0616786A - エポキシ樹脂硬化剤 - Google Patents
エポキシ樹脂硬化剤Info
- Publication number
- JPH0616786A JPH0616786A JP19741492A JP19741492A JPH0616786A JP H0616786 A JPH0616786 A JP H0616786A JP 19741492 A JP19741492 A JP 19741492A JP 19741492 A JP19741492 A JP 19741492A JP H0616786 A JPH0616786 A JP H0616786A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- anhydride
- butenyl
- curing agent
- epoxy resin
- butene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 新規なエポキシ樹脂硬化剤の提供。
【構成】 本発明によって、(A)1-アリールブテニル
無水コハク酸及び(B)メチルノルボルナンジカルボン
酸無水物を含有する、新規なエポキシ樹脂硬化剤が提供
された。成分(A)と成分(B)とは、好ましくは95:
5〜5:95の重量比で使用する。本発明の硬化剤は低粘
度で作業性が良く、かつ吸湿しにくいので貯蔵安定性に
優れる上、優れた耐熱性を有するエポキシ硬化物を与え
る。
無水コハク酸及び(B)メチルノルボルナンジカルボン
酸無水物を含有する、新規なエポキシ樹脂硬化剤が提供
された。成分(A)と成分(B)とは、好ましくは95:
5〜5:95の重量比で使用する。本発明の硬化剤は低粘
度で作業性が良く、かつ吸湿しにくいので貯蔵安定性に
優れる上、優れた耐熱性を有するエポキシ硬化物を与え
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂硬化剤に
関し、さらに詳しくは二種の酸無水物を含有するエポキ
シ樹脂硬化剤に関する。
関し、さらに詳しくは二種の酸無水物を含有するエポキ
シ樹脂硬化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ジカルボン酸無水物をエポキシ樹脂硬化
剤として使用することは従来より公知である。そうした
酸無水物として、例えばメチルテトラヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(特公昭39-14521
号公報)、メチルノルボルナンジカルボン酸無水物(特
公昭62-47891号公報)、メチルノルボルネンジカルボン
酸無水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
ドデセニル無水コハク酸等が知られている。また、本発
明者らは先に、次の化学式
剤として使用することは従来より公知である。そうした
酸無水物として、例えばメチルテトラヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(特公昭39-14521
号公報)、メチルノルボルナンジカルボン酸無水物(特
公昭62-47891号公報)、メチルノルボルネンジカルボン
酸無水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
ドデセニル無水コハク酸等が知られている。また、本発
明者らは先に、次の化学式
【0003】
【化2】 (ここで、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で示され
る化合物(以下、アリールブテニル無水コハク酸と言う
ことがある)を特許出願した(特願平4-80247)。
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で示され
る化合物(以下、アリールブテニル無水コハク酸と言う
ことがある)を特許出願した(特願平4-80247)。
【0004】酸無水物の内、メチルノルボルナンジカル
ボン酸無水物による硬化物は耐熱性及び耐候性に優れる
ことが知られている。また、アリールブテニル無水コハ
ク酸を用いると熱安定性及び耐湿性に優れたエポキシ硬
化物の得られることが、本発明者らにより見出されてい
る。
ボン酸無水物による硬化物は耐熱性及び耐候性に優れる
ことが知られている。また、アリールブテニル無水コハ
ク酸を用いると熱安定性及び耐湿性に優れたエポキシ硬
化物の得られることが、本発明者らにより見出されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらメチルノ
ルボルナンジカルボン酸無水物は吸湿性が大きく、その
ため、貯蔵及び取扱い時に吸湿しないよう細心の注意が
必要である。一方、アリールブテニル無水コハク酸は室
温における粘度が高く、エポキシ樹脂との混合が困難で
あり、また、それによって硬化された硬化物は耐熱性が
不十分である。
ルボルナンジカルボン酸無水物は吸湿性が大きく、その
ため、貯蔵及び取扱い時に吸湿しないよう細心の注意が
必要である。一方、アリールブテニル無水コハク酸は室
温における粘度が高く、エポキシ樹脂との混合が困難で
あり、また、それによって硬化された硬化物は耐熱性が
不十分である。
【0006】本発明は、上記の欠点が解決されたエポキ
シ樹脂硬化剤を提供することを目的とする。
シ樹脂硬化剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)次の式
(I)
(I)
【0008】
【化3】 (ここで、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で表され
る化合物、及び(B)メチルノルボルナンジカルボン酸
無水物を含有するエポキシ樹脂硬化剤である。
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で表され
る化合物、及び(B)メチルノルボルナンジカルボン酸
無水物を含有するエポキシ樹脂硬化剤である。
【0009】初めに、成分(A)のアリールブテニル無
水コハク酸について説明する。成分(A)として使用す
る化合物は、式(I)で示されるものであればどのよう
な化合物であっても良く、例として1-フェニル-1- ブテ
ニル-3- 無水コハク酸、1-トリル-1- ブテニル-3- 無水
コハク酸、1-キシリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸、
1-(エチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸、 1
-(n-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸、
1-(i-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク
酸、 1-(n-ブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク
酸、 1-(sec-ブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸、1-(t-ブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸、 1-(トリメチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コ
ハク酸、 1-(ジメチルブチルフェニル)-1-ブテニル-3-
無水コハク酸、 1-(メチルエチルブチルフェニル)-1-ブ
テニル-3- 無水コハク酸、 1-(トリブチルフェニル)-1-
ブテニル-3- 無水コハク酸等が挙げられるが、これらに
限定されない。これらの化合物には、二重結合に関し
て、トランス体とシス体の異性体が存在するが、本発明
ではそのいずれをも使用することができる。
水コハク酸について説明する。成分(A)として使用す
る化合物は、式(I)で示されるものであればどのよう
な化合物であっても良く、例として1-フェニル-1- ブテ
ニル-3- 無水コハク酸、1-トリル-1- ブテニル-3- 無水
コハク酸、1-キシリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸、
1-(エチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸、 1
-(n-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸、
1-(i-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク
酸、 1-(n-ブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク
酸、 1-(sec-ブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸、1-(t-ブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸、 1-(トリメチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コ
ハク酸、 1-(ジメチルブチルフェニル)-1-ブテニル-3-
無水コハク酸、 1-(メチルエチルブチルフェニル)-1-ブ
テニル-3- 無水コハク酸、 1-(トリブチルフェニル)-1-
ブテニル-3- 無水コハク酸等が挙げられるが、これらに
限定されない。これらの化合物には、二重結合に関し
て、トランス体とシス体の異性体が存在するが、本発明
ではそのいずれをも使用することができる。
【0010】アリールブテニル無水コハク酸は、次の式
(II)
(II)
【0011】
【化4】 (ここで、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で表され
る化合物と、無水マレイン酸とを反応させることによっ
て製造することができる。ここで、反応は下記のように
進むものと推定される:
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で表され
る化合物と、無水マレイン酸とを反応させることによっ
て製造することができる。ここで、反応は下記のように
進むものと推定される:
【0012】
【化5】 式中、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素原子
または炭素数1〜4のアルキル基である。これは一種の
エン合成であり、エン合成自体は、例えば特公昭58-519
95号公報等に記載されている。
または炭素数1〜4のアルキル基である。これは一種の
エン合成であり、エン合成自体は、例えば特公昭58-519
95号公報等に記載されている。
【0013】ここで原料の一つである式(II)の化合
物、すなわち1-アリール-2- ブテン類は、例えば、ブレ
ンストッフ・ケミー(Brennstoff-Chemie),1963年,44
巻 6号,175 頁に記載されているように、ベンゼンとブ
タジエン(4/1モル比)を95%リン酸触媒存在下、60〜65
℃にて反応させる方法、また、ドクラディ・アカデミー
・ナウク・アゼルバイジャンスコイ・エスエスアール(D
okl.Akad.Nauk Azerb.SSR),1965年,21巻 2号,15頁に
記載されているように、ベンゼン、ブタジエン及び70%
硫酸(4/1/1 モル比)を55℃にて反応させる方法等によ
って、高収率にて得ることができる。
物、すなわち1-アリール-2- ブテン類は、例えば、ブレ
ンストッフ・ケミー(Brennstoff-Chemie),1963年,44
巻 6号,175 頁に記載されているように、ベンゼンとブ
タジエン(4/1モル比)を95%リン酸触媒存在下、60〜65
℃にて反応させる方法、また、ドクラディ・アカデミー
・ナウク・アゼルバイジャンスコイ・エスエスアール(D
okl.Akad.Nauk Azerb.SSR),1965年,21巻 2号,15頁に
記載されているように、ベンゼン、ブタジエン及び70%
硫酸(4/1/1 モル比)を55℃にて反応させる方法等によ
って、高収率にて得ることができる。
【0014】1-アリール-2- ブテン類には、二重結合に
関して、トランス体とシス体の二種類の異性体が存在す
るが、本発明においてはこのどちらを用いても良く、両
者の混合物を使用することもできる。
関して、トランス体とシス体の二種類の異性体が存在す
るが、本発明においてはこのどちらを用いても良く、両
者の混合物を使用することもできる。
【0015】上記の1-アリール-2- ブテン類としては、
具体的には、1-フェニル-2- ブテン、1-トリル-2- ブテ
ン、1-キシリル-2- ブテン、1-(エチルフェニル)-2-ブ
テン、1-(n-プロピルフェニル)-2-ブテン、1-(i-プロ
ピルフェニル)-2-ブテン、1-(n-ブチルフェニル)-2-ブ
テン、1-(sec-ブチルフェニル)-2-ブテン、1-(t-ブチ
ルフェニル)-2-ブテン、1-(トリメチルフェニル)-2-ブ
テン、1-(ジメチルブチルフェニル)-2-ブテン、1-(メ
チルエチルブチルフェニル)-2-ブテン、1-(トリブチル
フェニル)-2-ブテン等が挙げられる。
具体的には、1-フェニル-2- ブテン、1-トリル-2- ブテ
ン、1-キシリル-2- ブテン、1-(エチルフェニル)-2-ブ
テン、1-(n-プロピルフェニル)-2-ブテン、1-(i-プロ
ピルフェニル)-2-ブテン、1-(n-ブチルフェニル)-2-ブ
テン、1-(sec-ブチルフェニル)-2-ブテン、1-(t-ブチ
ルフェニル)-2-ブテン、1-(トリメチルフェニル)-2-ブ
テン、1-(ジメチルブチルフェニル)-2-ブテン、1-(メ
チルエチルブチルフェニル)-2-ブテン、1-(トリブチル
フェニル)-2-ブテン等が挙げられる。
【0016】これら1-アリール-2- ブテン類と無水マレ
イン酸とを反応させることによって、本発明の化合物を
容易に製造することができる。
イン酸とを反応させることによって、本発明の化合物を
容易に製造することができる。
【0017】1-アリール-2- ブテン類と無水マレイン酸
との好ましい反応条件を例示すると、両者を約 0.2〜5
倍、特に約 0.5〜2倍のモル比で仕込み、約 120〜250
℃、特に約 150〜230 ℃で約1〜24時間加熱攪拌するこ
とによって行う。本発明の反応を任意の触媒の存在下で
行っても良い。触媒としては、塩化アルミニウム、フッ
化ホウ素等のルイス酸が好ましいが、これらに限定され
ない。本発明の反応は溶媒の使用を必要としないが、溶
媒を使用するとすれば、ジフェニルブタン、α‐メチル
ナフタレン、テトラリン、デカリン等が挙げられる。
との好ましい反応条件を例示すると、両者を約 0.2〜5
倍、特に約 0.5〜2倍のモル比で仕込み、約 120〜250
℃、特に約 150〜230 ℃で約1〜24時間加熱攪拌するこ
とによって行う。本発明の反応を任意の触媒の存在下で
行っても良い。触媒としては、塩化アルミニウム、フッ
化ホウ素等のルイス酸が好ましいが、これらに限定され
ない。本発明の反応は溶媒の使用を必要としないが、溶
媒を使用するとすれば、ジフェニルブタン、α‐メチル
ナフタレン、テトラリン、デカリン等が挙げられる。
【0018】上記の反応後、好ましくは生成物を精製処
理に付す。精製は、未反応の原料を減圧蒸留等によって
除去した後、得られた粗生成物を再び減圧蒸留に付す方
法などによって行うことができる。
理に付す。精製は、未反応の原料を減圧蒸留等によって
除去した後、得られた粗生成物を再び減圧蒸留に付す方
法などによって行うことができる。
【0019】このような製造法によって、例えば 1- フ
ェニル-2- ブテンと無水マレイン酸とから 1- フェニル
-1- ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-トリル-2- ブテン
と無水マレイン酸とから 1- トリル-1- ブテニル-3- 無
水コハク酸が、1-キシリル-2- ブテンと無水マレイン酸
とから 1- キシリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸が、
1-(エチルフェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから
1-(エチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、
1-(n-プロピルフェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸と
から 1-(n-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸が、1-(i-プロピルフェニル)-2-ブテンと無水マレ
イン酸とから 1-(i-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3-
無水コハク酸が、1-(n-ブチルフェニル)-2-ブテンと無
水マレイン酸とから 1-(n-ブチルフェニル)-1-ブテニル
-3- 無水コハク酸が、1-(sec-ブチルフェニル)-2-ブテ
ンと無水マレイン酸とから 1-(sec-ブチルフェニル)-1-
ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(t-ブチルフェニル)-
2-ブテンと無水マレイン酸とから1-(t-ブチルフェニ
ル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(トリメチルフ
ェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから 1-(トリメチ
ルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(ジメ
チルブチルフェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから
1-(ジメチルブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸が、1-(メチルエチルブチルフェニル)-2-ブテンと
無水マレイン酸とから 1-(メチルエチルブチルフェニ
ル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(トリブチルフ
ェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから 1-(トリブチ
ルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、夫々製造
される。
ェニル-2- ブテンと無水マレイン酸とから 1- フェニル
-1- ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-トリル-2- ブテン
と無水マレイン酸とから 1- トリル-1- ブテニル-3- 無
水コハク酸が、1-キシリル-2- ブテンと無水マレイン酸
とから 1- キシリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸が、
1-(エチルフェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから
1-(エチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、
1-(n-プロピルフェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸と
から 1-(n-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸が、1-(i-プロピルフェニル)-2-ブテンと無水マレ
イン酸とから 1-(i-プロピルフェニル)-1-ブテニル-3-
無水コハク酸が、1-(n-ブチルフェニル)-2-ブテンと無
水マレイン酸とから 1-(n-ブチルフェニル)-1-ブテニル
-3- 無水コハク酸が、1-(sec-ブチルフェニル)-2-ブテ
ンと無水マレイン酸とから 1-(sec-ブチルフェニル)-1-
ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(t-ブチルフェニル)-
2-ブテンと無水マレイン酸とから1-(t-ブチルフェニ
ル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(トリメチルフ
ェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから 1-(トリメチ
ルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(ジメ
チルブチルフェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから
1-(ジメチルブチルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハ
ク酸が、1-(メチルエチルブチルフェニル)-2-ブテンと
無水マレイン酸とから 1-(メチルエチルブチルフェニ
ル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、1-(トリブチルフ
ェニル)-2-ブテンと無水マレイン酸とから 1-(トリブチ
ルフェニル)-1-ブテニル-3- 無水コハク酸が、夫々製造
される。
【0020】これらの化合物の構造は、赤外線吸収スペ
クトル(IR)、 1H‐NMR等によって同定すること
ができる。例えば当該化合物のIRにおいては、1770〜
1780cm-1及び1850cm-1に無水カルボン酸のC=O伸縮に
起因するピ−クが観察される。また、例えば1-フェニル
-1- ブテニル-3- 無水コハク酸の 1H‐NMRにおいて
は、δ= 1.1〜1.4 ppm にメチル基のプロトンに起因す
るピーク3H分(原料の無水マレイン酸では観察されな
い)が、δ= 2.6〜3.4 ppm に一つの−CH2−に起因
するピ−ク(原料の無水マレイン酸では観察されない)
と二つの−CH<に起因するピーク(原料の無水マレイ
ン酸及び1-フェニル-2- ブテンでは観察されない)の合
計4H分が、δ= 6.0〜6.5 ppm に二つの−CH=に起
因するピーク2H分が、δ= 7.1〜7.5 ppm にフェニル
基のHに起因するピーク5H分(原料の無水マレイン酸
では観察されない)が、夫々観察される。
クトル(IR)、 1H‐NMR等によって同定すること
ができる。例えば当該化合物のIRにおいては、1770〜
1780cm-1及び1850cm-1に無水カルボン酸のC=O伸縮に
起因するピ−クが観察される。また、例えば1-フェニル
-1- ブテニル-3- 無水コハク酸の 1H‐NMRにおいて
は、δ= 1.1〜1.4 ppm にメチル基のプロトンに起因す
るピーク3H分(原料の無水マレイン酸では観察されな
い)が、δ= 2.6〜3.4 ppm に一つの−CH2−に起因
するピ−ク(原料の無水マレイン酸では観察されない)
と二つの−CH<に起因するピーク(原料の無水マレイ
ン酸及び1-フェニル-2- ブテンでは観察されない)の合
計4H分が、δ= 6.0〜6.5 ppm に二つの−CH=に起
因するピーク2H分が、δ= 7.1〜7.5 ppm にフェニル
基のHに起因するピーク5H分(原料の無水マレイン酸
では観察されない)が、夫々観察される。
【0021】次に、成分(B)メチルノルボルナンジカ
ルボン酸無水物自体は公知である。メチル基が置換する
位置によって1-メチル体及び5-メチル体等の構造異性体
が存在し、さらに、その夫々に、endo体と exo体の立体
異性体が存在する。本発明においては、いずれの異性体
をも使用することができる。複数の異性体の混合物を使
用することも可能である。メチルノルボルナンジカルボ
ン酸無水物は、対応するメチルノルボルネンジカルボン
酸無水物の水素化によって製造することができる。水素
化反応は例えばパラジウム触媒等の存在下、3〜300 kg
/cm2 Gの水素圧及び40〜200 ℃の反応温度にて行うこ
とができる。
ルボン酸無水物自体は公知である。メチル基が置換する
位置によって1-メチル体及び5-メチル体等の構造異性体
が存在し、さらに、その夫々に、endo体と exo体の立体
異性体が存在する。本発明においては、いずれの異性体
をも使用することができる。複数の異性体の混合物を使
用することも可能である。メチルノルボルナンジカルボ
ン酸無水物は、対応するメチルノルボルネンジカルボン
酸無水物の水素化によって製造することができる。水素
化反応は例えばパラジウム触媒等の存在下、3〜300 kg
/cm2 Gの水素圧及び40〜200 ℃の反応温度にて行うこ
とができる。
【0022】本発明のエポキシ樹脂硬化剤における上記
した(A) 及び(B) の好ましい配合比は、(A) 95〜5重量
部に対して (B)5〜95重量部であり、さらに好ましくは
(A)90〜20重量部に対して(B) 10〜80重量部、特に(A) 7
5〜25重量部に対して(B) 25〜75重量部である。(A) が
5重量部より少ないと吸湿性が改善されず、95重量部を
超えると吸湿性を低下させることはできるものの、室温
における粘度が低下せず、エポキシ樹脂との混合が困難
になる上、硬化物の耐熱性が低下する。
した(A) 及び(B) の好ましい配合比は、(A) 95〜5重量
部に対して (B)5〜95重量部であり、さらに好ましくは
(A)90〜20重量部に対して(B) 10〜80重量部、特に(A) 7
5〜25重量部に対して(B) 25〜75重量部である。(A) が
5重量部より少ないと吸湿性が改善されず、95重量部を
超えると吸湿性を低下させることはできるものの、室温
における粘度が低下せず、エポキシ樹脂との混合が困難
になる上、硬化物の耐熱性が低下する。
【0023】本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、成分(A)
及び(B) を混合することにより製造できる。また、成分
(A) と(B) を別々にエポキシ樹脂に加え、混合してもよ
い。
及び(B) を混合することにより製造できる。また、成分
(A) と(B) を別々にエポキシ樹脂に加え、混合してもよ
い。
【0024】本発明のエポキシ樹脂硬化剤を使用して硬
化し得るエポキシ樹脂は、エポキシ基を分子内に2個以
上有する化合物であり、例えばビスフェノールAなどの
多価フェノールまたは1,4-ブタンジオールなどの多価ア
ルコールのポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸などのポリグリシジルエステル、アミ
ン、アミド及び複素環式窒素塩基を有する化合物のN‐
グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラックエポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラックエ
ポキシ樹脂などである。
化し得るエポキシ樹脂は、エポキシ基を分子内に2個以
上有する化合物であり、例えばビスフェノールAなどの
多価フェノールまたは1,4-ブタンジオールなどの多価ア
ルコールのポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸などのポリグリシジルエステル、アミ
ン、アミド及び複素環式窒素塩基を有する化合物のN‐
グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラックエポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラックエ
ポキシ樹脂などである。
【0025】硬化剤は、上記エポキシ樹脂のエポキシ基
1当量に対して、酸無水物基が 0.3〜1.5 モルになるよ
うに配合するのが好ましく、特に 0.7〜1.2 モルになる
ように配合するのが好ましい。
1当量に対して、酸無水物基が 0.3〜1.5 モルになるよ
うに配合するのが好ましく、特に 0.7〜1.2 モルになる
ように配合するのが好ましい。
【0026】上記硬化剤とエポキシ樹脂とを適宜の手段
で混合し、好ましくは70〜200 ℃で硬化させることがで
きる。例えば80〜120 ℃で1〜10時間、続いて 120〜18
0 ℃で2〜20時間硬化されることが特に好ましい。
で混合し、好ましくは70〜200 ℃で硬化させることがで
きる。例えば80〜120 ℃で1〜10時間、続いて 120〜18
0 ℃で2〜20時間硬化されることが特に好ましい。
【0027】本発明のエポキシ樹脂硬化剤を配合したエ
ポキシ樹脂組成物をそのまま硬化することもできるが、
さらに3級アミン、3級アミン塩、第4アンモニウム
塩、イミダゾール、金属塩などの硬化促進剤を併用する
と、硬化時間を短縮することができるので好ましい。
ポキシ樹脂組成物をそのまま硬化することもできるが、
さらに3級アミン、3級アミン塩、第4アンモニウム
塩、イミダゾール、金属塩などの硬化促進剤を併用する
と、硬化時間を短縮することができるので好ましい。
【0028】本発明のエポキシ樹脂硬化組成物は、任意
的成分として成分(A) 及び(B) 以外の一以上の酸無水物
を含有することができる。その含有量は任意であるが、
好ましくは成分(A) 及び(B) の合計 100重量部当たり0
〜30重量部、特に0〜20重量部である。また、上記の成
分の他に、慣用の添加剤、例えばアスファルト、石英
粉、雲母、ガラス繊維、繊維素、タルク、粘土、カオリ
ン、ベントナイト、炭酸カルシウム、水和アルミナもし
くはアルミニウムのような金属粉などの充填剤、染料も
しくは顔料、成形潤滑剤、難燃剤(三酸化アンチモン、
赤燐等)、有機溶剤(例えばキシレン、トルエン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等を含有
することができる。
的成分として成分(A) 及び(B) 以外の一以上の酸無水物
を含有することができる。その含有量は任意であるが、
好ましくは成分(A) 及び(B) の合計 100重量部当たり0
〜30重量部、特に0〜20重量部である。また、上記の成
分の他に、慣用の添加剤、例えばアスファルト、石英
粉、雲母、ガラス繊維、繊維素、タルク、粘土、カオリ
ン、ベントナイト、炭酸カルシウム、水和アルミナもし
くはアルミニウムのような金属粉などの充填剤、染料も
しくは顔料、成形潤滑剤、難燃剤(三酸化アンチモン、
赤燐等)、有機溶剤(例えばキシレン、トルエン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等を含有
することができる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂硬化組成物は、耐熱
性の注型もしくは成形用または塗料、積層もしくは含浸
用ワニスなどの材料として使用することができる。
性の注型もしくは成形用または塗料、積層もしくは含浸
用ワニスなどの材料として使用することができる。
【0030】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0031】
【実施例】実施例において、「部」及び「%」は重量基
準である。
準である。
【0032】
【参考実施例1】500ml のガラス製オートクレーブに、
250mlの65重量%硫酸水溶液(小宗化学製)を入れ、そ
こへベンゼン(東京化成製)/ブタジエン(東燃化学
製)のモル比10/1の混合物を定量ポンプにて 250ml/
時間で送入し、攪拌し、かつ内部温度を70℃に保ちなが
ら、油層のみを 250ml/時間で抜き出した。10時間分の
反応液を集め、 2.5リットルの15%苛性ソーダ溶液で洗
浄し、さらに 2.5リットルの水で洗浄した。
250mlの65重量%硫酸水溶液(小宗化学製)を入れ、そ
こへベンゼン(東京化成製)/ブタジエン(東燃化学
製)のモル比10/1の混合物を定量ポンプにて 250ml/
時間で送入し、攪拌し、かつ内部温度を70℃に保ちなが
ら、油層のみを 250ml/時間で抜き出した。10時間分の
反応液を集め、 2.5リットルの15%苛性ソーダ溶液で洗
浄し、さらに 2.5リットルの水で洗浄した。
【0033】反応生成物を常圧蒸留に付して軽質分の未
反応生成物を留去し、さらに減圧蒸留にて、252gの1-フ
ェニル-2- ブテンを得た。
反応生成物を留去し、さらに減圧蒸留にて、252gの1-フ
ェニル-2- ブテンを得た。
【0034】還流冷却器、温度計、攪拌機を備えた 500
mlの四ッ口フラスコ中に、上記で得られた 1- フェニル
-2- ブテン 132.2g 、及び 98.1gの無水マレイン酸を入
れ、180℃で2時間、さらに 200℃で3時間攪拌して反
応させた。次に、3mmHgの圧力下で、釜温が 170℃に
なるまで単蒸留を行い、未反応の1-フェニル-2- ブテン
及び無水マレイン酸を除去すると、184.0gの粗生成物が
得られた。このものを2mmHgの圧力下で蒸留し、 182
〜187 ℃の留分126.0gを得た。該留分は室温で液体であ
った。この液体の粘度を25℃で測定したところ、98ポイ
ズであった。該留分について、赤外(IR)吸収スペク
トル、 1H‐NMRスペクトル、中和価及び質量分析を
測定した。また、元素分析を行った。その結果を表1及
び表2に示す。
mlの四ッ口フラスコ中に、上記で得られた 1- フェニル
-2- ブテン 132.2g 、及び 98.1gの無水マレイン酸を入
れ、180℃で2時間、さらに 200℃で3時間攪拌して反
応させた。次に、3mmHgの圧力下で、釜温が 170℃に
なるまで単蒸留を行い、未反応の1-フェニル-2- ブテン
及び無水マレイン酸を除去すると、184.0gの粗生成物が
得られた。このものを2mmHgの圧力下で蒸留し、 182
〜187 ℃の留分126.0gを得た。該留分は室温で液体であ
った。この液体の粘度を25℃で測定したところ、98ポイ
ズであった。該留分について、赤外(IR)吸収スペク
トル、 1H‐NMRスペクトル、中和価及び質量分析を
測定した。また、元素分析を行った。その結果を表1及
び表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 以上より、この蒸留留分は、1-フェニル-1- ブテニル-3
- 無水コハク酸であると同定された。
- 無水コハク酸であると同定された。
【0037】
【参考実施例2】ベンゼンの代わりにトルエン(東京化
成製)を用いた以外は、参考実施例1と同じ反応条件で
同じ操作を行い、258gの1-トリル-2- ブテンを得た。
成製)を用いた以外は、参考実施例1と同じ反応条件で
同じ操作を行い、258gの1-トリル-2- ブテンを得た。
【0038】上記で得られた1-トリル-2- ブテン146.2g
と無水マレイン酸98.1g を用いた以外は参考実施例1と
同じ操作をさらに行ったところ、粗生成物173.5gが得ら
れた。このものを2mmHgの圧力下で蒸留し、 186〜19
1 ℃の留分124.9gを得た。該留分は室温で液体であっ
た。この液体の粘度を25℃で測定したところ、74ポイズ
であった。該留分について、IRスペクトル、 1H‐N
MRスペクトル、元素分析、中和価及び質量分析を行っ
た結果、1-トリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸である
と同定された。
と無水マレイン酸98.1g を用いた以外は参考実施例1と
同じ操作をさらに行ったところ、粗生成物173.5gが得ら
れた。このものを2mmHgの圧力下で蒸留し、 186〜19
1 ℃の留分124.9gを得た。該留分は室温で液体であっ
た。この液体の粘度を25℃で測定したところ、74ポイズ
であった。該留分について、IRスペクトル、 1H‐N
MRスペクトル、元素分析、中和価及び質量分析を行っ
た結果、1-トリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸である
と同定された。
【0039】
【参考実施例3】還流冷却器及び攪拌機を備えた容量3
リットルの四つ口フラスコに無水マレイン酸98g 及び溶
媒としてベンゼン100gを導入し、内部温度を20〜25℃に
保ちながら、スチームクラッカーにて得られた下記の組
成を有する炭化水素留分1,400gを1時間に亘り滴下し
た。その後徐々に内部温度を80℃まで昇温し、80℃にて
3時間ディールス‐アルダー反応を行った。反応生成物
から蒸留により未反応成分を留去することにより、液状
であるジカルボン酸無水物の混合物176gを得た。次い
で、上記で得られたジカルボン酸無水物の混合物を 170
℃にて3時間加熱することによりエンド‐体から対応す
るエキソ‐体への立体異性化反応を行った後、減圧蒸留
により精製することにより淡黄色透明の液体165gをジオ
レフィン成分基準の収率93%にて得た。
リットルの四つ口フラスコに無水マレイン酸98g 及び溶
媒としてベンゼン100gを導入し、内部温度を20〜25℃に
保ちながら、スチームクラッカーにて得られた下記の組
成を有する炭化水素留分1,400gを1時間に亘り滴下し
た。その後徐々に内部温度を80℃まで昇温し、80℃にて
3時間ディールス‐アルダー反応を行った。反応生成物
から蒸留により未反応成分を留去することにより、液状
であるジカルボン酸無水物の混合物176gを得た。次い
で、上記で得られたジカルボン酸無水物の混合物を 170
℃にて3時間加熱することによりエンド‐体から対応す
るエキソ‐体への立体異性化反応を行った後、減圧蒸留
により精製することにより淡黄色透明の液体165gをジオ
レフィン成分基準の収率93%にて得た。
【0040】また、上記の液体生成物をガスクロマトグ
ラフにて分析することにより、その組成は、endo-1- メ
チル-5- ノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物が17.0
%であり、endo-5- メチル-5- ノルボルネン-2,3- ジカ
ルボン酸無水物が31.7%であり、exo-5-メチル-5- ノル
ボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物が31.5%であり、ビ
シクロ[2.2.2]-5-オクテン-2,3- ジカルボン酸無水物が
9.7%であり、3-エチル‐Δ4 - テトラヒドロフタル酸
無水物が 4.2%であり、4-エチル‐Δ4 - テトラヒドロ
フタル酸無水物が 5.9%である混合物であることが判明
した。
ラフにて分析することにより、その組成は、endo-1- メ
チル-5- ノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物が17.0
%であり、endo-5- メチル-5- ノルボルネン-2,3- ジカ
ルボン酸無水物が31.7%であり、exo-5-メチル-5- ノル
ボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物が31.5%であり、ビ
シクロ[2.2.2]-5-オクテン-2,3- ジカルボン酸無水物が
9.7%であり、3-エチル‐Δ4 - テトラヒドロフタル酸
無水物が 4.2%であり、4-エチル‐Δ4 - テトラヒドロ
フタル酸無水物が 5.9%である混合物であることが判明
した。
【0041】スチームクラッカーにて得られた炭化水素留分の組成 メチルシクロペンタジエン 4.6% 1,3-シクロヘキサジエン 0.6% 1,3-ヘキサジエン 0.2% 2-エチル-1,3- ブタジエン 0.3% C6 〜C7 オレフィン、パラフィン 6.2% ベンゼン 54.6% トルエン 33.5% 上記で得られた混合物を、パラジウム触媒の存在下、水
素圧50kg/cm2 G、100 ℃にて5時間、ヨウ素価が1以
下になるまで水素化した。次に、濾過により触媒を除去
して無色透明の液体を得た。NMRスペクトルより、当
該水素化物は、対応する脂環式ジカルボン酸無水物とな
っていることが確認された。NMR以外の分析データは
次の通りである: 色相(APHA) 15 ヨウ素価(I2 g/100g) 0.8 中和価(KOHmg/g ) 620 組成(ガスクロマトグラフィーによる) endo-1- メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物 16.5% endo-5- メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物 31.1% exo-5-メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物 32.0% ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3- ジカルボン酸無水物 9.8% 3-エチルヘキサヒドロフタル酸無水物 4.1% 4-エチルヘキサヒドロフタル酸無水物 6.5% 尚、原料のMeNAの中和価は 626であった。中和価が
殆ど低下していないことより、酸無水物基が変化してい
ないことが分かる。
素圧50kg/cm2 G、100 ℃にて5時間、ヨウ素価が1以
下になるまで水素化した。次に、濾過により触媒を除去
して無色透明の液体を得た。NMRスペクトルより、当
該水素化物は、対応する脂環式ジカルボン酸無水物とな
っていることが確認された。NMR以外の分析データは
次の通りである: 色相(APHA) 15 ヨウ素価(I2 g/100g) 0.8 中和価(KOHmg/g ) 620 組成(ガスクロマトグラフィーによる) endo-1- メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物 16.5% endo-5- メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物 31.1% exo-5-メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物 32.0% ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3- ジカルボン酸無水物 9.8% 3-エチルヘキサヒドロフタル酸無水物 4.1% 4-エチルヘキサヒドロフタル酸無水物 6.5% 尚、原料のMeNAの中和価は 626であった。中和価が
殆ど低下していないことより、酸無水物基が変化してい
ないことが分かる。
【0042】
【実施例1】参考実施例1で得られた最終生成物1-フェ
ニル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸70部と、参考実施例
3で得られたメチルノルボルナンジカルボン酸無水物30
部とを室温で混合して均一にすることにより、エポキシ
樹脂硬化剤を製造した。
ニル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸70部と、参考実施例
3で得られたメチルノルボルナンジカルボン酸無水物30
部とを室温で混合して均一にすることにより、エポキシ
樹脂硬化剤を製造した。
【0043】この硬化剤の粘度を、B型回転粘度計〔東
京計器株式会社製のDVM‐B(商標)〕を使用し、25
℃で測定した。その結果を表3に示す(表3において、
PBSAは1-フェニル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸
を、HMeNAはメチルノルボルナンジカルボン酸無水
物を示す)。
京計器株式会社製のDVM‐B(商標)〕を使用し、25
℃で測定した。その結果を表3に示す(表3において、
PBSAは1-フェニル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸
を、HMeNAはメチルノルボルナンジカルボン酸無水
物を示す)。
【0044】また、硬化剤の吸湿率を測定するため、直
径6cmのシャーレに硬化剤 20gを入れ、温度25℃、相対
湿度70%の条件下で7日間放置した後の重量増加率を測
定し、それを吸湿率とした。その結果を表3に示す。
径6cmのシャーレに硬化剤 20gを入れ、温度25℃、相対
湿度70%の条件下で7日間放置した後の重量増加率を測
定し、それを吸湿率とした。その結果を表3に示す。
【0045】次に、エポキシ樹脂(商品名;エピコート
828、油化シェル株式会社製) 100部、上記で得たエポ
キシ樹脂硬化剤 111部及び硬化促進剤として2-エチル-4
- メチルイミダゾール(2E4MZ と略す、四国化成株式会
社製) 0.5部を、室温にて配合した。この配合物を 100
℃にて2時間、引き続いて 150℃にて5時間硬化反応さ
せて、硬化物を得た。
828、油化シェル株式会社製) 100部、上記で得たエポ
キシ樹脂硬化剤 111部及び硬化促進剤として2-エチル-4
- メチルイミダゾール(2E4MZ と略す、四国化成株式会
社製) 0.5部を、室温にて配合した。この配合物を 100
℃にて2時間、引き続いて 150℃にて5時間硬化反応さ
せて、硬化物を得た。
【0046】この硬化物について、JIS K6911に準拠
して、熱変形温度を測定した。その結果を表3に示す。
して、熱変形温度を測定した。その結果を表3に示す。
【0047】
【実施例2〜5及び比較例1〜3】参考実施例1及び2
で得られたアリールブテニル無水コハク酸及び参考実施
例3で得られたメチルノルボルナンジカルボン酸無水物
を用い、硬化剤の組成及び使用量を表3(表中、TBS
Aは1-トリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸を示す)の
ようにした以外は実施例1と同じ様にして、粘度、吸湿
率及び可使時間を測定した。それらの結果を表3に示
す。
で得られたアリールブテニル無水コハク酸及び参考実施
例3で得られたメチルノルボルナンジカルボン酸無水物
を用い、硬化剤の組成及び使用量を表3(表中、TBS
Aは1-トリル-1- ブテニル-3- 無水コハク酸を示す)の
ようにした以外は実施例1と同じ様にして、粘度、吸湿
率及び可使時間を測定した。それらの結果を表3に示
す。
【0048】
【表3】 表3より、本発明の硬化剤は、成分(A)または(B)
の一方のみから成る硬化剤に比べ、低粘度で作業性が良
く、かつ吸湿しにくいので貯蔵安定性に優れる上、優れ
た耐熱性を有するエポキシ硬化物を与えることが明らか
である。
の一方のみから成る硬化剤に比べ、低粘度で作業性が良
く、かつ吸湿しにくいので貯蔵安定性に優れる上、優れ
た耐熱性を有するエポキシ硬化物を与えることが明らか
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 廣 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)次の式(I) 【化1】 (ここで、R1 、R2 及びR3 は、夫々独立して、水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で表され
る化合物、及び(B)メチルノルボルナンジカルボン酸
無水物を含有するエポキシ樹脂硬化剤。 - 【請求項2】 (A)及び(B)を95:5〜5:95の重
量比で含有する、請求項1記載のエポキシ樹脂硬化剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19741492A JPH0616786A (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | エポキシ樹脂硬化剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19741492A JPH0616786A (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | エポキシ樹脂硬化剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0616786A true JPH0616786A (ja) | 1994-01-25 |
Family
ID=16374123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19741492A Pending JPH0616786A (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | エポキシ樹脂硬化剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0616786A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003002951A (ja) * | 2001-06-25 | 2003-01-08 | New Japan Chem Co Ltd | 液状エポキシ樹脂組成物の薄膜硬化物 |
-
1992
- 1992-07-02 JP JP19741492A patent/JPH0616786A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003002951A (ja) * | 2001-06-25 | 2003-01-08 | New Japan Chem Co Ltd | 液状エポキシ樹脂組成物の薄膜硬化物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3142651B2 (ja) | 飽和脂環式ジカルボン酸無水物の製造法 | |
JPH0616786A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JPH0616785A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JPH0616782A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JPH0616784A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JPH0616783A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JP3128151B2 (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JPH069756A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JP3128150B2 (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JP3142650B2 (ja) | メチルノルボルナン‐2,3‐ジカルボン酸無水物の製造法 | |
JP3128155B2 (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JP3128154B2 (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JPH069757A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JP2533592B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP3128152B2 (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JP3128148B2 (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JP2919907B2 (ja) | メチルノルボルネンジカルボン酸無水物の製造方法 | |
JP2892758B2 (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JP2892751B2 (ja) | エポキシ樹脂硬化剤の製造方法 | |
JP2002155069A (ja) | 低粘度の液状酸無水物の製造法およびエポキシ樹脂組成物 | |
JPH0559156A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JPH0625206A (ja) | 酸無水物及びその製造法 | |
JPH0565334A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 | |
JPH0673043A (ja) | メチルノルボルネンジカルボン酸無水物の製造方法 | |
JPH0559151A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤 |