JPH0616781U - 吸排気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸排気装置の誤動作を防止する。 【構成】 ポンプ排水管２に取付けられるフロート８を
有する吸排気装置の排気口１２に、弁体１５の閉鎖度を
調整する閉鎖度調整手段１９を備え、排気工程におい
て、フロート８前後の圧力差を小ならしめる逆止弁１３
を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は吸排気装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、たとえば、立軸ポンプ設備においては、図４に示すように、揚水管２の 吐出側に仕切弁３を設け、この仕切弁３の上流側の揚水管２の高所に吸排気弁４ を設け、ポンプ１の起動時に、ポンプ１（揚水管２）内の空気を前記吸排気弁４ を介して排気し、ポンプ１内を満水とした後、仕切弁３を開として正常排水状態 とする。 そして、ポンプ１の停止時には、揚水管２の高所は負圧になるが、前記吸排気 弁４を介して空気を吸入し、真空破壊を行うようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記吸排気弁４としては、種々の形式のものがあるが、一般にフロ ートを具えた吸排気弁が使用されている。 この吸排気弁の一例を示すと、図５のように、本体５内に所定間隔を保って、 複数の貫通穴７を備えた有底筒体６が設けられ、この筒体６内にフロート８と弁 体９とを上下動自在に収納し、吸入口１０から空気が流入した場合、前記貫通穴 ７を経て排気口１２から空気を放出する。また、吸込口１０から本体５に水が流 入すると、前記フロート８と共に弁体９が上昇し、弁座１１を閉鎖することによ り水の流出を防ぐようになっている。

【０００４】 しかしながら、この種のフロートを有する吸排気弁では、所定圧以上の高圧気 体が弁内に流入すると、弁体９上部で渦流が発生し、それにもとづき負圧部がで き、吸付き現象によってフロート８が上昇し、弁体８が弁座１１を閉鎖すること がある。 このようになれば、揚水管２内の空気が完全には排気されず残留し、この残留 空気により送水管２ａの下流側にエアポケットを形成したり、さらには、サージ ング現象，エアーハンマー現象の原因になる等の不具合を生じる。 したがって、本考案は、ポンプ内部の空気を完全に排気することのできるフロ ートを有する吸排気装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記目的を達成するために、ポンプ揚水管に取付けられるフロート を有する吸排気装置において、前記吸排気装置の排気口に、弁体の閉鎖度を調整 する閉鎖度調整手段を備え、かつ、前記揚水管内が負圧となったとき前記弁体が 自動開放して空気を前記揚水管内に導入する逆止弁を設けたものである。

【０００６】

【実施例】

つぎに、本考案にかかる吸排気装置を一実施例である図１〜３にしたがって説 明する。 図１は、本考案の概略を示し、図５に示す従来の吸排気弁４の排気口１２にス イング式逆止弁１３を設けたものである。 そして、前記スイング式逆止弁１３は、図２に示すように、内部に弁体１５が 軸１６に揺動自在に取り付けられ、前記揚水管２内が負圧になると弁体１５を自 動開放して大気側から空気を揚水管２内に吸気導入する。その他の場合では、弁 体１５は閉鎖動作をとるものであるが、ケーシング１４に、ハンドル１８により 進退する閉鎖度調整手段であるスピンドル１９が取り付けられ、弁体１５の閉鎖 度を調整するようになっている。つまり、前記スピンドル１９を突出することに より弁体１５を図中一点鎖線で示すように、弁体１５が閉鎖しようとしても、弁 体１５は弁座１７に完全には着座せず、所定量開口し、絞り弁の機能を行なうよ うになっている。

【０００７】 したがって、図１におけるポンプ１の始動時において、揚水管２内の空気が前 述のように、図５の吸排気弁４の排気口１２から排出する場合、閉鎖度調整手段 １９によって弁体１５は若干開口しているので、絞り弁として機能し、吸排気弁 ４のフロート８の上下における差圧は従来のものに比べて小さい。そのため、揚 水管２内の空気が高圧状態で吸排気弁４から排出しようとしてもフロートに作用 する差圧が小さいため、従来のような吸付き現象によるフロート８の異常上昇や 弁体９による弁座１１の閉鎖もなくなり、完全に揚水管２内の空気が排出された のち、吸排気弁４内に流入する揚水によってフロート８が正常に上昇し、それに 伴って弁体９が弁座１１を閉塞するという正しい動作が確実となる。 一方、ポンプ１が停止して、揚水管２の高所が負圧になると、弁体１５が瞬時 に揺動して大きく開口し、揚水管２内の真空破壊を行うことになる。

【０００８】 前記実施例では、逆止弁１３として図２のようなスイング式逆止弁を採用した 場合について述べたが、図３に示すように、リフト式逆止弁としてもよい。なお 、構成については図２と略同様なため、対応部分に同一符号を付して説明を省略 する。

【０００９】 また、前記弁体９に小径の貫通孔を設けておいてもよい。 なお、逆止弁１３の前後をバイパス管で連通し、このバイパス管に開度調節可 能な絞り弁を設けても本考案と同様効果を得ることができる。

【００１０】

【考案の効果】

以上の説明で明らかなように、本考案によれば、フロート式吸排気弁の排気口 に、弁体の閉鎖度を調整する閉鎖度調整手段を備え、かつ、前記揚水管内が負圧 となったとき自動開放して空気を前記揚水管内に導入する逆止弁を設けたため、 排気工程にあっては弁体の若干の開口で形成される絞り弁機能によってフロート 上下の差圧が大きくならず、そのためにフロートが排気弁内の流動空気による吸 付き現象により上昇して弁座を異常閉鎖するような不都合もなくなる。 しかも、前記弁体の開度（閉鎖度）は、閉鎖度調整手段により任意、容易に調 整できるため、現地におけるポンプにより発生する揚水管内圧等に対応して最適 な閉鎖度とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案にかかる吸排気装置の説明図。

【図２】 図１の逆止弁の第１実施例を示す断面図。

【図３】 逆止弁の第２実施例を示す断面図。

【図４】 従来の吸排気装置の説明図。

【図５】 吸排気弁の断面図。

【符号の説明】

１…ポンプ、２…揚水管、４…吸排気弁、８…フロー
ト、１２…排気口、１３…逆止弁、１５…弁体、１８…
ハンドル、１９…スピンドル（閉鎖度調整手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポンプ揚水管に取付けられるフロートを
   有する吸排気装置において、前記吸排気装置の排気口
   に、弁体の閉鎖度を調整する閉鎖度調整手段を備え、か
   つ、前記揚水管内が負圧となったとき前記弁体を自動開
   放して空気を前記揚水管内に導入する逆止弁を設けたこ
   とを特徴とする吸排気装置。