JPH0616768A - 鎖長延長剤としてポリオキシアルキレン4官能性または多官能性アミンを用いて製造されるポリ尿素エラストマー - Google Patents

鎖長延長剤としてポリオキシアルキレン4官能性または多官能性アミンを用いて製造されるポリ尿素エラストマー

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JPH0616768A
JPH0616768A JP5054663A JP5466393A JPH0616768A JP H0616768 A JPH0616768 A JP H0616768A JP 5054663 A JP5054663 A JP 5054663A JP 5466393 A JP5466393 A JP 5466393A JP H0616768 A JPH0616768 A JP H0616768A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリイソシアナートを、ポリオキシアルキレ
ンポリアミンおよび鎖長延長剤と反応させることによる
ポリ尿素エラストマーの製造方法であって、該鎖長延長
剤が、2個またはそれ以上のアミノ基を含む少なくとも
4個の官能基を有する低分子量のポリオキシアルキレン
ポリアミンであることを特徴とする製造方法。 【効果】 独立気泡率が高く、改良された圧縮強さとモ
ジュラスを有するフォーム、および改良されたモジュラ
スと堅牢さを有する被覆材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶剤の不要な、フォー
ムまたはスプレー被覆材に有用であるポリ尿素エラスト
マーに関し、より詳しくは、鎖長延長剤として、アミノ
化されたポリオキシプロピレン−2−メチルグルコシド
のような、低分子量の、ポリオキシアルキレンテトラ−
またはより高い官能性のアミンを用いるポリ尿素エラス
トマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ尿素エラストマーは、スプレー用の
被覆材やフォームなどとして、広範囲の有用性が知られ
ている。被覆材に用いられるとき、これらの材料は、光
安定性、速硬性、水に比較的影響されないこと、溶剤の
不要な系として用いられ得る能力、引張強さ、伸びおよ
び耐摩耗性などの優れた物理的性質、着色が可能である
こと、商業的に入手可能な噴霧塗装器具の使用などの適
用が容易であること、ならびに、触媒が不要であること
による一定の反応性および長期貯蔵の際の安定性など、
望ましく釣り合いのとれた諸特性を提供する。これらお
よびその他の広く公知の諸特性は、文献中に、たとえ
ば、D.J. Primeaux IIによるProceeding ofthe SPI 32n
d Annual Technical/Marketing Conference(1989年10
月)、126 〜130 ページ:「Spray Polyurea, Versatil
e High Performance Elastomer for the Polyurethane
Industry」で、また、D.J. Primeaux IIによるUTECH '9
0 (1990年4月)、189 〜194 ページ:「Sprayed Poly
urea Elastomers Offer Superior Performance」で考察
されている。
【0003】ポリ尿素は、とりわけ、たとえば座席など
のような自動車内装などの成形フォーム;カーペットの
下敷や家具の中にしばしば用いられるスラブストックフ
ォーム;および各種の他のパッドやクッションの用途を
包含する各種のフォームの用途に有用である。硬質で独
立気泡構造を有するフォームは、熱絶縁;擬似木製部品
様のスピーカーキャビネット、額縁、扉など;包装用フ
ォーム;衝撃吸収材などとして有用である。このような
フォームは、良好な引張強さ、伸び、圧縮強さ、寸法安
定性、ならびにこれらおよび他の応用に良く機能するた
めに望まれる他の性質を有しなければならない。
【0004】ポリ尿素は、アミンとイソシアナートとを
反応させることによって製造することができる。たとえ
ば、米国特許第4,732,919 号明細書は、高分子量ポリオ
ールまたはポリオキシアルキレンポリアミン、鎖長延長
剤、およびポリオキシアルキレンポリアミンと芳香族系
イソシアナートとの準プレポリマーから製造されるポリ
尿素エラストマーを開示している。とりわけメチルグル
コシドを包含する多価脂肪族アルコールにオキシアルキ
レン付加して得られるポリオキシアルキレンポリオール
から作られるポリオキシアルキレンポリアミンは、ポリ
尿素の製造のための中間体として、米国特許第3,654,37
0 号明細書に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、改良
された物理的性質、とくに改良された圧縮強さとモジュ
ラスを有するポリ尿素エラストマーフォームおよびその
製造方法を提供することである。本発明のもうひとつの
目的は、改良されたモジュラスと堅牢さを有するポリ尿
素エラストマー被覆材およびその製造方法を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリイソシア
ナートを、ポリオキシアルキレンポリアミン、および2
個またはそれ以上のアミノ基を含む少なくとも4個の官
能基を有する低分子量のポリオキシアルキレンポリアミ
ンである鎖長延長剤と反応させて得られるポリ尿素エラ
ストマーに関する。気体とポリ尿素を含むフォームはま
た、水または発泡剤の存在下に反応を実施することによ
って提供される。
【0007】高い官能性を有するポリオキシアルキレン
ポリアミン鎖長延長剤を用いて、ポリ尿素エラストマー
を製造できることが見出された。結果として得られるポ
リ尿素は、改良された物理的性質を有する卓越したフォ
ームおよびスプレー被覆材を提供する。
【0008】ポリイソシアナート出発物質は、有機基に
結合された2個またはそれ以上のイソシアナト基を有す
る、いかなる化合物またはそれらの混合物であってもよ
い。ポリイソシアナートは、モノマー性ポリイソシアナ
ートであってもよく、または好ましくはモノマー性ポリ
イソシアナートとポリオキシアルキレンポリアミンとの
反応生成物、たとえばポリ尿素ポリイソシアナート準プ
レポリマーであってもよい。「準プレポリマー」という
用語は、1種のモノマー、この場合にはポリイソシアナ
ートを他方のモノマー、すなわちポリアミンに対して化
学量論的に過剰に使用して製造される、モノマーとオリ
ゴマー、基本的にはダイマーとの混合物を意味する。
【0009】ポリイソシアナートは、一般式(1)によ
って示される化合物を包含する。
【化4】
【0010】式(1)中、R″は、原子価zを有する有
機基であって、直鎖状または分岐状でも、飽和もしくは
不飽和の非環式、環式または複素環式でも、または、少
なくとも1個、好ましくは6〜25個、最も好ましくは
6〜12個の炭素原子を有する非置換もしくはハロゲン
置換された芳香族基であることも可能である。イソシア
ナト基の数は、zによって決まり、少なくとも2個、好
ましくは2〜4個、そして最も好ましくは2個である。
典型的なポリイソシアナートは、とりわけ、アルキレン
基中に4〜12個の炭素原子を有するアルキレンポリイ
ソシアナート、たとえば1,12−ドデカンジイソシア
ナート、1,4−テトラメチレンジイソシアナートおよ
び1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート;脂環式ジ
イソシアナート、たとえば1,3−または1,4−シク
ロヘキサンジイソシアナート、1−イソシアナト−3,
3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘ
キサン(イソホロンジイソシアナート)、および、4,
4’−、2,2’−または2,4’−ジシクロヘキシル
メタンジイソシアナート;芳香族ポリイソシアナート、
たとえばp−フェニレンジイソシアナート、ポリメチレ
ンポリフェニルイソシアナート、2,4−または2,6
−トルエンジイソシアナート(TDI)、ジアニシジン
ジイソシアナート、ビトリレンジイソシアナート、ナフ
タレン−1,4−ジイソシアナート、ビス(4−イソシ
アナトフェニル)メタン、ビス(3−メチル−3−イソ
シアナトフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−イ
ソシアナトフェニル)メタン、4,4’−ジフェニルプ
ロパンジイソシアナート、およびメチレンで架橋された
ポリフェノールポリイソシアナート混合物、たとえばメ
チレンビス(4−フェニルイソシアナート)のようなメ
チレンジフェニルジイソシアナート異性体(MDI)を
含有するもの;アルカリールまたはアラルキルジイソシ
アナート、たとえばテトラメチルキシレンジイソシアナ
ートのようなテトラアルキルキシレンジイソシアナー
ト;三量化された、またはビウレット性のポリイソシア
ナート、ならびに他のイソシアナート、たとえば米国特
許第2,683,730 号明細書、同第2,950,263 号明細書、同
第3,012,008 号明細書、同第3,344,162 号明細書、同第
3,362,979 号明細書および同第3,394,164 号明細書に記
載されたもののうちの1種以上を包含する。好適なポリ
イソシアナートは、テトラメチルキシレンジイソシアナ
ート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナートおよびシクロヘキサンジイソシアナート
を包含する。
【0011】たとえばポリイソシアナート準プレポリマ
ーを製造するのに用いられ、あるいはポリイソシアナー
トと反応させる成分のうち低分子量のポリオキシアルキ
レンポリアミン鎖長延長剤以外として用いられるポリオ
キシアルキレンポリアミンは、公知のポリオキシアルキ
レンポリアミンをはじめとし、その混合物も含めて、い
かなるポリオキシアルキレンポリアミンであってもよ
い。ポリオキシアルキレンポリアミンは、第一級および
/または第二級アミノ基を末端基とする、通常は100
を越え、好ましくは200〜5,000の重量平均分子
量、2〜6、好ましくは2〜3の官能性および750〜
4,000のアミノ当量を有するポリエーテルポリオー
ルであることが可能である。このようなポリオキシアル
キレンポリアミンは、一般式(2)で示される化合物を
包含する。
【0012】
【化5】
【0013】式(2)中の変数は下記の意味を有する。
Q´は、開始剤として用いられる活性水素含有化合物の
多価残基である。Q´の原子価はy´によって与えら
れ、y´は少なくとも2、好ましくは2〜8、最も好ま
しくは2〜3である。それぞれのR´は、独立して水素
原子またはアルキル基、たとえばメチルまたはエチルを
表す。基R´は、好ましくは水素原子および/またはメ
チル基を表し、両者の混用を包含する。x´によって与
えられるアミノ基あたりのオキシアルキレン繰返し単位
の平均数は、少なくとも1、好ましくは1〜40、最も
好ましくは1〜10である。
【0014】典型的な開始剤は、とりわけ、ジオール、
たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,2−または1,4−ブタンジオール;ならびにトリ
オール、たとえばトリメチロールプロパンやグリセリン
などのポリヒドロキシル化合物のうちの1種以上を包含
する。好適な開始剤としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、トリメチロールプロパンおよびグ
リセリンを包含する。典型的なオキシアルキレン繰返し
単位は、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブ
チレンなどであり、それらの混成を包含する。2種また
はそれ以上のオキシアルキレンを用いるときは、それら
をいかなる形態でも、たとえばランダムに、またはブロ
ックとして存在させることができる。好適なポリオキシ
アルキレンポリアミンとしては、Texaco Chemical Co.,
Inc. のJeffamine (登録商標)ポリオキシアルキレン
アミン類、たとえばジアミン類D−230、D−40
0、D−2000およびD−4000;ならびにトリア
ミン類T−403、T−3000およびT−5000を
包含する。
【0015】ポリオキシアルキレンポリアミン混合物に
対するモノマー性ポリイソシアナートの相対量は、ポリ
オキシアルキレンポリアミンよりも少なくとも化学量論
的に過剰のモノマー性ポリイソシアナートが存在するよ
うな量である。アミン1モルあたり、一般的には1モル
当量を越え、好ましくは1.5〜25モル当量、最も好
ましくは10〜25モル当量のイソシアナートを用い
る。
【0016】反応を実施するには、それに追加される成
分、たとえば溶剤または触媒はまったく必要がなく、好
ましくもないが、所望の場合は、他の適当ないかなる物
質を存在させることもできる。
【0017】モノマー性ポリイソシアナートとポリオキ
シアルキレンポリアミンとの反応は、イソシアナートと
アミンとの反応を行わせるのに適当な、いかなる条件下
でも実施することができる。典型的には、常温常圧のも
とで反応を実施する。反応は急速に進行するので、諸成
分を、高速ミキサーを使用するなどして、徹底的に混合
することが好ましい。
【0018】ポリアミン付加物を製造するのに用いられ
る低分子量のポリオキシアルキレンポリアミン鎖長延長
剤は、好ましくは式(3)で示される化合物である。
【0019】
【化6】
【0020】式(3)中の変数は下記の意味を有する。
Qは、オキシアルキレン付加反応によってポリオキシア
ルキレンポリオールを作り、ついでアミノ化反応によっ
て4官能性またはそれ以上の官能性のポリオキシアルキ
レンアミン類を製造する開始剤として用いられる活性水
素含有化合物の多価残基である。yによって与えられる
Qの原子価は少なくとも4、好ましくは4〜8、最も好
ましくは4である。それぞれのRは、独立して水素また
はアルキル基、好ましくは低級アルキル基、たとえばメ
チルまたはエチルである。基Rは好ましくは水素および
/またはメチルであり、両者の混用を包含する。xによ
って与えられる官能基あたりのオキシアルキレン繰返し
単位の数は、少なくとも0.5、好ましくは0.5〜
3、最も好ましくは1〜2である。Zは官能基、一般に
アミノ基(H2 N−)またはヒドロキシル基(HO−)
であって、ポリアミンに官能性を与え、そのことによっ
て、化合物(3)が、イソシアナートと反応してポリ尿
素を形成する複数のアミノ基または他の基を有すること
を意味する。したがって、2個またはそれ以上のZはア
ミノ基であり、基Zの残余はヒドロキシル基または他の
活性水素含有基、たとえばチオール基などである。好ま
しくは少なくとも半数、最も好ましくは平均約60%の
Zがアミノ基であり、官能基Zの数の異なる分布を有す
る化合物の混合物を包含する。鎖長延長剤の混合物は、
混合物中の1分子あたりのアミノ基の平均数が2または
それ以上であるという条件で、2個未満のアミノ基を有
する化合物を少量含有していてもよい。
【0021】ポリオキシアルキレンポリアミン鎖長延長
剤のための典型的な開始剤は、とりわけ、下記の1種ま
たは混合物である。すなわち、α−メチルグルコシド、
ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニト
ールおよびペンタエリトリトールなどのサッカリド;ビ
ストリメチロールプロパンなどである。好ましい開始剤
はα−メチルグルコシドである。
【0022】鎖長延長剤を作るのに用いられるポリオキ
シアルキレンポリオールは、少量のオキシアルキレン単
位を有する。典型的には、1分子あたり平均1〜40
個、好ましくは1〜10個のポリオキシアルキレン単位
を有する。典型的なオキシアルキレン繰返し単位は、オ
キシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレンなど
であり、それらの混成を包含する。2種またはそれ以上
のオキシアルキレンを用いるときは、それらをいかなる
形態でも、たとえばランダムに、またはブロックとして
存在させることができる。好適なポリオキシアルキレン
ポリアミン鎖長延長剤は、平均約4個のポリオキシプロ
ピレン繰返し単位を有するポリオキシプロピレン−α−
メチルグルコシドポリアミンなどである。
【0023】鎖長延長剤を作るのに用いられるポリオキ
シアルキレンポリオールは、活性水素含有化合物をいか
なる有効な方法によってオキシアルキレン付加すること
によっても作ることができる。たとえば、アルキレンオ
キシドを、触媒の存在下に、高温および不活性雰囲気の
高圧下で、活性水素含有化合物と数時間反応させること
ができる。アルカリ性の生成物を、ついで中和して、た
とえば減圧単蒸留やろ過によって単離することができ
る。
【0024】ポリオキシアルキレンポリオールを、公知
の方法を含めていかなる有効な方法によって部分的にま
たは完全にアミノ化して、ポリオキシアルキレンポリア
ミン鎖長延長剤を製造することもできる。一般に、ポリ
オールはいかなるアミノ化物質とも、好ましくはアンモ
ニアおよび水素などと反応して、結局、ポリオールのヒ
ドロキシル基または他の活性水素がアミノ基置換され
る。ポリオキシアルキレンポリオールとアミノ化物質と
の相対量は、アミノ化生成物を作るのに十分ないかなる
量であってもよい。典型的には、アミノ基に対するヒド
ロキシル基のモル比は1:2〜1:40であり、好まし
くは1:5〜1:30、最も好ましくは1:10〜1:
20である。ポリオキシアルキレンポリオールはいかな
る有効な触媒と、いかなる有効な条件を用いてアミノ化
してもよい。典型的には、アミノ化反応中の温度は18
0〜240℃であり、好ましくは190〜220℃、最
も好ましくは200〜215℃である。圧力は少なくと
も0.8MPa (100psig)でよく、好ましくは10.
4〜17.35MPa (1,500〜2,500psig)で
ある。アミノ化反応は一般に連続法として実施される。
反応器を通過する生成物の速度は、一般に0.05〜3
g/(ml・h)であり、好ましくは0.1〜2g/(ml・h)、最も
好ましくは0.2〜1g/(ml・h)である。
【0025】いかなる有効なアミノ化触媒も使用するこ
とができる。典型的なアミノ化触媒は、とりわけ、下記
の1種または2種以上の混合物を包含する。すなわち、
米国特許第3,152,998 号公報に記載されたようなニッケ
ル−クロム−銅の金属もしくは金属酸化物;または他の
有用な触媒である。好ましいアミノ化触媒は、ニッケ
ル、銅およびクロムの酸化物を、水素の存在下、一般に
250〜400℃の温度で、下記に確立された手順によ
り、いかなる好ましい圧力のもとでも用いることができ
る。触媒は一般に60〜85モル%、好ましくは70〜
80モル%のニッケル、14〜37モル%、好ましくは
20〜25モル%の銅;および1〜5モル%のクロムを
有する。
【0026】鎖長延長剤は、小さい数のオキシアルキレ
ン単位の存在に基づく比較的低い分子量を有する。典型
的には、鎖長延長剤の分子量は500未満であり、好ま
しくは50〜400である。
【0027】ポリオキシアルキレンポリアミンおよび鎖
長延長剤に対するポリイソシアナートの相対量は、ポリ
尿素エラストマー生成物を製造するのに十分なあらゆる
量である。典型的には、ポリイソシアナート1モルあた
り、通常は0.7〜1.6モルであり、好ましくは0.
8〜1.3モル、最も好ましくは0.85〜1.15モ
ルのアミンを用いる。鎖長延長剤に対するポリオキシア
ルキレンポリアミンの相対的比率は、有効量の、すなわ
ち改善された硬化特性を有するポリ尿素エラストマーを
製造するのに十分な量のポリアミン付加物を用いる限
り、決定的に重要ではない。ポリオキシアルキレンポリ
アミンの量を基準にして、通常は10〜60重量%、好
ましくは20〜50重量%、最も好ましくは30〜50
重量%の鎖長延長剤を用いる。
【0028】所望の場合、他の物質を反応混合物に加え
てもよい。これらの任意成分としては、とりわけ、下記
の1種またはそれ以上がある。すなわち、芳香族ジアミ
ン、たとえば1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−
または−2,6−ジアミノベンゼン(ジエチルトルエン
ジアミンともいう)、1,3,5−トリエチル−2,6
−ジアミノベンゼン、3,5,3´,5´−テトラエチ
ル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジ
(メチルチオ)−2,4−および−2,6−トルエンジ
アミンなどのジ(メチルチオ)トルエンジアミン、N,
N´−ビス(tert−−ブチル)エチレンジアミン;また
は低分子量のポリオキシアルキレンポリアミン、たとえ
ばそれぞれJeffamine D−230およびT−403を包
含するポリオキシプロピレンジアミンまたはトリアミン
のような鎖長延長剤;シリコーンオイル、シリコーン乳
化剤、シアノアルキルポリシロキサンのような有機シラ
ンまたはシロキサン、Union Carbide Chemicals and Pl
astics Co., Inc.のL−5340、L−5421、Y−
10184およびY−10197を包含する加水分解性
または非加水分解性のポリシロキサン−ポリオキシアル
キレンブロック共重合体のような整泡剤;酸化チタニウ
ムのような顔料および着色剤;切断したもしくは粉砕し
たガラス繊維、カーボン繊維および/または他の鉱物繊
維;水、二酸化炭素、(水素化)クロロフルオロカーボ
ン類、塩化メチレンおよびアセトンなどの発泡剤;第三
級アミン類、たとえば2,2´−ジモルホリノジエチル
エーテル、N,N´−ジメチルピペラジン、N−ブチル
モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホ
リン、ビス(2,2´−ジメチルアミノ)エチルエーテ
ル、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、
N,N,N´−トリメチル−N´−ヒドロキシエチルビ
スアミノエチルエーテルおよび4−(2−メトキシエチ
ル)モルホリン、または有機スズ化合物のような触媒;
充填剤;ステアリン酸亜鉛、オレイン酸ナトリウムおよ
びシリコーンのような離型剤ならびに他の好適な物質で
ある。
【0029】ポリイソシアナート、ポリオキシアルキレ
ンポリアミンおよび鎖長延長剤を、他のすべての任意成
分とともに、有効な条件下で反応させる。反応中の温度
は、通常は0〜80℃であり、好ましくは15〜80
℃、最も好ましくは25〜75℃であることができる。
諸成分は、常圧または20.8MPa (3,000psig)
までの加圧下で、好ましくは3.55〜17.35MPa
(500〜2,500psig)、最も好ましくは7.0〜
13.9MPa (1,000〜2,000psig)の圧力の
もとで合わせることができる。
【0030】スプレーに適用される際に、開放型の型作
業やコーティングが望まれるとき、高圧噴霧器具、たと
えばGusmar(登録商標)GX−7スプレーガンを備えた
GusmerVR−H−2000定比例混合装置を用いて、諸
成分を衝突させながら直接混合することが可能であり;
または反応射出成形(RIM)もしくは補強反応射出成
形(RRIM)のような密閉型作業が望まれるときは、
定比例混合装置を好適なRIMもしくはRRIM装置に
適合させることもできる。とくに、それぞれが成分
(A)、すなわちポリイソシアナート成分と、成分
(B)、すなわち活性水素を有する化合物を主成分とす
る成分である第1および第2の加圧流は、それぞれ定比
例混合装置の2個の別々の部屋から送り出され、2成分
が緊密に混合するように、たがいに高速で他と衝突し
て、エラストマーを生じ、それはついでスプレーガンま
たはRIM装置を用いて、所望の基材の上もしくは内側
に送り出される。成分(A)と成分(B)の容量比はい
かなる好適な量でもよく、典型的には3:7〜7:3で
ある。該成分は、典型的には少なくとも0.225kg/m
in(0.5ポンド/min)、好ましくは0.45〜13.
6kg/min(1〜30ポンド/min)、最も好ましくは約
9.1kg/min(20ポンド/min)で処理される。
【0031】ポリ尿素エラストマーは、所望ならば、定
められた手順に従い、加熱によって後硬化を受ける。後
硬化は、典型的には軟質の連通気泡フォームが製造され
たときに、熱サグ性のようなエラストマー特性を向上さ
せるために用いられる。逆に、本発明の硬質、独立気泡
ポリ尿素フォームは、一般には後硬化を受けない。
【0032】低分子量のポリオキシアルキレンポリアミ
ンは、ポリイソシアナートとポリオキシアルキレンポリ
アミンの間の反応に対して、鎖長延長剤として働く。鎖
長延長剤は、ポリイソシアナートと反応して、エラスト
マー性のポリ尿素生成物に硬いセグメントを隔離して、
その結果、熱安定性ばかりでなく、増加したポリマーモ
ジュラスとガラス転移点をもたらす。ポリ尿素は、鎖長
延長剤中のヒドロキシル基または他の活性水素含有基の
イソシアナートとの反応から形成された、少量のウレタ
ン結合または他の結合を有していてもよい。これらは、
イソシアナートに対してアミノ基よりも反応性の少ない
ヒドロキシル基のような、いくつかの未反応の官能基で
あってもよい。
【0033】
【発明の効果】少なくとも4個の官能性基を有する低分
子のポリオキシアルキレンポリアミン鎖長延長剤を用い
て作られたポリ尿素は、改良された強度をもつフォー
ム、および改良されたモジュラス的性質をもつスプレー
被覆材を与える。大きな圧縮強さをもつフォームは、崩
壊することなく増大した荷重に耐える。高いモジュラス
的性質または堅牢さをもつ被覆材は、該被覆材が塗布さ
れた物質に、改良された支持を与える。
【0034】
【実施例】以下の実施例は、本発明の説明に役立つ実施
態様を与える。開示および請求範囲に示された百分率
は、別に言及しないかぎり、すべて重量%である。
【0035】実施例中に用いた用語は、下記の意味であ
る。 D−230:約230の重量平均分子量を有するポリオ
キシプロピレンジアミン(Texaco Chemical Co., Inc.
のJeffamine D−230) D−2000:約2,000の重量平均分子量を有する
ポリオキシプロピレンジアミン(Texaco Chemical Co.,
Inc. のJeffamine D−2000) DC−193:シリコーン界面活性剤(Dow Corning C
o. のDC−193) DEDTA:ジエチルトルエンジアミン(Ethyl Corp.
のEthacure(登録商標)100) Gentron123:1,1−ジクロロ−2,2,2
−トリフルオロエタン(Allied-Signal Inc. のGentron
(登録商標)123) L−5309:ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン
ブロック共重合体(Union Carbide Chemicals and Plas
tics Co., Inc.) LF−168:液状の改質メチレンジイソシアナート
(ウレトンイミン)(ICI Chemicals Co. のRubinate
(登録商標)LF−168) MDI重合体:メチレンジイソシアナート重合体(ICI
Chemicals Co. のRubinate M) m−TMXDI:m−α,α,α’,α’−テトラメチ
ル−α,α’−ジイソシアナトキシレン、すなわち1,
3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベン
ゼン(American Cyanamid Co., Inc. のm−TMXDI
(登録商標)) PPG−2000:約2,000の分子量を有するポリ
オキシプロピレン(Texaco Chemical CO.,Inc. のTexox
(登録商標)PPG−2000) T−403:トリメチロールプロパンを開始剤に用いて
製造される、約440の重量平均分子量を有するポリオ
キシプロピレントリアミン(Texaco Chemical Co., In
c. のJeffamine T−403) T−5000:グリセリンを開始剤に用いて製造され
る、約5,000の重量平均分子量を有するポリオキシ
プロピレントリアミン(Texaco Chemical Co., Inc. の
Jeffamine T−5000) Unilink 4200:ジアルキル置換メチレンジ
アニリン(UOPのUnilink (登録商標)4200) ZR−70:2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタ
ノール(Texaco Chemical Co., Inc. のTexacat (登録
商標)ZR−70)
【0036】別に指定のない限り、実施例に示された試
験結果は、以下の手法を用いて得られたものである。 独立気泡率:規格ASTM D−2856によって測定
した、気泡中の独立気泡の平均割合であり、%で表示 圧縮強さ(平行):規格ASTM D−1621の方法
によって測定し、平方インチあたりのポンド (psi)とキ
ロパスカル(kPa) で表示 密度:規格ASTM D−1622の方法によって測定
し、立方フィートあたりのポンド(pcf) と立方メートル
あたりのキログラム (kg/m3)で表示 伸び:規格ASTM D−638の方法を用いて測定
し、%で表示 ゲル化時間(フロータイムとも呼ばれる):反応物を合
わせてから、ゲル状になり、流動しなくなるまでの時
間、秒で表示 モジュラス:規格ASTM D−638およびD−79
0の方法を用いて、100%および300%の試験につ
いて測定し、psi およびkPa で表示 ショア硬さ:規格ASTM D−2240の方法を用い
て測定し、初期値(0秒)および10秒値を表示(AS
TM D硬さについて) 引裂強さ:規格ASTM D−624の方法を用いて測
定し、(pli) 1直線インチあたりのポンドおよびメート
ルあたりニュートン(N/m) で表示 引張強さ:規格ASTM D−638の方法を用いて測
定し、psi および kPaで表示
【0037】例1:鎖長延長剤の合成 この例は、ポリオキシアルキレンポリオールのアミノ化
により、低分子量のポリオキシアルキレンポリアミン鎖
長延長剤を、どのようにして作るかを示す。
【0038】ポリオキシプロピレン−α−メチルグルコ
シドを、次のようにして製造した。まず、20リットル
のフラスコに、メチルグルコシド4.5kgとフレーク状
の水酸化カリウム50.4gを仕込んだ。ついで、窒素
パージを維持しながら、反応器を100℃に加熱した。
ついでプロピレンオキシド5.4kgを、105〜110
℃、445kPa で、6.5時間かけてゆっくり滴下し
た。ついで、反応混合物を、窒素を1.5時間流しなが
ら平衡圧力で110℃に保った。それから、アルカリ性
生成物を、Magnesol(登録商標)30/40吸収剤55
0gの水性スラリーと95℃で2時間撹拌して、中和し
た。その後、中和した生成物を最小の圧力にまで減圧ス
トリップし、窒素ストリップしてろ過した。オキシアル
キレン付加された生成物の性質は、次のとおりであっ
た。
【0039】
【表1】
【0040】ついで、米国特許第3,152,998 号明細書
(Moss)に記載されたニッケル−銅−クロム触媒600
mlを含有する円筒型反応器に、ポリオキシプロピレン−
α−メチルグルコシド、アンモニアおよび水素を、16
0g/h 、236g/h および25リットル/h でそれぞれ
連続的に供給することによって、アミノ化を実施した。
反応は205℃の温度および13,890kPa の圧力で
行った。アミノ化生成物を、6.67kPa の圧力のもと
に、100℃の温度で1時間ストリップした。すでに述
べられた手順を用いて分析したところ、生成物は全アセ
チル化可能分含有量9.06meq/g 、全アミノ基含有量
6.24meq/g および第一級アミノ基含有量6.02me
q/g を有していた。生成物は、下記の構造を有するアミ
ノ化されたポリオキシプロピレン−α−メチルグルコシ
ドであった。
【0041】
【化7】
【0042】式中、Z基の平均少なくとも約60%がア
ミノ基で残余がヒドロキシル基であり、w、x、yおよ
びzの合計が平均約4である。
【0043】例2〜4C:スプレーされたポリ尿素エラ
ストマーの合成と評価 例2および例3は、例1で作られた鎖長延長剤を用い
て、ポリ尿素エラストマーをどのように作るかを示す。
例4C(比較例)は、例1の鎖長延長剤を、対応する量
の低分子量の3官能性ポリオキシアルキレンポリアミン
鎖長延長剤で置き換えた以外は、例3と同様である。
【0044】周囲条件で等量のm−TMXDIとD−2
000を激しく撹拌して混合することによって、ポリイ
ソシアナート準プレポリマーを合成した。反応を完結す
るには、およそ15分を要した。表1に挙げた成分、す
なわちポリイソシアナート準プレポリマー(A)、なら
びにポリオキシアルキレンポリアミンと鎖長延長剤の混
合物(B)を、GX−7スプレーガンを備えた二成分用
GusmerVR−H−2000定比例混合装置を用いて、イ
ソシアナートのアミンに対する容量比1.00、ブロッ
クおよびホースの温度66℃、および全混合物の流速1
1.8kg/minで、離型剤を塗布したスチールパネルの上
でスプレー混合した。両成分を線圧力6,995〜1
3,890kPa で供給した。結果として得られた被膜は
数秒で硬化した。前述の方法で被膜を試験した。その結
果を表1に示す。
【0045】
【表2】
【0046】例1のアミンから作られたポリ尿素エラス
トマーは、3官能性鎖長延長剤から作られた対応するエ
ラストマーに比べ、より短いタックフリー時間に示され
るように、より速く硬化する。このことは、より長いゲ
ル化時間を有する例2でさえも起こる。例3を例4Cと
比較すると、モジュラスの著しい増加が見られ、堅牢さ
を増していることをさし示している。
【0047】例5〜8C:発泡ポリ尿素エラストマーの
合成と評価 例5および例7は、低分子量の4官能性ポリオキシアル
キレンポリアミン鎖長延長剤を用いて、ポリ尿素エラス
トマーフォームをどのように作るかを示す。例6Cおよ
び例8C(比較例)は、本発明に用いた鎖長延長剤を用
いずに反応を行った以外は、それぞれ例5および例7と
同様である。
【0048】表2に挙げた成分、すなわちポリイソシア
ナートとポリオキシアルキレンポリアミンを;例1の鎖
長延長剤、他の鎖長延長剤、整泡剤、発泡剤および触媒
を用いるかもしくは用いないで、例2〜4Cですでに述
べた方法に従ってスプレー混合した。結果として得られ
たフォームは数秒で硬化した。前述の方法で被膜を試験
した。その結果を表2に示す。
【0049】
【表3】
【0050】本発明による鎖長延長剤を用いなくて崩壊
した例6Cの対応するフォームとは異なり、例5におい
ては、例1のアミンを用いて、ポリ尿素エラストマーフ
ォームを作ることができた。独立気泡の割合、ならびに
非常に高い圧縮強さとモジュラスの値は、例8Cのフォ
ームと対比して、例1のアミンを用いた例7のフォーム
によって示された。これは部分的には密度の増加による
が、主として例1によって作られたアミンを取り込むこ
とに由来する。例1のアミンの、より高い官能性(4官
能性)がより多数の架橋を与え、それがフォームのより
良好な構造的支持をもたらすと信じられる。このこと
が、より良好なポリマーマトリックスを形成させて、よ
り高い圧縮強さとモジュラスを生み出す。例6Cおよび
例8Cに用いられた2官能性、3官能性の他のアミン
は、このような構造や結果を与えなかった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアナートを、ポリオキシアル
    キレンポリアミンおよび鎖長延長剤と反応させることに
    よるポリ尿素エラストマーの製造方法であって、該鎖長
    延長剤が、2個またはそれ以上のアミノ基を含む少なく
    とも4個の官能基を有する低分子量のポリオキシアルキ
    レンポリアミンであることを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 鎖長延長剤が、一般式 【化1】 (式中、Qは活性水素含有化合物の多価残基であり;そ
    れぞれのRは独立して水素原子またはアルキル基であ
    り;それぞれのxは独立して少なくとも0.5であり;
    yは少なくとも4であり;そしてそれぞれの基Zは独立
    して、2個またはそれ以上の基がアミノ基であるという
    条件で、活性水素含有官能基である)を有する請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 Qがサッカリド残基であり;それぞれの
    Rが水素原子および/またはメチル基であり;xは平均
    1〜40であり;yが4〜8であり;少なくとも半数の
    Zがアミノ基である請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 鎖長延長剤以外のポリオキシアルキレン
    が、一般式 【化2】 (式中、Q´は活性水素含有化合物の多価残基であり;
    それぞれのR´は独立して水素原子またはアルキル基で
    あり;それぞれのx´は少なくとも1であり;そしてy
    ´は少なくとも2である)を有する請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリイソシアナートを、ポリオキシアル
    キレンポリアミンおよび鎖長延長剤と反応させて得られ
    るポリ尿素エラストマーであって、該鎖長延長剤が、2
    個またはそれ以上のアミノ基を含む少なくとも4個の官
    能基を有する低分子量のポリオキシアルキレンポリアミ
    ンであることを特徴とするポリ尿素エラストマー。
  6. 【請求項6】 鎖長延長剤が、一般式 【化3】 (式中、Qは活性水素含有化合物の多価残基であり;そ
    れぞれのRは独立して水素原子またはアルキル基であ
    り;それぞれのxは独立して少なくとも0.5であり;
    yは少なくとも4であり;そしてそれぞれの基Zは独立
    して、2個またはそれ以上の基がアミノ基であるという
    条件で、活性水素含有官能基である)を有する請求項5
    記載のポリ尿素エラストマー。
  7. 【請求項7】 フォームまたは基材上のスプレー被覆材
    の形態である請求項5または6記載のポリ尿素エラスト
    マー。
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