JP2925274B2 - 吹付け用脂肪族ポリ尿素エラストマー - Google Patents

吹付け用脂肪族ポリ尿素エラストマー

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、吹付け用脂肪族ポリ尿素エラストマーに関
する。
吹付け用エラストマー系は一般に塗料として認識され
ており、この用途に用いられるにあたっては吹付け用ポ
リ尿素エラストマー系がとりわけ有用である。芳香族イ
ソシアネートを、芳香族連鎖延長剤の存在下、活性水素
成分と反応させることによって製造される吹付け用芳香
族ポリ尿素エラストマー系に伴う欠点の一つは、紫外線
に暴露される際に見られる安定性の低下である。これ
は、塗装されるべき基材、例えば屋根が継続的に紫外線
に暴露されるものである場合、とりわけ障害をきたす。
その結果であるエラストマー系の紫外線による分解は、
通常、変色;製品結着性の損失、例えば亀裂;各種特
性、いくつか挙げるならば例えば引張り強度、引裂強度
及び伸びの低下などによって明白となる。
もっとも広く用いられる芳香族連鎖延長剤は、Ethyl
社の製品であるジエチレントルエンジアミン(DETDA)
である。このDETDAは、紫外線によって不安定となる系
をもたらすだけでなく、その剛性が原因で塗装される基
材の細部及び形状を帯びることに困難をきたす硬質のエ
ラストマー系を生じさせる。しかし、数ある芳香族連鎖
延長剤のうちのDETDAから製造された吹付け用ポリ尿素
エラストマー系は、一般に良好な加工性を示す。したが
って、良好な加工性を有しながらも、紫外線安定性及び
高い可撓性、すなわち低い剛性を示す吹付け用ポリ尿素
エラストマー系の必要性が認識されている。
しかし、紫外線安定性の系を得るためには、芳香族以
外の、すなわち脂肪族の成分を用いるべきである。例え
ば、Rowton,R.L.は、Journal of Elastomers and Plast
ics、第9巻(1977年10月)の「CYANOETHYLATED POLYOX
YPROPYLENE−POLYAMINES:POLYMER FORMERS OF UNIQUERE
ACTIVITY」において、シアノエチル化されたポリオキシ
プロピレンポリアミンをポリ尿素系における水素成分と
して用い、光安定性の系を得ている。Rowtonは、脂肪族
連鎖延長剤を用いることについては触れていない。
公知の脂肪族連鎖延長剤には、1,4−ジアミノシクロ
ヘキサン及び1,6−ジアミノヘキサンである。これら及
び他の脂肪族連鎖延長剤は、イソシアネートと急速に反
応し、重合が急速に起こるのでポリマーを吹き付けるこ
とは事実上不可能であり、よって吹付け系において使用
することはできない。したがって、本発明によって得ら
れる利点は、主に吹付け系において顕著であり、吹付け
能が問題とされない他のエラストマー系、例えば反応射
出成形(RIM)系においてはそれほど注目すべきもので
はない。
そのうえ、公知の脂肪族連鎖延長剤を用いて製造され
る吹付け用エラストマー系は、DETDAから製造された系
が有するよりも劣った加工性を示すとして周知であっ
た。
米国特許第3,666,788号は、ポリ尿素塗装における硬
化剤として有用であると具体的に記載されているシアノ
アルキル化ポリオキシアルキレンポリアミンに関する。
同様に、米国特許第3,714,128号は、イソシアネート成
分とアミン成分との混合が良好に得られるよう、ポリ尿
素成分のゲル化又は硬化を遅らせ、それによって、ポリ
尿素塗装のゲル化が起こる前に、吹き付けられた物質が
付着及び均展する時間を充分に与えるために有用である
シアノアルキル化ポリオキシアルキレンポリアミンに関
する。これらの特許のいずれも、ポリオキシアルキレン
ポリアミンを吹付け用脂肪族ポリ尿素エラストマー系に
おける連鎖延長剤としては記載していない。
米国特許第4,732,919号においては、ポリオキシアル
キレンポリアミン、とりわけJEFFAMINET−403、D−
400及びD−230が連鎖延長剤として記載されているが、
この特許は、RIM用途に用いられる芳香族系に関するも
のである。
したがって、以下に説明する具体的な脂肪族連鎖延長
剤を含み、紫外線安定性、可撓性の向上及び好ましい加
工性を示す吹付け用脂肪族ポリ尿素エラストマー系はこ
れまでのところ得られていないと考えられる。
したがって、本発明は、成分(A)及び成分(B)か
らなる吹付け用脂肪族ポリ尿素エラストマーに関する。
成分(A)は脂肪族イソシアネートを含む。成分(A)
のイソシアネートは、脂肪族イソシアネートと、少なく
とも1種のポリオール、高分子量ポリオキシアルキレン
アミン又はそれらの物質の混合物から選択される物質と
の準プレポリマーからなることが好ましい。成分(B)
は、(1)アミンを末端基とするポリオキシアルキレン
ポリオール及び(2)アミンを末端基とする脂肪族連鎖
延長剤を含む。
本発明の吹付け用ポリ尿素エラストマー系は、紫外線
安定性であり、増大した可撓性を示し、好ましい加工性
を有するということが好都合にもわかった。さらに、本
吹付け用ポリ尿素エラストマー系の低温伸び率及び生強
度はきわめて良好である。そのうえ、本エラストマー系
は100%固形分であるため、吹付けを促進するための溶
剤が不必要である。
本発明の吹付け用脂肪族ポリ尿素エラストマー系は一
般に2種の成分、(A)及び(B)を含む。具体的に
は、成分(A)は脂肪族イソシアネートを含む。成分
(A)において用いられる脂肪族イソシアネートは、当
業者には公知のものである。したがって、例えば、脂肪
族イソシアネートは、米国特許第4,748,192号に記載さ
れているタイプである。よって、これらは、通常、脂肪
族ジイソシアネートであり、より具体的には、脂肪族ジ
イソシアネートの三量化もしくはビウレット形態、例え
ばヘキサメチレンジイソシアネート又はテトラアルキル
キシレンジイソシアネートの二官能価モノマー、例えば
テトラメチルキシレンジイソシアネートである。シクロ
ヘキサンジイソシアネートもまた、好ましい脂肪族イソ
シアネートと見なすことができる。他の有用な脂肪族ポ
リイソシアネートは、米国特許第4,705,814号に記載さ
れている。それらには、脂肪族ジイソシアネート、例え
ば1,12−ドデカンジイソシアネート及び1,4−テトラメ
チレンジイソシアネートなどのアルキレン基中に4〜12
個の炭素原子を有するアルキレンジイソシアネートがあ
る。さらに記載されているものは、脂環式ジイソシアネ
ート、例えば1,3−及び1,4−シクロヘキサンジイソシア
ネートならびにこれらの異性体の所望の混合物;1−イソ
シアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチ
ルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート);4,
4′−、2,2′−及び2,4′−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネートならびにそれらの相当する異性体の混合
物などがある。前述のイソシアネートは、単独で又は組
み合せて使用することができる。
用語「脂肪族イソシアネート」は、脂肪族イソシアネ
ートと活性水素含有物質との準プレポリマーをも含むと
いうことを理解すべきである。活性水素含有物質は、ポ
リオール、高分子量ポリオキシアルキレンアミン、下記
に述べるアミンを末端基とするポリエーテル又はこれら
の物質の混合物を含むことができる。
ポリオールは、少なくとも500、好ましくは少なくと
も1,000〜2,000の当量(equivalent weight)を有する
ポリエーテルポリオール、ポリエステルジオール、トリ
オール、テトロールなどを含む。分子量4,000以上の三
価ヒドロキシル基の開始剤に基づいたポリエーテルポリ
オールが特に好ましい。ポリエーテルは、エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドあるいは
プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及び/又はエチ
レンオキシドの混合物から製造することができる。本発
明において有用である他の高分子ポリオールは、ヒドロ
キシルを末端基とするゴムのポリエステル、例えばヒド
ロキシルを末端基とするポリブタジエンである。ヒドロ
キシルを末端基とする、ポリオールとイソシアネートと
の準プレポリマーもまた、本発明において有用である。
特に好ましいものは、1,500を越える平均分子量、2
〜6、好ましくは2〜3の官能価及び約750〜4,000のア
ミン当量を有する、第1級及び第2級アミンを末端基と
するポリエーテルポリオールをはじめとする、アミンを
末端基とするポリエーテルポリオールである。アミンを
末端基とするポリエーテルの混合物を用いてもよい。好
ましい実施態様においては、アミンを末端基とするポリ
エーテルは、少なくとも2,500の平均分子量を有する。
これらの物質は、当技術においては公知である種々の方
法によって製造することができる。
本発明において有用である、アミンを末端基とするポ
リエーテル樹脂は、例えば、適当な開始剤に低級アルキ
レンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物を加えた
のち、得られるヒドロキシルを末端基とするポリオール
をアミノ化することによって製造されるポリエーテル樹
脂である。2種以上のオキシドを使用する場合、それら
は、ランダムな混合物として、又は、一もしくは他のポ
リエーテルのブロックとして用いることができる。アミ
ノ化段階においては、ポリオール中の末端ヒドロキシル
基は、アミノ化を容易にするため、実質的にすべて第2
級ヒドロキシル基であることがきわめて望ましい。通
常、アミノ化段階では、ヒドロキシル基のすべてが完全
に置換されることはない。しかし、ヒドロキシル基の大
部分がアミノ基によって置換される。したがって、好ま
しい実施態様においては、本発明において有用であるア
ミンを末端基とするポリエーテル樹脂は、それらの活性
水素のうち50%を越える分をアミン水素の形態で有す
る。エチレンオキシドを使用する場合、ヒドロキシルを
末端基とするポリオールを少量のより高級なアルキレン
オキシドでキャップし、末端ヒドロキシル基が実質的に
すべて第2級ヒドロキシル基となることを保証すること
が望ましい。そして、このようにして製造されたポリオ
ールを、公知の技術、例えば米国特許第3,654,370号に
記載の方法によって還元的にアミノ化する。
本発明を実施するにあたっては、高分子量のアミンを
末端基とするポリオールを単独で用いてもよい。また、
高分子量のアミンを末端基とするポリオールの混合物、
例えば二官能価もしくは三官能価の物質及び/又は異な
る分子量もしくは異なる化学組成の物質の混合物を用い
てもよい。
また、高分子量のアミンを末端基とするポリエーテル
又は単なるポリエーテルアミンを本発明の範囲に含め、
単独で又は前述のポリオールと組み合せて使用してもよ
い。用語「高分子量(ポリオール)」は、少なくとも2,
000の分子量を有するポリエーテルアミンを含むと定義
される。特に好ましいものは、Texaco Chemical社から
入手することができるポリエーテルアミンのJEFFAMINE
シリーズである。これらには、JEFFAMINE D−2000、JEF
FAMINE D−4000、JEFFAMINE T−3000及びJEFFAMINE T−
5000がある。これらのポリエーテルアミンは、「THE JE
FFAMINE POLYOXYALKYLEN−AMINES」と題するTexaco Che
mical社の製品カタログにおいて詳細に記載されてい
る。
本吹付け用ポリ尿素エラストマー系の成分(B)は、
アミンを末端基とするポリオキシアルキレンポリオール
及びアミンを末端基とする脂肪族連鎖延長剤を含む。ア
ミンを末端基とするポリオキシアルキレンポリオール
は、ジオール又はトリオールから選択されることが好ま
しく、ジオール及び/又はトリオールのブレンドである
ことがもっとも好ましい。成分(B)において使用され
る具体的なポリオール、すなわちジオール及び/又はト
リオールは、成分(A)の準プレポリマーに関連して先
に説明したものと同じである。
成分(B)のアミンを末端基とする連鎖延長剤は、一
般に、末端アミン基を含有する低分子量のポリオキシア
ルキレンポリアミンとして記載される。ある具体的な連
鎖延長剤は、式: (式中、x+y+zは約5.3の値を有する) によって示される。平均アミン水素当量は約67であり、
この生成物は、JEFFAMINE T−403としてTexaco Chemica
l社から市販されている。
もう一つの関連するポリオキシプロピレンポリアミン
連鎖延長剤は、式: (式中、xは約5.6の値を有する) によって示される。この生成物は、約100の平均アミン
水素当量を有し、Texaco Chemical社からJEFFAMINE D−
400として市販されている。xの平均値が約2.6である、
上記のものと同じ式を有する生成物が有用である。この
生成物は、約57.5の平均アミン水素当量を有し、Texaco
Chemical社からJEFFAMINE D−230として市販されてい
る。
これらの脂肪族連鎖延長剤は、良好な硬化及び良好な
吹付け加工特性を得るために必要な活性をエラストマー
系に与える。それに加え、このようにして形成された脂
肪族系は紫外線安定性でありかつ、改善された可撓性を
示すことから、非常に複雑な形状の基材に対しても効果
的に吹き付けることができる。
他の従来の配合成分、例えばシリコーン油としても知
られる気泡安定剤又は乳化剤を、必要に応じて、成分
(A)又は(B)に含めてもよい。気泡安定剤は有機シ
ラン又はシロキサンであることができる。例えば、式: RSi[O−(RSiO)n−(オキシアルキレン)mR]3 (式中、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で
あり、nは4〜8の整数であり、mは20〜40の整数であ
り、オキシアルキレン基はプロピレンオキシド及びエチ
レンオキシドから誘導される)を有する化合物を用いる
ことができる。例えば、米国特許第3,194,773号を参照
するとよい。顔料、例えば二酸化チタンを、エラストマ
ー系、好ましくは成分(B)中に含め、エラストマーに
色特性を与えてもよい。
本発明の実施にあたって補強剤の使用を望むならば、
有用であるものは当業者に公知である。例えば、裁断も
しくは微粉砕されたガラス繊維、裁断もしくは微粉砕さ
れた炭素繊維及び/又は他の鉱物繊維が有用である。
本発明のエラストマーの後硬化は任意に実施される。
後硬化は、エラストマー特性、例えば熱による弛みを改
善するであろう。後硬化の実施は、最終生成物の所望の
特性に依存する。
本吹付け用ポリ尿素エラストマー系の成分(A)及び
(B)は、高圧下で合せるか、又は、混合させる。もっ
とも好ましくは、これらを、高圧吹付け装置、例えばGU
SMER社のGX−7型スプレーガンを具備したGUSMER社のH
−Vプロポーショナ(比例制御装置)中で直接衝突混合
させる。具体的には、成分(A)及び(B)の第一及び
第二の加圧流をプロポーショナの独立した2室から送り
出し、互いに高速で激突又は衝突させて、2成分の緊密
な混合、ひいてはエラストマー系の形成をもたらし、こ
れをスプレーガンを介して所望の基材に塗布する。
成分(A):成分(B)の体積比は一般に30:70〜70:
30である。好ましくは、成分(A)及び成分(B)を1:
1の体積比において用いる。
好都合にも、成分(A)及び(B)は、触媒を用いな
くとも、反応して本発明のエラストマー系を形成する。
用語及び物質の解説 TEXOX PPG−2000:分子量約2000のポリプロピレンオキシ
ド;Texaco Chemical社の製品。
JEFFAMINE T−5000:分子量約5000のポリプロピレンオキ
シドトリアミン;Texaco Chemical社の製品。
JEFFAMINE T−3000:分子量約3000のポリプロピレンオキ
シドトリアミン;Texaco Chemical社の製品。
JEFFAMINE D−4000:分子量約4000のポリプロピレンオキ
シドジアミン;Texaco Chemical社の製品。
JEFFAMINE D−2000:分子量約2000のポリプロピレンオキ
シドジアミン;Texaco Chemical社の製品。
JEFFAMINE T−403、D−400及びD−230は上で具体的に
説明している。
以下の実施例I〜Xを用いて本発明の好ましい実施態
様をより詳細に説明する。
実施例I及びIIは、上述の成分(A)及び(B)を合
せることによって脂肪族ポリ尿素エラストマーを製造し
うるということを示す。
実施例I m−テトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TM
XDI)60部をTEXOX PG−2000 40部と合せることによって
脂肪族ポリ尿素エラストマーの成分(A)を製造した。
JEFFAMINE T−5000 15.8部、JEFFAMINE D−2000 36.8部
及びJEFFAMINE D−230 47.4部を合せることによって成
分(B)を製造した。成分(A)及び(B)を1:1の体
積比において手で合わせ、脂肪族ポリ尿素エラストマー
を製造した。
実施例II m−TMXDI60部をJEFFAMINE D−2000 40部と合せるこ
とによって脂肪族ポリ尿素エラストマーの成分(A)を
製造した。成分(B)は実施例Iにおける方法と同様に
製造した。成分(A)及び(B)を1:1の体積比におい
て手で合わせ、約20秒のゲル化時間を有する脂肪族ポリ
尿素エラストマーを製造した。
実施例III m−TMXDI55部をJEFFAMINE D−2000 45部と合せて準
プレポリマーを形成することによって吹付け用脂肪族ポ
リ尿素エラストマーの成分(A)を製造した。JEFFAMIN
E T−5000 17.1部、JEFFAMINE D−2000 40部及びJEFFAM
INE D−230 42.9部を合わせることによって成分(B)
を製造した。成分(A)及び(B)を1:1の体積比及び
1.096:1の重量比で合わせた。成分(A)及び(B)をG
USMER社製のH−Vプロポーショナ中で混合した。成分
(A)を160゜F(71℃)の温度及び2800psiの圧力に維持
し、成分(B)を150゜F(66℃)の温度及び2000psiの圧
力に維持した。混合された生成物を、GUSMER社のGX−7
型スプレーガンを介して、離型剤で前処理しておいたス
テンレススチール製の基材に吹き付けた。離型剤は、ス
テアリン酸亜鉛/オレイン酸ナトリウムの混合物を水/
イソプロピルアルコール混合物中に溶解させることによ
って製造した。製造された吹付け用脂肪族ポリ尿素エラ
ストマーは、約20秒のゲル化時間を示し、粘着質である
と思わせる低い指数(1.05)を有していた。
実施例IIIにおいて製造されたエラストマーの物理特
性を分析した。その結果を表Iにまとめる。
実施例IV この実施例の吹付け用脂肪族ポリ尿素エラストマーの
成分(A)を実施例IIIに従って製造した。成分(B)
は、JEFFAMINE T−5000 15.58部、JEFFAMINE D−2000 3
6.36部、JEFFAMINE T−430 20.78部及びJEFFAMINE D−2
30 27.27部を合せることによって製造した。成分(A)
及び(B)を1:1の体積比及び1.088:1の重量比で混合し
た。成分(A)及び(B)を実施例IIIに述べた方法及
び条件の下で混合して吹き付けた。しかし、この実施例
では、異なる厚さの4試料をステンレススチール製の基
材に吹き付けた。実施例IVにおいて製造されたエラスト
マーの物理特性を4試料のそれぞれについて試験した。
4試料のそれぞれの厚さ及び試験から得られたデータを
表IIにまとめる。製造された吹付け用脂肪族ポリ尿素エ
ラストマーは約2.5秒のゲル化時間を示した。
実施例V〜VII 実施例V、VI及びVIIにおいては、製造される吹付け
用脂肪族ポリ尿素エラストマーの成分(A)を実施例II
Iに従って製造した。これらのエラストマーの成分
(B)は、JEFFAMINE T−5000 10.5部、JEFFAMINE D−2
000 41.6部、JEFFAMINE T−430 20.8部及びJEFFAMINE D
−230 26.7部を合せることによって製造した。成分
(B)にはさらに以下を含めた。
実施例V :Reactint Black 0.4部 実施例VI :Reactint Blue 0.4部 実施例VII:Reactint Red 0.4部 実施例V、VI及びVIIの成分(A)及び(B)を実施
例IIIに述べた方法及び条件の下で混合して吹き付け
た。成分(A):(B)の体積比は1:1であり、成分
(A):(B)の重量比は1.085:1であった。実施例V
〜VIIにおいて製造されたエラストマーのそれぞれは、
約2.5秒のゲル化時間及び1.05の指数を示した。ごくわ
ずかな初期粘着性が各エラストマーにおいて注目され
た。実施例V〜VIIにおいて製造されたエラストマーの
いくつかの物理特性を分析した。結果を表IIIにまとめ
る。
実施例VIII 本実施例の吹付け用ポリ尿素エラストマーの成分
(A)及び(B)を、Reactint Black(実施例V)、Bl
ue(実施例VI)及びRed(実施例VII)を用いなかった以
外は実施例V〜VIIに従って製造、混合及び吹付けし
た。
実施例IX この実施例においては、製造される吹付け用脂肪族ポ
リ尿素エラストマーの成分(A)を実施例IIIに従って
製造した。成分(B)は、JEFFAMINE T−5000 9.96部、
JEFFAMINE D−2000 39.84部、JEFFAMINE T−430 19.92
部、JEFFAMINE D−230 26.15部及び二酸化チタン4.13部
を合せることによって製造した。成分(A)及び(B)
を1:1の体積比及び1.064:1の重量比で混合した。指数は
1.07であった。得られた白色の吹付け用脂肪族ポリ尿素
エラストマーは2.0秒のゲル化時間を有していた。
実施例X この実施例においては、製造される吹付け用脂肪族ポ
リ尿素エラストマーの成分(A)を実施例IIIに従って
製造した。成分(B)は、JEFFAMINE T−3000 11.27
部、JEFFAMINE D−2000 45.07部、JEFFAMINE T−430 1
6.9部及びJEFFAMINE D−230 26.76部を合せることによ
って製造した。成分(A)及び(B)を1:1の体積比及
び1.085:1の重量比で混合した。指数は1.10であった。
得られた吹付け用脂肪族ポリ尿素エラストマーは2.0秒
のゲル化時間を有していた。
実施例VIII〜Xにおいて製造された吹付け用脂肪族ポ
リ尿素エラストマーの物理特性を分析した。結果を表IV
にまとめる。
これらのデータが示すとおり、本発明の吹付け用脂肪
族ポリ尿素エラストマーは、優れた生強度及び低温での
伸び特性を有している。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)脂肪族ポリイソシアネートを含む成
    分ならびに(B)アミンを末端基とするポリオキシアル
    キレンポリオール及び連鎖延長剤を含む成分からなる吹
    付け用脂肪族ポリ尿素エラストマーであって、該連鎖延
    長剤が、 (i)式: (式中、x+y+zは約5.3の値を有し、平均アミン水
    素当量は約67である) で示される化合物; (ii)式: (式中、xは約5.6の値を有し、平均アミン水素当量は
    約100である) で示される化合物; (iii)式: (式中、xは約2.6の値を有し、平均アミン水素当量は
    約57.5である) で示される化合物;又は (iv)化合物(i)、(ii)及び(iii)のうち少なく
    とも2種の組合せ であり、そして該ポリオキシアルキレンポリオールが15
    00より大きい平均分子量を有するものであることを特徴
    とするエラストマー。
  2. 【請求項2】脂肪族イソシアネートが、ヘキサメチレン
    ジイソシアネート、テトラアルキルキシレンジイソシア
    ネート、シクロヘキサンジイソシアネート、1,12−ドデ
    カンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシ
    アネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキ
    シルメタンジイソシアネート、それらの混合物又は脂肪
    族イソシアネートと活性水素含有物質との準プレポリマ
    ーである請求項1記載のエラストマー。
  3. 【請求項3】準プレポリマーの活性水素含有物質が、ポ
    リオール、高分子量ポリオキシアルキレンアミン又はそ
    れらの組合せである請求項2記載のエラストマー。
  4. 【請求項4】ポリオール及び成分(B)のアミンを末端
    基とするポリオキシアルキレンポリオールが、少なくと
    も500の当量を有するポリエーテルポリオール又はポリ
    エステルポリオールを含む請求項3記載のエラストマ
    ー。
  5. 【請求項5】ポリエステルポリオールが、ヒドロキシル
    を末端基とするゴムのポリエステルである請求項4記載
    のエラストマー。
  6. 【請求項6】ポリエーテルポリオールが、少なくとも4,
    000の分子量を有する三価ヒドロキシル基の(3個のヒ
    ドロキシル基を有する)開始剤に基づいたポリオール;1
    500より大きい平均分子量、2〜6の官能価及び750〜40
    00のアミン当量を有するアミンを末端基とするポリエー
    テルポリオール;又はそれらの混合物である請求項4記
    載のエラストマー。
  7. 【請求項7】ポリエーテルポリオールが、50%より多い
    活性水素をアミン水素の形態で有するアミンを末端基と
    するポリエーテル樹脂から誘導される請求項4記載のエ
    ラストマー。
  8. 【請求項8】顔料及び/又は微粉砕もしくは裁断された
    ガラス繊維もしくは鉱物繊維から選択される補強材をさ
    らに含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のエラスト
    マー。
  9. 【請求項9】成分(A)及び成分(B)を混合して基材
    に吹き付けることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    一項に記載の吹付け用ポリ尿素エラストマーの形成方
    法。
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