JPH061663A - 窒化珪素焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化珪素焼結体の製造方法

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JPH061663A
JPH061663A JP4165079A JP16507992A JPH061663A JP H061663 A JPH061663 A JP H061663A JP 4165079 A JP4165079 A JP 4165079A JP 16507992 A JP16507992 A JP 16507992A JP H061663 A JPH061663 A JP H061663A
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JP
Japan
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sintering
silicon nitride
temperature
strength
temp
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JP4165079A
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English (en)
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Hidemitsu Sakamoto
秀光 坂元
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非酸化性雰囲気の常圧焼結法により室温強度
に優れた窒化珪素焼結体が得られる窒化珪素焼結体の製
造方法。 【構成】 窒化珪素と焼結助剤を混合し成形した成形体
を非酸化性雰囲気中1600℃以下の温度で焼結するに
際し、1350〜1500℃の間の一定温度で1次焼結
した後、1500〜1600℃の間の一定温度で2次焼
結を行うことを特徴とするものであり、1350〜15
00℃の間の一定温度での1次焼結により、従来の低温
での焼結よりもさらに低い温度で焼結するので、α→β
転移開始付近の低温度で保持されるため、α→β転移が
効果的に促進され、次の1500〜1600℃の間の一
定温度での2次焼結により、焼結体が充分に緻密化する
ので高い室温強度が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化珪素焼結体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素(Si34)は炭化珪素と共
に、極めて共有結合性の大きい物質であり、靱性も比較
的高く、耐熱衝撃性、耐摩耗性に優れるので、高温構造
用セラミックスとてし各種分野に適用されている。
【0003】一方この共有結合性が強いという性質は、
高温での粒子間の固着、すなわち焼結しにくいことを意
味しており、高温に加熱してもそのままでは焼結できな
い。このため、このようなセラミックスを焼結するに際
しては、高温で窒化珪素と反応し、粒子を固着させるこ
とのできるような焼結助剤を用いることが多い。
【0004】窒化珪素セラミックスの焼結方法として
は、常圧焼結、ホットプレス、反応焼結、ガス圧焼結等
があり、それぞれ一長一短がある。例えば、ホットプレ
スは高強度が得られるものの、黒鉛型を必要とするため
高価であり、複雑形状品の製造に難点があり、反応焼結
法では添加物の使用がないため高温での強度低下は少な
いが、低強度である。
【0005】その点で、常圧焼結法は強度はそれ程高く
ないが、複雑形状が製造可能で経済性に優れる。すなわ
ち、常圧焼結は原料粉体に焼結助剤を加えて成形し、窒
素雰囲気中で加熱して焼結を行うのもで、焼成収縮が大
きいという欠点があるが、成形に従来のセラミックスの
形成法が適用できるため任意の形状と大きさの製品を作
ることが可能である。
【0006】例えば、TSN91−1366では平均粒
径が0.5μm以下の窒化珪素粉末に、焼結助剤として
23とMgAl24を添加量総量で5〜15%添加す
ると共にこれら焼結助剤の添加比を0.3〜10の範囲
で混合し、成形後窒素雰囲気で1400〜1650℃の
範囲で焼結し、低温での焼結でも従来の高温での焼結体
並みの室温強度の焼結体を得ている。
【0007】一方、Si34は融点をもたず、1870
℃付近で分解し、1700℃以上では蒸発が激しくな
り、焼結が困難である。蒸発を抑制するため、10気圧
以上の窒素ガス圧下で焼成する加圧雰囲気焼結も行われ
ており、この方法では、焼結助剤量も減らすことも可能
で、高温強度の改善ができる。
【0008】例えば、特開昭61−215260号公報
の窒化珪素セラミックスの製造法の発明においては、焼
結助剤を混合し成形した窒化珪素を1〜1.3kg/c
2の窒素ガス雰囲気中において1450〜1600℃
の範囲内の一定温度で1〜5時間1次焼結を行い、次に
5〜10kg/cm2の窒素ガス雰囲気において160
0〜1800℃の温度で2次焼結を行い、部分的に肉厚
差のある場合に表面も内部も均質に焼結させた焼結体を
得ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、窒化珪素に
は低温型のα晶と高温型のβ晶があり、α型窒化珪素は
焼結中に液相を介在させて1400℃以上の温度におい
てβ型窒化珪素に変化する。このα型窒化珪素からβ型
窒化珪素への転移は、焼結温度が1400℃以上の温度
で始まり焼結温度が1600℃になるとほぼ100%完
了する。そのため、焼結温度の上昇と共に強度は向上す
る。焼結助剤としてY23およびMgAl 24を混合し
た窒化珪素焼結体の焼結温度と曲げ強度およびα分率の
関係は図1に示す通りであって、焼結温度の上昇に伴っ
て強度が向上する。
【0010】しかしながら、図1に示したように、焼結
温度が1600℃を越えると、粒成長のため強度が却っ
て低下する。また、1600℃の高温で焼結すると、焼
結体は充分に緻密化しないという問題点がある。そのた
め、常圧焼結においては、焼結温度を1600℃以下に
して焼結することが推奨される。
【0011】また、前記TSN91−1366の発明に
おいては、1550℃より低い焼結温度では緻密な焼結
体は得られても、焼結温度の低下に伴い強度は低下す
る。さらに、α晶からβへの転移が不充分であり、焼結
体組織は微細になるが、柱状晶粒子の成長が見られず、
そのため強度は低下する。
【0012】本発明は窒化珪素を1600℃以下の非酸
化性雰囲気で常圧焼結する窒化珪素焼結体の製造方法の
前記のごとき問題点を解決するためになされたものであ
って、焼結体を充分に緻密化すると共に室温強度を従来
よりも向上することのできる窒化珪素焼結体の製造方法
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者は窒化珪素の焼結
工程において、α→β転移を促進し、かつ焼結体を緻密
化する方法について鋭意検討を重ねた。その結果、焼結
体を一旦α→β転移開始付近の低温で保持した後、15
00〜1600℃の一定温度まで加熱することによって
α→β転移を促進し、これが粒状→柱状への粒子形態の
変化を引き起こし強度が向上することを新たに知見し本
発明を完成した。
【0014】本発明の窒化珪素焼結体の製造方法は、所
定の平均粒径以下の窒化珪素粉末に焼結助剤を添加して
所定形状に成形し、この成形体を非酸化性雰囲気中16
00℃以下の温度で焼結し、緻密で高強度な窒化珪素焼
結体を製造する方法であって、1350〜1500℃の
間の一定温度で1次焼結した後、1500〜1600℃
の間の一定温度で2次焼結を行うことを要旨とする。
【0015】Si34粉末としては、シリコンジイミド
の熱分解法、または金属シリコンの直接窒化法により生
成されたSi34粉末で、平均粒径が0.5μm以下、
α化率90%以上のものが好ましい。焼結助剤としては
23、MgAl24、Al23、MgO、Ti
2、ZrO2等を用い、Si34粉末に対して5〜15
%添加した粉末を窒化珪素製ボールミルで混合する。
【0016】次にこの混合粉に少量の有機バインダを加
えて顆粒とし、プレス成形、流込み成形、押し出し形
成、射出形成等従来から公知の任意の成形法により形成
する。成形体は500℃まで徐々に加熱して有機バイン
ダを燃焼させ、成形体の形状に応じて適宜の昇温速度で
加熱する。
【0017】
【作用】成形体の1次焼結の温度は1350〜1500
℃の間の一定温度であって、従来の低温での焼結よりも
さらに低い温度で焼結するので、α→β転移開始付近の
低温度で保持されるため、α→β転移が効果的促進され
る。そのため、次の1500〜1600℃の間の一定温
度での2次焼結により、焼結体が充分に緻密化すると共
に更に高い強度が得られる。
【0018】本発明において、1次焼結温度を1350
〜1500℃の間の一定温度としたのは、1次焼結温度
が1350℃未満であると焼結体が緻密化せず強度が低
下するからであり、1500℃を越えると焼結体は緻密
化するが焼結体組織の粒径が粗くなり強度が低下するか
らである。
【0019】また、2次焼結温度を1500〜1600
℃の間の一定温度としたのは、2次焼結温度が1500
℃未満であると焼結体が充分に緻密化せずα→β転移も
不充分で強度が低下するからであり、1600℃を越え
るとβ化率はほぼ100%に達するが焼結体組織の粒径
が粗くなり強度が低下するからである。
【0020】なお、1次焼結および2次焼結の焼結時間
は2〜5時間とすることが好ましい。2時間未満ではα
→β転移が不充分となるからであり、5時間を越えると
焼結体組織の粒径が粗くなり強度が低下するからであ
る。最も好ましい焼結条件は、1次焼結が1450℃で
4時間、2次焼結が1550℃で4時間であって、この
条件のときに最高の強度値が得られる。
【0021】
【実施例】本発明の実施例を比較例と対比しつつ説明
し、本発明の効果を明らかにする。Si34粉末として
シリコンジイミトの熱分解法で生成されたSi34粉末
であって、平均粒径0.5μm以下、α化率90%以上
のものに、焼結助剤としてY23およびMgAl24
10%添加し、窒化珪素製ボールミルで混合した。な
お、Y23とMgAl24の添加比率は1.5とした。
【0022】次に、この混合粉を200kg/cm2
圧力で加圧成形し、その成形体を薄ゴムに詰めて真空封
入後、CIPにて3000kg/cm2の圧力で加圧
後、この成形体を表1に示す条件でN2雰囲気中の炉内
で焼結させた。なお、表1において、試料No.1〜1
2は本発明の実施例、試料No13〜19は比較例であ
って、No.13は1次焼結温度が低い比較例、No.
14は1次焼結保持時間の短い比較例、No.15は1
次焼結保持時間の長い比較例、No.16は2次焼結温
度が高かった比較例、No.17は2次焼結温度が低か
った比較例、No.18は1次焼結温度が高かった比較
例、No.19は2次焼結温度が高かった比較例であ
る。
【0023】
【表1】
【0024】得られた焼結体について相対密度、β化率
および室温における4点曲げ強度(JIS−R−160
1)を各10本測定してその平均強度を表1にまとめて
示した。なお、焼結体の相対密度はn−ブタノール置換
法で求めた嵩密度を理論密度で除して得た値である。
【0025】表1に示したように、1次焼結温度が13
50℃より低かった比較例No.13は相対密度が9
1.7%と充分に緻密化しないため室温強度が750M
Paと低く、逆に1次焼結温度が1500℃より高かっ
た比較例No.18は相対密度が99.6%で充分に緻
密化したが焼結体組織の粒径が粗くなるため、強度は8
90MPaと低かった。
【0026】1次焼結時間が1時間と短かった比較例N
o.14はα→β転移が不十分でβ化率85%と低く、
そのため強度も980MPaと低かった。その逆に1次
焼結時間が6時間と長過ぎた比較例No.15はβ化率
は高かったものの、組織の粒成長のため強度が960M
Paと低かった。
【0027】また、2次焼結温度が1500℃より低か
った比較例No.17は相対密度が97.3%と充分な
緻密化が得られずまたα→β転移も不十分でβ化率が低
く、そのため強度も720MPaと低かった。反対に2
次焼結温度が1600℃より高かった比較例No.16
および19はβ化率は100%に達したが、焼結体組織
の粒径が粗かったため、強度は900〜960MPaと
低かった。
【0028】これに対して本発明の実施例であるNo.
1〜13は、α→β転移開始付近の低温度で保持される
ため、α→β転移が効果的に促進され、次の2次焼結に
より、焼結体が99.2〜99.8%と充分に緻密化し
たので、室温強度は1350〜1590MPaの高い強
度が得られることが判明し、本発明の効果を確認するこ
とができた。
【0029】
【発明の効果】本発明の窒化珪素焼結体の製造方法は以
上詳述したように、窒化珪素と焼結助剤を混合し成形し
た成形体を非酸化性雰囲気中1600℃以下の温度で焼
結するに際し、1350〜1500℃の間の一定温度で
1次焼結した後、1500〜1600℃の間の一定温度
で2次焼結を行うことを特徴とするものであり、135
0〜1500℃の間の一定温度での1次焼結により、従
来の低温での焼結よりもさらに低い温度で焼結するの
で、α→β転移開始付近の低温度で保持されるため、α
→β転移が効果的に促進され、次の1500〜1600
℃の間の一定温度での2次焼結により、焼結体が充分に
緻密化するので高い室温強度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化珪素焼結体の焼結温度と曲げ強度およびα
分率の関係を示す線図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の平均粒径以下の窒化珪素粉末に焼
    結助剤を添加して所定形状に成形し、この成形体を非酸
    化性雰囲気中1600℃以下の温度で焼結し、緻密で高
    強度な窒化珪素焼結体を製造する方法であって、135
    0〜1500℃の間の一定温度で1次焼結した後、15
    00〜1600℃の間の一定温度で2次焼結を行うこと
    を特徴とする窒化珪素焼結体の製造方法。
JP4165079A 1992-06-23 1992-06-23 窒化珪素焼結体の製造方法 Pending JPH061663A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001064080A (ja) * 1999-06-23 2001-03-13 Ngk Insulators Ltd 窒化珪素焼結体及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001064080A (ja) * 1999-06-23 2001-03-13 Ngk Insulators Ltd 窒化珪素焼結体及びその製造方法

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