JP3124866B2 - 窒化珪素質焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化珪素質焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大型品や肉厚品からな
る構造用材料や熱機関用材料として好適な窒化珪素質焼
結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より窒化珪素質焼結体は、強度、靱性
に優れた材料として注目され、構造用材料や熱機関用材
料としてその応用が進められている。
【0003】窒化珪素質焼結体は、窒化珪素自体が難焼
結性であることからAl2 3 やY2 3 などの周期律
表第3a族元素酸化物などの焼結助剤を添加し、窒素等
の非酸化性雰囲気で1600〜2000℃の温度で液相
を生成させることにより焼結を進行させて緻密化を行っ
ている。また、焼成時の温度が高くなると窒化珪素が分
解するために、窒素ガス圧力が2気圧以上の加圧雰囲気
で焼成する方法が採用されている。
【0004】特に、最近では、焼結体の高密度化および
さらなる特性の向上を目指し、焼成方法の改善が行われ
ている。その一例として、低窒素圧力下で開気孔率があ
る程度減少した後に、高圧窒素中で焼成する多段焼成法
が提案されている。かかる方法によれば、焼成により開
気孔が閉気孔に変化する際に、閉気孔中に高圧のガスが
トラップされることがなく、高密度の焼結体が得られる
という利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、窒素
中で液相焼結した場合、液相成分中に窒素が固溶し、液
相の粘度及び融点が上昇し、溶解、再析出による緻密化
を阻害することがわかった。そのため、上記の多段焼成
法によれば、開気孔が閉気孔に変化する際に、低圧なが
ら成形体中に窒素ガスがトラップされてしまい、その後
の高圧窒素中での焼成時に内部にトラップされた窒素が
液相中に固溶し液相の粘度や融点が上昇するため、外部
に比較して内部が焼結不足となりやすく、特に大型品や
肉厚品を製造する場合に長時間の焼成が必要であった
り、内外の密度、組成が不均一になるという問題が生じ
ていた。また、ホットプレス法、ガラスカプセルHIP
法では比較的短時間で内部まで焼結させることが可能で
あるが、複雑形状品に適用することが難しく、コスト的
に高くなるため量産化ができないのが現状であった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、焼結過
程における窒素の液相成分中への溶解を防止するための
方法について検討を重ねた結果、焼成雰囲気中に不活性
ガスを導入することにより、窒素の液相成分中への固溶
を抑制できることを見出した。しかし、その場合窒素圧
力を低くなるために焼成温度を高めることができず、焼
成時間を長くする必要がある。そこで、本発明によれ
ば、ある程度焼結が進行した後に、高温高圧窒素中 焼
成することにより短時間でしかも大型品や肉厚品に対し
ても均一な組成や組織からなる焼結体を得ることができ
ることを知見した。
【0007】即ち、本発明の窒化珪素質焼結体は、窒化
珪素からなる主成分と、焼結助剤からなる混合物を成形
後、非酸化性雰囲気中で焼成する窒化珪素質焼結体の製
造方法において、前記焼成が、不活性ガスを50%以上
含有する全圧力が0.1〜2気圧の窒素雰囲気中で成形
体の開気孔が消滅するまで1500〜1700℃の温度
で焼成する第1焼成工程と、第1の焼成工程よりも高温
高圧下の窒素雰囲気中で焼成する第2焼成工程とを具備
することを特徴とするものである。
【0008】以下、本発明を詳述する。本発明によれ
ば、まず原料粉末として窒化珪素粉末および焼結助剤粉
末を準備する。窒化珪素粉末としては、平均粒径が0.
3〜1.5μm、酸素量3.0重量%以下、金属不純物
量2.0重量%以下のα型、β型のいずれの原料でも用
いることができる。なお、場合によっては、珪素粉末を
用いて成形後に窒化することにより窒化珪素成分を形成
してもよい。
【0009】焼結助剤としては、Y2 3 、La
2 3 、Er2 3 、Yb2 3 、Dy23 、Ho2
3 などの周期律表第3a族元素酸化物や、Al
2 3 、MgOおよびSiO2 などの公知の助剤を用い
ることができる。これらの助剤は全体量中、0.5〜2
0重量%の範囲で添加され、助剤の量が0.5重量%よ
り少ないと焼結性が悪く、20重量%を越えると焼結体
の機械的特性が劣化してしまう。
【0010】次に、上記の原料粉末を所定の割合で混合
した後、これを周知の成形方法、プレス成形、押出成
形、射出成形、冷間静水圧成形、鋳込み成形などの方法
により所望の形状に成形した後、かかる成形体を焼成す
る。
【0011】本発明における焼成工程は、大きく2つの
工程からなる。まず、第1焼成工程として、液相が生成
され焼結が進行し始める温度である1500℃以上の温
度で、窒素を含む全圧力が0.1〜2気圧の低圧下で焼
成する。この時の全圧力を上記の範囲に限定したのは、
圧力が0.1気圧より低いと窒化珪素が分解しやすくな
るためで、圧力の上限を2気圧としたのは、焼結が進行
するに伴い開気孔が閉気孔に変化する際に閉気孔中にト
ラップされるガスの圧力を低くするためである。そのた
め、この工程での窒素圧力が低いために1700℃を越
えると、窒化珪素が分解するため1700℃以下で焼成
することが必要である。また、この第1の焼成工程は成
形体の開気孔が閉気孔に変化するに十分な時間行うこと
が必要である。
【0012】また、本発明によれば、開気孔から閉気孔
に変化する際に成形体中にトラップされるガス種とし
て、これまでの窒素ガスから、アルゴンやヘリウムなど
の不活性ガスに変更することが大きな特徴である。その
ため、かかる工程における雰囲気中にアルゴンやヘリウ
ムなどの不活性ガスを窒素ガスとともに導入し、この時
の不活性ガス濃度を、窒素ガス圧力との合圧(全圧力)
の50%以上、特に80%以上に制御することが必要で
ある。これは、不活性ガス濃度が50%未満では、成形
体の閉気孔中にトラップされた際の窒素の液相成分中へ
の固溶量が多く、本発明の目的が達成されないためであ
る。
【0013】次に、上記第1の焼成工程により開気孔が
消失した焼結体を窒素雰囲気中で焼成する。この第2焼
成工程における焼成温度は第1の焼成工程における焼成
温度より高温であることが必要で、適正な温度範囲は組
成により変動するがおよそ1700℃以上に設定され
る。この時の温度が第1焼成工程の焼成温度より低いと
緻密化が達成されない。また、焼成温度を過度に高める
ことは経済的でないことを考慮すれば焼成温度の上限は
1950℃に設定される。なお、この第2の焼成工程中
における雰囲気は焼成温度が高くなるに伴い、窒化珪素
の分解を抑制するに十分な窒素圧力下で行うことが必要
であるため、窒素分圧はおよそ2気圧以上に設定され
る。また、雰囲気圧力は、窒素分圧が上記範囲内である
ことを満足するものであれば、不活性ガスなどを混合す
ることもでき、全圧力を10〜2000気圧の高圧下で
処理することもできる。
【0014】
【作用】従来、第1焼成工程における雰囲気が窒素雰囲
気であるため、開気孔が閉気孔に変化する際に閉気孔中
に窒素ガスがトラップされ、第2焼成工程において液相
中に窒素ガスが固溶することにより液相の融点やガラス
転移温度が高くなり、内部の焼結性を低下させていた
が、本発明によれば、第1焼成工程における雰囲気を不
活性ガスを主体とする雰囲気としたため、閉気孔中にト
ラップされたガスにより液相の特性を変化させることが
なく、第2焼成工程において内部の焼結性が高められる
ことから、比較的低温でしかも短時間で焼成することが
可能となる。
【0015】これにより、大型品や肉厚品であっても焼
結体の内部、外部で緻密性や特性に差がなく、均一な焼
結体を得ることができる。
【0016】
【実施例】
実施例1 α率95%、BET比表面積10m2 /g、酸素量1.
2重量%の直接窒化法により製造した市販の窒化珪素原
料にY2 3 を4重量%、Al2 3 を4重量%添加し
た組成物と、Y2 3 5重量%、Yb2 3 5重量%添
加した組成物を調製後、湿式混合粉砕しスラリーを乾燥
後、3ton/cm2 の圧力にて直径60mm、厚み4
0mmの形状にラバープレス成形した。得られた成形体
を表1の条件に従い焼成した。なお、焼成時の窒化珪素
の分解を抑制するため200g/lの窒化珪素粉末を敷
いて成形体を配置した。
【0017】得られた焼結体の内部および外部から3×
4×40mmのテストピースを切り出し研磨してJIS
R1601に基づき4点曲げ強度試験を行った。また、
アルキメデス法によるかさ密度を測定した。結果は表
1、2に示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表1および表2によれば、従来法に基づき
単一の焼成工程で焼成した試料No.15では得られた焼
結体の内外差が大きく、特に内部は緻密化不足してい
る。また、多段焼成した場合、第1焼成工程をN2 中で
行った試料No.1、2では、内部が十分に緻密化されて
おらず、焼成温度を高めたり時間を長くして焼結を進行
させたところ、焼結体中に異常粒成長が観察され、これ
が破壊源となっており、しかも内外の不均一性を解消す
ることができなかった。このことは組成の異なる試料N
o.16でも同様であった。
【0021】これに対して、第1焼成工程中の雰囲気中
に不活性ガスを導入した場合、内外差を小さくすること
ができたが、不活性ガス量が50%未満の試料No.3、
17ではその効果が顕著でない。また、第1焼成工程に
おける全圧が0.1気圧より低い試料No.7では、窒化
珪素の分解が確認された。逆に圧力が2気圧を越える試
料No.9、24では内部を緻密化するができなかった。
【0022】これに対して、本発明の試料はいずれも相
対密度で内外差が2%以内と比較例に比べて内部が緻密
化されていることが確認された。それにより内部と外部
との強度差も50kg/mm2 以内と機械的特性も均一
性に優れたものであった。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
内外差なく焼結を進行させることができるため、大型品
や肉厚品の焼結体を得る場合においても、密度や機械的
特性において内外差のない均質な焼結体を得ることがで
きる。これにより、かかる焼結体を用いた製品の信頼性
を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/584 C04B 35/64

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化珪素からなる主成分と、焼結助剤から
    なる混合物を成形後、非酸化性雰囲気中で焼成する窒化
    珪素質焼結体の製造方法において、前記焼成が、不活性
    ガスを50%以上含有する全圧力が0.1〜2気圧の窒
    素雰囲気中で成形体の開気孔が消滅するまで1500〜
    1700℃の温度で焼成する第1焼成工程と、第1の焼
    成工程よりも高温高圧下の窒素雰囲気中で焼成する第2
    焼成工程とを具備することを特徴とする窒化珪素質焼結
    体の製造方法。
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