JP2745030B2 - 窒化珪素焼結体およびその製造方法 - Google Patents
窒化珪素焼結体およびその製造方法Info
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- JP2745030B2 JP2745030B2 JP3026754A JP2675491A JP2745030B2 JP 2745030 B2 JP2745030 B2 JP 2745030B2 JP 3026754 A JP3026754 A JP 3026754A JP 2675491 A JP2675491 A JP 2675491A JP 2745030 B2 JP2745030 B2 JP 2745030B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジン部
材、軸受部材に有用な高密度で高強度、高靱性窒化珪素
焼結体およびその製造方法に関するものである。
材、軸受部材に有用な高密度で高強度、高靱性窒化珪素
焼結体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、窒化珪素焼結体の製造に関し
て焼結助剤を用いることが周知となっている。そして、
その焼結助剤としてAl2O3、MgO、Y2O3等を添加
することが知られている。
て焼結助剤を用いることが周知となっている。そして、
その焼結助剤としてAl2O3、MgO、Y2O3等を添加
することが知られている。
【0003】これらの焼結助剤の中でも、MgOは焼成
時に低温で液相を形成して緻密化を促進させる効果があ
る。Y2O3は、窒化珪素結晶をアスペクト比の高い柱状
結晶に成長させる作用がある。これらの成分を同時に添
加することによって、高密度で高強度の焼結体が得られ
ることが知られている。
時に低温で液相を形成して緻密化を促進させる効果があ
る。Y2O3は、窒化珪素結晶をアスペクト比の高い柱状
結晶に成長させる作用がある。これらの成分を同時に添
加することによって、高密度で高強度の焼結体が得られ
ることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年においては、窒化
珪素焼結体は、ターボチャージャーロータに代表される
エンジン部材、ベアリングボール等の軸受部材への応用
が活発に行われている。窒化珪素焼結体は、耐熱合金や
軸受鋼に比べ軽量であるという利点は有するものの、強
度、靱性で劣っているため、高強度で更に高靱性の焼結
体の要請がある。本発明は、上記欠点を改善するもので
あり、高強度で且つ高靱性を有する窒化珪素焼結体を提
供するものである。
珪素焼結体は、ターボチャージャーロータに代表される
エンジン部材、ベアリングボール等の軸受部材への応用
が活発に行われている。窒化珪素焼結体は、耐熱合金や
軸受鋼に比べ軽量であるという利点は有するものの、強
度、靱性で劣っているため、高強度で更に高靱性の焼結
体の要請がある。本発明は、上記欠点を改善するもので
あり、高強度で且つ高靱性を有する窒化珪素焼結体を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段・作用】そこで、本発明者
らは上記の問題点に鑑み、鋭意検討を行なったところ、
焼結助剤であるMgO、Y2O3に加え、粒界相にVa、
VIa族の珪化物または炭化物を分散すると、窒化珪素
焼結体の高強度、高靱性化に大きく寄与することが判明
した。さらに、焼結体の緻密化に熱間静水圧プレス焼結
法を用いると、高強度化、高靱性化の効果がより顕著に
現れることが判明した。
らは上記の問題点に鑑み、鋭意検討を行なったところ、
焼結助剤であるMgO、Y2O3に加え、粒界相にVa、
VIa族の珪化物または炭化物を分散すると、窒化珪素
焼結体の高強度、高靱性化に大きく寄与することが判明
した。さらに、焼結体の緻密化に熱間静水圧プレス焼結
法を用いると、高強度化、高靱性化の効果がより顕著に
現れることが判明した。
【0006】特に、本発明は下記手段によって上記課題
を解決する。即ち、 Va、VIa族の珪化物または
炭化物を0.05〜10wt%含み、焼結助剤としてMg元
素をMgO換算で0.5〜10wt%、Y元素をY2O3換
算で2〜10wt%、残部が窒化珪素粒子からなる窒化
珪素焼結体。
を解決する。即ち、 Va、VIa族の珪化物または
炭化物を0.05〜10wt%含み、焼結助剤としてMg元
素をMgO換算で0.5〜10wt%、Y元素をY2O3換
算で2〜10wt%、残部が窒化珪素粒子からなる窒化
珪素焼結体。
【0007】 成形体を1〜20気圧の窒素ガス中で
1600℃以下で密度90%以上に予備焼結したもの、
或いは成形体の周囲をガス不透過性材料で画成したもの
を、300気圧以上のN2、Ar等の不活性ガス中で1
600℃以下で熱間静水圧プレス焼結する上記窒化珪素
焼結体の製造方法。
1600℃以下で密度90%以上に予備焼結したもの、
或いは成形体の周囲をガス不透過性材料で画成したもの
を、300気圧以上のN2、Ar等の不活性ガス中で1
600℃以下で熱間静水圧プレス焼結する上記窒化珪素
焼結体の製造方法。
【0008】以下に本発明について詳細に述べる。
【0009】本発明は、前記したような焼結体であっ
て、高強度化、高靱性化された窒化珪素焼結体を開発
し、併せてかかる焼結体を得るための方法を提供するも
のである。焼結助剤としてMgO、Y2O3および分散相
としてVa、VIa族を組み合わせることにより、高強
度で且つ高靱性化されることを見出した。
て、高強度化、高靱性化された窒化珪素焼結体を開発
し、併せてかかる焼結体を得るための方法を提供するも
のである。焼結助剤としてMgO、Y2O3および分散相
としてVa、VIa族を組み合わせることにより、高強
度で且つ高靱性化されることを見出した。
【0010】ここで、Va、VIa族の珪化物または炭
化物を0.05〜10wt%とするのは、0.05wt%未満では
添加効果が現れず、10wt%を越えるとこれらの粒子
の凝集が生じやすくなり、破壊の起点となって強度低下
を引き起こすためである。好ましくは0.2〜6wt%であ
る。Mg成分は、MgO換算で0.1〜10wt%で効果
が顕著であり、0.5wt%未満では焼結性の低下が避け
られず緻密化が困難となり、10wt%を越えると耐酸
化性が著しく低下し高温で使用できなくなる。好ましく
は2〜7wt%である。Y成分はY2O3換算で2〜10
wt%で効果が顕著であり、2wt%未満では窒化珪素
粒子の柱状化が十分起こらず強度、靱性の低下が生じ、
10wt%を越えると耐酸化性の低下を引き起こすから
である。好ましくは3〜8wt%である。但し、各成分
の合量は3〜15wt%、特に4〜12wt%とするこ
とが好ましい。3%未満では焼結性の低下が避けられ
ず、15%を越えると窒化珪素自体の特徴を充分に活か
せないからである。
化物を0.05〜10wt%とするのは、0.05wt%未満では
添加効果が現れず、10wt%を越えるとこれらの粒子
の凝集が生じやすくなり、破壊の起点となって強度低下
を引き起こすためである。好ましくは0.2〜6wt%であ
る。Mg成分は、MgO換算で0.1〜10wt%で効果
が顕著であり、0.5wt%未満では焼結性の低下が避け
られず緻密化が困難となり、10wt%を越えると耐酸
化性が著しく低下し高温で使用できなくなる。好ましく
は2〜7wt%である。Y成分はY2O3換算で2〜10
wt%で効果が顕著であり、2wt%未満では窒化珪素
粒子の柱状化が十分起こらず強度、靱性の低下が生じ、
10wt%を越えると耐酸化性の低下を引き起こすから
である。好ましくは3〜8wt%である。但し、各成分
の合量は3〜15wt%、特に4〜12wt%とするこ
とが好ましい。3%未満では焼結性の低下が避けられ
ず、15%を越えると窒化珪素自体の特徴を充分に活か
せないからである。
【0011】高強度化は、MgOとY2O3及びVa、V
Ia族の添加により、微細で均一な組織を有する焼結体
が得られること及び、Va、VIa族炭化物、珪化物の
分散による粒界相の強度化による。また、添加したV
a、VIa族は、焼結時に一部はMgOとY2O3と液相
を生成しガラス相となるが、そのほとんどは、Va、V
Ia族珪化物または炭化物として焼結体中に分散して存
在する。このVa、VIa族珪化物または炭化物の結晶
は10μm以下の大きさであり、焼結体中に均一に分散
している。靱性の向上はこのVa、VIa族の珪化物ま
たは炭化物による粒界相の強化によるものである。尚、
Va、VIa族成分は窒化珪素焼結体において珪化物ま
たは炭化物として存在していればよく、原料組成として
必ずしも珪化物または炭化物を添加、配合することを要
しない。即ち、焼成時に珪化物または炭化物に変換し得
る限り、例えば酸化物として配合しても差支えない。
Ia族の添加により、微細で均一な組織を有する焼結体
が得られること及び、Va、VIa族炭化物、珪化物の
分散による粒界相の強度化による。また、添加したV
a、VIa族は、焼結時に一部はMgOとY2O3と液相
を生成しガラス相となるが、そのほとんどは、Va、V
Ia族珪化物または炭化物として焼結体中に分散して存
在する。このVa、VIa族珪化物または炭化物の結晶
は10μm以下の大きさであり、焼結体中に均一に分散
している。靱性の向上はこのVa、VIa族の珪化物ま
たは炭化物による粒界相の強化によるものである。尚、
Va、VIa族成分は窒化珪素焼結体において珪化物ま
たは炭化物として存在していればよく、原料組成として
必ずしも珪化物または炭化物を添加、配合することを要
しない。即ち、焼成時に珪化物または炭化物に変換し得
る限り、例えば酸化物として配合しても差支えない。
【0012】上記添加物と窒化珪素原料を混合・粉砕、
乾燥・造粒、成形し、該成形体を緻密化させる方法とし
て熱間静水圧プレス焼結法を用いるのは、得られた焼結
体が高密度で微細な組織を有するものとするためであ
る。熱間静水圧プレス焼結法は300〜2000気圧程
度のガス圧力下で焼結を行なうため、ガス圧力の効果に
より、従来の常圧焼結法や〜100気圧程度のガス圧焼
結法に比べ、より低温での緻密化が可能となる。このた
め、焼結体の組織を微細にできる利点がある。但し、熱
間静水圧プレス焼結法を用いる場合には、焼結中に圧力
媒体ガスが被処理品中に侵入するのを防ぐ必要がある。
このため、成形体に予備処理を施す必要があり、予備処
理として、成形体を予め1〜20気圧程度の窒素ガス中
で予備焼結を行ない、開気孔を消滅させるものである。
予備焼結の温度を1600℃以下とするのは、1600
℃を越えると窒化珪素粒の成長が顕著に起こり、得られ
た焼結体の強度低下の原因となるためである。ここで密
度90%以上とするのは開気孔がなくHIP焼結が安定
して行なわれるようにするためである。又、成形体をガ
ス不透過性の容器、好ましくはSiO2を主成分とした
ガラスに封入して、容器ごと熱間静水圧プレス焼結して
もよい。例えば、試料を800〜1200℃の温度で保
持して吸着水分や吸着ガス等の揮発成分を予め除去した
後に、カプセル中に真空封入するかあるいは、試料をガ
ラス粉末中に埋設したり、試料表面にガラス粉末を塗布
して、焼結中にガラスを加熱溶融してガラス中に封入す
る。
乾燥・造粒、成形し、該成形体を緻密化させる方法とし
て熱間静水圧プレス焼結法を用いるのは、得られた焼結
体が高密度で微細な組織を有するものとするためであ
る。熱間静水圧プレス焼結法は300〜2000気圧程
度のガス圧力下で焼結を行なうため、ガス圧力の効果に
より、従来の常圧焼結法や〜100気圧程度のガス圧焼
結法に比べ、より低温での緻密化が可能となる。このた
め、焼結体の組織を微細にできる利点がある。但し、熱
間静水圧プレス焼結法を用いる場合には、焼結中に圧力
媒体ガスが被処理品中に侵入するのを防ぐ必要がある。
このため、成形体に予備処理を施す必要があり、予備処
理として、成形体を予め1〜20気圧程度の窒素ガス中
で予備焼結を行ない、開気孔を消滅させるものである。
予備焼結の温度を1600℃以下とするのは、1600
℃を越えると窒化珪素粒の成長が顕著に起こり、得られ
た焼結体の強度低下の原因となるためである。ここで密
度90%以上とするのは開気孔がなくHIP焼結が安定
して行なわれるようにするためである。又、成形体をガ
ス不透過性の容器、好ましくはSiO2を主成分とした
ガラスに封入して、容器ごと熱間静水圧プレス焼結して
もよい。例えば、試料を800〜1200℃の温度で保
持して吸着水分や吸着ガス等の揮発成分を予め除去した
後に、カプセル中に真空封入するかあるいは、試料をガ
ラス粉末中に埋設したり、試料表面にガラス粉末を塗布
して、焼結中にガラスを加熱溶融してガラス中に封入す
る。
【0013】上記の方法で予備処理した試料を300気
圧以上のガス圧力下で1600℃以下で熱間静水圧プレ
ス焼結を行い緻密化させる。1600℃以下とするの
は、1600℃以上では窒化珪素粒の成長により強度低
下を生じるためである。圧力を300気圧以上とするの
は、300気圧未満では圧力の効果による緻密化の促進
効果が小さい為であり、好ましくは500気圧以上であ
る。圧力には特に上限を設定しないが、装置上の問題か
ら2000気圧あれば十分である。
圧以上のガス圧力下で1600℃以下で熱間静水圧プレ
ス焼結を行い緻密化させる。1600℃以下とするの
は、1600℃以上では窒化珪素粒の成長により強度低
下を生じるためである。圧力を300気圧以上とするの
は、300気圧未満では圧力の効果による緻密化の促進
効果が小さい為であり、好ましくは500気圧以上であ
る。圧力には特に上限を設定しないが、装置上の問題か
ら2000気圧あれば十分である。
【0014】
【本発明の効果】以上のように、本発明によれば、適切
な添加物、窒化珪素原料の選定及び焼結方法・条件の組
合せることにより、それらの相乗効果が生じ、単独の場
合よりも、より一層緻密化、高強度化、高靱性化が促進
される。特に、実質的には残留ポアを含まず、室温での
曲げ強度が1300MPa以上、靱性が7.5MPa・m
1/2以上である窒化珪素焼結体が提供される。
な添加物、窒化珪素原料の選定及び焼結方法・条件の組
合せることにより、それらの相乗効果が生じ、単独の場
合よりも、より一層緻密化、高強度化、高靱性化が促進
される。特に、実質的には残留ポアを含まず、室温での
曲げ強度が1300MPa以上、靱性が7.5MPa・m
1/2以上である窒化珪素焼結体が提供される。
【0015】
【実施例】以下に、実施例に基づき詳細に説明する。
【0016】
【実施例1】平均粒径0.3μm、α率92%の窒化珪素
粉末に、比表面積15m2/g、純度99%のMgO粉
末、比表面積10m2/g、純度99%のY2O3粉末、
および比表面積2.9m2/gのCr2O3粉末を表1に示す
割合で配合した。混合・粉砕、乾燥・造粒を行なった混
合粉末を2ton/cm2の圧力で静水圧プレス成形
し、50×50×20mmの成形体試料を得た。この成
形体を表1に示した条件で予備処理および熱間静水圧プ
レス焼結を行ない焼結体を得た。
粉末に、比表面積15m2/g、純度99%のMgO粉
末、比表面積10m2/g、純度99%のY2O3粉末、
および比表面積2.9m2/gのCr2O3粉末を表1に示す
割合で配合した。混合・粉砕、乾燥・造粒を行なった混
合粉末を2ton/cm2の圧力で静水圧プレス成形
し、50×50×20mmの成形体試料を得た。この成
形体を表1に示した条件で予備処理および熱間静水圧プ
レス焼結を行ない焼結体を得た。
【0017】次に、得られた焼結体の各特性を以下の方
法によって測定、算出し、その結果を表1に示した。
法によって測定、算出し、その結果を表1に示した。
【0018】 1. 相対密度(%)=(アルキメデス法により測定した
密度/実質的に残留ポアを含まない焼結体の密度)×1
00 2. 強度:JIS−R1601(3点曲げ) 3. 破壊靱性値:JIS−R1607 IF法(荷重3
0kg) 尚、Cr成分はCr珪化物として存在していることをX
線回折により確認した。
密度/実質的に残留ポアを含まない焼結体の密度)×1
00 2. 強度:JIS−R1601(3点曲げ) 3. 破壊靱性値:JIS−R1607 IF法(荷重3
0kg) 尚、Cr成分はCr珪化物として存在していることをX
線回折により確認した。
【0019】
【表1】 表1から明らかなように実施例の焼結体は、相対密度9
9%以上、室温強度1300MPa以上、破壊靱性値8
MN/m3/2以上であり、高密度、高強度、高靱性であ
って、常温特性に優れたものである。一方、請求項1、
2又は3の範囲外である試料No.7〜11の焼結体は強
度、破壊靱性値ともに低いものであった。特に、実施例
試料No.1と比較例試料No.8とを対比した場合、助剤と
してMgO(4wt%)及びY2O3(2wt%)と共に
更にCr2O3を僅かに1wt%併用添加することによ
り、予備処理温度を低く且つHIP圧力を低くしても、
室温強度及び靱性値が著しく増大していることがわか
る。
9%以上、室温強度1300MPa以上、破壊靱性値8
MN/m3/2以上であり、高密度、高強度、高靱性であ
って、常温特性に優れたものである。一方、請求項1、
2又は3の範囲外である試料No.7〜11の焼結体は強
度、破壊靱性値ともに低いものであった。特に、実施例
試料No.1と比較例試料No.8とを対比した場合、助剤と
してMgO(4wt%)及びY2O3(2wt%)と共に
更にCr2O3を僅かに1wt%併用添加することによ
り、予備処理温度を低く且つHIP圧力を低くしても、
室温強度及び靱性値が著しく増大していることがわか
る。
【0020】
【実施例2】平均粒径0.6μm、α率93%の窒化珪素
粉末90wt%に比表面積8m2/gのMgO粉末4w
t%、比表面積18m2/gのY2O3粉末5wt%、C
r2O3粉末1wt%を混合・粉砕、乾燥・造粒後、6×
5×40mmに成形した後、表2に示した予備処理(N
2雰囲気)、熱間静水圧プレス焼結(N2分圧10atm
のN2、Ar混合雰囲気)を行い焼結体を得た。次に得
られた焼結体の密度、強度、破壊靱性値を実施例1と同
じ方法で測定した。尚、Cr成分はCr珪化物として存
在していることをX線回折により確認した。
粉末90wt%に比表面積8m2/gのMgO粉末4w
t%、比表面積18m2/gのY2O3粉末5wt%、C
r2O3粉末1wt%を混合・粉砕、乾燥・造粒後、6×
5×40mmに成形した後、表2に示した予備処理(N
2雰囲気)、熱間静水圧プレス焼結(N2分圧10atm
のN2、Ar混合雰囲気)を行い焼結体を得た。次に得
られた焼結体の密度、強度、破壊靱性値を実施例1と同
じ方法で測定した。尚、Cr成分はCr珪化物として存
在していることをX線回折により確認した。
【0021】
【表2】 表2に示したように実施例2の試料No.1〜3の焼結体
は、相対密度99%以上で強度1300MPa、破壊靱
性値8MN/m3/2以上あるが、請求項5の範囲外であ
る試料No.4〜9の焼結体は強度、靱性ともに低いもの
であった。
は、相対密度99%以上で強度1300MPa、破壊靱
性値8MN/m3/2以上あるが、請求項5の範囲外であ
る試料No.4〜9の焼結体は強度、靱性ともに低いもの
であった。
【0022】
【実施例3】平均粒径0.3μm、α率92%の窒化珪素
粉末に、比表面積15m2/g、純度99%のMgO粉
末、比表面積10m2/g、純度99%のY2O3粉末、
およびVa、VIa族化合物を表4に示す割合で配合し
た。混合・粉砕、乾燥・造粒を行った混合粉末を2to
n/cm2の圧力で静水圧プレス成形し、50×50×
20mmの成形体試料を得た。この成形体を表3に示し
た条件で予備処理および熱間静水圧プレス焼結を行ない
焼結体を得た。
粉末に、比表面積15m2/g、純度99%のMgO粉
末、比表面積10m2/g、純度99%のY2O3粉末、
およびVa、VIa族化合物を表4に示す割合で配合し
た。混合・粉砕、乾燥・造粒を行った混合粉末を2to
n/cm2の圧力で静水圧プレス成形し、50×50×
20mmの成形体試料を得た。この成形体を表3に示し
た条件で予備処理および熱間静水圧プレス焼結を行ない
焼結体を得た。
【0023】得られた焼結体の各特性を実施例1と同じ
方法によって測定、算出し、その結果を表3に示した。
尚、Va、VIa族成分は珪化物または炭化物として存
在することをX線回折により確認した。
方法によって測定、算出し、その結果を表3に示した。
尚、Va、VIa族成分は珪化物または炭化物として存
在することをX線回折により確認した。
【0024】
【表3】 表3から明らかなように実施例3の焼結体は、相対密度
99%以上、室温強度1300MPa以上、破壊靱性値
7.5MPa・m1/2以上であり、高密度、高強度、高靱性
であって、常温特性に優れたものである。特に実施例3
の試料No.7、No.14及びNo.17と比較例試料No.19
とを対比した場合、Va、VIa族の炭化物又は珪化物
が僅か1%程度存在するだけで、高密度、高強度、高靱
性になることがわかる。
99%以上、室温強度1300MPa以上、破壊靱性値
7.5MPa・m1/2以上であり、高密度、高強度、高靱性
であって、常温特性に優れたものである。特に実施例3
の試料No.7、No.14及びNo.17と比較例試料No.19
とを対比した場合、Va、VIa族の炭化物又は珪化物
が僅か1%程度存在するだけで、高密度、高強度、高靱
性になることがわかる。
【0025】
【実施例4】平均粒径0.3μm、α率92%の窒化珪素
粉末と比表面積15m2/g、純度99%のMgO粉
末、比表面積10m2/g、純度99%のY2O3粉末、
及び比表面積2.9m2/gのCr2O3粉末を表4に示す組
成に配合し乾燥造粒を行なった後、成形圧2t/cm2
で10×30×5mmに成形した。
粉末と比表面積15m2/g、純度99%のMgO粉
末、比表面積10m2/g、純度99%のY2O3粉末、
及び比表面積2.9m2/gのCr2O3粉末を表4に示す組
成に配合し乾燥造粒を行なった後、成形圧2t/cm2
で10×30×5mmに成形した。
【0026】
【表4】 これら成形体を1atmのN2中で1450℃〜160
0℃の温度で予備焼結を行ない、予備焼結体の密度、及
びこれら予備焼結体を2000atm−1500℃−4
時間でHIP処理した後の密度を測定した。この結果を
図1に示した。
0℃の温度で予備焼結を行ない、予備焼結体の密度、及
びこれら予備焼結体を2000atm−1500℃−4
時間でHIP処理した後の密度を測定した。この結果を
図1に示した。
【0027】図1から、Cr2O3を添加した試料No.
1、2は予備焼結温度が1450℃〜1600℃で全て
90%以上の密度が得られ、HIP処理後も99%以上
の密度が得られた。また、Cr2O3添加量が多いと予備
焼結体密度が高くなる傾向が確認できた。尚、Cr2O3
を添加したほうが、Si3N4粒径が細かくなり、また2
μm程度のCr珪化物が分散していることが判った。し
かしながら、請求項1又は3の範囲外であるCr2O3を
添加しない比較例試料No.3の場合は、予備焼結温度が
1450℃、1500℃では90%以上の密度が得ら
れ、HIP後にも99%以上の密度が得られたが、予備
焼結を1550℃、1600℃で行なった場合は、いず
れの密度も低くなった。このように、Cr2O3添加は焼
結性の向上、安定化に効果がある。焼結性の向上、安定
化はセラミックの製造上非常に有効であり、組織の微細
化は高強度化に寄与するものである。
1、2は予備焼結温度が1450℃〜1600℃で全て
90%以上の密度が得られ、HIP処理後も99%以上
の密度が得られた。また、Cr2O3添加量が多いと予備
焼結体密度が高くなる傾向が確認できた。尚、Cr2O3
を添加したほうが、Si3N4粒径が細かくなり、また2
μm程度のCr珪化物が分散していることが判った。し
かしながら、請求項1又は3の範囲外であるCr2O3を
添加しない比較例試料No.3の場合は、予備焼結温度が
1450℃、1500℃では90%以上の密度が得ら
れ、HIP後にも99%以上の密度が得られたが、予備
焼結を1550℃、1600℃で行なった場合は、いず
れの密度も低くなった。このように、Cr2O3添加は焼
結性の向上、安定化に効果がある。焼結性の向上、安定
化はセラミックの製造上非常に有効であり、組織の微細
化は高強度化に寄与するものである。
【図1】実施例4の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 正一 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−266359(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】Y成分、Mg成分を含み、Va、VIa族
の珪化物または炭化物の少なくとも1種以上が粒界相に
存在していることを特徴とする窒化珪素焼結体。 - 【請求項2】Y成分をY2O3換算で2〜10wt%、M
g成分をMgO換算で0.5〜10wt%、Va、VIa
族の珪化物または炭化物を0.05〜10wt%含むことを
特徴とする請求項1記載の窒化珪素焼結体。 - 【請求項3】Y成分をY2O3換算で2〜10wt%、
Mg成分をMgO換算で0.5〜10wt%、Va、V
Ia族の珪化物または炭化物を0.05〜10wt%含
み、その合量が3〜15wt%、残部窒化珪素であるこ
とを特徴とする窒化珪素焼結体。 - 【請求項4】請求項1記載の窒化珪素焼結体を熱間静水
圧プレス焼結によって得る事を特徴とする窒化珪素焼結
体の製造方法。 - 【請求項5】熱間静水圧プレス焼結として、成形体を1
〜20気圧の窒素ガス圧下で1600℃以下で一次焼結
を行い密度90%以上にした後(該一次焼結を行わない
場合、成形体の周囲にガス不透過性の材料で画成し
て)、300気圧以上の不活性ガス中、1600℃以下
の温度で熱間静水圧プレス焼結することを特徴とする請
求項4記載の窒化珪素焼結体の製造方法。
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1991
- 1991-01-29 JP JP3026754A patent/JP2745030B2/ja not_active Expired - Fee Related
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