JPH06159457A - パルスモータ用ベルト駆動系 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成でしかも大きな設置スペースを必
要とせず、従って装置全体を小型化するのに極めて有効
であって、且つ、振動及びそれによって発生する騒音を
防止することのできる、正転及び逆転を可能とするパル
スモータ用ベルト駆動系を提供する。 【構成】 パルスモータ１の出力軸２に接続された駆動
プーリ３と、被駆動プーリ５との間に歯付きベルト４が
巻回される。更に、歯付きベルト４は、所定の距離を置
いて平行に設けられた回転自在のローラ２５、２６を備
えた防振アイドラ２０の内側を通過するようにして、両
プーリ３、５の間に張設される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パルスモータの駆動力
を歯付きベルトで被駆動体に伝達する時にパルスモータ
の回転に起因して発生する振動を吸収することのできる
のパルスモータ用ベルト駆動系に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、種々の分野でパルスモータが使用
されている。このパルスモータは、回転時には、起動、
停止を繰り返して回転しているために、パルスモータ自
体が振動し、特に低速回転時には振動音が出やすい。

【０００３】更に、図３に示すように、通常パルスモー
タ１は、その出力軸２に装着された駆動プーリ３の回転
力が、ベルト手段、即ち、歯付きベルト４を介して被駆
動体、例えば被駆動プーリ５の回転軸６などへと伝達さ
れる。従って、パルスモータ１に生じた振動は、歯付き
ベルト４を介して被駆動プーリ５及び回転軸６へと伝達
され、回転軸６からも振動音が発生することがある。こ
のことは、回転精度、即ち、位置決め精度においても問
題がある。

【０００４】このために、パルスモータ１の振動を抑え
るために、パルスモータ自体を弾性体（ゴムマウント）
を介して取り付けたり、更には、図４に示すように、歯
付きベルト４の振動を抑えるべく、アイドラ手段１０に
て歯付きベルト４に所定の押圧力Ｐが付勢された。通
常、アイドラ手段１０は、歯付きベルト４に直接接触す
るアイドラローラ１１と、このローラ１１を一端に回転
自在に支持し、他端は支持軸１２に回転自在に担持され
た作動レバー１３と、この作動レバー１３に接続され、
アイドラローラ１１を歯付きベルト４へと押圧するばね
部材１４とにて構成されている。

【０００５】又、パルスモータ１は、正転及び逆転とも
可能とされるので、このようなアイドラ手段１０は、歯
付きベルト４の両側に配置される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のパルスモータを使用したベルト駆動系においては、パ
ルスモータ１及び回転軸６の振動及びそれによって発生
する騒音を防止するために、複雑な構成の、しかも設置
するためにある程度の大きさのスペースを必要とする上
記アイドラ手段１０を使用することが余儀なくされてい
た。

【０００７】又、このようなアイドラ手段１０は、正転
及び逆転を可能とするパルスモータ用ベルト駆動系にお
いては、図４に示すように、歯付きベルト４の両側に設
置することが必要であり、そのためにある程度の大きさ
のスペースが要求され、装置全体の小型化が要求される
場合には問題となった。

【０００８】従って、本発明の目的は、簡単な構成でし
かも大きな設置スペースを必要とせず、従って装置全体
を小型化するのに極めて有効であって、且つ、振動及び
それによって発生する騒音を防止することのできる、正
転及び逆転を可能とするパルスモータ用ベルト駆動系を
提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
パルスモータ駆動系にて達成される。要約すれば、本発
明は、パルスモータの出力軸に接続された駆動プーリ
と、被駆動プーリとの間にベルト手段が巻回されて構成
されるパルスモータ用ベルト駆動系において、前記ベル
ト手段は、所定の距離を置いて平行に設けられた回転自
在のローラを備えた防振アイドラの内側を通過するよう
にして、前記両プーリの間に張設されることを特徴とす
るパルスモータ用ベルト駆動系である。

【００１０】

【実施例】以下、本発明に係るパルスモータ用ベルト駆
動系を図面に則して更に詳しく説明する。

【００１１】図１に、本発明を実施するパルスモータ用
ベルト駆動系の一実施例を示す。この実施例では、パル
スモータ１の出力軸２には駆動プーリ３が装着される。
この駆動プーリ３と、回転軸６を備えた被駆動プーリ５
との間には、歯付きベルト４が巻回される。勿論、パル
スモータ１は、その振動を抑えるために、パルスモータ
自体を弾性体（ゴムマウント）を介して装置本体（図示
せず）に取り付けるのが好ましい。

【００１２】又、本発明に従えば、駆動プーリ３と被駆
動プーリ５との間に防振アイドラ２０が配置され、歯付
きベルト４は、この防振アイドラ２０の内側を通過する
ように構成される。

【００１３】防振アイドラ２０は、図２をも参照すると
理解されるように、互いに平行に配置された支持側板２
１、２２と、両支持側板２１、２２に固定され、互いに
平行に設けられた支持軸２３、２４と、この各支持軸２
３、２４に回転自在に支持されたローラ２５、２６とに
て構成される。ローラ２５、２６は、限定されるもので
はないが、合成樹脂などで好適に作製することができ
る。従って、防振アイドラ２０の内側を走行する歯付き
ベルト４は両ローラ２５、２６にて、互いに接近するよ
うに押圧され、適当な初期張力が与えられる。ローラ２
５、２６の直径、及びその長さは、所望に応じて任意の
寸法とすることができる。

【００１４】歯付きベルト４に適当な初期張力を与える
ためには、駆動プーリ３と被駆動プーリ５との軸間距離
を調整することもできるし、例えば、防振アイドラ２０
として軸間距離（Ｌ）が異なるものを複数個用意してお
き、適当な軸間距離（Ｌ）の防振アイドラ２０を選択し
て使用することも可能である。

【００１５】このように構成することにより、パルスモ
ータ１を駆動することにより、パルスモータ１の回転出
力は、駆動プーリ３から歯付きベルト４を介して被駆動
プーリ５及び回転軸６へと伝達される。又、歯付きベル
ト４に所定張力を付与するべく歯付きベルト４の外側か
ら押圧している防振アイドラ２０の各ローラ２５、２６
は、歯付きベルト４に接触することによりそれぞれ対応
したベルトの移動方向と同方向に連れ回りをする。

【００１６】同時に、パルスモータ１に生じた振動は、
歯付きベルト４を介して被駆動プーリ５へと伝達される
が、その伝達過程にて、先ず防振アイドラ２０を左右方
向に運動せしめる。本発明者らの研究実験の結果による
と、この防振アイドラ２０の左右方向の運動は、被駆動
プーリ５へと伝達される筈のパルスモータ１からの振動
を実質的に完全に吸収し、被駆動プーリ５への振動の伝
達はないか、或は、あったとしても極めて小さいことが
分かった。従って、従来、特にパルスモータ１の低速回
転時に、例えば９００ＰＰＳ程度から発生していた振動
音を完全に防止することができた。

【００１７】このように、本発明のベルト駆動系によれ
ば、パルスモータ１に比べ防振アイドラ２０の質量が十
分小さいために、防振アイドラ２０が左右に運動するこ
とにより、パルスモータ１のトルクリップルを高レスポ
ンスにて吸収することができる。それによって、トルク
リップルを平滑化するためにパルスモータの自起動周波
数を高くできるという利益が得られる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るパル
スモータ用ベルト駆動系によれば、パルスモータの出力
軸に接続された駆動プーリと、被駆動プーリとの間に巻
回されるベルト手段は、防振アイドラの内側を通過する
ようにして両プーリ間に張設されるために、構成が簡単
でしかも設置スペースを必要とせず、従って装置全体を
小型化するのに極めて有効であって、且つ、振動及びそ
れによって発生する騒音を防止することができるという
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパルスモータ用ベルト駆動系の一
実施例の斜視図である。

【図２】防振アイドラの断面図である。

【図３】従来のパルスモータ用ベルト駆動系の斜視図で
ある。

【図４】従来のパルスモータ用ベルト駆動系の説明図で
ある。

【符号の説明】

１ パルスモータ ２ 出力軸 ３ 駆動プーリ ４ 歯付きベルト ５ 被駆動プーリ ６ 回転軸 ２０ 防振アイドラ ２５、２６ ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パルスモータの出力軸に接続された駆動
   プーリと、被駆動プーリとの間にベルト手段が巻回され
   て構成されるパルスモータ用ベルト駆動系において、前
   記ベルト手段は、所定の距離を置いて平行に設けられた
   回転自在のローラを備えた防振アイドラの内側を通過す
   るようにして、前記両プーリの間に張設されることを特
   徴とするパルスモータ用ベルト駆動系。