JPS6120681Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は記録再生装置のキヤプスタン機構に係
り、キヤプスタンと、このキヤプスタンと同軸的
に設けられた第１のプーリと、前記キヤプスタン
に対して非同軸的に設けられたフライホイール
と、このフライホイールと同軸的で、かつ一体的
に設けられた前記第１のプーリの径より小さな径
の第２のプーリと、前記第１のプーリと前記第２
のプーリとの間に配設されたベルトと、前記第２
のプーリの軸芯位置を変位調整する変位調整手段
とを備え、キヤプスタンの定速回転に際しては、
この変位調整手段によつて第２のプーリと第１の
プーリ間に配設されているベルトを張設してフラ
イホイールの慣性モーメントを利用するように
し、キヤプスタンの間歇回転に際しては、前記変
位調整手段によつて第２のプーリと第１のプーリ
間に配設されているベルトを緩設してフライホイ
ールの慣性モーメントを利用しないようにしたこ
とにより、ビデオテープレコーダ等の記録再生装
置において、定速走行を行なう標準再生モード時
にはフライホイールの慣性モーメントを利用して
ワウ、フラツター等を防いで良好な走行状態を保
持し、又間歇的な走行によりストツプ及スチル再
生を順次繰り返して行なうスローモーシヨン再生
モード時にはフライホイールをキヤプスタンから
切り離し、フライホイールの慣性モーメントを利
用しないようにし、良好な間歇走行を簡単に実現
でき、再生が優れたものとなる記録再生装置のキ
ヤプスタン機構を提供することを目的とする。

従来、ビデオテープレコーダ等のキヤプスタン
は、第１図に示す如く、キヤプスタン１に直接フ
ライホイール２を一体的に取り付け、このフライ
ホイールの慣性モーメントを利用してキヤプスタ
ンの定速回転を図り、テープ３の定速走行を行な
わせている。尚、同図中、４はピンチローラ、５
はモータ、６はフライホイールの周縁に焼付けら
れたゴムであり、モータプーリを圧着させてキヤ
プスタンを駆動させるのである。このようなキヤ
プスタン機構は、テープの定速走行を行なう標準
再生モード時にはワウ、フラツターを除去でき、
その走行状態は良好なものとなるが、走行と停止
を繰り返す間歇走行に際しては、キヤプスタンに
取り付けられているフライホイールの大きな慣性
モーメントが逆に邪魔なものとなり、良好な間歇
走行を実現できない。

又、第２図に示す如く、キヤプスタン１０に直
接主フライホイール１１を一体的に取り付けると
共に、この主フライホイール１１とは別に副フラ
イホイール１２を配し、そしてこの主フライホイ
ール１１と副フライホイール１２との間にはアイ
ドラー１３を配し、このアイドラー１３が必要に
応じてその位置を偏位できるように構成してお
き、主フライホイールと副フライホイールとを連
動させたり又は離間させたりして、キヤプスタン
に係る慣性モーメントを変えれるようにしたもの
も提案されている（実開昭53−123908号）。尚、
１５はピンチローラ、１６はテープである。この
構造のキヤプスタン機構は、テープ速度を２段に
切り換える様な場合にはキヤプスタンに係る慣性
モーメントを切り換えれば、それぞれの速度での
ワウ、フラツターを小さくできるが、これは第１
図のキヤプスタン機構と同様に定速走行では効果
があつても、間歇走行を行なわせる場合には、キ
ヤプスタンに直接固着されている主フライホイー
ルが邪魔なものとなり、良好な間歇走行を実現で
きない。又、キヤプスタンに重量のあるフライホ
イールを直接取り付ける為、キヤプスタンを高精
度に構成するのが困難である。

又、実公昭50−28723号公報に示されるよう
に、出力軸の一方をキヤプスタンとしたステツピ
ングモータの他方の出力軸にクラツチ装置を介し
て定速回転装置の出力軸を連結し、前記キヤプス
タンをステツピングモータの駆動により歩進駆動
させることができると共に定速回転装置によりク
ラツチ装置を介して定速回転駆動させることがで
きるように構成してなる磁気記録再生装置のキヤ
プスタン駆動装置が提案されているが、この提案
になるものでは、ステツピングモータ、電磁クラ
ツチ及び定速駆動モータ等を必要とし、コストが
高くつくのみではなく、クラツチ部のダイナミツ
クバランスがとれていないと振動を起こしてしま
い、又、その為精度に極高精度を要求されるので
組立作業能率も低い等の欠点がある。

本考案は上記欠点を除去したものであり、以下
その実施例について説明する。

第３図は本考案になる記録再生装置のキヤプス
タン機構の説明図であり、同図中、２０は磁気テ
ープ、２１はピンチローラ、２２はキヤプスタ
ン、２３はダイレクトドライブモータ２３′の回
転軸であり、この回転軸２３とキヤプスタン２２
とは同軸上に一体的に構成されている。２４は、
回転軸２３に取り付けられた、例えばアルミニウ
ム又はプラスチツク等のように軽量な材質で作ら
れたプーリであり、実質上フライホイール効果を
有していないものである。２５は、直鍮等の重い
材料から作られたフライホイールであり、このフ
ライホイール２５はキヤプスタン２２とは別体に
配されている。そして、フライホイール２５に一
体的に取り付けられたプーリ２６とプーリ２４と
に、布ベルト等適当な材質のベルト２７がかけら
れていて、フライホイール２５がキヤプスタンと
連動するようになつている。これらのプーリ２
４，２６の径は、プーリ２４の径の方が大きく構
成されていて、フライホイールがキヤプスタンと
連動する場合には、キヤプスタンの回転速度より
フライホイールの回転速度の方が大きくなるよう
にし、フライホイールによるワウ、フラツター防
止効果を一層高めている。

２８はフライホイール２５及プーリ２６の回転
軸であり、この回転軸２８は略コ字状アーム２９
の一面に植設されており、そしてこのアーム２９
が偏位することによつてベルト２７が張られた
り、ゆるんだりして、フライホイールがキヤプス
タンに連動したり、しなかつたりする。すなわ
ち、３０はアーム２９の回動軸であり、３１はア
ーム２９を時計方向に回動付勢するバネ、３２は
アーム２９を所定位置に掛止するピン、３３はア
ーム２９の一面に回動自在に取り付けられたリン
クであり、このリンク３３の一端はソレノイド３
４の動作鉄芯３５の先端切欠部にピンによつて回
動自在に取り付けられていて、ソレノイドが作動
すると動作鉄芯が矢印方向に偏位し、これに伴な
いリンク３３も偏位し、そしてアーム２９が軸を
中心としてバネに逆つて反時計方向に回動し、フ
ライホイールの回転中心位置が偏位し、ベルト２
７がゆるみ、フライホイールはキヤプスタンと連
動しなくなり、ソレノイドが作動しないと、アー
ム２９はバネで所定位置に掛止されていて、フラ
イホイールとキヤプスタンとが連動するようにな
つている。

上記のように構成した記録再生装置のキヤプス
タン機構は、テープの定速走行においてはフライ
ホイールをキヤプスタンと連動させることによつ
て、フライホイールの慣性モーメントを利用し、
もつて定速走行におけるワウ及フラツターを防止
することができ、そして走行及停止を繰り返す間
歇走行においてはフライホイールをキヤプスタン
と連動しないようにしておくことによつて、キヤ
プスタンにはフライホイールの大きな慣性モーメ
ントがかからず、モータの出力が小さくてもキヤ
プスタンの回転及停止を良好に行なうことがで
き、良好な間歇走行を実現でき、間歇走行におけ
る再生具合が優れたものとなる。又、走行及停止
を繰り返す際に、モータには無理な力がかから
ず、それだけモータも破損しにくい。さらには、
キヤプスタンにフライホイールが直接取り付けら
れていると、間歇走行を行なわせるには、モータ
の出力を大きくしておかねばならず、それだけモ
ータの振動等も大きくなり、ワウ及フラツター等
も起きやすく、又モータが大型化し、装置全体の
小型化を図りにくいのに対し、本考案においては
このような欠点も除去できる。又、キヤプスタン
には重量のあるフライホイールを直接取り付けな
いので、フライホイールの重力等によつてキヤプ
スタンが影響を受けず、それだけキヤプスタンを
高精度に構成でき、キヤプスタンがそれだけ偏芯
しなくなり、ワウ及フラツターがなくなり、又重
いフライホイールを支える為の軸受等も要らず、
キヤプスタンの構成も簡単になる。

又、前記実施例では、キヤプスタンと一体のプ
ーリ２４とフライホイールと一体のプーリ２６と
の間にはベルト２７が張架され、このベルトを作
動位置と非作動位置へ移動させることにより、フ
ライホイール２５の作動、非作動を切り換えてい
るので、アイドラー形式の場合よりも非常に精度
の高い、すなわちキヤプスタンの回転むらがより
一層少なくなり、かつ簡単な構成とすることがで
きる。

尚、数段階の定速走行がある場合には、それに
応じて数個のフライホイールをキヤプスタンと別
体に配しておき、必要に応じて数個のフライホイ
ールの慣性モーメントを利用できるようにしてお
けばよい。

上述の如く、本考案に係る記録再生装置のキヤ
プスタン機構は、キヤプスタンと、このキヤプス
タンと同軸的に設けられた第１のプーリと、前記
キヤプスタンに対して非同軸的に設けられたフラ
イホイールと、このフライホイールと同軸的で、
かつ一体的に設けられた前記第１のプーリの径よ
り小さな径の第２のプーリと、前記第１のプーリ
と前記第２のプーリとの間に配設されたベルト
と、前記第２のプーリの軸芯位置を変位調整する
変位調整手段とを備え、キヤプスタンの定速回転
に際しては、この変位調整手段によつて第２のプ
ーリと第１のプーリ間に配設されているベルトを
張設してフライホイールの慣性モーメントを利用
するようにし、キヤプスタンの間歇回転に際して
は、前記変位調整手段によつて第２のプーリと第
１のプーリ間に配設されているベルトを緩設して
フライホイールの慣性モーメントを利用しないよ
うにしたので、定速走行においてはフライホイー
ルの慣性モーメントを利用してワウ及フラツター
を防止でき、特に、キヤプスタンとフライホイー
ルとは非同軸的に設け、かつこれらそれぞれに設
けるプーリに関してはキヤプスタン側のプーリの
径を大きくし、さらにベルト駆動形式のものとし
ていることより、例えばプーリの径を前記の場合
と逆に構成、あるいはベルト駆動形式ではなくア
イドラー形式の場合よりもキヤプスタンの回転む
らを少なくでき、すなわちワウ及フラツターをよ
り一層防止できるようになり、そして走行及停止
を繰り返す間歇走行においてはフライホイールを
キヤプスタンから切り離しておくことにより、フ
ライホイールの存在による悪影響をなくし、良好
な間歇走行を実現でき、又キヤプスタンにはフラ
イホイールを直接取り付けないのでそれだけキヤ
プスタンを高精度に構成でき、さらにはフライホ
イールを支える為の軸受等も要らず、かつモータ
の出力も小さくてよく、それだけ小型化でき、
又、定速走行と間歇走行との切換には電磁クラツ
チ等を用いるものではないからフライホイールや
ベルト等に要求される精度は極高精度なものを要
求されなくなり、従つてそれだけ低コストで構成
できる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及第２図は従来のキヤプスタン機構の説
明図、第３図は本考案になる記録再生装置のキヤ
プスタン機構の実施例の説明図、第４図は第３図
のアーム部分の説明図である。 ２１……ピンチローラ、２２……キヤプスタ
ン、２４，２６……プーリ、２５……フライホイ
ール、２７……ベルト、２９……アーム、３４…
…ソレノイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤプスタンと、このキヤプスタンと同軸的に
   設けられた第１のプーリと、前記キヤプスタンに
   対して非同軸的に設けられたフライホイールと、
   このフライホイールと同軸的で、かつ一体的に設
   けられた前記第１のプーリの径より小さな径の第
   ２のプーリと、前記第１のプーリと前記第２のプ
   ーリとの間に配設されたベルトと、前記第２のプ
   ーリの軸芯位置を変位調整する変位調整手段とを
   備え、キヤプスタンの定速回転に際しては、この
   変位調整手段によつて第２のプーリと第１のプー
   リ間に配設されているベルトを張設してフライホ
   イールの慣性モーメントを利用するようにし、キ
   ヤプスタンの間歇回転に際しては、前記変位調整
   手段によつて第２のプーリと第１のプーリ間に配
   設されているベルトを緩設してフライホイールの
   慣性モーメントを利用しないようにしたことを特
   徴とする記録再生装置のキヤプスタン機構。