JPS642280Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気録画装置等のテープテンシヨン制
御機構、特にテープに加わるテンシヨンを小さ
く、かつテープの巻始めから巻終りまで安定して
テープテンシヨンを制御するための改良に関す
る。

従来のテープテンシヨンの制御機構は、テープ
のテンシヨンの大小に応じて揺動するアームにリ
ールベースのバンドブレーキの一端を取り付け、
テンシヨンが大となればバンドブレーキを緩め、
小となれば締め付けてテープに加わるテンシヨン
をほぼ一定とする機械的構造のものである。

テープに加わるテンシヨンは、テンシヨン制御
機構がない状態では、第１図点線のごとく巻始め
は小で、巻取りにより斬増し、巻終りで最大とな
る。かかる特性を有するテープのテンシヨンを上
述の従来の制御機構でほぼ一定とするには、第１
図実線のごとく、巻始めに大きな負荷をテープに
加え、巻終りに小さな負荷を加えた状態としてい
る。テープ巻終りに加える負荷を小さくすること
は、テープの巻始めから巻終りまで、小さなテン
シヨンとなり望ましいが、テンシヨンが不安定と
なり、極端に小とすることができない実情にあ
る。

本考案はかかる従来技術の欠点を改良するため
になされたもので、テープに周速度の差を有する
テンシヨンシヤフトを当接し、このテンシヨンシ
ヤフトの回転をテープテンシヨンに応じて制御す
ることでテープに加わる負荷を小としてテープテ
ンシヨンを小さくするとともに安定して制御でき
るように構成したことを特徴とする。

以下図面に示す実施例を参照して本考案を説明
する。第２図において、１はカセツトバツク、２
はバツク内のテープガイド、３はテンシヨンシヤ
フト、４はテープガイド、５はテープ、６は傾斜
ポスト、７はガイドローラー、８はシリンダーヘ
ツド、９は消去ヘツドである。そして、１０はテ
ンシヨン検出部でテンシヨン検出アーム１１と、
テンシヨン検出アーム１１の枢軸１２と、テープ
当接部１３と、スプリング１４とからなる。１５
は検出手段でテンシヨン検出アーム１１に固定さ
れたマグネツト１６と、機枠に固定されたホール
素子１７とからなる。テンシヨン検出アーム１１
は枢軸１２を揺動軸とし揺動自在であり、スプリ
ング１４により図中右側に付勢され、テープ当接
部１３がテープに当たり、テープのテンシヨンと
スプリング１４の張力が均衝する位置で停止す
る。テンシヨンシヤフト３は外周をゴム等の摩擦
係数大なる物質で囲み、テープ５の走行速度と異
なる周速度をもつてテープ５に当接し速度差によ
り摩擦抵抗をテープ５に加えている。

ここでテープ５に加わるテンシヨンが何んらか
の要因で大きくなると、テンシヨン検出アーム１
１はスプリング１４の張力に抗して図中左に変位
する。かかる変位によりマグネツト１６とホール
素子１７の距離が近ずき、ホール素子１７の電気
信号が変化する。この電気信号は第３図に示すご
とく、駆動回路１８で増幅されてモーター１９の
回転数を増大させる。このモーター１９はテンシ
ヨンシヤフト３に駆動連結している。その一例と
しては、モーター１９の回転軸自体をテンシヨン
シヤフト３のシヤフトとしたもの、又は適宜減速
手段を介して構成されたものである。かかるテン
シヨンシヤフト３の回転数の増加は、テープ５と
の周速度差を縮めてテープ５に加える負荷を減少
させてテープテンシヨンの減少を図る。

一方、テープテンシヨンが小さくなると、スプ
リング１４の張力によりテンシヨン検出アーム１
１は右方に変位し、マグネツト１６とホール素子
１７との距離は遠ざかり、ホール素子１７の電気
信号は前述の場合とは逆方向に変化する。この電
気信号の変化により、モーター１９は回転数を増
し、テンシヨンシヤフト３とテープ５との周速度
差を増してテープに加える負荷を増大させてテー
プテンシヨンの増加を図る。

従つて、テープテンシヨンの変動により、テン
シヨンシヤフト３の回転数が増減し、テープテン
シヨンを一定とすることができる。特に本考案に
あつては、テープ巻終りにテープ５の走行速度と
テンシヨンシヤフト３の周速度が同一となるよう
スプリング１４を調整し、若しくはモーター１９
の回転数を調整すればテープに負荷は加えられ
ず、従来装置のごとくテープ巻終りでテープに負
荷を加える必要がなく、テープ５に何んら余分の
テンシヨンを加えることなく、巻始めから巻終り
まで安定したテープテンシヨンの制御が可能とな
る。

なお、マグネツト１６の遠近に対してホール素
子１７が最大の感度となるよう、ホール素子１７
は機枠に取りつけられることが望ましい。また、
マグネツト１６の遠近によりホール素子１７の電
気信号の増減の方向はいずれでもよく、駆動回路
１８により適宜必要により信号の交換を行なえば
よい。

以上説明した所から明らかなように、本考案に
よれば、テープテンシヨンに応じて、テープに負
荷を加えるテンシヨンシヤフトの回転数を電気的
に調整してテープテンシヨンを一定とするため、
小さなテープテンシヨンでテープ巻始めから巻終
りまで安定して制御することができる。また、テ
ープテンシヨンの調整はテンシヨン検出部のスプ
リングの調整若しくはモーター回転数の調整によ
つて容易に行なうことができる。さらに、リール
ベースの異常なバツクテンシヨンの発生等の外乱
をテンシヨンシヤフトで吸収し、テンシヨンシヤ
フト以後のテープテンシヨンを一定としてテープ
走行の安定が図られる。さらにまた、テンシヨン
シヤフトによりリールベースからテープを引き出
す力をテープに与えてキヤプスタンによるテープ
張力を低下させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置のテープテンシヨンの特性
図、第２図は本考案を示す概要図、第３図は本考
案の電気ブロツク図である。 ３……テンシヨンシヤフト、５……テープ、１
０……テンシヨン検出部、１５……検出手段、１
９……モーター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープテンシヨンに応じて変位するテンシヨン
   検出部と、このテンシヨン検出部の変位を検知し
   電気信号を出力する検出手段と、テープに当接し
   テープとの周速度の差によつてテープのテンシヨ
   ンを増減させるテンシヨンシヤフトと、このテン
   シヨンシヤフトを回転駆動するモーターと、を含
   み、前記テンシヨン検出部の出力信号によつて前
   記モーターの回転速度を制御してテープテンシヨ
   ンを一定とすべく構成したことを特徴とする磁気
   録画装置等のテープテンシヨン制御機構。