JPS6331209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気記録再生装置に於ける回転磁気ヘ
ツドの駆動装置に関する。

一般にVTR等の磁気記録再生装置に使用され
る回転磁気ヘツドは、ガイドシリンダの中央に配
備されたシヤフトによつて支持され、該シヤフト
をガイドシリンダ内部に装備されたモータと直結
して或はガイドシリンダ外部に配備されているキ
ヤプスタン又はリール台駆動用モータとベルト連
繋して回転駆動することにより、磁気テープの走
査を行なつている。しかし、装置の低コスト化や
軽量化を図る為には、後者の駆動方法即ちモータ
をシリンダ内部に設けず、外部の駆動系モータを
利用して上記シヤフトを駆動する方法をとる必要
がある。

ところが、キヤプスタンやリール台を駆動する
モータによつて該シヤフトも駆動する場合、該モ
ータはキヤプスタン又はリール台の関係で正逆両
方向に回転させる必要があるが、一方磁気ヘツド
は一方向のみに回転すれば十分であるにも拘ら
ず、該シヤフトも正逆に回転駆動されることにな
る。該シヤフトはフライホイール等を装備して大
きな慣性を有しているので、回転方向が変わる度
にモータからの駆動径路に過大な負荷がかかる。

従来はこの為、磁気ヘツドを支持するシヤフト
は一方向のみに回転するモータによつて駆動する
こととし、キヤプスタンやリール台は該モータか
らの動力伝達径路内にソレノイドの作動によつて
噛合解脱する歯車機構を介装することによつて回
転方向を切換えていた。しかし、これによつて
VTR装置の駆動系の部品点数が増加し、装置の
軽量化や小形化の妨げとなつていた。

（目的） 本考案の目的は、上記問題を解決し、キヤプス
タンやリール台等をも含む駆動系全体を１台のモ
ータによつて兼用出来る簡易な構造の回転磁気ヘ
ツドの駆動装置を提供することである。

（構成） 本考案はガイドシリンダの外部に配備されキヤ
プスタン及びリール台に連繋した正逆回転可能な
動力源によつて直接に駆動される原動回転部と、
磁気ヘツドを支持し回転自由に配備された従動回
転部とを同軸に且つ接近して配備し、両回転部の
間に原動回転部が従動回転部に対し定められた一
方向に回転するときのみ係合して両回転部を一体
回転させ、原動回転部が逆方向回転するとき係合
を外す一方向クラツチを介装したことを特徴とす
る。

（作用） 原動回転部が従動回転部に対して予め定められ
た方向に相対回転したとき、一方向クラツチが係
合し、原動回転部の動力は従動回転部に伝えられ
従動回転部は磁気ヘツドと一体に回転する。

原動回転部が上記と逆方向に回転したとき、一
方向クラツチの係合は解放され、原動回転部の回
転は従動回転部には伝わらない。従つて、モータ
の回転を原動回転部駆動方向から逆方向に切換え
たとき、モータから原動回転部の駆動経路に過大
な負荷がかかることはない。

（特有の効果） キヤプスタン及びリール台は、歯車機構等の回
転方向切換装置を介することなく、正逆回点可能
な１つのモータによつて直接に駆動し、且つ該モ
ータの動力を直接に回転磁気ヘツド駆動装置に伝
える構造としても、駆動系に不具合は生じない。
然も回転磁気ヘツドの駆動装置は、一方向クラツ
チの採用によつてコンパクトに構成され、駆動系
全体を簡易な構造とすることが出来る。

以下図示する実施例に基づき本考案を詳述す
る。

本実施例に於てはキヤプスタンやリール台を駆
動するモータを利用して回転磁気ヘツドを駆動す
る。キヤプスタンやリール台と該モータとの動力
伝達経路内には歯車機構等よりなる回転方向切換
装置は無く、従つて該モータは必要に応じて正逆
に回転する。

第１図は本考案に係る回転磁気ヘツドの駆動装
置をVTRに実施した例を示し、第２図は第１図
の−断面を示しす。シヤーシ１０上に固定さ
れた下部シリンダ１３の上方に、磁気ヘツド１１
が装備された上部シリンダ１２を回動自由に配備
してガイドシリンダ１を構成している。上部シリ
ンダ１２は中央部から下向きにシヤフト２を突出
し、シヤフト下端をシヤーシ１０上に枢支し下部
シリンダ１３に対して回転自在である。

上記シヤフト２には、段付き円板状のスリーブ
３が嵌入固定され、回転磁気ヘツド駆動装置の従
動回転部を形成している。該スリーブ３に対向し
てローラ受け体５がシヤフト２上に回転自由に配
備される。ローラ受け体５は第２図に示す如く、
内面に中心からの距離が徐々に増える傾斜カム面
５０を複数形成し、スリーブ３に形成した円筒面
３０との間に楔形状の空間を形成しており、該空
間にローラ４が嵌まつている。又該ローラ受体５
の背面には複数の凸部５１が形成され、該凸部は
円筒状のプーリ６の上面に設けられた凹部６１に
嵌合している。該プーリ６の中央部には含油軸受
６０が圧入固定され、シヤフト２に回転自由に嵌
まつている。上記ローラ受け体５とプーリ６とは
原動回転部を構成し、スリーブ３の円筒面３０、
ローラ受け体５のカム面５０及びローラ４は一方
向クラツチを構成している。

VTRが記録再生モードとなると、キヤプスタ
ンやリール台を駆動するモータ（図示せず）の回
転動力はベルト７によつて上記プーリ６に伝えら
れるプーリ６及びローラ受け体５は、凹部６１と
凸部５１が咬合しているので一体に回転する。プ
ーリ６は含油軸受６０によつてシヤフト２に回転
自由に嵌まつており、ローラ受け体５もシヤフト
２に対して回転自由であるから、ローラ受け体５
は第２図ａに矢印で示す方向へ自由回転を始め
る。

この結果ローラ４は、ローラ受け体５のカム面
５０とスリーブ３の円筒面３０との間の楔状空間
に食い込み、ローラ受け体５とスリーブ３とは一
体化して回転する。スリーブ３の回転によりシヤ
フト２が駆動されて上部シリンダ１及び磁気ヘツ
ド１１が回転する。

VTRが巻戻しモードとなり、ピンチローラや
リール台を駆動するモータが逆回転すると、ベル
ト７は逆方向に駆動される。この為ローラ受け体
５は第２図ｂに示す如く時計方向に回転駆動され
ローラ４はカム面５０と円筒面３０による保持状
態から解放される。この結果、ローラ受け体５と
スリーブ３とは互いに回転自由となり、ローラ受
け体５の回転はスリーブ３に伝わらない。従つて
上部シリンダ１２や磁気ヘツド１１が逆回転する
ことはない。

モータの回転方向が切換わつたときも上部シリ
ンダ１２は慣性によつて一方向に回転し続けるの
で、モータやベルト７等に無理な力が加わること
がなく、回転方向の切換えはスムーズに行なわれ
る。

本実施例に於ては、簡易な構造の一方向クラツ
チの採用によつて回転磁気ヘツド駆動装置をコン
パクトに構成し、然も歯車機構等による回転方向
切換装置の廃止によつて、キヤプスタンやリール
台をも含めた駆動系全体の部品点数の減少化を図
つている。従つてVTR装置の小形化や軽量化に
極めて有効である。

尚本実施例に於ては、一方向クラツチとしてロ
ーラクラツチを用いたが、他の周知の一方向クラ
ツチも使用可能であるのは勿論である。例えば、
爪車を用いたラチエツト送り機構を採用しても良
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る回転磁気ヘツドの駆動装
置の実施例を示す一部破断正面図、第２図ａ及び
ｂは第１図−線に沿う断面図である。 １……ガイドシリンダ、１１……磁気ヘツド、
３……スリーブ、４……ローラ、５……ローラ受
け体、５０……カム面、６……プーリ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガイドシリンダの外部に配備された正逆回転
   可能な動力源によつて磁気テープを正逆方向に
   駆動する駆動装置に於いて、 前記動力源からの、動力に直接に連繋し回転
   駆動される原動回転部と、回転磁気ヘツドを支
   持し回転自由に配備された従動回転部とを同軸
   に且つ接近して配備し、両回転部の間に原動回
   転部が従動回転部に対し定められた一方向に回
   転するときのみ係合して両回転部を一体回転さ
   せ巻戻しモード時に原動回転部が逆方向回転す
   るとき係合を外す一方向クラツチを介装したこ
   とを特徴とする回転磁気ヘツドの駆動装置。 一方向クラツチは、両回転部の対向面の一方
   には中心からの距離が徐々に増加するカム面を
   形成し、他方の回転部にはカム面と対向して円
   筒面を形成して、カム面及び円筒面との間に楔
   状空間を形成し、該楔状空間へ転動体を介在さ
   せて成り、原動回転部が従動回転部に対して定
   められた一方向に相対回転したときのみ、該転
   動体は楔作用により上記カム面とその対向面と
   の間に噛み込まれ、両回転体を一体化して回転
   させる実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   回転磁気ヘツドの駆動装置。