JPH06157190A - 炭化珪素薄膜の製造方法 - Google Patents

炭化珪素薄膜の製造方法

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JPH06157190A
JPH06157190A JP31243792A JP31243792A JPH06157190A JP H06157190 A JPH06157190 A JP H06157190A JP 31243792 A JP31243792 A JP 31243792A JP 31243792 A JP31243792 A JP 31243792A JP H06157190 A JPH06157190 A JP H06157190A
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JP
Japan
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single crystal
thin film
light
substrate
silicon carbide
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JP31243792A
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English (en)
Inventor
Makoto Kitahata
真 北畠
Takashi Hirao
孝 平尾
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶珪素を真空槽中に保持し、単結晶珪素
表面に少なくとも炭素を含む粒子を供給し、紫外領域の
波長を有する光を照射しつつ単結晶基板を600℃以上
に加熱することにより、珪素基板上に急峻な低欠陥ヘテ
ロ界面を有する単結晶炭化珪素薄膜を得る。 【構成】 単結晶珪素(Si)基板1を真空容器2内に
設置された加熱機構3上に設置し、エレクトロンビーム
蒸発源4に炭素5を置き、電子ビームにより炭素を含む
粒子6を蒸発させ、Si基板1表面に前記炭素を含む粒
子6を供給する。この時加熱機構3によりSi基板1は
600℃以上に加熱されており、光源7から光学窓8を
通して紫外領域の波長を有する光9がSi基板1表面に
照射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐環境性素子・単波長
発光素子を実現させるワイドバンドギャップ半導体など
として期待される炭化珪素の単結晶薄膜の形成方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化珪素薄膜は、炭化珪素単結晶
基板または珪素単結晶基板上にエピタキシャル成長させ
単結晶薄膜が形成されている。ここで単結晶炭化珪素は
大型の良質の単結晶が得にくい為、単結晶珪素(Si)
基板がおもに用いられる。単結晶珪素基板上へのヘテロ
エピタキシャルに関しては、松波、西野、大野、アイイ
ー イー イー トラン エレクトロン デバイス[H.
Matsunami, S.Nishino, and H.Ono, IEEE Tran. Electr
on. Devices ED-28, 1235(1981).]等に詳しいが、良質
の単結晶薄膜を得るためには炭化珪素の薄膜成長に先立
って単結晶珪素基板表面の炭化処理が必要であることが
報告されている。炭化処理は、単結晶珪素基板表面に炭
素源(プロパン、アセチレン等)のみを供給し、高温下
で反応させ単結晶珪素基板表面を炭化しバッファ層の炭
化珪素層を形成する事をいう。その後に、基板表面に珪
素(シラン等)と上記炭素源を両方供給し、炭化珪素薄
膜を成長させ、単結晶炭化珪素薄膜を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記単
結晶珪素基板表面の炭化処理には1300℃以上の珪素
の融点に近い高温を必要とし技術的に困難である。更に
炭素が基板表面から高温下での活発な拡散によって基板
中に深く拡散し、単結晶珪素と炭化珪素の界面を乱し多
くの欠陥が導入され炭化珪素薄膜の半導体素子としての
応用には問題があった。従来の方法でこの界面での欠陥
を緩和し欠陥の少ない単結晶炭化珪素薄膜を得るために
は、上記炭化処理後炭化珪素を数ミクロン以上の膜厚ま
で成長させる必要があり、工業的にも問題があった。
【0004】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、珪素基板上に急峻な低欠陥のヘテロ界面を有する単
結晶の炭化珪素薄膜を製造する方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の炭化珪素薄膜の製造方法は、単結晶珪素を
真空槽中に保持し、前記単結晶珪素表面に少なくとも炭
素を含む粒子を供給し、紫外領域の波長を有する光を照
射しつつ上記単結晶基板を600℃以上に加熱すること
を特徴とする。
【0006】前記構成においては、予め600℃以上に
加熱され真空槽内に保持された単結晶珪素基板表面に、
紫外領域の波長を有する光を照射しつつ、少なくとも炭
素を含む粒子を供給することが好ましい。
【0007】また前記構成においては、炭素を供給する
単結晶珪素の表面が、酸化物などの薄膜の表面層を有し
ない不純物濃度5%以下の清浄表面であることが好まし
い。また前記構成においては、単結晶珪素の表面がSi
(001)面であることが好ましい。
【0008】また前記構成においては、紫外領域の波長
を有する光が、少なくとも180nm以上400nm以
下の波長の光を含むことが好ましい。また前記構成にお
いては、紫外領域の波長を有する光の照射密度が0.1
mW/cm2 以上10W/cm2 以下であることが好ま
しい。
【0009】また前記構成においては、紫外領域の波長
を有する光がパルス光であり、間欠的に照射することが
好ましい。また前記構成においては、紫外領域の波長を
有する光を単結晶珪素基板表面でスキャンさせて照射す
ることが好ましい。
【0010】
【作用】前記した本発明方法の構成によれば、単結晶珪
素を真空槽中に保持し、前記単結晶珪素表面に少なくと
も炭素を含む粒子を供給し、紫外領域の波長を有する光
を照射しつつ上記単結晶基板を600℃以上に加熱する
ことにより、珪素基板上に急峻な低欠陥のヘテロ界面を
有する単結晶の炭化珪素薄膜を形成することができる。
すなわち、従来よりも低温下で拡散を抑制して炭素を含
む粒子を単結晶珪素表面に供給し同時に紫外領域の波長
を有する光を照射することにより、欠陥の少ない急峻な
炭化珪素/単結晶珪素ヘテロ界面を形成することができ
る。
【0011】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。図1に本発明の一実施例の概略図を示す。単
結晶珪素(Si)基板1を真空容器2内に設置された加
熱機構3上に設置し、例えば図1中のエレクトロンビー
ム蒸発源4に炭素5を置き電子ビームにより炭素を含む
粒子6を蒸発させ、Si基板1表面に上記炭素を含む粒
子6を供給する。この時加熱機構3によりSi基板1は
600℃以上に加熱されており、光源7から光学窓8を
通して紫外領域の波長を有する光9がSi基板1表面に
照射される。
【0012】本実施例における急峻なヘテロ界面の形成
の原理の詳細は定かではないが、考えられるプロセスを
図2のSi単結晶(001)表面に炭素原子を供給した
場合の表面原子位置の立面図と側面図を用いて説明す
る。加熱されたSi(001)基板表面に炭素を含む粒
子を供給すると、供給された炭素とSi基板表面のSi
原子が反応してSiC10が形成される。この時、図2
のごとく数原子による1層(Si、C原子各々1層ず
つ)のSiC結晶の原子配列であっても、本来のSiC
単結晶の原子配列と同じ配列をとり格子定数もほぼ単結
晶の値をとると考えられる。また、結晶方位に関しても
Si(110)方向がSiC(110)と平行となるよ
うに図2のごとくエピタキシャルする。結晶の(11
0)方向にSiが4原子間距離SiCが5原子間距離で
合うような結晶格子の関係になっており、これはSiと
SiCの格子定数の違いによるものである。なお図2に
おいて、11は炭素原子、12はケイ素原子、13はS
i第1層、14はSi第2層である。
【0013】この様にSiC/Siの界面はSi基板の
1層目と2層目の間に形成されるため、反応の過程でS
i結晶の1層目と2層目のボンドを切断する必要があ
る。基板を高温に加熱することにより、このボンドの切
断はできるが、同時に基板中への炭素の拡散も大きくな
り問題である。そこで炭素の基板中への拡散を抑えた1
000℃以下程度の低温下での炭素供給が期待される
が、低温下では温度による原子の熱振動によるボンド切
断はあまり効率的でない。このため本実施例においては
紫外領域の波長を有する光の照射を付加し、表面近傍で
上記光を吸収させることにより上記ボンドの切断を効率
良く行なうことができ、低欠陥のSiC/Siヘテロ界
面を形成することができた。また図2のようなC単原子
でなく数原子集まったCクラスターが供給される場合も
あるが、紫外領域の波長を有する光の照射がこのクラス
ターとSi表面との反応によって結晶方位のそろわない
他結晶が形成されることを抑制する働きもする。つま
り、光の照射によって上記Cクラスターがエッチングさ
れ、Si表面原子との反応の前に取り除かれる効果も有
する。またこのエッチング作用はSi基板表面に供給さ
れる余分なC原子についても働き、余分なCによって形
成される結晶方位のずれたSiCの形成も抑制される。
【0014】ここでSi表面へCを低温下で吸着させて
おき、その後昇温して基板を600℃以上に加熱しても
良いが、予め600℃以上に加熱したSi基板上にCを
供給しCの吸着と同時にSiC形成の反応を起こさせる
とより、低欠陥のSiC/Siヘテロ界面の形成が可能
なことも確認した。
【0015】またSi単結晶基板の表面1層が供給され
たCと共にSiCを形成するため、基板表面は酸化物な
どに覆われていない清浄な表面であった方が上記SiC
薄膜のエピタキシャル成長がより効率的に起ることも確
認した。この場合表面での酸素などの不純物濃度が原子
数で5%以下の場合が特に効率的であった。
【0016】図2で説明したように、Si(001)面
に於いては上記プロセスにより容易にヘテロエピタキシ
ャルが得られることを説明したが、Si単結晶の他の面
についても同様の方法により単結晶炭化珪素薄膜が得ら
れることも確認した。さらにSi(001)面について
[110]方向に2〜10度オフ アングル(off angl
e)の表面では、SiCの成長がより完全に近くなり、
優れた結晶が得られることも確認した。
【0017】紫外領域の波長を有する光は光源の得やす
さと照射密度の関係からから180nm以上400nm
以下の光を含むと好ましい。例えば紫外光源として一般
的な水銀ランプやエキシマレーザ等がこれにあたる。
【0018】また紫外領域の波長を有する光の照射密度
は0.1mW/cm2 以上10W/cm2 以下が好まし
い。この範囲以下の照射密度に於いては照射効果が小さ
く成ってゆき、この範囲以上では照射によるSiC薄膜
のエッチングが顕著になってくる為である。
【0019】紫外領域の波長を有する光がエキシマレー
ザのようにパルス光であり間欠的にSi基板表面に照射
される場合は、パルス光の照射密度が大きい場合でも、
光照射の間に上記SiC/Siのヘテロ界面の形成が行
なわれ、照射によって界面での欠陥の緩和と余分なCの
エッチングが行なわれ好ましい。大きな照射密度は実験
的にはエキシマレーザを用いることにより達成しやす
い。
【0020】紫外領域の波長を有する光が基板表面でス
キャンさせて照射される場合も、上記間欠照射と同様の
効果が得られ好ましい。以下具体的実施例を説明する。
【0021】実施例1 Si(001)基板を10-9Torr以下に保たれた真
空装置内に設置し、上記Si基板を900℃に加熱す
る。上記Si基板表面は、XeClのエキシマレーザ
(波長308nm)50mJ/pulse,100pu
lses/秒の光を2×8mm2 の領域にレンズで絞っ
て(照射密度約30W/cm2 )照射することによりク
リーニングされ2×1の表面再配列を示す清浄表面とな
っている。上記Si清浄表面に、電子ビ−ム蒸着装置で
グラファイトに7.5kV,0.1−0.3A程度の電
子ビ−ムを照射することにより炭素粒子を供給した。こ
の時の真空度は2×10-7Torr程度であった。この
炭素粒子供給中に同時にXeClエキシマレーザ(波長
308nm)5mJ/pulse,1pulse/秒の
光をレンズで絞らず2×2cm2 の領域に照射(照射密
度1.25mW/cm2)した。上記清浄Si(00
1)表面への炭素粒子と紫外領域の波長を有する光の照
射を1時間続けることにより、図3に示すエックス線回
折パターンを示す薄膜を得た。エックス線回折パターン
に立方晶SiC(002)(004)の回折ピークが認
められ、方位のそろった単結晶炭化珪素薄膜が形成され
たことが確認できた。Si基板上にSiC(110)方
向がSi(110)と平行になるようにヘテロエピタキ
シャル成長しているのが反射型高エネルギー電子線回折
(RHEED)装置によって確認された。
【0022】本実施例では基板温度が900℃であった
が、600℃以上であればエピタキシャル単結晶炭化珪
素薄膜が形成できることを確認した。本実施例では高真
空下の清浄表面Si上への成長について説明したが、例
えば水素置換された大気圧雰囲気下の酸化膜を表面に有
するようなSi基板上でも上記実施例は達成できること
を確認した。本実施例では電子ビ−ム蒸着装置により炭
素粒子を供給したが、例えばアセチレンやプロパン等の
炭化水素ガスを供給しても良いことを確認した。本実施
例ではSi(001)表面を用いたが、Si単結晶の他
の面を用いても良い。本実施例では紫外領域の波長を有
する光としてXeClのエキシマレーザを用いたが、紫
外領域の波長を有する他の光源を用いても良く、特に1
80nm−400nmの波長を含んでいれば、例えばA
rFのエキシマレーザや水銀ランプ等の紫外光源でもよ
い。本実施例では紫外領域の波長を有する光の照射密度
が1.25mW/cm2であったが、光の照射があれば
この照射密度に限るものではなく、特に0.1mW/c
2 以上10W/cm2 以下であれば良いことを確認し
た。本実施例では、パルス光のエキシマレーザを用いた
が、水銀ランプの様な連続光源を用いても良く、上記連
続光源をシャッターで間欠的に照射しても良い。また、
上記光を単結晶珪素基板表面でスキャンさせ照射しても
良い。
【0023】上記実施例では予め加熱された基板表面に
炭素の供給と紫外領域の波長を有する光の照射を行なっ
たが、まず炭素を低温基板上に供給しておき後に紫外領
域の波長を有する光を照射しつつ加熱しても単結晶炭化
珪素薄膜が得られることを確認した。
【0024】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明方法によれ
ば、耐環境性素子・単波長発光素子を実現させるワイド
バンドギャップ半導体として期待される炭化珪素の単結
晶薄膜を珪素基板上にヘテロエピタキシャルさせ、高品
位で低欠陥な半導体炭化珪素薄膜が形成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実現する一実施例の装置の概略図
【図2】本発明の一実施例のSi基板上への炭化珪素薄
膜の形成プロセスの説明図
【図3】本発明の一実施例によって形成された単結晶炭
化珪素薄膜のエックス線回折パターン
【符号の説明】
1 単結晶珪素基板 2 真空容器 3 加熱機構 4 電子ビ−ム蒸着源 5 炭素 6 炭素を含む粒子 7 光源 8 光学窓 9 紫外領域の波長を有する光 10 SiC結晶の原子配列 11 炭素原子 12 ケイ素原子 13 Si第1層 14 Si第2層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素の単結晶薄膜の製造方法であっ
    て、単結晶珪素を真空槽中に保持し、前記単結晶珪素表
    面に少なくとも炭素を含む粒子を供給し、紫外領域の波
    長を有する光を照射しつつ上記単結晶基板を600℃以
    上に加熱することを特徴とする炭化珪素薄膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 予め600℃以上に加熱され真空槽内に
    保持された単結晶珪素基板表面に、紫外領域の波長を有
    する光を照射しつつ、少なくとも炭素を含む粒子を供給
    する請求項1に記載の炭化珪素薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭素を供給する単結晶珪素の表面が、酸
    化物などの薄膜の表面層を有しない不純物濃度5%以下
    の清浄表面である請求項1に記載の炭化珪素薄膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 単結晶珪素の表面がSi(001)面で
    ある請求項1に記載の炭化珪素薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 紫外領域の波長を有する光が、少なくと
    も180nm以上400nm以下の波長の光を含む請求
    項1に記載の炭化珪素薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 紫外領域の波長を有する光の照射密度が
    0.1mW/cm2 以上10W/cm2 以下である請求
    項1に記載の炭化珪素薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 紫外領域の波長を有する光がパルス光で
    あり、間欠的に照射する請求項1に記載の炭化珪素薄膜
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 紫外領域の波長を有する光を単結晶珪素
    基板表面でスキャンさせて照射する請求項1に記載の炭
    化珪素薄膜の製造方法。
JP31243792A 1992-11-20 1992-11-20 炭化珪素薄膜の製造方法 Pending JPH06157190A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011071219A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Seiko Epson Corp 半導体基板の製造方法
JP2014205615A (ja) * 2014-05-29 2014-10-30 セイコーエプソン株式会社 立方晶炭化珪素半導体基板及び立方晶炭化珪素層

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