JPH06157190A - 炭化珪素薄膜の製造方法 - Google Patents
炭化珪素薄膜の製造方法Info
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- JPH06157190A JPH06157190A JP31243792A JP31243792A JPH06157190A JP H06157190 A JPH06157190 A JP H06157190A JP 31243792 A JP31243792 A JP 31243792A JP 31243792 A JP31243792 A JP 31243792A JP H06157190 A JPH06157190 A JP H06157190A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 単結晶珪素を真空槽中に保持し、単結晶珪素
表面に少なくとも炭素を含む粒子を供給し、紫外領域の
波長を有する光を照射しつつ単結晶基板を600℃以上
に加熱することにより、珪素基板上に急峻な低欠陥ヘテ
ロ界面を有する単結晶炭化珪素薄膜を得る。 【構成】 単結晶珪素(Si)基板1を真空容器2内に
設置された加熱機構3上に設置し、エレクトロンビーム
蒸発源4に炭素5を置き、電子ビームにより炭素を含む
粒子6を蒸発させ、Si基板1表面に前記炭素を含む粒
子6を供給する。この時加熱機構3によりSi基板1は
600℃以上に加熱されており、光源7から光学窓8を
通して紫外領域の波長を有する光9がSi基板1表面に
照射される。
表面に少なくとも炭素を含む粒子を供給し、紫外領域の
波長を有する光を照射しつつ単結晶基板を600℃以上
に加熱することにより、珪素基板上に急峻な低欠陥ヘテ
ロ界面を有する単結晶炭化珪素薄膜を得る。 【構成】 単結晶珪素(Si)基板1を真空容器2内に
設置された加熱機構3上に設置し、エレクトロンビーム
蒸発源4に炭素5を置き、電子ビームにより炭素を含む
粒子6を蒸発させ、Si基板1表面に前記炭素を含む粒
子6を供給する。この時加熱機構3によりSi基板1は
600℃以上に加熱されており、光源7から光学窓8を
通して紫外領域の波長を有する光9がSi基板1表面に
照射される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐環境性素子・単波長
発光素子を実現させるワイドバンドギャップ半導体など
として期待される炭化珪素の単結晶薄膜の形成方法に関
するものである。
発光素子を実現させるワイドバンドギャップ半導体など
として期待される炭化珪素の単結晶薄膜の形成方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化珪素薄膜は、炭化珪素単結晶
基板または珪素単結晶基板上にエピタキシャル成長させ
単結晶薄膜が形成されている。ここで単結晶炭化珪素は
大型の良質の単結晶が得にくい為、単結晶珪素(Si)
基板がおもに用いられる。単結晶珪素基板上へのヘテロ
エピタキシャルに関しては、松波、西野、大野、アイイ
ー イー イー トラン エレクトロン デバイス[H.
Matsunami, S.Nishino, and H.Ono, IEEE Tran. Electr
on. Devices ED-28, 1235(1981).]等に詳しいが、良質
の単結晶薄膜を得るためには炭化珪素の薄膜成長に先立
って単結晶珪素基板表面の炭化処理が必要であることが
報告されている。炭化処理は、単結晶珪素基板表面に炭
素源(プロパン、アセチレン等)のみを供給し、高温下
で反応させ単結晶珪素基板表面を炭化しバッファ層の炭
化珪素層を形成する事をいう。その後に、基板表面に珪
素(シラン等)と上記炭素源を両方供給し、炭化珪素薄
膜を成長させ、単結晶炭化珪素薄膜を得ている。
基板または珪素単結晶基板上にエピタキシャル成長させ
単結晶薄膜が形成されている。ここで単結晶炭化珪素は
大型の良質の単結晶が得にくい為、単結晶珪素(Si)
基板がおもに用いられる。単結晶珪素基板上へのヘテロ
エピタキシャルに関しては、松波、西野、大野、アイイ
ー イー イー トラン エレクトロン デバイス[H.
Matsunami, S.Nishino, and H.Ono, IEEE Tran. Electr
on. Devices ED-28, 1235(1981).]等に詳しいが、良質
の単結晶薄膜を得るためには炭化珪素の薄膜成長に先立
って単結晶珪素基板表面の炭化処理が必要であることが
報告されている。炭化処理は、単結晶珪素基板表面に炭
素源(プロパン、アセチレン等)のみを供給し、高温下
で反応させ単結晶珪素基板表面を炭化しバッファ層の炭
化珪素層を形成する事をいう。その後に、基板表面に珪
素(シラン等)と上記炭素源を両方供給し、炭化珪素薄
膜を成長させ、単結晶炭化珪素薄膜を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記単
結晶珪素基板表面の炭化処理には1300℃以上の珪素
の融点に近い高温を必要とし技術的に困難である。更に
炭素が基板表面から高温下での活発な拡散によって基板
中に深く拡散し、単結晶珪素と炭化珪素の界面を乱し多
くの欠陥が導入され炭化珪素薄膜の半導体素子としての
応用には問題があった。従来の方法でこの界面での欠陥
を緩和し欠陥の少ない単結晶炭化珪素薄膜を得るために
は、上記炭化処理後炭化珪素を数ミクロン以上の膜厚ま
で成長させる必要があり、工業的にも問題があった。
結晶珪素基板表面の炭化処理には1300℃以上の珪素
の融点に近い高温を必要とし技術的に困難である。更に
炭素が基板表面から高温下での活発な拡散によって基板
中に深く拡散し、単結晶珪素と炭化珪素の界面を乱し多
くの欠陥が導入され炭化珪素薄膜の半導体素子としての
応用には問題があった。従来の方法でこの界面での欠陥
を緩和し欠陥の少ない単結晶炭化珪素薄膜を得るために
は、上記炭化処理後炭化珪素を数ミクロン以上の膜厚ま
で成長させる必要があり、工業的にも問題があった。
【0004】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、珪素基板上に急峻な低欠陥のヘテロ界面を有する単
結晶の炭化珪素薄膜を製造する方法を提供することを目
的とする。
め、珪素基板上に急峻な低欠陥のヘテロ界面を有する単
結晶の炭化珪素薄膜を製造する方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の炭化珪素薄膜の製造方法は、単結晶珪素を
真空槽中に保持し、前記単結晶珪素表面に少なくとも炭
素を含む粒子を供給し、紫外領域の波長を有する光を照
射しつつ上記単結晶基板を600℃以上に加熱すること
を特徴とする。
め、本発明の炭化珪素薄膜の製造方法は、単結晶珪素を
真空槽中に保持し、前記単結晶珪素表面に少なくとも炭
素を含む粒子を供給し、紫外領域の波長を有する光を照
射しつつ上記単結晶基板を600℃以上に加熱すること
を特徴とする。
【0006】前記構成においては、予め600℃以上に
加熱され真空槽内に保持された単結晶珪素基板表面に、
紫外領域の波長を有する光を照射しつつ、少なくとも炭
素を含む粒子を供給することが好ましい。
加熱され真空槽内に保持された単結晶珪素基板表面に、
紫外領域の波長を有する光を照射しつつ、少なくとも炭
素を含む粒子を供給することが好ましい。
【0007】また前記構成においては、炭素を供給する
単結晶珪素の表面が、酸化物などの薄膜の表面層を有し
ない不純物濃度5%以下の清浄表面であることが好まし
い。また前記構成においては、単結晶珪素の表面がSi
(001)面であることが好ましい。
単結晶珪素の表面が、酸化物などの薄膜の表面層を有し
ない不純物濃度5%以下の清浄表面であることが好まし
い。また前記構成においては、単結晶珪素の表面がSi
(001)面であることが好ましい。
【0008】また前記構成においては、紫外領域の波長
を有する光が、少なくとも180nm以上400nm以
下の波長の光を含むことが好ましい。また前記構成にお
いては、紫外領域の波長を有する光の照射密度が0.1
mW/cm2 以上10W/cm2 以下であることが好ま
しい。
を有する光が、少なくとも180nm以上400nm以
下の波長の光を含むことが好ましい。また前記構成にお
いては、紫外領域の波長を有する光の照射密度が0.1
mW/cm2 以上10W/cm2 以下であることが好ま
しい。
【0009】また前記構成においては、紫外領域の波長
を有する光がパルス光であり、間欠的に照射することが
好ましい。また前記構成においては、紫外領域の波長を
有する光を単結晶珪素基板表面でスキャンさせて照射す
ることが好ましい。
を有する光がパルス光であり、間欠的に照射することが
好ましい。また前記構成においては、紫外領域の波長を
有する光を単結晶珪素基板表面でスキャンさせて照射す
ることが好ましい。
【0010】
【作用】前記した本発明方法の構成によれば、単結晶珪
素を真空槽中に保持し、前記単結晶珪素表面に少なくと
も炭素を含む粒子を供給し、紫外領域の波長を有する光
を照射しつつ上記単結晶基板を600℃以上に加熱する
ことにより、珪素基板上に急峻な低欠陥のヘテロ界面を
有する単結晶の炭化珪素薄膜を形成することができる。
すなわち、従来よりも低温下で拡散を抑制して炭素を含
む粒子を単結晶珪素表面に供給し同時に紫外領域の波長
を有する光を照射することにより、欠陥の少ない急峻な
炭化珪素/単結晶珪素ヘテロ界面を形成することができ
る。
素を真空槽中に保持し、前記単結晶珪素表面に少なくと
も炭素を含む粒子を供給し、紫外領域の波長を有する光
を照射しつつ上記単結晶基板を600℃以上に加熱する
ことにより、珪素基板上に急峻な低欠陥のヘテロ界面を
有する単結晶の炭化珪素薄膜を形成することができる。
すなわち、従来よりも低温下で拡散を抑制して炭素を含
む粒子を単結晶珪素表面に供給し同時に紫外領域の波長
を有する光を照射することにより、欠陥の少ない急峻な
炭化珪素/単結晶珪素ヘテロ界面を形成することができ
る。
【0011】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。図1に本発明の一実施例の概略図を示す。単
結晶珪素(Si)基板1を真空容器2内に設置された加
熱機構3上に設置し、例えば図1中のエレクトロンビー
ム蒸発源4に炭素5を置き電子ビームにより炭素を含む
粒子6を蒸発させ、Si基板1表面に上記炭素を含む粒
子6を供給する。この時加熱機構3によりSi基板1は
600℃以上に加熱されており、光源7から光学窓8を
通して紫外領域の波長を有する光9がSi基板1表面に
照射される。
説明する。図1に本発明の一実施例の概略図を示す。単
結晶珪素(Si)基板1を真空容器2内に設置された加
熱機構3上に設置し、例えば図1中のエレクトロンビー
ム蒸発源4に炭素5を置き電子ビームにより炭素を含む
粒子6を蒸発させ、Si基板1表面に上記炭素を含む粒
子6を供給する。この時加熱機構3によりSi基板1は
600℃以上に加熱されており、光源7から光学窓8を
通して紫外領域の波長を有する光9がSi基板1表面に
照射される。
【0012】本実施例における急峻なヘテロ界面の形成
の原理の詳細は定かではないが、考えられるプロセスを
図2のSi単結晶(001)表面に炭素原子を供給した
場合の表面原子位置の立面図と側面図を用いて説明す
る。加熱されたSi(001)基板表面に炭素を含む粒
子を供給すると、供給された炭素とSi基板表面のSi
原子が反応してSiC10が形成される。この時、図2
のごとく数原子による1層(Si、C原子各々1層ず
つ)のSiC結晶の原子配列であっても、本来のSiC
単結晶の原子配列と同じ配列をとり格子定数もほぼ単結
晶の値をとると考えられる。また、結晶方位に関しても
Si(110)方向がSiC(110)と平行となるよ
うに図2のごとくエピタキシャルする。結晶の(11
0)方向にSiが4原子間距離SiCが5原子間距離で
合うような結晶格子の関係になっており、これはSiと
SiCの格子定数の違いによるものである。なお図2に
おいて、11は炭素原子、12はケイ素原子、13はS
i第1層、14はSi第2層である。
の原理の詳細は定かではないが、考えられるプロセスを
図2のSi単結晶(001)表面に炭素原子を供給した
場合の表面原子位置の立面図と側面図を用いて説明す
る。加熱されたSi(001)基板表面に炭素を含む粒
子を供給すると、供給された炭素とSi基板表面のSi
原子が反応してSiC10が形成される。この時、図2
のごとく数原子による1層(Si、C原子各々1層ず
つ)のSiC結晶の原子配列であっても、本来のSiC
単結晶の原子配列と同じ配列をとり格子定数もほぼ単結
晶の値をとると考えられる。また、結晶方位に関しても
Si(110)方向がSiC(110)と平行となるよ
うに図2のごとくエピタキシャルする。結晶の(11
0)方向にSiが4原子間距離SiCが5原子間距離で
合うような結晶格子の関係になっており、これはSiと
SiCの格子定数の違いによるものである。なお図2に
おいて、11は炭素原子、12はケイ素原子、13はS
i第1層、14はSi第2層である。
【0013】この様にSiC/Siの界面はSi基板の
1層目と2層目の間に形成されるため、反応の過程でS
i結晶の1層目と2層目のボンドを切断する必要があ
る。基板を高温に加熱することにより、このボンドの切
断はできるが、同時に基板中への炭素の拡散も大きくな
り問題である。そこで炭素の基板中への拡散を抑えた1
000℃以下程度の低温下での炭素供給が期待される
が、低温下では温度による原子の熱振動によるボンド切
断はあまり効率的でない。このため本実施例においては
紫外領域の波長を有する光の照射を付加し、表面近傍で
上記光を吸収させることにより上記ボンドの切断を効率
良く行なうことができ、低欠陥のSiC/Siヘテロ界
面を形成することができた。また図2のようなC単原子
でなく数原子集まったCクラスターが供給される場合も
あるが、紫外領域の波長を有する光の照射がこのクラス
ターとSi表面との反応によって結晶方位のそろわない
他結晶が形成されることを抑制する働きもする。つま
り、光の照射によって上記Cクラスターがエッチングさ
れ、Si表面原子との反応の前に取り除かれる効果も有
する。またこのエッチング作用はSi基板表面に供給さ
れる余分なC原子についても働き、余分なCによって形
成される結晶方位のずれたSiCの形成も抑制される。
1層目と2層目の間に形成されるため、反応の過程でS
i結晶の1層目と2層目のボンドを切断する必要があ
る。基板を高温に加熱することにより、このボンドの切
断はできるが、同時に基板中への炭素の拡散も大きくな
り問題である。そこで炭素の基板中への拡散を抑えた1
000℃以下程度の低温下での炭素供給が期待される
が、低温下では温度による原子の熱振動によるボンド切
断はあまり効率的でない。このため本実施例においては
紫外領域の波長を有する光の照射を付加し、表面近傍で
上記光を吸収させることにより上記ボンドの切断を効率
良く行なうことができ、低欠陥のSiC/Siヘテロ界
面を形成することができた。また図2のようなC単原子
でなく数原子集まったCクラスターが供給される場合も
あるが、紫外領域の波長を有する光の照射がこのクラス
ターとSi表面との反応によって結晶方位のそろわない
他結晶が形成されることを抑制する働きもする。つま
り、光の照射によって上記Cクラスターがエッチングさ
れ、Si表面原子との反応の前に取り除かれる効果も有
する。またこのエッチング作用はSi基板表面に供給さ
れる余分なC原子についても働き、余分なCによって形
成される結晶方位のずれたSiCの形成も抑制される。
【0014】ここでSi表面へCを低温下で吸着させて
おき、その後昇温して基板を600℃以上に加熱しても
良いが、予め600℃以上に加熱したSi基板上にCを
供給しCの吸着と同時にSiC形成の反応を起こさせる
とより、低欠陥のSiC/Siヘテロ界面の形成が可能
なことも確認した。
おき、その後昇温して基板を600℃以上に加熱しても
良いが、予め600℃以上に加熱したSi基板上にCを
供給しCの吸着と同時にSiC形成の反応を起こさせる
とより、低欠陥のSiC/Siヘテロ界面の形成が可能
なことも確認した。
【0015】またSi単結晶基板の表面1層が供給され
たCと共にSiCを形成するため、基板表面は酸化物な
どに覆われていない清浄な表面であった方が上記SiC
薄膜のエピタキシャル成長がより効率的に起ることも確
認した。この場合表面での酸素などの不純物濃度が原子
数で5%以下の場合が特に効率的であった。
たCと共にSiCを形成するため、基板表面は酸化物な
どに覆われていない清浄な表面であった方が上記SiC
薄膜のエピタキシャル成長がより効率的に起ることも確
認した。この場合表面での酸素などの不純物濃度が原子
数で5%以下の場合が特に効率的であった。
【0016】図2で説明したように、Si(001)面
に於いては上記プロセスにより容易にヘテロエピタキシ
ャルが得られることを説明したが、Si単結晶の他の面
についても同様の方法により単結晶炭化珪素薄膜が得ら
れることも確認した。さらにSi(001)面について
[110]方向に2〜10度オフ アングル(off angl
e)の表面では、SiCの成長がより完全に近くなり、
優れた結晶が得られることも確認した。
に於いては上記プロセスにより容易にヘテロエピタキシ
ャルが得られることを説明したが、Si単結晶の他の面
についても同様の方法により単結晶炭化珪素薄膜が得ら
れることも確認した。さらにSi(001)面について
[110]方向に2〜10度オフ アングル(off angl
e)の表面では、SiCの成長がより完全に近くなり、
優れた結晶が得られることも確認した。
【0017】紫外領域の波長を有する光は光源の得やす
さと照射密度の関係からから180nm以上400nm
以下の光を含むと好ましい。例えば紫外光源として一般
的な水銀ランプやエキシマレーザ等がこれにあたる。
さと照射密度の関係からから180nm以上400nm
以下の光を含むと好ましい。例えば紫外光源として一般
的な水銀ランプやエキシマレーザ等がこれにあたる。
【0018】また紫外領域の波長を有する光の照射密度
は0.1mW/cm2 以上10W/cm2 以下が好まし
い。この範囲以下の照射密度に於いては照射効果が小さ
く成ってゆき、この範囲以上では照射によるSiC薄膜
のエッチングが顕著になってくる為である。
は0.1mW/cm2 以上10W/cm2 以下が好まし
い。この範囲以下の照射密度に於いては照射効果が小さ
く成ってゆき、この範囲以上では照射によるSiC薄膜
のエッチングが顕著になってくる為である。
【0019】紫外領域の波長を有する光がエキシマレー
ザのようにパルス光であり間欠的にSi基板表面に照射
される場合は、パルス光の照射密度が大きい場合でも、
光照射の間に上記SiC/Siのヘテロ界面の形成が行
なわれ、照射によって界面での欠陥の緩和と余分なCの
エッチングが行なわれ好ましい。大きな照射密度は実験
的にはエキシマレーザを用いることにより達成しやす
い。
ザのようにパルス光であり間欠的にSi基板表面に照射
される場合は、パルス光の照射密度が大きい場合でも、
光照射の間に上記SiC/Siのヘテロ界面の形成が行
なわれ、照射によって界面での欠陥の緩和と余分なCの
エッチングが行なわれ好ましい。大きな照射密度は実験
的にはエキシマレーザを用いることにより達成しやす
い。
【0020】紫外領域の波長を有する光が基板表面でス
キャンさせて照射される場合も、上記間欠照射と同様の
効果が得られ好ましい。以下具体的実施例を説明する。
キャンさせて照射される場合も、上記間欠照射と同様の
効果が得られ好ましい。以下具体的実施例を説明する。
【0021】実施例1 Si(001)基板を10-9Torr以下に保たれた真
空装置内に設置し、上記Si基板を900℃に加熱す
る。上記Si基板表面は、XeClのエキシマレーザ
(波長308nm)50mJ/pulse,100pu
lses/秒の光を2×8mm2 の領域にレンズで絞っ
て(照射密度約30W/cm2 )照射することによりク
リーニングされ2×1の表面再配列を示す清浄表面とな
っている。上記Si清浄表面に、電子ビ−ム蒸着装置で
グラファイトに7.5kV,0.1−0.3A程度の電
子ビ−ムを照射することにより炭素粒子を供給した。こ
の時の真空度は2×10-7Torr程度であった。この
炭素粒子供給中に同時にXeClエキシマレーザ(波長
308nm)5mJ/pulse,1pulse/秒の
光をレンズで絞らず2×2cm2 の領域に照射(照射密
度1.25mW/cm2)した。上記清浄Si(00
1)表面への炭素粒子と紫外領域の波長を有する光の照
射を1時間続けることにより、図3に示すエックス線回
折パターンを示す薄膜を得た。エックス線回折パターン
に立方晶SiC(002)(004)の回折ピークが認
められ、方位のそろった単結晶炭化珪素薄膜が形成され
たことが確認できた。Si基板上にSiC(110)方
向がSi(110)と平行になるようにヘテロエピタキ
シャル成長しているのが反射型高エネルギー電子線回折
(RHEED)装置によって確認された。
空装置内に設置し、上記Si基板を900℃に加熱す
る。上記Si基板表面は、XeClのエキシマレーザ
(波長308nm)50mJ/pulse,100pu
lses/秒の光を2×8mm2 の領域にレンズで絞っ
て(照射密度約30W/cm2 )照射することによりク
リーニングされ2×1の表面再配列を示す清浄表面とな
っている。上記Si清浄表面に、電子ビ−ム蒸着装置で
グラファイトに7.5kV,0.1−0.3A程度の電
子ビ−ムを照射することにより炭素粒子を供給した。こ
の時の真空度は2×10-7Torr程度であった。この
炭素粒子供給中に同時にXeClエキシマレーザ(波長
308nm)5mJ/pulse,1pulse/秒の
光をレンズで絞らず2×2cm2 の領域に照射(照射密
度1.25mW/cm2)した。上記清浄Si(00
1)表面への炭素粒子と紫外領域の波長を有する光の照
射を1時間続けることにより、図3に示すエックス線回
折パターンを示す薄膜を得た。エックス線回折パターン
に立方晶SiC(002)(004)の回折ピークが認
められ、方位のそろった単結晶炭化珪素薄膜が形成され
たことが確認できた。Si基板上にSiC(110)方
向がSi(110)と平行になるようにヘテロエピタキ
シャル成長しているのが反射型高エネルギー電子線回折
(RHEED)装置によって確認された。
【0022】本実施例では基板温度が900℃であった
が、600℃以上であればエピタキシャル単結晶炭化珪
素薄膜が形成できることを確認した。本実施例では高真
空下の清浄表面Si上への成長について説明したが、例
えば水素置換された大気圧雰囲気下の酸化膜を表面に有
するようなSi基板上でも上記実施例は達成できること
を確認した。本実施例では電子ビ−ム蒸着装置により炭
素粒子を供給したが、例えばアセチレンやプロパン等の
炭化水素ガスを供給しても良いことを確認した。本実施
例ではSi(001)表面を用いたが、Si単結晶の他
の面を用いても良い。本実施例では紫外領域の波長を有
する光としてXeClのエキシマレーザを用いたが、紫
外領域の波長を有する他の光源を用いても良く、特に1
80nm−400nmの波長を含んでいれば、例えばA
rFのエキシマレーザや水銀ランプ等の紫外光源でもよ
い。本実施例では紫外領域の波長を有する光の照射密度
が1.25mW/cm2であったが、光の照射があれば
この照射密度に限るものではなく、特に0.1mW/c
m2 以上10W/cm2 以下であれば良いことを確認し
た。本実施例では、パルス光のエキシマレーザを用いた
が、水銀ランプの様な連続光源を用いても良く、上記連
続光源をシャッターで間欠的に照射しても良い。また、
上記光を単結晶珪素基板表面でスキャンさせ照射しても
良い。
が、600℃以上であればエピタキシャル単結晶炭化珪
素薄膜が形成できることを確認した。本実施例では高真
空下の清浄表面Si上への成長について説明したが、例
えば水素置換された大気圧雰囲気下の酸化膜を表面に有
するようなSi基板上でも上記実施例は達成できること
を確認した。本実施例では電子ビ−ム蒸着装置により炭
素粒子を供給したが、例えばアセチレンやプロパン等の
炭化水素ガスを供給しても良いことを確認した。本実施
例ではSi(001)表面を用いたが、Si単結晶の他
の面を用いても良い。本実施例では紫外領域の波長を有
する光としてXeClのエキシマレーザを用いたが、紫
外領域の波長を有する他の光源を用いても良く、特に1
80nm−400nmの波長を含んでいれば、例えばA
rFのエキシマレーザや水銀ランプ等の紫外光源でもよ
い。本実施例では紫外領域の波長を有する光の照射密度
が1.25mW/cm2であったが、光の照射があれば
この照射密度に限るものではなく、特に0.1mW/c
m2 以上10W/cm2 以下であれば良いことを確認し
た。本実施例では、パルス光のエキシマレーザを用いた
が、水銀ランプの様な連続光源を用いても良く、上記連
続光源をシャッターで間欠的に照射しても良い。また、
上記光を単結晶珪素基板表面でスキャンさせ照射しても
良い。
【0023】上記実施例では予め加熱された基板表面に
炭素の供給と紫外領域の波長を有する光の照射を行なっ
たが、まず炭素を低温基板上に供給しておき後に紫外領
域の波長を有する光を照射しつつ加熱しても単結晶炭化
珪素薄膜が得られることを確認した。
炭素の供給と紫外領域の波長を有する光の照射を行なっ
たが、まず炭素を低温基板上に供給しておき後に紫外領
域の波長を有する光を照射しつつ加熱しても単結晶炭化
珪素薄膜が得られることを確認した。
【0024】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明方法によれ
ば、耐環境性素子・単波長発光素子を実現させるワイド
バンドギャップ半導体として期待される炭化珪素の単結
晶薄膜を珪素基板上にヘテロエピタキシャルさせ、高品
位で低欠陥な半導体炭化珪素薄膜が形成可能となる。
ば、耐環境性素子・単波長発光素子を実現させるワイド
バンドギャップ半導体として期待される炭化珪素の単結
晶薄膜を珪素基板上にヘテロエピタキシャルさせ、高品
位で低欠陥な半導体炭化珪素薄膜が形成可能となる。
【図1】本発明を実現する一実施例の装置の概略図
【図2】本発明の一実施例のSi基板上への炭化珪素薄
膜の形成プロセスの説明図
膜の形成プロセスの説明図
【図3】本発明の一実施例によって形成された単結晶炭
化珪素薄膜のエックス線回折パターン
化珪素薄膜のエックス線回折パターン
1 単結晶珪素基板 2 真空容器 3 加熱機構 4 電子ビ−ム蒸着源 5 炭素 6 炭素を含む粒子 7 光源 8 光学窓 9 紫外領域の波長を有する光 10 SiC結晶の原子配列 11 炭素原子 12 ケイ素原子 13 Si第1層 14 Si第2層
Claims (8)
- 【請求項1】 炭化珪素の単結晶薄膜の製造方法であっ
て、単結晶珪素を真空槽中に保持し、前記単結晶珪素表
面に少なくとも炭素を含む粒子を供給し、紫外領域の波
長を有する光を照射しつつ上記単結晶基板を600℃以
上に加熱することを特徴とする炭化珪素薄膜の製造方
法。 - 【請求項2】 予め600℃以上に加熱され真空槽内に
保持された単結晶珪素基板表面に、紫外領域の波長を有
する光を照射しつつ、少なくとも炭素を含む粒子を供給
する請求項1に記載の炭化珪素薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 炭素を供給する単結晶珪素の表面が、酸
化物などの薄膜の表面層を有しない不純物濃度5%以下
の清浄表面である請求項1に記載の炭化珪素薄膜の製造
方法。 - 【請求項4】 単結晶珪素の表面がSi(001)面で
ある請求項1に記載の炭化珪素薄膜の製造方法。 - 【請求項5】 紫外領域の波長を有する光が、少なくと
も180nm以上400nm以下の波長の光を含む請求
項1に記載の炭化珪素薄膜の製造方法。 - 【請求項6】 紫外領域の波長を有する光の照射密度が
0.1mW/cm2 以上10W/cm2 以下である請求
項1に記載の炭化珪素薄膜の製造方法。 - 【請求項7】 紫外領域の波長を有する光がパルス光で
あり、間欠的に照射する請求項1に記載の炭化珪素薄膜
の製造方法。 - 【請求項8】 紫外領域の波長を有する光を単結晶珪素
基板表面でスキャンさせて照射する請求項1に記載の炭
化珪素薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31243792A JPH06157190A (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | 炭化珪素薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31243792A JPH06157190A (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | 炭化珪素薄膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157190A true JPH06157190A (ja) | 1994-06-03 |
Family
ID=18029195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31243792A Pending JPH06157190A (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | 炭化珪素薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06157190A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011071219A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Seiko Epson Corp | 半導体基板の製造方法 |
JP2014205615A (ja) * | 2014-05-29 | 2014-10-30 | セイコーエプソン株式会社 | 立方晶炭化珪素半導体基板及び立方晶炭化珪素層 |
-
1992
- 1992-11-20 JP JP31243792A patent/JPH06157190A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011071219A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Seiko Epson Corp | 半導体基板の製造方法 |
JP2014205615A (ja) * | 2014-05-29 | 2014-10-30 | セイコーエプソン株式会社 | 立方晶炭化珪素半導体基板及び立方晶炭化珪素層 |
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