JPH0615295A - 弗素含有廃水のカルシウム含有処理水の軟化処理における炭酸ナトリウム注入量の制御方法及び弗素分除去装置 - Google Patents

弗素含有廃水のカルシウム含有処理水の軟化処理における炭酸ナトリウム注入量の制御方法及び弗素分除去装置

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JPH0615295A
JPH0615295A JP35794091A JP35794091A JPH0615295A JP H0615295 A JPH0615295 A JP H0615295A JP 35794091 A JP35794091 A JP 35794091A JP 35794091 A JP35794091 A JP 35794091A JP H0615295 A JPH0615295 A JP H0615295A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弗素(イオン)含有廃水のカルシウム(イオ
ン)含有処理水の軟化処理において、炭酸ナトリウム注
入量を必要最小限に留め、更には処理水質の安定化も図
る。 【構成】 一次処理水カルシウム濃度分析計14からの
一次処理水16のカルシウム濃度信号と一次処理水流量
値(平均実効流量の想定値)の信号と簡易比例乗算係数
とより必要な炭酸ナトリウム注入量を演算回路により演
算出力して、軟化槽31に炭酸ナトリウムを注入する。
一次処理水流量値としては、一定時間毎の廃水流量積算
値より求めた流量想定値と廃水流量の一定積算値毎の所
要積算時間により求めた流量想定値の平均値を平均実効
流量の想定値として用いることにより一次処理水の流量
計無しでも制御を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弗素(本明細書におい
ては「弗素イオン」を意味する)含有廃水に対して少な
くとも一次的な弗素分除去処理を行って得られるカルシ
ウム含有処理水の軟化処理を行うに当たって使用される
炭酸ナトリウムの注入量の制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】石炭火力発電所において生じる排煙脱硫
廃水(以下、「脱硫廃水」と言う)や半導体工場におい
て生ずる廃水(以下、「弗酸廃水」と言う)には、弗素
分が含有されており、消石灰等のカルシウム塩を使用し
てかかる廃水中の弗素分を弗化カルシウム沈澱として除
去したり、又はアルミニウム化合物を使用してかかる弗
素分を水酸化アルミニウムと共沈させ、共沈沈澱物の形
で除去する廃水処理方法が広く行われている(本明細書
では、上掲のような弗素分除去のために使用する薬剤を
「弗素分除去剤」と称す)。ここで、「アルミニウム化
合物」とは、上記の「水酸化アルミニウム」を生成する
ことができるものであれば何でもよく、硫酸アルミニウ
ム、ポリ塩化アルミニウム、明礬等を例として挙げるこ
とができ、溶液状で使用しても固体状で使用してもよ
い。
【0003】また、脱硫廃水には更にカルシウム(本明
細書においては「カルシウムイオン」を意味する)やア
ルミニウム(本明細書においては「アルミニウムイオ
ン」を意味する)も含まれている。一方、弗酸廃水には
カルシウムは含まれていないのが一般的であるが、これ
を消石灰により弗素分除去処理して得られる処理水には
消石灰に由来するカルシウムが含まれる。
【0004】上記の方法で弗素含有廃水から大半の弗素
分を除去して得られる処理水(カルシウムを含むので、
本明細書では「カルシウム含有処理水」と言うが、一般
的には「一次処理水」である)中の多量の溶存カルシウ
ム量を低減させるために、このカルシウム含有処理水に
炭酸ナトリウムを注入して炭酸カルシウムとして沈澱・
除去する軟化処理(一般的には「二次処理」)が行われ
る。この際、pH調整(通常は、苛性ソーダを注入)も
行うのが通常である。
【0005】本発明は、かかる軟化処理における炭酸ナ
トリウム注入量の制御を行おうとするものであり、所要
に応じ苛性ソーダ等のpH調整剤の注入量の制御をも行
おうとするものであるが、後に詳述する本発明の方法
は、脱硫廃水や弗酸廃水の弗素分除去一次処理から得ら
れる上記のようなカルシウム含有処理水に対する軟化処
理に限定されるものでは無く、類似の組成のものであれ
ば、各種のカルシウム含有水溶液の軟化処理にも適用で
きるものである。但し、本明細書では、本発明の方法の
処理対象物を代表するものとして、特に「脱硫廃水」の
処理を中心として説明を行う。
【0006】先ず、弗素分除去一次処理装置及び軟化処
理装置を包含する弗素分除去装置を用いた脱硫廃水の処
理全般について説明することから始める。石炭火力発電
所における脱硫廃水中の弗素濃度は、例えば、発電のた
めに使用する石炭の種類(炭種)や排煙脱硫装置の方式
(スート分離方式やスート混合方式)、更には、例え炭
種が同一であっても発電負荷量によって異なるのが一般
的である。
【0007】従来、脱硫廃水のような弗素含有廃水を弗
素分除去装置を用いて処理するに当たって、手動により
薬品量の調節を行うのが実情であった。
【0008】図4は、一例として、石炭火力発電所の運
転時間の経過に伴う脱硫廃水の弗素濃度の変化をモデル
的に表したグラフ図である。この図の横軸は運転時間を
表し、縦軸は弗素濃度を表す。
【0009】脱硫廃水中の弗素濃度は、図4に示される
ように、運転時間の経過とともに変動するが、従来は、
弗素の分析は時間と労力を要するので、予想弗素濃度
(A)を基準にして、一定注入率で消石灰や硫酸アルミ
ニウム等の弗素分除去剤を注入しつつ弗素分除去装置を
運転する場合が多かった。
【0010】この場合、廃水中の実際の弗素濃度が予定
弗素濃度(A)より低濃度(C)〔即ち、濃度変動の山
が下〕であれば、弗素分除去剤の過剰注入となり、ラン
ニングコストの上昇を招くこととなる。逆に、実際の弗
素濃度が予定弗素濃度(A)より高濃度(B)〔即ち、
濃度変動の山が上〕であれば、弗素分除去剤注入量が不
足することとなり、弗素分除去の効率が悪くなり、処理
水質の悪化を招き、放流基準水質を満足できなくなる。
従来、かかる不都合が多々見られていた。
【0011】また、脱硫廃水中にはカルシウム分やアル
ミニウム分が存在し、これらがそれぞれ弗素除去に有効
に利用されることが明らかとなっている。しかしなが
ら、脱硫廃水中の主要制御因子であるカルシウム濃度や
アルミニウム濃度(以下、「含有主有効成分」と言うこ
ともある)、更にはマグネシウム(本明細書においては
「マグネシウムイオン」を意味する)の濃度も排煙脱硫
装置の運転状況や使用する石炭の種類等によって異なる
のが一般的である。なお、後述するようにマグネシウム
分も弗素分除去に関与してくる。
【0012】このため、脱硫廃水中の含有主有効成分を
弗素分除去に有効利用する場合には、或る基準の脱硫廃
水中の含有主有効成分濃度(通常は、計画値)を想定
し、あるいは実測による運用値を定め、不足分の弗素分
除去剤注入量を設定するのが一般的である。この方法で
は、前述と同様に、弗素分除去剤の過不足が生じ、運転
経費の上昇、処理水質の安定化が図れない等の問題が生
じていた。
【0013】一方、特に消石灰の注入により脱硫廃水の
弗素分除去を行う場合は、多量の消石灰を要し、また、
生ずる処理水中のカルシウム濃度も高いため、後段の窒
素処理装置やCOD処理装置等で該カルシウム含有処理
水を更に処理する場合は、カルシウム分析出防止のた
め、カルシウム濃度を低減させる必要が有る。アルミニ
ウム化合物を弗素除去剤として使用する場合も、もとも
と脱硫廃水に含まれていたカルシウム分のため、多かれ
少なかれ同様の問題があり、カルシウム含有処理水のカ
ルシウム濃度低減の必要がある。
【0014】
【発明が解決しようとする問題点】このため、上記のカ
ルシウム含有処理水に炭酸ナトリウムを注入して軟化処
理を行うと、炭酸カルシウムの沈澱が生じ、カルシウム
濃度が大幅に低減する。更に、pH値が10を越えるよ
うに苛性ソーダ等のpH調整剤を注入すると、脱硫廃水
中に含有されていたマグネシウム(マグネシウムイオ
ン)が水酸化マグネシウムとなって沈澱し、その際、残
存していた未反応弗素分が水酸化マグネシウムと共沈
(恐らく、吸着)する形で残存弗素分除去にも有効に作
用することが判明している(従って、マグネシウム分も
上述のように主要制御因子の一つとなり得る)。なお、
弗酸廃水にはマグネシウムは殆ど含まれていないのが一
般的である。
【0015】従って、炭酸ナトリウムや苛性ソーダ等の
pH調整剤の注入量も、前述の弗素分除去の場合と同様
に、弗素分除去剤として消石灰を使用する場合は或る想
定基準の脱硫廃水中含有カルシウム濃度と不足分の消石
灰注入量とに対し、該廃水中の弗素イオンとの反応後の
残留カルシウム濃度を想定して炭酸ナトリウム注入量を
設定し、また、弗素分除去剤としてアルミニウム化合物
を使用する時は或る想定基準の脱硫廃水中含有カルシウ
ム濃度に対し(アルミニウム化合物の注入が、一次処理
水のカルシウム濃度に影響を与えることは殆ど無い)、
炭酸ナトリウム注入量を設定し、また、或る基準の脱硫
廃水中含有マグネシウム濃度(通常は、計画値)を想定
してpH調整の苛性ソーダ注入の設定値を決めているの
が一般的である。
【0016】従って、この方法でも、前述の弗素分除去
の場合と同様に、炭酸ナトリウムや苛性ソーダの過不足
が生じ、運転経費の上昇、処理水質の不安定性等の問題
が生じていた。
【0017】特に、脱硫廃水中のカルシウム濃度、アル
ミニウム濃度、更にはマグネシウム濃度が弗素濃度と同
調して変動するとは限らず、殆ど相関関係の無い状態で
変化することが多いことから、軟化処理装置を含め、脱
硫廃水処理装置は従来の総合廃水処理装置とは異なった
運転管理を必要とすると言える。
【0018】また、処理水質の安定化を図ろうとすれ
ば、弗素分除去剤及び炭酸ナトリウムの過剰注入を余儀
無くされ、処理コストの増大と廃棄汚泥量の増加に伴う
産業廃棄物処理の問題を生じていた。また、過剰の苛性
ソーダの注入は逆に水質不安定化の問題を発生させてい
た。流入脱硫廃水の弗素、カルシウム、アルミニウム、
マグネシウム等の各成分の濃度変動を吸収し、流入脱硫
廃水の性状を極力均一化させるために、前段に充分大容
量の貯留槽とその為の均一化設備を設ける必要が有っ
た。カルシウムやマグネシウムを一般に含んでいない弗
酸廃水についても、時間帯によって半導体工場での弗酸
の使用量が大幅に変動することから、上記と同様の問題
が有った。
【0019】従って、本発明は、かかる諸問題を解決せ
んとするものであり、弗素含有廃水のカルシウム含有処
理水の軟化において、炭酸ナトリウム注入量を必要最小
限に留めることをその主目的とし、また、軟化処理水質
の安定化をも図らんとするものである。更に、場合によ
っては、カルシウム含有処理水軟化時のpH調整のため
の苛性ソーダ等のpH調整剤の注入量も必要最小限に留
めんとするものである。
【0020】軟化処理を含めた弗素含有廃水のトータル
な弗素分除去処理において遭遇する上記のような諸問題
の解決に当たっては、弗素分除去装置へ流入する廃水流
量の変動、流入廃水中の弗素濃度の変動、カルシウム又
はアルミニウム濃度の変動、マグネシウム濃度の変動、
及び弗素イオン及びカルシウムイオン等との各種結合イ
オン(硫酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン等:これら
カルシウムイオン等と反応する各種結合イオンの廃水中
の濃度も炭種等のより異なってくる)の成分構成比の変
動が生じても、消石灰又はアルミニウム化合物の注入量
および炭酸ナトリウムの注入量が過剰とならないように
必要最小限とする手段を案出すること、流入廃水中の含
有マグネシウム分による弗素分除去効果を最大限に利用
するための最適pH値の設定と消石灰又はアルミニウム
化合物の注入量の低減化を案出すること、更には、廃水
処理に数段の処理工程が含まれるために例えフィードバ
ック制御を行うにしても制御時定数が桁違いに大きく、
しかも流入廃水量の変動に伴ってその時定数も変化する
ので、適正なタイミングでフィードバック補正をしなけ
ればならないという問題を解決する手段を案出するこ
と、また、このフィードバック補正頻度も多くないた
め、極力フィードフォワードの制御精度を上げて、フィ
ードバック補正量を小さくする必要が有るという要請に
応える手段を案出すること、更には、炭酸ナトリウム注
入量制御に必要な「軟化処理装置への流入カルシウム含
有処理水流量」は、カルシウム濃度が高い場合にカルシ
ウム析出(スケールとなる)の影響を受けずに低コスト
で精度良くこれを計測できる検出器が無く、従ってそれ
に替わる処理水流量計測手段を案出することが必要であ
った。
【0021】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、かかる
観点から鋭意検討した結果、本発明を完成するに到った
ものである。
【0022】即ち、本発明によれば、軟化槽、弗素含有
廃水のカルシウム含有処理水のカルシウム濃度を検出す
るカルシウム濃度分析計、前記軟化槽への炭酸ナトリウ
ム注入設備、炭酸ナトリウム注入量をリモート設定値の
信号により制御するコントロールシステムを包含する軟
化処理装置の制御方法において、前記カルシウム濃度分
析計からのカルシウム濃度信号と前記軟化処理装置へ流
入する前記カルシウム含有処理水の流量値と最適乗算係
数と補正係数とを乗算して得られる炭酸ナトリウム注入
量計算値を前記コントロールシステムへのリモート設定
値として、炭酸ナトリウム注入量のフィードフォワード
制御を行うことを特徴とする弗素含有廃水のカルシウム
含有処理水の軟化処理における炭酸ナトリウム注入量の
制御方法が提供される。
【0023】本発明のカルシウム含有処理水の軟化処理
における炭酸ナトリウム注入量の制御方法の好ましい実
施態様においては、廃水中に含まれているマグネシウム
分も弗素分除去に有効に利用するために、前記軟化処理
装置が前記軟化槽内の水のpHをpHリモート設定値の
信号により制御するコントロールシステムを更に備え、
前記pHリモート設定値に対する定値制御によりpH調
整剤注入量の制御をも行うのが好ましい。
【0024】更に、本発明のカルシウム含有処理水の軟
化処理における炭酸ナトリウム注入量の制御方法の別の
実施態様においては、反応槽、流入する弗素含有廃水の
流量を検出する廃水流量検出器、流入弗素含有廃水の弗
素濃度を検出する廃水弗素濃度分析計、前記反応槽への
消石灰注入設備、及び消石灰注入量をリモート設定値の
信号により制御する消石灰注入量コントロールシステム
を包含する弗素分除去一次処理装置が前記軟化処理装置
の前段に設けられており、前記廃水弗素濃度分析計から
の弗素濃度信号により予め定めた計算式又は前記弗素濃
度信号に最適乗算係数を乗算し、弗素分除去に必要なカ
ルシウム量を算出し、この必要カルシウム量算出値に前
記廃水流量検出器からの流入廃水流量信号と補正係数と
を乗算して得られる消石灰注入量計算値を前記消石灰注
入量コントロールシステムへのリモート設定値として消
石灰注入量のフィードフォワード制御を行いつつ前記弗
素含有廃水を処理した結果として得られる一次処理水を
前記軟化処理装置で処理する前記カルシウム含有処理水
とするのが好ましい。場合によっては、前記軟化処理装
置で処理される前記カルシウム含有処理水が、かかる一
次処理水を更に何らかの処理工程に通して得られる二次
処理水であることもあり得る。
【0025】本発明のカルシウム含有処理水の軟化処理
における炭酸ナトリウム注入量の制御方法の更に別の実
施態様においては、反応槽、流入する弗素含有廃水の流
量を検出する廃水流量検出器、流入弗素含有廃水の弗素
濃度を検出する廃水弗素濃度分析計、流入弗素含有廃水
のカルシウム濃度を検出する廃水カルシウム濃度分析
計、前記反応槽への消石灰注入設備、及び消石灰注入量
をリモート設定値の信号により制御する消石灰注入量コ
ントロールシステムを包含する弗素分除去一次処理装置
が前記軟化処理装置の前段に設けられており、前記弗素
含有廃水が更にカルシウムを含有し、前記廃水弗素濃度
分析計からの弗素濃度信号により予め定めた計算式又は
前記弗素濃度信号に最適乗算係数を乗算して弗素分除去
に必要なカルシウム濃度を算出し、この算出必要カルシ
ウム濃度から前記廃水カルシウム濃度分析計からの含有
カルシウム濃度信号を減算して不足カルシウム量を算出
し、この不足カルシウム量算出値に前記廃水流量検出器
からの流入廃水流量信号と補正係数とを乗算して得られ
る消石灰注入量計算値を前記消石灰注入量コントロール
システムへのリモート設定値として消石灰注入量のフィ
ードフォワード制御を行いつつ前記弗素含有廃水を処理
した結果として得られる一次処理水を前記軟化処理装置
で処理する前記カルシウム含有処理水とするのが好まし
い。場合によっては、前記軟化処理装置で処理される前
記カルシウム含有処理水が、かかる一次処理水を更に何
らかの処理工程に通して得られる二次処理水であること
もあり得る。
【0026】本発明のカルシウム含有処理水の軟化処理
における炭酸ナトリウム注入量の制御方法の更に別の実
施態様においては、反応槽、流入する弗素含有廃水の流
量を検出する廃水流量検出器、流入弗素含有廃水の弗素
濃度を検出する廃水弗素濃度分析計、流入弗素含有廃水
のアルミニウム濃度を検出する廃水アルミニウム濃度分
析計、前記反応槽へのアルミニウム化合物注入設備、及
びアルミニウム化合物注入量をリモート設定値の信号に
より制御するアルミニウム化合物注入量コントロールシ
ステムを包含する弗素分除去一次処理装置が前記軟化処
理装置の前段に設けられており、前記弗素含有廃水が更
にアルミニウムとカルシウムを含有し、前記廃水弗素濃
度分析計からの弗素濃度信号により予め定めた計算式又
は前記弗素濃度信号に最適乗算係数を乗算して弗素分除
去に必要なアルミニウム濃度を算出し、この算出必要ア
ルミニウム濃度から前記廃水アルミニウム濃度分析計か
らの含有アルミニウム濃度信号を減算して不足アルミニ
ウム量を算出し、この不足アルミニウム量算出値に前記
廃水流量検出器からの流入廃水流量信号と補正係数とを
乗算して得られるアルミニウム化合物注入量計算値を前
記アルミニウム化合物注入量コントロールシステムへの
リモート設定値としてアルミニウム化合物注入量のフィ
ードフォワード制御を行いつつ前記弗素含有廃水を処理
した結果として得られる一次処理水を前記軟化処理装置
で処理する前記カルシウム含有処理水とするのが好まし
い。場合によっては、前記軟化処理装置で処理される前
記カルシウム含有処理水が、かかる一次処理水を更に何
らかの処理工程に通して得られる二次処理水であること
もあり得る。
【0027】更に、本発明のカルシウム含有処理水の軟
化処理における炭酸ナトリウム注入量の制御方法の更に
別の実施態様においては、前記カルシウム含有処理水に
含まれているカルシウム分の析出によるスケールの影響
を避けるために処理水流量検出器を使用する代わりに、
前記軟化処理装置へ流入する前記カルシウム含有処理水
の前記流量値として、前記弗素分除去一次処理装置へ流
入する廃水の流量を前記廃水流量検出器により検出した
流入廃水流量信号の変動を補正・演算して得られたカル
シウム含有処理水流量の想定値を使用するのが好まし
い。
【0028】更に、本発明の処理水軟化における炭酸ナ
トリウム注入量の制御方法の更に別の実施態様において
は、フィードバック制御を行うに際して適正なタイミン
グでフィードバック補正をするために、前記軟化処理装
置の下流側に軟化処理水の弗素濃度を測定する処理水弗
素濃度分析計が設けられており、前記廃水流量検出器か
らの流入廃水流量信号に基づいて流入廃水流量を積算す
る積算回路による積算値が前記弗素除去一次処理装置の
実効滞留容積値に達したと比較回路が判断する毎に、前
記カルシウム含有処理水のカルシウム濃度の規定時間当
りの濃度変化と前記軟化槽内水のpHを調整するための
pH調整剤の注入比率(前記軟化処理装置に流入するカ
ルシウム含有処理水の量に対するpH調整剤注入量の比
に装置上のファクターを掛けたもの)の前回値に対する
変化とを測定・演算・記憶し、更に前記流入廃水流量の
積算値が前記処理水弗素濃度分析計の位置までの前記弗
素分除去一次処理装置及び前記軟化処理装置の全実効滞
留容積値に達したと比較回路が判断する毎に前記流入廃
水流量積算値をリセットすると共に前記処理水弗素濃度
分析計の位置における前記軟化処理水の弗素濃度とその
目標値及び規定時間当りの前記軟化処理水弗素濃度の変
化による演算を行い、前記消石灰注入コントロールシス
テム又は前記アルミニウム化合物注入コントロールシス
テムへのリモート設定値及び前記軟化槽内水のpHのリ
モート設定値をロジック演算によりフィードバック補正
制御するのが好ましい。
【0029】また、本発明によれば、上記の軟化装置と
好ましくは上記の弗素分除去一次処理装置を包含する弗
素分除去装置であって、上記の実施態様のいづれかによ
って炭酸ナトリウム注入量の制御方法を行うための演算
手段及びコントロールシステムを備えていることを特徴
とする弗素分除去装置も提供される。
【0030】以下、本発明を具体的且つ詳細に説明す
る。以下の説明では、代表的な弗素含有廃水として脱硫
廃水のような弗素イオンとカルシウムイオンの両方を含
む廃水を採り上げ、また、弗素除去剤としてはスート分
離方式の脱硫廃水に主として用いられる消石灰を用いた
場合を中心に説明する。
【0031】弗酸廃水のようにカルシウムを含有し無い
弗素含有廃水の場合は、廃水中の含有カルシウム濃度の
ファクターを除いて考え、即ち、含有カルシウム濃度を
常にゼロと考え、弗素除去剤として注入した消石灰によ
るカルシウム分のみを本発明の方法で軟化すると考えれ
ばよい。また、弗酸廃水は、マグネシウムを含有しない
のが一般的であるので、制御プログラムを組むに当たっ
て、このファクターを除いて考え、即ち、含有マグネシ
ウム濃度を常にゼロとして制御システムを考えればよ
く、後述するロジック演算によるマグネシウムの弗素分
除去能力を勘案した消石灰注入量の二次補正やマグネシ
ウムに消費される苛性ソーダの様なpH調整剤の注入量
を制御するためのpHリモート設定値の補正のためのル
ーチンを省略してもよい訳である。
【0032】弗素除去剤としてアルミニウム化合物を使
用する場合は、弗素含有廃水のカルシウム濃度の代わり
にアルミニウム濃度を置き換えて軟化処理に先んずる弗
素分除去一次処理の制御を考え、弗素含有廃水から得ら
れるカルシウム含有処理水のカルシウム濃度がもともと
弗素含有廃水に含まれていたカルシウム分に由来するこ
とに注意しさえすればよい。
【0033】まず、本発明に従ったカルシウム含有処理
水の軟化処理の制御においては、弗素含有廃水のカルシ
ウム含有処理水のカルシウム濃度を検出するカルシウム
濃度分析計からのカルシウム濃度(Ca”)信号と軟化
処理装置に流入するカルシウム含有処理水流量
(Q’M )信号とにより軟化槽に注入すべき炭酸ナトリ
ウム量(NaCO3 )を下記の式により求め、これを炭
酸ナトリウム注入量のリモート設定値として、炭酸ナト
リウム注入量コントロールシステムと組合せ、フィード
フォワード制御を行わせる。なお、注入される炭酸ナト
リウムは固体状態でも溶液状態でもよいが、通常溶液状
態で注入され、その場合は注入量は流量で表される。
【0034】
【数1】 NaCO3 =K2 ・Ca”・α2 ・Q’M ・1/γ2 〔但し、K2 は軟化装置固有の定数、α2 は簡易比例係
数としての最適乗算係数、Q’M はカルシウム含有処理
水流量、γ2 は実際に注入する炭酸ナトリウム(溶液)
の濃度(あるいは密度)を示す。〕
【0035】上記の流入カルシウム含有処理水流量
(Q’M )は、前述したように高濃度カルシウムの析出
によるスケールの生成のため直接的に流量検出器で測定
するのが困難な場合が多いので、その場合は、軟化処理
装置及びその上流に在る弗素分除去一次処理装置を包含
する弗素分除去装置に流入する弗素含有廃水の流量の変
動が該軟化処理装置の入口流量の変動として現れる応答
時間や変動量の大きさから、上記弗素分除去一次処理装
置に流入する弗素含有廃水の流量を検出するために設け
られた廃水流量検出器で検出した流入廃水流量信号の変
動を補正・演算して得られる平均実効流量想定値をカル
シウム含有処理水流量(Q’M )として用いるのが好ま
しい。
【0036】例えば、もっと具体的には、軟化処理装置
に流入するカルシウム含有処理水の実効流量想定値
(Q’M )は、弗素分除去一次処理装置に流入する弗素
含有廃水の一定時間毎の流量積算値より求めた流量想定
値(Q’M1)と上記弗素含有廃水の流量の一定積算値毎
の所要積算時間により求めた流量想定値(Q’M2)の平
均値とする。
【0037】上記の弗素分除去一次処理装置において
は、例えば、連続又は短時間の間隔で測定可能な廃水弗
素濃度自動分析計及び同様な廃水カルシウム濃度自動分
析計を用い測定した流入廃水中の弗素濃度(F1 )信号
とカルシウム濃度(Ca’)信号から弗素分除去に必要
なカルシウム濃度を予め定めた計算式又は好ましくは簡
易比例係数としての最適乗算係数(α1 )により不足カ
ルシウム濃度〔F1 ・α1 −Ca’〕を求め、これに流
入廃水流量(Q)、及び定数(K1 )、変数としての消
石灰注入量フィードバック補正乗算係数(β1 )、実際
に注入する消石灰(スラリー)の濃度(あるいは密度)
(γ1 )の逆数(1/γ1 )を乗じて求めた消石灰注入
流量をリモート設定値として、消石灰注入流量コントロ
ールシステムと組合せ、フィードフォワード制御を行わ
せる。このように制御された弗素分除去一次処理で得ら
れたカルシウム含有処理水に対して前述の軟化処理を行
うのが好ましい。
【0038】軟化処理装置から排出される軟化処理水の
弗素濃度による消石灰注入量フィードバック補正乗算係
数(β1 )の補正のタイミングは、弗素分除去装置(例
えば、弗素分除去一次処理装置+軟化処理装置)の入口
から出口までの実効滞留容積(QS0)に流入廃水流量の
積算値(QTn)が達する毎に行う。
【0039】軟化処理水の弗素濃度の代わりに、後述す
るロジック演算によるマグネシウムの弗素分除去能力を
勘案した消石灰注入量の二次補正を行わない場合は、軟
化処理装置に流入するカルシウム含有処理水の弗素濃度
を消石灰注入量フィードバック補正乗算係数(β1 )の
補正に使用し、前述したような弗素分除去装置の入口か
ら前記軟化処理装置の入口まで(この部分を本明細書で
は「前段処理部」と称す)の実効滞留容積(QS1)を使
用しても良い。
【0040】消石灰注入量フィードバック補正乗算係数
(β1 )の補正の上述の2方式を両方とも行えるように
装置設計してもよい。例えば、カルシウム含有処理水弗
素濃度分析計と軟化処理水弗素濃度分析計の両方を設け
ておき、流入廃水流量や流入廃水の弗素濃度の単位時間
当りの変動が或る値を越えた時はカルシウム含有処理水
弗素濃度を上記補正乗算係数(β1 )を求めるために用
い、それ以外の時は軟化処理水弗素濃度を上記補正乗算
係数(β1 )を求めるために用いるようにしてもよい。
こうすれば、前者の場合は後者に比して実効滞留容積が
小さいので、流入廃水流量や流入廃水の弗素濃度の急激
な変動に対しより短時間で対応できるという利点が有
り、一方、流入廃水流量や流入廃水の弗素濃度の変動が
それ程大きくない時は、所望の処理水質により密接に関
係する軟化処理水弗素濃度信号でより精密にフィードバ
ック制御できるという利点も確保できる。この目的のた
めに、一台の処理水弗素濃度分析計を両処理水に対し共
用とし、サンプルラインを交互に切り換えるようにして
もよい。
【0041】消石灰注入量フィードバック補正乗算係数
(β1 )の補正のタイミングに合わせて各制御因子であ
るカルシウム濃度及びマグネシウム濃度の計測制御値へ
のトレースバックが出来るように、弗素分除去装置の入
口から軟化処理装置入口までの(即ち、前段処理部の出
口までの)実効滞留容積(QS1)に流入廃水流量(Q)
の積算値(QTn)が達した時点で、前段処理部出口での
カルシウム含有処理水のカルシウム濃度の前回測定値か
らの変化値(ΔCa”)の演算・記憶と、廃水中の含有
マグネシウムの濃度にほぼ比例するpH調整剤(各種ア
ルカリが使用できるが、通常、苛性ソーダを使用するの
で、以下「苛性ソーダ」を使用するものとして説明す
る)の注入比率(前記軟化処理装置に流入するカルシウ
ム含有処理水の量に対するpH調整剤注入量の比に装置
上のファクターを掛けた値)の前回値からの変化値(Δ
QV)の演算・記憶を行わせてもよい。
【0042】即ち、消石灰注入量の補正の演算時に、マ
グネシウム含有量の変動に伴う苛性ソーダ消費量(苛性
ソーダ注入比率)や軟化処理水の弗素濃度の増減傾向等
からロジック制御演算を行わせて、トレースバック補正
をフィードバック制御の形態の一つとして行わせてもよ
い。これは、上述のように、脱硫廃水から得られるカル
シウム含有処理水中に含まれるマグネシウムが苛性ソー
ダと反応し水酸化マグネシウムとなる時に残留弗素分も
共沈・除去されるのであるから、「苛性ソーダ注入比
率」から間接的に該カルシウム含有処理水の推定マグネ
シウム濃度を探ることができ、また、このマグネシウム
濃度が「軟化処理水の弗素濃度」に影響するのであるか
ら、消石灰注入量のフィードバック補正にこれらを用い
れば、より精密な補正ができるということである。
【0043】
【作用】本発明の制御方法によれば、弗素含有廃水のカ
ルシウム含有処理水のカルシウム濃度(Ca”)信号と
軟化処理装置に流入するカルシウム含有処理水流量
(Q’M )信号とにより軟化槽に注入すべき炭酸ナトリ
ウム量(NaCO3 )を演算回路により演算し、この算
出値を炭酸ナトリウム注入量のリモート設定値として、
炭酸ナトリウム注入量コントロールシステムと組合せ、
フィードフォワード制御を行わせるので、必要最小限の
炭酸ナトリウムの注入で軟化処理水質の安定化と軟化処
理コストの低減を図ることができる。
【0044】上記の如く構成された軟化処理装置の制御
方法においては、炭酸ナトリウム注入量の演算制御に必
要な軟化処理装置の上流に在る前段処理部の出口のカル
シウム含有処理水の流量をカルシウム濃度が高い場合に
もカルシウム析出・スケール生成の影響を受けずに間接
的に計測することができる。即ち、軟化処理装置に流入
するカルシウム含有処理水の流量(Q’M )として、例
えば、前述した平均実効流量想定値を用いることによっ
て達成できる。この平均実効流量想定値は、前述した如
く、軟化処理装置の上流に在る前段処理部(一般的に
は、一次処理装置)に流入する弗素含有廃水の一定時間
毎の流量積算値より求めた流量想定値(Q’M1)と上記
弗素含有廃水の流量の一定積算値毎の所要積算時間によ
り求めた流量想定値(Q’M2)の平均値としている。そ
の結果として、大きな廃水の流量変動が有ったとして
も、流入廃水が増量時には少し早めに、流入廃水が減少
時には少し遅めに炭酸ナトリウム注入量の変化は過渡応
答し、注入不足を生じ無い安全領域で運転され、一方、
流入廃水流量の安定時には正確な炭酸ナトリウム注入量
が確保される。
【0045】また、消石灰注入量の設定値及び苛性ソー
ダ注入量をコントロールする軟化槽pHコントローラー
のpH設定値へのフィードバック補正は、第一段階とし
て、前段処理部を流出した時点、即ち軟化処理装置入口
に達した時点でのカルシウム含有処理水のカルシウム濃
度及びその一定時間後の変化値(ΔCa”)と苛性ソー
ダの注入比率の前回と今回の変化値(ΔQV)を演算
し、第二段階として、軟化処理装置の出口より軟化処理
水として流出した時点(場合によっては、前段処理部の
出口よりカルシウム含有処理水として流出した時点)
で、弗素濃度目標値(f)と弗素濃度測定値(F’)と
より消石灰注入量の補正乗算係数(β’)の一次補正を
演算・補正し、第三段階として、それから一定時間後の
軟化処理水の弗素濃度測定値(F’(n+t) )より軟化処
理水の弗素濃度の変化値(ΔF’)を演算し、これらの
各値(ΔCa”、ΔQV、ΔF’、F’、f)よりロジ
ック演算させて、廃水中のマグネシウム濃度の変動によ
ると判断される軟化処理水の弗素濃度の変動に対処する
ためには、軟化槽への苛性ソーダ注入のためのpH設定
値(SVpH)の補正や消石灰注入量の補正係数(β1
の二次補正を行わしめることが可能となった。
【0046】また、上記の如く構成された弗素分除去装
置の制御方法においては、脱硫廃水の処理が、発電負荷
の変動や炭種のブレンド変更に伴う弗素濃度や含有カル
シウム濃度の変動、更には流入廃水流量の変動に対して
実機で得られた簡易比例係数としての最適乗算係数(α
1 )と連続又は短時間の間隔で測定可能な弗素濃度自動
分析計及び同様なカルシウム濃度自動分析計の濃度値信
号により、最適な消石灰注入量がリアルタイムにフィー
ドフォワード制御として行える。また、時間帯によって
弗酸の使用量が大幅に変動するプロセスを行う半導体工
場の弗酸廃水でも、同様に最適な消石灰注入量がリアル
タイムにフィードフォワード制御として行える。
【0047】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ実施例により本
発明を更に具体的且つ詳細に説明するが、本発明は実施
例に限定されるものでは無い。
【0048】実施例 図1は、本発明の方法に使用する軟化処理装置を備えた
弗素分除去装置である廃水処理装置の一例における各処
理工程と信号系統を示すフローチャートである。本実施
例は、軟化処理の上流側の弗素分除去一次処理も含めた
本発明方法の好ましい実施態様を実施する例である。
【0049】この装置は、スート分離方式の脱硫廃水用
の処理装置であり、図1においてカルシウム含有処理水
16(本実施例の場合、「一次処理水」)が流出する位
置より左側は弗素分除去一次処理装置(本装置の場合、
これが前段処理部)であり、右側は軟化処理装置(後段
処理部、脱硫廃水中のマグネシウム分がpH調整により
沈澱し、これと同時に残留弗素分が恐らく吸着する形で
共沈・除去されるので、弗素分除去二次処理装置として
も働く)である。
【0050】この弗素分除去一次処理装置は、反応槽5
(消石灰を注入)、pH調整槽6(例えば、苛性ソーダ
を注入、pH値を約6〜8の中性領域に調整)、凝集助
剤添加設備(図示されていない)を有する第一凝集槽7
(例えば、アニオン系高分子凝集剤を助剤として使
用)、第一沈澱槽15を有し、更に附帯設備として、消
石灰溶解槽12、消石灰注入ポンプ13、消石灰流量検
出器8、消石灰注入流量コントローラー10、消石灰注
入流量調節弁(コントロール弁)9、pH調整剤注入弁
18、pH調整剤貯槽(図示されていない)を備えてい
る。第一沈澱槽15には、第一汚泥引抜きポンプ17が
備えられ、pH調整槽6には、pH検出器19が備えら
れている。
【0051】軟化処理装置は、軟化槽31(炭酸ソー
ダ、及びpH調整剤として本実施例では苛性ソーダを注
入)、凝集助剤添加設備(図示されていない)を有する
第二凝集槽32(例えば、アニオン系高分子凝集剤を助
剤として使用)、第二沈澱槽33を有する。軟化槽31
には、pH検出器36が備えられ、第二沈澱槽33に
は、第二汚泥引抜きポンプ35が備えられている。
【0052】この軟化処理装置の附帯設備として、炭酸
ナトリウム溶解槽51、炭酸ナトリウム注入ポンプ5
2、炭酸ナトリウム注入流量コントローラー53、炭酸
ナトリウム注入流量調節弁(コントロール弁)54、炭
酸ナトリウム注入流量検出器55、及び炭酸ナトリウム
濃度検出器56が炭酸ナトリウム注入に関して備えら
れ、更に苛性ソーダ貯槽71、苛性ソーダ注入ポンプ7
2、軟化槽pHコントローラー73、苛性ソーダ注入流
量調節弁(コントロール弁)74、及び苛性ソーダ注入
流量検出器75がpH調節に関して備えられている。
【0053】脱硫廃水には一般にマグネシウムイオンが
含まれ、pH値が約10を越えると(例えば、pH=約
10.3〜約10.5)、水酸化マグネシウムの沈澱が
生成するが、恐らくこれに吸着される形でカルシウム含
有一次処理水中に残存する弗素分のかなりの部分が共沈
し、従って、二次処理水中の弗素濃度は更に低くなる。
このためのpH調整を軟化槽31で行う。
【0054】上記の弗素分除去装置において、本実施例
では、その各制御因子としての流入廃水流量(Q)は流
入廃水流量検出器1で、流入廃水2の弗素濃度(F)は
廃水弗素濃度分析計3(例えば、イオン電極法を利用、
特開平3−51754号公報参照)で、流入廃水2のカ
ルシウム濃度(Ca’)は廃水カルシウム濃度分析計4
(例えば、発光プラズマ法を利用、実開平2−1188
56、2−118857、2−118858、2−12
0057号公報参照)で、カルシウム含有一次処理水1
6のカルシウム濃度(Ca”)は一次処理水カルシウム
濃度分析計14で、軟化処理水37(本実施例の場合、
「二次処理水」である)の弗素濃度(F’)は処理水弗
素濃度分析計34でそれぞれ測定する。
【0055】上記の弗素分除去装置において、廃水弗素
濃度分析計3により流入廃水2の弗素イオン濃度(F)
を測定し、このFの信号を演算手段としてのコンピュー
ター100に入力し、必要な全カルシウム量〔F
(x)〕を下記の式に従い、コンピューター100のC
PUで計算する。
【0056】
【数2】F(x)=a・logF2 +b・logF+C
【0057】しかし、この演算が複雑なため、この代わ
りに下記の簡易比例係数としての最適乗算係数(α1
を使うのが便利で、本実施例のこれ以降の説明ではこの
簡易比例係数(α1 )を使用するものとして話を進め
る。簡易比例係数(α1 )は、実機及び各種フィールド
テストの結果より求めるのもので、簡便に使用でき、F
×α1 として、必要な全カルシウム量を求めることがで
きる。なお、簡易比例係数(α1 )はコンピューター1
00のメモリー部に格納されており、その適正値は2.
5ないし5.0の範囲に存在する。
【0058】廃水カルシウム濃度分析計4により流入廃
水2の含有カルシウム濃度(Ca’)を測定し、このC
a’の信号をコンピューター100に入力し、CPUで
〔F・α1 −Ca’〕の演算を行い、消石灰注入により
増加すべき不足カルシウム濃度を算出する。
【0059】この〔F・α1 −Ca’〕の値に廃水流量
検出器1よりの瞬時廃水流量信号(Q)をCPUで乗算
し、更に本装置の消石灰注入系統に使用されている分析
機器や測定機器等の各種機器類の測定レンジ、制御レン
ジ及び使用単位によって決まる装置固有の定数(K1
(メモリー部に格納されている)を乗算して、消石灰濃
度100とした場合の瞬時の消石灰注入量が算出され
る。
【0060】更に、実際の消石灰スラリー濃度を測定す
る消石灰濃度検出器11の濃度信号(γ1 )をコンピュ
ーター100に入力し、CPUで上記の消石灰濃度10
0%とした場合の瞬時の消石灰注入量に1/γ1 を乗算
することにより実液濃度における消石灰注入流量が算出
される。
【0061】なお、消石灰濃度を常時一定制御可能な自
動溶解設備が用意されている場合は、1/γ1 を演算器
の内部定数に含めて取扱い、消石灰濃度検出器を省略す
ることもできる。なお、消石灰を固体状態で注入するこ
ともできるが、スラリー状態で注入するのが好ましい。
【0062】更に、好ましい実施態様として、下記の式
で表される消石灰注入量フィードバック補正乗算係数
(β1 )を使用してもよい。
【0063】
【数3】 β1 =1+RV(tn-1)+ΔRV1(tn) +ΔRV2(tn+t)
【0064】この「数3」の式は、流入廃水流量の積算
値(QTn)が弗素分除去装置の実効滞留容積(QS0)に
達する毎に演算される。即ち、QTn≧QS0となった時に
上記乗算係数(β1 )が新しい値に修正され、次回まで
固定される。また、同時に流入廃水流量積算値(QTn
もゼロにリセットされ、積算を再開する。
【0065】上掲の「数3」の式において、ΔRV
1(tn) は、軟化処理水37の弗素イオン濃度を測定する
処理水弗素濃度分析計34からの弗素濃度信号F’と軟
化処理水37の弗素濃度目標値f(ゼロでは無い排出許
容限度内の正の値に設定するのが良い)との偏差(F’
−f)によるQTn≧QS0となった時点の今回の一次補正
値であり、ΔRV1(tn) =k(F’−f)(tn)である。
ここで、kは、一回毎の補正値に対する一次補正用比例
係数である。「数3」の式において、RV(tn-1)は、前
回までの補正値の累積値であり、また、ΔRV2(tn+t)
は、QTn≧QS0の時点の一次補正後、(t)時間経過後
のΔF’、ΔCa”及びΔQV(ΔQVは、後述する
「苛性ソーダの注入量比率の増減傾向」である)により
ロジック演算された二次補正値(±の極性を有する)で
ある。
【0066】なお、この二次補正値は必ずしも使用しな
くてはならないものでは無い。これを使用し無い場合、
消石灰注入量フィードバック補正乗算係数(β1 )を求
めるための弗素濃度の測定を二次処理水としての軟化処
理水37の代わりに一次処理水としてのカルシウム含有
一次処理水16を用いて、一次処理水カルシウム濃度分
析計14の近辺に設けた図示されていない一次処理水弗
素イオン濃度分析計により一次処理水16の弗素イオン
濃度を測定し、これをF’としてフィードバックしても
ほぼ同様に消石灰注入量の制御を行うことができる。し
かし、本実施例では、脱硫廃水中のマグネシウム分の弗
素分除去能力を間接的に制御因子として考え、より精密
な消石灰注入量の制御を行うため、上記の二次補正値を
使用するものとして説明を続ける。
【0067】なお、軟化処理水37の弗素濃度目標値f
を「ゼロでは無い排出許容限度内の正の値に設定する」
とは、具体的には、弗素濃度分析計34の測定限界値
(下限)より高く、測定誤差より大きな値で且つ排出許
容限度内の値に設定することを意味し、これは、消石灰
の過剰注入を避ける制御を行うためである。なぜなら
ば、弗素濃度分析計34の測定下限値+測定誤差の値以
下にf値を設定すると、過剰注入によってF’が弗素濃
度分析計34の測定下限値+測定誤差の値以下になった
時には、過剰注入かどうか、その過剰注入度合いも判別
できなくなるからである。
【0068】上述のような消石灰注入流量(Ca)の演
算は、次の式で表される。
【0069】
【数4】Ca=K1 ・〔F1 ・α1 −Ca’〕・Q・β
1 ・1/γ1
【0070】このような演算を行い、消石灰注入流量の
フィードフォワード制御が行われる。演算された消石灰
注入量(Ca)は、消石灰注入流量コントローラー10
のリモート設定値として設定され、消石灰注入流量検出
器8により実測された注入流量とコンピューター100
で比較調整され、消石灰注入流量コントロール弁9への
開度指令MV値(操作出力値、manipulating value)と
して出力される。このようにして、定常状態では過不足
の無い消石灰の注入が実現される。
【0071】次に、軟化処理装置の軟化槽31への炭酸
ナトリウムの注入量の制御は、次の様な方法で行われ
る。まず、第一沈澱槽15から流出し軟化槽31に流入
するカルシウム含有一次処理水16のカルシウム濃度を
検出する一次処理水カルシウム濃度分析計14からのカ
ルシウム濃度(Ca”)信号と後述するカルシウム含有
一次処理水流量(Q’M )信号とにより軟化槽31に注
入すべき炭酸ナトリウム量(NaCO3 )を前掲の「数
1」の式により求め、これを炭酸ナトリウム注入流量の
リモート設定値として、炭酸ナトリウム注入流量コント
ローラー53と組合せ、フィードフォワード制御を行わ
せる。
【0072】
【数1】 NaCO3 =K2 ・Ca”・α2 ・Q’M ・1/γ2
【0073】この式で、K2 は、本装置の炭酸ナトリウ
ム注入系統の測定レンジ、制御レンジ及び使用単位によ
って決まる定数であり、コンピューター100のメモリ
ー部に格納されている。
【0074】また、α2 は、炭酸ナトリウム注入量制御
における簡易比例係数としての最適乗算係数であり、実
機及び各種フィールドテストの結果より求めるのもの
で、簡便に使用でき、Ca”×α2 として、炭酸ナトリ
ウム100%とした場合の瞬時の必要炭酸ナトリウム量
を求めることができる。なお、簡易比例係数(α2 )は
コンピューター100のメモリー部に格納されており、
その適正値は0.8ないし1.60の範囲に存在する。
【0075】また、γ2 は、実際に注入する炭酸ナトリ
ウム(溶液)の濃度(あるいは密度)を示すものであ
り、具体的には、炭酸ナトリウム溶液の炭酸ナトリウム
濃度を測定する炭酸ナトリウム濃度検出器56からの炭
酸ナトリウム濃度信号である。この炭酸ナトリウム濃度
信号(γ2 )を演算手段としてのコンピューター100
に入力し、CPUで上記の炭酸ナトリウム濃度100%
とした場合の瞬時の必要炭酸ナトリウム注入量〔Ca”
×α2 〕に1/γ2 を乗算することにより実液濃度にお
ける炭酸ナトリウム注入流量が算出される。
【0076】なお、炭酸ナトリウム濃度を常時一定制御
可能な自動溶解設備が用意されている場合は、1/γ2
を演算器の内部定数に含めて取扱い、炭酸ナトリウム濃
度検出器56を省略することもできる。なお、炭酸ナト
リウムを固体状態で注入することもできるが、溶液状態
で注入するのが好ましい。
【0077】上記の流入カルシウム含有一次処理水流量
(Q’M )は、前述したように高濃度カルシウムの析出
によるスケールの生成のため直接的に流量検出器で測定
するのが困難な場合が多い。従って、本弗素分除去装置
に流入する廃水の流量の変動が該軟化処理装置の入口流
量の変動として現れる応答時間や変動量の大きさから廃
水流量検出器1で検出した流入廃水流量信号の変動を補
正・演算して得られる平均実効流量想定値をカルシウム
含有処理水流量(Q’M )として用いるのが好ましい。
勿論、流入カルシウム含有一次処理水流量(Q’M )を
直接的に流量検出器で検出できる場合は、流量検出器か
らの流量信号を用いればよい。
【0078】例えば、軟化処理装置に流入するカルシウ
ム含有一次処理水の実効流量想定値、即ち、カルシウム
含有一次処理水流量(Q’M )は、弗素分除去一次処理
装置に流入する弗素含有廃水の一定時間毎の廃水流量積
算値より求めた一次処理水流量想定値(Q’M1)と上記
弗素含有廃水流量の一定積算値毎の所要積算時間により
求めた一次処理水流量想定値(Q’M2)の平均値とす
る。この場合の一次処理水の実効流量想定値、即ち、カ
ルシウム含有一次処理水流量(Q’M )は、次式で表さ
れる。
【0079】
【数5】Q’M =(Q’M1+Q’M2)/2
【0080】「数5」の式で、Q’M1は、次式で表され
る。
【0081】
【数6】Q’M1=Q’T1/t(TM-3) <m3 /hr>
【0082】この「数6」の式で、Q’T1は、「流入廃
水流量(Q)から第一汚泥引抜きポンプ17を通って引
き抜かれた第一汚泥引抜き流量を差し引いた値
(Q’)」の「規定時間演算方式」の積算値であり、t
(TM-3)は、ほぼ定格流入廃水流量(装置設計上から決ま
る流入廃水流量の範囲の上限に相当)時における弗素分
除去一次処理装置入口、即ち、反応槽5入口での上記定
格流入廃水流量からの比較的小さな流量値の変動が、第
一沈澱槽15の出口の流量変動に現れるまでの応答時間
(実測上、大体決まった値であるが、装置運転時の安全
性確保等の実際に合わせて、或る程度可変の値である)
である。
【0083】「数5」の式で、Q’M2は、次式で表され
る。
【0084】
【数7】Q’M2 =Q’S1(=Q’T2)/TS <m
3 /hr>
【0085】この「数7」の式で、Q’T2は、「流入廃
水流量(Q)から第一汚泥引抜きポンプ17によって引
き抜かれた第一汚泥引抜き流量を差し引いた値
(Q’)」の「規定体積演算方式」の積算値であり、こ
れが、「ほぼ運用最小流入廃水流量(安定な運転を可能
とする廃水流量の範囲の下限に相当)時における反応槽
5入口での上記運用最小流入廃水流量からの比較的小さ
な流量値の変動が第一沈澱槽15の出口の流量変動に現
れるまでの流入廃水流量の積算値(Q’S1)」に等しく
なった時のQ’T2の値を用いる。また、TS は、Q’T2
の値がQ’S1の値に到達するまでの時間を表す。
【0086】このように、第一沈澱槽15と軟化槽31
の間に処理水流量検出器が無くても実効流量想定値
(Q’M )が求められ、カルシウム含有一次処理水16
のカルシウム濃度(Ca”)との乗算により炭酸ナトリ
ウム注入流量を求めることができ、カルシウム含有処理
水の軟化処理における炭酸ナトリウム注入のフィードフ
ォワード制御が実現される。
【0087】上記のような実効流量想定値を一次処理水
流量(Q’M )として用いれば、大きな廃水流量(Q)
の変動が有っても、炭酸ナトリウム注入量の変化は、流
入廃水の増量時には少し早めに、流入廃水の減少時には
少し遅めに過渡応答し、炭酸ナトリウムの注入不足を生
じ無い安全領域で運転され、一方、廃水流量安定時には
正確な炭酸ナトリウム注入量が確保される。
【0088】この様にして求められた「数1」の式によ
る炭酸ナトリウム注入量(NaCO3 )は、炭酸ナトリ
ウム注入流量コントローラー53のリモート設定値とし
て設定され、炭酸ナトリウム注入流量検出器55により
実測された注入流量と演算手段としてのコンピューター
100で比較調整され炭酸ナトリウム注入流量コントロ
ール弁54への開度指令MV値として出力される。
【0089】流入廃水が弗素分除去装置に流入してから
前段処理部(弗素分除去一次処理装置)の出口から流出
してくる時点での以下に説明する各測定値を求めるタイ
ミングとして、QTn≧QS1の時点を選んだ。但し、QTn
は、今回積算中の流入廃水流量(Q)の積算値であり、
S1は、弗素分除去一次処理装置の入口から出口(即
ち、第一沈澱槽15の出口)までの実効滞留容積〔汚泥
引抜き流量及び循環流量(上流側に戻す少なくとも或る
段階の処理を経た廃水が有る場合のその流量)の補正を
含む〕である。
【0090】また、流入廃水が弗素分除去装置に流入し
てから後段処理部(軟化処理装置)の出口から軟化処理
水として流出してくる時点の以下に説明する各測定値を
求めるタイミングとして、QTn≧QS0の時点を選んだ。
但し、QTnは、上記と同様に、今回積算中の流入廃水流
量(Q)の積算値であり、QS0は、弗素分除去装置の入
口から出口(即ち、第二沈澱槽33の出口)までの実効
滞留容積〔汚泥引抜き流量及び循環流量(上流側に戻す
少なくとも或る段階の処理を経た廃水が有る場合のその
流量)の補正を含む〕である。
【0091】上述のようにフィードフォワード制御され
る流入廃水がカルシウム含有一次処理水16となり、後
段処理部(即ち、軟化処理装置の入口)に達した該一次
処理水16の或る時点でのカルシウム濃度(C
a”(n) )と該或る時点から(t)時間経過後(タイマ
ーTM−1の可変時間)の一次処理水16のカルシウム
濃度(Ca”(n+t) )により、下記の式に従い、一次処
理水16のカルシウム含有量の増減傾向を表す変化量
(ΔCa”)を演算する。
【0092】
【数8】ΔCa”=Ca”(n+t) −Ca”(n)
【0093】更に、軟化槽31への苛性ソーダの注入比
率(軟化槽31に流入する一次処理水の量に対する苛性
ソーダ注入量の比に装置上のファクターを掛けたもの)
について、今回の上記の時点と前回の対応時点の比較演
算を行い、未知量の制御因子である一次処理水16のマ
グネシウム含有量の増減傾向(変化量)を、苛性ソーダ
消費量、即ち苛性ソーダ注入比率(QV)の増減傾向
(変化量:ΔQV)を表す下記の式より推測するもので
ある。
【0094】
【数9】ΔQV=QV(n) −QV(n-1)
【0095】「数9」の式において、QV(n) は、今回
の苛性ソーダ注入比率であり、下記の式により表され
る。
【0096】
【数10】
【0097】「数10」の式で、FV(n) は、今回の苛
性ソーダ注入量を苛性ソーダ最大注入量レンジ(苛性ソ
ーダ注入ポンプ72、苛性ソーダ注入流量コントロール
弁74、pH検出器や苛性ソーダ注入流量検出器等の計
器の目盛などの設計上の制約から決まる最大注入量値に
相当)で割った値にパーセントで表すという意味で10
0を掛けたものである。QO は一次処理水最大流入量レ
ンジ(装置設計上の制約から決まる一次処理水の最大流
量の想定値に相当)で、Q’M(n)は、第一沈澱槽15の
出口における一次処理水16の今回の平均実効流量想定
値に上式の分母をパーセントで表すという意味で100
を掛けたものである。
【0098】従って、一般的に、苛性ソーダ注入比率
(QV)は、軟化槽31に流入する一次処理水16の量
に対する苛性ソーダ注入量の比に装置上のファクター
〔一次処理水最大流入量レンジ/苛性ソーダ最大注入量
レンジ〕を掛けた値に相当し、この苛性ソーダ注入比率
の「変化」は、装置上のファクターが一定であるので、
このファクターを抜いて考えれば、一次処理水16の量
に対する苛性ソーダ注入量の比の変化と考えることがで
きる。MV(n) は、今回の軟化槽pHコントローラー7
3の出力(%)を表し、MV(n) と苛性ソーダ注入量が
比例する場合は、MV(n) =FV(n) であり、上式はこ
の場合を表している。
【0099】「数9」の式において、QV(n-1) は、前
回の苛性ソーダ注入比率であり、下記の式により表され
る。
【0100】
【数11】
【0101】「数10」の式で、FV(n-1) は、前回の
苛性ソーダ注入量を苛性ソーダ最大注入量レンジで割っ
た値にパーセントで表すという意味で100を掛けたも
のである。QO は一次処理水最大流入量レンジで、Q’
M(n-1)は、第一沈澱槽の出口における一次処理水16の
前回の平均実効流量想定値に上式の分母をパーセントで
表すという意味で100を掛けたものである。MV
(n-1) は、今回のpH調節計(軟化槽pHコントローラ
ー73)の出力(%)を表し、MV(n-1) と苛性ソーダ
注入量が比例する場合は、MV(n-1) =FV(n-1) であ
り、上式はこの場合を表している。
【0102】一方、前述のQTn≧QS0の時点で、前にも
述べたように、今回の軟化処理水弗素濃度(F’n )及
び軟化処理水弗素濃度目標値(f)により、消石灰注入
量の一次補正を下記の式により演算する。
【0103】
【数12】β1 =1+RV(tn-1)+ΔRV1(tn) 〔但し,ΔRV1(tn) =k(F’−f)であり、これは
一次補正値〕
【0104】また、この時点より(t)時間後(タイマ
ーTM−2の可変時間)に、軟化処理水弗素濃度(F’
(n+t) )を測定し、下記の式により軟化処理水の弗素濃
度の増減傾向を表す変化量(ΔF’)を演算する。
【0105】
【数13】ΔF’=F’(n+t) −F’n
【0106】ここで、「数8」、「数9」及び「数1
3」の各式により算出されたΔCa”、ΔQV、ΔF’
及びF’とfの値より下記の「数14」及び「数15」
の式に従いロジック演算を行う。
【0107】
【数14】SVpH=A+KV(tn-1)+ΔKV(tn)
【0108】「数14」の式で、SVpHは、軟化槽31
のpHコントローラー73のpHリモート設定値であ
り、上下限のリミッターを有する。Aは、軟化槽31の
上記pHコントローラー73の基準設定pH値で、1
0.3前後である。KV(tn-1)は、前回(tn−1)の
T ≧QS0、即ちQT(tn-1) ≧QS0になった時点に、ロ
ジック演算したSVpHに対する補正値の累積値で、±の
極性を有する。ΔKV(tn)は、今回、F’−f、Δ
F’、ΔCa”、及びΔQVより、その極性及びその大
きさによってロジック演算された今回のSVpHに対する
補正値で、±の極性を有する。なお、SVpHに上下限の
リミッターを設けたのは、苛性ソーダの過剰又は過少注
入による水質の不安定化を避けるためである。
【0109】
【数15】 β1 =1+RV(tn-1)+RV1(tn) +ΔRV2(tn+t)
【0110】「数15」の式で、RV(tn-1)は、前回ま
でのβ1 に対する補正値の累積値を表し、±の極性を有
する。RV1(tn) は、前述の一次補正値である。ΔRV
2(tn+t) は、QTM≧QS0の時点の一次補正後、(t)時
間を経た後(タイマーTM−2の可変時間)のΔF’、
ΔCa”、及びΔQVによってロジック演算された二次
補正値で、±の極性を有する。
【0111】上記のロジック演算の一例を図2に示す。
図2においては、各測定分析計の有する精度や再現誤差
等を考慮に入れて、不必要なロジック演算を行わないよ
うに、閾値(図2において、m、n、及びq)をそれぞ
れ設けている。また、一回当りの補正が過剰補正となら
ぬように、それぞれ演算上の正の定数(図2において、
a、b1 、b2 、c、d、e、及びh)を設けてある。
【0112】図2のロジック演算を具体的に説明する。
【0113】軟化処理水の弗素濃度変化量(ΔF’)が
+mより大きいプラスの場合、a×ΔF’だけ消石灰注
入量フィードバック補正乗算係数(β1 )を上昇させる
二次補正(ΔRV2(tn+t) )を行う。これに対して、軟
化処理水の弗素濃度変化量(ΔF’)が−mより小さい
マイナスの場合、一次処理水のカルシウム濃度変化量
(ΔCa”)が+mより大きいプラス且つ軟化処理水の
弗素濃度(F’)とその目標値(f)の偏差(F’−
f)がマイナスの条件を満足する時のみ、消石灰注入量
フィードバック補正乗算係数(β1 )を−〔b1 ×|Δ
F’|+b2 ×ΔCa”〕だけ低める二次補正(ΔRV
2(tn+t) )を行い、上記条件を満足しない時はβ1 の二
次補正は行わない。
【0114】軟化処理水の弗素濃度変動(ΔF’)が+
mより大きいプラスの場合、+h×ΔF’だけ軟化槽p
HコントローラーのpHリモート設定値(SVpH)を上
昇させる補正(ΔKV(tn))を行う。一方、軟化処理水
の弗素濃度変動(ΔF’)が−mより小さいマイナスの
場合、一次処理水のカルシウム濃度変動(ΔCa”)が
殆ど無く、苛性ソーダ注入比率変化量(ΔQV)が+q
より大きいプラス且つ軟化処理水の弗素濃度(F’)と
その目標値(f)の偏差(F’−f)がマイナスの条件
を満足する時のみ、−c〔d×ΔQV+e×|ΔF’
|〕だけ軟化槽pHコントローラーのpHリモート設定
値(SVpH)を低下させる補正を行い、上記条件を満足
しない時はSVpHの補正は行わない。
【0115】上記のロジック演算は単なる一例として挙
げたものである。ロジック演算に用いる各測定値は自動
分析の代わりに手分析で求めてもよく、そのためのサン
プリングの位置は弗素分除去装置のほぼどの位置を選ぶ
ことも可能である。
【0116】上述してきた本実施例の制御演算の手順を
図3のフローチャートに示す。この図3のフローチャー
トに従って、コンピューター100で行われるプログラ
ム処理手順を次に説明する。
【0117】或る時点で、装置運転中と検知されると
〔ステップ(1)〕、次に、今回積算中の前サイクルま
での流入廃水流量の積算回路による積算値(QTn)が弗
素分除去一次処理装置の入口から出口(即ち、第一沈澱
槽15の出口)までの実効滞留容積の値(QS1)に達し
たか否かを比較回路で判断し〔ステップ(2)〕、まだ
達していなければ、次に「数4」の式の演算を演算回路
で行い〔ステップ(3)〕、この結果に基づいて消石灰
が反応槽5に注入される。次に、「数1」の演算を演算
回路で行い〔ステップ(4)〕、この結果に基づいて炭
酸ナトリウムが軟化槽31に注入される。
【0118】次に、現サイクルの流入廃水流量(Q)を
前サイクルまでの同積算値に積算する〔ステップ
(5)〕。次に、ロジック演算のサブルーチンに入るた
めのメモリー(図3では、「M1」と表示)がセットさ
れているか否かを判断する〔ステップ(6)〕。
【0119】メモリーM1がセットされていなければ、
次に、定格流入廃水流量時における廃水流量変動が、第
一沈澱槽15の出口の流量変動として現れるまでの応答
時間(t(TM-3))を設定したタイマーTM−3の設定時
間〔(t)時間毎〕に達した(up)か否かを判断する
〔ステップ(7)〕。
【0120】タイマーTM−3の設定時間〔(t)時間
毎〕に達していなければ、現サイクルの「流入廃水流量
(Q)から第一汚泥引抜きポンプ17によって引き抜か
れた第一汚泥引抜き流量を差し引いた値(Q’)」を前
サイクルまでの同値(Q’)「規定時間演算方式」の積
算値(Q’T1)に積算する〔ステップ(8)〕。
【0121】次に、「流入廃水流量(Q)から第一汚泥
引抜きポンプ17によって引き抜かれた第一汚泥引抜き
流量を差し引いた値(Q’)」の前サイクルまでの同値
(Q’)「規定体積演算方式」の積算値(Q’T2)が、
「運用最小流入廃水流量時における廃水流量変動が第一
沈澱槽15の出口の流量変動に現れるまでの流入廃水流
量の積算値(Q’S1)」に達したか否かを比較回路で判
断する〔ステップ(9)〕。
【0122】Q’T2が未だQS1に達していなければ、
「規定体積演算方式」の積算値(Q’T2)に現サイクル
のQ’の値を積算する〔ステップ(10)〕。次いで、
Q’T2がQS1に達するまでの時間(Ts )をもとめるた
めに前サイクルまで積算してきた時間の積算値に現サイ
クルの時間を積算する〔ステップ(11)〕。
【0123】次に、演算回路で「数5」の式〔Q’M
(Q’M1+Q’M2)/2〕の演算をおこない、一次処理
水16の実効流量想定値(Q’M )を求める。この一次
処理水16の実効流量想定値(Q’M )は、次サイクル
の「数1」の式に従った炭酸ナトリウムの注入流量の演
算に用いる。以上で1サイクルが終了し、ステップ
(1)に戻る。
【0124】このようなサイクルを繰り返し、ステップ
(2)で、前サイクルまでの流入廃水量の積算回路によ
る積算値(QTn)が弗素分除去一次処理装置の実効滞留
容積の値(QS1)に達し、即ちQTn≧QS1の条件を満足
することとなったら、「数8」の式に従った一次処理水
16のカルシウム濃度の増減傾向を表す変化量(ΔC
a”)と「数9」の式に従った苛性ソーダ注入比率(Q
V)の増減傾向を表す変化量(ΔQV)の演算を行うサ
ブルーチンに入る。
【0125】まず「数8」の式に従ったΔCa”の演算
が終了しているか否かを判断し〔ステップ(13)〕、
終了していれば、次に、ΔQVの演算が終了しているか
否かを判断する〔ステップ(14)〕。ΔQVの演算が
終了していれば、流入廃水流量の積算値(QTn)が弗素
分除去装置の実効滞留容積(QS0)に達しているか否
か、即ち、QTn≧QS0か否かを判断する〔ステップ(1
5)〕。否であれば、ステップ(3)に進み、前サイク
ルの記憶されたβ1 を用いて消石灰注入量を演算する。
【0126】上記のステップ(13)のΔCa”の演算
が終了していなければ、一次処理水16のカルシウム濃
度(Ca”(n) )の測定値をメモリー部に記憶し〔ステ
ップ(16)〕、次いで一次処理水16のカルシウム濃
度の増減傾向を調べるために使用するタイマーTM−1
の設定時間〔(t)時間毎〕に達しているか否かを判断
する〔ステップ(17)〕。否であれば上記のステップ
(14)に進むが、設定時間に達していると判断すれ
ば、その時の一次処理水16のカルシウム濃度(Ca”
(n+t) )の測定を命令する〔ステップ(18)〕。な
お、このカルシウム濃度の分析は、例えば、発光プラズ
マ方式のカルシウム濃度分析計を使用するが、分析終了
までに或る程度の時間を要するので、それまでは次のス
テップ(19)で一次処理水のカルシウム濃度(Ca”
(n+t) )測定終了か否かの比較回路の判断で、否と判断
され、ステップ(14)に進み、サイクルを繰り返す。
【0127】上記のステップ(19)で、一次処理水1
6のカルシウム濃度(Ca”(n+t))測定終了と判断す
ると、次いで今回の一次処理水のカルシウム濃度の増減
傾向を表す変化量(ΔCa”)を「数8」の式に従い演
算し、結果をメモリー部に記憶し〔ステップ(2
0)〕、タイマーTM−1のリセットを行う〔ステップ
(21)〕。次に、上記のステップ(15)に進む。
【0128】上記のステップ(14)で、苛性ソーダの
注入比率の増減傾向を表す変化量(ΔQV)の演算が終
わっていない場合は、苛性ソーダの注入比率(Q
(n) )の演算を行い〔ステップ(22)〕、次いで、
得られた値を用い、「数9」の式に従いΔQVの演算を
行い、メモリー部に記憶する〔ステップ(23)〕。次
に上記のステップ(15)に進む。
【0129】上記のステップ(15)で、QTn≧QS0
条件を満足することとなったら、現サイクルの軟化処理
水37の弗素濃度を測定し〔ステップ(24)〕、消石
灰注入量フィードバック補正乗算係数(β1 )をその一
次補正値を修正して演算し〔ステップ(25)〕、流入
廃水流量の積算値(QT )をリセットする〔ステップ
(26)〕。次いで、前記のメモリーM1をセットし
〔ステップ(27)〕、前記のステップ(5)へと進
む。
【0130】前記のステップ(6)で、比較回路がメモ
リーM1がセットされていると判断すると、ロジック演
算のサブルーチンに入る。なお、上記のステップ(2
6)で流入廃水流量の積算値がリセットされると上記の
ステップ(27)でメモリーM1がセットされ、この時
点より(t)時間をステップ(28)のタイマーTM−
2にセットするのである。(t)時間を経るまでは、ス
テップ(28)でのタイマーTM−2の設定時間に達し
たか否かの判断で、否と判断され前記のステップ(7)
へ進み、サイクルを繰り返す。
【0131】タイマーTM−2の設定時間に達した(u
p)と判断すると〔ステップ(28)〕、その時の軟化
処理水37の弗素濃度(F’(n+t) )の測定を命令する
〔ステップ(29)〕。次のステップ(30)で軟化処
理水の弗素濃度(F’(n+t) )測定終了か否かの比較回
路の判断で、終了と判断されるまでは前記のステップ
(7)へと進むサイクルを繰り返す。
【0132】上記のステップ(30)で、軟化処理水3
7の弗素濃度(F’(n+t) )測定終了と判断すると、次
いで今回の軟化処理水の弗素濃度の増減傾向を表す変化
量(ΔF’)を「数13」の式に従い演算し、結果をメ
モリー部に記憶する〔ステップ(31)〕。
【0133】次に、この演算結果に基づいて、軟化槽3
1のpH調節計のpHリモート設定値(SVpH)をロジ
ック演算し〔ステップ(32)〕、次いで、消石灰注入
量フィードバック補正乗算係数(β1 )をその二次補正
値を修正してロジック演算する〔ステップ(33)〕。
次に、タイマーTM−2をリセットし〔ステップ(3
4)〕、メモリーM1をリセットし〔ステップ(3
5)〕、ステップ(7)へと進む。
【0134】前記のステップ(7)で、タイマーTM−
3の設定時間に達している(up)と判断すると、「規定
時間演算方式」の一次処理水16の流量想定値
(Q’M1)を「数6」の式に従って演算する〔ステップ
(36)〕。次いで、「流入廃水流量(Q)から第一汚
泥引抜きポンプ17によって引き抜かれた第一汚泥引抜
き流量を差し引いた値(Q’)」の「規定時間方式」の
積算値(Q’T1)をリセットし〔ステップ(37)〕、
タイマーTM−3をリセットする〔ステップ(3
8)〕。次に前記のステップ(9)へと進む。
【0135】前記のステップ(9)で、「流入廃水流量
(Q)から第一汚泥引抜きポンプ17によって引き抜か
れた第一汚泥引抜き流量を差し引いた値(Q’)」の前
サイクルまでの同値(Q’)の「規定体積演算方式」の
積算値(Q’T2)が、「運用最小流入廃水流量時におけ
る廃水流量変動が第一沈澱槽15の出口の流量変動に現
れるまでの流入廃水流量の積算値(Q’S1)」に達した
か否かの比較回路での判断が肯定であれば、即ちQ’T2
≧Q’S1と判断すれば、「規定体積演算方式」の一次処
理水16の流量想定値(Q’M2)を「数7」の式に従っ
て演算する〔ステップ(39)〕。次いで、「流入廃水
流量(Q)から第一汚泥引抜きポンプ17によって引き
抜かれた第一汚泥引抜き流量を差し引いた値(Q’)」
の「規定体積演算方式」の積算値(Q’T2)をリセット
し〔ステップ(40)〕、Q’T2の値がQ’S1の値に到
達するまでの時間(TS )をリセットする〔ステップ
(41)〕。つぎに、前記のステップ(12)に進む。
【0136】図5は、一例として、脱硫廃水中のカルシ
ウム濃度、第一沈澱槽から得られるカルシウム含有一次
処理水のカルシウム濃度、第二沈澱槽から得られる軟化
処理水のカルシウム濃度(軟化処理において、フィード
フォワード制御無の場合と本実施例に従ったフィードフ
ォワード制御有の場合)の経時変化を表すグラフ図であ
る。この図5において、横軸は運転日数を表し、縦軸は
カルシウム濃度(mg/l)を表す。このグラフは、半対数
(セミログ)グラフで、縦軸のカルシウム濃度目盛は対
数目盛である。
【0137】軟化槽内水のpHをほぼ10.5前後に調
整しつつ軟化処理を行った場合である。図3において、
曲線(a)は脱硫廃水のカルシウム濃度であり、曲線
(b)はカルシウム含有一次処理水のカルシウム濃度で
あり、曲線(c)は本発明の「フィードフォワード制
御」を行わ無い場合の軟化処理水のカルシウム濃度であ
り、曲線(d)は本発明の「フィードフォワード制御」
を行った場合の軟化処理水のカルシウム濃度である。
【0138】本発明の軟化処理における炭酸ナトリウム
注入量の「フィードフォワード制御」を行った場合の軟
化処理水のカルシウム濃度の変動巾が「フィードフォワ
ード制御」無の場合と比べて遙かに小さく、本発明の方
法の優れた効果を実証している。さらに、この「フィー
ドフォワード制御」により、従来法と比べて約12%も
炭酸ナトリウムの消費量を節約できた。
【0139】なお、本実施例における消石灰注入設備、
炭酸ナトリウム注入設備、及び苛性ソーダ注入設備にお
ける各注入量を制御する駆動部のコントロール弁(調節
弁)9、54及び74は必ずしもコントロール弁でなく
ても良く、例えば、コントロール弁を無くして各注入ポ
ンプ13、52及び72として、プランジャー型定量ポ
ンプを使用し、このプランジャー型定量ポンプにストロ
ーク制御や回転数制御を組合せたものでも良い。
【0140】また、本実施例における各種の数値演算及
びロジック演算は、専用の演算器の他に、制御用コンピ
ューターでも、市販品で上記演算が可能なワンループ・
コントローラーでも、パソコンやシーケンサー等の演算
回路でも使用でき、要は、上記演算が出来るものであれ
ば何を使用しても問題無い。
【0141】本実施例は、脱硫廃水の弗素分を消石灰で
除去する場合であるが、代わりにアルミニウム化合物で
弗素分を除去する場合、図1のpH調整槽6は無く、反
応槽5の附帯設備としてpH調整剤注入弁やpH検出器
が設けられるのが一般的である。
【0142】更に、本実施例では詳細には記述しない
が、第一凝集槽7及び第二凝集槽32への凝集助剤の添
加量についても、流入廃水流量(Q)や一次処理水の平
均実効流量(Q’M )等に比例させて添加量の適正化を
図っても良く、こうすれば、凝集助剤の使用量を低減さ
せ得ることは明らかである。
【0143】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、スート分離方式の脱硫廃水等の弗素含有廃水からの
弗素分除去において、例えば、一次処理水として生じる
カルシウム含有処理水からカルシウム分を除去するに当
たって、流入廃水流量等から算出したカルシウム含有処
理水の推定流量演算値に基づく適正炭酸ナトリウム注入
により、注入炭酸ナトリウムの消費量の低減化が可能と
なった。
【0144】また、本発明の好ましい実施態様によれ
ば、上記のような弗素含有廃水からの弗素分除去自体に
おいても、主要な制御因子である(F1 )、(C
a’)、(Q)、(Ca”)、(F’)の測定だけか
ら、ほぼリアルタイムに消石灰の適正量の注入をフィー
ドフォワード制御でき、更に、未知の制御因子である
(Mg++)を苛性ソーダ注入比率の変化と各種の変化傾
向値をロジック演算することにより、消石灰及び苛性ソ
ーダの消費量を適正・最小限に低減できる。
【0145】更に、炭種のブレンド比の変動や廃水流量
の変動に対しても、制御時定数をマッチングさせるよう
にタイミングを合わせているので、適正なトレースバッ
ク補正がフィードバックされ、処理水質の安定化が図れ
るようになった。
【0146】このような本発明の制御方法により、例え
ば、実施例に従えば、発電負荷にもよるものの、各種薬
品の使用量の低減と、それに伴う廃棄汚泥の低減量は年
間を通すと膨大な量となる。このような運転コストの低
減、産業廃棄物処理量の低減化と共に、処理水質の安定
化と運転管理の煩雑さの低減化が図れることとなった。
【0147】また、流入弗素含有廃水の流量、性状等の
変動に対する自動追従が従来に比較して格段に改善され
るため、運転員の負担も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に使用する軟化処理装置を包含す
る弗素分除去装置である廃水処理装置の一例における各
処理工程と信号系統を示すフローチャートである。
【図2】実施例におけるロジック演算の一例を示す図で
ある。
【図3】実施例における制御演算系のプログラム処理手
順を説明するフローチャートである。
【図4】石炭火力発電所の運転時間の経過に伴う脱硫廃
水の弗素濃度の変化をモデル的に表したグラフ図であ
る。
【図5】本発明の制御方法に従った場合のカルシウム含
有処理水の軟化処理効果を説明する図で、脱硫廃水中の
カルシウム濃度、第一沈澱槽から得られるカルシウム含
有一次処理水のカルシウム濃度、第二沈澱槽から得られ
る軟化処理水のカルシウム濃度(軟化処理において、フ
ィードフォワード制御無の場合と本発明に従ったフィー
ドフォワード制御有の場合)の経時変化を表す半対数グ
ラフ図である。
【符号の説明】
1 廃水流量検出器 2 流入廃水 3 廃水弗素濃度分析計 4 廃水カルシウム濃度分析計 5 反応槽 6 pH調整槽 7 第一凝集槽 8 消石灰流量検出器 9 消石灰注入流量コントロール弁 10 消石灰注入流量コントローラー 11 消石灰濃度検出器 12 消石灰溶解槽 13 消石灰注入ポンプ 14 一次処理水カルシウム濃度分析計 15 第一沈澱槽 16 一次処理水 17 汚泥引抜きポンプ 18 pH調整剤注入弁 19 pH検出器 31 軟化槽 32 第二凝集槽 33 第二沈澱槽 34 処理水弗素濃度分析計 35 汚泥引抜きポンプ 36 pH検出器 37 軟化処理水(二次処理水) 51 炭酸ナトリウム溶解槽 52 炭酸ナトリウム注入ポンプ 53 炭酸ナトリウム注入流量コントローラー 54 炭酸ナトリウム注入流量コントロール弁 55 炭酸ナトリウム注入流量検出器 71 苛性ソーダ貯槽 72 苛性ソーダ注入ポンプ 73 軟化槽pHコントローラー 74 苛性ソーダ注入流量コントロール弁 75 苛性ソーダ注入流量検出器 100 コンピューター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲浅▼野 宗光 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 高見 英俊 東京都文京区本郷5丁目5番16号 オルガ ノ株式会社内 (72)発明者 高田 ▲とき▼男 東京都文京区本郷5丁目5番16号 オルガ ノ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化槽、弗素含有廃水のカルシウム含有
    処理水のカルシウム濃度を検出するカルシウム濃度分析
    計、前記軟化槽への炭酸ナトリウム注入設備、炭酸ナト
    リウム注入量をリモート設定値の信号により制御するコ
    ントロールシステムを包含する軟化処理装置の制御方法
    において、前記カルシウム濃度分析計からのカルシウム
    濃度信号と前記軟化処理装置へ流入する前記カルシウム
    含有処理水の流量値と最適乗算係数とを乗算して得られ
    る炭酸ナトリウム注入量計算値を前記コントロールシス
    テムへのリモート設定値として、炭酸ナトリウム注入量
    のフィードフォワード制御を行うことを特徴とする弗素
    含有廃水のカルシウム含有処理水の軟化処理における炭
    酸ナトリウム注入量の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記軟化処理装置が前記軟化槽内の水の
    pHをpHリモート設定値の信号により制御するコント
    ロールシステムを更に備え、前記pHリモート設定値に
    対する定値制御によりpH調整剤注入量の制御をも行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の弗素含有廃水のカル
    シウム含有処理水の軟化処理における炭酸ナトリウム注
    入量の制御方法。
  3. 【請求項3】 反応槽、流入する弗素含有廃水の流量を
    検出する廃水流量検出器、流入弗素含有廃水の弗素濃度
    を検出する廃水弗素濃度分析計、前記反応槽への消石灰
    注入設備、及び消石灰注入量をリモート設定値の信号に
    より制御する消石灰注入量コントロールシステムを包含
    する弗素分除去一次処理装置が前記軟化処理装置の前段
    に設けられており、前記廃水弗素濃度分析計からの弗素
    濃度信号により予め定めた計算式又は前記弗素濃度信号
    に最適乗算係数を乗算し、弗素分除去に必要なカルシウ
    ム量を算出し、この必要カルシウム量算出値に前記廃水
    流量検出器からの流入廃水流量信号と補正係数とを乗算
    して得られる消石灰注入量計算値を前記消石灰注入量コ
    ントロールシステムへのリモート設定値として消石灰注
    入量のフィードフォワード制御を行いつつ前記弗素含有
    廃水を処理した結果として得られる一次処理水を前記軟
    化処理装置で処理する前記カルシウム含有処理水とする
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の弗素含有廃水
    のカルシウム含有処理水の軟化処理における炭酸ナトリ
    ウム注入量の制御方法。
  4. 【請求項4】 反応槽、流入する弗素含有廃水の流量を
    検出する廃水流量検出器、流入弗素含有廃水の弗素濃度
    を検出する廃水弗素濃度分析計、流入弗素含有廃水のカ
    ルシウム濃度を検出する廃水カルシウム濃度分析計、前
    記反応槽への消石灰注入設備、及び消石灰注入量をリモ
    ート設定値の信号により制御する消石灰注入量コントロ
    ールシステムを包含する弗素分除去一次処理装置が前記
    軟化処理装置の前段に設けられており、前記弗素含有廃
    水が更にカルシウムを含有し、前記廃水弗素濃度分析計
    からの弗素濃度信号により予め定めた計算式又は前記弗
    素濃度信号に最適乗算係数を乗算して弗素分除去に必要
    なカルシウム濃度を算出し、この算出必要カルシウム濃
    度から前記廃水カルシウム濃度分析計からの含有カルシ
    ウム濃度信号を減算して不足カルシウム量を算出し、こ
    の不足カルシウム量算出値に前記廃水流量検出器からの
    流入廃水流量信号と補正係数とを乗算して得られる消石
    灰注入量計算値を前記消石灰注入量コントロールシステ
    ムへのリモート設定値として消石灰注入量のフィードフ
    ォワード制御を行いつつ前記弗素含有廃水を処理した結
    果として得られる一次処理水を前記軟化処理装置で処理
    する前記カルシウム含有処理水とすることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の弗素含有廃水のカルシウム含有
    処理水の軟化処理における炭酸ナトリウム注入量の制御
    方法。
  5. 【請求項5】 反応槽、流入する弗素含有廃水の流量を
    検出する廃水流量検出器、流入弗素含有廃水の弗素濃度
    を検出する廃水弗素濃度分析計、流入弗素含有廃水のア
    ルミニウム濃度を検出する廃水アルミニウム濃度分析
    計、前記反応槽へのアルミニウム化合物注入設備、及び
    アルミニウム化合物注入量をリモート設定値の信号によ
    り制御するアルミニウム化合物注入量コントロールシス
    テムを包含する弗素分除去一次処理装置が前記軟化処理
    装置の前段に設けられており、前記弗素含有廃水が更に
    アルミニウムとカルシウムを含有し、前記廃水弗素濃度
    分析計からの弗素濃度信号により予め定めた計算式又は
    前記弗素濃度信号に最適乗算係数を乗算して弗素分除去
    に必要なアルミニウム濃度を算出し、この算出必要アル
    ミニウム濃度から前記廃水アルミニウム濃度分析計から
    の含有アルミニウム濃度信号を減算して不足アルミニウ
    ム量を算出し、この不足アルミニウム量算出値に前記廃
    水流量検出器からの流入廃水流量信号と補正係数とを乗
    算して得られるアルミニウム化合物注入量計算値を前記
    アルミニウム化合物注入量コントロールシステムへのリ
    モート設定値としてアルミニウム化合物注入量のフィー
    ドフォワード制御を行いつつ前記弗素含有廃水を処理し
    た結果として得られる一次処理水を前記軟化処理装置で
    処理する前記カルシウム含有処理水とすることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の弗素含有廃水のカルシウム
    含有処理水の軟化処理における炭酸ナトリウム注入量の
    制御方法。
  6. 【請求項6】 前記軟化処理装置へ流入する前記カルシ
    ウム含有処理水の前記流量値が、前記弗素分除去一次処
    理装置へ流入する廃水の流量を前記廃水流量検出器によ
    り検出した流入廃水流量信号の変動を補正・演算して得
    られたカルシウム含有処理水流量の想定値であることを
    特徴とする請求項3ないし5のいづれかに記載の弗素含
    有廃水のカルシウム含有処理水の軟化処理における炭酸
    ナトリウム注入量の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記軟化処理装置の下流側に軟化処理水
    の弗素濃度を測定する処理水弗素濃度分析計が設けられ
    ており、前記廃水流量検出器からの流入廃水流量信号に
    基づいて流入廃水流量を積算する積算回路による積算値
    が前記弗素除去一次処理装置の実効滞留容積値に達した
    と比較回路が判断する毎に、前記カルシウム含有処理水
    のカルシウム濃度の規定時間当りの濃度変化と前記軟化
    槽内水のpHを調整するためのpH調整剤の注入比率
    (前記軟化処理装置に流入するカルシウム含有処理水の
    量に対するpH調整剤注入量の比に装置上のファクター
    を掛けた値)の前回値に対する変化とを測定・演算・記
    憶し、更に前記流入廃水流量の積算値が前記処理水弗素
    濃度分析計の位置までの前記弗素分除去一次処理装置及
    び前記軟化処理装置の全実効滞留容積値に達したと比較
    回路が判断する毎に前記流入廃水流量積算値をリセット
    すると共に前記処理水弗素濃度分析計の位置における前
    記軟化処理水の弗素濃度とその目標値及び規定時間当り
    の前記軟化処理水弗素濃度の変化による演算を行い、前
    記消石灰注入コントロールシステム又は前記アルミニウ
    ム化合物注入コントロールシステムへのリモート設定値
    及び前記軟化槽内水のpHのリモート設定値をロジック
    演算によりフィードバック補正制御することを特徴とす
    る請求項3ないし6のいづれかに記載の弗素含有廃水の
    カルシウム含有処理水の軟化処理における炭酸ナトリウ
    ム注入量の制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2に記載の軟化処理装置と
    好ましくは請求項3ないし5のいづれかに記載の弗素分
    除去一次処理装置を包含する弗素分除去装置であって、
    請求項1ないし7のいづれかに記載の炭酸ナトリウム注
    入量の制御方法を行うための演算手段とコントロールシ
    ステムを備えていることを特徴とする弗素分除去装置。
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