JPH0614998U - コンクリート製格納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配管等の支持装置を最適位置に設置すること
を可能とする。 【構成】 ライナ２を内面に有するコンクリート製格納
容器１において、上記ライナ２の外面にはその高さ方向
に沿って且つ周方向に適宜間隔で半円筒形鋼４が固着さ
れ、該半円筒形鋼４の外面には複数のアンカー３が取付
けられていることを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、原子炉発電所におけるコンクリート製格納容器の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、原子炉格納容器としては、鋼製のものからライナを内面に有するコンク リート製のものに主流が変ってきている。図３に示すようにコンクリート製格納 容器１は、原子炉圧力容器１０やサプレッションチャンバ１１を収容する内部空 間を実質的に区画する薄い鋼製ライナ２と、その外側に密着して形成された鉄筋 コンクリート壁１２とから主に構成されている。

【０００３】 このコンクリート製格納容器１を建造する場合、図４に示すように平鋼１３と Ｔ形鋼１４により円筒状の骨格を形成し、この骨格の内側に鋼板を溶接により張 付けてライナ２を形成し、その外側に鉄筋１５と外枠（図示省略）を組立て、外 枠とライナ２との間に生コンクリート１６を流し込んで固めればよい。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、図５に示すように格納容器１内に配管やダクト等の支持装置６を設 置する場合、支持装置６の位置するライナ２の内面には内側パッド７を、ライナ ２の外面にはアンカー８を有する外側パッド９を取付ける必要がある。

【０００５】 しかしながら、ライナ２の外面にはその形状保持とコンクリート１６への接合 のためにＴ形鋼１４が周方向に所定間隔で設けられているので、同図に仮想線で 示すように上記外側パッド９がＴ形鋼１４と干渉する場合があり、この場合には その最適な位置に支持装置６を設置することができず、他の位置への変更を余儀 なくされる問題があった。なお、外側パッド９がＴ形鋼１４と干渉する場合には 、内側パッド７のみを取付け、外側パッド９を取付けない方法も考えられるが、 Ｔ形鋼１４が支持装置６の反力に対する強度を補償するものでないため、この方 法を採用することができなかった。

【０００６】 そこで、本考案の目的は、配管等の支持装置を最適位置に設置することができ るコンクリート製格納容器を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、ライナを内面に有するコンクリート製格 納容器において、上記ライナの外面にはその高さ方向に沿って且つ周方向に適宜 間隔で半円筒形鋼が固着され、該半円筒形鋼の外面には複数のアンカーが取付け られていることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

ライナの外面にＴ形鋼の代りにアンカーを有する半円筒形鋼を設けたので、Ｔ 形鋼では得られない耐荷重が補償可能となる。従って、配管等の支持装置を設置 する際に、その外側パッドが半円筒形鋼と干渉する場合には外側パッドを設ける 必要がないので、支持装置を最適位置に設置することが可能となる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【００１０】 図１において、１は原子力発電所におけるコンクリート製格納容器で、その内 面には鋼製のライナ２が設けられている。このライナ２の外面には従来のＴ形鋼 板に代るものとして外面に複数のアンカー３を有する半円筒形鋼４が高さ方向に 沿って且つ周方向に適宜間隔で溶接により固着されている。

【００１１】 半円筒形鋼４としては鋼管を半割りに切断したもの等が用いられる。アンカー ３はロッド３ａの一端に拡径部３ｂを形成してなり、ロッド３ａの多端が溶接に より半円筒形鋼４の外面に固着される。

【００１２】 図示例において、５はライナ２の外面の適宜高さの位置に周方向に溶接により 連続的に取付けられた平鋼であり、半円筒形鋼４はその端部が平鋼５に当接する ようにして取付けられている。なお、図示例では配筋等が省略されている。

【００１３】 次に実施例の作用を述べる。ライナ２の外面にＴ形鋼の代りにアンカー３を有 する半円筒形鋼４を設けたので、Ｔ形鋼では得られない耐荷重が補償される。Ｔ 形鋼の場合は、それ自体がライナ２の形状保持機能とコンクリートへの接合機能 を兼ねるのであるが、外面に複数のアンカー３を有する半円筒型鋼４の場合は、 半円筒形鋼４がライナ２の形状保持機能を、アンカー３がコンクリートへの接合 機能をそれぞれ発揮し、特に半円筒形鋼４がその形状により高い強度を発揮する 。

【００１４】 従って、格納容器１内に配管等の支持装置６を設置する場合、図２に示すよう に支持装置６の位置するライナ２の内面に内側パッド７を、ライナ２の外面にア ンカー８を有する外側パッド９を取付けるのであるが、外側パッド９が半円筒形 鋼４と干渉する場合には、外側パッド９を設ける必要がないので、支持装置６を 最適位置に設置することが可能となる。これにより支持装置６の他の位置への変 更が不要になるので、省力化およびコストダウンが図れる。

【００１５】 ところで、ライナ２は鋼板を溶接により接合して形成されるので、真空箱等に よる溶接部の漏洩試験が義務付けられが、半円筒形鋼４を溶接部を覆うように取 付け、半円筒形鋼の開放した両端部を密閉すれば、丁度真空箱のようになるので 、真空箱を用いないで漏洩試験ができる。

【００１６】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、ライナの外面にＴ形鋼の代りにアンカーを有す る半円筒形鋼を設けたので、Ｔ形鋼では得られない耐荷重が補償可能となり、配 管等の支持装置を設置する際に、その外側パッドが半円筒形鋼と干渉する場合に は外側パッドを設ける必要がないので、支持装置を最適位置に設置することがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すコンクリート製格納容
器の部分的斜視図である。

【図２】同断面図である。

【図３】コンクリート製格納容器の全体構造を示す断面
図である。

【図４】図３のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図５】同要部断面図である。

【符号の説明】

１ 格納容器 ２ ライナ ３ アンカー ４ 半円筒形鋼

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ライナを内面に有するコンクリート製格
   納容器において、上記ライナの外面にはその高さ方向に
   沿って且つ周方向に適宜間隔で半円筒形鋼が固着され、
   該半円筒形鋼の外面には複数のアンカーが取付けられて
   いることを特徴とするコンクリート製格納容器。