JPH06148917A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
- Publication number
- JPH06148917A JPH06148917A JP29577092A JP29577092A JPH06148917A JP H06148917 A JPH06148917 A JP H06148917A JP 29577092 A JP29577092 A JP 29577092A JP 29577092 A JP29577092 A JP 29577092A JP H06148917 A JPH06148917 A JP H06148917A
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- Japan
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- phthalocyanine
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- charge
- degrees
- resin
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 高感度な電子写真感光体を提供する。
【構成】 電荷発生物質と電荷輸送物質を含む光導電層
を設けた電子写真感光体において、電荷発生物質がCu
KαのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±
0.2度)が7.5度、22.5度、24.3度、2
5.3度及び28.6度に主な回折ピークを有するチタ
ニルフタロシアニンと中心金属が3価のハロゲン化金属
フタロシアニンとを含むフタロシアニン組成物であり、
かつ、電荷輸送物質が、式(I)の含フッ素N,N,
N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体である。 (R1及びR2は、水素原子、フルオロアルキル基又はフ
ルオロアルコキシ基などを表し、R3は水素原子又はア
ルキル基を、Ar1及びAr2は、アリール基を、m及び
nは、0〜5の整数を表す)
を設けた電子写真感光体において、電荷発生物質がCu
KαのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±
0.2度)が7.5度、22.5度、24.3度、2
5.3度及び28.6度に主な回折ピークを有するチタ
ニルフタロシアニンと中心金属が3価のハロゲン化金属
フタロシアニンとを含むフタロシアニン組成物であり、
かつ、電荷輸送物質が、式(I)の含フッ素N,N,
N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体である。 (R1及びR2は、水素原子、フルオロアルキル基又はフ
ルオロアルコキシ基などを表し、R3は水素原子又はア
ルキル基を、Ar1及びAr2は、アリール基を、m及び
nは、0〜5の整数を表す)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真感光体としては、アルミ
ニウム等の導電性基板の上に50μm程度のセレン(S
e)膜を真空蒸着法により形成したものがある。しか
し、このSe感光体は、波長500nm付近までしか感度
を有していない等の問題がある。また、導電性基板の上
に50μm程度のSe層を形成し、この上に更に数μmの
セレン−テルル(Se−Te)合金層を形成した感光体
があるが、この感光体は上記Se−Te合金のTeの含
有率が高い程、分光感度が長波長にまで伸びる反面、T
eの添加量が増加するにつれて表面電荷の保持特性が不
良となり、事実上、感光体として使用できなくなるとい
う重大な問題がある。
ニウム等の導電性基板の上に50μm程度のセレン(S
e)膜を真空蒸着法により形成したものがある。しか
し、このSe感光体は、波長500nm付近までしか感度
を有していない等の問題がある。また、導電性基板の上
に50μm程度のSe層を形成し、この上に更に数μmの
セレン−テルル(Se−Te)合金層を形成した感光体
があるが、この感光体は上記Se−Te合金のTeの含
有率が高い程、分光感度が長波長にまで伸びる反面、T
eの添加量が増加するにつれて表面電荷の保持特性が不
良となり、事実上、感光体として使用できなくなるとい
う重大な問題がある。
【0003】また、アルミニウム基板の上に1μm程度
のクロロシアンブルー又はスクウアリリウム酸誘導体を
コーティングして電荷発生層を形成し、この上に絶縁抵
抗の高いポリビニルカルバゾール又はピラゾリン誘導体
とポリカーボネート樹脂との混合物を10〜20μmの
厚さにコーティングして電荷輸送層を形成した所謂複合
二層型の感光体もあるが、この感光体は700nm以上の
光に対して感度を有していないのが実状である。
のクロロシアンブルー又はスクウアリリウム酸誘導体を
コーティングして電荷発生層を形成し、この上に絶縁抵
抗の高いポリビニルカルバゾール又はピラゾリン誘導体
とポリカーボネート樹脂との混合物を10〜20μmの
厚さにコーティングして電荷輸送層を形成した所謂複合
二層型の感光体もあるが、この感光体は700nm以上の
光に対して感度を有していないのが実状である。
【0004】近年、この複合二層型の感光体において、
上記欠点を改善した、即ち、半導体レーザ発振領域80
0nm前後に感度を有する感光体も多く報告されている
が、これらのうち多くのものが電荷発生材料としてフタ
ロシアニン顔料を用い、その膜厚が0.5〜1μm程度
の電荷発生層上にポリビニルカルバゾール、ピラゾリン
誘導体又はヒドラゾン誘導体とポリカーボネート樹脂又
はポリエステル樹脂との絶縁抵抗の高い混合物を10〜
20μmの厚さにコーティングして電荷輸送層を形成し
複合二層型の感光体を形成している。
上記欠点を改善した、即ち、半導体レーザ発振領域80
0nm前後に感度を有する感光体も多く報告されている
が、これらのうち多くのものが電荷発生材料としてフタ
ロシアニン顔料を用い、その膜厚が0.5〜1μm程度
の電荷発生層上にポリビニルカルバゾール、ピラゾリン
誘導体又はヒドラゾン誘導体とポリカーボネート樹脂又
はポリエステル樹脂との絶縁抵抗の高い混合物を10〜
20μmの厚さにコーティングして電荷輸送層を形成し
複合二層型の感光体を形成している。
【0005】フタロシアニン類は、中心金属の種類によ
り吸収スペクトルや、光導電性が異なるだけでなく、結
晶型によってもこれらの物性には差があり、同じ中心金
属のフタロシアニンでも、特定の結晶型が電子写真用感
光体用に選択されている例がいくつか報告されている。
り吸収スペクトルや、光導電性が異なるだけでなく、結
晶型によってもこれらの物性には差があり、同じ中心金
属のフタロシアニンでも、特定の結晶型が電子写真用感
光体用に選択されている例がいくつか報告されている。
【0006】例えばチタニルフタロシアニンには種々の
結晶形が存在し、その結晶形の違いによって帯電性、暗
減衰、感度等に大きな差があることが報告されている。
結晶形が存在し、その結晶形の違いによって帯電性、暗
減衰、感度等に大きな差があることが報告されている。
【0007】特開昭59−49544号公報には、チタ
ニルフタロシアニンの結晶形としては、ブラッグ角(2
θ±0.2度)が9.2度、13.1度、20.7度、
26.2度及び27.1度に強い回折ピークを与えるも
のが好適であると記されており、X線回折スペクトル図
が示されている。この結晶形のチタニルフタロシアニン
を電荷発生材料として用いた感光体の電子写真特性は、
暗減衰(DDR):85%、感度(E1/2):0.57l
ux・secとされている。
ニルフタロシアニンの結晶形としては、ブラッグ角(2
θ±0.2度)が9.2度、13.1度、20.7度、
26.2度及び27.1度に強い回折ピークを与えるも
のが好適であると記されており、X線回折スペクトル図
が示されている。この結晶形のチタニルフタロシアニン
を電荷発生材料として用いた感光体の電子写真特性は、
暗減衰(DDR):85%、感度(E1/2):0.57l
ux・secとされている。
【0008】また特開昭59−166959号公報に
は、チタニルフタロシアニンの蒸着膜をテトラヒドロフ
ランの飽和蒸気中に1〜24時間放置し、結晶形を変化
させて、電荷発生層としている。X線回折スペクトル
は、ピークの数が少なく、かつ幅が広く、ブラッグ角
(2θ)が7.5度、12.6度、13.0度、25.
4度、26.2度及び28.6度に強い回折ピークを与
えることが示されている。この結晶形のチタニルフタロ
シアニンを電荷発生材料として用いた感光体の電子写真
特性は、暗減衰(DDR):86%、感度(E1/2):
0.7lux・secとされている。
は、チタニルフタロシアニンの蒸着膜をテトラヒドロフ
ランの飽和蒸気中に1〜24時間放置し、結晶形を変化
させて、電荷発生層としている。X線回折スペクトル
は、ピークの数が少なく、かつ幅が広く、ブラッグ角
(2θ)が7.5度、12.6度、13.0度、25.
4度、26.2度及び28.6度に強い回折ピークを与
えることが示されている。この結晶形のチタニルフタロ
シアニンを電荷発生材料として用いた感光体の電子写真
特性は、暗減衰(DDR):86%、感度(E1/2):
0.7lux・secとされている。
【0009】特開平2−131243号公報では、チタ
ニルフタロシアニンの結晶形としては、ブラッグ角が2
7.3度に主たる回折ピークを有するものが好適である
と記されている。この結晶形のチタニルフタロシアニン
を電荷発生材料として用いた感光体の電子写真特性は、
暗減衰(DDR):77.2%、感度(E1/2):0.
38lux・secとされている。
ニルフタロシアニンの結晶形としては、ブラッグ角が2
7.3度に主たる回折ピークを有するものが好適である
と記されている。この結晶形のチタニルフタロシアニン
を電荷発生材料として用いた感光体の電子写真特性は、
暗減衰(DDR):77.2%、感度(E1/2):0.
38lux・secとされている。
【0010】このように、フタロシアニン類は結晶形の
違いによって電子写真特性が大きく異なり、その結晶形
は電子写真感光体としての性能を左右する重要な因子で
ある。
違いによって電子写真特性が大きく異なり、その結晶形
は電子写真感光体としての性能を左右する重要な因子で
ある。
【0011】特開平3−255456号公報では、2種
以上のフタロシアニンを用いた例も報告されており、チ
タニルフタロシアニンと無金属フタロシアニンの混合物
を電荷発生材料として用いた例が示されている
以上のフタロシアニンを用いた例も報告されており、チ
タニルフタロシアニンと無金属フタロシアニンの混合物
を電荷発生材料として用いた例が示されている
【0012】このようにチタニルフタロシアニンは結晶
形変換によって非常に感度が高く、優れた特性を示して
いる。しかし、その用途であるレーザプリンタ等では、
高画質、高精細化が進んでおり、更に高感度な特性を有
する電子写真感光体が求められている。
形変換によって非常に感度が高く、優れた特性を示して
いる。しかし、その用途であるレーザプリンタ等では、
高画質、高精細化が進んでおり、更に高感度な特性を有
する電子写真感光体が求められている。
【0013】電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質とし
ては、ポリビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノ
ン(モル比1対1)の混合物のような電子輸送能を有す
る電荷輸送物質、ヒドラゾン、エナミン、ベンジジン誘
導体(特公昭55−42380号公報、特開昭62−2
37458号公報、特公昭59−9049号公報、特開
昭55−7940号公報、特開昭61−295558号
公報、米国特許4,265,990号、米国特許4,3
06,008号、米国特許4,588,666号等)の
ような正孔輸送能を有する電荷輸送物質がある。
ては、ポリビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノ
ン(モル比1対1)の混合物のような電子輸送能を有す
る電荷輸送物質、ヒドラゾン、エナミン、ベンジジン誘
導体(特公昭55−42380号公報、特開昭62−2
37458号公報、特公昭59−9049号公報、特開
昭55−7940号公報、特開昭61−295558号
公報、米国特許4,265,990号、米国特許4,3
06,008号、米国特許4,588,666号等)の
ような正孔輸送能を有する電荷輸送物質がある。
【0014】ベンジジン誘導体としては、N,N,
N′,N′−テトラフェニルベンジジン、N,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−ベ
ンジジン、N,N,N′,N′−テトラキス(4−メチ
ルフェニル)−ベンジジン、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(4−メトキシフェニル)−ベンジジン
などが知られているが、これらのベンジジン誘導体は、
有機溶剤に対する溶解度が低く、また、比較的酸化され
やすいという欠点がある。つまり、有機溶剤及び/又は
結合剤に対する溶解度が低いために、電荷輸送層を形成
するための塗布液を調製することが困難であったり、塗
膜作成時にベンジジン誘導体の結晶が析出してしまうこ
とがある。また、電荷輸送層を良好な塗膜として形成で
きた場合でも、ベンジジン誘導体の耐酸化性が劣るため
に、くり返し使用した場合に帯電性、暗減衰、感度及び
画質等が低下してしまうという欠点がある。
N′,N′−テトラフェニルベンジジン、N,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−ベ
ンジジン、N,N,N′,N′−テトラキス(4−メチ
ルフェニル)−ベンジジン、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(4−メトキシフェニル)−ベンジジン
などが知られているが、これらのベンジジン誘導体は、
有機溶剤に対する溶解度が低く、また、比較的酸化され
やすいという欠点がある。つまり、有機溶剤及び/又は
結合剤に対する溶解度が低いために、電荷輸送層を形成
するための塗布液を調製することが困難であったり、塗
膜作成時にベンジジン誘導体の結晶が析出してしまうこ
とがある。また、電荷輸送層を良好な塗膜として形成で
きた場合でも、ベンジジン誘導体の耐酸化性が劣るため
に、くり返し使用した場合に帯電性、暗減衰、感度及び
画質等が低下してしまうという欠点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、高感度の電子写真感光体を提供するもので
ある。
点を解決し、高感度の電子写真感光体を提供するもので
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、電荷発生物質
及び電荷輸送物質を含む光導電層を設けた電子写真感光
体において、上記電荷発生物質がCuKαのX線回折ス
ペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2度)が7.
5度、22.5度、24.3度、25.3度及び28.
6度に主な回折ピークを有するチタニルフタロシアニン
と中心金属が3価のハロゲン化金属フタロシアニンとを
含むフタロシアニン組成物であり、かつ、上記電荷輸送
物質が一般式(I)で表される含フッ素N,N,N′,
N′−テトラアリールベンジジン誘導体である電子写真
感光体に関する。
及び電荷輸送物質を含む光導電層を設けた電子写真感光
体において、上記電荷発生物質がCuKαのX線回折ス
ペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2度)が7.
5度、22.5度、24.3度、25.3度及び28.
6度に主な回折ピークを有するチタニルフタロシアニン
と中心金属が3価のハロゲン化金属フタロシアニンとを
含むフタロシアニン組成物であり、かつ、上記電荷輸送
物質が一般式(I)で表される含フッ素N,N,N′,
N′−テトラアリールベンジジン誘導体である電子写真
感光体に関する。
【化2】 (R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、フルオ
ロアルキル基又はフルオロアルコキシ基を表し、R1及
びR2のうち少なくとも一方は、フルオロアルキル基又
はフルオロアルコキシ基であり、2個のR3は、それぞ
れ独立して水素原子又はアルキル基を表し、Ar1及び
Ar2は、それぞれ独立してアリール基を表し、m及び
nは、それぞれ独立して0〜5の整数を表す)
原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、フルオ
ロアルキル基又はフルオロアルコキシ基を表し、R1及
びR2のうち少なくとも一方は、フルオロアルキル基又
はフルオロアルコキシ基であり、2個のR3は、それぞ
れ独立して水素原子又はアルキル基を表し、Ar1及び
Ar2は、それぞれ独立してアリール基を表し、m及び
nは、それぞれ独立して0〜5の整数を表す)
【0017】以下、本発明について詳述する。本発明で
用いられるチタニルフタロシアニンは、例えば、次のよ
うにして製造することができる。フタロニトリル18.
4g(0.144モル)をα−クロロナフタレン120
ml中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン4ml
(0.0364モル)を滴下する。滴下後、昇温し撹拌
しながら200〜220℃で3時間反応させた後、10
0〜130℃で熱時濾過して、α−クロロナフタレンつ
いでメタノールで洗浄する。140mlのイオン交換水で
加水分解(90℃、1時間)を行い、溶液が中性になる
までこの操作を繰り返し、メタノールで洗浄する。次
に、100℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドンで
洗浄し、さらに、メタノールで洗浄する。このようにし
て得られた化合物を60℃で真空加熱乾燥してチタニル
フタロシアニンが得られる(収率46%)。
用いられるチタニルフタロシアニンは、例えば、次のよ
うにして製造することができる。フタロニトリル18.
4g(0.144モル)をα−クロロナフタレン120
ml中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン4ml
(0.0364モル)を滴下する。滴下後、昇温し撹拌
しながら200〜220℃で3時間反応させた後、10
0〜130℃で熱時濾過して、α−クロロナフタレンつ
いでメタノールで洗浄する。140mlのイオン交換水で
加水分解(90℃、1時間)を行い、溶液が中性になる
までこの操作を繰り返し、メタノールで洗浄する。次
に、100℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドンで
洗浄し、さらに、メタノールで洗浄する。このようにし
て得られた化合物を60℃で真空加熱乾燥してチタニル
フタロシアニンが得られる(収率46%)。
【0018】本発明で用いられる中心金属が3価のハロ
ゲン化金属フタロシアニン化合物において中心金属とし
ての3価の金属は、In、Ga、Al等が挙げられハロ
ゲンとしては、Cl、Br等が挙げられ、またフタロシ
アニン環にハロゲン等の置換基を有していてもよい。該
化合物は公知の化合物であるが、これらのうち、例え
ば、モノハロゲン金属フタロシアニンおよびモノハロゲ
ン金属ハロゲンフタロシアニンの合成法は、インオーガ
ニック ケミストリー〔Inorganic Chemistry〕19、313
1(1980)および特開昭59−44054号公報に記載さ
れている。
ゲン化金属フタロシアニン化合物において中心金属とし
ての3価の金属は、In、Ga、Al等が挙げられハロ
ゲンとしては、Cl、Br等が挙げられ、またフタロシ
アニン環にハロゲン等の置換基を有していてもよい。該
化合物は公知の化合物であるが、これらのうち、例え
ば、モノハロゲン金属フタロシアニンおよびモノハロゲ
ン金属ハロゲンフタロシアニンの合成法は、インオーガ
ニック ケミストリー〔Inorganic Chemistry〕19、313
1(1980)および特開昭59−44054号公報に記載さ
れている。
【0019】モノハロゲン金属フタロシアニンは、例え
ば、次のようにして製造することができる。フタロニト
リル78.2ミリモルおよび三ハロゲン化金属15.8
ミリモルを二回蒸留し脱酸素したキノリン100ml中に
入れ、0.5〜3時間加熱還流した後放冷、続いて室温
まで冷した後ろ過し、結晶をメタノール、トルエンつい
でアセトンで洗浄した後、60℃で乾燥する。
ば、次のようにして製造することができる。フタロニト
リル78.2ミリモルおよび三ハロゲン化金属15.8
ミリモルを二回蒸留し脱酸素したキノリン100ml中に
入れ、0.5〜3時間加熱還流した後放冷、続いて室温
まで冷した後ろ過し、結晶をメタノール、トルエンつい
でアセトンで洗浄した後、60℃で乾燥する。
【0020】また、モノハロゲン金属ハロゲンフタロア
ニンは、次のようにして製造することができる。フタロ
ニトリル156ミリモルおよび三ハロゲン化金属37.
5ミリモルを混合して300℃で、溶融してから0.5
〜3時間加熱してモノハロゲン金属ハロゲンフタロシア
ニンの粗製物を得、これをソックスレー抽出器を用いて
α−クロロナフタレンで洗浄する。
ニンは、次のようにして製造することができる。フタロ
ニトリル156ミリモルおよび三ハロゲン化金属37.
5ミリモルを混合して300℃で、溶融してから0.5
〜3時間加熱してモノハロゲン金属ハロゲンフタロシア
ニンの粗製物を得、これをソックスレー抽出器を用いて
α−クロロナフタレンで洗浄する。
【0021】本発明において、チタニルフタロシアニン
および中心金属が3価のハロゲン化金属フタロシアニン
を含むフタロシアニン混合物の組成比率は、帯電性、暗
減衰、感度等の電子写真特性の点からチタニルフタロシ
アニンの含有率が、20〜95重量%の範囲であること
が好ましく、50〜90重量%の範囲であることがより
好ましく、65〜90重量%の範囲が特に好ましく、7
5〜90重量%の範囲であることが最も好ましい。
および中心金属が3価のハロゲン化金属フタロシアニン
を含むフタロシアニン混合物の組成比率は、帯電性、暗
減衰、感度等の電子写真特性の点からチタニルフタロシ
アニンの含有率が、20〜95重量%の範囲であること
が好ましく、50〜90重量%の範囲であることがより
好ましく、65〜90重量%の範囲が特に好ましく、7
5〜90重量%の範囲であることが最も好ましい。
【0022】フタロシアニン混合物はアシッドペースト
法によりアモルファス状態とすることができる。例え
ば、フタロシアニン混合物1gを濃硫酸50mlに溶解
し、これを氷水で冷却した純水1リツトルに滴下し再沈
させる。ろ過後沈殿を純水でpH=2〜5になるまで洗浄
し、ついでメタノールで洗浄した後60℃で乾燥しフタ
ロシアニン組成物の粉末を得る。このようにして得られ
るフタロシアニン組成物のX線回折スペクトルは、明確
な鋭いピークがなくなり幅の広いアモルファス状態を表
わすスペクトルとなる。アモルファス状態とする方法と
しては、上記濃硫酸を用いるアシッドペースト法以外に
乾式のミリングによる方法もある。
法によりアモルファス状態とすることができる。例え
ば、フタロシアニン混合物1gを濃硫酸50mlに溶解
し、これを氷水で冷却した純水1リツトルに滴下し再沈
させる。ろ過後沈殿を純水でpH=2〜5になるまで洗浄
し、ついでメタノールで洗浄した後60℃で乾燥しフタ
ロシアニン組成物の粉末を得る。このようにして得られ
るフタロシアニン組成物のX線回折スペクトルは、明確
な鋭いピークがなくなり幅の広いアモルファス状態を表
わすスペクトルとなる。アモルファス状態とする方法と
しては、上記濃硫酸を用いるアシッドペースト法以外に
乾式のミリングによる方法もある。
【0023】このようにしてフタロシアニン混合物をア
モルファス状態としたものを有機溶剤で処理することに
よって結晶変換し、本発明の特定の回折ピークを有する
フタロシアニン組成物を得ることができる。例えば、ア
モルファス状態としたフタロシアニン混合物の粉末1g
を有機溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン10ml
に入れ加熱撹拌する(上記粉末/溶剤(重量比)は、1
/1〜1/100である)。加熱温度は50℃〜200
℃、好ましくは80℃〜150℃であり、加熱時間は1
時間〜12時間、好ましくは2時間〜6時間である。加
熱撹拌終了後ろ過しメタノールで洗浄し60℃で真空乾
燥し本発明のフタロシアニン組成物の結晶700mgを得
ることができる。
モルファス状態としたものを有機溶剤で処理することに
よって結晶変換し、本発明の特定の回折ピークを有する
フタロシアニン組成物を得ることができる。例えば、ア
モルファス状態としたフタロシアニン混合物の粉末1g
を有機溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン10ml
に入れ加熱撹拌する(上記粉末/溶剤(重量比)は、1
/1〜1/100である)。加熱温度は50℃〜200
℃、好ましくは80℃〜150℃であり、加熱時間は1
時間〜12時間、好ましくは2時間〜6時間である。加
熱撹拌終了後ろ過しメタノールで洗浄し60℃で真空乾
燥し本発明のフタロシアニン組成物の結晶700mgを得
ることができる。
【0024】本処理に用いられる有機溶剤としては、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、
シクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエー
テル等のエーテル類、アセテートセロソルブ、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、フ
ェノール、クレゾール、アニソール、ニトロベンゼン、
アセトフェノン、ベンジルアルコール、ピリジン、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、キノリン、ピコリン等の非塩素系有機溶
剤、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、
クロロメチルオキシラン、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼンなどの塩素系有機溶剤などが挙げられる。
えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、
シクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエー
テル等のエーテル類、アセテートセロソルブ、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、フ
ェノール、クレゾール、アニソール、ニトロベンゼン、
アセトフェノン、ベンジルアルコール、ピリジン、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、キノリン、ピコリン等の非塩素系有機溶
剤、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、
クロロメチルオキシラン、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼンなどの塩素系有機溶剤などが挙げられる。
【0025】これらのうちケトン類及び非塩素系有機溶
剤が好ましく、そのうちでもN−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ピリジ
ン、メチルエチルケトン及びジエチルケトンが好まし
い。
剤が好ましく、そのうちでもN−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ピリジ
ン、メチルエチルケトン及びジエチルケトンが好まし
い。
【0026】一般に、フタロシアニン混合物とは、原料
に用いたフタロシアニンの単なる物理的混合物であり、
フタロシアニン混合物のX線回折パタ−ンは、原料に用
いたそれぞれのフタロシアニン単体のピ−クパタ−ンの
重ね合わせからなる。一方、本発明のフタロシアニン組
成物とは、原料に用いたフタロシアニンが分子レべルで
混合したもので、X線回折パタ−ンは、原料に用いたそ
れぞれのフタロシアニン単体のピ−クパタ−ンとは異な
るパタ−ンを示す。
に用いたフタロシアニンの単なる物理的混合物であり、
フタロシアニン混合物のX線回折パタ−ンは、原料に用
いたそれぞれのフタロシアニン単体のピ−クパタ−ンの
重ね合わせからなる。一方、本発明のフタロシアニン組
成物とは、原料に用いたフタロシアニンが分子レべルで
混合したもので、X線回折パタ−ンは、原料に用いたそ
れぞれのフタロシアニン単体のピ−クパタ−ンとは異な
るパタ−ンを示す。
【0027】本発明に係る電子写真感光体は、導電性支
持体の上に光導電層を設けたものである。本発明におい
て、光導電層は、有機光導電性物質を含む層であり、有
機光導電性物質の被膜、有機光導電性物質と結合剤を含
む被膜、電荷発生層及び電荷輸送層からなる複合型被膜
等がある。
持体の上に光導電層を設けたものである。本発明におい
て、光導電層は、有機光導電性物質を含む層であり、有
機光導電性物質の被膜、有機光導電性物質と結合剤を含
む被膜、電荷発生層及び電荷輸送層からなる複合型被膜
等がある。
【0028】上記有機光導電性物質としては、上記フタ
ロシアニン組成物が必須成分として用いられ、さらに公
知のものを併用することができる。また、有機光導電性
物質としては上記フタロシアニン組成物に電荷を発生す
る有機顔料及び/又は電荷輸送物質を併用することが好
ましい。なお、上記電荷発生層には該フタロシアニン組
成物及び/又は電荷を発生する有機顔料が含まれ、電荷
輸送層には電荷輸送物質が含まれる。
ロシアニン組成物が必須成分として用いられ、さらに公
知のものを併用することができる。また、有機光導電性
物質としては上記フタロシアニン組成物に電荷を発生す
る有機顔料及び/又は電荷輸送物質を併用することが好
ましい。なお、上記電荷発生層には該フタロシアニン組
成物及び/又は電荷を発生する有機顔料が含まれ、電荷
輸送層には電荷輸送物質が含まれる。
【0029】上記電荷を発生する有機顔料としては、ア
ゾキシベンゼン系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンズ
イミダゾール系、多環キノン系、インジゴイド系、キナ
クリドン系、ペリレン系、メチン系、α型、β型、γ
型、δ型、ε型、χ型等の各種結晶構造を有する無金属
タイプ又は金属タイプのフタロシアニン系などの電荷を
発生することが知られている顔料が使用できる。これら
の顔料は、例えば、特開昭47−37543号公報、特
開昭47−37544号公報、特開昭47−18543
号公報、特開昭47−18544号公報、特開昭48−
43942号公報、特開昭48−70538号公報、特
開昭49−1231号公報、特開昭49−105536
号公報、特開昭50−75214号公報、特開昭53−
44028号公報、特開昭54−17732号公報等に
開示されている。また、特開昭58−182640号公
報及びヨーロッパ特許公開第92,255号公報などに
開示されているτ、τ′、η及びη′型無金属フタロシ
アニンも使用可能である。このようなもののほか、光照
射により電荷担体を発生する有機願料はいずれも使用可
能である。
ゾキシベンゼン系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンズ
イミダゾール系、多環キノン系、インジゴイド系、キナ
クリドン系、ペリレン系、メチン系、α型、β型、γ
型、δ型、ε型、χ型等の各種結晶構造を有する無金属
タイプ又は金属タイプのフタロシアニン系などの電荷を
発生することが知られている顔料が使用できる。これら
の顔料は、例えば、特開昭47−37543号公報、特
開昭47−37544号公報、特開昭47−18543
号公報、特開昭47−18544号公報、特開昭48−
43942号公報、特開昭48−70538号公報、特
開昭49−1231号公報、特開昭49−105536
号公報、特開昭50−75214号公報、特開昭53−
44028号公報、特開昭54−17732号公報等に
開示されている。また、特開昭58−182640号公
報及びヨーロッパ特許公開第92,255号公報などに
開示されているτ、τ′、η及びη′型無金属フタロシ
アニンも使用可能である。このようなもののほか、光照
射により電荷担体を発生する有機願料はいずれも使用可
能である。
【0030】電荷輸送物質としては、上記一般式(I)
で表される含フッ素N,N,N′,N′−テトラアリー
ルベンジジン誘導体が必須成分として使用される。これ
以外の電荷輸送物質を供用することができるが、そのよ
うなものとしては、高分子化合物では、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサ
リン、ポリビニルベンゾチオフエン、ポリビニルアント
ラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン
等が挙げられ、低分子化合物のものではフルオレノン、
フルオレン、2,7−ジニトロ−9−フルオレノン、4
H−インデノ(1,2,6)チオフエン−4−オン、
3,7−ジニトロ−ジベンゾチオフエン−5−オキサイ
ド、1−ブロムピレン、2−フェニルピレン、カルバゾ
ール、N−エチルカルバゾール、3−フェニルカルバゾ
ール、3−(N−メチル−N−フェニルヒドラゾン)メ
チル−9−エチルカルバゾール、2−フェニルインドー
ル、2−フェニルナフタレン、オキサジアゾール、2,
5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4
−オキサジアゾール、1−フェニル−3−(4−ジエチ
ルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、p−(ジメチルアミノ)−スチルベ
ン、2−(4−ジプロピルアミノフェニル)−4−(4
−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−クロロフェニ
ル)−1,3−オキサゾール、2−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−
5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オキサゾー
ル、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−(4−
ジメチルアミノフェニル)−5−(2−フルオロフェニ
ル)−1,3−オキサゾール、2−(4−ジプロピルア
ミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)
−5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オキサゾー
ル、イミダゾール、クリセン、テトラフェン、アクリデ
ン、トリフェニルアミン、ベンジジン、これらの誘導体
等がある。一般式(I)で表わされる含フッ素N,N,
N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体は例え
ば、次のように製造することができる。 一般式
で表される含フッ素N,N,N′,N′−テトラアリー
ルベンジジン誘導体が必須成分として使用される。これ
以外の電荷輸送物質を供用することができるが、そのよ
うなものとしては、高分子化合物では、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサ
リン、ポリビニルベンゾチオフエン、ポリビニルアント
ラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン
等が挙げられ、低分子化合物のものではフルオレノン、
フルオレン、2,7−ジニトロ−9−フルオレノン、4
H−インデノ(1,2,6)チオフエン−4−オン、
3,7−ジニトロ−ジベンゾチオフエン−5−オキサイ
ド、1−ブロムピレン、2−フェニルピレン、カルバゾ
ール、N−エチルカルバゾール、3−フェニルカルバゾ
ール、3−(N−メチル−N−フェニルヒドラゾン)メ
チル−9−エチルカルバゾール、2−フェニルインドー
ル、2−フェニルナフタレン、オキサジアゾール、2,
5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4
−オキサジアゾール、1−フェニル−3−(4−ジエチ
ルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、p−(ジメチルアミノ)−スチルベ
ン、2−(4−ジプロピルアミノフェニル)−4−(4
−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−クロロフェニ
ル)−1,3−オキサゾール、2−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−
5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オキサゾー
ル、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−(4−
ジメチルアミノフェニル)−5−(2−フルオロフェニ
ル)−1,3−オキサゾール、2−(4−ジプロピルア
ミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)
−5−(2−フルオロフェニル)−1,3−オキサゾー
ル、イミダゾール、クリセン、テトラフェン、アクリデ
ン、トリフェニルアミン、ベンジジン、これらの誘導体
等がある。一般式(I)で表わされる含フッ素N,N,
N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体は例え
ば、次のように製造することができる。 一般式
【化3】 〔ただし、式中、R3は上記一般式(I)におけると同
意義であり、Xはヨウ素又は臭素を表す〕で表わされる
ハロゲン化ビフェニル誘導体と一般式
意義であり、Xはヨウ素又は臭素を表す〕で表わされる
ハロゲン化ビフェニル誘導体と一般式
【化4】 〔ただし、式中、R1、R2、Ar1及びAr2は上記一般
式(I)におけると同意義である〕で表わされるジアリ
ールアミン化合物とを銅系触媒(銅粉末、酸化銅、ハロ
ゲン化銅等の銅化合物)及び塩基性化合物(炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム等のアルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物)の存在下
で、無溶媒又は有機溶媒(ニトロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等)の共存下
で、180〜260℃で5〜30時間加熱撹拌した後、
反応混合物を塩化メチレンやトルエンなどの有機溶剤に
溶解し、不溶物を分離、溶剤を留去した後、残留物をア
ルミナカラム等で精製し、ヘキサン、シクロヘキサン等
で再結晶することにより一般式(I)で表わされる含フ
ッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジンを
製造することができる。
式(I)におけると同意義である〕で表わされるジアリ
ールアミン化合物とを銅系触媒(銅粉末、酸化銅、ハロ
ゲン化銅等の銅化合物)及び塩基性化合物(炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム等のアルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物)の存在下
で、無溶媒又は有機溶媒(ニトロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等)の共存下
で、180〜260℃で5〜30時間加熱撹拌した後、
反応混合物を塩化メチレンやトルエンなどの有機溶剤に
溶解し、不溶物を分離、溶剤を留去した後、残留物をア
ルミナカラム等で精製し、ヘキサン、シクロヘキサン等
で再結晶することにより一般式(I)で表わされる含フ
ッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジンを
製造することができる。
【0031】また、ハロゲン化ビフェニル誘導体、ジア
リールアミン化合物、銅系触媒及び塩基性化合物の使用
量は、通常、化学量論量を使用すればよいが、好ましく
は、ハロゲン化ビフェニル誘導体1モルに対して、ジア
リールアミン化合物2〜3モル銅系触媒0.5〜2モ
ル、塩基性化合物1〜2モルの範囲で使用すればよい。
リールアミン化合物、銅系触媒及び塩基性化合物の使用
量は、通常、化学量論量を使用すればよいが、好ましく
は、ハロゲン化ビフェニル誘導体1モルに対して、ジア
リールアミン化合物2〜3モル銅系触媒0.5〜2モ
ル、塩基性化合物1〜2モルの範囲で使用すればよい。
【0032】一般式(I)において、アルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロ
ピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ
る。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基等が挙げられ
る。アリール基としては、フェニル基、トリル基、ビフ
ェニル基、ターフェニル基、ナフチル基等が挙げられ
る。フルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル
基、トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基
等が挙げられる。フルオロオルコキシ基としては、トリ
フルオロメトキシ基、2,3−ジフルオロエトキシ基、
2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1H、1H−ペ
ンタフルオロプロポキシ基、ヘキサフルオロ−iso−プ
ロポキシ基、1H、1H−ペンタフルオロブトキシ基、
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシ基、
4,4,4−トリフルオロブトキシ基等のフルオロアル
コキシ基が挙げられる。
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロ
ピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ
る。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基等が挙げられ
る。アリール基としては、フェニル基、トリル基、ビフ
ェニル基、ターフェニル基、ナフチル基等が挙げられ
る。フルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル
基、トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基
等が挙げられる。フルオロオルコキシ基としては、トリ
フルオロメトキシ基、2,3−ジフルオロエトキシ基、
2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1H、1H−ペ
ンタフルオロプロポキシ基、ヘキサフルオロ−iso−プ
ロポキシ基、1H、1H−ペンタフルオロブトキシ基、
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシ基、
4,4,4−トリフルオロブトキシ基等のフルオロアル
コキシ基が挙げられる。
【0033】本発明における一般式(I)で表される含
フッ素N,N,N’,N’−テトラアリールベンジジン
誘導体としては、例えば、下記のNo.1〜No.6の化合物
等が挙げられる。
フッ素N,N,N’,N’−テトラアリールベンジジン
誘導体としては、例えば、下記のNo.1〜No.6の化合物
等が挙げられる。
【化5】
【化6】
【0034】上記フタロシアニン組成物及び必要に応じ
て用いる電荷を発生する有機顔料(両方で前者とする)
と電荷輸送物質(後者とする)とを混合して使用する場
合(単層型の光導電層を形成する場合)は、後者/前者
が重量比で10/1〜2/1の割合で配合するのが好ま
しい。このとき、結合剤をこれらの化合物全量(前者+
後者)に対して0〜500重量%、特に30〜500重
量%の範囲で使用するのが好ましい。これらの結合剤を
使用する場合、さらに、可塑剤、流動性付与剤、ピンホ
ール抑制剤等の添加剤を必要に応じて添加することがで
きる。
て用いる電荷を発生する有機顔料(両方で前者とする)
と電荷輸送物質(後者とする)とを混合して使用する場
合(単層型の光導電層を形成する場合)は、後者/前者
が重量比で10/1〜2/1の割合で配合するのが好ま
しい。このとき、結合剤をこれらの化合物全量(前者+
後者)に対して0〜500重量%、特に30〜500重
量%の範囲で使用するのが好ましい。これらの結合剤を
使用する場合、さらに、可塑剤、流動性付与剤、ピンホ
ール抑制剤等の添加剤を必要に応じて添加することがで
きる。
【0035】電荷発生層及び電荷輸送層からなる複合型
の光導電層を形成する場合、電荷発生層中には、上記フ
タロシアニン組成物及び必要に応じて電荷を発生する有
機顔料が含有され、結合剤をフタロシアニン組成物と該
有機顔料の総量に対して500重量%以下の量で含有さ
せてもよく、また、上記した添加剤を該フタロシアニン
組成物と有機顔料の総量に対して5重量%以下で添加し
てもよい。また、電荷輸送層には、上記した電荷輸送物
質が含有され、さらに、結合剤を該電荷輸送物質に対し
て500重量%以下で含有させてもよい。電荷輸送物質
が低分子量化合物の場合は、結合剤を該化合物に対して
50重量%以上含有させることが好ましい。
の光導電層を形成する場合、電荷発生層中には、上記フ
タロシアニン組成物及び必要に応じて電荷を発生する有
機顔料が含有され、結合剤をフタロシアニン組成物と該
有機顔料の総量に対して500重量%以下の量で含有さ
せてもよく、また、上記した添加剤を該フタロシアニン
組成物と有機顔料の総量に対して5重量%以下で添加し
てもよい。また、電荷輸送層には、上記した電荷輸送物
質が含有され、さらに、結合剤を該電荷輸送物質に対し
て500重量%以下で含有させてもよい。電荷輸送物質
が低分子量化合物の場合は、結合剤を該化合物に対して
50重量%以上含有させることが好ましい。
【0036】上記した場合すべてに使用し得る結合剤と
しては、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリ
スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリメ
タクリル酸メチル樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポ
リビニルピラゾリン、ポリビニルピレン等が挙げられ
る。また、熱及び/又は光によって架橋される熱硬化型
樹脂及び光硬化型樹脂も使用できる。
しては、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリ
スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリメ
タクリル酸メチル樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポ
リビニルピラゾリン、ポリビニルピレン等が挙げられ
る。また、熱及び/又は光によって架橋される熱硬化型
樹脂及び光硬化型樹脂も使用できる。
【0037】いずれにしても絶縁性で通常の状態で被膜
を形成しうる樹脂、並びに熱及び/又は光によつて硬化
し、被膜を形成する樹脂であれば特に制限はない。上記
添加剤としての可塑剤としては、ハロゲン化パラフィ
ン、ジメチルナフタリン、ジブチルフタレート等が挙げ
られ、流動性付与剤としては、モダフロー(モンサント
ケミカル社製)、アクロナール4F(バスフ社製)等が
挙げられ、ピンホール抑制剤としては、ベンゾイン、ジ
メチルフタレート等が挙げられる。これらは適宜選択し
て使用され、その量も適宜決定されればよい。
を形成しうる樹脂、並びに熱及び/又は光によつて硬化
し、被膜を形成する樹脂であれば特に制限はない。上記
添加剤としての可塑剤としては、ハロゲン化パラフィ
ン、ジメチルナフタリン、ジブチルフタレート等が挙げ
られ、流動性付与剤としては、モダフロー(モンサント
ケミカル社製)、アクロナール4F(バスフ社製)等が
挙げられ、ピンホール抑制剤としては、ベンゾイン、ジ
メチルフタレート等が挙げられる。これらは適宜選択し
て使用され、その量も適宜決定されればよい。
【0038】本発明において導電性基材とは、導電処理
した紙又はプラスチツクフィルム、アルミニウムのよう
な金属箔を積層したプラスチツクフィルム、金属板等の
導電体である。
した紙又はプラスチツクフィルム、アルミニウムのよう
な金属箔を積層したプラスチツクフィルム、金属板等の
導電体である。
【0039】本発明の電子写真感光体は、導電性基材の
上に光導電層を形成したものである。光導電層の厚さは
5〜50μmが好ましい。光導電層として電荷発生層及
び電荷輸送層の複合型を使用する場合、電荷発生層は好
ましくは0.001〜10μm、特に好ましくは0.2
〜5μmの厚さにする。0.001μm未満では、電荷発
生層を均一に形成するのが困難になり、10μmを越え
ると、電子写真特性が低下する傾向にある。電荷輸送層
の厚さは好ましくは5〜50μm、特に好ましくは8〜
25μmである。5μm未満の厚さでは、初期電位が低く
なり、50μmを越えると、感度が低下する傾向があ
る。
上に光導電層を形成したものである。光導電層の厚さは
5〜50μmが好ましい。光導電層として電荷発生層及
び電荷輸送層の複合型を使用する場合、電荷発生層は好
ましくは0.001〜10μm、特に好ましくは0.2
〜5μmの厚さにする。0.001μm未満では、電荷発
生層を均一に形成するのが困難になり、10μmを越え
ると、電子写真特性が低下する傾向にある。電荷輸送層
の厚さは好ましくは5〜50μm、特に好ましくは8〜
25μmである。5μm未満の厚さでは、初期電位が低く
なり、50μmを越えると、感度が低下する傾向があ
る。
【0040】導電性基材上に、光導電性基材を形成する
には、有機光導電性物質を導電性基材に蒸着する方法、
有機光導電性物質及び必要に応じその他の成分をトルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤、塩化メチレン、四塩化
炭素等のハロゲン化炭化水素系溶剤、メタノール、エタ
ノール、プロパノール等のアルコール系溶剤に均一に溶
解又は分散させて導電性基材上に塗布し、乾燥する方法
などがある。塗布法としては、スピンコート法、浸漬法
等を採用できる。電荷発生層及び電荷輸送層を形成する
場合も同様に行うことができるが、この場合、電荷発生
層と電荷輸送層は、どちらを上層としてもよく、電荷発
生層を二層の電荷輸送層ではさむようにしてもよい。
には、有機光導電性物質を導電性基材に蒸着する方法、
有機光導電性物質及び必要に応じその他の成分をトルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤、塩化メチレン、四塩化
炭素等のハロゲン化炭化水素系溶剤、メタノール、エタ
ノール、プロパノール等のアルコール系溶剤に均一に溶
解又は分散させて導電性基材上に塗布し、乾燥する方法
などがある。塗布法としては、スピンコート法、浸漬法
等を採用できる。電荷発生層及び電荷輸送層を形成する
場合も同様に行うことができるが、この場合、電荷発生
層と電荷輸送層は、どちらを上層としてもよく、電荷発
生層を二層の電荷輸送層ではさむようにしてもよい。
【0041】本発明のフタロシアニン組成物をスピンコ
ート法により塗布する場合、フタロシアニン組成物をク
ロロホルム等又はトルエン等のハロゲン化溶剤又は非極
性溶剤に溶かして得た塗布液を用いて回転数3000〜
7000rpmでスピンコーティングするのが好ましく、
また、浸漬法によって塗布する場合には、フタロシアニ
ン組成物をメタノール、ジメチルホルムアミド、クロロ
ホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハ
ロゲン溶剤にボールミル、超音波等を用いて分散させた
塗液に導電性基板を浸漬するのが好ましい。
ート法により塗布する場合、フタロシアニン組成物をク
ロロホルム等又はトルエン等のハロゲン化溶剤又は非極
性溶剤に溶かして得た塗布液を用いて回転数3000〜
7000rpmでスピンコーティングするのが好ましく、
また、浸漬法によって塗布する場合には、フタロシアニ
ン組成物をメタノール、ジメチルホルムアミド、クロロ
ホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハ
ロゲン溶剤にボールミル、超音波等を用いて分散させた
塗液に導電性基板を浸漬するのが好ましい。
【0042】本発明に係る電子写真感光体は、さらに導
電性支持体と光導電層間に下引き層を有してもよい。該
下引き層には、熱可塑性樹脂を使用することが好まし
い。該熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、メ
ラミン樹脂、カゼイン、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ア
クリル酸共重合体樹脂などがあげられるが、ポリアミド
樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、具体的に
は、トレジンMF30、トレジンF30、トレジンEF
30T(以下帝国化学産業(株)製ポリアミド樹脂の商
品名)、M−1276(日本リルサン(株)製ポリアミ
ド樹脂の商品名)等がある。
電性支持体と光導電層間に下引き層を有してもよい。該
下引き層には、熱可塑性樹脂を使用することが好まし
い。該熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、メ
ラミン樹脂、カゼイン、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ア
クリル酸共重合体樹脂などがあげられるが、ポリアミド
樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、具体的に
は、トレジンMF30、トレジンF30、トレジンEF
30T(以下帝国化学産業(株)製ポリアミド樹脂の商
品名)、M−1276(日本リルサン(株)製ポリアミ
ド樹脂の商品名)等がある。
【0043】下引き層に含有されるこれらの樹脂は、単
独で又は2種類以上混合して用いてもよい。本発明にお
いて、ポリアミド樹脂を使用して下引き層を設ける場合
は、熱硬化性樹脂及び硬化剤をポリアミド樹脂と併用す
ることが好ましい。熱硬化性樹脂及び硬化剤の併用によ
って下引き層の耐溶剤性及び膜の強度は向上し、下引き
層の上に光導電層を設ける際に光導電層形成用溶液中の
溶媒等によるダメージを受けにくくなる。
独で又は2種類以上混合して用いてもよい。本発明にお
いて、ポリアミド樹脂を使用して下引き層を設ける場合
は、熱硬化性樹脂及び硬化剤をポリアミド樹脂と併用す
ることが好ましい。熱硬化性樹脂及び硬化剤の併用によ
って下引き層の耐溶剤性及び膜の強度は向上し、下引き
層の上に光導電層を設ける際に光導電層形成用溶液中の
溶媒等によるダメージを受けにくくなる。
【0044】熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂が使用でき通常の状態
で被膜を形成できる熱硬化性樹脂であれば特に制限はな
い。これらは熱可塑性樹脂に対して300重量%以下で
使用するのが好ましい。
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂が使用でき通常の状態
で被膜を形成できる熱硬化性樹脂であれば特に制限はな
い。これらは熱可塑性樹脂に対して300重量%以下で
使用するのが好ましい。
【0045】硬化剤としては、例えば、トリメリット
酸、ピロメリツト酸などのカルボン酸や、カルボン酸を
有するアミドのオリゴマーなどがあげられる。これら
は、上記熱硬化性樹脂に対して20重量%以下で使用す
ることが好ましい。
酸、ピロメリツト酸などのカルボン酸や、カルボン酸を
有するアミドのオリゴマーなどがあげられる。これら
は、上記熱硬化性樹脂に対して20重量%以下で使用す
ることが好ましい。
【0046】下引き層を形成する方法としては、例え
ば、熱可塑性樹脂、必要に応じて使用される、熱硬化性
樹脂、硬化剤等をメタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなどのアルコール溶剤と塩化メチレン、1,1,
2−トリクロロエタンなどのハロゲン系溶剤の混合溶剤
に均一に溶解し、これを導電性基体上に浸漬塗工法、ス
プレー塗工法、ロール塗工法、アプリケータ塗工法、ワ
イヤバー塗工法等の塗工法を用いて塗工し乾燥して形成
することができる。
ば、熱可塑性樹脂、必要に応じて使用される、熱硬化性
樹脂、硬化剤等をメタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなどのアルコール溶剤と塩化メチレン、1,1,
2−トリクロロエタンなどのハロゲン系溶剤の混合溶剤
に均一に溶解し、これを導電性基体上に浸漬塗工法、ス
プレー塗工法、ロール塗工法、アプリケータ塗工法、ワ
イヤバー塗工法等の塗工法を用いて塗工し乾燥して形成
することができる。
【0047】下引き層の厚さは、0.01μm〜5.0
μmが好ましく、特に0.05μm〜2.0μmが好まし
い。薄すぎると均一な電荷発生層が形成出来ず黒ポチや
白ポチが発生する傾向がある。又厚すぎると残留電位の
蓄積が大きくなり、印字枚数が増加するに従い印字濃度
の低下が発生する傾向がある。
μmが好ましく、特に0.05μm〜2.0μmが好まし
い。薄すぎると均一な電荷発生層が形成出来ず黒ポチや
白ポチが発生する傾向がある。又厚すぎると残留電位の
蓄積が大きくなり、印字枚数が増加するに従い印字濃度
の低下が発生する傾向がある。
【0048】本発明に係る電子写真感光体は、更に、表
面に保護層を有していてもよい。
面に保護層を有していてもよい。
【0049】上記電子写真感光体は、感光層が、上記フ
タロシアニン組成物を含有しているので、帯電性、暗減
衰、感度、残留電位等の電気特性だけでなく、帯電及び
除電を繰り返した後の画像の解像度(1mmあたりに判別
できる細線の数として定義)も優れている。従って、上
記電子写真感光体は、レ−ザビ−ムプリンタに限らず、
複写機やファクシミリ等の画像形成装置に用いる感光体
として有用である。
タロシアニン組成物を含有しているので、帯電性、暗減
衰、感度、残留電位等の電気特性だけでなく、帯電及び
除電を繰り返した後の画像の解像度(1mmあたりに判別
できる細線の数として定義)も優れている。従って、上
記電子写真感光体は、レ−ザビ−ムプリンタに限らず、
複写機やファクシミリ等の画像形成装置に用いる感光体
として有用である。
【0050】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明を詳細に説明
する。
する。
【0051】実施例1 チタニルフタロシアニン0.75gと塩化インジウムフ
タロシアニン0.25gからなるフタロシアニン混合物
1gを硫酸50mlに溶解し、これを氷水で冷却した純水
1リットルに滴下し再沈させた。ろ過後沈殿を純水でpH
=2〜5になるまで洗浄し、ついで、メタノールで洗浄
した後60℃で乾燥し粉末を得た。この粉末1gを1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン10mlに入れ加熱
撹拌(150℃,1時間)した。濾過後、メタノール洗
浄して60℃で真空乾燥し、本発明のフタロシアニン組
成物の結晶0.78gを得た。この結晶のX線回折スペ
クトルを図1として示した。
タロシアニン0.25gからなるフタロシアニン混合物
1gを硫酸50mlに溶解し、これを氷水で冷却した純水
1リットルに滴下し再沈させた。ろ過後沈殿を純水でpH
=2〜5になるまで洗浄し、ついで、メタノールで洗浄
した後60℃で乾燥し粉末を得た。この粉末1gを1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン10mlに入れ加熱
撹拌(150℃,1時間)した。濾過後、メタノール洗
浄して60℃で真空乾燥し、本発明のフタロシアニン組
成物の結晶0.78gを得た。この結晶のX線回折スペ
クトルを図1として示した。
【0052】上記のフタロシアニン組成物1.5g、ポ
リビニルブチラール樹脂エスレックBL−S(積水化学
社製)0.9g、メラミン樹脂ML351W(日立化成
工業社製)0.1g、エチルセロソルブ49g及びテト
ラヒドロフラン49gを配合し、ボールミルで分散し
た。得られた分散液を浸漬法によりアルミニウム板(導
電性基材100mm×100mm×0.1mm)上に塗工し、
140℃で1時間乾燥して厚さ0.5μmの電荷発生層
を形成した。上記のNo.1の電荷輸送性物質1.5g、
ポリカーボネート樹脂ユーピロンS−3000(三菱瓦
斯化学社製)1.5g及び塩化メチレン15.5gを配
合して得られた塗布液を上記基板上に浸漬法により塗工
し、120℃で1時間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送
層を形成した。この電子写真感光体の電子写真特性を静
電複写紙試験装置(川口電気社製、モデルSP−42
8)により測定した。暗時で−5kVのコロナ放電によ
り帯電させて10秒後の初期帯電Vo(−V)、30秒
後の暗減衰DDR(%)、照度2luxの白色光で露光し
た時の白色光感度E1/2(lux・sec)を求めた。分光感
度はシンシア30HC(緑屋電気製)により測定した。
初期表面電位−700V、露光波長780nm、露光時間
50mSで、露光後、0.2秒間で表面電位を半減させる
のに要する照射エネルギ−量、すなわち、分光感度E50
(μJ/cm2)を求めた。解像度は、電子写真感光体の表面
電位が−600V〜−700Vになるようにコロナ放電
によって帯電させ、次いで、電子写真学会チャ−トNo.
1−Tを原画として100lux・secで像露光し、次い
で、正帯電しているトナ−で現像し、作成されたトナ−
像を白紙に転写し、定着して試験画像を得、1mm当りに
判別できる細線の数によって評価した。なお、各試験に
おいて使用したトナ−及び転写・定着方法は同一とし
た。電子写真感光体の製造直後(初期)の解像度、及
び、コロナ帯電(表面電位−1000V±100V)及
び除電(波長500nmの光を照射:露光量約5μJ/c
m2)を10,000回繰り返した後の解像度を評価し
た。
リビニルブチラール樹脂エスレックBL−S(積水化学
社製)0.9g、メラミン樹脂ML351W(日立化成
工業社製)0.1g、エチルセロソルブ49g及びテト
ラヒドロフラン49gを配合し、ボールミルで分散し
た。得られた分散液を浸漬法によりアルミニウム板(導
電性基材100mm×100mm×0.1mm)上に塗工し、
140℃で1時間乾燥して厚さ0.5μmの電荷発生層
を形成した。上記のNo.1の電荷輸送性物質1.5g、
ポリカーボネート樹脂ユーピロンS−3000(三菱瓦
斯化学社製)1.5g及び塩化メチレン15.5gを配
合して得られた塗布液を上記基板上に浸漬法により塗工
し、120℃で1時間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送
層を形成した。この電子写真感光体の電子写真特性を静
電複写紙試験装置(川口電気社製、モデルSP−42
8)により測定した。暗時で−5kVのコロナ放電によ
り帯電させて10秒後の初期帯電Vo(−V)、30秒
後の暗減衰DDR(%)、照度2luxの白色光で露光し
た時の白色光感度E1/2(lux・sec)を求めた。分光感
度はシンシア30HC(緑屋電気製)により測定した。
初期表面電位−700V、露光波長780nm、露光時間
50mSで、露光後、0.2秒間で表面電位を半減させる
のに要する照射エネルギ−量、すなわち、分光感度E50
(μJ/cm2)を求めた。解像度は、電子写真感光体の表面
電位が−600V〜−700Vになるようにコロナ放電
によって帯電させ、次いで、電子写真学会チャ−トNo.
1−Tを原画として100lux・secで像露光し、次い
で、正帯電しているトナ−で現像し、作成されたトナ−
像を白紙に転写し、定着して試験画像を得、1mm当りに
判別できる細線の数によって評価した。なお、各試験に
おいて使用したトナ−及び転写・定着方法は同一とし
た。電子写真感光体の製造直後(初期)の解像度、及
び、コロナ帯電(表面電位−1000V±100V)及
び除電(波長500nmの光を照射:露光量約5μJ/c
m2)を10,000回繰り返した後の解像度を評価し
た。
【0053】実施例2〜4 実施例1においてチタニルフタロシアニンと塩化インジ
ウムフタロシアニンとの組成比率を表1に示すようにし
た以外は実施例1に準じて結晶を製造した。
ウムフタロシアニンとの組成比率を表1に示すようにし
た以外は実施例1に準じて結晶を製造した。
【0054】比較例1 実施例1においてフタロシアニン混合物に代えてチタニ
ルフタロシアニンのみを用いた以外は実施例1に準じて
結晶を製造した。この結晶のX線回折スペクトルを図2
として示した。 比較例2 実施例1においてフタロシアニン組成物の代わりに塩化
インジウムフタロシアニンのみを用いた以外は実施例1
に準じて結晶を製造した。この結晶のX線回折スペクト
ルを図3として示した。 比較例3 チタニルフタロシアニン0.75gと塩化インジウムフ
タロシアニン0.25gからなるフタロシアニン混合物
1gを硫酸50mlに溶解し、これを氷水で冷却した純水
1リットルに滴下し再沈させた。ろ過後沈殿を純水でpH
=2〜5になるまで洗浄し、ついで、メタノールで洗浄
した後60℃で乾燥し粉末を得た。この粉末のX線回折
スペクトルを図4に示した。電子写真特性は、実施例1
に準じて評価した。
ルフタロシアニンのみを用いた以外は実施例1に準じて
結晶を製造した。この結晶のX線回折スペクトルを図2
として示した。 比較例2 実施例1においてフタロシアニン組成物の代わりに塩化
インジウムフタロシアニンのみを用いた以外は実施例1
に準じて結晶を製造した。この結晶のX線回折スペクト
ルを図3として示した。 比較例3 チタニルフタロシアニン0.75gと塩化インジウムフ
タロシアニン0.25gからなるフタロシアニン混合物
1gを硫酸50mlに溶解し、これを氷水で冷却した純水
1リットルに滴下し再沈させた。ろ過後沈殿を純水でpH
=2〜5になるまで洗浄し、ついで、メタノールで洗浄
した後60℃で乾燥し粉末を得た。この粉末のX線回折
スペクトルを図4に示した。電子写真特性は、実施例1
に準じて評価した。
【0055】実施例1〜4及び比較例1,2,3の電子
写真特性を表1に示した。
写真特性を表1に示した。
【表1】
【0056】実施例5〜8 実施例1〜4においてN−メチル−2−ピロリドンの代
わりにメチルエチルケトンを用いて有機溶剤処理した以
外は実施例1〜4に準じて結晶を製造した。この結晶の
X線回折スペクトルを図5として示した。
わりにメチルエチルケトンを用いて有機溶剤処理した以
外は実施例1〜4に準じて結晶を製造した。この結晶の
X線回折スペクトルを図5として示した。
【0057】比較例4,5 比較例1,2においてN−メチル−2−ピロリドンの代
わりにメチルエチルケトンを用いて有機溶剤処理した以
外は比較例1,2に準じて結晶を製造した。結晶のX線
回折スペクトルを、それぞれ、図6,7に示す。
わりにメチルエチルケトンを用いて有機溶剤処理した以
外は比較例1,2に準じて結晶を製造した。結晶のX線
回折スペクトルを、それぞれ、図6,7に示す。
【0058】実施例5〜8及び比較例4,5の電子写真
特性を表2に示した。
特性を表2に示した。
【表2】
【0059】実施例9〜12 実施例1〜4において塩化インジウムフタロシアニンの
代わりに臭化インジウムフタロシアニンを用い、かつ、
電荷輸送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質の代わ
りに上記のNo.2の電荷輸送物質を用いた以外は実施例
1〜4に準じて結晶及びこれを用いた電子写真感光体を
製造した。
代わりに臭化インジウムフタロシアニンを用い、かつ、
電荷輸送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質の代わ
りに上記のNo.2の電荷輸送物質を用いた以外は実施例
1〜4に準じて結晶及びこれを用いた電子写真感光体を
製造した。
【0060】比較例6 比較例1において電荷輸送材料として上記のNo.1の電
荷輸送物質の代わりに上記のNo.2の電荷輸送物質を用
いた以外は比較例1に準じて電子写真感光体を製造し
た。 比較例7 比較例2において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに臭化インジウムフタロシアニンを用い、かつ、電荷
輸送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質の代わりに
上記のNo.2の電荷輸送物質を用いた以外は比較例2に
準じて結晶及びこれを用いた電子写真感光体を製造し
た。 比較例8 比較例3において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに臭化インジウムフタロシアニンを用いた以外は比較
例3に準じて粉末を得、これを用いた電子写真感光体を
製造した。この粉末のX線回折スペクトルは図4と同じ
であった。
荷輸送物質の代わりに上記のNo.2の電荷輸送物質を用
いた以外は比較例1に準じて電子写真感光体を製造し
た。 比較例7 比較例2において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに臭化インジウムフタロシアニンを用い、かつ、電荷
輸送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質の代わりに
上記のNo.2の電荷輸送物質を用いた以外は比較例2に
準じて結晶及びこれを用いた電子写真感光体を製造し
た。 比較例8 比較例3において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに臭化インジウムフタロシアニンを用いた以外は比較
例3に準じて粉末を得、これを用いた電子写真感光体を
製造した。この粉末のX線回折スペクトルは図4と同じ
であった。
【0061】実施例9〜12と比較例6、7及び8の電
子写真特性を表3に示した。
子写真特性を表3に示した。
【表3】
【0062】実施例13〜16 実施例1〜4において塩化インジウムフタロシアニンの
代わりに塩化ガリウムフタロシアニンを用い、かつ、電
荷輸送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質の代わり
に上記のNo.3の電荷輸送物質を用いた以外は実施例1
〜4に準じて結晶及びこれを用いた電子写真感光体を製
造した。
代わりに塩化ガリウムフタロシアニンを用い、かつ、電
荷輸送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質の代わり
に上記のNo.3の電荷輸送物質を用いた以外は実施例1
〜4に準じて結晶及びこれを用いた電子写真感光体を製
造した。
【0063】比較例9 比較例1において電荷輸送材料として上記のNo.1の電
荷輸送物質の代わりに上記のNo.3の電荷輸送物質を用
いた以外は比較例1に準じて電子写真感光体を製造し
た。 比較例10 比較例2において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに塩化ガリウムフタロシアニンを用い、かつ、電荷輸
送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質の代わりに上
記のNo.3の電荷輸送物質を用いた以外は比較例2に準
じて結晶及び電子写真感光体を製造した。 比較例11 比較例3において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに塩化ガリウムフタロシアニンを用いた以外は比較例
3に準じて粉末を得、これを用いた電子写真感光体を製
造した。この粉末のX線回折スペクトルは図4と同じで
あった。
荷輸送物質の代わりに上記のNo.3の電荷輸送物質を用
いた以外は比較例1に準じて電子写真感光体を製造し
た。 比較例10 比較例2において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに塩化ガリウムフタロシアニンを用い、かつ、電荷輸
送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質の代わりに上
記のNo.3の電荷輸送物質を用いた以外は比較例2に準
じて結晶及び電子写真感光体を製造した。 比較例11 比較例3において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに塩化ガリウムフタロシアニンを用いた以外は比較例
3に準じて粉末を得、これを用いた電子写真感光体を製
造した。この粉末のX線回折スペクトルは図4と同じで
あった。
【0064】実施例13〜16と比較例9、10及び1
1の電子写真特性を表4に示した。
1の電子写真特性を表4に示した。
【表4】
【0065】実施例17〜20 実施例1〜4において塩化インジウムフタロシアニンの
代わりに塩化アルミニウムフタロシアニンを用い、か
つ、電荷輸送材料として上記のNo.1の化合物1.5g
の代わりに上記のNo.4の化合物1gを用いた以外は実
施例1〜4に準じて結晶及びこれを用いた電子写真感光
体を製造した。
代わりに塩化アルミニウムフタロシアニンを用い、か
つ、電荷輸送材料として上記のNo.1の化合物1.5g
の代わりに上記のNo.4の化合物1gを用いた以外は実
施例1〜4に準じて結晶及びこれを用いた電子写真感光
体を製造した。
【0066】比較例12 比較例1において電荷輸送材料として上記のNo.1の電
荷輸送物質1.5gの代わりに上記のNo.4の電荷輸送
物質1gを用いた以外は比較例1に準じて電子写真感光
体を製造した。 比較例13 比較例2において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに塩化アルミニウムフタロシアニンを用い、かつ、電
荷輸送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質1.5g
の代わりに上記のNo.4の電荷輸送物質1gを用いた以
外は比較例2に準じて結晶及びこれを用いた電子写真感
光体を製造した。 比較例14 比較例3において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに塩化アルミニウムフタロシアニンを用いた以外は比
較例3に準じて粉末を得、これを用いた電子写真感光体
を製造した。この粉末のX線回折スペクトルは図4と同
じであった。
荷輸送物質1.5gの代わりに上記のNo.4の電荷輸送
物質1gを用いた以外は比較例1に準じて電子写真感光
体を製造した。 比較例13 比較例2において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに塩化アルミニウムフタロシアニンを用い、かつ、電
荷輸送材料として上記のNo.1の電荷輸送物質1.5g
の代わりに上記のNo.4の電荷輸送物質1gを用いた以
外は比較例2に準じて結晶及びこれを用いた電子写真感
光体を製造した。 比較例14 比較例3において塩化インジウムフタロシアニンの代わ
りに塩化アルミニウムフタロシアニンを用いた以外は比
較例3に準じて粉末を得、これを用いた電子写真感光体
を製造した。この粉末のX線回折スペクトルは図4と同
じであった。
【0067】実施例17〜20と比較例12、13及び
14の電子写真特性を表5に示した。
14の電子写真特性を表5に示した。
【表5】
【0068】
【発明の効果】フタロシアニン組成物と含フッ素N,
N,N’,N’−テトラアリ−ルベンジジン誘導体を用
いた電子写真感光体は、帯電性、暗減衰、感度等の電子
写真特性が優れており、従来よりも更に高密度、高画質
が要求される電子写真プロセスに好適に応用することが
できる。
N,N’,N’−テトラアリ−ルベンジジン誘導体を用
いた電子写真感光体は、帯電性、暗減衰、感度等の電子
写真特性が優れており、従来よりも更に高密度、高画質
が要求される電子写真プロセスに好適に応用することが
できる。
【0069】
【図1】N−メチル−2−ピロリドンで処理したフタロ
シアニン組成物のX線回折スペクトル。
シアニン組成物のX線回折スペクトル。
【図2】N−メチル−2−ピロリドンで処理したチタニ
ルフタロシアニンのX線回折スペクトル。
ルフタロシアニンのX線回折スペクトル。
【図3】N−メチル−2−ピロリドンで処理した塩化イ
ンジウムフタロシアニンのX線回折スペクトル。
ンジウムフタロシアニンのX線回折スペクトル。
【図4】硫酸処理したフタロシアニン組成物のX線回折
スペクトル。
スペクトル。
【図5】メチルエチルケトンで処理したフタロシアニン
組成物のX線回折スペクトル。
組成物のX線回折スペクトル。
【図6】メチルエチルケトンで処理したチタニルフタロ
シアニンのX線回折スペクトル。
シアニンのX線回折スペクトル。
【図7】メチルエチルケトンで処理した塩化インジウム
フタロシアニンのX線回折スペクトル。
フタロシアニンのX線回折スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 恵 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 林田 茂 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む光
導電層を設けた電子写真感光体において、上記電荷発生
物質がCuKαのX線回折スペクトルにおいてブラッグ
角(2θ±0.2度)が7.5度、22.5度、24.
3度、25.3度及び28.6度に主な回折ピークを有
するチタニルフタロシアニンと中心金属が3価のハロゲ
ン化金属フタロシアニンとを含むフタロシアニン組成物
であり、かつ、上記電荷輸送物質が、一般式(I)で表
される含フッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベ
ンジジン誘導体である電子写真感光体。 【化1】 (R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、フルオ
ロアルキル基又はフルオロアルコキシ基を表し、R1及
びR2のうち少なくとも一方は、フルオロアルキル基又
はフルオロアルコキシ基であり、2個のR3は、それぞ
れ独立して水素原子又はアルキル基を表し、Ar1及び
Ar2は、それぞれ独立してアリール基を表し、m及び
nは、それぞれ独立して0〜5の整数を表す) - 【請求項2】 電荷発生物質及び電荷輸送物質がそれぞ
れ別個の層に含まれる請求項1記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 導電性支持体と光導電層間に下引き層を
設けた請求項1又は2記載の電子写真感光体。
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EP0821279A1 (en) * | 1996-07-24 | 1998-01-28 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Electrophotographic photoreceptor and coating solution for production of charge transport layer |
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