JPH06148651A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH06148651A
JPH06148651A JP30206492A JP30206492A JPH06148651A JP H06148651 A JPH06148651 A JP H06148651A JP 30206492 A JP30206492 A JP 30206492A JP 30206492 A JP30206492 A JP 30206492A JP H06148651 A JPH06148651 A JP H06148651A
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JP
Japan
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polymer beads
liquid crystal
crystal display
polymer
gas
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JP30206492A
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English (en)
Inventor
Toichi Yamada
都一 山田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面改質されたポリマービーズを基板上で均
一に分散させることにより、液晶分子の配向状態が良好
な、表示品質に優れた表面が改質された液晶表示素子を
提供する。 【構成】 弗化アルゴンレーザーから発せられる光また
は水銀ランプから発せられる紫外線を、酸素を含む気体
に照射して酸素を励起させることにより活性酸素を生成
させ、この活性酸素によって表面に極性基が形成された
ポリマービーズ、もしくは、弗化アルゴンレーザーから
発せられる光を、アクリル酸、メタクリル酸、及びそれ
らのエステルからなる群から選ばれた少なくとも一種の
モノマーを含む気体に照射してラジカルを生成させ、生
成したラジカルの反応によって生じた重合物を表面に被
覆させたポリマービーズ、をスペーサーとして用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面が改質されたポリ
マービーズをスペーサーとして用いた液晶表示素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリマービーズは、従来より種々の分野
に使用されている。例えば、特開昭62−129819
号公報には、プラスチックビーズを液晶表示素子用のス
ペーサーとして使用することが提案されている。
【0003】しかし、これらのポリマービーズは以下に
示すような欠点がある。
【0004】ポリマービーズの表面は概して疎水性の
強い傾向をもっている。そのため、水濡れ性が悪く、水
中にポリマービーズを均一に懸濁させることが困難であ
る。
【0005】ポリマービーズの表面はマイナスの帯電
性を強く持つ傾向にある。そのため、他の材料へポリマ
ービーズが付着したり、ポリマービーズ同志が凝集する
傾向が著しい。
【0006】従って、ポリマービーズを、例えば液晶表
示素子用のスペーサーとして使用する場合には、ポリマ
ービーズを液晶表示素子の電極基板上に均一に分散させ
ることができない。このように、スペーサーが均一に分
散されていない液晶表示素子は、基板間隙が不均一であ
るため表示品質が著しく劣化する。
【0007】ポリマービーズは上記した問題を有してい
るために、その表面を改質することが望まれている。例
えば、特開昭62−242857号公報には、過酸化物
等の薬液による湿式処理、低温プラズマ処理、コロナ放
電処理によって、プラスチック成形品の表面を処理する
方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、湿式酸化処
理、低温プラズマ処理またはコロナ放電処理によって成
形品の表面を処理する場合には、処理効果が経時的に低
下していくという問題がある。低温プラズマ処理は高真
空下で行う必要があるので、装置設計面での制約が多
く、ビーズの表面処理に適していない。
【0009】本発明は上記従来の問題を解決するもので
あり、その目的とするところは、水濡れ性改善と相互の
凝集防止等の表面改質がなされたポリマービーズをスペ
ーサーとして用いた表示品質の優れた液晶表示素子を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、弗化アルゴンレーザーから発せられる光または水銀
水銀ランプから発せられる紫外線を、酸素を含む気体に
照射することにより生成した活性酸素にて酸化して得ら
れた極性基が表面に形成されて表面改質されたポリマー
ビーズをスペーサーとして用い、このスペーサーを介し
て互いに対向するように配置された2枚の電極基板の間
隙に液晶を封入されて形成され、そのことにより上記目
的が達成される。
【0011】また、本発明の液晶表示素子は、アクリル
酸、メタクリル酸、及びそれらのエステルからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種のモノマーから得られた気相
重合物が表面に被覆されて表面改質されたポリマービー
ズをスペーサーとして用い、このスペーサーを介して互
いに対向するように配置された2枚の電極基板の間隙に
液晶を封入されて形成され、そのことにより上記目的が
達成される。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】〔弗化アルゴンレーザーを用いて表面改質
されたポリマービーズをスペーサーとして用いた場合〕
上記弗化アルゴンレーザーはエキシマレーザーの一種で
ある。エキシマとは、二つの原子が微小間隔で結合した
励起状態にある2量体を意味し、少なくとも一方の原子
が希ガス原子である場合には、励起エネルギーは非常に
大きくなる。このようなエキシマはレーザー媒質として
優れた特徴をもっている。すなわち、励起エネルギーの
光エネルギーへの変換効率が非常に大きいこと、短波長
で高強度の紫外線レーザーが得られることなどである。
弗化アルゴンによるエキシマレーザー光の波長は193
nmであり、このレーザー光を酸素ガスを含む気体に照射
するとき、次式に示すように酸素が励起され、活性酸素
が生成する。
【0014】 O2→O・+O++O-+O2-+O- 2+O- 3+O- 4 本発明では、これらの生成した活性酸素によりポリマー
ビーズ表面の改質を行うものである。これらの活性酸素
は、次式の反応によりポリマービーズ表面に極性基を形
成する。
【0015】
【化1】
【0016】このような極性基の形成は、例えば、光電
子X線スペクトル(ESCA)における酸素原子対炭素原子
の比(O/C)の増加、赤外線吸収スペクトルにおける
カルボニル結合による吸収、あるいはゼータ電位の増大
等により確認することができる。
【0017】以下に、このような極性基の形成に影響を
及ぼす要因について述べる。
【0018】弗化アルゴンレーザーから発せられた光
を照射する気体(以下、雰囲気ガスともいう)は、酸素
を含むガスであれば限定されない。例えば、ヘリウムと
酸素の混合ガスや窒素と酸素の混合ガスが好適である。
雰囲気ガス中の酸素濃度が高くなるに従ってポリマービ
ーズ表面に形成される極性基の濃度は高くなる。雰囲気
ガス中の酸素濃度は20容量%以上が好適である。雰囲気
ガスの圧力は任意に設定することができるが、0.5〜
2.0Kg/cm2が好ましく、特に1Kg/cm2前後が好まし
い。
【0019】ポリマービーズの表面を処理するための
容器(以下、反応容器という)はレーザー光を透過する
材質、例えば、石英ガラス製のものが好適に用いられ
る。
【0020】反応容器の容積とこの反応容器内に収容
されるポリマービーズ量との比率は、容積100ml当り
0.1g〜10gの範囲が好適である。
【0021】反応容器内の雰囲気ガスは、絶えず新し
いガスを反応容器内に注入し、かつ容器内の廃ガスを排
気する流動式によりフローさせてもよく、あるいはバッ
チ方式で反応容器内に滞留させてもよい。
【0022】ポリマービーズの表面を均一に処理する
ために、反応容器にはビーズに何等かの動きを与えるた
めの装置を備えることが好ましい。このような装置の一
例としては、例えばバイブレーターがある。このバイブ
レーターを用いて反応容器内に直接振動を与えることに
よってビーズを振動させる方式のもの、反応容器の一部
または全体を回転させる方式のもの、外部からのモータ
ー振動により内部のポリマービーズの攪拌を行う方式の
もの等があげられる。
【0023】処理時間とともに、ESCA測定によるO/
C比は増大しやがて一定になる。従って、弗化アルゴン
レーザーによる処理時間は、反応容器の大きさや形状に
より左右されるが、通常60分以内である。
【0024】弗化アルゴンレーザーの光強度Hと発振
周波数νとの間には、次の関係がある。
【0025】H=E・ν但し、Eは発振ピークの光エネ
ルギーである。従って、発振周波数νを大きくすれば弗
化アルゴンレーザーの光強度Hは大きくなり、活性酸素
の生成は増大する。通常、発振周波数νは、50〜30
0Hzの範囲内で設定することが好ましい。
【0026】反応容器内にレーザー光を反射させるた
めのミラーを設置してもよい。このミラーによってレー
ザー光の反応容器内での光路長を増すことができるの
で、レーザー光による反応効率を増大させることができ
る。
【0027】使用されるポリマービーズとしては、例
えば、以下の材料のものが用いられる。
【0028】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリアセタール等の線状または架
橋高分子;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合
体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベ
ンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアクリルフタ
レート重合体、トリアリルイソシアヌレート重合体、ベ
ンゾグアナミン重合体等の網目構造を有する樹脂。
【0029】上記固体粒子のうちで、特に好ましいもの
は、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチ
レン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル
共重合体、ジアクリルフタレート重合体等の網目構造を
有する樹脂である。
【0030】以下に、弗化アルゴンレーザーを用いて表
面が改質されたポリマービーズを製造する方法をさらに
詳細に説明する。
【0031】この方法は、図1に示すレーザー処理装置
を用いて行うことができる。この装置は、バイブレータ
ー4の上にバンド5で固定された反応容器1と、反応容
器1に流量計7を介して接続されたガスボンベ6とを備
えている。反応容器1内にはポリマービーズ2が収容さ
れ、またガスボンベ6から適宜雰囲気ガス3が反応容器
1内に供給されるように構成されている。反応容器1の
上部には排ガスを適宜排出し得る排気口8が設けられて
いる。反応容器1の側方には、弗化アルゴンレーザーが
配置され、この弗化アルゴンレーザーからレーザー光が
反応容器1に向けて照射されるようになっている。
【0032】上記したように、反応容器1内にポリマー
ビーズ2を収容し、ガスボンベ6から雰囲気ガス3を反
応容器1内に供給しながらこの反応容器1に弗化アルゴ
ンレーザーからの光を照射すると、反応容器1内の雰囲
気ガス3中の酸素が励起して活性酸素を生成する。そし
て、上記のように、この活性酸素がポリマービーズ2の
表面を酸化することにより、ポリマービーズ2の表面に
は極性基が形成されるのである。
【0033】上記した方法によって従来技術における問
題点が以下のように解決できる。
【0034】ビーズ表面に化学的に安定なカルボニル
基、カルボキシル基、水酸基などの極性基が形成される
ため、処理効果が経時的に低下することがほとんど見ら
れない。しかも、これらの極性基がポリマービーズ表面
に高い濃度で導入される。
【0035】弗化アルゴンレーザーによるポリマービ
ーズの処理は大気圧下で行うことが可能であり、例え
ば、低温プラズマ処理における高真空の条件は不要であ
る。そのため、工業的規模の処理設備の設計が容易であ
り、特にポリマービーズの処理に適している。
【0036】なお、上記方法では、反応容器内にポリマ
ービーズを収容しかつ反応容器内に雰囲気ガスを供給し
た状態で、反応容器内に弗化アルゴンレーザーからの光
を照射することにより、反応容器内の雰囲気ガス中の酸
素を励起させるようにしたが、反応容器とは別の容器に
充満した雰囲気ガスにレーザー光を照射することにより
活性酸素を発生させ、この活性酸素をポリマービーズが
収容された反応容器に導入するようにしてもよい。
【0037】〔水銀ランプを用いて表面改質されたポリ
マービーズをスペーサーとして用いた場合〕水銀ランプ
から発せられる紫外線をポリマービーズに照射する場合
には、次のようにポリマービーズ表面が改質される。
【0038】水銀ランプの揮線スペクトルのうち、活性
酸素の生成にかかわっているのは、185nm及び254
nmの二つである。光強度は254nmのものが極めて強
く、185nmの揮線スペクトルの光強度は254nmの揮
線スペクトルの光強度の1/100程度である。185
nmの光は酸素吸収性を持つため、直接活性酸素の生成に
寄与しているが、254nmの光は二光子吸収により活性
酸素の生成に寄与していると思われる。
【0039】活性酸素は、上記の弗化アルゴンレーザー
を用いた場合と同様に、酸素が励起されることにより生
成し、これらの活性酸素によりポリマービーズ表面の改
質が行われる。ビーズ表面の極性基の形成は、上記した
弗化アルゴンレーザーの場合と同じように、例えば、光
電子X線スペクトル(ESCA)における酸素原子対炭素原
子の比(O/C)の増加、赤外線吸収スペクトルにおけ
るカルボニル結合による吸収あるいはゼータ電位の増大
等により確認することができる。以下に、このような極
性基の形成に影響を及ぼす要因について述べる。
【0040】水銀ランプによる紫外線を照射する雰囲
気ガスとしては、弗化アルゴンレーザーの場合と同じよ
うに、酸素を含むガスであれば何であってもよい。例え
ば、ヘリウムと酸素の混合ガスや窒素と酸素の混合ガス
が好適である。雰囲気ガス中の酸素濃度が高くなるに従
ってポリマービーズ表面に形成される極性基の濃度は高
くなる。雰囲気ガス中の酸素濃度は、20容量%以上が好
適である。雰囲気ガスの圧力は任意に設定することがで
きるが、0.5〜2.0Kg/cm2が好ましく、特に1Kg/c
m2前後が好ましい。
【0041】反応容器は、レーザー光を透過する材
質、例えば、石英ガラス製のものが用いられる。
【0042】反応容器の容積とポリマービーズ量の比
率は、容積100ml当り、0.1g〜10gの範囲が好適で
ある。
【0043】反応容器内の雰囲気ガスは、絶えず新し
いガスを反応容器内に注入し、かつ容器内の廃ガスを排
気する流動式によりフローさせてもよく、あるいはバッ
チ方式で反応容器内に滞留させてもよい。
【0044】ポリマービーズの表面を均一に処理する
ために、反応容器には上記と同様にビーズの振動装置を
備えてもよい。
【0045】紫外線の照射時間が長くなるにつれて、
ポリマービーズ表面の極性基の濃度は高くなる。通常、
30分〜30時間の範囲が好適である。
【0046】使用されるポリマービーズとしては、上
記した各材料のものがあげられる。特に、ジビニルベン
ゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジ
ビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアク
リルフタレート重合体等の網目構造を有する樹脂が好ま
しい。
【0047】以下に、水銀ランプを用いて表面が改質さ
れたポリマービーズを製造する方法をさらに詳細に説明
する。
【0048】この方法は、図2に示す紫外線処理装置を
用いて行うことができる。この装置は、バイブレーター
14の上にバンド15で固定された反応容器11と、反
応容器11に三方コック17を介して接続されたガスボ
ンベ16とを備えている。反応容器11内にはポリマー
ビーズ2が収容され、またガスボンベ16から適宜雰囲
気ガス13が供給されるように構成されている。反応容
器11の上部には紫外線を照射し得る水銀ランプ18が
設けられている。
【0049】上記したように、反応容器11内にポリマ
ービーズ2を収容し、ガスボンベ16から雰囲気ガス1
3を反応容器11内に供給しながらこの反応容器11に
水銀ランプ18からの紫外線を照射すると、反応容器1
1内の雰囲気ガス13中の酸素が励起して活性酸素が生
成する。そして、この活性酸素がポリマービーズ2の表
面を酸化することにより、ポリマービーズ2表面に極性
基が形成されるのである。
【0050】上記方法によって従来技術における問題点
が以下のように解決できる。
【0051】ビーズ表面に、主として化学的に安定な
カルボニル基が形成されるため、処理効果が経時的に低
下することがほとんど見られない。しかも、上記極性基
がポリマービーズ表面に高い濃度で導入される。
【0052】水銀ランプ紫外線によるポリマービーズ
表面の処理は大気圧下で行うことが可能であり、例え
ば、低温プラズマ処理における高真空の条件は不要であ
る。そのため、工業的規模の処理設備の設計が容易であ
り、特にポリマービーズの処理に適している。
【0053】なお、上記方法では、反応容器内にポリマ
ービーズを収容しかつ反応容器内に雰囲気ガスを供給し
た状態で、反応容器内に水銀ランプからの紫外線を照射
することにより、反応容器内の雰囲気ガス中の酸素を励
起させるようにしたが、反応容器とは別の容器に充満し
た雰囲気ガスに紫外線を照射することにより活性酸素を
発生させ、この活性酸素をポリマービーズが収容された
反応容器に導入するようにしてもよい。
【0054】〔アクリル酸等の気相重合物により表面改
質されたポリマービーズをスペーサーとして用いた場
合〕前述した弗化アルゴンレーザー光を、例えば、アク
リル酸を含む気体に照射するとき、次式に示すように、
増感剤なしで以下の反応が進むものと考えられる。
【0055】
【化2】
【0056】但し、上式において、(A)式は開始反応
であり、(B)式及び(C)式は重合反応である。
【0057】同時に、弗化アルゴンレーザー光の照射に
よりポリマービーズの表面にラジカルが生成する。この
ビーズ表面のラジカルと上記アクリル酸ラジカルまたは
ポリマーラジカルとが再結合しポリマービーズ表面にグ
ラフトが形成される。
【0058】上記の気相重合物によるポリマービーズの
被覆の進行は、例えば、光電子X線スペクトル(ESCA)
における酸素原子対炭素原子の比(O/C)の増加、C
isピークにおける290eV付近のCOOピークの増
大、あるいは赤外線吸収スペクトルにおける1700c
-1(カルボニル結合による吸収)ピークの増加やゼー
タ電位の変化により確認することができる。
【0059】以下に、気相重合物によるポリマービーズ
の被覆形成に影響を及ぼす要因について述べる。
【0060】気相重合に使用されるモノマーとして
は、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリ
レート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート等
があげられる。このうち、アクリル酸、およびメタクリ
ル酸が特に好適である。上記のモノマーは、減圧状態で
蒸発させて反応容器内に導いてもよいが、通常はヘリウ
ムガスや窒素ガスなどのキャリアガスと共に反応容器に
導入される。ガス圧は任意に選択できるが、0.5〜
2.0Kg/cm2が好ましく、特に1Kg/cm2前後が好まし
い。
【0061】ポリマービーズの表面を処理するための
容器(以下、反応容器という)内の気体は、絶えず新し
いガスを反応容器内に注入し、かつ容器内の廃ガスを排
気する流動式によりフローさせてもよく、あるいはバッ
チ方式で反応容器内に滞留させてもよい。特に、前者が
好ましい。
【0062】反応容器は、レーザー光を透過する材
質、例えば、石英ガラス製のものが好適に用いられる。
【0063】反応容器の容積とこの反応容器内に収容
されるポリマービーズ量との比率は、容積100ml当り
0.1g〜10gの範囲が好適である。
【0064】ポリマービーズの表面を均一に処理する
ために、反応容器にはビーズに何等かの動きを与えるた
めの装置を備えることが好ましい。このような装置の一
例としては、例えばバイブレーターがある。このバイブ
レーターを用いて反応容器内に直接振動を与えることに
よってビーズを振動させる方式のもの、反応容器の一部
または全体を回転させる方式のもの、外部からのモータ
ー振動により内部のポリマービーズの攪拌を行う方式の
もの等があげられる。
【0065】アクリル酸をモノマーとして用いた場
合、重合時間と共に、ゼータ電位は上昇する。重合時間
としては、通常10分以上5時間以下の範囲で行うのが
好ましい。
【0066】弗化アルゴンレーザーの光強度Hと発振
周波数νとの間には、次の関係がある。
【0067】H=E・ν 但し、Eは発振ピークの光エネルギーである。従って、
発振周波数νを大きくすれば弗化アルゴンレーザーの光
強度Hは大きくなり、光重合によるポリマービーズ表面
の被覆も促進される。
【0068】通常、発振周波数νは50〜300Hz
範囲内で設定することが好ましい。
【0069】反応容器内にレーザー光を反射させるた
めのミラーを設置してもよい。このミラーによってレー
ザー光の反応容器内での光路長を増すことができるの
で、レーザー光による反応効率を増大させることができ
る。
【0070】使用されるポリマービーズとしては、例
えば、以下の材料のものが用いられる。
【0071】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリアセタール等の線状または架
橋高分子;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合
体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベ
ンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアクリルフタ
レート重合体、トリアリルイソシアヌレート重合体、ベ
ンゾグアナミン重合体等の網目構造を有する樹脂。
【0072】上記固体粒子のうちで、特に好ましいもの
は、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチ
レン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル
共重合体、ジアクリルフタレート重合体等の網目構造を
有する樹脂である。
【0073】以下に、弗化アルゴンレーザーを用いて表
面が改質されたポリマービーズを製造する方法をさらに
詳細に説明する。
【0074】この方法は、図3に示す気相重合処理装置
を用いて行うことができる。この装置は、バイブレータ
ー4の上にバンド5で固定された反応容器1と、反応容
器1内にキャリアガスを供給するガスボンベ6と、流量
計7と、モノマーが収容された容器9と、この容器9の
温度を調節するためのウオーターバス10と、を備えて
いる。反応容器1内にはポリマービーズ2が収容されて
いる。ガスボンベ6内のキャリアガスはモノマー容器9
中を通ってモノマーの蒸気と共に、適宜反応容器1内へ
供給されるように構成されている。反応容器1の上部に
は排ガスを適宜排出し得る排気口8が設けられている。
反応容器1の側方には、弗化アルゴンレーザーが配置さ
れ、この弗化アルゴンレーザーからレーザー光(193
nm)が反応容器1に向けて照射されるようになってい
る。
【0075】上記したように、反応容器1内にポリマー
ビーズ2を収容し、ガスボンベ6からキャリアガスをモ
ノマー容器9内に通すことによりモノマーの蒸気を反応
容器1内に供給しながら、弗化アルゴンレーザーからの
レーザー光を反応容器1内に照射すると、反応容器1内
のモノマーが励起してラジカルを生成する。そして、こ
のラジカルが上記したように重合することにより、生成
した重合物がポリマービーズ2の表面を被覆するのであ
る。
【0076】上記した表面改質方法によって、従来技術
における問題点が以下のように解決できる。
【0077】ビーズ表面にモノマーの気相重合物が強
固にグラフト結合し、ビーズ表面を被覆するため、処理
効果が経時的に低下することがほとんど見られない。し
かも、これらの重合物をポリマービーズ表面に高い濃度
で被覆させることができる。 弗化アルゴンレーザーを用いた気相重合によるビーズ
の処理は、増感剤を用いることなく行えるので、他の光
重合処理と比較して純度の高い処理品が得られる。
【0078】弗化アルゴンレーザーによるポリマービ
ーズの処理は大気圧下で行うことが可能であり、例え
ば、低温プラズマ重合処理における高真空の条件は不要
である。そのため、工業的規模の処理設備の設計が容易
であり、特にポリマービーズの処理に適している。
【0079】なお、上記方法では、反応容器内にポリマ
ービーズを収容しかつ反応容器内に気体を供給した状態
で、反応容器内に弗化アルゴンレーザーからの光を照射
することにより、反応容器内の気体中の酸素を励起させ
るようにしたが、反応容器とは別の容器に充満した気体
にレーザー光を照射することにより活性酸素を発生さ
せ、この活性酸素をポリマービーズが収容された反応容
器に導入するようにしてもよい。
【0080】
【作用】本発明の液晶表示素子を構成するポリマービー
ズは、その表面に極性基が形成されるか、もしくは、モ
ノマーの気相重合物が強固なグラフト結合により被覆さ
れているので、単粒子分散性が優れている。その結果、
このポリマービーズは基板上に均一に分散配置されてい
る。
【0081】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
【0082】実施例1 ジビニルベンゼンを懸濁重合させた後分級することによ
り、数平均粒子径10.0μm 、標準偏差0.32μm
のポリマービーズを作成した。このポリマービーズ10
gを図1に示すレーザー処理装置に入れ、装置内の雰囲
気ガスとして酸素50容量%及びヘリルム50容量%か
らなる気体を封入し、弗化アルゴンレーザーからの光を
光エネルギー強度40μJ、周波数100Hzの条件で
60分間照射した。この間、バイブレーターによりポリ
マービーズを絶えず振動させ、処理が全てのビーズに対
して均一に行われるようにした。
【0083】このようにして処理したビーズ表面の改質
の度合を調べるために、X線光電子スペクトル(ESCA)
から求められるO/C比の測定及びゼータ電位の測定を
行った。その結果、表1に示すように、ポリマービーズ
表面が酸化され、そのビーズ表面の極性が高まっている
ことがわかった。また、このポリマービーズ0.05g
を水100mlに投入し、超音波を10分間かけた際の水
濡れ性を調べた結果、表1に示されるように良好な水濡
れ性を示した。
【0084】次に、このポリマービーズを液晶表示素子
用スペーサーとして使用するため、図4に示すような乾
式散布装置を用いて、乾式散布における単粒子分散性を
調べた。図4に示す乾式散布装置は、底部に基板ガラス
20を配置する密閉ボックス21と、このボックス21
内にビーズを散布する装置22とを有している。ビーズ
の散布装置22はモータ23によって駆動される計量フ
ィーダー24、この計量フィーダー24内にビーズを供
給するホッパー25、計量フィーダー24から送り出さ
れたビーズと加圧ガスとを混合するための混合室26、
およびノズル27を備えている。
【0085】上記装置を用い、ノズル27からガラス基
板20(面積:450cm2)上にビーズの散布密度が
平均120個/mm2となるように散布した。その結
果、表1に示すように、5個以上の凝集塊の数は全く見
られず、3個以上5個未満の凝集塊の数は63mm2
り2個であり、優れた単粒子分散性を示した。
【0086】上記ポリマービーズを用いて、次のような
方法にて液晶表示素子を作成した。厚さ0.7mm のガラス
板上に低温スパッタリング法によって約500Åの厚さ
の酸化インジウム−酸化スズ系の透明導電膜を形成した
後、フォトリソグラフィーにより所定の電極パターンを
形成した。次いで、この上に配向剤を塗布した後焼成し
て配向制御膜を形成し配向処理を施した。次に、このも
のを5cm×12.5cmの寸法に裁断して液晶表示素子用のガ
ラス基板を得た。
【0087】このガラス基板を水平に配置した後、前述
の方法でポリマービーズを散布した。別のもう1枚のガ
ラス基板をポリマービーズが散布された上記ガラス基板
上に重ね合わせた後、プレス機により1kg重/cm2の荷
重をガラス基板全体に均一にかかるように加えた。同時
にこのものを 160℃で20分間加熱して周囲のエポキシ接
着剤を硬化させた。
【0088】このようにして作成した液晶表示素子の内
部を吸引して真空とした後、周辺シール部の一部に設け
た孔隙部から液晶を内部へ注入した。このようにして作
成した液晶表示素子の上下基板間の間隙を液晶セルギャ
ップ測定装置(オーク製作所製TFM-120AFT型)で測定し
た結果、ギャップ値は9.98±0.03μm の範囲であった。
【0089】この液晶表示素子の上下の両面に偏光シー
トを当て、この液晶表示素子に当てた光の反射光が黄緑
色を呈するように、偏光シートを貼り付けた。この時、
この黄緑色の背景色には全く色ムラが認められなかっ
た。このようにして作成した液晶表示素子に電源を接続
して点灯させた結果、良好な表示品質が得られた。
【0090】実施例2 レーザー処理装置内の雰囲気ガスとして、酸素ガスを毎
分100mlの流速で流しながら、ビーズ表面の改質処理
を行ったことを除いて、他は実施例1と全く同様にして
ポリマービーズを処理した。得られたポリマービーズの
O/C比およびゼータ電位を表1に示す。また、表1に
示すように、ビーズの水濡れ性も良好であった。単粒子
分散性は、表1に示すように良好であり、実施例1と同
様、得られた液晶表示素子の表示品質は極めて優れたも
のであった。
【0091】実施例3 ポリマービーズとして、スチレン60重量%及びジビニ
ルベンゼン40重量%からなる組成物を懸濁重合させた
後分級することにより得られた、数平均粒子径10.2
μm 、標準偏差0.35μm のポリマービーズを用いた
こと以外は、実施例1と全く同様にしてポリマービーズ
を処理した。
【0092】得られたポリマービーズのO/C比および
ゼータ電位を表1に示す。また、表1に示すように水濡
れ性も良好であった。単粒子分散性は、表1に示すよう
に、良好であり、実施例1と同様にして得られた液晶表
示素子の表示品質は極めて優れたものであった。尚、こ
の液晶表示素子のセルギャップは9.90±0.03μm の範囲
であった。
【0093】実施例4 ジビニルベンゼンを懸濁重合させた後分級することによ
り、数平均粒子径10.0μm 、標準偏差0.32μm
のポリマービーズを作成した。このポリマービーズ10
gを図2に示す紫外線処理装置に入れ、装置内の雰囲気
ガスとして酸素50容量%及びヘリウム50容量%から
なる気体を封入し、光エネルギー強度5μW/cm2の水
銀ランプによる紫外線を9時間照射した。この間、バイ
ブレーターによりポリマービーズを絶えず振動させ、処
理が全てのビーズに対して均一に行われるようにした。
なお、用いた水銀ランプの揮線スペクトルは、図5に示
す通りであり、185nm及び254nmの両方の波長の吸
収により活性酸素が生成するものである。
【0094】このようにして得られたポリマービーズ表
面の改質の度合を調べるために、実施例1と同様に、O
/C比の測定およびゼータ電位の測定を行った。その結
果、表1に示すように、ポリマービーズの表面が酸化さ
れ、極性が高まっていることがわかった。また、このポ
リマービーズ0.05gを水100mlに投入し、超音波
を10分間かけた際の水濡れ性を調べた結果、表1に示
されるように良好な水濡れ性を示した。単粒子分散性
は、表1に示すように良好であり、実施例1と同様、得
られた液晶表示素子の表示品質は極めて優れたものであ
った。尚、この液晶表示素子のセルギャップは9.90±0.
03μm の範囲であった。
【0095】実施例5 紫外線処理装置内の雰囲気ガスとして、酸素ガスを毎分
100mlの流速で流しながら処理を行ったことを除い
て、他は実施例4と全く同様にしてポリマービーズを処
理した。得られたポリマービーズのO/C比、ゼータ電
位を表1に示す。単粒子分散性は、表1に示すように良
好であり、実施例1と同様、得られた液晶表示素子の表
示品質は極めて優れたものであった。尚、この液晶表示
素子のセルギャップは9.93±0.03μm の範囲であった。
【0096】実施例6 ポリマービーズとして、スチレン60重量%及びジビニ
ルベンゼン40重量%からなる組成物を懸濁重合させた
後分級することにより得られた、数平均粒子径10.2
μm 、標準偏差0.35μm のポリマービーズを用いた
こと以外は、実施例4と同様にしてポリマービーズを処
理した。得られたポリマービーズのO/C比、ゼータ電
位を表1に示す。単粒子分散性は、表1に示すように良
好であり、実施例1と同様、得られた液晶表示素子の表
示品質は極めて優れたものであった。尚、この液晶表示
素子のセルギャップは9.95±0.03μm の範囲であった。
【0097】実施例7 ジビニルベンゼンを懸濁重合させた後分級することによ
り、数平均粒子径10.0μm、標準偏差0.32μm
のポリマービーズを作成した。このポリマービーズ10
gを図3に示す気相重合処理装置に入れ、ヘリウムガス
を100ml/min の流速で流し、アクリル酸をバブリン
グさせることによりアクリル酸蒸気を反応容器内に導入
し、弗化アルゴンレーザーからの光を光エネルギー強度
40μJ、周波数100Hzの条件で30分間照射した。
この間、バイブレーターによりポリマービーズを絶えず
振動させ、処理が全てのビーズに対して均一に行われる
ようにした。
【0098】このようにして得られたポリマービーズの
ESCAによるO/C比およびゼータ電位を表1に示す。そ
の結果、表1に示すように、ポリマービーズ表面が酸化
され、そのビーズ表面の極性が高まっていることがわか
った。また、このポリマービーズ0.05gを水100
mlに投入し、超音波を10分間かけた際の水濡れ性を調
べた結果、表1に示されるように良好な水濡れ性を示し
た。単粒子分散性は、表1に示すように良好であり、実
施例1と同様、得られた液晶表示素子の表示品質は極め
て優れたものであった。尚、この液晶表示素子のセルギ
ャップは9.98±0.03μm の範囲であった。
【0099】実施例8 モノマーとしてメタクリル酸を用いたこと以外は、実施
例7と全く同様にしてポリマービーズを処理した。この
ようにして得られたポリマービーズのESCAによるO/C
比およびゼータ電位を測定した。その結果を表1に示
す。
【0100】また、FT-IR スペクトルによりカルボキシ
ル基のピークも認められた。このポリマービーズの水中
分散液の濾液の電気抵抗値は分散前と変わらず、被覆ポ
リマーがポリマービーズ表面でグラフトされていること
が確認された。
【0101】次に、得られたポリマービーズを液晶表示
体用のギャップ材として使用するため、その単粒子分散
性を実施例1と同様に測定した。単粒子分散性は、表1
に示すように良好であり、実施例1と同様、得られた液
晶表示素子の表示品質は極めて優れたものであった。
尚、この液晶表示素子のセルギャップは9.98±0.03μm
の範囲であった。
【0102】実施例9 ポリマービーズとして、スチレン60重量%及びジビニ
ルベンゼン40重量%からなる組成物を懸濁重合させた
後分級することにより、得られた数平均粒子径10.2
μm 、標準偏差0.35μm のポリマービーズを用いた
こと以外は、実施例8と全く同様にしてポリマービーズ
を処理した。
【0103】得られたポリマービーズのO/C比および
ゼータ電位を表1に示す。また、FT-IR スペクトルによ
りカルボキシル基のピークも認められた。また、このポ
リマービーズの水中分散液の濾液の電気抵抗値は分散前
と変わらず、被覆ポリマーがポリマービーズ表面でグラ
フトされていることが確認された。
【0104】次に、得られたポリマービーズを液晶表示
体用のギャップ材として使用するため、その単粒子分散
性を実施例1と同様に測定した。単粒子分散性は、表1
に示すように良好であり、実施例1と同様、得られた液
晶表示素子の表示品質は極めて優れたものであった。
尚、この液晶表示素子のセルギャップは9.85±0.03μm
の範囲であった。
【0105】比較例1 ジビニルベンゼンを懸濁重合させた後、分級することに
より、数平均粒子径10.0μm 、標準偏差0.32μ
m のポリマービーズを作成した。このポリマービーズの
ESCAによるO/C比およびゼータ電位は表1に示す通り
であった。また、表1に示すように、水濡れ性は極めて
不良であった。また、単粒子分散性は、表1に示すよう
に、不良であり、実施例1と同様にして得られた液晶表
示素子は点灯時に色ムラが認められ、表示品質は不良で
あった。尚、この液晶表示素子のセルギャップは9.95±
0.12μm の範囲であった。
【0106】
【表1】
【0107】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子は、表面改質され
たポリマービーズが基板上で均一に分散配置されるの
で、液晶表示素子におけるギャップ値が全体にわたって
均一となり、液晶分子の配向状態が正常となるため、表
示品質が極めて優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子を構成するポリマービー
ズを製造する際に使用するレーザー処理装置の一例を示
す説明図である。
【図2】本発明の液晶表示素子を構成するポリマービー
ズを製造する際に使用する紫外線処理装置の一例を示す
説明図である。
【図3】本発明の液晶表示素子を構成するポリマービー
ズを製造する際に使用する気相重合処理装置の一例を示
す説明図である。
【図4】本発明の液晶表示素子を構成するポリマービー
ズの単粒子分散性を測定するための乾式散布装置の概略
図である。
【図5】水銀ランプの揮線スペクトルである。
【符号の説明】
1、11 反応容器 2 ポリマービーズ 3、13 雰囲気ガス 4、14 バイブレーター 5、15 バンド 6、16 ガスボンベ 7 流量計 8 排気口 9 モノマー容器 10 ウオーターバス 17 三方コック 18 水銀ランプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の電極基板をスペーサーを介して互
    いに対向するように配置し、該基板間隙に液晶を封入し
    てなる液晶表示素子において、前記スペーサーが、弗化
    アルゴンレーザーから発せられる光または水銀ランプか
    ら発せられる紫外線を、酸素を含む気体に照射すること
    により生成した活性酸素にて酸化して得られた極性基が
    表面に形成されて表面改質されたポリマービーズである
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 2枚の電極基板をスペーサーを介して互
    いに対向するように配置し、該基板間隙に液晶を封入し
    てなる液晶表示素子において、前記スペーサが、アクリ
    ル酸、メタクリル酸、及びそれらのエステルからなる群
    から選ばれた少なくとも一種のモノマーから得られた気
    相重合物が表面に被覆されて表面改質されたポリマービ
    ーズであることを特徴とする液晶表示素子。
JP30206492A 1992-11-12 1992-11-12 液晶表示素子 Pending JPH06148651A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010072492A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Nippon Shokubai Co Ltd スペーサーおよび液晶表示板
WO2023145180A1 (ja) * 2022-01-26 2023-08-03 ウシオ電機株式会社 フッ素樹脂の改質方法及び改質装置

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JP2010072492A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Nippon Shokubai Co Ltd スペーサーおよび液晶表示板
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