JPH04269720A - 表面が改質されたポリマービーズ及びその製造方法 - Google Patents

表面が改質されたポリマービーズ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH04269720A
JPH04269720A JP3073591A JP3073591A JPH04269720A JP H04269720 A JPH04269720 A JP H04269720A JP 3073591 A JP3073591 A JP 3073591A JP 3073591 A JP3073591 A JP 3073591A JP H04269720 A JPH04269720 A JP H04269720A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer beads
beads
polymer
oxygen
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3073591A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Kamiyoshi
和彦 神吉
Naoyuki Matsuda
尚之 松田
Motoyuki Toki
元幸 土岐
Tokugen Shiyuu
周 徳元
Shigeru Morikawa
茂 森川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP3073591A priority Critical patent/JPH04269720A/ja
Publication of JPH04269720A publication Critical patent/JPH04269720A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面が改質されたポリ
マービーズ及びその製造方法に関し、詳しくは液晶表示
体用のギャップ材として用いられるポリマービーズある
いはファインピッチ電極の異方性導電接合用に使用され
る導電メッキビーズ用のプラスチック基材粒子の表面を
改質する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマービーズは、従来より種々の分野
に使用されている。例えば、特開昭62−129819
号公報には、プラスチックビーズを液晶表示体用のギャ
ップ材として使用することが提案され、特開昭57−4
9632号公報には、ベンゾグアナミン、ホルムアルデ
ヒド樹脂からなるビーズを導電メッキビーズ用の基材粒
子として使用することが提案されている。
【0003】しかし、これらのポリマービーズは以下に
示すような欠点がある。
【0004】■ポリマービーズの表面は概して疎水性の
強い傾向をもっている。そのため、水濡れ性が悪く、水
中にポリマービーズを均一に懸濁させることが困難であ
る。
【0005】■ポリマービーズの表面はマイナスの帯電
性を強く持つ傾向にある。そのため、他の材料へポリマ
ービーズが付着したり、ポリマービーズ同志が凝集する
傾向が著しい。
【0006】従って、プラスチックビーズを、例えば液
晶表示体用のギャップ材として使用する場合には、ポリ
マービーズを液晶表示体の基板上に均一に分散させるこ
とができない。
【0007】■ポリマービーズを基材としてその表面に
金属メッキ加工を施す際に、メッキ薬液とのなじみが悪
いためにメッキ加工が容易に実施できない。
【0008】■ポリマービーズを基材としてその表面に
金属メッキ加工を施して形成された導電メッキビーズに
おいて、基材表面と金属メッキ層との間の親和性が乏し
いために、金属メッキ層の基材表面に対する密着性に欠
ける。
【0009】ポリマービーズは上記した問題を有してい
るために、その表面を改質することが望まれている。例
えば、特開昭62−242857号公報には、過酸化物
等の薬液による湿式処理、低温プラズマ処理、コロナ放
電処理によって、プラスチック成形品の表面を処理する
方法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、湿式酸化処理
、低温プラズマ処理またはコロナ放電処理によって成形
品の表面を処理する場合には、処理効果が経時的に低下
していくという問題がある。低温プラズマ処理は高真空
下で行う必要があるので、装置設計面での制約が多く、
ビーズの表面処理に適していない。
【0011】本発明は上記従来の問題を解決するもので
あり、その目的とするところは、ポリマービーズの表面
の水濡れ性を良くすることができ、ポリマービーズの凝
集等を防止し、さらにメッキ液とのなじみを良くし、ま
た金属メッキ層の基材表面に対する密着性を高めること
ができる、表面が改質されたポリマービーズ及びその製
造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、表
面処理効果が長く、しかも従来のように、特に高真空下
で表面処理を行う必要のない、表面が改質されたポリマ
ービーズ及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の欠点を解決するために、弗化アルゴンレーザーま
たは水銀ランプを用いてポリマービーズの表面を改質す
ることを行った。
【0013】すなわち、本発明の表面が改質されたポリ
マービーズは、ポリマービーズの表面に極性基が形成さ
れてなり、該極性基は、弗化アルゴンレーザーから発せ
られる光または水銀ランプから発せられる紫外線を、酸
素を含む気体に照射することにより生成した活性酸素で
ポリマービーズの表面を酸化して形成され、そのことに
より上記目的が達成される。
【0014】また、本発明の表面が改質されたポリマー
ビーズの製造方法は、弗化アルゴンレーザーから発せら
れる光または水銀ランプから発せられる紫外線を、酸素
を含む気体に照射することにより活性酸素を生成させる
こと、およびこの活性酸素によってポリマービーズの表
面を酸化させ該ポリマービーズ表面に極性基を形成する
ことを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】〔弗化アルゴンレーザーを用いてポリマー
ビーズ表面の改質を行う場合〕上記弗化アルゴンレーザ
ーはエキシマレーザーの一種である。エキシマとは、二
つの原子が微小間隔で結合した励起状態にある2量体を
意味し、少なくとも一方の原子が希ガス原子である場合
には、励起エネルギーは非常に大きくなる。このような
エキシマはレーザー媒質として優れた特徴をもっている
。すなわち、励起エネルギーの光エネルギーへの変換効
率が非常に大きいこと、短波長で高強度の紫外線レーザ
ーが得られることなどである。弗化アルゴンによるエキ
シマレーザー光の波長は193nmであり、このレーザ
ー光を酸素ガスを含む気体に照射するとき、次式に示す
ように酸素が励起され、活性酸素が生成する。
【0017】 O2→O・+O++O−+O2−+O−2+O−3+O
−4本発明では、これらの生成した活性酸素によりポリ
マービーズ表面の改質を行うものである。これらの活性
酸素は、次式の反応によりポリマービーズ表面に極性基
を形成する。
【0018】
【化1】
【0019】このような極性基の形成は、例えば、光電
子X線スペクトル(ESCA)における酸素原子対炭素
原子の比(O/C)の増加、赤外線吸収スペクトルにお
けるカルボニル結合による吸収、あるいはゼータ電位の
増大等により確認することができる。
【0020】以下に、このような極性基の形成に影響を
及ぼす要因について述べる。
【0021】■弗化アルゴンレーザーから発せられた光
を照射する気体(以下、雰囲気ガスともいう)は、酸素
を含むガスであれば限定されない。例えば、ヘリウムと
酸素の混合ガスや窒素と酸素の混合ガスが好適である。 雰囲気ガス中の酸素濃度が高くなるに従ってポリマービ
ーズ表面に形成される極性基の濃度は高くなる。雰囲気
ガス中の酸素濃度は20容量%以上が好適である。雰囲
気ガスの圧力は任意に設定することができるが、0.5
〜2.0Kg/cm2が好ましく、特に1Kg/cm2
前後が好ましい。
【0022】■ポリマービーズの表面を処理するための
容器(以下、反応容器という)はレーザー光を透過する
材質、例えば、石英ガラス製のものが好適に用いられる
【0023】■反応容器の容積とこの反応容器内に収容
されるポリマービーズ量との比率は、容積100ml当
り0.1g〜10gの範囲が好適である。
【0024】■反応容器内の雰囲気ガスは、絶えず新し
いガスを反応容器内に注入し、かつ容器内の廃ガスを排
気する流動式によりフローさせてもよく、あるいはバッ
チ方式で反応容器内に滞留させてもよい。
【0025】■ポリマービーズの表面を均一に処理する
ために、反応容器にはビーズに何等かの動きを与えるた
めの装置を備えることが好ましい。このような装置の一
例としては、例えばバイブレーターがある。このバイブ
レーターを用いて反応容器内に直接振動を与えることに
よってビーズを振動させる方式のもの、反応容器の一部
または全体を回転させる方式のもの、外部からのモータ
ー振動により内部のポリマービーズの攪拌を行う方式の
もの等があげられる。
【0026】■処理時間とともに、ESCA測定による
O/C比は増大しやがて一定になる。従って、弗化アル
ゴンレーザーによる処理時間は、反応容器の大きさや形
状により左右されるが、通常60分以内である。
【0027】■弗化アルゴンレーザーの光強度Hと発振
周波数Vとの間には、次の関係がある。
【0028】H=E・V 但し、Eは発振ピークの光エネルギーである。従って、
発振周波数Vを大きくすれば弗化アルゴンレーザーの光
強度Hは大きくなり、活性酸素の生成は増大する。通常
、発振周波数Vは、50〜300Hzの範囲内で設定す
ることが好ましい。
【0029】■反応容器内にレーザー光を反射させるた
めのミラーを設置してもよい。このミラーによってレー
ザー光の反応容器内での光路長を増すことができるので
、レーザー光による反応効率を増大させることができる
【0030】■使用されるポリマービーズとしては、例
えば、以下の材料のものが用いられる。
【0031】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリアセタール等の線状または架橋
高分子;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂
、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合体、
ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼ
ン−アクリル酸エステル共重合体、ジアクリルフタレー
ト重合体、トリアリルイソシアヌレート重合体、ベンゾ
グアナミン重合体等の網目構造を有する樹脂。
【0032】上記固体粒子のうちで、特に好ましいもの
は、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチ
レン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル
共重合体、ジアクリルフタレート重合体等の網目構造を
有する樹脂である。
【0033】以下に、弗化アルゴンレーザーを用いて表
面が改質されたポリマービーズを製造する方法をさらに
詳細に説明する。
【0034】この方法は、図1に示すレーザー処理装置
を用いて行うことができる。この装置は、バイブレータ
ー4の上にバンド5で固定された反応容器1と、反応容
器1に流量計7を介して接続されたガスボンベ6とを備
えている。反応容器1内にはポリマービーズ2が収容さ
れ、またガスボンベ6から適宜雰囲気ガス3が反応容器
1内に供給されるように構成されている。反応容器1の
上部には排ガスを適宜排出し得る排気口8が設けられて
いる。反応容器1の側方には、弗化アルゴンレーザーが
配置され、この弗化アルゴンレーザーからレーザー光が
反応容器1に向けて照射されるようになっている。
【0035】上記したように、反応容器1内にポリマー
ビーズ2を収容し、ガスボンベ6から雰囲気ガス3を反
応容器1内に供給しながらこの反応容器1に弗化アルゴ
ンレーザーからの光を照射すると、反応容器1内の雰囲
気ガス3中の酸素が励起して活性酸素を生成する。そし
て、上記のように、この活性酸素がポリマービーズ2の
表面を酸化することにより、ポリマービーズ2の表面に
は極性基が形成されるのである。
【0036】上記した方法によって従来技術における問
題点が以下のように解決できる。
【0037】■ビーズ表面に化学的に安定なカルボニル
基、カルボキシル基、水酸基などの極性基が形成される
ため、処理効果が経時的に低下することがほとんど見ら
れない。しかも、これらの極性基がポリマービーズ表面
に高い濃度で導入される。
【0038】■レーザー光によるポリマービーズ表面へ
の付随的な作用として、アブレーション効果がある。す
なわち、レーザー光のポリマービーズ表面の削り作用に
よる粗面化が起こる。このことによりポリマービーズを
基材として表面に金属メッキ加工を施した導電メッキビ
ーズにおいて、金属メッキ層の基材表面への密着性が改
善される。
【0039】■弗化アルゴンレーザーによるポリマービ
ーズの処理は大気圧下で行うことが可能であり、例えば
、低温プラズマ処理における高真空の条件は不要である
。そのため、工業的規模の処理設備の設計が容易であり
、特にポリマービーズの処理に適している。
【0040】なお、上記方法では、反応容器内にポリマ
ービーズを収容しかつ反応容器内に雰囲気ガスを供給し
た状態で、反応容器内に弗化アルゴンレーザーからの光
を照射することにより、反応容器内の雰囲気ガス中の酸
素を励起させるようにしたが、反応容器とは別の容器に
充満した雰囲気ガスにレーザー光を照射することにより
活性酸素を発生させ、この活性酸素をポリマービーズが
収容された反応容器に導入するようにしてもよい。
【0041】〔水銀ランプを用いてポリマービーズ表面
の改質を行う場合〕水銀ランプから発せられる紫外線を
ポリマービーズに照射する場合には、次のようにポリマ
ービーズ表面が改質される。
【0042】水銀ランプの揮線スペクトルのうち、活性
酸素の生成にかかわっているのは、185nm及び25
4nmの二つである。光強度は254nmのものが極め
て強く、185nmの揮線スペクトルの光強度は254
nmの揮線スペクトルの光強度の1/100程度である
。185nmの光は酸素吸収性を持つため、直接活性酸
素の生成に寄与しているが、254nmの光は二光子吸
収により活性酸素の生成に寄与していると思われる。
【0043】活性酸素は、上記の弗化アルゴンレーザー
を用いた場合と同様に、酸素が励起されることにより生
成し、これらの活性酸素によりポリマービーズ表面の改
質が行われる。ビーズ表面の極性基の形成は、上記した
弗化アルゴンレーザーの場合と同じように、例えば、光
電子X線スペクトル(ESCA)における酸素原子対炭
素原子の比(O/C)の増加、赤外線吸収スペクトルに
おけるカルボニル結合による吸収あるいはゼータ電位の
増大等により確認することができる。以下に、このよう
な極性基の形成に影響を及ぼす要因について述べる。
【0044】■水銀ランプによる紫外線を照射する雰囲
気ガスとしては、弗化アルゴンレーザーの場合と同じよ
うに、酸素を含むガスであれば何であってもよい。例え
ば、ヘリウムと酸素の混合ガスや窒素と酸素の混合ガス
が好適である。雰囲気ガス中の酸素濃度が高くなるに従
ってポリマービーズ表面に形成される極性基の濃度は高
くなる。雰囲気ガス中の酸素濃度は、20容量%以上が
好適である。雰囲気ガスの圧力は任意に設定することが
できるが、0.5〜2.0Kg/cm2が好ましく、特
に1Kg/cm2前後が好ましい。
【0045】■反応容器は、レーザー光を透過する材質
、例えば、石英ガラス製のものが用いられる。
【0046】■反応容器の容積とポリマービーズ量の比
率は、容積100ml当り、0.1g〜10gの範囲が
好適である。
【0047】■反応容器内の雰囲気ガスは、絶えず新し
いガスを反応容器内に注入し、かつ容器内の廃ガスを排
気する流動式によりフローさせてもよく、あるいはバッ
チ方式で反応容器内に滞留させてもよい。
【0048】■ポリマービーズの表面を均一に処理する
ために、反応容器には上記と同様にビーズの振動装置を
備えてもよい。
【0049】■紫外線の照射時間が長くなるにつれて、
ポリマービーズ表面の極性基の濃度は高くなる。通常、
30分〜30時間の範囲が好適である。
【0050】■使用されるポリマービーズとしては、上
記した各材料のものがあげられる。特に、ジビニルベン
ゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジ
ビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアク
リルフタレート重合体等の網目構造を有する樹脂が好ま
しい。
【0051】以下に、水銀ランプを用いて表面が改質さ
れたポリマービーズを製造する方法をさらに詳細に説明
する。
【0052】この方法は、図2に示す紫外線処理装置を
用いて行うことができる。この装置は、バイブレーター
14の上にバンド15で固定された反応容器11と、反
応容器11に三方コック17を介して接続されたガスボ
ンベ16とを備えている。反応容器11内にはポリマー
ビーズ2が収容され、またガスボンベ16から適宜雰囲
気ガス13が供給されるように構成されている。反応容
器11の上部には紫外線を照射し得る水銀ランプ18が
設けられている。
【0053】上記したように、反応容器11内にポリマ
ービーズ2を収容し、ガスボンベ16から雰囲気ガス1
3を反応容器11内に供給しながらこの反応容器11に
水銀ランプ18からの紫外線を照射すると、反応容器1
1内の雰囲気ガス13中の酸素が励起して活性酸素が生
成する。そして、この活性酸素がポリマービーズ2の表
面を酸化することにより、ポリマービーズ2表面に極性
基が形成されるのである。
【0054】上記方法によって従来技術における問題点
が以下のように解決できる。
【0055】■ビーズ表面に、主として化学的に安定な
カルボニル基が形成されるため、処理効果が経時的に低
下することがほとんど見られない。しかも、上記極性基
がポリマービーズ表面に高い濃度で導入される。
【0056】■水銀ランプ紫外線によるポリマービーズ
表面の処理は大気圧下で行うことが可能であり、例えば
、低温プラズマ処理における高真空の条件は不要である
。そのため、工業的規模の処理設備の設計が容易であり
、特にポリマービーズの処理に適している。
【0057】なお、上記方法では、反応容器内にポリマ
ービーズを収容しかつ反応容器内に雰囲気ガスを供給し
た状態で、反応容器内に水銀ランプからの紫外線を照射
することにより、反応容器内の雰囲気ガス中の酸素を励
起させるようにしたが、反応容器とは別の容器に充満し
た雰囲気ガスに紫外線を照射することにより活性酸素を
発生させ、この活性酸素をポリマービーズが収容された
反応容器に導入するようにしてもよい。
【0058】
【作用】弗化アルゴンレーザーからの光または水銀ラン
プからの紫外線を、酸素を含む気体に照射すると、酸素
が励起して活性酸素を生成する。そして、この活性酸素
がポリマービーズの表面を酸化することにより、ポリマ
ービーズの表面には極性基が形成される。また、弗化ア
ルゴンレーザーまたは水銀ランプによるポリマービーズ
の処理は大気圧下で行うことができるので、工業的規模
の処理設備の設計が容易である。
【0059】特に、弗化アルゴンレーザー光によってポ
リマービーズ表面を改質することにより、ポリマービー
ズ表面を粗面化することができる。
【0060】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
【0061】実施例1 ジビニルベンゼンを懸濁重合させた後分級することによ
り、数平均粒子径10.0mm、標準偏差0.32μm
 のポリマービーズを作成した。このポリマービーズ1
0gを図1に示すレーザー処理装置に入れ、装置内の雰
囲気ガスとして酸素50容量%及びヘリルム50容量%
からなる気体を封入し、弗化アルゴンレーザーからの光
を光エネルギー強度40μJ、周波数100Hzの条件
で60分間照射した。この間、バイブレーターによりポ
リマービーズを絶えず振動させ、処理が全てのビーズに
対して均一に行われるようにした。
【0062】このようにして処理したビーズ表面の改質
の度合を調べるために、X線光電子スペクトル(ESC
A)から求められるO/C比の測定及びゼータ電位の測
定を行った。その結果、表1に示すように、ポリマービ
ーズ表面が酸化され、そのビーズ表面の極性が高まって
いることがわかった。また、このポリマービーズ0.0
5gを水100mlに投入し、超音波を10分間かけた
際の水濡れ性を調べた結果、表1に示されるように良好
な水濡れ性を示した。
【0063】次に、このポリマービーズを液晶表示装置
用ギャップ材として使用するため、図3に示すような乾
式散布装置を用いて、乾式散布における単粒子分散性を
調べた。図3に示す乾式散布装置は、底部に基板ガラス
20を配置する密閉ボックス21と、このボックス21
内にビーズを散布する装置22とを有している。ビーズ
の散布装置22はモータ23によって駆動される計量フ
ィーダー24、この計量フィーダー24内にビーズを供
給するホッパー25、計量フィーダー24から送り出さ
れたビーズと加圧ガスとを混合するための混合室26、
およびノズル27を備えている。
【0064】上記装置を用い、ノズル27からガラス基
板20(面積:450cm2)上にビーズの散布密度が
平均120個/mm2となるように散布した。その結果
、表1に示すように、5個以上の凝集塊の数は全く見ら
れず、3個以上5個未満の凝集塊の数は63mm2当り
2個であり、優れた単粒子分散性を示した。
【0065】一方、上記ビーズの周囲に無電解ニッケル
メッキを施した後、金置換メッキを行い、ポリマービー
ズを基材とするニッケル−金合金メッキビーズを作成し
た。このメッキビーズをエポキシバインダーによりペー
スト化し、スライドグラス上に一定量を塗布し、一定の
荷重下でローラーによりしごき試験を行った結果、表1
に示すようにメッキ層と基材との間の密着性が良好であ
ることがわかった。
【0066】実施例2 レーザー処理装置内の雰囲気ガスとして、酸素ガスを毎
分100mlの流速で流しながら、ビーズ表面の改質処
理を行ったことを除いて、他は実施例1と全く同様にし
てポリマービーズを処理した。得られたポリマービーズ
のO/C比およびゼータ電位を表1に示す。また、表1
に示すように、ビーズの水濡れ性も良好であった。単粒
子分散性は、表1に示すように良好であり、無電解ニッ
ケル−金属メッキをこのポリマービーズに施したメッキ
ビーズのメッキ層と基材との間の密着性も良好であった
【0067】実施例3 ポリマービーズとして、スチレン60重量%及びジビニ
ルベンゼン40重量%からなる組成物を懸濁重合させた
後分級することにより得られた、数平均粒子径10.2
mm、標準偏差0.35μm のポリマービーズを用い
たこと以外は、実施例1と全く同様にしてポリマービー
ズを処理した。
【0068】得られたポリマービーズのO/C比および
ゼータ電位を表1に示す。また、表1に示すように水濡
れ性も良好であった。単粒子分散性は、表1に示すよう
に、良好であり、無電解ニッケル−金属メッキをこのポ
リマービーズに施したメッキビーズのメッキ層と基材と
の間の密着性も良好であった。
【0069】比較例1 ジビニルベンゼンを懸濁重合させた後、分級することに
より、数平均粒子径10.0mm、標準偏差0.32μ
m のポリマービーズを作成した。このポリマービーズ
のESCAによるO/C比及びゼータ電位は表1に示す
通りであった。
【0070】また、表1に示すように、水濡れ性は極め
て不良であった。また単粒子分散性は表1に示すように
不良であり、無電解ニッケル−金属メッキをこのポリマ
ービーズに施したメッキビーズのメッキ層と基材との間
の密着性も不良であった。
【0071】
【表1】
【0072】実施例4 ジビニルベンゼンを懸濁重合させた後分級することによ
り、数平均粒子径10.0mm、標準偏差0.32μm
 のポリマービーズを作成した。このポリマービーズ1
0gを図2に示す紫外線処理装置に入れ、装置内の雰囲
気ガスとして酸素50容量%及びヘリルム50容量%か
らなる気体を封入し、光エネルギー強度5μW/cm2
の水銀ランプによる紫外線を9時間照射した。この間、
バイブレーターによりポリマービーズを絶えず振動させ
、処理が全てのビーズに対して均一に行われるようにし
た。 なお、用いた水銀ランプの揮線スペクトルは、図4に示
す通りであり、185nm及び254nmの両方の波長
の吸収により活性酸素が生成するものである。
【0073】このようにして得られたポリマービーズ表
面の改質の度合を調べるために、X線光電子スペクトル
(ESCA)から求められるO/C比の測定及びゼータ
電位の測定を行った。その結果、表2に示すように、ポ
リマービーズの表面が酸化され、極性が高まっているこ
とがわかった。
【0074】また、このポリマービーズ0.05gを水
100mlに投入し、超音波を10分間かけた際の水濡
れ性を調べた結果、表2に示されるように良好な水濡れ
性を示した。次に、このポリマービーズを液晶表示装置
用ギャップ材として使用するため、実施例1と同様に、
ポリマービーズの単粒子分散性を調べた。その結果、表
2に示すように、5個以上の凝集塊の数は全く見られず
、3個以上5個未満の凝集塊の数は63mm2当り10
個であり、優れた単粒子分散性を示した。
【0075】一方、上記ポリマービーズを用いて実施例
1と同様に、メッキ層との密着性を試験した。その結果
、表2に示すように、メッキ層の剥離は全く認められず
、メッキ層と基材との間の密着性が極めて良好であるこ
とがわかった。
【0076】実施例5 紫外線処理装置内の雰囲気ガスとして、酸素ガスを毎分
100mlの流速で流しながら処理を行ったことを除い
て、他は実施例4と全く同様にしてポリマービーズを処
理した。得られたポリマービーズのO/C比、ゼータ電
位を表2に示す。また、単粒子分散性は、表2に示すよ
うに良好であり、無電解ニッケル−金属メッキをこのポ
リマービーズに施したメッキビーズのメッキ層と基材と
の間の密着性も良好であった。
【0077】実施例6 ポリマービーズとして、スチレン60重量%及びジビニ
ルベンゼン40重量%からなる組成物を懸濁重合させた
後分級することにより得られた、数平均粒子径10.2
mm、標準偏差0.35μm のポリマービーズを用い
たこと以外は、実施例4と全く同様にしてポリマービー
ズを処理した。
【0078】得られたポリマービーズのO/C比、ゼー
タ電位を表2に示す。また、単粒子分散性は、表2に示
すように良好であり、無電解ニッケル−金属メッキをこ
のポリマービーズに施したメッキビーズのメッキ層と基
材との間の密着性も良好であった。
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】本発明の表面が改質されたポリマービー
ズとその製造方法によれば、弗化アルゴンレーザーから
発せられる193nmの特性波長を有する光、または水
銀ランプから発せられる185nm及び/または254
nmの波長を有する紫外線によって、酸素を励起させ、
活性酸素を生成することができる。この活性酸素によっ
て表面が改質されたポリマービーズは以下の利点を有す
る。
【0081】■水濡れ性がよくなり、水性または極性の
強い溶剤中で均一で安定な懸濁状態がもたらされる。
【0082】■液晶表示セル、エレクトロクロミック表
示セル等によるギャップ材として使用した際、単粒子分
散性が改良される。従って、基材上でのビーズの均一な
配置状態がもたらされる。
【0083】■このポリマービーズを基材とする無電解
メッキ加工が容易となる。
【0084】■このポリマービーズを基材とするメッキ
複合粒子におけるメッキ層と基材との密着性が改善され
る。
【0085】■上記利点が経時的に安定に持続される。
【0086】■高真空下で表面処理を行う必要がないの
で、工業的規模の処理設備の設計が容易であり、特にポ
リマービーズの処理に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するレーザー処理装置の一実施例
を示す説明図である。
【図2】本発明に使用する紫外線処理装置の一実施例を
示す説明図である。
【図3】本発明の方法により得られたポリマービーズの
単粒子分散性を測定するための乾式散布装置の概略図で
ある。
【図4】水銀ランプの揮線スペクトルである。
【符号の説明】
1    反応容器 2    ポリマービーズ 3    雰囲気ガス 4    バイブレーター 5    バンド 6    ガスボンベ 7    流量計 8    排気口 11  反応容器 13  雰囲気ガス 14  バイブレーター 15  バンド 16  ガスボンベ 17  三方コック 18  水銀ランプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ポリマービーズの表面に極性基が形成
    されてなる表面が改質されたポリマービーズであって、
    該極性基は、弗化アルゴンレーザーから発せられる光ま
    たは水銀ランプから発せられる紫外線を、酸素を含む気
    体に照射することにより生成した活性酸素でポリマービ
    ーズの表面を酸化して形成される、表面が改質されたポ
    リマービーズ。
  2. 【請求項2】  弗化アルゴンレーザーから発せられる
    光または水銀ランプから発せられる紫外線を、酸素を含
    む気体に照射することにより活性酸素を生成させること
    、およびこの活性酸素によってポリマービーズの表面を
    酸化させ該ポリマービーズ表面に極性基を形成すること
    、を包含する表面が改質されたポリマービーズの製造方
    法。
JP3073591A 1991-02-26 1991-02-26 表面が改質されたポリマービーズ及びその製造方法 Pending JPH04269720A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3073591A JPH04269720A (ja) 1991-02-26 1991-02-26 表面が改質されたポリマービーズ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3073591A JPH04269720A (ja) 1991-02-26 1991-02-26 表面が改質されたポリマービーズ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04269720A true JPH04269720A (ja) 1992-09-25

Family

ID=12311931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3073591A Pending JPH04269720A (ja) 1991-02-26 1991-02-26 表面が改質されたポリマービーズ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04269720A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6906427B2 (en) 1997-04-17 2005-06-14 Sekisui Chemical Co., Ltd. Conductive particles and method and device for manufacturing the same, anisotropic conductive adhesive and conductive connection structure, and electronic circuit components and method of manufacturing the same
KR100583786B1 (ko) * 2004-08-27 2006-05-26 (주)비드앤마이크로 선택적 레이저 소결조형(selective lasersintering)용 고분자 분말, 그 제조방법 및 이를이용한 선택적 레이저 소결조형법
JP2010072492A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Nippon Shokubai Co Ltd スペーサーおよび液晶表示板
WO2023145180A1 (ja) * 2022-01-26 2023-08-03 ウシオ電機株式会社 フッ素樹脂の改質方法及び改質装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6906427B2 (en) 1997-04-17 2005-06-14 Sekisui Chemical Co., Ltd. Conductive particles and method and device for manufacturing the same, anisotropic conductive adhesive and conductive connection structure, and electronic circuit components and method of manufacturing the same
KR100583786B1 (ko) * 2004-08-27 2006-05-26 (주)비드앤마이크로 선택적 레이저 소결조형(selective lasersintering)용 고분자 분말, 그 제조방법 및 이를이용한 선택적 레이저 소결조형법
JP2010072492A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Nippon Shokubai Co Ltd スペーサーおよび液晶表示板
WO2023145180A1 (ja) * 2022-01-26 2023-08-03 ウシオ電機株式会社 フッ素樹脂の改質方法及び改質装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Suslick Sonoluminescence and sonochemistry
Henglein Chemical effects of continuous and pulsed ultrasound in aqueous solutions
Rouxel et al. Effect of ultrasonication and dispersion stability on the cluster size of alumina nanoscale particles in aqueous solutions
Bulychev et al. Ceramic nanostructures obtained by acoustoplasma technique
Ratoarinoro et al. Effects of ultrasound emitter type and power on a heterogeneous reaction
US20030157000A1 (en) Fluidized bed activated by excimer plasma and materials produced therefrom
JP2022545502A (ja) 超湿潤表面ならびにその調製方法およびその適用
JPH04269720A (ja) 表面が改質されたポリマービーズ及びその製造方法
JPH04269721A (ja) 表面が改質されたポリマービーズ及びその製造方法
Samipour et al. Plasma treatment and chitosan coating: a combination for improving PET surface properties
JP2000070885A (ja) 基板洗浄装置及び基板洗浄方法
JP3297881B2 (ja) 超微粒子の表面処理方法
KR20230068385A (ko) 음향 광학 변조기
Bulychev et al. Study of acoustoplasma discharge as a technique for synthesis of optically active materials
JPH06148651A (ja) 液晶表示素子
JP4182213B2 (ja) 液面プラズマ反応による気相−液相混合装置および気相−液相反応方法並びにアンモニアおよび水素の生成と、有機溶媒への窒素固定方法および装置
JP5390315B2 (ja) 金属担持物製造装置及び金属担持物製造方法
JP5891320B1 (ja) ゼータ電位制御法を用いた処理方法
JP2020084205A (ja) 金属ナノ粒子の粒径制御方法、金属ナノ粒子の製造方法
JPS58136701A (ja) 微粒子のコーティング方法
JP4161056B2 (ja) 有機あるいは無機化合物合成装置および方法
WO2023282185A1 (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
Lepeschkin The Effect of Ultrasonic Waves on Serum Proteins.
JP3285764B2 (ja) 放電プラズマを利用した表面処理方法
Wu Surface functionalization of polymer substrates and nanoparticles via pulsed plasma polymerization process