JP4161056B2 - 有機あるいは無機化合物合成装置および方法 - Google Patents

有機あるいは無機化合物合成装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極間にプラズマを発生させて気相−液層の混合体を形成する気相−液層の混合装置と混合方法、これらの装置を用いた有機あるいは無機化合物装置および方法に関する。
従来のプラズマ重合反応は、平行電極に電位差を印加し、その電極間のギャップにガスを供給し、ガス−ガス(気相−液相)による重合反応を起こさせるものである。
また、従来、窒素の固定方法にはアンモニア生成による方法が工業的な唯一の手段となっている。
特許文献1には、有機化合物を改質剤を用いて合成ガスを製造する方法において、該改質反応を低音プラズマ下で行う合成ガスの製造方法が記載されている。
特許文献2には、真空チャンバ内に基板ホルダーと、励起用電極と、有機反応性物質の供給手段を備え、基板ホルダーに保持された被成膜基板の蒸着部表面を囲む励起用電極としてのコイル状高周波電極とこのコイル状高周波電極を囲むシールド、もしくは被成膜基板の蒸着部表面を囲む曲面状電極が配設されている有機反応性物質の重合膜を生成させるプラズマ重合反応装置が記載されている。
特許文献3には、水素原子を含有して有機化合物からなる原料ガスから水素ガスを発生させる方法であって、1対の電極を対向配置して放電ギャップを形成し、かつ、それら電極の少なくとも一方を、前記放電ギャップに臨む端部が縮径形状とされた縮径電極とし、前記放電ギャップに前記原料ガスを、ガス流が該放電ギャップに集中するように供給しながら、それら電極間に電圧印加して前記放電ギャップに気体放電を生じさせ、該原料ガスを放電処理して水素ガスを含有した水素含有ガスに変換する水素発生方法が記載されている。
特許文献4には、プラズマ燃料変換器は、第1の電極を形成するための電気伝導性構造体を備え、そして第2の電極は、反応チャンバにおいて第1の電極に関してギャップを作成するように配置され、燃料−空気混合物は、そのギャップの中に導入され、そして電源は、第1の電極および第2に電極接続され、おおよそ100ボルト〜40キロボルトの範囲の電圧およびおおよそ10ミリアンペア〜1アンペアの範囲の電流を提供してグロー放電を生成して、燃料を再生することが記載されている。
特許文献5には、窒素不含水素含有化合物を低温プラズマにより分解して水素を製造する方法が記載されている。
特許文献6には、2〜250m/gの比表面積を有する有機顔料粉末に不活性ガスプラズマ照射し、ついで照射した有機顔料粉末をモノマー溶液と接触してグラフト重合を行うことからなり、該グラフト重合を該溶媒中顔料濃度が0.1〜13重量%、モノマー濃度が0.05〜20重量%で実施する溶媒中における分散安定性に優れた有機顔料の製造方法が記載されている。
特開2003−137503号公報 特許第2911127号公報 特開2003−212502号公報 特表2003−507321号公報 特開2002−338203号公報 特開平8−302228号公報
本発明は、液状を呈する有機溶媒を使用してプラズマによって有機溶媒の化学結合を解離すること、そして有機溶媒の供給およびプラズマ化を多量にかつ効率的に容易に行うことができるようにすることによって分子レベルでの気相―液相混合物を形成することの出来る有機あるいは無機化合物装置および方法を提供することを目的とする。
本発明は、反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された絶縁性液状媒体および反応ガスを含んだ微小物質の導入装置、前記空間部に微小物質が混合された状態で滞留する液状媒体、更に反応生成物質、媒体および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなり、前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極から前記プラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面で前記溶媒と反応ガスのプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出す有機あるいは無機化合物合成装置および方法を提供する。
更に本発明は、前記媒体は、有機媒体であり、前記微小物質は反応ガスの単独気泡、あるいは微小な誘電体、半導体、導体を含んだ気泡であることを特徴とする有機化合物合成装置および方法を提供する。
更に、本発明は、前記媒体は、有機媒体であり、前記微小物質は、反応ガスの単独気泡、あるいは微小な誘電体、半導体、導体を含んだ物質とからなることを特徴とする有機化合物合成装置および方法を提供する。
また、本発明は、反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された霧状溶媒および該媒体は電導性のよい反応ガスを含んだ微小物質の導入装置、前記空間部に霧状の微小物質が混合された状態で滞留する霧状の溶媒、更に反応生成物質、溶媒および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなり、前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極からプラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面で前記溶媒と反応ガスのプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出す有機あるいは無機化合物合成装置および方法を提供する。
本発明によれば、溶媒、特に有機溶媒分子のプラズマ化を効率的に、容易に行い、多量のプラズマ化による多量の反応物生成の生産に適した装置および方法を提供することができる。
また、反応ガスについてもプラズマ化を容易に行い、プラズマ重合反応を効率的に、かつ容易に行うことのできる装置および方法を提供することができる。これに伴って有機溶媒あるいは無機溶媒の改質を容易に行うことができる。
本実施例によれば、反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された絶縁性液状有機媒体および微小物質の導入装置、前記空間部に微小物質が混合された状態で滞留する液状有機媒体、更に反応生成物質、有機溶媒および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなる有機化合物合成方法であり、前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極から前記プラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面で有機溶媒のプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出す有機化合物合成方法が構成される。
また、反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された霧状有機溶媒および微小物質の導入装置、前記空間部に霧状の微小物質が混合された状態で滞留する霧状の有機溶媒、更に反応生成物質、有機溶媒および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなる有機化合物合成方法であり、前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極からプラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面で有機溶媒のプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出す有機化合物合成方法が構成される。
ここで、微小物質の大きさはナノメートル(nm)からマイクロメートルということである。
パルス電位差を利用し、マイナス電極から照射される電子線と大気中の窒素と衝突させることにより大気中の窒素の化学結合を解離し、解離された液体分子とをプラズマ重合反応させることを行う。
密封系にシールドされ、任意の気体を封入することや、アルコール以外の任意の液体をプラス電極へ供給することを可能とする。
超音波装置を備え、装置へ可変の微振動を印加することを可能とする。
保温材によってシールドされ、任意の温度に調整することが可能とする。
電磁力を形成するためにレーザやその他の波長の異なる電磁波を装置へ照射することを可能とする。
静電ポテンシャルや静磁ポテンシャルを装置へ印加する事を可能とし、前記ポテンシャルは時間依存することもできる。
混入材料としての気体、例えば、窒素および酸素中におき、正電極に供給されたアルコールなどの液体状有機物質、例えばアルコール液面へ放電あるいは電子線照射する事により、気相、液相双方の分子にプラズマを誘起し、気相中の窒素や酸素を液体構成分子(例えば、アルコール)と化学反応を起こし、窒素や酸素を液相中へ分子レベルで固定しながら、液体を構成している原子や分子(例えばアルコールの場合、水素)を発生させるポリマー重合反応装置を提供する。
内部に大気を擁して密封された容器と、該容器内に、マイナス電極と、プラス電極を配設して、双方の電極の間に有機溶媒と微小物質との混合体を置き、前記アルコール層の源となるアルコールを供給するためのアルコール供給装置を備え、マイナス電極から前記プラス電極に向けて電子線を放出し、マイナス電極からプラス電極への電子流を微小物質の電導性を利用して形成し、前記電子線を該アルコールと大気中の窒素に衝突させてアルコールと大気の分子の構造の破壊を行う電圧印加装置を設けた気相−液相混合装置が提供される。この場合に、端面に供給されるアルコールは誘電性とされ、プラス電極の一部として機能をすることになる。
上記の気相−液相反応装置方法によって水素ガスおよびアンモニアを同時に生成するアンモニア生成方法および水素生成方法が提供される。
<ポリマー製造および使用例>:
例えば、自動車等の燃料電池として使用する場合、50(cm)の大きさの微孔(砥石ほどの密度から、ヘチマほどの密度位)を持つプラスチックを反応容器にダイレクトに入れ、アルコールなど、少なくとも水素(H)を持つ有機溶媒を満たした電極間に電位差を与えると、この微孔を介して(微孔の手助けにより)表面電子流が形成される。そして、微孔性のプラスチックを骨格として、水素を含有したポリマーがまとわりつく。そして、これがダイレクトに燃料電池として自動車等へ利用できる。水素を取り出すには、電気的な信号を与える(弱い交流、または直流電流を流す)あるいは、熱エネルギを与える事により、ポリマーに含有されている水素を発生させることができる。
<有機溶媒の改質の具体例>:
有機溶媒を改質する具体例として、塩化ナトリウムや水など、少なくともHを含む有機溶媒と混ざって、イオンやラジカルを発生し、電子流の形成に貢献する分子原子レベルでの混入がある。
また、アルコールなどの少なくともHを含む有機溶媒へ鉄(酸化鉄を含む)、銅などの金属触媒を積極的に混入し、電子流を活性化させ有機溶媒の分解を促進させると共に、触媒反応により、水素の発生や窒素の固定の効率を高めることができる。
本願発明は、本発明者等によってなされ、先願として出願された特願2003−379886号に記載された発明を基礎としてなされたものであるので、本願発明の説明の前に先願明細書図面に記載された実施例の内容をそのまま採用して以下に示す。先願明細書、図面に記載された内容は次の通りである。従って、ここでの先願実施例とは先願明細書および図面に記載された実施例を示し、実施例1および2が本願発明の実施例を示す。
[先願実施例1]
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例である気相−液相反応装置100を示す。この気相−液相反応装置は気相−液相混合装置の概念を含んでいる。従って、以下に述べる気相−液相反応方法も気相−液相混合方法の概念を含んでいる。
図1において、気相−液相反応装置100は、内部に少なくとも窒素あるいはアルゴン(Ar)を含む雰囲気ガスを擁して密封された反応容器1と、この容器の内部に、金属プローブからなるマイナス電極2と、マイナス電極2に対向配置される導体あるいは半導体からなるプラス電極3と、プラス電極3の端面に液状を呈し、誘電性とされた有機溶媒層(有機溶媒膜を含む概念である。)4と、有機溶媒層4の源となる有機溶媒を供給するための有機溶媒供給装置5と、双方の電極2、3との間に電位差を印加する電位差印加装置6を備える。
反応容器1には空気、すなわち大気を雰囲気ガスとして封入することができ、窒素単体あるいはAr単体あるいは窒素と酸素の混合ガスを封入することができる。これらのガスは反応容器1にも受けた反応ガス導管22のガス取り入れ口11より封入される。
マイナス電極2は、XYZステージ7に戴置される。密封された反応容器1は温度、湿度、ガス湿度調整用としても使用される。
マイナス電極2は、その先端部が先鋭部12とされ、尖った針状とされる(以下、この先鋭部を先鋭プローブと呼ぶことがある。)。すなわち、先鋭部42は、先端に向かっての縮径形状とされている。図1にあっては、先鋭部を1つとしているが、これを複数設置することができる。複数の先鋭部42を有するマイナス電極を構成する。また、縦置きばかりでなく、横置きとしてもよい。
プラス電極3は、本例の場合、金属筒体によって構成されている。金属筒体12は有機溶媒導入孔13が形成してあり、この有機溶媒導入孔13の先端に有機溶媒層4が形成される。この有機溶媒層4は表面張力によって円径状をなす。金属筒体に代えてガラス材あるいはセラミック材で筒体を形成してもよい。この場合には、ガラスあるいはセラミックス筒体の該表面に金属材あるいは半導体材を貼り付けるなどして設ける。
金属筒体12は、有機溶媒供給装置5によって保持され、有機溶媒供給装置5から有機溶媒が金属筒体12の有機溶媒導入孔13に供給される。
プラス電極3は、有機溶媒供給装置5によって保持され、この保持を維持してXYZステージ14によってXYZ方向に移動させられ、これによってプラス電極2と対向され、かつプラス電極3との間に微小ギャップ、すなわち放電ギャップ15が形成される。
このように、金属筒体12はプラス電極3として機能すると共に有機溶媒誘導手段としても機能する。このように、プラス電極3に接触して導入される有機溶媒は液状を呈すると共に、誘電性が与えられる。導入以前に誘電性を与えてもよい。
図1に示すように、超音波発生装置21を設け、装置への可変の微振動を印加することができる。反応容器1は、保温材でシールドすることによって任意の温度に調整することができる。レーザやその他の波長の異なる電磁波発生装置(図示せず)を設け、電磁波をギャップ15間に照射することができる。また、静電ポテンシャルや静電ポテンシャルをギャップ間に印加することが可能であり、ポテンシャルは時間依存とすることができる。
電圧印加装置(電位差印加装置)6によってプラス電極3とマイナス電極との間に電位差をかけると、金属プローブと、有機溶媒、有機溶媒誘導手段との間に不均一電場44(図2)が形成される。電位差はパルス上にして印加するのが望ましい。従って、プラス電極3は不均一パルス電場付与手段ということができる。その不均一電場44の強度は金属プローブの先鋭端が最も強くなる。
不均一電場44の形成によってギャップ15間に生じる現象を図2に示す。図2は判り易くするために解説的な図としてある。その不均一電場44により、誘電性をもつ有機溶媒は、図2に示すように先鋭金属プローブ方向へ上昇流32を形成する。その時、マイナス電極を形成する先鋭金属プローブから電子線(電子流)31と、上昇流32としての金属プローブへ移動する有機溶媒や雰囲気中のガス(例えば、窒素やアルゴンや酸素)とを衝突解離させることができる。通常、物質原子同士の結合エネルギは10eV以下である為、電位差を与えることにより(電場や磁場の印加により)、そのエネルギ以上の運動エネルギに電子やイオン群を加速することは可能である。そして、それら加速された粒子(量子論的には波動)群と、有機流体や雰囲気ガスとの衝突により、物質分子の結合を解離し、その後に続くプラズマ化学反応を誘発した。特に、加速電子(加速イオン)と、誘起上昇流体と、雰囲気ガスとの衝突は、電子なだれ現象を起こすため、ねずみ算式な連鎖反応によって分子の解離が生じ、高い効率で反応を進めることができる。この衝突エネルギの大きさは、印加電位差の大きさや、金属プローブの材質や尖り具合、さらに、有機溶媒の種類、有機溶媒誘導手段の材質などにより制御できる。一例として、タングステン先鋭プローブ(先端径、数n〜数十μ)をマイナスとし、有機溶媒導入装置をプラスにとり、2400V−15KHzのパルス電位差により電子を加速した。同時にこの電位差により17.1の比誘電率をもつ1−ブタノールを電気的にマイナス電極側へ引き寄せることにより、上昇流(分子流やナノ流やマイクロ流)を誘発することができる。有機溶媒誘導手段としては、導電体や半導体や絶縁体や、その複合体が可能であるが、導電率(上記、マイナスタングステン電極から誘導的に照射された電子線)を変える為に、絶縁体や半導体を使用した場合には、導体部材を近傍に設置し、照射された電子の流通回路(電子の逃げ場所)を確保することを行う。
図1に示すように、超音波発生装置21を設け、装置への可変の微振動を印加することができる。反応容器1は、保温材でシールドすることによって任意の温度に調整することができる。レーザやその他の波長の異なる電磁波発生装置(図示せず)を設け、電磁波をギャップ15間に照射することができる。イオンビームを照射するようにしてもよい。また、静電ポテンシャルをギャップ間に印加することが可能であり、ポテンシャルは時間依存とすることができる。
以上のように、双方の電極2、3の間には放電現象が生じる。金属プローブの先鋭端からは有機溶媒層4に向けて電子線(−e)が照射される。そして、双方の電極2、3間に形成された不均一電場44による電位差あるいは電磁場を形成した場合の電磁力によって有機溶媒は、引き寄せられて金属プローブの先鋭端に向う上昇流32、すなわち流れとなる。そのとき、マイナス電極を形成する金属プローブからの電子線31と、上昇流としての金属プローブへと移動する有機溶媒と雰囲気中のガス、例えば、窒素や酸素とが衝突する現象が起る。
図3は、金属プローブの先鋭端に向って有機溶媒の上昇流が形成される状態を示す写真である。図4は、金属プローブの形状を変えて上昇流を発生させた状況を示す写真である。
図5は、図3の写真の内容を対応して図面化したものである。図4(a)は図3(a)に対応し、図4(b)は図3(b)に対応する。図4(a)に示すように、上昇流の発生段階では、液体45(有機溶媒層4に相当)から小さな浮き上がり32が見られ。これが次第に大きくなって図4(b)に示す上昇流32が形成され、この上昇流32は化学結合の解離後に、マイナス電極2の表面にふくらみ34となって滞留する。
また、図4の(a)、(b)に示すように上昇流は粒状となって(b)あるいは露状となって形成される。そして、生成された混合体あるいは反応物質は先鋭プローブ上に滞留している。従って、上昇流は液体流でなくても粒状の流れでもよく、ここでは流れと表現する。
図1において、生成された気相−液相反応の混合体、あるいはプラズマ重合反応の結果生成された化学物質はマイナス電極2の周囲に設けた生成ガス吸入管の開口通路を介して反応容器1から取り出すことができる。また、図4(a)、(b)に示すように上昇流は雰囲気ガス中に形成されることから、雰囲気ガス中には気相−液相の混合体、あるいはプラズマ重合反応の結果生成された化学物質が存在するためこれらの物質を取り出すための取り出し管を反応容器1に取り付けてもよい。反応容器1には雰囲気ガスのガス流入管36が取り付けてある。
このように、有機溶媒は、プラス電極3から直接的にプラス電極3に上昇流32となって供給されており、電子線31と上昇流との衝突が極めて効率的に行われ、衝突による解離がよく行われることになる。
このように、パルス電位差を印加し、プラス電極3に供給された液状の有機溶媒のマイナス電極2への上昇流32と、マイナス電極2から照射される電子線31を衝突させることによって上昇液体である有機溶媒は化学結合を解離し、また雰囲気ガス(大気)中の窒素と酸素もマイナス電極2から照射される電子線と衝突し、窒素と酸素の化学結合を解離することになる。このようにして解離した有機溶媒と解離したガス原子とは混合状態を形成し、次いで解離した液体分子とガス原子とはプラズマ重合反応される。
すなわち、気相‐液相混合装置を使用して、パルス電位差を利用し、マイナス電極により加速されるプラスイオン、またはプラスイオンにより加速されるマイナスイオンと、雰囲気ガスを衝突させる事により雰囲気ガスの化学結合を解離し、解離された液体分子とをプラズマ重合反応させることができる。
不均一電極対として、先鋭化されたマイナス電極と液体に覆われたプラス電極間へ電位差を与え、電子線と、液体の上昇流および雰囲気ガスとの衝突により不均一プラズマを誘導し、(気体分子、例えば、窒素や酸素と液体、例えば、アルコールの双方を解離)と、それに続く新たな化学反応を生じさせることにより、低温、常圧におき、低コストで液体(例えば、アルコール)への気体(例えば、窒素)の固定を行いながら液体構成分子(例えば、水素)の発生(生成)させることを行う。
図6に金属プローブから水素が発生している様子を示す。発生水素は、SHIMAZUGC−I4BPTFにより図4に示すように確認された。図6(a)は水素発生前を示し、図6(b)は水素発生中を示す写真である。
このように、窒素の固定方法にはアンモニア生成による方法が、従来工業的に唯一の手段であるが、本実施例のように大気中におき、アルコール正電極と先鋭マイナス電極との放電により、大気中の窒素を固定しながら水素を発生させることができることとなった。すなわち、アンモニアと水素を生成することができる。すなわち、窒素ガスを還元してアンモニア(NH)を生成する反応を起させることができる。
このように、本実施例にあっては、液体電極(プラス電極)を使用し、大気中での反応による窒素固定および水素生成を行うという特徴を有する。
アルコールを供給された液面(+)と金属プローブの先鋭部である先鋭プローブ(−)を両電極として対向させ、その間にパルス電位差を与えると、電子線が放出されると同時に、液面からの液体が先鋭プローブ方向へ上昇流を形成する。その際、先鋭プローブ(−)からの電子線と液体分子および、その周りに熱運動する雰囲気中の窒素や酸素分子との衝突がおこり、液体分子と雰囲気中分子の構造が破壊される。この過程におき、先鋭プローブ近傍から、水素が発生すると共に、中へ窒素が化学的に結合し、アルコールのプラズマ重合反応が生じる。
この衝突エネルギの大きさは、印加電位差の大きさや、金属プローブの材質や尖り具合、さらに、有機溶媒の種類、有機溶媒誘導手段の材質などにより制御できる。
図7に、有機溶媒として1-ブタノールを使用した場合のFTIR(フーリエ変換赤外分光法)信号の推移を示す。明らかに分子構造が破壊されていることを示す。特に、全体的に信号がブロードになっていることから、1-ブタノールがポリマー化していることが確認される。また、このポリマー化は、真空中でSEM像が得られたことからも確認できる。1717近傍のピークの形成からこのアルコールが酸化されたことを示す。また、1650近傍のピークの形成からC=C結合が形成された可能性を示す。特に、1400、1650、3300近傍のピークが同時に形成されていることから、窒素原子の存在が大きな原因であることが分かる。図8にEPMA(電子プローブX線マイクロアナライザー)を使用した物質構成測定結果を示す。このように、構成元素測定により窒素の含有が確認された。窒素は、もともと1−ブタノール分子には入っておらず、周りの雰囲気から混入したことは明白である。
[先願実施例2]
先の実施例にあっては、反応容器1内に雰囲気ガスを封入したが、水素生成を目的とした場合には、反応容器1内を真空状態としてもよい。この場合には、先の装置を使用することによって容器内部を真空として、該容器内に配設されたマイナス電極とプラス電極との間にギャップを形成して電位差を印加し、プラス電極の先端面に液状を呈し、誘電性とされた有機溶媒供給装置から構造式に水素原子を含む有機溶媒を供給し、プラズマ電極の先端面に供給した有機溶媒を電位差あるいは電磁力によってマイナス電極へ引き寄せ、その間にマイナス電極から照射される電子線と衝突させて有機溶媒の水素原子を化学結合から解離し、水素ガスを形成するようにした水素生成方法が構成される。
[先願実施例3]
図9は他の実施例の構成を示す図である。第1の実施例と同一の構成については同一の番号を付してあり、重複した説明は行わない。説明は、第1の実施例の説明が援用されることとする。
図9において、気相−液相反応装置100は、内部に少なくとも窒素を含む雰囲気ガスを擁して密封された反応容器1と、この反応容器の内部に、先鋭金属プローブである金属プローブからなるマイナス電極2と、マイナス電極2に対向して収容された有機溶媒51、電位差印加装置(電圧印加装置)6およびこの電位差印加装置6のプラス側が反応容器1に接続されることによって構成されることになるプラス電極43を備える。
反応容器1は、金属性容器であるが、絶縁体や半導体でも可能である。この場合にはプラス電極43は、有機溶媒の液面の高さ付近に配設される。
また、反応容器1には、有機溶媒51に連通するようにして有機溶媒を供給する液相供給装置52および気相供給装置46が、そして反応容器1の上部空間には気相供給装置47が設けてある。
マイナス電極2とプラス電極43、すなわち反応容器1との間を絶縁するために絶縁部48が設けてある。
気相−液相反応装置100の最上部に気相循環装置49が設けてある。この気相循環装置49は、中空パイプからなり、液面プラズマ反応により生成した反応物を吸引することや、窒素、空気、アルゴンを噴射供給することを行う。最下部に設けた気相供給装置46には、ナノやマイクロ、またはそれ以上の径の孔を設け、多くの細かい気泡を供給し、化学反応を促進すると共に、空気、窒素、アルゴンなどを供給し、液面プラズマ反応による窒素の固定あるいはアンモニアの発生、水素の発生を効率よく促す働きをなす。
マイナス電極2と有機溶媒51との間には微小ギャップ15が形成される。当然に、マイナス電極2とプラス電極43との間には有機溶媒51を介してギャップが形成されることになる。
電位差印加装置6のエネルギを大きくし、電子の加速エネルギを上げ、金属プローブからなるマイナス電極2の先端の先鋭度を上げた場合には、ゼリー状の物質も気相へ変化させることができる。
更に、電位差発生装置のパワーを下げたり、金属プローブの先鋭度を下げることにより、電子の運動エネルギを下げることが出来、完全に気相への反応ではなく、不完全に反応させることにより、ゼリー状物質への窒素固定等を行うことができる。この場合は、部分的(あるいは不完全な)反応により、ゼリー生成を優先にし、気相への反応を抑えることを行う。
そして、電位差印加装置6により、マイナス電極2とプラス電極につながれた反応容器1(または、前記の絶縁体、または半導体で作られた反応容器の内側で、かつ、液面近傍に設けられたプラス電極)との間に、動的(パルス波や、サイン波等の時間依存的)、または静的な電位差を印加する。そうすると、マイナス電極から電子が液面に向けて照射される。そして、その電子は液面を伝わって、プラス電極(金属性反応容器、または、絶縁体、半導体の場合は、容器内側かつ液面近傍に設けられたプラス電極)へ移動する回路を形成する。マイナス電極2に対向する有機溶媒51の液面には電磁相互作用による液面上昇部分50が発生し、液面上昇部分50へのマイナス電極2による放電作用によってプラズマが発生する。すなわち、マイナス電極2はプラズマ発生電極として作用する。この際、電子が有機溶媒や気相供給装置から設けられた反応ガスを解離するエネルギを持たすことにより、これらの分子をねずみ算式な連鎖反応により破壊すると共に、それに続くプラズマ化学反応により、アンモニアや水素を発生する。また、有機溶媒中に、窒素を固定することができる。
液面プラズマ反応中、液体の量が変化するが、プラズマ発生マイナス電極と液面との距離は、プラズマ発生マイナス電極に設けた、駆動手段(図示せず)または、液相供給装置52からの液体の供給により一定となるように制御する。
図10は、液面プラズマによって、有機溶媒と窒素、酸素とのプラズマ重合反応によって生成されると予想される反応生成物の例を示す。この例に示すように、解離した有機溶媒に窒素が固定されることになる。すなわち、この方法によれば容器に少なくとも窒素を含む雰囲気ガスを封入し、該容器内に配設されたマイナス電極とプラス電極との間にギャップを形成して電位差を印加し、プラス電極に接して液状を呈し、誘電性とされた有機溶媒供給装置から有機溶媒を供給し、供給した有機溶媒を電位差あるいは電磁力によってマイナス電極へ引き寄せ、その間にマイナス電極から照射される電子線と衝突させて有機溶媒の化学結合を解離し、かつ雰囲気ガスのガス分子から窒素原子を解離し、前記解離した有機溶媒に解離した窒素原子を化学反応させる窒素固定を行う窒素固定反応方法および装置が構成される。
そして、この反応方法によれば、常温常圧でアルコールに窒素を固定し、アンモニアを生成することができる。
次に本発明の実施例について説明する。
実施例1の内容を図11に示す。この実施例の場合、有機あるいは無機化合物合成装置200は、円筒状の反応容器61の内部の空間部62、この空間部62の両側であって反応容器61の端部に配設された2つの電極、すなわちマイナス電極63とプラス電極64、これらの2つの電極63、64間に電位差を付与する電位差発生装置65、空間部62に接続された有機溶媒および反応ガスを含んだ微小物質の導入管66を含んだ導入装置(手段)67、空間部62に微小物質71が混合された状態で滞留、流動する絶縁性の液状を呈する有機溶媒70、反応生成物質、有機溶媒および微小物質を排出する排出管72を含んだ導出装置(手段)73および空間部62内にある有機溶媒70の温度調節を行う温度調節装置74を含んだ気相−液相混合装置を備える。有機あるいは無機化合物合成装置の例として、主に有機化合物合成装置を例にとって説明を行う。従って、実施例の内容は無機化合物合成装置に適用される。
それぞれの電極63、64は、有機溶媒および微小物質の導出口機能、反応物質、有機溶媒および微小物質の導出口機能を備える。
電位差発生装置65によって2つの電極63、64の間に電位差を付与し、マイナス電極63からプラス電極への電子線への流れ、すなわち電子流を形成する。この場合に、有機溶媒は、絶縁性あるいは電導性の悪い材料(以下、絶縁性として説明する。要は、微小物質の電導性に比べて悪く、絶縁性であるとの意味で使用する。)であるが、多数の微小物質の存在によって電子流の短絡現象による電子の流れ回路が微小物質を介して形成される。
微小物質は、反応ガスの単独気泡、あるいは微小な誘電体、半導体、導体を含んだ気泡によって形成され得る。
また、微小物質は、反応ガスの単独気泡、あるいは微小な誘電体、半導体、導体を含んだ気泡と、無機性の、例えば微小なガラス性の球体物質との混合によって形成され得る。
電位差発生装置65によって発生させた電位差によって、電子流の形成された微小物質71の表面で有機溶媒分子単体でもしくは反応ガスと共に、プラズマを誘起してイオンやラジカルを生成させる。イオン、ラジカル等の反応によって、すなわちプラズマ反応を生起し、反応物質を生成する。生成した反応物質は流動する有機溶媒、微小物質と共に、排出管72を介して導出装置によって反応容器61の器外に取り出す。
2つの電極は、金属電極として構成することができ、金属電極には多数の小孔が設けてあって、溶媒および微小物質を反応容器61に導入、排出するために使用される。
このように、この例にあっては、液状を呈する絶縁性の有機溶媒70中に微小な反応ガスを微小物質として混入させる。反応ガスは、例えば、窒素、アルゴン、水素などから成り、反応ガスには、前述のように、ガラスのような誘電体、金属あるいは半導体などの微小物質を混入させることができる。これらの混入によって、電位差を付与、すなわち印加したときに、微小物質の表面(界面、沿面を含めて)での電子流を流れ易くする。この電子流によって、気泡である微小物質表面上で、有機溶媒分子を活性化し、プラズマが生起される。このようにしてプラズマ化に伴って分解した有機溶媒同士あるいは更にプラズマ化した反応ガスとによってプラズマ反応が生じ、反応物質が生成される。
液状を呈する有機溶媒に、反応ガスの単体からなる気泡、あるいはこの気泡に微小な誘導体、微小な半導体、微小な金属を混入した状態で混在させる。このような状態で電位差を与え、微小物質である気泡、更には微小な誘導体、微小な半導体、微小な金属の表面を利用して電子流を流れ易くし、プラズマ反応を大量に行うことができる。
反応容器61内に対向した形で2つの電極63、64を設け、空間部62にアルコールなどの有機溶媒(反応前物質)を封入し、電極63、64に電位差を与えた場合、両電極63、64に発生する電子流は、電極間の電気抵抗に依存する。絶縁体としての有機溶媒(液体)の場合、プラズマ有機反応を起こすためには高い電位差を要する。高い効率を得るために、低い電位差でもって電子流が発生し、プラズマ有機反応を生起させることを行う。このため、有機溶媒70に反応ガスによる電導性のよい微小ガス気泡を多数混入させることを行う。この微小ガス気泡にはガラス、半導体、金属などの1つ、または複数組み合わせて混入させると更によい結果が得られる。微小ガス気泡から独立した、あるいは反応ガスを投入しない形でガラス、半導体、金属などの微小物質を混入してもよい。
このように有機溶媒70に微小物質71を混入すると、微小物質71を介して2つの電極間に電子流が流れ易くなる。すなわち、絶縁体である有機溶媒70の電気伝導率(または、電気抵抗率)を制御することができる。電気伝導率は、混入させる物質である反応ガス、誘電体、半導体、導電体によってあるいはそれらの組み合わせによって(混入比も含めて)、調整することが可能になる。このようにして、有機溶媒中を電子流が、マイナス電極63からプラス電極64に反応ガス、誘導体、半導体、導体表面を伝わることになる。
微小物質を流れる電子流の持つエネルギ(運動エネルギ、電磁エネルギ)によりプラズマ反応が誘起され、有機溶媒分子が破壊(分解)され、更には反応ガス分子が破壊され、イオンやラジカルが誘起され、プラズマ反応が誘起される。このプラズマ反応を利用して反応性生物を作り、微小物質の表面に付着、堆積させる。周囲の有機溶媒中に浮遊することにもなる。
図11において、2つの電極間に微小物質を利用して形成した電子流により、有機溶媒分子および空気(反応ガスの1つとして使用した場合の例)は、イオンやラジカルを含んだプラズマとして誘起される。プラズマ誘起によって生成されたイオンやラジカルは、回りのイオンやラジカルと結合し、結合を繰り返しながら微小物質の表面に付着、堆積生成される。
溶媒としては、C(炭素)、O(酸素)、H(水素)、N(窒素)、S(硫黄)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Ca(カルシウム)、P(燐)を構成元素とする絶縁性の有機溶媒あるいは無機溶媒が使用される。有機溶媒としては、前述のように、アルコールがその1例として使用される。更に有機微小物質としては、前述のように、反応ガス(空気、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム、水素あるいはこれらの混合ガス)による単体気泡、またはこの気泡に誘電体、半導体、導体、あるいはこれらの混合、合成物を含んで構成される微小物質を含み、更には単独気泡およびこの気泡に誘電体位、半導体、導体あるいはこれらの混合、合成物を含む。誘導体、半導体、導体、あるいはこれらの混合、合成物には、例えばゼオライトのように、微小な孔をたくさん形成するようにして、反応効率を上げることができる。
<無機溶媒の例>:
無機溶媒の例として、水に塩化ナトリウム、カルシウムなどを混ぜ、少なくともHを含む有機溶媒と混ざって、イオンやラジカルを発生し、電子流の形成に貢献する分子原子レベルで混入されることが考えられる。
印加する電位差は、静的な印加、パルス状、あるいは時間的に変化させる印加方法が採用される。
有機溶媒分子、例えばモノマー分子は、電子衝撃によってフラグメンテーシタンを受けて分子鎖が切断されてプラズマ化し、モノ、あるいはラジカルが生成する。このラジカル同士が再結合し、分子鎖が成長する。更に、分子鎖切断と再結合が繰り返されて、ついにはポリマーが生成する。
反応物質が分離された溶媒と微小物質は導入装置67によって再び循環され、空間部62へと導かれることになる。
図2は、実施例2を示す。実施例1と同一の構成については同一の番号を付してあり、説明の重複を避けるため実施例1についての説明を援用する。実施例1と異なる特徴的な部分を中心にして説明する。
実施例1にあっては、空間部62には、液状の溶媒、例えば有機溶媒が封入されたが、この実施例では霧状に微小化されたアルコールなどの反応有機物が有機溶媒70Aとして使用される。
また、微小物質71Aも霧状とされて、霧状の有機溶媒と混合状態で空間部62に滞留し、導出装置73によって排出される。従って、実施例1と同様に、霧状の有機溶媒70Aと霧状の微小物質71Aが空間部62内を流動する。微小物質71Aは溶媒に比べて電導性がよいものとして構成される。
電位差発生装置65で印加された電位差により、マイナス電極63から電子流が発生し、プラス電極64に向けて電子が流れる。この場合に、電子流は空間部62内に滞留、流動する微小物質71Aの働きによって十分な運動エネルギおよび電磁エネルギを持って微小物質71A間を短絡し、微小物質71Aの表面に沿って流れる。この電子流によって、霧状の有機溶媒70Aの分子を含む有機溶媒ガスおよび窒素などの反応ガスは、イオンやラジカルを含むプラズマとして誘起される。霧状の有機溶媒ガスのみと微小物質が導入され得る。プラズマ誘起によって生成されたイオンやラジカルは、周りのイオンやラジカル間で結合を繰り返しながら、霧状ポリマーや微小物質、例えばガラスの表面上に堆積するポリマーとなる。
上記の2つの実施例にあっては、円筒状の反応容器61を使用しているが、この形状には限定されない。反応容器61は、上方部が狭く、下方部が広い円錐状のものでもよく、また直方体状であってもよい。導入管66、排出管72を電極63、64を介してではなく、反応容器61に直接取り付けてもよい。また、反応容器61内の温度は、温度調整装置74によって調整される。
以上まとめてみると図13に示すようになる。図13において、対策1として、溶媒、特に有機溶媒分子をプラズマ化を測ること、対策2として、反応ガスを使用した有機溶媒分子との間でブラズマ重合反応を図ること、対策3として多量にプラズマ化、プラズマ反応を生起し、多量生産に適したものとし、かつ効率向上を図る。
その対応策としては、伝導性のよい微小物質を溶媒に混在させ、微小物質を介して電子流を生成し、微小物質表面での有機溶媒分子についてプラズマ化を行い、反応ガスをも使用した場合には、微小物質表面で反応ガスについてもプラズマ化を行う。プラズマ化した有機溶媒分子およびプラズマ化した反応ガスによってプラズマ重合反応を生起させる。
更に具体的には、溶媒としては、有機溶媒あるいは無機溶媒を使用し、有機溶媒の場合には液状有機溶媒あるいは霧状(ガス状)の有機溶媒を使用する。液状有機溶媒中に微小物質を混在させる。微小物質は反応ガス自体による気泡によって、あるいはこの気泡に他の反応ガス自体による気泡によって、あるいはこの気泡に他の微小物質を混入あるいは他の微小物質を独立して単独で混在させることによって電位差による電子流の流れを作り易くする。霧状の有機溶媒についても同様に微小物質を混在させる。
このようにすることによって有機溶媒は分解、結合を繰り返すことによって改質され、あるいはポリマーの生成が容易になされる。また、有機溶媒と反応ガスを使用してのプラズマ重合反応による反応生成物の生成を容易に行うことができるようになる。また、当然に先願発明の内容を実施例1、実施例2に示す方法の装置によって実施することができる
先願発明の実施例の構成を示す図。 ギャップ15間に形成される現象を解説的に示す図。 上昇流が形成される状況を示す写真。 上昇流が形成される状況を示す他の写真。 図3に示す写真に対応して構成した図。 水素発生状況を示す図。 1−ブタノールへ電子線を照射する前後でのFTIR信号を示す図。 EPMAを使用した物質構成測定結果を示す。 先願発明の他の実施例の構成を示す図。 予想される反応生成物の例を示す図。 本発明の実施例の構成を示す図。 本発明の他の実施例の構成を示す図。 本実施例の内容を説明するブロック図。
符号の説明
61…反応容器、62…空間部、63…マイナス電極、64…プラス電極、65…電位差発生装置、66…導入管、67…導入装置(手段)、70、70A…有機溶媒、71、71A…微小物質、72…排出管、73…導出装置(手段)、74…温度調節装置、200…有機、無機化合物合成装置。

Claims (8)

  1. 反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された絶縁性液状媒体および反応ガスを含んだ微小物質の導入装置、前記空間部に微小物質が混合された状態で滞留する液状媒体、更に反応生成物質、媒体および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなり、
    前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極から前記プラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面で前記溶媒と反応ガスのプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出すこと
    を特徴とする有機あるいは無機化合物合成装置。
  2. 請求項1において、前記媒体は、有機媒体であり、前記微小物質は反応ガスの単独気泡、あるいは微小な誘電体、半導体、導体を含んだ気泡であることを特徴とする有機化合物合成装置。
  3. 請求項1において、前記媒体は、有機媒体であり、前記微小物質は、反応ガスの単独気泡、あるいは微小な誘電体、半導体、導体を含んだ物質とからなることを特徴とする有機化合物合成装置。
  4. 反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された霧状溶媒および該媒体は電導性のよい反応ガスを含んだ微小物質の導入装置、前記空間部に霧状の微小物質が混合された状態で滞留する霧状の溶媒、更に反応生成物質、溶媒および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなり、
    前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極からプラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面で前記溶媒と反応ガスのプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出すこと
    を特徴とする有機あるいは無機化合物合成装置。
  5. 反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された絶縁性液状媒体および反応ガスを含んだ微小物質の導入装置、前記空間部に微小物質が混合された状態で滞留する液状媒体、更に反応生成物質、溶媒および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなる有機あるいは無機化合物合成方法であり、
    前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極から前記プラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面で前記溶媒と反応ガスのプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出すこと
    を特徴とする有機あるいは無機化合物合成方法。
  6. 反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された霧状溶媒および該媒体は電導性のよい反応ガスを含んだ微小物質の導入装置、前記空間部に霧状の微小物質が混合された状態で滞留する霧状の溶媒、更に反応生成物質、溶媒および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなる有機あるいは無機化合物合成方法であり、
    前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極からプラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面でプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出すこと
    を特徴とする有機あるいは無機化合物合成方法。
  7. 反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された絶縁性液状有機媒体および微小物質の導入装置、前記空間部に微小物質が混合された状態で滞留する液状有機媒体、更に反応生成物質、有機溶媒および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなる有機あるいは無機化合物合成方法であり、
    前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極から前記プラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面で有機溶媒のプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出すこと
    を特徴とする有機化合物合成方法。
  8. 反応容器、該反応容器内に空間部を置いて配設されたプラス電極およびマイナス電極、これらの電極間に電位差を付与する電位差発生装置、前記空間部に接続された霧状有機溶媒および微小物質の導入装置、前記空間部に霧状の微小物質が混合された状態で滞留する霧状の有機溶媒、更に反応生成物質、有機溶媒および微小物質の導出装置を含んで構成された気相―液相混合装置からなる有機あるいは無機化合物合成方法であり、
    前記電位差発生装置によって前記電極間に電位差を付与することによって前記マイナス電極からプラス電極への電子流を前記微小物質を介して形成すると共に、前記電位差に基づいて前記微小物質の表面で有機溶媒のプラズマを誘起してイオンやラジカルを生成せしめてプラズマ反応を生起し、該プラズマ反応により生成した反応物質を前記導出装置から前記反応容器の器外に取り出すこと
    を特徴とする有機化合物合成方法。
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