JPH0614815U - 床暖房装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない種類の床暖房パネルを用いて各種のバ
リエーションで温水循環パイプの配管をおこなえるよう
にする。 【構成】 細長い矩形状に形成される床暖房パネル１の
上面にその長手方向の端面で開口する直線状のパイプ埋
設溝２を長手方向に沿って設ける。短尺に形成される端
部床暖房パネル３の上面に略Ｃ字状に屈曲して両端が一
端縁で開口する接続用パイプ埋設溝４を設ける。床暖房
パネル１を床に敷設すると共に床暖房パネル１の長手方
向の端縁に一端縁を当接させて端部床暖房パネル３を床
に敷設して床暖房パネル１のパイプ埋設溝２と端部床暖
房パネル３の接続用パイプ埋設溝４とを連通させる。パ
イプ埋設溝２と接続用パイプ埋設溝４に温水循環パイプ
５をはめ込んで配管する。床暖房パネル１と接続用パイ
プ埋設溝４を設けた端部床暖房パネル３を組み合わせて
用いることによって、各種のバリエーションで温水循環
パイプ５を配管できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、床面に温水を通すことによって床から室内を暖房するようにした床 暖房装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

温水循環パイプを床面に配管して温水を通すことによって床暖房をおこなうよ うにした床暖房装置が各家庭で普及しつつある。 温水循環パイプを床面に配管するにあたっては、床暖房パネルを上面にパイプ 埋設溝を凹設して作成し、この床暖房パネルを床の根太間に取り付けた後に、床 暖房パネルのパイプ埋設溝に樹脂パイプ等で形成される温水循環パイプをはめ込 むことによっておこなわれている。そしてこの後に根太の上に床板を張って室内 の床面を施工するようにしている。

【０００３】 このように床暖房パネルにパイプ埋設溝を設けて温水循環パイプを配管するに あたって、温水循環パイプを部分的に屈曲させることによって蛇行させるように して配管がおこなわれている。従って床暖房パネルの上面に設けるパイプ埋設溝 は温水循環パイプの直線部分をはめ込む直線部と温水循環パイプの屈曲部分をは めこむ曲線部とを設けて形成する必要がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、温水循環パイプの蛇行の態様や温水循環パイプの配管の長さ等は床暖 房装置を施工する部屋の大きさ等に応じて種々異なるために、床暖房パネルとし てパイプ埋設溝を各種のバリエーションで直線部と曲線部を設けて形成したもの を作成する必要があり、床暖房パネルとして多くの種類を準備しなくてはならな いという問題があった。

【０００５】 本考案は上記の点に鑑みてなされたものであり、少ない種類の床暖房パネルを 用いて各種のバリエーションで温水循環パイプの配管をおこなうことができる床 暖房装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る床暖房装置は、細長い矩形状に形成される床暖房パネル１の上面 にその長手方向の端面で開口する直線状のパイプ埋設溝２を長手方向に沿って設 け、短尺に形成される端部床暖房パネル３の上面に略Ｃ字状に屈曲して両端が一 端縁で開口する接続用パイプ埋設溝４を設け、床暖房パネル１を床に敷設すると 共に床暖房パネル１の長手方向の端縁に一端縁を当接させて端部床暖房パネル３ を床に敷設して床暖房パネル１のパイプ埋設溝２と端部床暖房パネル３の接続用 パイプ埋設溝４とを連通させ、パイプ埋設溝２と接続用パイプ埋設溝４に温水循 環パイプ５をはめ込んで配管し、床暖房パネル１と端部床暖房パネル３の上に床 板６を取り付けて成ることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

細長い矩形状に形成される床暖房パネル１の上面にその長手方向の端面で開口 する直線状のパイプ埋設溝２を長手方向に沿って設け、短尺に形成される端部床 暖房パネル３の上面に略Ｃ字状に屈曲して両端が一端縁で開口する接続用パイプ 埋設溝４を設けるようにしているために、直線状のパイプ埋設溝２を設けた床暖 房パネル１と略Ｃ字状に屈曲した接続用パイプ埋設溝４を設けた端部床暖房パネ ル３を組み合わせて用いることによって、各種のバリエーションで温水循環パイ プ５を配管できる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案を実施例によって詳述する。 床暖房パネル１は図２（ｃ）に示すように、基材９と基材９の上面に全面に亘 って密着させて取着した均熱板１０とで作成されるものであり、図２（ａ）に示 すように細長い矩形板状に形成してある。均熱板１０は金属板や金属箔など熱伝 導性の材料で作成されるものであり、図２（ｂ）に示すようにパイプ埋設溝２が 均熱板１０を下方へ屈曲することによって設けてある。パイプ埋設溝２は床暖房 パネル１の長手方向に沿って直線状に形成してあり、床暖房パネル１の長手方向 の両端面で開口させてある。この図２の床暖房パネル１にあって、パイプ埋設溝 ２は床暖房パネル１の両側端縁に沿う一対の往路用溝２ａと、往路用溝２ａより 内側に設けた一対の復路用溝２ｂとで形成されるものである。また基材９は中密 度繊維板（ＭＤＦ）やポリスチレン、ポリウレタン等の発泡性樹脂など熱を床下 に逃がさない断熱性を有するもので形成されるものである。さらに床暖房パネル １の上面にはその両側端縁及び幅方向の中央部にそれぞれ根太１１が長手方向の 全長に亘って取り付けてある。根太１１は木材（角材）など木質系の材料や合成 樹脂などで作成してあり、床暖房パネル１の上面より若干上方へ突出するように 下部を床暖房パネル１内に埋め込んで取り付けてある。

【０００９】 端部床暖房パネル３は図３（ｂ）に示すように、上記床暖房パネル１と同様に 基材９と基材９の上面に全面に亘って密着させて取着した均熱板１０とで作成さ れるものであり、その幅寸法を床暖房パネル１と等しくして短尺に形成してある 。端部床暖房パネル３の上面には図３（ａ）のように略Ｃ字状に屈曲した接続用 パイプ埋設溝４が設けてあり、この接続用パイプ埋設溝４はその両端を端部床暖 房パネル１の一側端面で開口させてある。この図３の端部床暖房パネル３にあっ て、接続用パイプ埋設溝４は外側の外側接続用溝４ａと内側接続用溝４ｂとで形 成されるものである。さらに端部床暖房パネル３の上面には上記床暖房パネル１ と同様にその両側端縁及び幅方向の中央部にそれぞれ根太１１が取り付けてある 。図３の端部床暖房パネル３ではこの他に根太片１１ａも設けてある。ここで、 中央の根太１１の端部には接続用パイプ埋設溝４が横切ることになるので、切欠 部１２を設けてこの切欠部１２の部分に接続用パイプ埋設溝４を通すようにして ある。

【００１０】 上記のように形成される床暖房パネル１及び端部床暖房パネル３を用いて床暖 房装置を施工するにあたっては、例えば図１に示すように、床スラブの上に断熱 材１３を介して合板等の捨て貼り板１４を張って床下地を形成し、この捨て貼り 板１４の上に床暖房パネル１及び端部床暖房パネル３を載置してビス等で固定す ることによって、床に敷設することができる。このとき端部床暖房パネル３は接 続用パイプ埋設溝４が開口する一側端面を床暖房パネル１の長手方向の一側端面 に当接させるように敷設されるものであり、床暖房パネル１のパイプ埋設溝２の うち往路用溝２ａ，２ａは端部床暖房パネル３の接続用パイプ埋設溝４のうち外 側接続用溝４ａと連通し、床暖房パネル１のパイプ埋設溝２のうち復路用溝２ｂ ，２ｂは端部床暖房パネル３の接続用パイプ埋設溝４のうち外側接続用溝４ｂと 連通するようにしてある。

【００１１】 このように床暖房パネル１と端部床暖房パネル３を敷設した後に、床暖房パネ ル１のパイプ埋設溝２と端部床暖房パネル３の接続用パイプ埋設溝４に温水循環 パイプ５をはめ込んで配管をおこなう。温水循環パイプ５としては金属製のパイ プでもよいが、曲げ易く施工性が良い点で架橋ポリエチレン等の樹脂製パイプの ほうが好ましい。温水循環パイプ５を配管するにあたっては、端部床暖房パネル ３の接続用パイプ埋設溝４のうち外側接続用溝４ａに沿って温水循環パイプ４を 曲げて迂回させるようにして床暖房パネル１のパイプ埋設溝２のうち往路溝２ａ に通し、さらに端部接続用パイプ埋設溝４のうち内側接続用溝４ｂに沿って温水 循環パイプ５を曲げて迂回させるようにしてパイプ埋設溝２のうち復路溝２ｂに 通すことによっておこなうことができる。

【００１２】 上記のようにして床暖房パネル１のパイプ埋設溝２や端部床暖房パネル３の接 続用パイプ埋設溝４に温水循環パイプ５をはめ込んで配管した後に、根太１１の 上に床板６を載置して並べると共に各床板６を根太１１に釘打ち固定することに よって家屋の室内の床を施工することができるものである。上記のようにして形 成される床暖房装置あって、図１に矢印で示すように温水循環パイプ５に温水等 の熱媒を通すことによって、床面から室内を暖房することができるものである。

【００１３】 また、床暖房パネル１としては、図２に示す広幅タイプの床暖房パネル１ａの 他に、図４（ａ）に示すような上記床暖房パネル１ａの幅寸法の１／２の狭幅タ イプの床暖房パネル１ｂ、及び図４（ｂ）に示すような上記床暖房パネル１ａの 幅寸法の１／２の狭幅で且つ長さが上記端部床暖房パネル３と同寸の短尺の幅狭 短尺タイプの床暖房パネル１ｃを用いることができる。図４（ａ）の狭幅タイプ の床暖房パネル１ｂや図４（ｂ）の幅狭短尺タイプの床暖房パネル１ｃの基本的 な構造は図２の床暖房パネル１ａと同じであるが、パイプ埋設溝２は床暖房パネ ル１ａの往路用溝２ａと復路用溝２ｂの間隔と同じ間隔で一対のものがその両側 端縁に沿って設けられているだけである。さらに端部床暖房パネル３としては、 図３に示す広幅タイプの端部床暖房パネル３ａの他に、図４（ｃ）に示すような 上記端部床暖房パネル３ａの幅寸法の１／２の狭幅タイプの端部床暖房パネル３ ｂを用いることができる。図４（ｃ）の端部床暖房パネル３ｂの基本的な構造は 図３の端部床暖房パネル３ａと同じであるが、接続用パイプ埋設溝４は床暖房パ ネル１ａの往路用溝２ａと復路用溝２ｂの間隔と同じ間隔で一側端面に開口する ように一本が設けられているだけである。

【００１４】 そして、これら図２，図４（ａ），図４（ｂ）の三種類の床暖房パネル１ａ， １ｂ，１ｃと、図３，図４（ｃ）の二種類の端部床暖房パネル３ａ，３ｂを組み 合わせて用いることによって、例えば図５（ａ）や図５（ｂ）に示すような各種 のバリエーションで温水循環パイプ５を配管することができる。すなわち、図５ （ａ）は、四枚の床暖房パネル１ａを二枚づつ二列に配置し、床暖房パネル１ａ の各列の左側端部の端面にそれぞれ端部床暖房パネル３ａを接続し、床暖房パネ ル１ａの各列の右側端部の端面の半分づつに跨がるように端部床暖房パネル３ａ を接続し、そして床暖房パネル１ａの一方の列の右側端面の半分に床暖房パネル １ｃを接続すると共に他方の列の右側端部の端面の半分に端部床暖房パネル３ｂ を接続するようにしたものであり、細長い領域で温水循環パイプ５を配管できる ようにしてある。図５（ｂ）は、二枚の床暖房パネル１ａと一枚の床暖房パネル １ｂを並列させて配置し、各床暖房パネル１ａの左側端部の端面に端部床暖房パ ネル３ａを接続すると共に床暖房パネル１ｂの左側端部の端面に端部床暖房パネ ル３ｂを接続し、床暖房パネル１ｂの右側端部の端面と床暖房パネル１ａの右側 端部の端面の半分にかけて端部床暖房パネル３ａを接続すると共に各床暖房パネ ルの右側端部の端面の半分づつに跨がるように端部床暖房パネル３ａを接続し、 そして床暖房パネル１ａの右側端面の残りの半分に床暖房パネル１ｃを接続する ようにしたものであり、正方形に近い領域で温水循環パイプ５を配管できるよう にしてある。

【００１５】

【考案の効果】

上記のように本考案は、細長い矩形状に形成される床暖房パネルの上面にその 長手方向の端面で開口する直線状のパイプ埋設溝を長手方向に沿って設け、短尺 に形成される端部床暖房パネルの上面に略Ｃ字状に屈曲して両端が一端縁で開口 する接続用パイプ埋設溝を設け、床暖房パネルを床に敷設すると共に床暖房パネ ルの長手方向の端縁に一端縁を当接させて端部床暖房パネルを床に敷設して床暖 房パネルのパイプ埋設溝と端部床暖房パネルの接続用パイプ埋設溝とを連通させ 、パイプ埋設溝と接続用パイプ埋設溝に温水循環パイプをはめ込んで配管するよ うにしたので、直線状のパイプ埋設溝を設けた床暖房パネルと略Ｃ字状に屈曲し た接続用パイプ埋設溝を設けた端部床暖房パネルを組み合わせて用いることによ って、少ない種類の床暖房パネルを用いて各種のバリエーションで温水循環パイ プを配管できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の一部切欠斜視図である。

【図２】同上の床暖房パネルの一例を示すものであり、
（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は（ｂ）のイ
部の拡大した断面図である。

【図３】同上の端部床暖房パネルの一例を示すものであ
り、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は（ｂ）
のイ部の拡大した断面図である。

【図４】床暖房パネル及び端部床暖房パネルの他例を示
すものであり、（ａ），（ｂ），（ｃ）はそれぞれ縮小
した概略平面図である。

【図５】床暖房パネルと端部床暖房パネルの接続配置状
態のバリエーションを示すものであり、（ａ），（ｂ）
は縮小した概略平面図である。

【符号の説明】

１ 床暖房パネル ２ パイプ埋設溝 ３ 端部床暖房パネル ４ 接続用パイプ埋設溝 ５ 温水循環パイプ ６ 床板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 細長い矩形状に形成される床暖房パネル
   の上面にその長手方向の端面で開口する直線状のパイプ
   埋設溝を長手方向に沿って設け、短尺に形成される端部
   床暖房パネルの上面に略Ｃ字状に屈曲して両端が一端縁
   で開口する接続用パイプ埋設溝を設け、床暖房パネルを
   床に敷設すると共に床暖房パネルの長手方向の端縁に一
   端縁を当接させて端部床暖房パネルを床に敷設して床暖
   房パネルのパイプ埋設溝と端部床暖房パネルの接続用パ
   イプ埋設溝とを連通させ、パイプ埋設溝と接続用パイプ
   埋設溝に温水循環パイプをはめ込んで配管し、床暖房パ
   ネルと端部床暖房パネルの上に床板を取り付けて成る床
   暖房装置。