JPH06147323A - 管壁穿孔穴の閉塞ユニット及びその弾性栓体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】管側壁に形成された穿孔穴を弾性栓体で閉塞す
る際に、管内部に突出物を出すことがなく、また管内の
圧力に十分抗して密閉状態が得られる閉塞ユニット及び
このユニット用の弾性栓体を提供する。 【構成】略円錐台状の本体６上面にボルト７を突設して
なる取付体５と、この取付体５の本体６を内面側から受
け入れる凹部８と、ボルト７を上面から突出させるボル
ト挿通孔９を有し、管壁穿孔穴２に対する嵌合部１０の
内端面を管の内壁面に沿った曲面形状とした弾性栓体４
と、前記ボルト７に螺合する締付ナット１２との組み合
わせからなり、本体のテーパー状周側面により嵌合部１
０を拡開して嵌合部外周面を穿孔穴周壁面に圧接シール
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス配管等の管体側壁
に穿孔穴を形成した場合において、この穿孔穴を閉塞す
るために使用する閉塞ユニット及びこの閉塞ユニットに
使用する弾性栓体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】管体端末の開口部を密封シールする閉塞
栓は、各種の構造体が提供されているが、管側壁に形成
した穿孔穴の閉塞栓については、ほとんど提案がなされ
ていないのが現状である。

【０００３】ところで、ガス配管における低圧鋳鉄管の
継手部漏洩対策として、低圧本管継手活管修繕工法（ラ
イブジョイントシール工法）が開発されている。これ
は、活管状態（ガスを流したまま）で管の内面から継手
部を検知してシールする工法で、低圧本管に管径の１／
２程度の穿孔穴をあけ、ランチャーを取り付けてガスを
漏らさない状態でパッカーを挿入し、継手部を検知した
後、ガス圧によってパッカーを膨脹させ、シール剤を継
手隙間のヤーン部分に注入してシールすることによっ
て、継手漏洩の修繕及び予防を行うものである。

【０００４】低圧本管に管径の１／２程度の穿孔穴をあ
けるには、ランチャー取付台とノーブローカバーを管の
穿孔部が中心になるように固定した後、穿孔工具を使っ
て穿孔するが、穿孔後、次の作業に移るまでの間、ガス
の多量流出によってノーブローカバーが膨脹するなどの
不具合が発生するのを防止するため、穿孔穴は一旦閉じ
ておかなければならない。そのためにはゴムなどの弾性
体で成形された栓体によって穿孔穴を閉塞することが必
要で、この栓体による有効な閉塞状態が得られるか否か
が上記低圧本管継手活管修繕工法の一つの重要なポイン
トとなっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
弾性栓体によって有効な密封閉塞状態を得ることについ
ての困難性の一は、管の側壁に穿孔穴が設けられる点に
ある。栓体を開口部に圧入して固定する方法としては、
例えば、瓶の口に用いられるコーン状のゴム栓、コルク
栓等のように、摩擦抵抗のみで固定するものが最も簡単
な方法といえる。しかし、管の端末開口部の閉塞におい
ては比較的容易であるが、鋳鉄管や鋼管の側壁に管径の
１／２程度の径の穿孔穴を開けたときの開口部の周壁面
積は、鋳鉄管や鋼管の肉厚部分によって得られるのみで
極めて小さく、栓体と開口部内壁との摩擦抵抗によって
栓体を固定することは難しく、管内を流れるガスの圧力
（約２３０ｍｍＡｑ）によって栓体は開口部から抜け出
てしまう。

【０００６】管内部にシール用部材を突設して栓体とシ
ール用部材の摩擦抵抗面積を増大させることも考えられ
るが、ガス配管においては採用することはできない。す
なわち、管の内面に突起物などが突出していると、本管
の更新を目的とする樹脂ライニング等の施工時に、管の
内面を研磨するピグやラニイングピグを通過させるのに
障害となる。

【０００７】従って、上記のように突設部材を設けて栓
体を機械的に固定するような方法も選べない。また、栓
体は継手間隙にシール剤を注入し終わってランチャーを
取り外した後、穿孔穴を閉じておくためにも用いられる
が、この場合、通常ランチャー取付台と共に低圧本管に
固定した状態で埋設されるので、配管内に対する栓体自
体の突出も認められない。

【０００８】そこで、この発明の目的とするところは、
管側壁に形成された穿孔穴を弾性栓体で閉塞する際に、
管内部に突出物を出すことがなく、また管内の圧力に十
分抗して密閉状態が得られる閉塞ユニット及びこのユニ
ット用の弾性栓体を提供し、よってガス配管における継
手部漏洩対策として開発された低圧本管継手活管修繕工
法を有効に実施し得るとともに、各種管壁の穿孔穴を効
果的に閉塞するところにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明においては、管壁の穿孔穴に嵌合した弾性栓体の嵌
合部を外部的手段によって拡開し、嵌合部外周面を穿孔
穴周壁面に圧接シールするようにしたことを特徴として
いる。

【００１０】すなわち、本発明に係る管壁穿孔穴の閉塞
ユニットは、管壁穿孔穴を閉塞する弾性栓体と、穿孔穴
に嵌合した弾性栓体の嵌合部を外部的手段によって拡開
して嵌合部外周面を穿孔穴周壁面に圧接シールする取付
体で構成されるもので、さらに詳しくは、周側面をテー
パー状とした略円錐台状の本体上面にボルトを突設して
なる取付体と、この取付体の本体を内面側から受け入れ
る凹部と、ボルトを上面から突出させるボルト挿通孔を
有し、管壁穿孔穴に対する嵌合部の内端面を管の内壁面
に沿った曲面形状とした弾性栓体と、前記ボルトに螺合
する締付ナットとの組み合わせからなり、ナットの締め
付けにより、穿孔穴に嵌合した弾性栓体の嵌合部を略円
錐台状本体のテーパー状周側面により拡開して嵌合部外
周面を穿孔穴周壁面に圧接シールするようにしたことを
特徴とするものである。

【００１１】取付体における略円錐台状の本体は、弾性
栓体の嵌合部の内端面から突出しない大きさとするのが
望ましく、また、嵌合部の内端面と同様に本体内端面も
管の内壁面に沿った曲面形状とするのが望ましい。

【００１２】弾性栓体の嵌合部外周面を管壁穿孔穴に向
って先細りのテーパー面とすれば、穿孔穴に対する圧入
が容易である。

【００１３】このような閉塞ユニットに用いる弾性栓体
は、管壁穿孔穴に弾性栓体を取り付ける取付体の略円錐
台状本体を内面側から受け入れる凹部と、略円錐台状本
体上面に突設したボルトを上面から突出させるボルト挿
通孔を有し、管壁穿孔穴に対する嵌合部の内端面を管の
内壁面に沿った曲面形状として構成される。

【００１４】弾性栓体は合成ゴムのような高分子弾性材
料から成形するのが望ましく、取付体は金属、硬質プラ
スチックいずれでも良い。

【００１５】

【作用】上記のような閉塞ユニットを使用した場合、管
壁穿孔穴は、嵌合部の内端面が管の内壁面に沿った曲面
形状を有する弾性栓体で閉塞されるため、管内に突出物
のない閉塞状態が得られる。

【００１６】また、締付ナットを締め付けることによ
り、取付体の略円錐台状本体のテーパー状周側面が嵌合
部を径方向外側に拡開して嵌合部外周面を穿孔穴周壁面
に圧接するため管内圧が作用した場合にも管内の圧力に
十分抗して完全な密閉状態が得られる。

【００１７】したがって、本発明による閉塞ユニット及
びこのユニット用の弾性栓体を使用すれば、ガス配管に
おける継手部漏洩対策として開発された低圧本管継手活
管修繕工法を有効に実施し得るとともに、各種管壁の穿
孔穴を効果的に閉塞することができる。

【００１８】

【実施例】以下、添附図面に示した実施例について説明
する。

【００１９】図１は、本発明に係る管壁穿孔穴の閉塞ユ
ニットの一実施態様を示す断面図で、１はガス配管にお
ける低圧鋳鉄管等の管体、２はこの管体１の管壁に形成
した穿孔穴、３はこの穿孔穴２を閉塞している閉塞ユニ
ットである。

【００２０】閉塞ユニット３は、図示の通り、合成ゴム
材料からなる弾性栓体４と取付体５からなり、取付体５
は、周側面をテーパー状とした略円錐台状の本体６と、
この本体６の本体上面に突設したボルト７からなってい
る。また弾性栓体４は、取付体の本体６を内面側から受
け入れる凹部８と、ボルト７を上面から突出させるボル
ト挿通孔９を有し、管壁穿孔穴２に対する嵌合部１０の
内端面１０ａを管の内壁面に沿った曲面形状に構成して
いる。この例では、略円錐台状の本体６の内端面６ａも
また、管の内壁面に沿った曲面形状に構成している。

【００２１】管壁穿孔穴２を閉塞する場合、あらかじめ
弾性栓体４と取付体５とを組み合わせ、ボルト７に座板
１１を挿通した上で締付ナット１２をボルト７に螺着し
て仮組しておき、弾性栓体４の嵌合部１０を管壁穿孔穴
２に圧入する。嵌合部１０の外周面を穿孔孔２に向って
先細りのテーパー面としておけば圧入が容易である。圧
入後において、締付ナット１２を締め付ければ、本体６
のテーパー状周側面により嵌合部１０が拡開されるた
め、嵌合部外周面が穿孔穴２の周壁面に圧接されて強固
なシール状態が得られ、弾性栓体４による管壁穿孔穴２
の密封シールが完了する。

【００２２】なお、図示の通り、弾性栓体４に鍔部１３
を設けて嵌合部１０の嵌合深さを規制しておけば、弾性
栓体４が管内部に突出する懸念がない。

【００２３】本例では、弾性栓体４の凹部８の周壁も図
示の通りテーパー面に形成しているが必ずしもテーパー
面とする必要はない。テーパー面とする場合は、凹部周
壁のテーパー面の傾斜度を本体６のテーパー状周側面の
傾斜度よりも小さくするものとする。

【００２４】図２は、閉塞ユニットの他例を示す要部分
解正面図で、図１の実施例と同等部分は同一符号で示
す。この例においては、弾性栓体４に形成される凹部８
をそのまま上面まで貫通させ、ボルト挿通孔９を省略し
た態様を示している。締付ナット１２を締め付ければ、
略円錐台状の本体６のテーパー状周側面が凹部８の内壁
面に圧接して凹部８からの漏れをシールするとともに、
嵌合部１０が拡開されることによって嵌合部外周面が穿
孔穴の周壁面に圧接されて強固なシール状態が得られ、
弾性栓体４による管壁穿孔穴の密封シールが完了する。

【００２５】図４は、さらに他例を示す要部分解正面図
で、図１の実施例とは鍔部１３を省略した以外はほぼ同
等である。

【００２６】図６は、略円錐台状の本体６が比較的偏平
状をなし、上面に突設されるボルト７が下端部において
本体６に螺合するとともに溶接して一体化した点におい
て図１の実施例と異っている。

【００２７】

【発明の効果】以上詳述したところから明らかな通り、
本発明に係る管壁穿孔穴の閉塞ユニット及びこれに用い
る弾性栓体は、管壁に形成された穿孔穴を閉塞シールす
る場合において、管内に突出物を生ぜず、しかも外部手
段によって弾性栓体の嵌合部を拡開することによって、
嵌合部外周面を穿孔穴周壁面に圧接シールするようにし
たので、管内圧力に抗して良好な閉塞シール状態が得ら
れるものであり、ガス配管における継手部漏洩対策とし
て開発された低圧本管継手活管修繕工法を有効に実施し
得るとともに、各種管壁の穿孔穴も効果的に閉塞し得る
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る管壁穿孔穴の閉塞ユニットの一実
施例を示す断面図。

【図２】他実施例を示す要部分解正面図。

【図３】同例における弾性栓体の側面図。

【図４】さらに他実施例を示す要部分解斜視図。

【図５】同例における弾性栓体の側面図。

【図６】さらに他実施例を示す要部分解斜視図。

【図７】同例における弾性栓体の側面図。

【符号の説明】

１……管体 ２……穿孔穴 ３……閉塞ユニ
ット ４……弾性栓体 ５……取付体 ６……略円錐台
状の本体 ６ａ……内端面 ７……ボルト ８……凹部 ９……ボルト挿通孔 １０……嵌合部 １０ａ……
内端面 １１……座板 １２……締付ナット １３……鍔
部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 周側面をテーパー状とした略円錐台状の
   本体上面にボルトを突設してなる取付体と、この取付体
   の本体を内面側から受け入れる凹部と、ボルトを上面か
   ら突出させるボルト挿通孔を有し、管壁穿孔穴に対する
   嵌合部の内端面を管の内壁面に沿った曲面形状とした弾
   性栓体と、前記ボルトに螺合する締付ナットとの組み合
   わせからなり、ナットの締め付けにより、穿孔穴に嵌合
   した弾性栓体の嵌合部を略円錐台状本体のテーパー状周
   側面により拡開して嵌合部外周面を穿孔穴周壁面に圧接
   シールするようにした管壁穿孔穴の閉塞ユニット。
2. 【請求項２】 取付体における略円錐台状の本体内端面
   が管の内壁面に沿った曲面形状を有する請求項１記載の
   閉塞ユニット。
3. 【請求項３】 嵌合部外周面が管壁穿孔穴に向って先細
   りのテーパー面をなす請求項１または２記載の閉塞ユニ
   ット。
4. 【請求項４】 管壁穿孔穴に弾性栓体を取り付ける取付
   体の略円錐台状本体を内面側から受け入れる凹部と、略
   円錐台状本体上面に突設したボルトを上面から突出させ
   るボルト挿通孔を有し、管壁穿孔穴に対する嵌合部の内
   端面を管の内壁面に沿った曲面形状としたことを特徴と
   する管壁穿孔穴の閉塞ユニット用弾性栓体。