JPH0614600Y2

JPH0614600Y2 - 車両用シ−ト

Info

Publication number: JPH0614600Y2
Application number: JP2630287U
Authority: JP
Inventors: 信広結城; 紀生伊藤; 光昭大脇; 小二郎小田
Original assignee: Tachi S Co Ltd; Mitsubishi Motors Corp
Current assignee: Tachi S Co Ltd; Mitsubishi Motors Corp
Priority date: 1987-02-26
Filing date: 1987-02-26
Publication date: 1994-04-20
Anticipated expiration: 2002-02-26
Also published as: JPS63135837U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は車両用シート（特に自動車座席）に関し、より
詳しくはシートクッション上にシートバックを倒伏せし
め、そのシートクッションをシートバックとともに、前
方の車床へ１８０度回転させ、シートクッション底面を
上向きにし、このシートクッション底面を荷台として利
用できるようにした座席に係るものである。

（従来の技術とその問題点）この種、自動車座席（サードシート）としては、シート
バックがシートクッションに対して全長が長いため、シ
ートクッション上にシートバックを倒伏させた際、シー
トクッションの前端より、シートバックの頂部が突出
し、この突出部によって、シートクッションをシートバ
ックと共に、前方のサードシートに着座した乗員が足を
置く低く形成された車床内に収容できないので、シート
バックを上部シートバック部と下部シートバック部とに
分割し、その上部シートバック部内にヘッドレストのス
テーを貫通して、ヘッドレストと共に上部シートバック
部を下部シートバック部に取付けたものがある。

従って、座席を荷台として利用する場合には、上部シー
トバック部をヘッドレストと共に下部シートバック部か
ら取り外し、下部シートバック部をシートクッション上
に倒伏させて、シートクッションと共に前方に１８０度
回転させると、シートクッションより下部シートバック
部はその全長が短いため、前方の車床に収容でき、シー
トクッションを設置した車床とともにシートクッション
底面が荷台として利用できる。また、座席として使用す
る場合にあっては、上部シートバック部をヘッドレスト
と共に、ヘッドレストのステーによって下部シートバッ
ク部に取付けて使用するが、乗員の頭部位置に応じてヘ
ッドレストの高さ位置を調整する際、ヘッドレストを上
昇せしめると、上部シートバック部を下部シートバック
部にロックするためのロック機構がないため、このヘッ
ドレストのステーとともに上部シートバック部も上昇
し、上昇した上部シートバック部を乗員が手によって下
部シートバック部側へ下降せしめなければならず、大変
煩わしかった。

この考案は、かかる点を鑑みなされたものであり、ヘッ
ドレストを上昇せしめた際、上部シートバック部が下部
シートバック部上にロックされ、ヘッドレストとともに
上部シートバック部が上昇することのない車両用シート
を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段及び作用）この考案にかかる車両用シートは、上部シートバック部
の下面にヘッドレストステーが貫通するとともに、この
貫通管の周壁に孔部を設け、下部シートバック部の頂部
に前記ヘッドレストステーが貫通する鍔部を形成したホ
ルダーを配設し、前記鍔部の内径を前記上部シートバッ
ク部の貫通管の外径より大に形成するとともに、内部に
中空部を形成して内周壁と外周壁とにそれぞれ孔部を設
け、前記鍔部の中空部に一端が外周壁から外部に突出す
る弾性材からなる係合部材を取付け、この係合部材を前
記鍔部の内周壁に形成した孔部から前記上部シートバッ
ク部の貫通管内周壁の孔部とヘッドレストステーとに係
合せしめるものであり、前記係合部材は前記ヘッドレス
トステーと前記上部シートバック部の貫通管に係合して
下部シートバック部にロックされ、前記係合部材の一端
を揺動せしめると、前記ヘッドレストステーも又は前記
上部シートバック部の貫通管と前記ヘッドレストステー
の両方との係合状態を解除し、下部シートバック部から
ヘッドレスト又はヘッドレストと上部シートバック部を
取り除すことができる。

（実施例）以下、本考案にかかる一実施例を第１図ないし第６図に
基づいて説明する。同図中、（１）は自動車座席（サー
ドシート）で、シートクッション（２）とシートバック
（３）とからなり、前記シートバック（３）が上部シー
トバック部（４）と下部シートバック部（５）とに２分
割される。この下部シートバック部（５）はリクライニ
ング装置（６）によってシートクッション（２）上に倒
伏且つ後方に傾斜できるように取付けられている。さら
に、上部シートバック部（４）の上方にはヘッドレスト
（７）が配設され、このヘッドレスト（７）には一対の
ステー（８）、（８）が一体に固定され、ステー
（８）、（８）によって、上部シートバック部（４）と
共に下部シートバック部（５）に取付けられる。すなわ
ち、上部シートバック部（４）はヘッドレスト（７）の
ステー（８）、（８）が内部に貫通し、下部シートバッ
ク部（５）からヘッドレスト（７）を取り外すと、上部
シートバック部（４）もヘッドレスト（７）とともに取
り外れる。

さらに、上部シートバック部（４）と下部シートバック
部（５）およびヘッドレスト（７）の構成について具体
的に説明する。

ヘッドレスト（７）は従来周知の構造のものであり、そ
の底面より下方に一対のステー（８）、（８）が垂設さ
れ、このステー（８）、（８）は少なくとも上部シート
バック部（４）を貫通するので、その上部シートバック
部（４）の上下方向の長さ分、従来のステーに対して長
く形成され、その一方の下部側面に、下部シートバック
部（５）の頂部にロックされるように、上下多段状のロ
ック用の切欠（８ａ）（８ａ）・・・が設けられる。

上部シートバック部（４）にはヘッドレスト（７）のス
テー（８）を貫通する通孔（９）が開孔され、その通孔
（９）内に貫通管たる合成樹脂製のホルダー（１０）が
配設され、このホルダー（１０）はその内径がステー
（８）の外径よりやや大に形成してあり、下端部（１０
ａ）が上部シートバック部（４）の下面より下方向へ突
出する。このホルダー（１０）の下端部（１０ａ）には
内部と外部とを連通する孔部（１０ｂ）が周方向に沿っ
て形成される。ホルダー（１０）の孔部（１０ｂ）は上
部シートバック部（４）をヘッドレスト（７）のステー
（８）に貫通した際、ステー（８）側面の切欠（８ａ）
に対応すべく形成される。図中（１１）は通孔（９）の
上下端部に設けた止環（ハトメ）で、表皮（１２）切れ
を防止している。また、（４ａ）は上部シートバック部
（４）の発泡体製クッション材である。

下部シートバック部（５）にはその頂部に、ヘッドレス
ト（７）のステー（８）が挿通するホルダー（１３）が
下部シートバック部（５）を形成する枠フレームに固定
した枠体に配設され、ホルダー（１３）の鍔部（１４）
が突出している。このホルダー（１３）の鍔部（１４）
は内部に中空部（１５）が形成されており、鍔部底面部
（１４ａ）が下部シートバック部（５）の頂部面に当接
する。ホルダー（１３）は鍔部（１４）の内径が上部シ
ートバック部（４）のホルダー（１０）の下端部（１０
ａ）の外径よりやや大に形成され、鍔部（１４）より下
部のホルダー（１３）の内径がヘッドレスト（７）のス
テー（８）の外径よりやや大に形成される。すなわち、
このホルダー（１３）の鍔部（１４）には内孔に上部シ
ートバック部（４）のホルダー下端部（１０ａ）が挿通
する。さらに、ホルダー（１０）の鍔部（１４）にはそ
の中空部（１５）に上部シートバック部（４）のホルダ
ー（１０）に形成した孔部（１０ｂ）とヘッドレストス
テー（８）のロック用切欠（８ａ）とに係合する係合部
材（１６）が配設される。この係合部材（１６）は板ば
ねからなり、一端（１６ａ）が鍔部（１４）の中空部
（１５）に形成した突部（１７）に巻回して固設され、
他端（１６ｂ）が鍔部（１４）の中空部（１５）から外
部に突出して設けられる。ホルダー（１３）の鍔部（１
４）にはその内周壁（１４ａ）と外周壁（１４ｂ）とに
孔部（１８）、（１９）が形成されており、内周壁（１
４ａ）の孔部（１８）は上部シートバック部（４）のホ
ルダー下端部（１０ａ）の孔部（１０ｂ）に対応する箇
所に周方向に沿って設けられ、外周壁（１４ｂ）の孔部
（１９）は係合部材（１６）の他端（１６ｂ）が一端
（１６ａ）を中心として揺動可能な範囲だけ周方向に沿
って形成される。すなわち、係合部材（１６）は一端
（１６ａ）がホルダー鍔部（１４）の中空部（１５）に
設けた突部（１７）に固定して取付け、中央部（１６
ｃ）がホルダー鍔部（１４）の内周壁（１４ａ）に形成
した孔部（１８）から上部シートバック部（４）のホル
ダー下端部（１０ａ）の孔部（１０ｂ）に係合するとと
もに、ヘッドレストステー（８）のロック用切欠（８
ａ）に係合し、他端（１６ｂ）がホルダー鍔部（１４）
の外周壁（１４ｂ）に形成した孔部（１９）から外部に
突出する。係合部材（１６）は板ばねからなるため、一
端（１６ａ）を中心として常に上部シーとバック部
（４）のホルダー（１０）とヘッドレストステー（８）
の切欠（８ａ）とに係合し、上部シートバック部（４）
とヘッドレストステー（８）とをロックしており、他端
（１６ｂ）のノブ部材（２０）を図示矢印方向へ揺動す
ると、係合部材（１６）の中央部（１６ｃ）が上部シー
トバック部（４）のホルダー（１０）側へ後退してヘッ
ドレストステー（８）の切欠（８ａ）との係合状態が解
除し、さらに図示矢印方向へ揺動せしめると、下部シー
トバック部（５）のホルダー（１３）側へ後退して上部
シートバック部（４）のホルダー（１０）との係合状態
も解除される。なお、シートクッション（２）は前部底
面が車床にヒンヂなどで前方へ回動可能に軸着されてい
る。

上記構成にかかる自動車座席は、座席として使用する際
には、上部シートバック部（４）のホルダー（１０）に
ヘッドレストステー（８）を挿通した後、下部シートバ
ック部（５）のホルダー鍔部（１４）に取付けた係合部
材（１６）のノブ部材（２０）を第４図に示すように矢
印方向へ揺動せしめると、この係合部材（１６）がホル
ダー（１３）の孔から後退するため、このヘッドレスト
ステー（８）と上部シートバック部（４）のホルダー下
端部（１０ａ）とを、下部シートバック部（５）のホル
ダー（１３）に挿通し、その後、係合部材（１６）のノ
ブ部材（２０）をはなすと、係合部材（１６）の付勢力
によって係合部材（１６）の中央部（１６ｃ）は下部シ
ートバック部（５）のホルダー鍔部（１４）の内周壁
（１４ａ）に形成した孔部（１８）から上部シートバッ
ク部（４）のホルダー下端部（１０ａ）の孔部（１０
ｂ）とヘッドレストステー（８）のロック用切欠（８
ａ）とに係合し、ヘッドレストステー（８）と上部シー
トバック部（４）とが下部シートバック部（５）にロッ
クして取付けられる。そして、着座者がこのヘッドレス
ト（７）の高さを変更したい際には、下部シートバック
部（５）のホルダー鍔部（１４）のノブ部材（２０）を
鍔部（１４）の外周壁（１４ｂ）に形成した孔部（１
９）に沿って移動せしめると、係合部材（１６）の中央
部（１６ｃ）はまずヘッドレストステー（８）のロック
用切欠（８ａ）から後退してヘッドレストステー（８）
とのロック状態が解除され、ヘッドレスト（７）を所定
の高さとしてノブ部材（２０）をはなすと、係合部材
（１６）の中央部（１６ｃ）がヘッドレストステー
（８）のロック用切欠（８ａ）に係合してロック状態と
なり、ヘッドレスト（７）を所定の高さに保持して使用
することができる。ところで、係合部材（１６）とヘッ
ドレストステー（８）のロック用切欠（８ａ）とのロッ
ク状態を解除した際には、係合部材（１６）の中央部
（１６ｃ）はヘッドレストステー（８）の外側となる上
部シートバック部（４）のホルダー下端部（１０ａ）に
形成した孔部（１０ｂ）に係合しているため、上部シー
トバック部（４）は下部シートバック部（５）にロック
されている状態となり、ヘッドレスト（７）の上昇によ
って上部シートバック部（４）が上方へ移動しない。

次に、この座席を荷台として利用する場合には、下部シ
ートバック部（５）のホルダー鍔部（１４）のノブ部材
（２０）を前記鍔部（１４）の外周壁（１４ｂ）に形成
した孔部（１９）に沿って前記ヘッドレストステー
（８）の高さ調整の場合よりもさらに移動せしめると、
下部シートバック部（５）のホルダー鍔部（１４）内の
係合部材（１６）はその他端（１６ｂ）が一端（１６
ａ）を中心として揺動し、係合部材（１６）の中央部
（１６ｃ）が下部シートバック部（５）のホルダー外周
壁（１４ｂ）方向へ移動してヘッドレストステー（８）
と上部シートバック部（４）のホルダー下端部（１０
ａ）との係合状態が解除されるため、下部シートバック
（５）からヘッドレスト（７）と上部シートバック部
（４）とを取り外し、第６図に示すように、下部シート
バック部（５）をシートクッション（２）上にリクライ
ニング装置（６）によって折畳む。さらに、このシート
クッション（２）を前部底面の軸着部を中心として１８
０度回転すると、この座席はシートクッション（２）の
底面を上向きに車床内に収容され、シートクッション
（２）を載置していた車床とシートクッション（２）の
底面とは同一平面状になり、荷物を積載することができ
る。

この自動車座席によれば、下部シートバック部（５）の
頭部にホルダー（１３）を設け、このホルダー（１３）
の鍔部（１４）に、上部シートバック部（４）のホルダ
ー（１０）とヘッドレストステー（８）とに係合する係
合部材（１６）を取付け、係合部材（１６）を揺動せし
めて、上部シートバック部（４）のホルダー（１０）を
ロック状態として下部シートバック部（５）からの移動
を規制しつつ、ヘッドレストステー（８）とのロック状
態を解除することができるため、上部シートバック部
（４）を下部シートバック部（５）に取付けた状態でヘ
ッドレスト（７）の高さ調整ができ、ヘッドレスト
（７）の高さ調整作業が容易化する。また、下部シート
バック部（５）の係合部材（１６）の操作だけで、ヘッ
ドレスト（７）と上部シートバック部（４）とを下部シ
ートバック部（５）から取り外すことができるため、そ
の取り外し作業が簡単化する。

なお、上記実施例においては、下部シートバック部
（５）のホルダー鍔部（１４）に板ばねからなる係合部
材（１６）を設けたものについて説明したが、係合部材
は板ばねに限られるものではなく、弾性を有する部材で
あればよい。

（考案の効果）この考案によれば、下部シートバック部の頂部に、内部
を中空に形成した鍔部を設けたホルダーを配設し、この
鍔部にヘッドレストステーと上部シートバック部の貫通
管とに係合する係合部材を配設し、この係合部材を揺動
せしめることにより、前記ヘッドレストステーとの係合
状態もしくはヘッドレストステーと上部シートバック部
の貫通管との係合状態が解除できるため、ヘッドレスト
のみの高さ調整を上部シートバック部の移動を規制して
行なうことができ、その操作性を簡単に行なえるととも
に、係合部材を揺動せしめて、下部シートバック部から
ヘッドレストと上部シートバック部とを取り外すことが
できるので、下部シートバック部からの上部シートバッ
ク部などの取り外し作業が容易化する車両用シートが得
られるという効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる自動車座席の斜視図、第２図
は第１図のシートバックとヘッドレストとの斜視図、第
３図は第１図のIII−III線に沿う断面図、第４図は第３
図のIV−IV線に沿う断面図、第５図は第３図に示す下部
シートバック部頂部の斜視図、第６図は第１図に示す座
席の作動状態の説明図である。図中、（３）はシートバック、（４）は上部シートバッ
ク部、（５）は下部シートバック部、（７）はヘッドレ
スト、（８）はステー、（１０）は貫通管たるホルダ
ー、（１３）は鍔部を形成したホルダー、（１４）は鍔
部、（１６）は係合部材である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者大脇光昭東京都昭島市松原町３丁目２番12号株式会社タチエス内 (72)考案者小田小二郎東京都昭島市松原町３丁目２番12号株式会社タチエス内 (56)参考文献特開昭53−60028（ＪＰ，Ａ) 実開昭59−2248（ＪＰ，Ｕ) 実開昭57−107456（ＪＰ，Ｕ)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シートクッション上にシートバックを倒伏
可能に取付け、前記シートバックを前記シートクッショ
ンに連結する下部シートバック部と、この下部シートバ
ック部と別体に成形した上部シートバック部とから構成
し、前記上部シートバック部にヘッドレストステーを貫
通して下部シートバック部の頂部に差し込み、このステ
ーによって、前記ヘッドレストと共に前記上部シートバ
ック部を前記下部シートバック部から取り外し可能に取
付けてなる車両用シートにおいて、前記上部シートバッ
ク部の下面に前記ヘッドレストステーが貫通する貫通管
を突設するとともに、この貫通管の周壁に孔部を設け、
前記下部シートバック部の頂部に前記ヘッドレストステ
ーが貫通する鍔部を形成したホルダーを配設し、前記鍔
部の内径を前記上部シートバック部の貫通管の外径より
大に形成するとともに、内部に中空部を形成して内周壁
と外周壁とにそれぞれ孔部を設け、前記鍔部の中空部に
一端が外周壁から外部に突出する弾性材からなる係合部
材を取付け、この係合部材を前記鍔部の内周壁に形成し
た孔部から前記上部シートバック部の貫通管内周壁の孔
部とヘッドレストステーとに係脱可能に配設したことを
特徴とする車両用シート。