JPH0420285Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主として自動車のシートバツクに取付
けられる差込式の車輛用ヘツドレストに関するも
のである。

（従来の技術） シートバツクの頂部に取付けられた差込式の車
輛用ヘツドレストにおいて、不使用時にはヘツド
レスト本体を前方または後方に倒して視界をよく
できるようにした前後傾倒型の車輛用ヘツドレス
トは実開昭59−14530号公報によつてすでに提案
されているが、前記公報に記載されている車輛用
ヘツドレストは、シートバツクの頂部に挿着され
たヘツドレスト支持管にヘツドレスト本体より垂
設された折畳式の支持脚を摺動自在に嵌挿保持さ
せたものであつて、不使用時にはヘツドレスト本
体をその支持脚の折畳用関節部がヘツドレスト支
持管の上端より上方に位置するまで引き上げる
と、前記折畳用関節部より前方または後方に折畳
めるようになつており、このため、不使用時にお
いてヘツドレスト本体を前方または後方に傾して
視界をよくすることはできても、折畳用関節部が
ヘツドレスト支持管の上端より若干上方に露呈さ
れることとなり、体裁が悪いうえに露呈された折
畳用関節部が乗員の身体を傷付けるおそれがあ
り、装飾上と安全上問題があるものであつた。そ
こで、本出願人は球面座部が形成された頭体を有
するヘツドレスト支持管をシートバツクの頂部に
挿着して該球面座部には前記ヘツドレスト支持管
内に連通される縦孔を有する球状支持体を前後方
向への回動ができるように嵌支するとともに前記
縦孔からヘツドレスト支持管に亘りヘツドレスト
本体の支持脚を摺動自在に挿込み保持させて前記
のような問題をなくした車輛用ヘツドレストを先
に実願昭60−157473号（実開昭62−64363号）と
して先に提案した。

（考案が解決しようとする課題） ところが先願のものはヘツドレスト本体を傾動
させた状態から正常の起立状態に復帰させる際に
球状支持体の縦孔とヘツドレスト支持管との芯合
せを行い難いので、復帰作業に手数を要するとい
う問題が残されていた。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記のような問題点を解決した前後傾
倒型の車輛用ヘツドレストを目的として完成され
たもので、球面座部が形成された頭体を有するヘ
ツドレスト支持管をシートバツクの頂部に挿着し
て該球面座部には前記ヘツドレスト支持管内に連
通される縦孔を有する回転支持体を前後いずれか
の方向への回動ができるように嵌支するとともに
前記縦孔からヘツドレスト支持管に亘りヘツドレ
スト本体の支持脚を摺動自在に挿込み保持させて
支持脚の脚端が回転支持体内に位置するまでヘツ
ドレスト本体を引き上げたときヘツドレスト本体
が回転支持体を介して前後いずれかに傾倒できる
ようにした車輛用ヘツドレストにおいて、回転支
持体の上方部の前後いずれか一方に前記ヘツドレ
スト本体が起立した正常状態にあるとき球面座部
の上方に続く当て面に当接されるストツパ部を設
けたことを特徴とするものである。

（作用） このように構成されたものは、シートバツクの
頂部上方に常時はヘツドレスト本体が位置する正
常状態を保持するもので、安定した頭部支持機能
を有するものであるが、着席者のいない不使用時
などにおいて視界をよくしたい場合には、ヘツド
レスト本体を引き上げて支持脚の脚端が頭体に形
成さている球面座部に嵌支した回転支持体内に位
置させれば、該回転支持体は前後いずれかの方向
への回動ができるものとなるから、ヘツドレスト
本体は前方または後方に該回転支持体を介し傾け
ることができる。そして、再びヘツドレスト本体
がシートバツクの頂部上方に位置する正常状態に
復帰させたい場合には、傾倒状態にあるヘツドレ
スト本体を起立させてゆき、球面座面の上方の当
て面にストツパ部が当接された時点でヘツドレス
ト本体を押し下げればよい。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説
明する。

１は支持フレーム２を上方部に内蔵させたシー
トバツクであつて、該シートバツク１の頂部には
ポリアミド樹脂等の強靭な合成樹脂材よりなるヘ
ツドレスト支持管３がその上端に一体成形された
頭体４を外部に突出させて挿込んで前記支持フレ
ーム２に保持させてあり、この頭体４にはその上
面に球面座部５とその上方に延長される立ち上り
状の当て面５ａが形成されるとともに前後壁のい
ずれか一方には上端から下向きの切欠６が形成さ
れている。７は頭体４の球面座部５に嵌支される
球状部７ａとその上方に続かせた台形状部７ｂと
よりなる回転支持体であつて、該回転支持体７に
はヘツドレスト支持管３内に連通される縦孔８が
設けられており、この回転支持体７はその両側対
向面に穿設した横穴９ａにばね１０の弾発下に基
部を嵌合させてあるボール１１を球面座部５の対
向内側壁に穿設した半球状の穴９ｂに嵌合させる
ことによつて前方向への回動ができるようになつ
ているが、該回転支持体７の上方部にあたる台形
状部７ｂの前後面のうち前記切欠６と対向しない
側にあたる一方は、後記するヘツドレスト本体２
１を起立状態としたとき前記立ち上り状の当て面
５ａに当接されて縦孔８がヘツドレスト支持管３
内に連通された状態を保持するストツパ部１２に
形成されている。１３は回転支持体７の頂部附近
に設けた抜け止め機構で、回転支持体７に設けた
スライド溝内に摺動自在に挿入されて遊端に設け
たノブ１４のみを前記スライド溝に続く凹部１６
内に突出させているＵ字状のロツクプレート１５
と、該ロツクプレート１５を常時一側に弾発する
ようばね収納部１７，１７に収納されたばね１
８，１８と、該ロツクプレート１５をガイドする
ガイド長孔１９およびガイドピン２０とよりなつ
ている。２１は回転支持体７の縦孔８からヘツド
レスト支持管３内に亘り支持脚２２を摺動自在に
挿込んだヘツドレスト本体であつて、該支持脚２
２には中間部に前記ロツクプレート１５と係合し
てヘツドレスト本体２１の高さを調節する複数個
の係止溝２３を設けるとともに下端には前記係止
溝２３と同様ロツクプレート１５に係止される抜
け止め溝２４を設けてある。なお、図示の実施例
では回転支持体７が前方向への回動のみできるよ
うになつているが、後方向への回動のみできるよ
うにしてもよく、また、回転支持体７のストツパ
部１２を実施例のような台形状部７ｂの一面をも
つて形成して回転支持体７を製作・組付容易な対
称形状とする場合には、回転支持体７の前後いず
れかへの枢動ができるようにするため回転支持体
７と球面座部５の前後いずれかの面との間に隙間
２５を形成しておくものとする。

（考案の効果） このような車輛用ヘツドレストは、常時はシー
トバツク１の頂部に頭体４を介してヘツドレスト
本体２１が設けられているので、乗員の頭部はこ
のヘツドレスト本体２１に後部が支持されて通常
のヘツドレストと同様の機能を有するものである
が、不使用時などにおいてヘツドレスト本体２１
により妨げられる視界を確保したい場合には、ヘ
ツドレスト本体２１を引き上げてその支持脚２２
の脚端が回転支持体７内に位置する第１図に２点
鎖線で示す状態とすれば、回転支持体７は頭体４
の球面座部５内において前後いずれかの方向、実
施例では前方向への回動が許されることとなるか
ら、ヘツドレスト本体２１を前後いずれかの方向
実施例では前方向に押せば、第１図に一点鎖線で
示すように傾倒され、ヘツドレスト本体２１がシ
ートバツク１の上方部前方または後方、実施例で
は前方に位置することとなつて充分な視界を確保
できることとなる。しかも、傾倒された状態にお
いても支持脚２２の脚端は頭体４の球面座部５に
嵌支された回転支持体７内にあることとなつて体
裁が損われることがないうえに支持脚２２の脚端
により乗員の身体が傷付けられるおそれが全くな
く、装飾上および安全上も優れたものである。し
かして、再びヘツドレスト本体２１を起立状態に
ある正常位置に復帰させたい場合には、ヘツドレ
スト本体２１を上向きに枢動させれば、該ヘツド
レスト本体２１が起立した正常状態にあるとき球
面座部５の上方に続く当て面５ａに当接されるス
トツパ部１２が回転支持体７の上方部の前後いず
れか一方に設けられているので、ヘツドレスト本
体２１の枢動が阻止された時点で縦孔８とヘツド
レスト支持管３とが自動的に連通されることとな
り、従つて、ヘツドレスト本体２１をそのまま押
し下げるだけで支持脚２２がヘツドレスト支持管
３に挿し込まれて正常状態に復帰され、復帰作業
や組付作業の手数を簡略化できるものとなる。

従つて、本考案は従来の前後いずれかの方向へ
の傾倒ができる型の車輛用ヘツドレストの問題点
を解決したものとして実用的価値極めて大なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠側面
図、第２図は同じく一部切欠正面図、第３図は抜
け止め機構を示す一部切欠平面図である。 １……シートバツク、３……ヘツドレスト支持
管、４……頭体、５……球面座部、５ａ……当て
面、７……回転支持体、８……縦孔、１２……ス
トツパ部、２１……ヘツドレスト本体、２２……
支持脚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 球面座部５が形成された頭体４を有するヘツド
   レスト支持管３をシートバツク１の頂部に挿着し
   て該球面座部５には前記ヘツドレスト支持管３内
   に連通される縦孔８を有する回転支持体７を前後
   いずれかの方向への回動ができるように嵌支する
   とともに前記縦孔８からヘツドレスト支持管３に
   亘りヘツドレスト本体２１の支持脚２２を摺動自
   在に挿込み保持させて支持脚２２の脚端が回転支
   持体７内に位置するまでヘツドレスト本体２１を
   引き上げたときヘツドレスト本体２１が回転支持
   体７を介して前後いずれかに傾倒できるようにし
   た車輛用ヘツドレストにおいて、回転支持体７の
   上方部の前後いずれか一方に前記ヘツドレスト本
   体２１が起立した正常状態にあるとき球面座部５
   の上方に続く当て面５ａに当接されるストツパ部
   １２を設けたことを特徴とする車輛用ヘツドレス
   ト。