JPH06144834A - 導電性酸化亜鉛の製造方法 - Google Patents
導電性酸化亜鉛の製造方法Info
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- JPH06144834A JPH06144834A JP4322257A JP32225792A JPH06144834A JP H06144834 A JPH06144834 A JP H06144834A JP 4322257 A JP4322257 A JP 4322257A JP 32225792 A JP32225792 A JP 32225792A JP H06144834 A JPH06144834 A JP H06144834A
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- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B1/00—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
- H01B1/06—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances
- H01B1/08—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances oxides
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01G—COMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
- C01G9/00—Compounds of zinc
- C01G9/02—Oxides; Hydroxides
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- Inorganic Chemistry (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 白色度に優れ、毒性がなく、粗粒分がなく粒
径分布がシャープであり、ドーパントが均一に分布して
いて粉体固有抵抗値のバラツキが少なく、体積固有抵抗
値が低い導電性酸化亜鉛を安価に製造すること。 【構成】 亜鉛蒸気と、亜鉛の沸点以下の沸点を有し且
つ酸素を含有しないドーパント形成性金属化合物から選
ばれた少なくとも1種の化合物の蒸気とからなる混合蒸
気を調製し、この際にこれらの混合比を酸化亜鉛として
計算して100重量部の亜鉛に対してドーパント形成性
金属の酸化物として計算して0.005〜5重量部の該
金属となるように調節し、該混合蒸気を酸化性ガスによ
り酸化する、導電性酸化亜鉛の製造方法。
径分布がシャープであり、ドーパントが均一に分布して
いて粉体固有抵抗値のバラツキが少なく、体積固有抵抗
値が低い導電性酸化亜鉛を安価に製造すること。 【構成】 亜鉛蒸気と、亜鉛の沸点以下の沸点を有し且
つ酸素を含有しないドーパント形成性金属化合物から選
ばれた少なくとも1種の化合物の蒸気とからなる混合蒸
気を調製し、この際にこれらの混合比を酸化亜鉛として
計算して100重量部の亜鉛に対してドーパント形成性
金属の酸化物として計算して0.005〜5重量部の該
金属となるように調節し、該混合蒸気を酸化性ガスによ
り酸化する、導電性酸化亜鉛の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性酸化亜鉛の製造方
法に関し、詳しくは、白色度に優れ、毒性がなく、粗粒
分がなく粒径分布がシャープであり、ドーパントが一様
に分布していて粉体固有抵抗値のバラツキが少なく、体
積固有抵抗値が低い導電性酸化亜鉛を安価に製造する方
法に関する。
法に関し、詳しくは、白色度に優れ、毒性がなく、粗粒
分がなく粒径分布がシャープであり、ドーパントが一様
に分布していて粉体固有抵抗値のバラツキが少なく、体
積固有抵抗値が低い導電性酸化亜鉛を安価に製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛は塗料、樹脂、ゴム、繊維中へ
の混練顔料等として有用であり、とりわけ帯電、静電防
止分野においては導電性に優れた酸化亜鉛が所望されて
いる。しかし、プラスチックの幾つかの用途に於いて、
それらの電気絶縁性が技術上の問題を引き起こしてい
る。例えば、コンピュータハウジングを用いる場合のよ
うに電気部品を比較的大きな電磁界から遮蔽する必要が
ある場合、あるいは帯電した部品から放電させる場合に
は、プラスチックの電気絶縁性は特に望ましくない。高
性能爆薬又はIC部品の保管、帯電防止処理のカーペッ
ト又は医療用ゴム製品の製造、あるいは金属用導電性接
着剤の製造においてもプラスチックの電気絶縁性は問題
を引き起こしている。
の混練顔料等として有用であり、とりわけ帯電、静電防
止分野においては導電性に優れた酸化亜鉛が所望されて
いる。しかし、プラスチックの幾つかの用途に於いて、
それらの電気絶縁性が技術上の問題を引き起こしてい
る。例えば、コンピュータハウジングを用いる場合のよ
うに電気部品を比較的大きな電磁界から遮蔽する必要が
ある場合、あるいは帯電した部品から放電させる場合に
は、プラスチックの電気絶縁性は特に望ましくない。高
性能爆薬又はIC部品の保管、帯電防止処理のカーペッ
ト又は医療用ゴム製品の製造、あるいは金属用導電性接
着剤の製造においてもプラスチックの電気絶縁性は問題
を引き起こしている。
【0003】ポリマーは導電性粒子の添加により導電性
になし得ることが知られており、プラスチックや塗料等
に混入してそれらに導電性を付与することのできる微細
物質として、金属粒子又はカーボンブラック粒子、並び
に酸化亜鉛もしくはヨウ化物(例えばヨウ化銅)の如き
半導体酸化物からなる粒子、アンチモン等をドープした
酸化錫粉末、アルミニウム等をドープした酸化亜鉛粉末
あるいは酸化錫を被覆した酸化チタン、酸化アルミニウ
ム等の粉末、並びに酸化錫を被覆したガラスファイバ
ー、チタン酸アルカリ金属塩繊維、酸化チタン繊維等の
物質等が知られている。
になし得ることが知られており、プラスチックや塗料等
に混入してそれらに導電性を付与することのできる微細
物質として、金属粒子又はカーボンブラック粒子、並び
に酸化亜鉛もしくはヨウ化物(例えばヨウ化銅)の如き
半導体酸化物からなる粒子、アンチモン等をドープした
酸化錫粉末、アルミニウム等をドープした酸化亜鉛粉末
あるいは酸化錫を被覆した酸化チタン、酸化アルミニウ
ム等の粉末、並びに酸化錫を被覆したガラスファイバ
ー、チタン酸アルカリ金属塩繊維、酸化チタン繊維等の
物質等が知られている。
【0004】金属粒子又はカーボンブラック粒子の使用
に伴なう欠点は、そのような添加剤を含むポリマーは黒
色となり、このことが多くの場合に所望されないことに
ある。ヨウ化銅を含むポリマーの化学的安定性はごく低
いものなので、この様なポリマーの用途はごく限られた
ものにすぎない。また、アンチモンをドープした酸化錫
粉末は導電性付与性に優れているがそのアンチモンドー
プに起因して青黒味の色調を呈するので白色度に問題が
あり、更にそのアンチモンの毒性が懸念され、従ってそ
の用途が限定されていた。
に伴なう欠点は、そのような添加剤を含むポリマーは黒
色となり、このことが多くの場合に所望されないことに
ある。ヨウ化銅を含むポリマーの化学的安定性はごく低
いものなので、この様なポリマーの用途はごく限られた
ものにすぎない。また、アンチモンをドープした酸化錫
粉末は導電性付与性に優れているがそのアンチモンドー
プに起因して青黒味の色調を呈するので白色度に問題が
あり、更にそのアンチモンの毒性が懸念され、従ってそ
の用途が限定されていた。
【0005】従来、導電性酸化亜鉛を製造する方法とし
ては、特開昭54−161598号、特開昭55−10
478号、特開昭58−15068号等の公報に見られ
る様な、粉末状の酸化亜鉛に酸化アルミニウム等の特定
金属化合物を添加し、固体炭素の存在下で焼成する方法
がある。しかしながらこの様な方法は、粉末状の酸化亜
鉛を出発原料とし、還元性雰囲気下で焼成してアルミニ
ウムをドープする方法であり、従って、この還元性雰囲
気下での焼成に起因して酸化亜鉛は灰色味を帯びるので
白色度に問題があった。また、高温での焼成であるため
粒子同志の焼結、粒成長等が生じて粗粒となる原因でも
あった。更には、出発原料に粉末状の酸化亜鉛を用い、
また還元焼成工程を必要とする為、工程が繁雑で、コス
ト的にもカーボンブラックの製造コストと比較して高い
ものとなっていた。
ては、特開昭54−161598号、特開昭55−10
478号、特開昭58−15068号等の公報に見られ
る様な、粉末状の酸化亜鉛に酸化アルミニウム等の特定
金属化合物を添加し、固体炭素の存在下で焼成する方法
がある。しかしながらこの様な方法は、粉末状の酸化亜
鉛を出発原料とし、還元性雰囲気下で焼成してアルミニ
ウムをドープする方法であり、従って、この還元性雰囲
気下での焼成に起因して酸化亜鉛は灰色味を帯びるので
白色度に問題があった。また、高温での焼成であるため
粒子同志の焼結、粒成長等が生じて粗粒となる原因でも
あった。更には、出発原料に粉末状の酸化亜鉛を用い、
また還元焼成工程を必要とする為、工程が繁雑で、コス
ト的にもカーボンブラックの製造コストと比較して高い
ものとなっていた。
【0006】また、特開昭56−69266号、特開昭
58−161923号、特開平1−126228号、特
開平3−115122号等の公報には、亜鉛塩並びにア
ルミニウム等の特定金属の塩を含有する溶液を中和、共
沈せしめ、還元焼成する方法が記載されている。しかし
ながら、これらの方法も上記の方法と同様に、白色度、
焼結工程の繁雑さ、及びコスト的に問題があった。
58−161923号、特開平1−126228号、特
開平3−115122号等の公報には、亜鉛塩並びにア
ルミニウム等の特定金属の塩を含有する溶液を中和、共
沈せしめ、還元焼成する方法が記載されている。しかし
ながら、これらの方法も上記の方法と同様に、白色度、
焼結工程の繁雑さ、及びコスト的に問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的、白色度
に優れ、毒性がなく、粗粒分がなく粒径分布がシャープ
であり、ドーパントが均一に分布していて粉体固有抵抗
値のバラツキが少なく、体積固有抵抗値が低い導電性酸
化亜鉛を安価に製造する方法を提供することである。
に優れ、毒性がなく、粗粒分がなく粒径分布がシャープ
であり、ドーパントが均一に分布していて粉体固有抵抗
値のバラツキが少なく、体積固有抵抗値が低い導電性酸
化亜鉛を安価に製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、亜鉛蒸気とドーパント
形成性金属化合物の蒸気とからなる特定比率の混合蒸気
を酸化することにより上記目的が達成されることを見出
して本発明を完成した。
を達成すべく鋭意研究した結果、亜鉛蒸気とドーパント
形成性金属化合物の蒸気とからなる特定比率の混合蒸気
を酸化することにより上記目的が達成されることを見出
して本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明の導電性酸化亜鉛の製造方法
は、亜鉛蒸気と、亜鉛の沸点以下の沸点を有し且つ酸素
を含有しないドーパント形成性金属化合物から選ばれた
少なくとも1種の化合物の蒸気とからなる混合蒸気を調
製し、この際にこれらの混合比を酸化亜鉛として計算し
て100重量部の亜鉛に対してドーパント形成性金属の
酸化物として計算して0.005〜5重量部の該金属と
なるように調節し、該混合蒸気を酸化性ガスにより酸化
することを特徴とする。
は、亜鉛蒸気と、亜鉛の沸点以下の沸点を有し且つ酸素
を含有しないドーパント形成性金属化合物から選ばれた
少なくとも1種の化合物の蒸気とからなる混合蒸気を調
製し、この際にこれらの混合比を酸化亜鉛として計算し
て100重量部の亜鉛に対してドーパント形成性金属の
酸化物として計算して0.005〜5重量部の該金属と
なるように調節し、該混合蒸気を酸化性ガスにより酸化
することを特徴とする。
【0010】本発明で用いるドーパント形成性金属化合
物は亜鉛の沸点以下の沸点を有し且つ酸素を含有しない
ものである。亜鉛の沸点よりも高い沸点を有するドーパ
ント形成性金属化合物についてはその蒸気をその沸点よ
りも低い温度の亜鉛蒸気と混合すると凝縮してしまい、
ドーパントとなりにくく、またそのような沸点の高い化
合物を蒸気にするためにはそれだけ余分なエネルギーが
必要となる。また、酸素を含有するドーパント形成性金
属化合物を用いると、その化合物の蒸気が高温に会うと
その金属の酸化物が生成してしまい、ドーパントとなり
得ない。
物は亜鉛の沸点以下の沸点を有し且つ酸素を含有しない
ものである。亜鉛の沸点よりも高い沸点を有するドーパ
ント形成性金属化合物についてはその蒸気をその沸点よ
りも低い温度の亜鉛蒸気と混合すると凝縮してしまい、
ドーパントとなりにくく、またそのような沸点の高い化
合物を蒸気にするためにはそれだけ余分なエネルギーが
必要となる。また、酸素を含有するドーパント形成性金
属化合物を用いると、その化合物の蒸気が高温に会うと
その金属の酸化物が生成してしまい、ドーパントとなり
得ない。
【0011】本発明で用いるドーパント形成性金属化合
物としては、ドーパントとして一般に用いられている3
価、4価又は5価の金属の化合物、例えばAl、Ga、
In、Sn、Ge、Si等のハロゲン化物(好ましくは
塩化物又は臭化物)、有機金属化合物等があり、具体的
にはAlCl3 、GaCl3 、InCl3 、SnCl
4 、GeCl4 、SiCl4 、AlBr3 、SnBr4
等がある。
物としては、ドーパントとして一般に用いられている3
価、4価又は5価の金属の化合物、例えばAl、Ga、
In、Sn、Ge、Si等のハロゲン化物(好ましくは
塩化物又は臭化物)、有機金属化合物等があり、具体的
にはAlCl3 、GaCl3 、InCl3 、SnCl
4 、GeCl4 、SiCl4 、AlBr3 、SnBr4
等がある。
【0012】本発明において、亜鉛蒸気とドーパント形
成性金属化合物の蒸気とからなる混合蒸気は、酸化室に
入る前の亜鉛蒸気流中にノズルを通してドーパント形成
性金属化合物を蒸気として又は不活性ガス中に浮遊させ
た微粉末として注入することによって容易に調製するこ
とができる。尚、ドーパント形成性金属化合物を微粉末
として注入する場合には、ドーパント形成性金属化合物
は例えば910℃の亜鉛蒸気の顕熱によりノズルを通過
する間にあるいはノズルから出た後で酸化室に入る前に
気化し、亜鉛蒸気との混合蒸気になる。この注入の際に
両者の混合比を酸化亜鉛として計算して100重量部の
亜鉛に対してドーパント形成性金属の酸化物として計算
して0.005〜5重量部の該金属となるように調節す
る。ドーパント形成性金属化合物の量が上記の範囲より
も少ない場合には充分な導電性が得られない傾向にあ
り、一方、上記の範囲よりも多く添加しても添加量に応
じた添加効果の増加が得られないだけでなく、白色度が
低下する傾向にある。
成性金属化合物の蒸気とからなる混合蒸気は、酸化室に
入る前の亜鉛蒸気流中にノズルを通してドーパント形成
性金属化合物を蒸気として又は不活性ガス中に浮遊させ
た微粉末として注入することによって容易に調製するこ
とができる。尚、ドーパント形成性金属化合物を微粉末
として注入する場合には、ドーパント形成性金属化合物
は例えば910℃の亜鉛蒸気の顕熱によりノズルを通過
する間にあるいはノズルから出た後で酸化室に入る前に
気化し、亜鉛蒸気との混合蒸気になる。この注入の際に
両者の混合比を酸化亜鉛として計算して100重量部の
亜鉛に対してドーパント形成性金属の酸化物として計算
して0.005〜5重量部の該金属となるように調節す
る。ドーパント形成性金属化合物の量が上記の範囲より
も少ない場合には充分な導電性が得られない傾向にあ
り、一方、上記の範囲よりも多く添加しても添加量に応
じた添加効果の増加が得られないだけでなく、白色度が
低下する傾向にある。
【0013】本発明においては、上記の混合蒸気を酸化
室に導き、酸化性ガスと混合して、例えば酸化室内でノ
ズルより酸化性ガスを混合蒸気に吹き込んで亜鉛を燃
焼、酸化させる。本発明においては、酸化室を開放系に
して、燃焼、酸化させるだけでも良いが、酸化室の混合
蒸気噴出ノズルの出口近傍に酸化性ガス噴出ノズルを設
け、酸化性ガスを強制的に吹きつけて混合蒸気を燃焼、
酸化させても良い。この酸化性ガスとしては空気、酸素
富化空気(例えば酸素濃度25〜50容量%)、純酸素
等が用いられるが、一般的には空気又は酸素富化空気が
用いられる。これらの酸化性ガスは室温のままで又は加
熱して用いることができる。またこの際に用いる酸化性
ガスの量は、本発明の目的に対しては、混合蒸気中の亜
鉛を酸化するのに必要な量よりもわずかに過剰な量又は
それ以上であれば、特に制限はない。尚、生成する酸化
亜鉛の粒径、粒度分布はその酸素量に幾分影響されるの
で、所望の粒径、粒度分布に応じて適当に選択すれば良
い。
室に導き、酸化性ガスと混合して、例えば酸化室内でノ
ズルより酸化性ガスを混合蒸気に吹き込んで亜鉛を燃
焼、酸化させる。本発明においては、酸化室を開放系に
して、燃焼、酸化させるだけでも良いが、酸化室の混合
蒸気噴出ノズルの出口近傍に酸化性ガス噴出ノズルを設
け、酸化性ガスを強制的に吹きつけて混合蒸気を燃焼、
酸化させても良い。この酸化性ガスとしては空気、酸素
富化空気(例えば酸素濃度25〜50容量%)、純酸素
等が用いられるが、一般的には空気又は酸素富化空気が
用いられる。これらの酸化性ガスは室温のままで又は加
熱して用いることができる。またこの際に用いる酸化性
ガスの量は、本発明の目的に対しては、混合蒸気中の亜
鉛を酸化するのに必要な量よりもわずかに過剰な量又は
それ以上であれば、特に制限はない。尚、生成する酸化
亜鉛の粒径、粒度分布はその酸素量に幾分影響されるの
で、所望の粒径、粒度分布に応じて適当に選択すれば良
い。
【0014】尚、本発明においてドーパント形成性金属
化合物としてハロゲン化物を用いる場合には、操作条件
によっては生成酸化亜鉛に極微量のハロゲン分子が吸着
されていることがあり、それでその微量のハロゲン分子
(特に塩素分子)の存在が問題となる用途に導電性酸化
亜鉛を用いる場合には、亜鉛蒸気とドーパント形成性金
属化合物の蒸気とからなる混合蒸気に吹き込む酸化性ガ
ス中に爆発下限未満の水素を混入することにより、ある
いは得られた導電性酸化亜鉛を水洗し、乾燥することに
よりハロゲン分子を吸着していない導電性酸化亜鉛を得
ることができる。
化合物としてハロゲン化物を用いる場合には、操作条件
によっては生成酸化亜鉛に極微量のハロゲン分子が吸着
されていることがあり、それでその微量のハロゲン分子
(特に塩素分子)の存在が問題となる用途に導電性酸化
亜鉛を用いる場合には、亜鉛蒸気とドーパント形成性金
属化合物の蒸気とからなる混合蒸気に吹き込む酸化性ガ
ス中に爆発下限未満の水素を混入することにより、ある
いは得られた導電性酸化亜鉛を水洗し、乾燥することに
よりハロゲン分子を吸着していない導電性酸化亜鉛を得
ることができる。
【0015】以下、本発明の製造方法を図面に基づいて
詳細に説明する:図1は本発明の製造方法に用いる装置
の一例を示す概略説明図であり、図1において1は亜鉛
精製用の精留塔、2はドーパント形成性金属化合物の蒸
気又は微粉末の導入ノズル、3は混合蒸気噴出ノズル、
4は酸化室、5は酸化性ガス噴出ノズル、6は冷却用空
気導入管、7はバッグフィルタ、8は吸引ファンをそれ
ぞれ示す。なお図1においては、ドーパント形成性金属
化合物の蒸気又は微粉末の導入ノズル2は簡略に示して
あるが、その構造は特に制限されず、ドーパント形成性
金属化合物の蒸気又は微粉末を一定速度で供給すること
ができれば良い。また、酸化性ガス噴出ノズル5も簡略
に示してあるが、その構造は特に制限されず、酸化性ガ
スを混合蒸気に直接吹きつけることができればよく、混
合蒸気噴出ノズル3から噴出された直後に瞬時に亜鉛を
酸化するように構成することが好ましい。
詳細に説明する:図1は本発明の製造方法に用いる装置
の一例を示す概略説明図であり、図1において1は亜鉛
精製用の精留塔、2はドーパント形成性金属化合物の蒸
気又は微粉末の導入ノズル、3は混合蒸気噴出ノズル、
4は酸化室、5は酸化性ガス噴出ノズル、6は冷却用空
気導入管、7はバッグフィルタ、8は吸引ファンをそれ
ぞれ示す。なお図1においては、ドーパント形成性金属
化合物の蒸気又は微粉末の導入ノズル2は簡略に示して
あるが、その構造は特に制限されず、ドーパント形成性
金属化合物の蒸気又は微粉末を一定速度で供給すること
ができれば良い。また、酸化性ガス噴出ノズル5も簡略
に示してあるが、その構造は特に制限されず、酸化性ガ
スを混合蒸気に直接吹きつけることができればよく、混
合蒸気噴出ノズル3から噴出された直後に瞬時に亜鉛を
酸化するように構成することが好ましい。
【0016】図1においては、亜鉛蒸気の発生源として
亜鉛精製用の精留塔1が用いられているが、この他に亜
鉛蒸気の発生装置としてはレトルト、ルツボ、電気炉等
も用いられる。しかし、亜鉛精製用の精留塔1を用いる
と、高純度の亜鉛蒸気が大量に連続して吐出され、しか
も亜鉛蒸気の吐出量が±10%の範囲内で安定する傾向
にあるので、図1に示すように乾式亜鉛製練工程におけ
る精留塔1に直結して用いることが好ましい。また、亜
鉛精製用の精留塔1を用いる場合、亜鉛蒸気をキャリヤ
ガスとしての不活性ガスと共に吐出させる必要がなくな
る点においても好ましい。
亜鉛精製用の精留塔1が用いられているが、この他に亜
鉛蒸気の発生装置としてはレトルト、ルツボ、電気炉等
も用いられる。しかし、亜鉛精製用の精留塔1を用いる
と、高純度の亜鉛蒸気が大量に連続して吐出され、しか
も亜鉛蒸気の吐出量が±10%の範囲内で安定する傾向
にあるので、図1に示すように乾式亜鉛製練工程におけ
る精留塔1に直結して用いることが好ましい。また、亜
鉛精製用の精留塔1を用いる場合、亜鉛蒸気をキャリヤ
ガスとしての不活性ガスと共に吐出させる必要がなくな
る点においても好ましい。
【0017】精留塔1から精製揮発された亜鉛蒸気はノ
ズル2より導入されたドーパント形成性金属化合物の蒸
気と一様に混合して混合蒸気となり、混合蒸気噴出ノズ
ル3から噴出されて酸化室4に導入される。混合蒸気噴
出ノズル3は、ノズルの閉塞を防止するために断面積が
2cm2 以上のものにすることが好ましい。また、本発
明においては、生産性を向上しかつノズルの閉塞の発生
を防止するために、亜鉛蒸気の蒸発量を6g/min 以上
とすることが好ましい。さらに、亜鉛蒸気の温度は85
0℃以上であることが好ましく、蒸気温度が850℃未
満では亜鉛が一部分未反応で残留する傾向にある。な
お、本発明に係る亜鉛蒸気をキャリヤガスとしての不活
性ガス等と共に噴出させると、混合蒸気噴出ノズル3の
出口近傍でノズルの閉塞が生じ易くなる傾向にあるの
で、亜鉛蒸気にキャリアガスを含有させずに使用するこ
とが好ましい。
ズル2より導入されたドーパント形成性金属化合物の蒸
気と一様に混合して混合蒸気となり、混合蒸気噴出ノズ
ル3から噴出されて酸化室4に導入される。混合蒸気噴
出ノズル3は、ノズルの閉塞を防止するために断面積が
2cm2 以上のものにすることが好ましい。また、本発
明においては、生産性を向上しかつノズルの閉塞の発生
を防止するために、亜鉛蒸気の蒸発量を6g/min 以上
とすることが好ましい。さらに、亜鉛蒸気の温度は85
0℃以上であることが好ましく、蒸気温度が850℃未
満では亜鉛が一部分未反応で残留する傾向にある。な
お、本発明に係る亜鉛蒸気をキャリヤガスとしての不活
性ガス等と共に噴出させると、混合蒸気噴出ノズル3の
出口近傍でノズルの閉塞が生じ易くなる傾向にあるの
で、亜鉛蒸気にキャリアガスを含有させずに使用するこ
とが好ましい。
【0018】本発明においては、混合蒸気を混合蒸気噴
出ノズル3より噴出させるのみで酸化室4を開放系にし
て燃焼、酸化させるだけでも良いが、混合蒸気噴出ノズ
ル3の出口近傍に酸化性ガス噴出ノズル5を設け、酸化
性ガスを強制的に吹きつけて混合蒸気を燃焼、酸化させ
ても良い。
出ノズル3より噴出させるのみで酸化室4を開放系にし
て燃焼、酸化させるだけでも良いが、混合蒸気噴出ノズ
ル3の出口近傍に酸化性ガス噴出ノズル5を設け、酸化
性ガスを強制的に吹きつけて混合蒸気を燃焼、酸化させ
ても良い。
【0019】本発明で使用する酸化性ガスの量は、一般
的には、混合蒸気噴出ノズル3から噴出される亜鉛蒸気
中の亜鉛に対する当量比(O2 /Zn当量比)で1より
わずかに大きい値から50程度の値までの量の酸素を供
給できる量である。酸化性ガス中の酸素量が上記範囲に
満たない場合は混合蒸気の酸化が充分に行なえず、ま
た、上記範囲を超える場合は酸化性ガスにより冷却され
て酸化が不十分になることもある。
的には、混合蒸気噴出ノズル3から噴出される亜鉛蒸気
中の亜鉛に対する当量比(O2 /Zn当量比)で1より
わずかに大きい値から50程度の値までの量の酸素を供
給できる量である。酸化性ガス中の酸素量が上記範囲に
満たない場合は混合蒸気の酸化が充分に行なえず、ま
た、上記範囲を超える場合は酸化性ガスにより冷却され
て酸化が不十分になることもある。
【0020】このようにして生成した酸化亜鉛を吸引フ
ァン8により吸引し、冷却用空気導入管6から導入した
空気で冷却した後にバッグフィルター7で回収する。
ァン8により吸引し、冷却用空気導入管6から導入した
空気で冷却した後にバッグフィルター7で回収する。
【0021】本発明においては、上述のごとく、混合蒸
気噴出ノズル3の閉塞を生じることなしに酸化亜鉛を得
ることが可能であり、従って高純度の超微粒子酸化亜鉛
を連続的に製造することが可能となる。
気噴出ノズル3の閉塞を生じることなしに酸化亜鉛を得
ることが可能であり、従って高純度の超微粒子酸化亜鉛
を連続的に製造することが可能となる。
【0022】更に、本発明により得られる導電性酸化亜
鉛を不活性又は還元性雰囲気下で200〜600℃で焼
成することにより、従来のものより粉体の体積抵抗率を
低くし、安定化することができ、また、焼成条件の還元
性雰囲気を従来より弱くすることで、白色度の低下を抑
えることもできる。
鉛を不活性又は還元性雰囲気下で200〜600℃で焼
成することにより、従来のものより粉体の体積抵抗率を
低くし、安定化することができ、また、焼成条件の還元
性雰囲気を従来より弱くすることで、白色度の低下を抑
えることもできる。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより具体的
に説明する。
に説明する。
【0024】実施例1 図1に示すような装置を用い、以下の方法で導電性酸化
亜鉛を製造した。N2パージした振動フィーダーを使用
し、キャリヤーとしてN2 を用いて、ドーパント形成性
金属化合物である塩化アルミニウム(AlCl3 )の無
水物を1.92kg/hの一定速度でノズル2より吹込
んだ。一方、亜鉛生成用の精留塔1で蒸発量30kg/
hで揮発精製した910℃の亜鉛蒸気を導入して、亜鉛
及びAlCl3 を含む混合蒸気とした。この混合蒸気を
混合蒸気噴出ノズル3より酸化室4に噴出させた。この
酸化室4は周囲から空気が自由に流入できる開放系と
し、混合蒸気が噴出するまま燃焼、酸化させた。生成し
た酸化亜鉛を、吸引ファン8により吸引し、冷却用空気
導入管6から導入した空気で冷却した後、バッグフィル
タ7にて捕集した。得られた導電性酸化亜鉛の諸特性を
それぞれ下記の方法で測定した。その結果を表1に示
す: 体積抵抗率:得られた導電性酸化亜鉛を2ton/cm2 の圧
力で加圧成形して試験片とし、該試験片の体積抵抗率を
低抵抗測定器(三菱油化製、ロレスタAP)を用いて測
定した; 比表面積:窒素ガス吸着によるBET一点法によって測
定した; 白色度:カラーコンピューター(スガ試験機(株)製、
SM−5型)を用いてL値を測定し、その値を白色度と
した。
亜鉛を製造した。N2パージした振動フィーダーを使用
し、キャリヤーとしてN2 を用いて、ドーパント形成性
金属化合物である塩化アルミニウム(AlCl3 )の無
水物を1.92kg/hの一定速度でノズル2より吹込
んだ。一方、亜鉛生成用の精留塔1で蒸発量30kg/
hで揮発精製した910℃の亜鉛蒸気を導入して、亜鉛
及びAlCl3 を含む混合蒸気とした。この混合蒸気を
混合蒸気噴出ノズル3より酸化室4に噴出させた。この
酸化室4は周囲から空気が自由に流入できる開放系と
し、混合蒸気が噴出するまま燃焼、酸化させた。生成し
た酸化亜鉛を、吸引ファン8により吸引し、冷却用空気
導入管6から導入した空気で冷却した後、バッグフィル
タ7にて捕集した。得られた導電性酸化亜鉛の諸特性を
それぞれ下記の方法で測定した。その結果を表1に示
す: 体積抵抗率:得られた導電性酸化亜鉛を2ton/cm2 の圧
力で加圧成形して試験片とし、該試験片の体積抵抗率を
低抵抗測定器(三菱油化製、ロレスタAP)を用いて測
定した; 比表面積:窒素ガス吸着によるBET一点法によって測
定した; 白色度:カラーコンピューター(スガ試験機(株)製、
SM−5型)を用いてL値を測定し、その値を白色度と
した。
【0025】また、実施例1で得られた導電性酸化亜鉛
を化学分析したところ、アルミニウム含有量は酸化亜鉛
100重量部に対して酸化アルミニウムとして2.0重
量部であった。更にX線回折分析したところ、ピーク位
置およびピーク強度が試薬酸化亜鉛のそれらと略一致し
た。従って、得られた導電性酸化亜鉛は試薬酸化亜鉛と
結晶性は同じであり、酸化亜鉛中にアルミニウムが固溶
した複合酸化物であることが確認された。
を化学分析したところ、アルミニウム含有量は酸化亜鉛
100重量部に対して酸化アルミニウムとして2.0重
量部であった。更にX線回折分析したところ、ピーク位
置およびピーク強度が試薬酸化亜鉛のそれらと略一致し
た。従って、得られた導電性酸化亜鉛は試薬酸化亜鉛と
結晶性は同じであり、酸化亜鉛中にアルミニウムが固溶
した複合酸化物であることが確認された。
【0026】さらに、実施例1において得られた導電性
酸化亜鉛を化学分析したところ、アルミニウム含有量は
酸化亜鉛100重量部に対して2.0重量部であった。
また、実施例1において得られた導電性酸化亜鉛をX線
回折分析したところ、ピーク位置およびピーク強度が原
料酸化亜鉛のそれらと略一致した。従って、得られた導
電性酸化亜鉛は原料酸化亜鉛と結晶性は同じであり、酸
化亜鉛中にアルミニウムが固溶した複合酸化物であるこ
とが確認された。
酸化亜鉛を化学分析したところ、アルミニウム含有量は
酸化亜鉛100重量部に対して2.0重量部であった。
また、実施例1において得られた導電性酸化亜鉛をX線
回折分析したところ、ピーク位置およびピーク強度が原
料酸化亜鉛のそれらと略一致した。従って、得られた導
電性酸化亜鉛は原料酸化亜鉛と結晶性は同じであり、酸
化亜鉛中にアルミニウムが固溶した複合酸化物であるこ
とが確認された。
【0027】実施例2〜5 実施例1で用いた塩化アルミニウムの代わりに塩化ガリ
ウム(実施例2)、塩化インジウム(実施例3)、塩化
第二スズ(実施例4)、予め混合した塩化ガリウム及び
塩化第二スズ(実施例5)をそれぞれ用いた以外は実施
例1と同様にして導電性酸化亜鉛を製造した。得られた
導電性針状亜鉛の諸特性をそれぞれ実施例1と同様にし
て測定した。その結果を表1に示す。
ウム(実施例2)、塩化インジウム(実施例3)、塩化
第二スズ(実施例4)、予め混合した塩化ガリウム及び
塩化第二スズ(実施例5)をそれぞれ用いた以外は実施
例1と同様にして導電性酸化亜鉛を製造した。得られた
導電性針状亜鉛の諸特性をそれぞれ実施例1と同様にし
て測定した。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例6 実施例1と同じ方法で混合蒸気を調製し、さらに酸化室
4において、混合蒸気噴出ノズル3の出口近傍に設置し
た酸化性ガス噴出ノズル8から酸素濃度が21容量%
(標準状態換算)でかつ40℃の酸化性ガスを亜鉛蒸気
へ直接吹きつけ、亜鉛を酸化させて酸化亜鉛を得た。そ
の際、表2に示すように、亜鉛蒸気中の亜鉛に対する酸
化性ガス中の酸素の当量比(O2 /Zn当量比)が5と
なるようにした。得られた導電性酸化亜鉛の諸特性をそ
れぞれ実施例1と同様にして測定し、さらに未酸化の亜
鉛量を化学分析により測定した。それらの結果を表2に
示す。
4において、混合蒸気噴出ノズル3の出口近傍に設置し
た酸化性ガス噴出ノズル8から酸素濃度が21容量%
(標準状態換算)でかつ40℃の酸化性ガスを亜鉛蒸気
へ直接吹きつけ、亜鉛を酸化させて酸化亜鉛を得た。そ
の際、表2に示すように、亜鉛蒸気中の亜鉛に対する酸
化性ガス中の酸素の当量比(O2 /Zn当量比)が5と
なるようにした。得られた導電性酸化亜鉛の諸特性をそ
れぞれ実施例1と同様にして測定し、さらに未酸化の亜
鉛量を化学分析により測定した。それらの結果を表2に
示す。
【0030】実施例7〜11 酸化性ガスを表2に示す条件とした以外は、実施例1と
同様にして導電性酸化亜鉛を製造した。得られた導電性
酸化亜鉛の諸特性をそれぞれ実施例1と同様にして測定
した。それらの結果を表2に示す。
同様にして導電性酸化亜鉛を製造した。得られた導電性
酸化亜鉛の諸特性をそれぞれ実施例1と同様にして測定
した。それらの結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例12〜14 実施例1で得た導電性酸化亜鉛を表3に示す焼成条件下
で焼成して表3に示す特性を有する導電性酸化亜鉛を得
た。
で焼成して表3に示す特性を有する導電性酸化亜鉛を得
た。
【0033】
【表3】
【0034】実施例15〜17 実施例8で得た導電性酸化亜鉛を表4に示す焼成条件下
で焼成して表4に示す特性を有する導電性酸化亜鉛を得
た。
で焼成して表4に示す特性を有する導電性酸化亜鉛を得
た。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】本発明においては、混合蒸気を酸化性ガ
スを用いて燃焼酸化させるので、ドーパントが酸化亜鉛
粒子中に均一に分布し、酸化亜鉛の結晶格子中のZnと
置換している。これにより、得られた導電性酸化亜鉛の
粉体固有抵抗は均一でバラつきがない。従って、従来技
術において用いられていたドーパントを酸化亜鉛結晶格
子中のZnと安定に置換させるための還元焼成工程は不
要であり、また従来技術の還元焼成により生じていた酸
化亜鉛結晶格子中の酸素欠陥が生成することもなく、高
い白色度を保つことが可能である。また、簡単な技術手
段により高い反応速度で連続的に製造可能であり、コス
ト的に安価である。
スを用いて燃焼酸化させるので、ドーパントが酸化亜鉛
粒子中に均一に分布し、酸化亜鉛の結晶格子中のZnと
置換している。これにより、得られた導電性酸化亜鉛の
粉体固有抵抗は均一でバラつきがない。従って、従来技
術において用いられていたドーパントを酸化亜鉛結晶格
子中のZnと安定に置換させるための還元焼成工程は不
要であり、また従来技術の還元焼成により生じていた酸
化亜鉛結晶格子中の酸素欠陥が生成することもなく、高
い白色度を保つことが可能である。また、簡単な技術手
段により高い反応速度で連続的に製造可能であり、コス
ト的に安価である。
【0037】更に、本発明により得られる導電性酸化亜
鉛を不活性又は還元性雰囲気下で焼成することにより、
従来のものより粉体の体積抵抗率を低く、安定化するこ
とができ、また、焼成条件の還元性雰囲気を従来より弱
くすることで、白色度の低下を抑えることもできた。
鉛を不活性又は還元性雰囲気下で焼成することにより、
従来のものより粉体の体積抵抗率を低く、安定化するこ
とができ、また、焼成条件の還元性雰囲気を従来より弱
くすることで、白色度の低下を抑えることもできた。
【図1】本発明の製造方法に用いられる装置の一例を示
す概略図である。
す概略図である。
1 亜鉛精製用の精留塔 2 ドーパント形成性金属化合物導入ノズル 3 混合蒸気噴出ノズル 4 酸化室 5 酸化性ガス噴出ノズル 6 冷却用空気導入管 7 バッグフィルタ 8 吸引ファン
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】削除
Claims (3)
- 【請求項1】 亜鉛蒸気と、亜鉛の沸点以下の沸点を有
し且つ酸素を含有しないドーパント形成性金属化合物か
ら選ばれた少なくとも1種の化合物の蒸気とからなる混
合蒸気を調製し、この際にこれらの混合比を酸化亜鉛と
して計算して100重量部の亜鉛に対してドーパント形
成性金属の酸化物として計算して0.005〜5重量部
の該金属となるように調節し、該混合蒸気を酸化性ガス
により酸化することを特徴とする導電性酸化亜鉛の製造
方法。 - 【請求項2】 ドーパント形成性金属化合物がAl、G
a、In、Sn、Ge又はSiの塩化物又は臭化物であ
ることを特徴とする請求項1に記載の導電性酸化亜鉛の
製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法で得た
導電性酸化亜鉛を不活性雰囲気下又は還元性雰囲気下で
200〜600℃で焼成することを特徴とする導電性酸
化亜鉛製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32225792A JP3242469B2 (ja) | 1992-11-09 | 1992-11-09 | 導電性酸化亜鉛の製造方法 |
DE69303143T DE69303143T2 (de) | 1992-11-09 | 1993-11-04 | Verfahren zur Herstellung von elektrisch leitendem Zinkoxid |
EP93117841A EP0597380B1 (en) | 1992-11-09 | 1993-11-04 | Method for preparing electrically-conductive zinc oxide |
US08/517,860 US5560871A (en) | 1992-11-09 | 1995-08-14 | Method for preparing electrically-conductive zinc oxide |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32225792A JP3242469B2 (ja) | 1992-11-09 | 1992-11-09 | 導電性酸化亜鉛の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06144834A true JPH06144834A (ja) | 1994-05-24 |
JP3242469B2 JP3242469B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=18141640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32225792A Expired - Fee Related JP3242469B2 (ja) | 1992-11-09 | 1992-11-09 | 導電性酸化亜鉛の製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
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EP (1) | EP0597380B1 (ja) |
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---|---|---|---|---|
WO2001014255A1 (fr) * | 1999-08-25 | 2001-03-01 | Showa Denko K.K. | Fines particules d'oxyde de zinc tres blanches et procede de preparation de ces dernieres |
US6416862B1 (en) * | 1999-08-25 | 2002-07-09 | Showa Denko K. K. | Ultrafine particulate zinc oxide and production process thereof |
WO2002094717A1 (en) | 2001-05-24 | 2002-11-28 | Showa Denko K.K. | Complex oxide, and production process and applications thereof |
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JP4462523B2 (ja) * | 1999-02-05 | 2010-05-12 | 昭和電工株式会社 | 超微粒子酸化亜鉛、その製造方法及びそれを用いた化粧料 |
JP2015101493A (ja) * | 2013-11-22 | 2015-06-04 | 宇部興産株式会社 | 導電性酸化亜鉛粉末およびその製造方法 |
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CN100537430C (zh) * | 1999-02-05 | 2009-09-09 | 昭和电工株式会社 | 超微粒子氧化锌及其制造方法和使用其的化妆材料 |
DE10212680A1 (de) * | 2002-03-22 | 2003-10-09 | Degussa | Nanoskaliges Zinkoxid, Verfahren zu seiner Herstellung und Verwendung |
DE10235758A1 (de) * | 2002-08-05 | 2004-02-26 | Degussa Ag | Dotiertes Zinkoxidpulver, Verfahren zu seiner Herstellung und Verwendung |
DE102004003675A1 (de) * | 2004-01-24 | 2005-08-11 | Degussa Ag | Dispersion und Beschichtungszubereitung enthaltend nanoskaliges Zinkoxid |
US20100034730A1 (en) * | 2007-05-01 | 2010-02-11 | The Hong Kong University Of Science And Technology | One-step, paste-state mechanochemical process for the synthesis of zinc oxide nanoparticles |
CN112592607B (zh) * | 2020-12-29 | 2022-01-11 | 惠州市七点光电科技有限公司 | 一种导电涂料用填料的制备方法 |
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US2331599A (en) * | 1939-07-26 | 1943-10-12 | New Jersey Zinc Co | Manufacture of zinc oxide |
US3089856A (en) * | 1960-11-10 | 1963-05-14 | New Jersey Zinc Co | Production of conductive zinc oxide |
GB1084062A (ja) * | 1965-01-21 | |||
FR1510286A (ja) * | 1966-01-13 | 1968-04-03 | ||
DE1592209A1 (de) * | 1966-08-05 | 1970-06-04 | Agfa Gevaert Ag | Verfahren zur Dotierung von Zinkoxid |
US3515686A (en) * | 1967-08-02 | 1970-06-02 | St Joseph Lead Co | Electrically conductive zinc oxide |
JPS54161598A (en) * | 1978-06-12 | 1979-12-21 | Honshu Kemikaru Kk | Manufacture of electrically conductive zinc oxide |
JPS5510478A (en) * | 1978-07-11 | 1980-01-24 | Honjiyou Chem Kk | Production of electrically conductive zinc oxide |
JPS5669266A (en) * | 1979-11-05 | 1981-06-10 | Nippon Kagaku Sangyo Kk | Manufacture of finely particulate electroconductive zinc oxide |
JPS605529B2 (ja) * | 1980-02-27 | 1985-02-12 | 住友金属鉱山株式会社 | 針状酸化亜煙の製造方法 |
JPS599506B2 (ja) * | 1981-07-15 | 1984-03-02 | 本荘ケミカル株式会社 | 導電性酸化亜鉛の製造方法 |
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-
1992
- 1992-11-09 JP JP32225792A patent/JP3242469B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-11-04 EP EP93117841A patent/EP0597380B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-11-04 DE DE69303143T patent/DE69303143T2/de not_active Expired - Fee Related
-
1995
- 1995-08-14 US US08/517,860 patent/US5560871A/en not_active Expired - Fee Related
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69303143D1 (de) | 1996-07-18 |
US5560871A (en) | 1996-10-01 |
JP3242469B2 (ja) | 2001-12-25 |
EP0597380B1 (en) | 1996-06-12 |
EP0597380A1 (en) | 1994-05-18 |
DE69303143T2 (de) | 1996-10-31 |
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