JP3242468B2 - 導電性針状酸化亜鉛の製造方法 - Google Patents

導電性針状酸化亜鉛の製造方法

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JP3242468B2
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    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G9/00Compounds of zinc
    • C01G9/02Oxides; Hydroxides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/06Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances
    • H01B1/08Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances oxides

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性針状酸化亜鉛の製
造方法に関し、詳しくは、高純度であり、白色度が高
く、主として3次元に分枝した針状であり、ドーパント
が均一に分布していて粉体固有抵抗値が小さく、バラツ
キが少ない導電性針状酸化亜鉛を安価に且つ効率良く製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛は塗料、樹脂、ゴム、繊維中へ
の混練顔料等として有用であり、とりわけ帯電、静電防
止分野においては導電性に優れた酸化亜鉛が所望されて
いる。また、かかる酸化亜鉛のうち、分枝のない針状
(ニードル状)あるいは分枝した針状(テトラポット
状)の酸化亜鉛(以下、総称して針状酸化亜鉛という)
は、粒状の酸化亜鉛に比べて少量添加で導電ネットワー
クを組める点で優れており、従って導電率が高く且つ針
状の酸化亜鉛が求められている。
【0003】針状酸化亜鉛、特に3次元に分枝した針状
(テトラポット状)酸化亜鉛の製法方法として、従来よ
りアメリカ法と呼ばれる還元ガスを含有した亜鉛蒸気を
酸化させる方法が知られているが、得られる酸化亜鉛は
粉体固有抵抗値が高く、また得られる酸化亜鉛に団塊状
のものが混在したり、針状のみのものが得られても10
00ppm程度の鉛、カドミウム等を含有するため、助
剤や添加剤としての用途には不適当であるという欠点が
ある。
【0004】また、金属亜鉛蒸気を酸化燃焼せしめた後
直ちにその生成酸化亜鉛を急冷する方法(特開昭56−
120518号)、酸化皮膜を有する亜鉛粉末を、酸素
を含む雰囲気下で加熱処理して酸化亜鉛を生成させる方
法(特開平1−252600号)、亜鉛酸アルカリ化合
物並びにアルミニウム等の特定金属塩を含有する溶液を
中和・共沈し、還元雰囲気中で焼成する方法(特開平3
−28125号)、針状酸化亜鉛分散液に炭酸アルモニ
ウム水溶液および硫酸アルミニウム水溶液を添加し、所
定時間攪拌した後に脱水して還元性雰囲気中で焼成する
方法(特開平3−60429号)、亜鉛末又は金属亜鉛
を間接的に加熱して気化せしめ、酸化する方法(特開平
3−150299号)等も知られている。しかし、これ
らの方法は量産に適さなかったり、多量のアルカリと多
量の酸が必要でありそのため生産設備、生産効率の点で
問題があったり、還元雰囲気下で焼成するため得られる
導電性針状酸化亜鉛は灰色味を帯び白色度に問題があっ
たり、ドーパントを含有していないため粉体の固有抵抗
値が高く、安定性に問題があったり、また得られる導電
性針状酸化亜鉛は導電性が未だ充分なものとはいえず、
さらなる向上が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高純
度であり、白色度が高く、主として3次元に分枝した針
状であり、且つドーパントが均一に分布していて粉体固
有抵抗値のバラツキが少ない導電性針状酸化亜鉛を安価
に且つ効率良く製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、亜鉛蒸気とドーパント
形成性金属化合物の蒸気とからなる特定比率の混合蒸気
を段階的に酸化することにより上記目的が達成されるこ
とを見出して本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明の導電性針状酸化亜鉛の製造
方法は、亜鉛蒸気と、亜鉛の沸点以下の沸点を有し且つ
酸素を含有しないドーパント形成性金属化合物から選ば
れた少なくとも1種の化合物の蒸気とからなる混合蒸気
を調製し、この際にこれらの混合比を酸化亜鉛として計
算して100重量部の亜鉛に対してドーパント形成性金
属の酸化物として計算して0.005〜5重量部の該金
属となるように調節し、該混合蒸気を酸化室内を通過さ
せ、この際該混合蒸気の流路に沿って間隔を置いて2箇
所以上に配置したノズルよりそれぞれ酸化性ガスを該混
合蒸気に吹き込んで該混合蒸気を段階的に酸化すること
を特徴とする。
【0008】本発明で用いるドーパント形成性金属化合
物は亜鉛の沸点以下の沸点を有し且つ酸素を含有しない
ものである。亜鉛の沸点よりも高い沸点を有するドーパ
ント形成性金属化合物についてはその蒸気をその沸点よ
りも低い温度の亜鉛蒸気と混合すると凝縮してしまい、
ドーパントとなりにくく、またそのような沸点の高い化
合物を蒸気にするためにはそれだけ余分なエネルギーが
必要となる。また、酸素を含有するドーパント形成性金
属化合物を用いると、その化合物の蒸気が高温に会うと
その金属の酸化物が生成してしまい、ドーパントとなり
得ない。
【0009】本発明で用いるドーパント形成性金属化合
物としては、ドーパントとして一般に用いられている3
価、4価又は5価の金属の化合物、例えばAl、Ga、
In、Sn、Ge、Si等のハロゲン化物(好ましくは
塩化物又は臭化物)、有機金属化合物等があり、具体的
にはAlCl3 、GaCl3 、InCl3 、SnCl
4 、GeCl4 、SiCl4 、AlBr3 、SnBr4
等がある。
【0010】本発明において、亜鉛蒸気とドーパント形
成性金属化合物の蒸気とからなる混合蒸気は、酸化室に
入る前の亜鉛蒸気流中にノズルを通してドーパント形成
性金属化合物を蒸気として又は不活性ガス中に浮遊させ
た微粉末として注入することによって容易に調製するこ
とができる。尚、ドーパント形成性金属化合物を微粉末
として注入する場合には、ドーパント形成性金属化合物
は例えば910℃の亜鉛蒸気の顕熱によりノズルを通過
する間にあるいはノズルから出た後で酸化室に入る前に
気化し、亜鉛蒸気との混合蒸気になる。この注入の際に
両者の混合比を酸化亜鉛として計算して100重量部の
亜鉛に対してドーパント形成性金属の酸化物として計算
して0.005〜5重量部の該金属となるように調節す
る。ドーパント形成性金属化合物の量が上記の範囲より
も少ない場合には充分な導電性が得られない傾向にあ
り、一方、上記の範囲よりも多く添加しても添加量に応
じた添加効果の増加が得られないだけでなく、白色度が
低下する傾向にある。
【0011】本発明においては、上記の混合蒸気を酸化
室内を通過させる際に混合蒸気の流路に沿って間隔を置
いて2箇所以上に配置したノズルよりそれぞれ酸化性ガ
スを混合蒸気に吹き込んで混合蒸気を段階的に酸化す
る。酸化性ガスとしては空気、酸素富化空気、純酸素等
が用いられるが、一般的には空気が用いられる。ここで
用いられる酸化性ガス噴出ノズルは混合蒸気の流路に沿
って間隔を置いて2箇所以上に配置されること、即ち2
以上の多段であることが必要である。酸化性ガス噴出ノ
ズルが1段の場合には、針状のみの導電性酸化亜鉛は得
られず、針状と粒状の混在または団塊状の導電性酸化亜
鉛しか得られない。この亜鉛蒸気を酸化させるに際し
て、第1段の酸化性ガス噴出ノズルより噴出される酸化
性ガスのみで酸化反応が終了しないことが必要であり、
従って、間隔を置いて配置した各箇所のノズルから吹き
込まれる酸化性ガスの量をそれぞれ式: A(%)=(105〜170)/n (式中、Aは亜鉛の流量に対する吹き込み酸素の当量
(%)であり、nはノズル段数であり、2以上の整数で
ある)を満足するように選ぶことが望ましく、Aの値が
小さいほど、針長は大きくなる傾向にある。尚、混合蒸
気の流路に沿って間隔を置いて配置される各箇所、即ち
各段のノズルは1本でも複数本でもよく、複数本のノズ
ルを用いる場合にはこれらのノズルを結ぶ線と混合蒸気
の流れ方向とが直交するように配置することが好まし
く、この場合には混合蒸気と酸化性ガスとの混合がより
均一となるので好ましい。
【0012】本発明においては、上記したように、第1
段の酸化性ガス噴出ノズル以降の後段の噴出ノズルから
も未反応混合蒸気を酸化させるべく酸化性ガスを導入す
るので、第1段の噴出ノズルで針状結晶を成長させ、後
段の噴出ノズルで段階的に酸化成長させることになる。
このように、多段の噴出ノズルで段階的に亜鉛の酸化を
行なうことにより、針長の一層大きい導電性針状酸化亜
鉛を効率よく製造することができる。
【0013】本発明においては、導電性針状酸化亜鉛の
形状が3次元に分枝した針状であり、その個々の針の針
長が1〜50μmであり、アスペクト比が2〜25であ
る導電性針状酸化亜鉛が容易に得られる。尚、本明細書
においては、針長は図2に示す個々の針の長さLであ
り、アスペクト比は個々の針の長さLと個々の針の根本
の直径Dとの比(L/D)である。
【0014】尚、本発明においてドーパント形成性金属
化合物としてハロゲン化物を用いる場合には、操作条件
によっては生成酸化亜鉛に極微量であるがハロゲン分子
が吸着されていることがあり、それでその微量のハロゲ
ン分子(特に塩素分子)の存在が問題となる用途に導電
性酸化亜鉛を用いる場合には、亜鉛蒸気とドーパント形
成性金属化合物の蒸気とからなる混合蒸気に吹き込む酸
化性ガス中に爆発下限未満の水素を混入することによ
り、あるいは得られた導電性針状酸化亜鉛を水洗し、乾
燥することによりハロゲン分子を吸着していない導電性
針状酸化亜鉛を得ることができる。
【0015】以下、本発明の製造方法を図面に基づいて
詳細に説明する:図1は本発明の製造方法に用いられる
装置の概略説明図であり、図1において1は亜鉛精製用
の精留塔、2はコンデンサ、3はドーパント形成性金属
化合物の蒸気又は微粉末の導入ノズル、4は混合蒸気噴
出ノズル口、5は酸化室、6は不活性ガス吹込ノズル、
7a、7b及び7cはそれぞれ酸化性ガス噴出ノズル、
8はバッグフィルタ、9は吸引ファンをそれぞれ示す。
なお図1においては、ドーパント形成性金属化合物の蒸
気又は微粉末の導入ノズル3を簡略に示しているが、そ
の構造は特に制限されず、ドーパント形成性金属化合物
の蒸気又は微粉末を一定速度で供給することができれば
良い。
【0016】図1に示されているように、亜鉛蒸気は亜
鉛精製用の精留塔1で揮発精製される。この亜鉛蒸気の
発生設備としては、レトルト、電気炉も用いることがで
きるが、上記の亜鉛精製用の精留塔が好ましく用いられ
る。揮発した亜鉛蒸気はコンデンサ2を通過した後、ノ
ズル3より導入されるドーパント形成性金属化合物の蒸
気と均一に混合して混合蒸気となり、混合蒸気噴出ノズ
ル口4より噴出されて酸化室5に導入される。
【0017】この際に、混合蒸気噴出ノズル口4での角
滓の生成を防止するために、混合蒸気噴出ノズル口4の
周囲を窒素ガス等の不活性雰囲気とする。この不活性雰
囲気は、酸化室5内に設けられた不活性ガス吹込ノズル
6より窒素ガス等を噴出することにより形成される。こ
の時のノズル口の周囲の温度は700〜1200℃とす
ることが好ましい。この周囲温度が700℃未満ではノ
ズル閉塞をもたらす角滓が生成し易くなり、一方、12
00℃を超える場合には、酸化室が高温になり過ぎてい
ることを示すものであり、得られる導電性酸化亜鉛の形
状が針状から団塊状になり易い。従って、ノズル口の温
度を検出して酸化室の温度を一定範囲に制御する必要が
ある。この温度制御は亜鉛蒸気量、不活性ガス流量によ
って行なう。この時の亜鉛蒸気量は3〜20kg/h、
好ましくは5〜12kg/h、不活性ガス流量は100
〜200Nl/min が望ましい。このような条件で操業
することによって、導電性針状酸化亜鉛の粉末化を防止
することができる。
【0018】このようにして酸化室5に導入された混合
蒸気は各段の酸化性ガス噴出ノズル7a、7b、7cか
ら吹き込まれた酸化性ガスによって順次酸化され、針状
結晶の導電性酸化亜鉛が生成される。この亜鉛蒸気を酸
化させるに際して、第1段の酸化性ガス噴出ノズル7a
より噴出される酸化性ガスのみで酸化反応が終了しない
ことが必要であり、従って、間隔を置いて配置した各箇
所のノズルから吹き込まれる酸化性ガスの量をそれぞれ
式: A(%)=(105〜170)/n (式中、Aは亜鉛の流量に対する吹き込み酸素の当量
(%)であり、nはノズル段数であり、2以上の整数で
ある)を満足するように選ぶことが望ましく、Aの値が
小さいほど、針長は大きくなる傾向にある。尚、混合蒸
気の流路に沿って間隔を置いて配置される各箇所、即ち
各段のノズル7a、7b及び7cはそれぞれ1本であっ
ても複数本であってもよく、複数本のノズルを用いる場
合にはこれらのノズルを結ぶ線と混合蒸気の流れ方向と
が直交するように配置することが好ましく、この場合に
は混合蒸気と酸化性ガスとの混合がより均一となるので
好ましい。
【0019】上記のように、第1段の酸化性ガス噴出ノ
ズル7a以降の後段の噴出ノズル(7b‥‥‥7n)か
らも未反応亜鉛蒸気を酸化させるべく酸化性ガスを導入
する。このため、第1段の噴出ノズル7aで針状結晶を
成長させ、後段の噴出ノズル(7b‥‥‥7n)で段階
的に酸化成長させることになる。このように、多段の噴
出ノズルで段階的に亜鉛の酸化を行なうことにより、針
長の大きい針状の導電性酸化亜鉛を効率よく製造するこ
とができる。生成した針状結晶の導電性酸化亜鉛は、吸
引ファン9により吸引され、バッグフィルタ8にて捕集
される。
【0020】
【実施例】以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説
明する。
【0021】実施例1 図1に示す装置を用い、以下の方法にて導電性針状酸化
亜鉛を製造した。N2パージした振動フィーダーを使用
し、キャリヤーとしてN2 を用いて、ドーパント形成性
金属化合物である塩化アルミニウム(AlCl3 )の無
水物を0.64kg/hの一定速度でノズル3より吹込
んだ。一方、亜鉛生成用の精留塔1で蒸発量10kg/
hで揮発精製した910℃の亜鉛蒸気をコンデンサ2を
通過させ、ノズル3下部に導入して、亜鉛及びAlCl
3 を含む均一な混合蒸気とした。この均一な混合蒸気を
口径80mmの混合蒸気噴出ノズル口4より10.64
kg/hの流量で室内長3mの酸化室5に導入した。酸
化室において、不活性ガス吹込ノズル6より窒素ガスを
100N1/min の流量で吹き込み、混合蒸気噴出ノズ
ル口4の周囲を窒素ガス雰囲気とした。酸化室において
第1段〜第3段の酸化性ガス噴出ノズルからそれぞれ5
0Nl/min の流量で空気を噴出させて亜鉛蒸気を段階
的に酸化した。生成した導電性針状酸化亜鉛を、吸引フ
ァンにより吸引してバッグフィルタにて捕集した。
【0022】得られた導電性針状酸化亜鉛の諸特性をそ
れぞれ下記の方法で測定した。その結果を表1に示す: 体積抵抗率:得られた導電性針状酸化亜鉛を2ton/cm2
の圧力で加圧成形して試験片とし、該試験片の体積抵抗
率を低抵抗測定器(三菱油化製、ロレスタAP)を用い
て測定した; 針長:走査電子顕微鏡(SEM)写真により個々の針の
長さを計測した。実施例1で得た導電性針状酸化亜鉛の
SEM写真を図3に示す; 白色度:カラーコンピューター(スガ試験機(株)製、
SM−5型)を用いてL値を測定し、その値を白色度と
した; アスペクト比:SEM写真より個々の針の長さLと個々
の針の根本の直径Dとを計測し、L/Dを計算して求め
た。
【0023】また、実施例1で得られた導電性針状酸化
亜鉛を化学分析したところ、アルミニウム含有量は酸化
亜鉛100重量部に対して酸化アルミニウムとして2.
0重量部であった。更にX線回折分析したところ、ピー
ク位置およびピーク強度が試薬酸化亜鉛のそれらと略一
致した。従って、得られた導電性針状酸化亜鉛は試薬酸
化亜鉛と結晶性は同じであり、酸化亜鉛中にアルミニウ
ムが固溶した複合酸化物であることが確認された。
【0024】実施例2〜5 実施例1で用いた塩化アルミニウムの代わりに塩化ガリ
ウム(実施例2)、塩化インジウム(実施例3)、塩化
第二スズ(実施例4)、予め混合した塩化ガリウム及び
塩化第二スズ(実施例5)をそれぞれ用いた以外は実施
例1と同様にして導電性針状酸化亜鉛を製造した。得ら
れた導電性針状亜鉛の諸特性をそれぞれ実施例1と同様
にして測定した。その結果を表1に示す。
【0025】実施例6 酸化性ガス噴出ノズルを5段とし、第1〜5段の酸化性
ガス噴出ノズルの空気吹込流量及び酸化室の長さを表1
に示すようにした以外は実施例1と同様にして導電性針
状酸化亜鉛を製造した。得られた導電性針状亜鉛の諸特
性をそれぞれ実施例1と同様にして測定した。その結果
を表1に示す。また実施例6で得た導電性針状酸化亜鉛
のSEM写真を図4に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明においては、混合蒸気を酸化性ガ
スを用いて燃焼酸化させるので、ドーパントが酸化亜鉛
粒子中に一様に分布し、酸化亜鉛の結晶格子中のZnと
置換している。これにより、得られた導電性針状酸化亜
鉛の粉体固有抵抗は小さく、均一でバラつきがない。従
って、従来技術において用いられていたドーパントを酸
化亜鉛結晶格子中のZnと安定に置換させるための還元
焼成工程は不要であり、また従来技術の還元焼成により
生じていた酸化亜鉛結晶格子中の酸素欠陥が生成するこ
ともなく、高い白色度を保つことが可能である。また、
簡単な技術手段により高い反応速度で連続的に製造可能
であり、コスト的に安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いられる装置の概略説明
図である。
【図2】3次元に分枝した導電性針状酸化亜鉛の個々の
針の長さLと個々の針の根本の直径Dを説明するための
概略説明図である。
【図3】実施例1で得た導電性針状酸化亜鉛の粒子構造
を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例6で得た導電性針状酸化亜鉛の粒子構造
を示す走査電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 亜鉛精製用の精留塔 2 コンデンサ 3 ドーパント形成性金属化合物導入ノズル 4 混合蒸気噴出ノズル口 5 酸化室 6 不活性ガス吹込ノズル 7a、7b、7c 酸化性ガス噴出ノズル 8 バッグフィルタ 9 吸引ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−28125(JP,A) 特開 平1−252600(JP,A) 特開 昭56−120518(JP,A) 特開 平3−60429(JP,A) 特開 平3−150299(JP,A) 特表 平5−504988(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 1/00 - 23/08 EPAT(QUESTEL) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛蒸気と、亜鉛の沸点以下の沸点を有
    し且つ酸素を含有しないドーパント形成性金属化合物か
    ら選ばれた少なくとも1種の化合物の蒸気とからなる混
    合蒸気を調製し、この際にこれらの混合比を酸化亜鉛と
    して計算して100重量部の亜鉛に対してドーパント形
    成性金属の酸化物として計算して0.005〜5重量部
    の該金属となるように調節し、該混合蒸気を酸化室内を
    通過させ、この際該混合蒸気の流路に沿って間隔を置い
    て2箇所以上に配置したノズルよりそれぞれ酸化性ガス
    を該混合蒸気に吹き込んで該混合蒸気を段階的に酸化す
    ることを特徴とする導電性針状酸化亜鉛の製造方法。
  2. 【請求項2】 ドーパント形成性金属化合物がAl、G
    a、In、Sn、Ge又はSiの塩化物又は臭化物であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の導電性針状酸化亜
    鉛の製造方法。
  3. 【請求項3】 間隔を置いて配置した各箇所のノズルか
    ら吹き込まれる酸化性ガスの量をそれぞれ式: A(%)=(105〜170)/n (式中、Aは亜鉛の流量に対する吹き込み酸素の当量
    (%)であり、nはノズル段数であり、2以上の整数で
    ある)を満足するように選ぶことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の導電性針状酸化亜鉛の製造方法。
  4. 【請求項4】 針状酸化亜鉛の形状が3次元に分枝した
    針状であり、その個々の針の針長が1〜50μmであ
    り、アスペクト比が2〜25であることを特徴とする請
    求項1、2又は3に記載の導電性針状酸化亜鉛の製造方
    法。
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