JPH0614125U - コンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配線や配管のための工数や部品点数が少な
く、コストダウンが可能なコンベアを提供する。 【構成】 トレイ等の物品を支持し移送する移送部材と
してのローラ４を支持する左右のサイドフレーム１とし
て長手方向外面に凹部４１を有する押出部材３０が用い
られ、該凹部４１の両縁部にカバー１６を差し込み可能
な溝３６，３７を設け、前記凹部４１内にカバー１６で
区画される空間２２を形成したコンベアである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、架台により固定される左右のサイドフレーム間に多数のローラや無 端ベルト等の移送部材を保持するコンベアに関し、特に繊維工場の加工ラインに 用いられパッケージが差し込まれたトレイ等の如く比較的小さい物品の搬送に適 したコンベアに関する。

【０００２】

【従来の技術】

繊維工場では、糸はパッケージの形態に加工されて機器間を搬送される。化合 繊パッケージは糸層の保護のために横置きができず、移載ロボットがパッケージ を把持しやすいように、パッケージはトレイのペグ軸で保持された状態で搬送さ れる。トレイはペグ軸が中心に立設された丸トレイとペグ軸が横向きに突設され た角トレイとがある。このトレイの搬送にはコンベアが用いられる。トレイは大 きくても３０ｃｍ前後であり、パッケージは重くても１５ｋｇ前後である。また 搬送経路は比較的屈曲箇所が多く、直線部は長くても６ｍ以内が多い。さらに小 型で短いとしても、コンベアの要所にトレイを停止させるソレノイドストッパー やトレイを横出しするシリンダ装置等が取り付けられている。

【０００３】 このようなトレイ用コンベアとして、従来、左右のサイドフレームを長さ方向 適所に設けられた架台で固定し、その両サイドフレーム間に多数のローラを保持 し、このローラを回転駆動し、ローラ上をトレイが自走する汎用コンベアが用い られる。この汎用コンベアのサイドフレームは板材を折り曲げたアングルのもの が用いられる。このアングルにローラを保持するために、アングルに多数のボル ト孔が加工され、このボルト孔にボルトを通してローラが保持される。また、架 台のアングルへの固定は溶接等で行われる。さらに、コンベアに取り付けられる ソレノイドストッパーに対するケーブルは保護管の中に収められ、シリンダ装置 に対する空気配管はそのまま、サイドフレームに沿わせて適宜の金具を用いて適 宜間隔で固定している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上述の汎用コンベアは、保護管内に収められたケーブルや空気配管 等をサイドフレームに外観がすっきりするように沿わせるとなると、相当の工数 を必要とし、固定の為の金具も多数必要であって部品点数も増えるという問題点 を有していた。

【０００５】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、配線や配管のための工数や部品点数が少なく、コス トダウンが可能なコンベアを提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のコンベアは、物品を支持し移送する移送 部材を支持する左右のサイドフレームとして長手方向外面に凹部を有する押出部 材が用いられ、該凹部の両縁部にカバーを差し込み可能な溝を設け、前記凹部内 にカバーで区画される空間を形成したものである。

【０００７】

【作用】

押出部材の凹部とこの押出部材の溝に差し込まれるカバーとで区画される空間 内に、配線と配線を収めると、外から見えなくなり、その固定も簡単ですむ。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。図１は本考案のコンベア におけるサイドフレームの斜視図、図２はコンベアの部品組立図である。まず図 ２によりコンベアの全体を説明し、次に各部分を説明する。

【０００９】 まず図２において、左右のサイドフレーム１は架台２，３で支持され、サイド フレーム１間に多数のローラ４が列設されている。このローラ４はチェーン５で 駆動され、チェーン５は両端スプロケット６，７の間に巻き掛けられ、ガイドス プロケット８，９を経てモータ１１に連結された駆動スプロケット１０によって 走行する。またサイドフレーム１には、多数のローラ４を支持するローラ受け板 １２、保護板１３、上チェーン支持板１４、下チェーン支持板１５等が取り付け られている。

【００１０】 次に図１において、サイドフレーム１としてアルミニウム合金の押出部材３０ が用いられ凹部を有する点が従来の汎用コンベアと異なる。この押出部材３０は 金型を用いてプレスで押出成形されるものである。したがって金型を所定形状に することにより、所望の凹部や溝を有し断面形状が何処でも同じ押出部材３０を 安価に得ることができる。そして図示のように、ローラ受け板１２を端から差し 込み保持するためのＬ字溝３１とローラ受け板１２用ストッパーを固定するため のＴ字溝３２、上チェーン支持板１４を端から差し込み保持するためのＬ字溝３ ３、下チェーン支持板１５を端から差し込み保持するためのＬ字溝３４、保護板 １３を上から差し込むための段付溝３５、カバー１６を上下させて差し込むため の上溝３６と下溝３７、両端スプロケット用ホルダを固定するためのＴ字溝３８ 、上下の架台やモータボックス等を固定するためのＴ字溝３９，４０、ケーブル １７や配管１８を収納するための凹部４１が設けられている。上記した上溝３６ と下溝３７はこの凹部４１の上下の両縁部に設けられ、カバー１６と共に空間２ ２を形成する。

【００１１】 更にローラ４の支持構造を説明する。ローラ受け板１２には、上が開放された 上下切り込み４５と、上下切り込み４５と連通する横切り込み４６と、上下切り 込み４５の下方にある凹穴４７が設けられている。ローラ４の軸２１の部分を上 下切り込み４５から入れて横切り込み４６の奥までスライドさせ、次に凸部付ク リップ４８を上下切り込み４５の下に差し込み凹穴４７と係合させると、ローラ ４は固定される。ローラ４の組み込みが終わると、保護板１３を上から段付溝３ ５に差し込み、保護板１３と段付溝３５の間の隙間にスペーサ４９を押し込んで 保護板１３を固定する。

【００１２】 図３及び図４によりコンベアの他の組立部分を説明する。図３はコンベアの要 部の斜視図、図４は図３のＡ−Ａ断面図である。図３に示したサイドフレーム１ は左右対称に配置されており、図示されない右方のサイドフレームは左方のサイ ドフレーム１の対称形である。ローラ４が組み込まれるローラ受け板１２は単に Ｔ字溝３１に差し込まれただけでは、位置がずれる恐れがある。そこでローラ受 け板１２の両端にストッパー５１を置き、Ｔ字溝３２に差し込まれる角ナット５ ２とボルト５３でストッパー５１を固定する。また両端スプロケット６はホルダ ５５に軸支されており、Ｔ字溝３８に差し込まれる角ナット５６とボルト５７で ホルダ５５を押出部材３０に固定する。また架台２はＴ字溝３９に差し込まれる 角ナット５８とボルト５９で押出部材３０の下面に固定される。また図４のよう にローラ４間に設けられるソレノイドストッパー２３は支持板２４を介して取り 付けられ、リード線２５は適宜加工される貫通孔２６を通って空間２２内のケー ブル１７に束ねられる。なお、配管１８も同様に空間２２内に収められる。なお 、図１の如き上下２段のコンベアにあっては、上側架台２ａをＴ字溝４０に差し 込まれる角ナット６０とボルト６１で押出部材３０の上面に固定する。

【００１３】 つぎに上述した構造のコンベアの組立手順を図３により説明する。まず予めコ ンベアに必要な長さだけの押出部材３０を切断する。この押出部材３０は固定の ためのボルト孔を加工する必要がなく、そのままの状態で架台２を角ナット５８ とボルト５９で固定する。そしてローラ受け板１２と上下チェーン支持板１４， １５とをＬ字溝３１，３３，３４の端から差し込む。チェーン５を上下チェーン 支持板１４，１５に載せ、両端スプロケット６が軸支されたホルダ５５を角ナッ ト５６とボルト５７で固定してチェーン５の巻き掛けを完了させる。そして図１ の如くローラ受け板１２にローラ４を上から順に差し込みクリップ４８で固定す るローラ組み込みを行う。また図３のストッパー５１でローラ受け板１２の両端 を固定する。そして保護板１３を上から段付溝３５に差し込み、図１の如くスペ ーサ４９を押し込んで固定する。

【００１４】 そして、図４のソレノイドストッパー２３のリード線２５や図外のシリンダへ の配管は空間２２の中に順次引き込み、空間２２内のケーブル１７及び配管１８ としてまとめて収める。つぎに、カバー１６の上部を上溝３６へ差し込み、カバ ー１６の下部を下溝３７に差し込んで組み立てを終了する。また、ケーブル１７ の点検などの際には、カバー１６を外すと簡単に点検できる。そのため、部分的 に外せるように、カバー１６は短いものが多数枚差し込まれる構造となっている 。さらに、カバー１６によってケーブル１７や配管１８は外部から見えず、コン ベア全体の外観をすっきりし、物理的にも保護され、配線工事や配管工事も簡単 になる。

【００１５】 なお上述したコンベアはローラ４を移送部材として用いた場合を説明したが、 ベルトを移送部材として用いた場合でも押出部材を使って簡単に組み立てる構造 とすることができる。また送りと戻りの二段コンベアも押出部材と架台を組み合 わせて簡単に組み立てられる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案のコンベアは、左右のサイドフレームとして長手方向外面に凹部を有す る押出部材が用いられ、該凹部の両縁部にカバーを差し込み可能な溝を設け、前 記凹部内にカバーで区画される空間を形成したものであり、この空間内に配管と 配線を収めると、外から見えなくなり、その固定も簡単ですむので、組立工数と 部品点数を大幅に削減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のコンベアにおけるサイドフレームの斜
視図である。

【図２】コンベアの部品組立図である。

【図３】本考案のコンベアの要部の斜視図である。

【図４】図３のＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

１ サイドフレーム ４ ローラ（移送部材） １６ カバー １７ ケーブル １８ 配管 ２２ 空間 ３０ 押出部材 ３６ 上溝（差し込み溝） ３７ 下溝（差し込み溝）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品を支持し移送する移送部材を支持す
   る左右のサイドフレームとして長手方向外面に凹部を有
   する押出部材が用いられ、該凹部の両縁部にカバーを差
   し込み可能な溝を設け、前記凹部内にカバーで区画され
   る空間を形成したコンベア。