JPH0614049B2 - 抗原又は抗体濃度の測定方法 - Google Patents

抗原又は抗体濃度の測定方法

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JPH0614049B2
JPH0614049B2 JP61112666A JP11266686A JPH0614049B2 JP H0614049 B2 JPH0614049 B2 JP H0614049B2 JP 61112666 A JP61112666 A JP 61112666A JP 11266686 A JP11266686 A JP 11266686A JP H0614049 B2 JPH0614049 B2 JP H0614049B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、抗原又は抗体濃度の測定方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕 従来、不溶性担体粒子に物理吸着あるいは、共有結合の
形成により抗体または抗原を固定化し、該担体粒子に固
定化された抗体又は抗原に抗原又は抗体を反応させ、そ
の反応の進行に伴う反応混合物の吸光度の増加すなわち
透過率の減少からその抗原、抗体反応の速度を測定し、
あるいは反応の集結時点の反応混合物の吸光度又は透過
率と、反応開始前の抗原又は抗体の吸光度又は透過率と
の差を測定し、さらにその速度あるいは反応開始前と反
応終結時点との吸光度又は透過率の差から被検体中の抗
原、又は抗体の濃度を定量する方法が知られている。
そして、この方法によれば、抗原又は抗体の濃度を高い
精度で迅速に定量しうる利点を有する。しかし、以下の
ような欠点が存在する。例えば不溶性担体粒子に抗体を
固定化した場合、抗原分子数が抗体分子数に比較して少
ない領域では抗原抗体反応物が、抗原分子数の増加に比
例して増加し、抗原分子数が抗体分子数より過剰の領域
では、余剰の抗原が本来ならば凝集に寄与しうる抗体分
子を中和し、抗原分子数の増加に対して、逆に抗原抗体
反応物が減少する。前者は一般に抗原(抗体)過少領域
と呼ばれ後者は一般に抗原(抗体)過剰領域と呼ばれ
る。この現象により、一般に一つの抗原抗体反応物濃度
に対して、複数の抗原又は抗体濃度が対応する。ここで
抗体と抗原を入れ替えても同一現象がみられる。
臨床検査に於ては、上記抗原過剰領域に属する被検液は
一般にその出現頻度は小さいが、抗原過剰領域に属する
被検液を誤まって抗原過少領域のものと評価した場合
は、臨床上重大な過失となる。さらには、この様な誤ま
りが発生する測定方法は臨床上の有意性が乏しいものと
なる。従って従来この様な誤まりの発生を防ぐ為に、同
一被検液に対して希釈率を変えた2以上の希釈液につい
て測定を行なう方法又は測定終了後さらに抗原又は抗体
を添加し、抗原抗体反応物濃度を測定し、抗原又は抗体
の添加により抗原抗体反応物濃度が変化しない場合に被
検液が抗原過剰領域又は抗体過剰領域に属すると判断す
る方法等が提案されている。いずれの方法に於いても同
一被検液に対して複数回の測定が必要である。
しかるに、短時間に多数の被検液を測定しうる自動測定
機が近年出現するに及び、単一測定操作内に抗原過剰領
域又は抗体過剰領域を含めた広い濃度範囲にわたる測定
方法の開発が望まれて来た。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らは、自動測定機による短時間に多数の被検液
を測定しうるに好適な測定方法を確立する目的で鋭意研
究して来た。
その結果本発明者らは、詳しくは後述するが、抗体を固
定化したラテックス懸濁液に抗原過少領域に属する抗原
濃度を持つ血清及び抗原過剰領域に属する抗原濃度を持
つ血清の2種の被検液を各々別々に添加し、例えば約2
秒攪拌した後それぞれ18秒後と120秒後との吸光度
の差を測定したところ両被検液の示す吸光度の差が一致
した。すなわちこの現象は、前記した如く、一つの抗原
抗体反応物濃度に対し2つの異なる抗原濃度が対応して
いる事を示す。そこで被検液添加後経時時間に対する吸
光度の変化を詳細に検討したところ、被検液添加後、短
時間と比較的長時間との吸光度の差を各々求めると両被
検液の該差の値が大きく異なる事を見出した。
さらに種々の抗原濃度を示す血清につき測定し、例えば
第2図に示す如く、異なる3種の特定間隔時間に於ける
吸光度の差を各々求め、吸光度の差を縦軸とし、抗原濃
度を横軸として各特定間隔時間に於ける吸光度の差と抗
原濃度との間の対応曲線を得た。
従来、一定濃度の抗体に対する抗原抗体反応混合物濃度
は一定濃度の抗原に対して最高値を示し、この最高値を
示す抗体と抗原との濃度比を最適比と呼び、該比は抗体
と抗原各々の特性により決定されるものと考えられてい
た。
しかるに本発明者らは、一定濃度の抗体に対し異なる3
種のある間隔時間に於ける抗原抗体反応混合物濃度の最
高値を示す抗原濃度、すなわち最適化を示す抗原濃度が
上記時間の設定条件により大きく異なる事を見出した。
さらに本発明者らは、異なる間隔時間に於ける少くとも
2つの対応曲線を使用する事により、1つの対応曲線の
みを使用する従来の測定方法と比較して広い濃度範囲に
わたり測定しうる事を見出した。
しかしながら、本発明者らはある間隔時間の設定条件に
よっては異なる間隔時間に於ける対応曲線であっても、
極大値を示す抗原濃度が間隔時間に於ける対応曲線と比
較して実質的に変化しない場合がある事も同時に見出し
た。
本発明者らは、上記のような種々のケースの現象に基づ
き、更に種々の間隔時間に於ける対応曲線を得て、各対
応曲線上の極大値を示す抗原濃度を求めたところ特定の
条件を満たす少くとも2つの対応曲線を使用する事によ
り巾広い抗原又は抗体濃度につき測定しうることを見出
し本発明を完成させ、ここに提案するに至った。
即ち、本発明は、不溶性担体粒子に抗体又は抗原を固定
化し、該担体粒子に固定化された抗体又は抗原に既知濃
度の抗原又は抗体を反応させ、反応開始後の2点以上の
経過した時点で上記反応に於ける反応物の光の吸光度又
は透過率の変化を測定し、一定間隔時間に於ける吸光度
又は透過率の差と抗原又は抗体濃度との間の対応曲線
(A)と上記一定間隔時間とは異なる特定間隔時間に於け
る吸光度又は透過率の差と抗原又は抗体濃度との間の対
応曲線(B)との少なくとも2つの対応曲線を求め、対応
曲線(A)と対応曲線(B)とを使用して未知濃度の被検液の
抗原又は抗体濃度を測定するに際し、対応曲線(A)と対
応曲線(B)との間に、対応曲線(A)の極大値が対応曲線
(B)の極大値より低濃度側に存在し、対応曲線(A)の極大
値に相当する抗原又は抗体濃度に於ける対応曲線(B)の
吸光度又は透過率の差は該対応曲線(A)の極大値の吸光
度又は透過率の差の2分の1以下であり、且つ対応曲線
(A)の極大値に相当する抗原又は抗体濃度に於ける対応
曲線(A)と対応曲線(B)の測定単位時間当たりの傾きは対
応曲線(A)の方が対応曲線(B)よりも小さい関係を有する
対応曲線(A)及び対応曲線(B)を使用し、対応曲線(A)の
測定上限を超える濃度範囲では対応曲線(B)を、対応曲
線(B)の測定下限より低い濃度範囲では対応曲線(A)を、
両限界間の濃度範囲では対応曲線(A)又は対応曲線(B)を
用いて濃度を決定することを特徴とする抗原又は抗体濃
度の測定方法である。
本発明においては不溶性担体粒子に抗体又は抗原を固定
化し、該担体粒子に固定化された抗体又は抗原に抗原又
は抗体を反応させ、2点以上の経時的変化した時点で光
を照射し、上記反応における反応物の光の吸光度又は透
過率の変化を測定し、一定時間に於ける該吸光度又は透
過率の差を求めることを行う。
一般に上記不溶性担体粒子は抗原,抗体反応に使用され
る公知のものが特に限定されず使用される。例えばその
平均粒子径は1.0μm程度以下、好ましくは0.05〜0.4μ
mの不溶性担体粒子が好適に用いられる。これに抗体又
は抗原を固定化し、次いで被検液中の抗原又は抗体を反
応させ、その反応混合物の吸光度又は透過率を例えば4
00〜1000nm好ましくは500〜950nmの範
囲の波長の光線で測定し、その反応速度ないし反応開始
前と反応終結時点との吸光度又は透過率の差を求める。
上記の方法に於いて被検液中の抗原又は抗体はそのいず
れかが含まれるのが一般的であるが抗原及び抗体の混合
物として使用することも出来る。
測定に用いる光線は反応の進行に対する吸光度又は透過
率が比較的大きく感度に優れかつ、被検液中に通常共存
する乳ビ,ヘモグロビン,ビリルビン等の干渉が比較的
少ない上記波長域が好適である。
不溶性担体粒子の粒子径については、粒子径が大きい場
合凝集に伴う粒子径の変化量は大きいが凝集反応速度が
遅く、粒子径が小さいとブラウン運動性が活発で凝集反
応速度は速いが一次粒子径が小さい為に凝集反応にとも
なう粒子径の変化量は小さい。本発明に於て以上の理由
より上記粒子径と測定波長との組み合せが好適である。
前記不溶性担体粒子としては測定を行なう時に用いられ
る液体媒体に実質的に不溶性で、前記平均粒子径を有す
る物質の粒子が使用される。これらの粒子はすでに抗原
抗体反応に使用されるものが種々知られていて本発明に
あってもこれらの公知の微粒子が特に限定されず使用出
来る。特に好適に使用されるものを例示すると例えばポ
リスチレン,スチレンーブタジエン共重合体,スチレン
ーメタクリル酸共重合体,ポリグリシジルメタクリレー
ト,アクロレインーエチレングリコールジメタクリレー
ト共重合体の様な乳化重合により得られる有機高分子ラ
テックス等の有機高分子物質の微粒子あるいはシリカ,
シリカーアルミナ,アルミナの様な無機酸化物又は該無
機酸化物等にシランカップリング処理等の操作で官能基
を導入した無機粒子等である。
本発明に於て抗体又は抗原は、特に限定的でなく、公知
のものが使用できる。好適に使用される代表的なものを
例示すれば、例えば、変性ガンマグロブリン,抗核因
子,ヒトアルブミン,抗ヒトアルブミン抗体,イムノグ
ロブリンG(IgG),抗ヒトIgG抗体,イムノグロ
ブリンA(IgA),抗ヒトIgA抗体,イムノグロブ
リンM(IgM),抗ヒトIgM抗体,抗ヒトIgE抗
体,ストレブトリジンO,ストレブトキナーゼ,ヒアル
ロニターゼ,C−反応性蛋白(CRP),抗ヒトCRP抗
体,アルファ−フェトブロティン(AFP),抗AFP抗
体,癌胎児性抗原(CEA),抗ヒトCEA抗体,ヒト絨
毛性ゴナドトロビン(HCG),抗HCG抗体,抗エスト
ロゲン抗体,抗インシュリン抗体,B型肝炎表面抗原
(HBs),抗HB抗体,梅毒トレポネマ抗原,風疹抗
原,インフルエンザ抗原,補体Clq,抗Clq抗体,
抗C抗体,抗C抗体,抗トランスフェリン抗体,等
である。
本発明に於てはこの様な不溶性担体粒子に測定対象の被
検液中の抗原又は抗体と反応しうる抗体又は抗原を固定
化する。
この場合上記固定化方法は物理的吸着,化学的共有結合
の形成のいずれでも良いが、物理的吸着能の高い蛋白例
えば抗体や高分子量蛋白の固定には物理的吸着が好適で
あり、物理的吸着能の低いホルモン類,ハプテン類の固
定化には化学的共有結合の形成が好適に用いられる。固
定化方法についてはすでに多くの方法が提案されてお
り、固定化する抗体又は抗原の特性に合わせ公知の方法
から固定化方法を選択すると良い。一般には分散媒中で
抗体又は抗原を必要に応じて緩衝液又は架橋剤存在下に
不溶性担体粒子を混合すればよい。上記抗体又は抗原を
固定化した不溶性担体粒子の分散媒は特に限定されない
が、不溶性担体粒子の保存中の安定性と、凝集反応時の
反応の再現性の観点からみて、グリシン−水酸化ナトリ
ウム緩衝液,トリス−塩酸緩衝液,塩化アンモニウム−
アンモニア緩衝液,リン酸緩衝液等の緩衝液が好適に使
用される。
上記抗体又は抗原を固定化した不溶性担体粒子濃度は特
に限定されるものではないが一般には該濃度が抗原抗体
反応時点で0.005重量%以上好ましくは0.02〜0.20重量
%となる様に選ぶのが好適である。
該懸濁液を用いて被検液中の抗原又は抗体濃度を測定す
る方法は、まず該懸濁液と被検液とを実質的に一定条件
下で反応させ、反応開始後一定時間を経過した後の一定
間隔時間内に於ける吸光度又は透過率の差を求める方法
である。この方法に於ては該懸濁液と被検液とを、好ま
しくは一定条件の攪拌下に混合し、好ましくは攪拌終了
後2〜3秒以後の2以上の時点で測定するのが望まし
い。
勿論被検液中の抗原又は抗体はこれらの混合物の状態で
使用してもよい。
この様な抗原又は抗体濃度の測定方法は例えば以下の如
く実施しうる。
まず一定の平均粒子径を有する不溶性担体粒子にある一
定の抗体又は抗原を固定化し、該懸濁液を調製する。次
いで被検液中に含まれる抗原又は抗体と同一又はほぼ同
一の抗原又は抗体を、被検液の媒体と同一又はほぼ同一
の媒体を用いて希釈しあるいは濃縮し、種々の既知濃度
の標準被検液を調製する。次いで一定条件下に於て該懸
濁液と該標準被検液とを混合し、反応開始後の2点以上
の経過した時点で上記反応に於ける反応物の光の吸光度
又は透過率の変化を測定し、一定間隔時間に於ける吸光
度又は透過率の差を得る。次にこの吸光度又は透過率の
差を例えば縦軸に、標準被検液中の抗原又は抗体濃度を
例えば横軸としたグラフにプロットする。例えば、第2
図には後述する実施例2のデータをプロットした。該第
2図の曲線1に示すような被検液中の抗原又は抗体濃度
と反応混合物の吸光度又は透過率の差の対応曲線(A)即
ち検量曲線(A)が得られる。
次いで標準被検液中の抗原又は抗体と同一又はほぼ同一
の抗原又は抗体を含む濃度未知の被検液につき、上記対
応曲線(A)を得た条件と同一条件下で吸光度又は透過率
の差を得、上記対応曲線(A)と対比する事により被検液
中に含まれる抗原又は抗体量を測定しうる。しかしなが
ら、前記した如く一般には一つの抗原抗体反応物濃度に
複数の抗原又は抗体濃度が対応し、抗原又は抗体濃度が
一義的に決定できず、広い濃度分布を有する抗原又は抗
体濃度を単一操作により決定する事が困難である。
そのために本発明にあっては次のような操作で対応曲線
(B)を作成する。
すなわち、上記対応曲線(A)を得たと同一の測定操作内
に於て、反応開始後、好ましくは該懸濁液と被検液とを
攪拌し、混合した後さらに2〜3秒以上経過し実質的に
反応系が安定化した後の上記一定間隔時間とは異なる特
定間隔時間を下記の条件を満たす様に設定する。すなわ
ち、上記特定間隔時間の設定に当たり、まず対応曲線
(A)の極大値に相当する抗原又は抗体濃度に於ける特定
間隔時間に対する吸光度又は透過率の差が該対応曲線
(A)の極大値の吸光度又は透過率の差の2分の1以下で
あり、且つ対応曲線(A)の極大値に相当する抗原又は抗
体濃度に於ける一定間隔時間と特定間隔時間内の測定単
位時間当たりの吸光度又は透過率の変化量すなわち傾き
が、一定間隔時間の場合の方が特定間隔時間よりも小さ
い関係を有する様に特定間隔時間を設定する。
上記条件を満たす限り上記特定間隔時間の設定は特に限
定的ではないが一般には、上記反応が開始した時点を0
秒とし、反応開始後a秒後a秒よりさらに経過したb秒
後との間を一定間隔時間とし、特定間隔時間を反応開始
後c秒後とc秒よりさらに経過したd秒後との間の特定
時間とした場合に、c秒がa秒以前にあり、d秒がb秒
以前にある場合すなわち特定間隔時間を一定間隔時間よ
りも反応開始時点に近く設定する事により前記特定間隔
時間の設定が容易に行なえる。なお、c秒がa秒より後
であっても前記特定間隔時間の条件を満たす限り本発明
は実施しうる。またc秒をa秒と同一とした場合本発明
に於ける一定間隔時間と特定間隔時間に於ける吸光度又
は透過率の差は反応開始後の最低3時点の吸光度又は透
過率を測定することで求めうる。またd秒とa秒とを同
一とした場合も同様して最低3時点の測定で良い。
標準被検液について得た上記特定間隔時間に於ける吸光
度又は透過率の差を例えば縦軸に、標準被検液中の抗原
又は抗体濃度を例えば横軸としたグラフにプロットする
と、被検液中の抗原又は抗体濃度と反応混合物の吸光度
又は透過率の差の対応曲線(B)が得られる。かくして得
られた対応曲線(B)の極大値に比して対応曲線(A)の極大
値は低濃度側にある。
本発明の抗原又は抗体濃度の測定に際しては前記対応曲
線(A)と対応曲線(B)との少くとも2つの対応曲線を使用
する。
一般に、対応曲線を用いて抗原又は抗体濃度を検量する
時に、得られる測定値の正確性及び再現性は検量する抗
原又は抗体濃度の濃度域により変化する。一方、測定値
を臨床的に使用する上で測定値の正確性及び再現性には
各々許容限界が存在する。
この為に、2つの対応曲線を使用するに当たっては各々
の検量する抗原又は抗体濃度の上限及び下限をあらかじ
め設定する必要がある。対応曲線を用いて検量する方法
として一般的には該対応曲線に比較的良く近似する近似
式を選び、対応曲線に近似させて検量するが、該対応曲
線の極大値付近では近似が不良になる傾向がある。
ここで正確性を評価する指標として、既知濃度の被検液
を測定して得た測定値として例えば時間間隔内の吸光度
の差の値を近似式に代入して得られる検量値が、該被検
液中の既知濃度に対して±5%の範囲内である場合を正
確性が5%以内として高度の正確性を有する抗原又は抗
体濃度とし、同様に正確性が5%を超して10%未満の場
合を中程度の正確性を有する抗原又は抗体濃度とし、10
%を超す場合を低度の正確性を有する抗原又は抗体濃度
とする。測定項目によっては、臨床的な正確性の許容限
界が広がる場合もあるが、一般的には高度の正確性を有
する抗原又は抗体濃度をもって対応曲線の上限を設定す
れば臨床的に良好に使用できる。
次いで、再現性を評価する指標として、既知濃度の被検
液を繰り返し測定して得た測定値の変動係数を求める。
例えば同時に5回測定した場合の測定値として例えば時
間間隔内の吸光度の差の値から変動係数を計算して、変
動係数が5%以内の場合を高度の再現性を有する抗原又
は抗体濃度とし、同様に再現性が5%を超して10%未満
の場合を中程度の再現性を有する抗原又は抗体濃度と
し、10%を超す場合を低度の再現性を有する抗原又は抗
体濃度とする。再現性の場合は、一般的に測定値が低値
を示す低濃度範囲で低下する傾向がある。上記正確性の
場合と同様に、再現性についても測定項目によっては、
臨床的な再現性の許容限界が広がる場合もあるが、一般
的には高度の再現性を有する抗原又は抗体濃度をもって
対応曲線の下限を設定すれば臨床的に良好に使用でき
る。
なお、対応曲線の低濃度範囲について、上記の再現性に
より設定した下限よりも高い濃度範囲において正確性が
劣る場合には上記対応曲線の上限の設定と同様にして、
対応曲線の下限を設定すれば臨床的に良好に使用でき
る。
対応曲線(A)と同(B)を組み合わせて測定する場合、低濃
度範囲の抗原又は抗体濃度を対応曲線(A)で検量し、上
記方法で決定した対応曲線(A)の上限を超える抗原又は
抗体濃度を対応曲線(B)で検量すれば良い。未知試料を
測定する場合には、まず被検液を測定して吸光度の差の
値を求め、あらかじめ得た対応曲線(A)の近似式に代入
して抗原又は抗体濃度を求める。得られた抗原又は抗体
濃度が上記の上限以下であれば得られた値をもって検量
値とする。得られた抗原又は抗体濃度が上記の上限を超
した場合は、次いで対応曲線(B)の近似式に代入して抗
原又は抗体濃度を求め、得られた値をもって検量値とす
る。なお得られた値が対応曲線(B)の上限を超す場合は
その旨を示せば良い。
また逆に高濃度範囲の抗原又は抗体濃度を対応曲線(B)
で検量し、上記方法で決定した対応曲線(B)の下限より
低い抗原又は抗体濃度を対応曲線(A)で検量しても良
い。なお対応曲線(A)の上限及び対応曲線(B)の下限の間
に抗原又は抗体濃度の重なる範囲がある場合は両対応曲
線の正確性と再現性を各々勘案して対応曲線(A)又は同
(B)を用いる基準となる抗原又は抗体濃度を決定すれば
良い。
以上は、対応曲線(A)および同(B)とそれら上の上限値お
よび下限値を直接用いて検量する方法であるが、両対応
曲線以外の対応曲線(以下、他の対応曲線ともいう)を
別途作成し該他の対応曲線上に先の上限値および下限値
に対応する各基準値を設けておき、他の対応曲線および
この基準値を使用してまず対応曲線(A)または同(B)のい
づれを使用するかを判別し次いで決定された対応曲線を
用いて検量することも可能である。
抗原又は抗体濃度の臨床上必要とする濃度範囲を上記2
つの対応曲線では測定し得ない場合はさらに対応曲線を
追加することができる。新たに対応曲線を対応曲線(A)
よりも低濃度側に設ける場合は上記対応曲線(A)を対応
曲線(B)とし、新たに設ける対応曲線を対応曲線(A)とし
て、前記の対応曲線(A)と対応曲線(B)との間の条件を満
たす様にする。
一方、新たに対応曲線を対応曲線(B)よりも高濃度側に
設定する場合は、上記対応曲線(B)を対応曲線(A)とし
て、前記の条件を満たす様に新たに対応曲線(B)を得
る。
なお、一定間隔時間及び特定間隔時間の設定については
吸光度又は透過率の変化量を勘案し、測定する抗原又は
抗体ごとに好適な条件を選択すれば良い。
以上の説明で明らかなように、例えば第1図に示す如く
一定間隔時間に於ける光の吸光度又は透過率の差が同一
でかつ抗原濃度が異なる2種の被検液について特定間隔
時間に於ける光の吸光度又は透過率の差を求めると両者
は明らかに異なる。そして少なくとも2つの対応曲線を
組み合わせて使用する事により被検液中の抗原又は抗体
濃度を一義的に決定する事が可能となる。
前記したように第2図は後述する実施例2の第2表に示
したデータをプロットしたものである。
すなわち、第2図に於ける3種の対応曲線につき図中左
上に位置する対応曲線より順に曲線1,曲線2,曲線3
とした場合、本発明でいうところの対応曲線(A)と対応
曲線(B)に該当する組み合せは以下の如くなる。
組み合せ例1として対応曲線(A)が曲線1であり、対応
曲線(B)が曲線2の場合、組み合せ例2として対応曲線
(A)が曲線1であり対応曲線(B)が曲線3の場合、組み合
せ例3として対応曲線(A)が曲線2であり、対応曲線(B)
が曲線3の場合がある、しかも対応曲線(A)と対応曲線
(B)とに該当する各曲線の間には、対応曲線(A)の極大値
が対応曲線(B)の極大値より低濃度側に存在し、対応曲
線(A)の極大値に相当する抗原又は抗体濃度に於ける対
応曲線(B)の吸光度又は透過率の差は該対応曲線(A)の極
大値の吸光度又は透過率の差の2分の1以下であり、且
つ対応曲線(A)の極大値に相当する抗原又は抗体濃度に
於ける対応曲線(A)と対応曲線(B)の測定単位時間当たり
の傾きは対応曲線(A)の方が対応曲線(B)よりも小さい関
係がある。
従って、抗原又は抗体濃度の測定に際しては必要に応じ
て上記各組合せ例を適宜選択すればよい。
前記説明の現象の説明として本発明者らは、この現象が
以下の反応過程に従っているものと推定している。すな
わち不溶性担体が凝集に致るまでにまず遊離の抗原と不
溶性担体に固定化された抗体との間の反応(1)が生じ、
次いで不溶性担体と反応した抗原と他の不溶性担体に固
定化された反応に寄与しうる抗体との間の反応(2)とか
ら成る。各反応はそれぞれ抗原と抗体との衝突頻度すな
わち抗原濃度と抗体濃度の積に依存しており、第1図に
示した抗原過少領域に於ては抗原過剰領域に於ける場合
と比較して反応(1)に於ける遊離抗原濃度が低く反応(1)
の速度が相対的に低いのに対し、反応(2)に於ける反応
に寄与しうる抗体の濃度が高い為に反応(2)の速度が相
対的に高くなる。一般に、吸光度又は透過率は系中の凝
集粒子の大きさによって変化する。即ち、大きな凝集粒
子が生成するほど、系の吸光度は増大する(透過率は反
対に減少する。) 抗原過少領域では前述の通り反応(1)及び反応(2)が進行
して抗原の量に応じて凝集粒子が生長しその大きさに応
じて吸光度が上昇していく。一方、抗原過剰領域では抗
原が過剰にあるため反応が優先的におこる結果、更に凝
集粒子を生長させる未反応の抗体の残存量が少なくな
る。この結果凝集粒子はある程度まで生長するもののそ
れ以上生長せず、抗原量がある量を越えると逆に吸光度
が減少するという現象を生じさせる。
上記理由により、二つの抗原濃度で同じ吸光度又は透過
率の差の値を有するようになると考えられる。本発明に
於いて一定間隔時間と比較して、反応が開始した時点に
より近い特定間隔時間を設定する事により、高濃度側へ
測定範囲が拡大できたものと考えている。上記説明に於
て抗原と抗体とを入れ替えても同じである。
〔発明の効果〕
本発明による抗原又は抗体濃度の測定方法は、従来技術
に於いて抗原過剰又は抗体過剰か否かの判別が必要であ
った被検液中の抗原又は抗体濃度範囲に対し、抗原過剰
又は抗体過剰か否かの繋雑な判定操作を用いず被検液中
の抗原又は抗体濃度を一義的に決定でき、再検査の必要
もない。
さらに、本発明による測定方法に於いては吸光度又は透
過率の測定は最低3回で実施できる。
従って、本発明による抗原又は抗体濃度の測定方法は、
短時間に多数の被検液を処理する自動測定の場合に特に
有用であり、かつ、自動測定機に対する制約も少なく、
広く一般の自動測定機への実施ができる。
〔実施例〕
以下、実施例によりさらに本発明を詳細に説明するが本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 (1)C−反応性蛋白質測定試薬の調製 平均直径0.123μmのポリスチレンラテックス粒子を塩
化アンモニウム−アンモニア緩衝液(PH=8.0)で希
釈しラテックス濃度が1重量%の懸濁液を調製する。次
いでC−反応性蛋白質(以下CRPと略す)をヤギに免
疫して得た抗CRP血清より塩析処理により分画した抗
CRPヤギIgG分画を塩化アンモニウム−アンモニア
緩衝液(PH=8.0)で希釈し、蛋白濃度2mg/mlの溶
液を調製する。上記ラテックス懸濁液1容に抗CRPヤ
ギIgG分画の溶液1容を加え37℃で2時間反応させ
た。次いで遠心分離し、上清を除去した後沈でんをウシ
血清アルブミンを0.05重量%の濃度で添加した塩化アン
モニウム−アンモニア緩衝液(PH=8.0)で再分散し
ラテックス濃度を0.05重量%に調製し、CRP測定試薬
を得た。
(2)測定方法 日立製作所製U−3200型自記分光光度計の測光部
に、温度調節器及びマグネット式攪拌装置を取り付けた
装置により吸光度を測定した。光路長10mmのガラス製
光学セルに円筒状の攪拌子を入れ、次いで(1)で得たC
RP測定用試薬1990μlを分注し、測光部に挿入
し、37℃に保温した。
次いで、該攪拌装置によりCRP測定用試薬を攪拌しつ
つ、被検液10μlを添加した。添加と同時に吸光度の
測定を開始した。吸光度の測定は、580nmの波長の光
線を用いて行なった。なお攪拌は被検液添加後3秒で停
止した。
(3)既知試料の測定 CRP濃度240mg/dlの精製CRP溶液をCRPを吸
収処理して実質的にCRPを含まない状態としたCRP
不含血清により希釈し、CRP濃度が0.10,0.25,0.5
0,10,2.5,5.0,10,15,20,30,40,
60mg/dlの被検物液を得た。
(2)の測定条件下で上記12種の被検液及び塩化アンモ
ニウム−アンモニア緩衝液につき吸光度を各5回測定し
た。
得られた吸光度のうち、被検液添加後1分後と5分後の
吸光度より一定間隔時間に対する吸光度の差を得た。こ
の結果を第1表に示した。
次に、第1表に示した一定時間に対する吸光度の差の平
均値を縦軸とし、添加被検液中のCRP濃度を横軸とし
て第3図に示す対応曲線(A)を得た。
対応曲線(A)に於て、極大値を示す抗原濃度は20mg/d
lである。該濃度に於ける一定間隔時間内の吸光度の差
は、第1表より0.5508であり、一方測定単位時間当たり
の傾きは0.1377/分である。
次いで、抗原濃度20mg/dlの測定データにもとづき吸
光度の差が0.5508の2分の1,すなわち0.2754以下で、
且つ測定単位時間当たりの傾きが0.1377/分を越す特定
間隔時間を検討した結果、特定間隔時間として被検液添
加後12秒後と1分後の間の48秒間を得た。
上記特定間隔時間に対する吸光度の差を求め、結果を第
1表に示した。第1表に示した如く抗原濃度20mg/dl
に於ける特定間隔時間内の吸光度の差は0.2680であり、
上記0.2754よりも小であり、且つ特定間隔時間内の測定
単位時間当たりの傾きは0.3350であり、上記0.1377/分
より大を示し、本発明でいうところの特定間隔時間の要
件を満たしている。
次いで第1表に示した特定間隔時間に対する吸光度の差
の平均値を縦軸とし、添加被検液中のCRP濃度を横軸
として、第3図に示す対応曲線(B)を得た。
対応曲線(B)に於て極大値を示す抗原濃度は40mg/dl
であり、対応曲線(A)に於ける極大値よりも高濃度側に
ある。
ここに於て該差の値をX,該抗原濃度をYmg/dlとする
と、対応曲線(A)については抗原濃度10mg/dl以下の
範囲で Y=exp(1011lnx+3.204)(式1) により良好に近似できた。
一方対応曲線(B)については抗原濃度30mg/dl以下の
範囲で Y=exp(1.084 lnx+3.434)(式2) により良好に近似できた。
次に(式1)及び(式2)により、良好に測定しうる抗
原濃度の下限を測定ごとに得られる吸光度の差の再現性
と、(式1)及び(式2)により得られる抗原濃度の正
確性から次の様に判断した。すなわち、再現性の指標と
して第1表に示した変動係数を用いて、変動係数が5%
以下の場合を高度の再現性を有する抗原濃度、5%を越
し10%未満の場合を中程度の再現性を有する抗原濃
度、10%を越す場合を低度の再現性を有する抗原濃度
とすると、高度の再現性を有する抗原濃度の下限は一定
間隔時間に対する吸光度の差については0.25mg/dlとな
り、一方特定間隔時間に対する吸光度の差については1.
0mg/dlとなる。この両濃度に於ける(式1)及び(式
2)に対する正確性は第3図からも明らかな如く良好で
あった。従って(式1)及び(式2)により、良好に測
定できる抗原濃度の範囲は各々0.25から10mg/dl及び
1.0から30mg/dlとなった。さらに測定上限の抗原濃
度を測定下限の抗原濃度で除した値は(式1)について
は40倍となり、(式2)については30倍であった。
しかしながら、ヒト血清中のCRP濃度は0mg/dlから
30mg/dlの濃度範囲に分布しており、健常人と異常と
の境界濃度が0.3mg/dlである。臨床上は健常人を誤ま
って異常としたり、異常を健常と判断した場合、及び極
めて高い抗原濃度を比較的低い抗原濃度と判断した場合
は極めて重大な過失となる。
従来測定技術である単一の対応曲線のみを用いて測定す
る方法に於いて、例えば第3図の対応曲線(A)を用いた
場合では、CRP濃度30mg/dlの血清を誤まって15
mg/dlと判断する可能性があり、一方対応曲線(B)のみ
を用いた場合では健常人と異常との境界濃度付近の再現
性及び正確性が劣っており、健常と異常を精度良く判断
し得ない。
しかしながら、本発明による少くとも2つの対応曲線を
用いる測定方法として、例えば第3図の対応曲線(A)と
対応曲線(B)とを用い、対応曲線(B)について抗原濃度5
mg/dlに対応する該吸光度の差0.0743を下限値とし、こ
の下限値より低い濃度領域では対応曲線(A)を、この下
限値以上の濃度領域では対応曲線(B)を組み合わせて使
用すると、抗原濃度0.25mg/dlから30mg/dlの間の1
20倍の範囲で良好に測定ができる。本発明による方法
では、臨床上は極めて稀ではあるが存在する30mg/dl
を越す抗原濃度の場合も60mg/dlであれば誤まって低
値と判断する事がなく、60mg/dlを越す抗原濃度は実
質的に存在しない。一方抗原濃度の測定下限は抗原濃度
0.25mg/dlまで、高度の測定再現性を示し、さらに0.10
mg/dlに於いても中程度の定量性を有している為、健常
と異常の判別が精度良く行なえる。
(4)未知試料の測定 CRP濃度未知の血清を(2)の測定方法で測定したとこ
ろ一定間隔時間に対する吸光度の差は0.1524であり、特
定間隔時間に対する吸光度の差は0.3212であった。後者
は基準値0.0743より大であったので(式2)により検量
しCRP濃度24.6mg/dlを得た。次いで上記血清をCR
P不含血清で5倍希釈した血清を被検液として(2)の測
定方法で測定したところ、一定間隔時間に対する吸光度
の差は0.2029であり、特定間隔時間に対する吸光度の差
は0.0726であった。後者は基準値0.0743より小であった
為、(式1)により検量し、CRP濃度4.91mg/dlを得
た。
さらに上記5倍希釈被検液をCRP不含血清によりさら
に5倍並びに25倍希釈して得た被検液も同様に測定し
た結果CRP濃度は各々0.97,0.20であった。
本実験とは別に上記CRP濃度未知の血清をCRP不含
血清で5倍希釈した。被検液をヘキスト社製一元免疫拡
散法によるCRP定量試薬であるLCパルチゲンCRP
によりCRP濃度を測定したところ4.8mg/dlを示し、
本発明による方法により血清中の濃度が広範囲に分布す
るCRPの測定に於て抗原過少領域から抗原過剰領域に
わたり良好に測定する事を示した。
実施例2 (1)C−反応性蛋白質測定試薬の調製 平均直径0.142μmのポリスチレンラテックス粒子を用
いた以外は実施例1と同様にしてCRP測定試薬を得
た。
(2)測定方法 実施例1と同様にして測定した。
(3)既知試料の測定 実施例1と同様にしてCRP濃度が0.10,0.25,0.50,
1.0,2.5,5.0,10,15,20,30,40,6
0,80,100mg/dlの被検液を得た。(2)の測定条
件下で上記14種の被検液及び塩化アンモニウム−アン
モニア緩衝液につき吸光度を各5回測定した。反応開始
1分後と5分後の吸光度より一定間隔時間に対する吸光
度の差を得た。この結果を第2表に示した。
次に第2表に示した一定間隔時間に対する吸光度の差の
平均値を縦軸とし、添加被検液中のCRP濃度すなわち
抗原濃度を横軸として第2図に示す曲線1を得た。次い
で実施例1と同様に特定間隔時間として反応開始0.2分
と2分後の間の1.8分間を得た。
上記特定間隔時間に対する吸光度の差を求め、結果を第
2表に示し、第2図の曲線2を得た。
さらに上記特定間隔時間即ち反応開始0.2分と2分後の
間の1.8分間を一定間隔時間とした場合の特定間隔時間
を、実施例1と同様にして求め特定間隔時間として反応
開始0.1分後と0.5分後の間の0.4分間を得た。かくして
得られた特定間隔時間に対する吸光度の差を求め、結果
を第2表に示し、第2図の曲線3を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は抗体を固定化した不溶性粒子担体の懸濁液に、
対応する抗原を添加し、添加後の時間に対する吸光度の
変化量を示すグラフである。 図中実線は抗原過少領域に属する被検液の場合で点線は
抗原過剰領域に属する被検液の場合の結果を示す。 第2図は、実施例2の第2表に示したデータにつき横軸
を抗原濃度とし、縦軸を吸光度の差としてプロットして
得た対応曲線を示す。曲線1は反応開始後1分と5分,
曲線2は反応開始後0.2分と2分,曲線3は反応開始後
0.1分と0.5分の各間隔時間に対応する。 第3図は、実施例1の第1表に示したデータにつき横軸
を抗原濃度とし、縦軸を吸光度の差としてプロットして
得た対応曲線を示す。曲線Aは対応曲線Aを曲線Bは対
応曲線Bを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不溶性担体粒子に抗体又は抗原を固定化
    し、該担体粒子に固定化された抗体又は抗原に既知濃度
    の抗原又は抗体を反応させ、反応開始後の2点以上の経
    過した時点で上記反応に於ける反応物の光の吸光度又は
    透過率の変化を測定し、一定間隔時間に於ける吸光度又
    は透過率の差と抗原又は抗体濃度との間の対応曲線(A)
    と上記一定間隔時間とは異なる特定間隔時間に於ける吸
    光度又は透過率の差と抗原又は抗体濃度との間の対応曲
    線(B)との少なくとも2つの対応曲線を求め、対応曲線
    (A)と対応曲線(B)とを使用して未知濃度の被検液の抗原
    又は抗体濃度を測定するに際し、対応曲線(A)と対応曲
    線(B)との間に、対応曲線(A)の極大値が対応曲線(B)の
    極大値より低濃度側に存在し、対応曲線(A)の極大値に
    相当する抗原又は抗体濃度に於ける対応曲線(B)の吸光
    度又は透過率の差は該対応曲線(A)の極大値の吸光度又
    は透過率の差の2分の1以下であり、且つ対応曲線(A)
    の極大値に相当する抗原又は抗体濃度に於ける対応曲線
    (A)と対応曲線(B)の測定単位時間当たりの傾きは対応曲
    線(A)の方が対応曲線(B)よりも小さい関係を有する対応
    曲線(A)及び対応曲線(B)を使用し、対応曲線(A)の測定
    上限を超える濃度範囲では対応曲線(B)を、対応曲線(B)
    の測定下限より低い濃度範囲では対応曲線(A)を、両限
    界間の濃度範囲では対応曲線(A)又は対応曲線(B)を用い
    て濃度を決定することを特徴とする抗原又は抗体濃度の
    測定方法。
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