JPH07117538B2 - 抗原抗体反応の判定法 - Google Patents

抗原抗体反応の判定法

Info

Publication number
JPH07117538B2
JPH07117538B2 JP29641386A JP29641386A JPH07117538B2 JP H07117538 B2 JPH07117538 B2 JP H07117538B2 JP 29641386 A JP29641386 A JP 29641386A JP 29641386 A JP29641386 A JP 29641386A JP H07117538 B2 JPH07117538 B2 JP H07117538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antigen
antibody
reaction
wavelength light
determination method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29641386A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63149564A (ja
Inventor
道也 中川
文雄 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP29641386A priority Critical patent/JPH07117538B2/ja
Publication of JPS63149564A publication Critical patent/JPS63149564A/ja
Publication of JPH07117538B2 publication Critical patent/JPH07117538B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,抗原抗体反応が抗原過剰領域および抗体過剰
領域のいずれで行われているかを判定する方法に関す
る。
(従来の技術) 体液中の微量成分などの測定方法として,目的とする被
測定物質(抗原または抗体)に該物質と抗原抗体反応し
うる物質(抗体または抗原)を作用させ,生じる抗原−
抗体結合物による凝集の度合を測定する方法が採用され
ている。それには,例えば,上記被測定物質を含む検体
と上記抗原抗体反応しうる物質とを直接反応させる免疫
比濁法や上記抗原抗体反応しうる物質を不溶性担体に担
持させた試薬を検体に作用させる方法(例えば,ラテッ
クス凝集反応法)がある。いずれの場合にも,液体媒体
中で反応を行い,生じた凝集反応を測定機器で測定す
る。測定方法としては,反応系に光を入射させ,該光の
透過光強度を測定する方法;反応系に光を入射させ散乱
光強度を測定する方法などがある。
例えば,血清に含まれるCRP(C反応性蛋白質)は,該
血清と抗CRP抗体を含む溶液とを混合し,生じた抗原−
抗体結合物の量を吸光度を測定することにより測定され
る。この抗原−抗体結合物生成量はCRP濃度が高くなる
につれて多くなり,かつ該結合物の粒径が大きくなるた
め,吸光度が上昇する。しかし,CRP(抗原)が抗CRP抗
体に対して大過剰に存在する場合には,抗原による抗原
−抗体架橋効果がなくなるため,抗原−抗体結合物の粒
径が小さくなり,その結果,吸光度は低下する。例えば
第2図に示すようなCRP濃度と吸光度(750nmにて測定)
の関係が得られる。第2図によれば,例えば,吸光度0.
3に対応するCRP濃度は2種(5μg/mlおよび150μg/m
l)存在するため,ある吸光度に対するCRP濃度が一義的
に定まらない。そのため異常に高い値でCRPを含有する
検体のCRP値を低く判定する可能性がある。
抗原抗体反応が抗原過剰領域および抗体過剰領域のいず
れで行われているのかを判定し,被測定物質を正確に測
定する方法が提案されている。例えば,特開昭60−7926
9号には,検体中の抗原または抗体に対応する抗体また
は抗原の量を変化させて(例えば抗体量を1/2とする)
反応させ,生じた抗原−抗体結合物を測定する方法が開
示されている。このように異なった濃度で複数回反応さ
せることにより,最初の反応が抗原過剰領域および抗体
過剰領域のいずれで行われたかがわかり,被測定物質濃
度が一義的に決定される。しかし,複数個の反応容器を
用いる必要があり,測定工程が繁雑である。
このほか,例えば吸光度を測定することによって,抗原
抗体反応を経時的に追跡し,時間による吸光度の変化率
により抗原−抗体結合物が経時的に増加しているのか,
あるいは減少しているのかを判断し,反応が抗原過剰領
域および抗体過剰領域のいずれで行われているのかを判
断する方法も採用されている。例えば,特公昭61−1077
5号公報の免疫比濁分析法がこれに相当する。しかし,
この方法においても,抗原または抗体が,対応する抗体
または抗原に対して極めて大過剰に存在する場合には測
定が困難である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり,その目
的とするところは,抗原抗体反応が抗原過剰領域および
抗体過剰領域のいずれで行われているかを簡単な操作に
より正確に測定し得る方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の抗原抗体反応の判定法は,(a)抗原もしくは
抗体と,該抗原もしくは抗体に抗原抗体反応しうる抗体
もしくは抗原とを,液体媒体中で反応させて抗原−抗体
結合物を生成させる第1反応工程,(b)該第1反応系
に所定の波長を有する第1波長光および第2波長光をそ
れぞれ個別にあるいは同時に照射し,その透過光強度も
しくは散乱光強度をそれぞれ測定する工程,(c)該第
1反応後の系に新たな該抗原または該抗体を加えて反応
させる第2反応工程,(d)該第2反応系に該第1波長
光および第2波長光をそれぞれ個別にあるいは同時に照
射し,その透過光強度もしくは散乱光強度をそれぞれ測
定する工程,(e)該第1反応系における該第1波長光
による測定値a1と該第2波長光による測定値a2との比A1
(すなわちa1/a2),および該第2反応系における該第
1波長光による測定値a1′と該第2波長光による測定値
a2′との比A1′(すなわちa1′/a2′)をそれぞれ算出
する工程,(i)該A1および該A1′からA1とA1′の比で
ある判定指標B1を算出する工程,および(j)をあらか
じめ既知量の該抗原と該抗体とにより設定したA1とA1
の比である判定指標B0と該B1とを比較し,該第1反応が
抗原過剰領域および抗体過剰領域のいずれで行われてい
るかを判定する工程を包含し,そのことにより上記目的
が達成される。
さらに,本発明の抗原抗体反応の判定法は,(a)抗原
もしくは抗体と,該抗原もしくは抗体に抗原抗体反応し
うる抗体もしくは抗原とを,液体媒体中で反応させて抗
原−抗体結合物を生成させる第1反応工程,(b)該第
1反応が実質的に終了した時点を基点(t0)とし,これ
以降の任意の時点において該第1反応系に新たな該抗原
もしくは該抗体を加える第2反応工程,(c)該第2反
応開始後であって且つ該第2反応が実質的に終了する以
前である,該基点(t0)から所定の時点(t1)におい
て,該第2反応系に所定の波長を有する第1波長光およ
び第2波長光をそれぞれ個別にあるいは同時に照射し,
その透過光強度もしくは散乱光強度をそれぞれ測定する
工程,(d)該(c)工程による測定後であって,該時
点(t1)よりも後の時点である所定の時点(t2)におい
て,該(c)工程で得られた第1波長光による測定値b1
と第2波長光による測定値b2との比A2(すなわちb1/
b2)、および該(d)工程で得られた第1波長光による
測定値b1′と第2波長光による測定値b2′との比A2
(すなわちb1′/b2′)をそれぞれ算出する工程,
(f)該A2およびA2′から第2反応後の該測定値の比の
時間による変化率 〔(A2′−A2)/(t2−t1)〕で示される判定指標B2
算出する工程,および(g)あらかじめ既知量の該抗原
と該抗体とにより第1および第2反応を行って設定し
た,第2反応後の該測定値の比の時間による変化率
〔(A2′−A2)/(t2−t1)〕で示される判定指標B0
と該B2とを比較し,該第1反応が抗原過剰領域および抗
体過剰領域のいずれで行われているかを判断する工程を
包含し,そのことにより上記目的が達成される。
本発明でいう抗原または抗体とは,抗原抗体反応しうる
あらゆる物質を指し,それには例えば,臨床検査におい
て検出されるIgG,IgA,IgM,フィブリノーゲン,FDP−D,FD
P−E,リューマチ因子(RF),C反応性蛋白質(CRP),抗
ストレプトリジン−O(ASO),α−フェトプロテイン
(AFP),HCG,CEA等が包含される。
例えば,上記抗原(抗体)に対応する抗体(抗原)は,
一般的な免疫・精製などの公知の方法により得られる。
例えば,ヒトAFPをヤギに免疫して抗ヒトAFPヤギ抗体が
得られる。これらの物質は,使用する液体媒体に実質的
に不溶な不溶性担体粒子に担持されていてもよい。不溶
性担体粒子としては無機物質微粒子および有機高分子物
質微粒子のいずれもが使用され得る。無機物質微粒子と
しては,シリカ粉末のような無機酸化物微粒子,アルミ
ナ粉末のような金属酸化物微粒子,カオリンやベントナ
イトのような無機/金属酸化物微粒子,各種鉱物微粒子
などが用いられる。有機高分子物質微粒子としては,生
物体の細胞(例えばニワトリ赤血球)や合成樹脂微粒子
(例えばスチレン系樹脂)が用いられる。特にポリスチ
レンやスチレン系共重合体粒子を均一に懸濁させたラテ
ックスが好適に用いられる。ラテックス粒子を上記既知
の抗体または抗原を担持させたラテックス試薬が市販さ
れており,これを利用することもできる。
本発明方法において,抗原抗体反応の測定に用いられる
光の波長は300nm以上であり,通常,300〜1000nmであ
る。第1波長光と第2波長光との波長の差は50nm以上に
設定する。第2波長光と第1波長光との波長の差が小さ
いと,第1波長光による測定値と第2波長光による測定
値との差が小さいため,被測定物質の正確な測定が困難
となる。
次に,本発明方法を,CRPと抗CRP抗体との反応を例に挙
げて説明する。
まず,CRPを含む溶液に所定量の抗CRP抗体を加えて,液
体媒体中で反応(第1反応)させる。この第1反応液に
所定の波長(例えば550nm)の光(第1波長光)を照射
し,その吸光度a1を測定する。次に,上記第1波長光と
は異なる波長(例えば750nm)の光(第2波長光)を照
射し,その吸光度a2を測定し,a1とa2との比A1を算出す
る。次に,例えば,既知量の抗CRP抗体を加えて第2反
応を行う。第2反応後の反応液に再び上記第1波長光お
よび第2波長光をそれぞれ照射する。その吸光度a1′お
よびa2′から吸光度比A1′を算出する。上記A1および
A1′からA1とA1′の比である判定指標B1を算出する。
例えば,第1図は,既知濃度のCRPを用いて第1および
第2の抗原抗体反応を行った結果を示すグラフである。
実線で示される第1反応において,CRP濃度が0〜40μg/
mlの領域は,抗体過剰領域である。この領域において
は,CRP濃度の上昇に従い,抗原−抗体結合物の粒径(平
均粒径)が大きくなるため,吸光度は上昇し(第2
図),そして吸光度比(550nm/750nm)は逆に低下する
(第1図)。このことは,「懸濁液中の懸濁物質の粒径
(平均粒径)と,該懸濁液の透過光または散乱光(例え
ば吸光度)を2波長において測定したときの測定値の比
とは相関関係を有する」という発明者らの知見(後述の
参考例に示す)により裏づけられる。40μg/ml以上の濃
度範囲は抗原過剰領域となるため,CRP濃度の上昇に従
い,逆に吸光度比は上昇する。
この第1反応において,例えば,吸光度比A1が2.0であ
るとき,第1反応時におけるCRP濃度は約5μg/ml(抗
体過剰領域)または約200μg/ml(抗原過剰領域)であ
ると考えられる。第2反応を行った後(破線で示され
る)においては,CRP濃度が5μg/mlであれば吸光度比
A1′はもとのA1よりも高い値を示し,CRP濃度が200μg/m
lであれば逆に低い値を示す。
従って,A1/A1′を判定指標B1とし,あらかじめ試験を行
って適当な値に設定したA1とA1′の比である判定指標B0
と比較すれば,上記第1反応が抗原過剰領域および抗体
過剰領域のいずれで行われているかが判定される。
上記方法のように透過光強度または散乱光強度の測定値
(例えば吸光度比)を算出するよりも,ある波長(例え
ば750nm)で測定した測定値(吸光度)そのものを比較
する方法を採用するほうが,より簡便であると考えられ
る。しかし,特に,不溶性担体に抗体もしくは抗原を担
持させた試薬(ラテックス試薬など)を用いる場合は,
担持体自身による吸光度もしくは散乱光強度の度合が大
きいため抗原抗体反応に起因する吸光度もしくは散乱光
強度の変化を正確に測定するのが困難である。
このように,抗原−抗体結合物の生成量を基準として判
定する方法の他,該結合物の生成速度を基準として測定
する方法も採用され得る。
この方法においては,まず,CRPを含む溶液に所定量の抗
CRP抗体を加えて,液体媒体中で反応(第1反応)させ
る。この第1反応が実質的に終了した時点を基点(t0;
例えば0分)とする。これ以降の任意の時点において,
上記第1反応系に新たな抗CRP抗体(またはCRP)を加え
て,第2反応を行わせる。第2反応開始後であって且つ
該第2反応が実質的に終了する以前である,該基点
(t0)から所定の時点(t1;例えば3分後)において,
この第2反応系に所定の波長(例えば550nm)を有する
光(第2波長光)を照射し,その吸光度b1を測定する。
次に上記第1波長光とは異なる波長(例えば750nm)の
光(第2波長光)を照射し,その吸光度b2を測定し,b1
とb2との比A2を算出する。さらに,これらの測定の後,
上記時点(t1)よりも後の時点である所定の時点(t2;
例えば3分30秒後)において,上記と同様に第1波長光
および第2波長光により測定を行い,それぞれの測定値
b1′およびb2′から,その比A2′を算出する。そして,
上記A2およびA2′から上記測定値の比の時間による変化
率 〔(A2′−A2)/(t2−t1)〕で示される判定指標B2
算出する。また、あらかじめ既知量の該抗原と該抗体と
により第1および第2反応を行って設定した,第2反応
後の該測定値の比の時間による変化率 〔(A2′−A2)/(t2−t1)〕で示される判定指標B0
と上記のB2とを比較することにより上記第1反応が抗原
過剰領域および抗体過剰領域のいずれで行われているか
判定される。例えば,第1反応が抗原過剰領域で行われ
ていれば,第2反応で抗体を加えることにより,抗原−
抗体結合物の粒径が大きくなる。そのことにより(A2
−A2)の値はマイナスとなるため変化率B2はマイナスの
値となる。第1反応が抗体過剰領域で行われていれば,
第2反応で抗体を加えることにより,抗原抗体結合物の
粒径が変化しない場合と抗原による架橋効果が失われて
粒径が小さくなる場合とがある。第1反応で被測定検体
に抗原が含まれていない場合はA2′−A2=0となるため
変化率B2は0となり,抗体過剰領域であれば(A2′−
A2)の値がプラスとなるため変化率B2はプラスの値とな
る。
上記変化率を測定する方法においては,第2反応後3回
以上の測定を行い,それぞれの比の値(A2,A2′,A2
…)を算出して変化率を求める方法も有利に採用され得
る。上記各方法において,第1波長光と第2波長光と
は,これらを含む連続波長の光を用い,その成分を回折
格子で分離して取り出し,これを参照することにより第
1波長光と第2波長光を同時に測定することも可能であ
る。
さらに,上記抗原−抗体結合物の生成量を測定する方法
および生成速度を測定する方法のいずれの方法において
も,第1および第2波長光とは異なる波長における測定
を行うことも可能である。例えば,第3波長光(900n
m)による測定を行い,得られた吸光度比A3,A3′を加え
て指標を算出する。このように3以上の複数波長光を用
いると,より高精度の測定がなされ得る。
反応系の抗原−抗体反応物を測定するための装置として
は,通常の分光光度計や光の散乱強度を測定するための
装置が用いられる。生化学自動分析装置,免疫比濁法に
用いられる専用装置,ラテックスの凝集反応を測定する
ための専用装置など分光光度計が組み込まれた機器も有
利に利用される。このほか,抗原抗体反応をマイクロタ
イタープレートのウェルで反応させ,このプレートをプ
レートリーダーにかけてその吸光度を測定する方法を採
用すると,小型の装置で短時間のうちに大量の判定が可
能となる。
(作用) 本発明によれば,このように,第1抗原抗体反応後の系
にさらに抗体もしくは抗原を加えて第2反応を行わせる
ため,反応容器を複数個準備することなく簡単に上記第
1反応が抗原過剰領域および抗体過剰領域のいずれで行
われているかが判定される。抗原または抗体が極端に過
剰であっても,判定が正確になされる。測定には,波長
が50nm以上異なる2種またはそれ以上の波長が用いられ
るため,従来の1種の波長による測定の場合に比較する
と,特に不溶性担体に抗体もしくは,抗原を担持させた
試薬(ラテックス試薬など)において抗原抗体反応によ
る抗原−抗体結合物の生成状況を正確に測定することが
可能である。
(実施例) 以下に本発明の実施例につき説明する。
参考例 粒径0.1μmのポリスチレン製ラテックスの蒸留水懸濁
液(0.25%)を調製し,これを光路長2mmのセルに入れ
た。これに550nmの光(第1波長光)を照射し,その吸
光度a1を測定した。次に750nm光(第2波長光)を照射
し,その吸光度a2を測定し,a1とa2との比(A1=a1/a2
を算出した。
次にラテックスの粒径を0.2μmとし(濃度0.1%),同
様の方法で第1波長光による吸光度b1および第2波長光
による吸光度b2を測定し,b1とb2との比(A2=b1/b2)を
算出した。ラテックスの粒径を0.45μm(濃度0.036
%),1.0μm(濃度0.017%),1.97μm(濃度0.008
%)とし,同様の方法でA3(c1/c2),A4(d1/d2)およ
びA5(e1/e2)を算出した。ラテックスの粒径と吸光度
の比(A1〜A5)との関係を第3図に示す。
第3図から,ラテックスの粒径と吸光度の比(A1〜A5
は一定の相関関係を有し,ラテックスの粒径が大きくな
る程,上記2波長(550nmおよび750nm)で測定した吸光
度の比が小さくなることがわかる。この事実は,抗原抗
体反応により抗原−抗体結合物が生成して反応系に含ま
れる粒子径(反応粒径)が大きくなる程,上記比が低下
することを意味する。
実施例 粒径0.2μmのポリスチレン製ラテックスに抗CRP抗体を
吸着させ,ラテックス固形分0.5%の抗CRP抗体感作ラテ
ックス液(水懸濁液)を調製した。別に,CRPを所定濃度
で含有するCRP水溶液を準備した。上記ラテックス液40
μおよびCRP水溶液20μを光路長5mmのガラス製透明
セルに入れ,37℃で15分間反応させた。これにウシ血清
アルブミン1%を含むリン酸食塩緩衝液(pH7.0)1300
μを加え,550nmにおける吸光度a1および750nmにおけ
る吸光度a2を測定した。
次に,上記反応液に新たな抗CRP抗体感作ラテックス液4
0μを添加し,37℃にて15秒間反応させた後,上記と同
様に550nmおよび750nmにおける吸光度a1′およびa2′そ
れぞれ測定した。
上記a1′およびa2′の比(a1′/a2′=A1),そして
a1′およびa2′の比(a1′/a2′=A1)をそれぞれ算出
した。上記CRP濃度は第1図に示す0〜200μg/mlの6種
類に設定し,それぞれについて反応を行った。CRP濃度
とA1との関係(第1反応)を第1図に実線で,そして,C
RP濃度とA1′との関係(第2反応)を第1図に破線で示
す。
第1図実線においてCRP濃度が0〜40μg/mlの範囲にお
いては,CRP濃度の上昇とともに上記吸光度の比A1は低下
する。このことはCRP濃度の上昇とともに反応系におけ
る平均粒径が大きくなっていること,つまり抗体過剰領
域であることを示す。逆に,CRP濃度が40μg/ml以上は抗
原過剰領域であることを示す。
例えば吸光度比が2.0である場合には,CRP濃度が5μm/m
lの抗体過剰領域または200μg/mlの抗原過剰領域であり
得る。第2反応によりCRP濃度が5μg/mlの場合には吸
光度比は上昇し,200μg/mlの場合には逆に下降する。従
って,A1/A1′という判定指標を決め,これをあらかじめ
適当な値に設定しておけば,CRP濃度が未知の検体につい
て抗原抗体反応を行ったときに,それが抗原過剰領域お
よび抗体過剰領域のいずれで行われているかが容易に判
定される。
(発明の効果) 本発明方法によれば,このように,抗原抗体反応が抗原
過剰領域および抗体過剰領域のいずれで行われているか
が,簡単な操作で容易に判定される。本発明方法は,例
えば,生化学自動分析装置などにより大量の検体を測定
するときに,異常値を有する検体を発見するのに有利に
使用され得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明方法により第1および第2反応を行な
ったときの,それぞれの反応液中のCRP濃度と,異なる
2波長の吸光度比との関係を示すグラフ;第2図は,従
来法によりCRPの測定を行ったときの反応液中のCRP濃度
と所定の波長における吸光度との関係を示すグラフ;そ
して第3図は,ラテックス懸濁液中のラテックス粒径と
異なる2波長の吸光度比との関係を示すグラフである。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)抗原もしくは抗体と,該抗原もしく
    は抗体に抗原抗体反応しうる抗体もしくは抗原とを,液
    体媒体中で反応させて抗原−抗体結合物を生成させる第
    1反応工程, (b)該第1反応系に所定の波長を有する第1波長光お
    よび第2波長光をそれぞれ個別にあるいは同時に照射
    し,その透過光強度もしくは散乱光強度をそれぞれ測定
    する工程, (c)該第1反応後の系に新たな該抗原または該抗体を
    加えて反応させる第2反応工程, (d)該第2反応系に該第1波長光および第2波長光を
    それぞれ個別あるいは同時に照射し,その透過光強度も
    しくは散乱光強度をそれぞれ測定する工程, (e)該第1反応系における該第1反射光による測定値
    a1と該第2波長光による測定値a2との比A1(すなわちa1
    /a2),および 該第2反応系における該第1波長光による測定値a1′と
    該第2波長光による測定値a2′との比A1′(すなわち
    a1′/a2′)をそれぞれ算出する工程, (i)該A1およびA1′からA1とA1′の比である判定指標
    B1を算出する工程,および (j)あらかじめ既知量の該抗原と該抗体とにより設定
    したA1とA1′の比である判定指標B0と該B1とを比較し,
    該第1反応が抗原過剰領域および抗体過剰領域のいずれ
    で行われているかを判断する工程, を包含する抗原抗体反応の判定法。
  2. 【請求項2】前記第1波長光および第2波長光の波長が
    300nm以上であり,かつ該第1波長光と第2波長光との
    波長の差が50nm以上である特許請求の範囲第1項に記載
    の判定法。
  3. 【請求項3】前記測定値が,透過光強度から計算された
    吸光度あるいは透過率である特許請求の範囲第1項に記
    載の判定法。
  4. 【請求項4】前記抗体もしくは抗原が,前記液体媒体に
    実質的に不溶な有機高分子物質微粒子または無機物質微
    粒子でなる担体に担持された特許請求の範囲第1項に記
    載の判定法。
  5. 【請求項5】前記有機高分子物質微粒子が合成樹脂微粒
    子または生物体の細胞である特許請求の範囲第4項に記
    載の判定法。
  6. 【請求項6】前記合成樹脂がスチレン系樹脂である特許
    請求の範囲第5項に記載の判定法。
  7. 【請求項7】前記無機物質が金属酸化物および/または
    無機酸化物である特許請求の範囲第4項に記載の判定
    法。
  8. 【請求項8】前記透過光強度の測定が,吸光度計;また
    は吸光度計が組み込まれた生化学自動分析装置,免疫比
    濁法専用測定装置またはラテックス凝集反応専用測定装
    置でなされる特許請求の範囲第1項に記載の判定法。
  9. 【請求項9】前記第1および第2の抗原抗体反応をマイ
    クロタイタープレート上で行い,前記透過光強度をプレ
    ートリーダーで測定する特許請求の範囲第1項に記載の
    判定法。
  10. 【請求項10】(a)抗原もしくは抗体と,該抗原もし
    くは抗原抗体反応しうる抗体もしくは抗原とを,液体媒
    体中で反応させて抗原−抗体結合物を生成させる第1反
    応工程, (b)該第1反応が実質的に終了した時点を基点(t0
    とし,これ以降の任意な時点において該第1反応系に新
    たな該抗原もしくは該抗体を加える第2反応工程, (c)該第2反応開始後であって且つ該第2反応が実質
    的に終了する以前である,該基点(t0)から所定の時点
    (t1)において,該第2反応系に所定の波長を有する第
    1波長光および第2波長光をそれぞれ個別に照射し,そ
    の透過光もしくは散乱光をそれぞれ測定する工程, (d)該(c)工程による測定後であって,該時点
    (t1)よりも後の時点である所定の時点(t2)におい
    て,該(c)工程と同一の操作を行う工程, (e)該(c)工程で得られた第1波長光による測定値
    b1と該2波長光による測定値b2との比A2(すなわちb1/b
    2)、および 該(d)工程で得られた第1波長光による測定値b1′と
    第2波長光による測定値b2′との比A2′(すなわちb1
    /b2′)をそれぞれ算出する工程, (f)該A2およびA2′から第2反応後の該測定値の比の
    時間による変化率 〔(A2′−A2)/(t2−t1)〕で示される判定指標B2
    算出する工程,および (g)あらかじめ既知量の該抗原と該抗体とにより第1
    および第2反応を行って判定した,第2反応後の該測定
    値の比の時間による変化率 〔(A2′−A2)/(t2−t1)〕で示される判定指標B0
    と該B2とを比較し,該第1反応が抗原過剰領域および抗
    体過剰領域のいずれで行われているかを判断する工程, を包含する抗原抗体反応の判定法。
  11. 【請求項11】前記第1波長光および第2波長光の波長
    が300nm以上であり,かつ該第1波長光と第2波長光と
    の波長の差が50nm以上である特許請求の範囲第10項に記
    載の判定法。
  12. 【請求項12】前記測定値が,透過光強度から計算され
    た吸光度あるいは透過率である特許請求の範囲第10項に
    記載の判定法。
  13. 【請求項13】前記抗体もくは抗原が,前記液体媒体に
    実質的に不溶な有機高分子物質微粒子または無機物質微
    粒子でなる担体に担持された特許請求の範囲第10項に記
    載の判定法。
  14. 【請求項14】前記有機高分子物質微粒子が合成樹脂微
    粒子または生物体の細胞である特許請求の範囲第13項に
    記載の判定法。
  15. 【請求項15】前記合成樹脂がスチレン系樹脂である特
    許請求の範囲第14項に記載の判定法。
  16. 【請求項16】前記無機物質が金属酸化物および/また
    は無機酸化物である特許請求の範囲第13項に記載の判定
    法。
  17. 【請求項17】前記透過光強度の測定が,吸光度計;ま
    たは吸光度計が組み込まれた生化学自動分析装置,免疫
    比濁法専用測定装置またはラテックス凝集反応専用測定
    装置でなされる特許請求の範囲第10項に記載の判定法。
  18. 【請求項18】前記第1および第2の抗原抗体反応をマ
    イクロタイタープレート上で行い,前記透過光強度をプ
    レートリーダーで測定する特許請求の範囲第10項に記載
    の判定法。
JP29641386A 1986-12-12 1986-12-12 抗原抗体反応の判定法 Expired - Fee Related JPH07117538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29641386A JPH07117538B2 (ja) 1986-12-12 1986-12-12 抗原抗体反応の判定法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29641386A JPH07117538B2 (ja) 1986-12-12 1986-12-12 抗原抗体反応の判定法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63149564A JPS63149564A (ja) 1988-06-22
JPH07117538B2 true JPH07117538B2 (ja) 1995-12-18

Family

ID=17833222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29641386A Expired - Fee Related JPH07117538B2 (ja) 1986-12-12 1986-12-12 抗原抗体反応の判定法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07117538B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0743379B2 (ja) * 1990-11-30 1995-05-15 株式会社島津製作所 免疫反応自動分析装置
EP3857203B1 (en) * 2018-09-28 2023-11-08 Siemens Healthcare Diagnostics, Inc. Methods for detecting hook effect(s) associated with anaylte(s) of interest during or resulting from the conductance of diagnostic assay(s)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63149564A (ja) 1988-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4118192A (en) Method and apparatus for the measurement of antigens and antibodies
US4843021A (en) Immunological assay method
US4208185A (en) Method and apparatus for the measurement of antigens and antibodies
JPH01282447A (ja) 散乱された全内部反射による免疫定量系
JPH03502246A (ja) 物質の分析のための凝集方法
US4313929A (en) Method of measurement of antigens and antibodies
EP0005978A1 (en) Process for detecting and quantifying an antigen or antibody
KR920000056B1 (ko) 특이적으로 결합가능한 물질의 측정방법
JP4033853B2 (ja) リガンドの検出のための固相アッセイ
KR920000057B1 (ko) 특이적으로 결합가능한 물질의 측정 방법 및 시약
JPS6365369A (ja) 抗原−抗体反応の測定法
EP0254430B1 (en) Light-scattering immunoassay system
Buffone et al. Use of a laser-equipped centrifugal analyzer for kinetic measurement of serum IgG
US5093271A (en) Method for the quantitative determination of antigens and antibodies by ratio of absorbances at different wavelengths
JPH07117538B2 (ja) 抗原抗体反応の判定法
JPH02163658A (ja) 免疫化学的分析法
JPH01301165A (ja) 免疫測定法
JP3005400B2 (ja) 抗原または抗体濃度の測定方法
JP2004536302A (ja) 粒子増感アッセイ用検出システムとしての粒子解析
JPS63149565A (ja) 免疫測定法
GB1600139A (en) Method and apparatus for the measurement of antigens and antibodies
JPS5992353A (ja) 不溶性担体粒子を用いる凝集反応測定方法
JPH0448265A (ja) 免疫測定法
JPH08101198A (ja) 免疫的測定方法及び装置
EP0433629B1 (en) A method for the qualitative and quantitative determination of antibodies against bacterial antigens by means of the photometric measurement of agglutination

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees