JPH0613521U - 時計バンドの中留体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 曲げ加工によって外枠体を成型でき、外枠体
と中空枠との組み立てが容易であり、薄型で、丈夫な時
計バンドの中留体を提供すること。 【構成】 底面の両端を折曲して側壁１０，１１を形成
し、底面に嵌合孔１４を穿設し、その長手方向両側にハ
シゴ部１５，１６を設け、側壁１０，１１に操作部材挿
通孔１８，１９を穿設した外枠体５と、嵌合孔１４に嵌
合され、中空筒体２２の厚み方向中間部から突出片２３
を張り出し、上面に挿入孔２５を穿設した中空枠６と、
突出片２３の先端に取り付けられ、裏面に挿入孔２５に
挿入されるロック片７を設けた蓋体８と、ロック片７に
係合する第一の操作部材１２と、ロック片７と第一の操
作部材１２との係合を解除する第二の操作部材１３とを
備えた第一の係合部材３と、蓋体８を抜挿する環状の第
二の係合部材４とより成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、時計バンドの中留体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

本出願人は、先に、時計バンドの一端に取り付けられた平面コ字状の固定係止 部材の内周に中空のカバー部材を嵌合し、カバー部材の先端に回動係止部材を回 転自在に取り付け、回動係止部材の裏面にロック片を設け、時計バンドの他端に 取り付けられた環状のバンド取り付け枠に回動係止部材を挿入した後、該回動係 止部材を折り返し、ロック片をカバー部材の上面に形成された差込孔から内部に 、差し込み、固定係止部材の側面からカバー部材の内部に挿入した操作部材の先 端とロック片とを係合して時計バンドの両端を係止する時計バンドの中留具を実 開平４−５４２１５号として提案した。

【０００３】 しかし、このものは、固定係止部材が厚みのある側枠及び連結部を組み合わせ て平面コ字形に形成されているため、このような形状の部材を厚手の金属板から 切削によって成型しなければならず、加工が面倒であり、カバー部材を固定係止 部材の内周に組み込む際に、カバー部材が上下方向及び側枠の先端方向に自由に 動くので、位置決めが難しく、時計バンドの長手方向に沿って働く引張力が全て ロック片と操作部材との係合部に加わるため、摺動可能に別体に形成された操作 部が壊れやすいものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、曲げ加工によって外枠体を成型でき、外枠体と中空枠との組 み立てが容易であり、このため、加工の際の省力化及びコストの引き下げが可能 となり、薄型化できて体裁が良く、丈夫な時計バンドの中留体を提供することに ある。

【０００５】

【課題を達成するための手段】

本考案の時計バンドの中留体は、上記課題を達成するために、底面の幅方向両 端を上方に折曲して側壁を形成し、前記底面に嵌合孔を穿設すると共に、該嵌合 孔の長手方向両側に前記側壁を連結するハシゴ部を設け、前記側壁にそれぞれ操 作部材挿通孔を穿設した外枠体と、幅方向両端に開口部が形成されると共に、下 部が前記外枠体の嵌合孔に嵌合される中空筒体の該開口部に交差する一辺から前 記ハシゴ部の一方の上面に当接する突出片を張り出し、前記中空筒体の上面に挿 入孔を穿設した中空枠と、前記中空枠の突出片の先端に回動自在に取り付けられ 、裏面に前記中空枠の挿入孔に抜挿自在に挿入されるロック片を設けた蓋体と、 前記外枠体の一方の操作部材挿通孔及び前記中空枠の一方の開口部を通して前記 中空枠内に挿入され、前記蓋体のロック片に着脱自在に係合する第一の操作部材 と、前記外枠体の他方の操作部材挿通孔及び前記中空枠の他方の開口部を通して 前記中空枠内に挿入され、前記ロック片と第一の操作部材との係合を解除する第 二の操作部材とを備えた第一の係合部材と、前記蓋体が抜挿自在に挿入される環 状の第二の係合部材とより成る。

【０００６】

【作用】

底面の幅方向両端を上方に折曲して側壁を形成したことにより、曲げ加工によ って外枠体が成型され、切削加工の工程が省略され、ハシゴ部の上面に当接する 突出片を張り出した中空筒体の下部を外枠体の嵌合孔に嵌合することにより、中 空枠が外枠体に対して位置決めされると共に、第一及び第二の操作部材を挿入し て本固定するまで仮固定され、中空枠に加わる引張力をハシゴ部が受け、第一の 操作部材に加わる応力が低減される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 時計バンドの中留体１は、図１に示すように、図示しない時計バンドの一端に 装着される第一の係合部材３と時計バンドの他端に装着されると共に、第一の係 合部材３と着脱自在に係合される第二の係合部材４とから成る。

【０００８】 第一の係合部材３は、時計バンドの一端に取り付けられ、底面の幅方向両端を 上方に折曲して側壁１０，１１が形成された外枠体５と、外枠体５の内部に嵌合 される中空枠６と、中空枠６のバンド取り付け側と反対の端部に回動自在に取り 付けられ、裏面にロック片７が設けられた蓋体８と、外枠体５の側壁１０を通し て中空枠６の内部に挿入され、その先端が蓋体８のロック片７に着脱自在に係合 する第一の操作部材１２と、外枠体５の側壁１１を通して中空枠６の内部に挿入 され、ロック片７と第一の操作部材１２との係合を解除する第二の操作部材１３ とを備える。

【０００９】 外枠体５は、一枚の金属薄板の両端を一表面側に折曲して側壁１０，１１が形 成され、底面のバンド長軸方向の中央部に嵌合孔１４が穿設され、嵌合孔１４の 長手方向両側に側壁１０と側壁１１とを連結するハシゴ部１５，１６が形成され ている。 また、側壁１０，１１のバンド取り付け側の端部がハシゴ部１６よりやや突出 され、この部分に取り付けピン挿通孔１７がそれぞれ穿設され、側壁１０，１１ の中央部に角型の操作部材挿通孔１８，１９が穿設されている。

【００１０】 中空枠６は、一枚の金属薄板を略筒状に屈曲して幅方向両端面に開口部２０， ２１が設けられた中空筒体２２が形成され、さらに、その金属薄板の先端を、開 口部２０，２１に交差する一辺の厚み方向中間部からバンド長軸方向に沿って張 り出して突出片２３が形成され、突出片２３の先端を湾曲して断面円形の蓋体連 結部２４が形成されている。 また、中空筒体２２の上面のバンド取り付け端部寄りには、幅方向に長い挿入 孔２５が穿設され、中空筒体２２の上面から下面まで貫通するピン取り付け孔２ ６が側壁１０寄りに形成されている。

【００１１】 蓋体８は、幅方向両端を裏面側に折曲して屈曲壁２７，２７が形成された上蓋 ２８と、上蓋２８の屈曲壁２７，２７間に嵌合される下蓋２９とより成り、下蓋 ２９のバンド長軸方向一端には中空枠６の蓋体連結部２４の両端を挟持すると共 に、ピン孔３０が形成された突片３１が設けられ、下蓋２９の他端部中央には裏 面方向に突出すると共に、先端が側壁１１方向に屈曲するフック状のロック片７ が設けられ、ロック片７の下面には側壁１１に面し、先細状の傾斜面３３が形成 され、ロック片７のバンド取り付け側と反対の面には中空枠６の挿入孔２５の側 縁下面に係合する湾曲突部３９が形成されている。

【００１２】 第一の操作部材１２は、外枠体５の操作部材挿通孔１８及び中空枠６の開口部 ２０を通して中空筒体２２の内部に幅方向に摺動自在に挿入され、幅方向に長い ピン挿通孔３２が外端寄りに穿設され、その内側端部には、第一の操作部材１２ が側壁１０寄りに位置する時に蓋体８のロック片７に係合し、反対方向に摺動し た時にこの係合が外れるロック部３４が屈曲して設けられている。

【００１３】 第二の操作部材１３は、外枠体５の操作部材挿通孔１９及び中空枠６の開口部 ２１を通して中空筒体２２の内部に幅方向に摺動自在に挿入され、図４に示すよ うに、幅方向中間部から内側が下方に屈曲されて下面に段部３５が形成され、内 側端部にはロック片７の傾斜面３３に対向して傾斜する跳ね上げ面３６が形成さ れている。 また、図５に示すように、中空筒体２２の内部には第一の操作部材１２と第二 の操作部材１３との間にコイルバネ３７が介在され、第一及び第二の操作部材１ ２，１３が幅方向外方に付勢されるようになっており、第一の操作部材１２の内 側端部は第二の操作部材１３の内側端部の上に重合され、第二の操作部材１２に 強制力が加わらない状態では、段部３５が側壁１１に当接されて抜け止めされ、 第一及び第二の操作部材１２，１３が接近した時、跳ね上げ面３６が傾斜面３３ を押上げ、ロック片７と第一の操作部材１２のロック部３４との係合が解除され るようになっている。

【００１４】 第一の係合部材３を組み立てるには、中空枠６の蓋体連結部２４と蓋体８の突 片３１を一軸上に並べ、ピン孔３０及び蓋体連結部２４に取り付けピン４５を差 し込んで中空枠６と蓋体８とを回転自在に枢着し、図３に示すように、蓋体８を バンド取り付け側と反対の方向に向けて外枠体５の嵌合孔１４に中空筒体２２の 下部を嵌め込み、突出片２３をバンド取り付け側と逆側のハシゴ部１５の上面に 当接して仮固定した後、側壁１１の操作部材挿通孔１９及び中空枠６の開口部２ １を通して第二の操作部材１３の内側端部を中空筒体２２内に差し込み、第二の 操作部材１３を下方に移動して段部３５を側壁１１の内面に当接する。

【００１５】 次いで、側壁１０の操作部材挿通孔１８及び中空枠６の開口部２０からコイル バネ３７を中空筒体２２内に差し込んでその一端を第二の操作部材１３に当接さ せた後、第一の操作部材１２の内側端部を中空筒体２２の内部に挿入し、コイル バネ３７の他端を第一の操作部材１２に当接し、第一の操作部材１２の内側端部 を第二の操作部材１３の内側端部の上に重ね、第一の操作部材１２のピン挿通孔 ３２及び中空枠６のピン取り付け孔２６に抜け止めピン３８を挿入して外枠体５ 、中空枠６、第一の操作部材１２及び第二の操作部材１３を固定する。 そして、外枠体５の取り付けピン挿通孔１７に挿入された取り付けピンを介し て、時計バンドの一端に第一の係合部材３を回動自在に装着する。

【００１６】 第二の係合部材４は、外枠体５の側壁１０，１１とほぼ同幅をおいて対向され る一対の側板４０，４１を有し、そのバンド取り付け側の端部寄りの下部が連結 部４２で連結され、側板４０，４１の連結部４２の上方にはそれぞれ取り付けピ ン挿入孔４３が穿設され、側板４０，４１の他端部には係止ピン４４が架設され 、全体として平面環状に形成され、取り付けピン挿入孔４３に挿入された取り付 けピンを介して時計バンドの他端に回動自在に取り付けられている。

【００１７】 第一の係合部材３と第二の係合部材４とを係合するには、第一の係合部材３の 蓋体８を第二の係合部材４の連結部４２と係止ピン４４との間に下から挿通した 後、中空枠６の上方に折り返し、蓋体８のロック片７を中空枠６の挿入孔２５に 差し入れ、手で下方に押込む。 すると、ロック片７の傾斜面３３がコイルバネ３７の付勢力に抗して第一の操 作部材１２のロック部３４を内側に引っ張りながら下降し、傾斜面３３がロック 部３４の部分を通過すると、コイルバネ３７の力により第一の操作部材１２が元 に復帰しようとするので、ロック片７とロック部３４とが係合すると共に、ロッ ク片７の側面の湾曲突部３９が挿入孔２５の側縁に係合する。

【００１８】 第一の係合部材３と第二の係合部材４とを外すには、第一の操作部材１２と第 二の操作部材１３を指で内側に押込んで接近させると、ロック片７とロック部３ ４の係合が外れると共に、第二の操作部材１３の跳ね上げ面３６が傾斜面３３に 当接してロック片７を押し上げ、湾曲突部３９が挿入孔２５の縁から外れ、蓋体 ８がやや浮き上がるので、蓋体８を回動させて第二の係合部材４から抜き取れば 良い。

【００１９】

【考案の効果】

以上にのべたように、本考案の時計バンドの中留体は、底面の幅方向両端を上 方に折曲して側壁を形成し、底面に嵌合孔を穿設すると共に、該嵌合孔の長手方 向両側に側壁を連結するハシゴ部を設けてなる外枠体の嵌合孔に、幅方向両端に 開口部が形成され、開口部に交差する一辺の厚み方向中間部から突出片を張り出 た中空枠の下部を嵌合したので、切削加工をすることなく、金属板を折り曲げる ことにより外枠体をその断面形状に成型することができ、従来のものに比べて加 工が簡単であるにもかかわらず強度的な影響は少なくて済み、中空枠を嵌合孔に 嵌め込むだけで自動的に外枠体と中空枠とが位置決めされ、しかも第一及び第二 の操作部材を組み込んで本固定するまでの間仮固定され、このため、組み立て作 業が極めて容易となり、作業効率が大幅に向上すると共に、製造コストが低廉な ものとなる。

【００２０】 また、第一の係合部材と第二の係合部材とを係止した時に、ロック片とロック 部との係合部に加わる水平方向の引っ張り力を第二の係合部材側のハシゴ部が分 散して受け、このため、第一の操作部材に無理な力が加わらず、破損しにくく、 中空枠の底板と中空枠を下方から支持するハシゴ部が重ならないので、中留体が 薄型化され、体裁が良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す時計バンドの中留体の分
解斜視図

【図２】本考案の実施例に係る第一の係合部材の組み立
て時の斜視図

【図３】本考案の実施例を示す時計バンドの中留体の断
面図

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図

【図５】図３のＢ−Ｂ線断面図

【符号の説明】

１ 時計バンドの中留体 ３ 第一の係合部材 ４ 第二の係合部材 ５ 外枠体 ６ 中空枠 ７ ロック片 ８ 蓋体 １０，１１ 側壁 １２ 第一の操作部材 １３ 第二の操作部材 １４ 嵌合孔 １５，１６ ハシゴ部 １７ 取り付けピン挿通孔 １８，１９ 操作部材挿通孔 ２０，２１ 開口部 ２２ 中空筒体 ２３ 突出片 ２４ 蓋体連結部 ２５ 挿入孔 ２６ ピン取り付け孔 ２７ 屈曲壁 ２８ 上蓋 ２９ 下蓋 ３０ ピン孔 ３１ 突片 ３２ ピン挿通孔 ３３ 傾斜面 ３４ ロック部 ３５ 段部 ３６ 跳ね上げ面 ３７ コイルバネ ３８ 抜け止めピン ３９ 湾曲突部 ４０，４１ 側板 ４２ 連結部 ４３ 取り付けピン挿入孔 ４４ 係止ピン ４５ 取り付けピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面の幅方向両端を上方に折曲して側壁
   を形成し、前記底面に嵌合孔を穿設すると共に、該嵌合
   孔の長手方向両側に前記側壁を連結するハシゴ部を設
   け、前記側壁にそれぞれ操作部材挿通孔を穿設した外枠
   体と、幅方向両端に開口部が形成されると共に、下部が
   前記外枠体の嵌合孔に嵌合される中空筒体の該開口部に
   交差する一辺から前記ハシゴ部の一方の上面に当接する
   突出片を張り出し、前記中空筒体の上面に挿入孔を穿設
   した中空枠と、前記中空枠の突出片の先端に回動自在に
   取り付けられ、裏面に前記中空枠の挿入孔に抜挿自在に
   挿入されるロック片を設けた蓋体と、前記外枠体の一方
   の操作部材挿通孔及び前記中空枠の一方の開口部を通し
   て前記中空枠内に挿入され、前記蓋体のロック片に着脱
   自在に係合する第一の操作部材と、前記外枠体の他方の
   操作部材挿通孔及び前記中空枠の他方の開口部を通して
   前記中空枠内に挿入され、前記ロック片と第一の操作部
   材との係合を解除する第二の操作部材とを備えた第一の
   係合部材と、前記蓋体が抜挿自在に挿通される環状の第
   二の係合部材とより成ることを特徴とする時計バンドの
   中留体。