JPH06133922A - 可撓管の湾曲機構 - Google Patents

可撓管の湾曲機構

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JPH06133922A
JPH06133922A JP4286084A JP28608492A JPH06133922A JP H06133922 A JPH06133922 A JP H06133922A JP 4286084 A JP4286084 A JP 4286084A JP 28608492 A JP28608492 A JP 28608492A JP H06133922 A JPH06133922 A JP H06133922A
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JP
Japan
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actuator
flexible tube
chemo
voltage
bending
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Withdrawn
Application number
JP4286084A
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English (en)
Inventor
Isami Hirao
勇実 平尾
Kazuhiko Ozeki
和彦 大関
Yasuhiro Ueda
康弘 植田
Kazumuki Yanagisawa
一向 柳沢
Hidenori Uchiyama
秀紀 内山
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は電圧印加駆動型のケモメカニカル材料
を利用したアクチュエータによる湾曲力量・応答性を向
上でき、かつ電圧印加駆動時のガス発生を防止すること
を最も主要な特徴とする。 【構成】ケモメカニカルシート8にくし形電極9a,9
bが装着された膜型アクチュエータ構成要素7を形成
し、この膜型アクチュエータ構成要素7を巻回して形成
された巻回構造体14によって湾曲部の湾曲操作手段を
形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば内視鏡の挿入部
や、カテーテル等に使用される可撓管の湾曲機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、内視鏡の挿入部や、カテーテル
等に使用される可撓管の先端部側に湾曲変形可能な湾曲
部を設け、手元側の操作部の操作にともないこの湾曲部
を遠隔的に湾曲操作する湾曲機構を設けたものが知られ
ている。
【0003】この種の湾曲機構の一例として例えば特開
平1−320068号公報には可撓管の湾曲部にケモメ
カニカル材料(メカノケミカル材料)の膨脹・収縮動作
を利用したアクチュエータを配設することにより、内視
鏡の挿入部や、カテーテル等に使用される可撓管の細径
化を図るようにしたものが開示されている。
【0004】なお、特開平1−320068号公報には
挿入部を構成する樹脂製の外皮の内部に挿入部の長手方
向に沿って長い一対の収納室を形成し、この収納室内に
棒状のケモメカニカル材料を収納するとともに、この収
納室の前後両端に電圧印加用電極を配設し、両電極間の
ケモメカニカル材料への電圧印加を制御することによ
り、可撓管を湾曲操作する構成の電圧印加駆動型のケモ
メカニカル材料のアクチュエータが示されている。
【0005】ここで、ケモメカニカル材料の両端の電極
間に電圧を印加した場合にはケモメカニカル材料は水を
放出しながら収縮し(ケモメカニカル反応)、このケモ
メカニカル材料の収縮動作にともない可撓管を湾曲操作
するようになっている。そして、ケモメカニカル材料の
両端の電極間の電圧印加を止めるとケモメカニカル材料
は放出した水を再び吸収しながら膨脹し、可撓管の湾曲
動作が解除されるようになっている。
【0006】また、ケモメカニカル材料の動作を制御す
る手段としては電圧印加駆動型の駆動手段に代えてpH
が異なる溶液を供給することでケモメカニカル材料を膨
脹、或いは収縮させる構成にしたpH制御型の駆動手段
を備えたアクチュエータもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成のものにあってはケモメカニカル材料から成るア
クチュエータ構成部材のケモメカニカル的な反応によっ
て、そのアクチュエータ構成部材を収縮又は伸長させる
為、湾曲部を湾曲操作する際の応答速度が一般的に遅く
なるとともに、湾曲力量も小さく、可撓管を十分湾曲さ
せる事が困難なものとなる問題がある。
【0008】さらに、電圧印加駆動型のケモメカニカル
材料の場合にはケモメカニカル材料への印加電圧が大き
い場合には水の電気分解により、電極部からガスが発生
する問題がある。
【0009】また、ケモメカニカル材料の両端の電極間
への電圧印加時のガス発生を防止するために駆動電圧を
小さくした場合にはアクチュエータとしての駆動力量が
さらに小さくなるとともに、応答性がさらに低下する問
題がある。
【0010】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、電圧印加駆動型のケモメカニカル材料
を利用したアクチュエータによる湾曲力量・応答性を向
上でき、かつ電圧印加駆動時のガス発生を防止できる可
撓管の湾曲機構を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は可撓管の湾曲部
の湾曲操作用のアクチュエータとしてケモメカニカル材
料を用いた可撓管の湾曲機構において、前記ケモメカニ
カル材料がシート状に成形されたケモメカニカルシート
を設け、このケモメカニカルシートに電圧印加電極が装
着された膜型アクチュエータ構成要素を形成するととも
に、前記膜型アクチュエータ構成要素を巻回して巻回構
造体を形成し、この巻回構造体によって前記湾曲部を湾
曲操作する湾曲操作手段を設けたものである。
【0012】
【作用】ケモメカニカルシートに電圧印加電極が装着さ
れた膜型アクチュエータ構成要素を巻回した巻回構造体
を湾曲部内に装填することにより、湾曲部の内部スペー
スに高充填率でアクチュエータを実装してアクチュエー
タによる湾曲力量・応答性を向上させ、かつ電圧印加駆
動時のガス発生を防止するようにしたものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1乃至図3
(B)を参照して説明する。図3(A)は例えば医療用
処置等に用いられるカテーテル等の可撓管1の先端部側
の湾曲部2を示すものである。この可撓管1の管内には
可撓性のチャンネルチューブ4が配設されており、この
チャンネルチューブ4の内部に処置具等を挿通する為の
処置具挿通チャンネル3が形成されている。
【0014】また、可撓管1の先端部にはチャンネルチ
ューブ4の外周部位に湾曲操作用の第1のアクチュエー
タ(湾曲操作手段)5および第2のアクチュエータ(湾
曲操作手段)6がそれぞれ配設されている。この場合、
第1のアクチュエータ5および第2のアクチュエータ6
には図1に示す膜型アクチュエータ構成要素7が設けら
れている。
【0015】この膜型アクチュエータ構成要素7には電
圧を印加する事で収縮するケモメカニカル材料がシート
状に成形されたケモメカニカルシート8が設けられてい
る。この場合、ケモメカニカル材料としては例えば、橋
かけしたポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸(PAMPS)、ポリメタクリル酸(PMA
A)、PAMPSとPMAAとの混合物、ホーリアクリ
ル酸(PAA)、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、
ポリ−4−ビニルピリジン(P4VP)及びその四級化
物、寒天、アルギン酸、コラーゲン、ゼラチン等の電荷
を持った高分子電解質ゲル、パーフルオロスルホン酸等
から成るイオン交換膜が用いられる。
【0016】さらに、ケモメカニカルシート8の表面8
aおよび裏面8bには電圧を印加する為のくし形電極
(電圧印加電極)9a,9bがそれぞれ設けられてい
る。これらのくし形電極9a,9bはリード線10を介
して可変抵抗器11,電源12,スイッチ13がそれぞ
れ接続されている。そして、スイッチ13のオン−オフ
操作にともない電源12から各くし形電極9a,9bを
介してケモメカニカルシート8に印加される電圧の印加
状態を制御可能になっている。
【0017】なお、くし形電極9a,9bには複数のく
し形歯部15a…,15b…がそれぞれ突設されてい
る。これらのくし形歯部15a…,15b…は噛合状態
で並設されている。
【0018】また、膜型アクチュエータ構成要素7は図
1中の矢印で示すようにくし形電極9a,9bのくし形
歯部15a…,15b…の突設方向に巻回され、図2
(A)に示すようにくし形歯部15a…,15b…の突
設方向と直交する方向に配置された中心軸を中心に巻回
された巻回構造体14が形成されている。そして、2組
の巻回構造体14,14が可撓管1とチャンネルチュー
ブ4との間に挿入された状態で、可撓管1の内周壁と固
定され、可撓管1の湾曲部2を湾曲操作する第1のアク
チュエータ5および第2のアクチュエータ6がそれぞれ
形成されている。
【0019】さらに、第1のアクチュエータ5および第
2のアクチュエータ6のそれぞれのスイッチ13は手元
側のジョイスティック等から成る操作部14に接続され
ている。そして、この操作部14の切換えレバー14a
の操作にともない第1のアクチュエータ5または第2の
アクチュエータ6のいずれか一方のスイッチ13が選択
的にオン−オフ操作され、オン操作されたスイッチ13
側のアクチュエータ5または6に電圧が印加されるよう
になっている。
【0020】ここで、第1のアクチュエータ5および第
2のアクチュエータ6の巻回構造体14は電圧が印加さ
れていない非電圧印加状態では図2(A)に示すように
巻回構造体14の中心軸方向の長さがL0 の初期形状で
保持されている。そして、巻回構造体14は電圧印加時
には図2(B)に示すように巻回構造体14の中心軸方
向の長さが△Lだけ収縮して全体の長さがLに収縮し、
この巻回構造体14の収縮動作にともない力Fが発生す
るようになっている。
【0021】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、カテーテル等の可撓管1の使用時にはこの可撓管
1を患者の消化管等に挿入したのち、チャンネルチュー
ブ4の処置具挿通チャンネル3を通して図示しない処置
具を患者の体内に挿入する。
【0022】また、体内に挿入された処置具を目的とす
る患部へ誘導する為に、可撓管1の先端部を湾曲させる
必要が生じた場合には手元側の操作部14の切換えレバ
ー14aを操作する。そして、この操作部14の切換え
レバー14aの操作にともない第1のアクチュエータ5
または第2のアクチュエータ6のいずれか一方のスイッ
チ13が選択的にオン−オフ操作され、オン操作された
スイッチ13側のアクチュエータ5または6、例えばこ
こでは第1のアクチュエータ5に電圧が印加される。
【0023】ここで電圧が印加された第1のアクチュエ
ータ5の巻回構造体14は図2(B)に示すようにこの
巻回構造体14の中心軸方向の長さが△Lだけ収縮して
全体の長さがLに収縮し、この巻回構造体14の収縮動
作にともない力Fが発生する。そのため、この巻回構造
体14の収縮動作力Fによって可撓管1の湾曲部2は図
3(B)に示すように湾曲操作される。
【0024】さらに、目的の処理が終了したら再度、操
作部14の切換えレバー14aを操作して第1のアクチ
ュエータ5への通電を止める。これにより、第1のアク
チュエータ5は図2(A)に示す伸長状態に復帰され、
この第1のアクチュエータ5の形状復帰動作にともない
可撓管1の湾曲部2は図3(A)に示す元の直線状態に
復帰される。
【0025】また、図3(B)に示す湾曲操作方向と逆
側に湾曲させたい場合には操作部14の切換えレバー1
4aを操作して第2のアクチュエータ6に電圧を印加
し、この第2のアクチュエータ6の巻回構造体14を収
縮させることにより、可撓管1を図3(B)に示す湾曲
操作方向と逆側に湾曲させることができる。
【0026】そこで、上記構成のものにあってはケモメ
カニカルシート8にくし形電極9a,9bが装着された
膜型アクチュエータ構成要素7を巻回した巻回構造体1
4を可撓管1の湾曲部2内に装填したので、湾曲部2の
内部スペースに高充填率でアクチュエータ5,6を実装
することができる。そのため、アクチュエータ5,6の
実装体積を大きくとる事ができるので、アクチュエータ
5,6による湾曲力量・応答性を向上することができ
る。
【0027】さらに、ケモメカニカルシート8の表面8
aおよび裏面8bに表面積が大きいくし形電極9a,9
bを設けたので、アクチュエータ5,6を低電圧で駆動
することができる。そのため、可撓管1の湾曲部2の湾
曲操作時にはくし形電極9a,9b間に印加される駆動
電圧を従来に比べて小さくすることができるので、従来
のような水の電気分解によるガスの発生を防止すること
ができる。
【0028】また、図4は本発明の第2の実施例を示す
ものである。この実施例の可撓管21の湾曲部2には第
1の実施例の巻回構造体14と同一構成の巻回構造体1
4によって形成される3組のアクチュエータ(第1〜第
3のアクチュエータ21,22,23)が装着されてい
る。そして、これらのアクチュエータ21,22,23
のいずれか1個、或いは2個に適宜選択的に電圧を印加
することにより、可撓管21の湾曲部2を360°の任
意の方向に湾曲操作することができるようになってい
る。
【0029】したがって、この場合も第1の実施例と同
様に湾曲部2の内部スペースに高充填率でアクチュエー
タ21,22,23を実装することができるので、第1
の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0030】また、図5および図6は本発明の第3の実
施例を示すものである。これは、図6に示すように例え
ば医療用の診断・処置に用いられる内視鏡の挿入部31
の湾曲部32に、図5に示すように第2の実施例と同様
に第1の実施例の巻回構造体14と同一構成の巻回構造
体14によって形成される3組のアクチュエータ(第1
〜第3のアクチュエータ33,34,35)を装着した
ものである。
【0031】ここで、内視鏡の挿入部31には可撓性の
外皮36内にイメージガイドファイバ37、ライトガイ
ドファイバ38、チャンネルチューブ39がそれぞれ配
設されている。さらに、チャンネルチューブ39の内部
には処置具挿通チャンネル40が形成されている。
【0032】そして、内視鏡の使用時にはこの内視鏡の
挿入部31を消化管、血管等の管腔臓器に挿入し、目的
とする患部を診断・処置する。この患部の診断・処置作
業を行なう際、内視鏡の湾曲部32を湾曲させる必要が
生じた場合には図示しない手元側の制御部を操作し、湾
曲させたい側のアクチュエータ、すなわちアクチュエー
タ33,34,35のうちのいずれか1個、或いは2個
に適宜選択的に電圧を印加する。これにより、挿入部3
1の湾曲部32を図6に示すように通電した側のアクチ
ュエータ方向に湾曲させ、診断・処置が行なえる。な
お、制御部を操作して通電を止めれば挿入部31の湾曲
部32は元の直線状態に戻る。
【0033】したがって、この場合も第1の実施例と同
様に内視鏡の挿入部31の湾曲部32の内部スペースに
高充填率でアクチュエータ33,34,35を実装する
ことができるので、第1の実施例と同様の効果を得るこ
とができる。
【0034】また、図7乃至図9は図9に示すようにカ
テーテル等の可撓管41の先端部側に多段型の湾曲部4
2を配設した第1の変形例を示すものである。この場
合、可撓管41の湾曲部42には図7に示すように軸方
向及び円周方向にそれぞれ複数のアクチュエータ収納室
43が設けられている。これらのアクチュエータ収納室
43にはそれぞれ図8(A)に示すケモメカニカル材料
から成るアクチュエータ44が収納されている。
【0035】このアクチュエータ44には図8(A)に
示すように上下に離間対向配置された一対の剛性のある
支持板45,46が設けられている。また、これらの両
支持板45,46間の外周面には筒状の可撓性フィルム
50が配設されてアクチュエータ44の密閉室44aが
形成されている。
【0036】さらに、密閉室44a内には螺旋状の正電
極47が両支持板45,46間の中心部に架設されてお
り、この正電極47の周囲には複数の円筒状もしくは繊
維状のケモメカニカル物質48…が略平行に配設され、
さらにこのケモメカニカル物質48…の外周部位を囲む
状態で螺旋状の負電極49が配設されている。また、こ
の密閉室44a内には電解質溶液51が水密状態で封入
されている。
【0037】なお、ケモメカニカル物質48…は電圧印
加により収縮する電解質高分子ゲルが用いられる。ま
た、正電極47,負電極49には白金もしくは金のワイ
ヤが用いられる。さらに、フィルム50はゴム等の伸縮
性に富むものが用いられる。
【0038】また、可撓管41の湾曲部42の各アクチ
ュエータ収納室43内に収納されたアクチュエータ44
は図示しない手元側の制御部の操作によってそれぞれ独
立的に電圧が印加されるようになっている。
【0039】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、アクチュエータ44の正電極47と負電極49と
の間に電圧が印加されていない状態では図8(A)に示
すようにアクチュエータ44のフィルム50は略円筒状
の初期形状で保持される。
【0040】また、アクチュエータ44の正電極47と
負電極49との間に電圧が印加された場合にはケモメカ
ニカル物質48は物質内部に貯えていた電解質溶液を排
出して等方向に収縮変形をする。そして、このケモメカ
ニカル物質48の収縮動作にともない容量が増加する電
解質溶液51によってフィルム50が図8(B)に示す
ように横方向に膨脹される。
【0041】この状態から電圧印加を止めるか、或いは
正負逆に電圧を印加すると、ケモメカニカル物質48は
電解質溶液51を吸収して図8(A)に示したように元
に戻る。
【0042】そして、カテーテル等の可撓管41の使用
時には可撓管41を患者の消化管や血管等の蛇行した管
腔に挿入していく際、図示しない手元操作部により、ア
クチュエータ収納室43内のアクチュエータ44に選択
的に電圧を印加することにより、電圧印加されたアクチ
ュエータ44を図8(B)に示すように径方向に膨脹さ
せ、図9に示す様に可撓管41を多段式に湾曲させるこ
とができる。このとき、電圧印加するアクチュエータ4
4を選択することで蛇行した血管、消化管へも容易に挿
入可能となる。
【0043】また、可撓管41の湾曲部42の各アクチ
ュエータ収納室43内に収納された全てのアクチュエー
タ44…を非電圧印加状態、または正負逆に通電するこ
とにより、可撓管41は直線状となり、容易に生体から
抜去できる。さらに、可撓管41の管内に形成されるチ
ャンネル52内を通して処置具等を挿通し、各種処置も
実施できる。
【0044】そこで、上記構成のものにあっては可撓管
41の湾曲部42の各アクチュエータ収納室43内に収
納された全てのアクチュエータ44…のうち選択的に電
圧を印加することにより、湾曲部42の屈曲の方向、位
置、向きの制御ができる。
【0045】さらに、各アクチュエータ44には複数の
円筒状もしくは繊維状のケモメカニカル物質48…を収
容させたので、電圧印加時の発生力を集積化でき、発生
力が増大させることができる。そのため、電圧印加時に
はアクチュエータ44を高速に駆動することができ、湾
曲操作の応答性を高めることができる。また、駆動電圧
を従来に比べて小さくすることができるので、電圧印加
時の電極部からのガス発生を防止することができる。
【0046】また、図10(A)〜(C)は図10
(A)に示すようにカテーテル等の可撓管61の先端部
側に配設された湾曲部62の第2の変形例を示すもので
ある。この湾曲部62には可撓管61の管壁内にアクチ
ュエータ収納室63が2方向にのみ設けられている。
【0047】各アクチュエータ収納室63内には図10
(B)に示すケモメカニカルアクチュエータ64が収納
されている。このケモメカニカルアクチュエータ64に
は上下に離間対向配置された電圧印加電極を兼ねる導電
性のある一対の支持板65,66が設けられている。こ
れらの支持板65,66間の外周面には異方性の伸縮を
するメッシュ67と可撓性のあるフィルム68とが配設
されてアクチュエータ64の密閉室64aが形成されて
いる。
【0048】さらに、密閉室64a内には粒子状の多数
のケモメカニカル物質69…と、電解質溶液70とが収
容されている。なお、粒子状ケモメカニカル物質69…
は膨潤、収縮率の大きい電解質高分子ゲルが望ましい。
また、メッシュ67は繊維を斜めに編んでいる為、図1
0(B)の状態よりも長くならず、横方向にのみ変形で
きる。
【0049】また、可撓管61の先端部外周面には各ア
クチュエータ収納室63と対応する部位におもり71が
それぞれ固定されている。さらに、各アクチュエータ収
納室63内のアクチュエータ64の支持板65,66は
リード線72を介して手元側操作部に設けた電源73、
スイッチ74に接続されている。この場合、スイッチ7
4の一方の切換え端子74aは一方のアクチュエータ6
4側の支持板66に、また他方の切換え端子74bは他
方のアクチュエータ64側の支持板66にそれぞれ接続
されている。さらに、スイッチ74の切換えレバー74
cは図10(A)に示す中立位置、或いは切換え端子7
4a,74bのいずれか一方に接続された2つの接続位
置に選択的に切換え操作されるようになっている。
【0050】そして、スイッチ74の切換えレバー74
cが中立位置に保持されている状態では両アクチュエー
タ64は非通電状態で保持されるとともに、切換えレバ
ー74cがいずれか一方の切換え端子74a,74bと
の接続位置に切換え操作された場合には電源73から供
給される電圧が切換えレバー74cによって接続された
方のアクチュエータ64に選択的に印加される状態に切
換えられるようになっている。
【0051】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、スイッチ74の切換えレバー74cが中立位置に
保持されている状態では両アクチュエータ64は非通電
状態で保持されるので、両アクチュエータ64の支持板
65,66間のフィルム68は図10(B)に示すよう
に略円筒状の初期形状で保持される。そして、この状態
では図10(A)中に実線で示すように可撓管61の湾
曲部62は略直線状の初期形状で保持される。
【0052】また、手元側操作部の操作にともないスイ
ッチ74の切換えレバー74cがいずれか一方の切換え
端子、例えばここでは切換え端子74aとの接続位置に
切換え操作された場合には電源73から供給される電圧
が切換えレバー74cによって接続された切換え端子7
4a側のアクチュエータ64に選択的に印加される。こ
の状態では上下の支持板65,66間に電圧が印加さ
れ、図10(C)に示すようにアクチュエータ64内の
粒子状ケモメカニカル物質69…が電解質溶液70を吸
収して膨潤し、それによって上下の支持板65,66間
のフィルム68およびメッシュ67が横方向に膨れてア
クチュエータ64全体が長さ方向には縮む状態に変形す
る。
【0053】これにより、図10(A)中に一点鎖線で
示すように可撓管61の湾曲部62は上向きに湾曲す
る。このとき、可撓管61の先端部外周の湾曲方向のお
もり71によってこのおもり71がない場合と比べ湾曲
変位は大きくなる。
【0054】また、可撓管61の湾曲部62を略直線状
の初期形状に戻すにはスイッチ74の切換えレバー74
cが中立位置に切換え操作し、アクチュエータ64への
電圧印加を止めるか、或いは逆の電圧を印加すれば良
い。
【0055】さらに、可撓管61の湾曲部62を逆側に
湾曲させる場合には手元側操作部の操作にともないスイ
ッチ74の切換えレバー74cを他方の切換え端子、例
えばここでは切換え端子74bとの接続位置に切換え操
作して逆側のアクチュエータ64に電圧を印加すれば良
い。
【0056】したがって、この場合もカテーテル等の可
撓管61の使用時にはこの可撓管61を消化管、血管等
の管腔臓器に挿入し、目的とする患部に近接させる際
に、可撓管61の湾曲部62を湾曲させる必要が生じた
場合は手元側操作部を操作し、電源73の電圧を一方の
アクチュエータ64に印加することにより、可撓管61
の湾曲部62を湾曲させることができる。
【0057】また、図11(A),(B)は図10
(A)〜(C)のケモメカニカルアクチュエータ64の
変形例を示すものである。すなわち、図10(A)〜
(C)ではアクチュエータ64の密閉室64a内に粒子
状ケモメカニカル物質69…を収容した構成のものを示
したが、ここでは粒子状ケモメカニカル物質69…の代
りにファイバ状のケモメカニカル物質81を収容する構
成にしたものである。
【0058】したがって、この場合にはアクチュエータ
64の密閉室64a内のケモメカニカル物質81がファ
イバ状になっているので、アクチュエータ64の密閉室
64a内に収容されるケモメカニカル物質81全体の表
面積を増やすことができる。そのため、アクチュエータ
64の応答性を一層高速化することができるとともに、
ケモメカニカル物質81の形状が無定形なのでアクチュ
エータ64の形状の制限を少なくすることができる。
【0059】また、図12(A),(B)は図7の可撓
管41の湾曲部42のアクチュエータ収納室43内に収
容されるアクチュエータのさらに別の変形例を示すもの
である。
【0060】すなわち、この変形例のアクチュエータ9
1には上下に離間対向配置された電圧印加電極を兼ねる
導電性のある一対の支持板92,93が設けられてい
る。これらの支持板92,93間の外周面には可撓性の
ある円筒状のフィルム94が配設されてアクチュエータ
91の密閉室91aが形成されている。
【0061】さらに、上部支持板92の下面にはカーボ
ンファイバ等からなる複数の正電極95…が突設されて
いる。これらの正電極95…の表面にはポリアクリル酸
ナトリウム等の高分子ゲルから成るケモメカニカル物質
96がそれぞれ付着されている。また、このケモメカニ
カル物質96の表面には支持板92との接合部位以外の
部分に白金もしくは金等の薄膜がメッキされている。こ
れらの薄膜の基端部は下部支持板93の上面に接続さ
れ、負電極97が形成されている。
【0062】なお、アクチュエータ91の密閉室91a
内には電解質溶液98が封入されている。また、負電極
97の白金もしくは金の薄膜は各々の粒子が堆積した状
態のもので柔軟性があり、密閉室91a内の電解質溶液
98を通過可能である。
【0063】そして、このアクチュエータ91は図7の
可撓管41の湾曲部42の各アクチュエータ収納室43
内に収容され、手元側操作部からの操作によって各アク
チュエータ収納室43内のアクチュエータ91の電圧の
印加状態をそれぞれ制御可能になっている。
【0064】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、全てのアクチュエータ収納室43内のアクチュエ
ータ91が非通電状態で保持されている場合には各アク
チュエータ91の支持板92,93間のフィルム94は
図12(A)に示すように略円筒状の初期形状で保持さ
れる。そして、この状態では可撓管41の湾曲部42は
略直線状の初期形状で保持される。
【0065】また、いずれかのアクチュエータ収納室4
3内のアクチュエータ91に可撓管41の手元側から電
圧を印加した場合には電圧が印加されたアクチュエータ
91内のケモメカニカル物質96は内部の電解質溶液9
8を排出して軸方向に収縮し、排出された電解質溶液9
8によってフィルム94を横方向に膨らまし、図12
(B)に示す収縮形状に変形する。したがって、このア
クチュエータ91の変形動作にともない可撓管41の湾
曲部42が湾曲操作される。
【0066】また、可撓管41を直線状態に戻すにはア
クチュエータ91への電圧印加を止めるか、正負逆の電
圧を印加する。するとケモメカニカル物質96は電解質
溶液98を吸収して膨潤変形し、図12(A)に示すよ
うに略円筒状の初期形状に戻るので、可撓管41は元の
直線状態に戻る。
【0067】図13(A),(B)は図13(A)に示
すようにカテーテル等の可撓管101の先端部側に配設
された湾曲部102の第3の変形例を示すものである。
この場合、可撓管101の湾曲部102には図13
(A)に示すように軸方向及び円周方向にそれぞれ複数
のアクチュエータ収納室103が設けられている。これ
らのアクチュエータ収納室103はそれぞれ連通孔10
4を介して可撓管101の外部と直通可能となってい
る。
【0068】また、各アクチュエータ収納室103内に
は電圧印加により収縮する高分子ゲルのケモメカニカル
物質から成るアクチュエータ105が設けられ、このア
クチュエータ105の両端にはそれぞれ電圧印加電極1
06a,106bが配設されている。なお、各アクチュ
エータ収納室103内のアクチュエータ105の電圧印
加電極106a,106bには図示しない手元側制御部
の操作で選択的に電圧が印加されるようになっている。
【0069】また、各連通孔104の上部、すなわち可
撓管101の外周面上には多孔質膜,金属メッシュ,高
分子メッシュ,不織布等のカバー部材107が装着され
ている。そして、このカバー部材107を通してアクチ
ュエータ105への電解質溶液の出入り、或いは電極1
06a,106bから発生したガスを可撓管101の外
部へ排出可能としてある。
【0070】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、全てのアクチュエータ収納室103内のアクチュ
エータ105が非通電状態で保持されている場合には各
アクチュエータ105は所定長さの初期形状で保持され
る。そして、この状態では可撓管101の湾曲部102
は略直線状の初期形状で保持される。
【0071】また、いずれかのアクチュエータ収納室1
03内のアクチュエータ105に可撓管101の手元側
から電圧を印加した場合には電圧が印加されたアクチュ
エータ105のケモメカニカル物質は内部に含んだ電解
溶液を排出して軸方向に収縮する。
【0072】このとき排出された電解溶液、及び電極1
06a,106bから発生したガスは連通孔104およ
びカバー部材107を通して可撓管101の外部へ排出
される。そして、可撓管101の湾曲部102はアクチ
ュエータ105の変形動作にともない図9に示すように
多段階湾曲される。
【0073】また、可撓管101を直線状の初期形状に
戻す場合には手元側制御部を操作して電圧印加を停止す
るか、正負逆の電圧を印加すれば良い。このとき、可撓
管101の外部の溶液(体液等)がカバー部材107お
よび連通孔104を通してアクチュエータ収納室103
内に浸入し、アクチュエータ105のケモメカニカル物
質は膨潤状態となる。
【0074】したがって、この場合も可撓管101の使
用時にはこの可撓管101を生体の消化管、血管等の管
腔臓器に挿入し、湾曲させる必要が生じた際に図示しな
い手元側制御部を操作してアクチュエータ105のケモ
メカニカル物質に電圧を印加することにより、可撓管1
01の湾曲部102を湾曲させることができる。
【0075】さらに、この場合にはアクチュエータ収納
室103に可撓管101の外部に連通させた連通孔10
4を形成し、この連通孔104の上部に多孔質膜,金属
メッシュ,高分子メッシュ,不織布等のカバー部材10
7を装着したので、アクチュエータ収納室103内のア
クチュエータ105のケモメカニカル物質への電解溶液
の出入りを可撓管101の内外で行なうことができ、駆
動効率が向上する。また、アクチュエータ105の電極
106a,106bから発生したガスを効率よく外部へ
排出できる。
【0076】図14(A),(B)は図14(A)に示
すようにカテーテル等の可撓管111の先端部側に配設
された湾曲部112の第4の変形例を示すものである。
この場合、可撓管111の湾曲部112の管壁片側には
図14(A)に示すように略円弧形状の曲がりぐせの付
いたワイヤ、板等から成るばね部材113が埋設されて
いる。
【0077】また、可撓管111の管壁の他方側(略1
80°の位置)には電圧印加により収縮するケモメカニ
カル物質からなるワイヤ状のアクチュエータ114が埋
設されている。このアクチュエータ114の両端には電
圧印加電極115a,115bが配設されている。これ
らの電圧印加電極115a,115bはリード線116
を介して手元側操作部に設けた電源117、スイッチ1
18に接続されている。
【0078】そして、スイッチ118が図14(A)に
示すようにオフ状態で保持されている場合には可撓管1
11の湾曲部112はばね部材113のばね力によって
略円弧形状に一方に湾曲された初期の湾曲形状で保持さ
れている。
【0079】また、カテーテル等の可撓管111の使用
時にはスイッチ118をオン操作して電源117の電圧
をアクチュエータ114のケモメカニカル物質に印加す
る。この場合にはアクチュエータ114のケモメカニカ
ル物質は収縮してばね部材113に打ち勝つ力を発生
し、これにより可撓管111の湾曲部112は図14
(A)中で点線に示すように直立する。そのため、この
状態で可撓管111が人体の消化管、血管等の管腔臓器
内に挿入される。
【0080】さらに、可撓管111を患部に近づける
為、湾曲させる必要が生じた場合には湾曲部112を直
立させた際の印加電圧より高い電圧をアクチュエータ1
14のケモメカニカル物質に印加する。
【0081】この場合にはアクチュエータ114のケモ
メカニカル物質はさらに大きく収縮し、大きな発生力を
出すので、可撓管111の湾曲部112は図14(B)
に示すように初期の湾曲形状とは逆方向に湾曲操作され
る。このとき、可撓管111の湾曲部112を逆側に湾
曲させたい場合にはスイッチ118をオフ操作し、アク
チュエータ114のケモメカニカル物質への電圧印加を
停止することにより、可撓管111の湾曲部112はば
ね部材113のばね力によって初期の湾曲形状に復帰さ
れる。
【0082】そこで、上記構成のものにあっては略円弧
形状の曲がりぐせの付いたワイヤ、板等から成るばね部
材113を可撓管111内に埋設しているので、1つの
ケモメカニカルアクチュエータ114で可撓管111の
湾曲部112を2方向に湾曲させることができ、構成の
簡略化、細径化が実現できる。
【0083】図15(A),(B)は図15(A)に示
すようにカテーテル等の可撓管121の先端部側に配設
された湾曲部122の第5の変形例を示すものである。
これは、可撓管121の湾曲部122に直列に連結され
た4つの局部湾曲要素123a,123b,123c,
123dを設けたものである。
【0084】この場合、湾曲部122の最先端の局部湾
曲要素123aには可撓管121の管壁内に2組のケモ
メカニカル物質からなるワイヤ状のアクチュエータ12
4が周方向に180°の位置に埋設されている。
【0085】さらに、最先端の局部湾曲要素123aに
連結された後方の3つの局部湾曲要素123b,123
c,123dには図14(A),(B)の湾曲部112
と同様に可撓管121の湾曲部122の管壁片側に略円
弧形状の曲がりぐせの付いたワイヤ、板等から成るばね
部材125がそれぞれ埋設され、可撓管121の管壁の
他方側(略180°の位置)に電圧印加により収縮する
ケモメカニカル物質からなるワイヤ状のアクチュエータ
126がそれぞれ埋設されている。
【0086】そして、最先端の局部湾曲要素123aの
アクチュエータ124および後方の3つの局部湾曲要素
123b,123c,123dの各アクチュエータ12
6のケモメカニカル物質は図示しない手元側操作部によ
り電源電圧を可変して選択的に印加可能になっている。
【0087】なお、可撓管121の湾曲部122は後方
の3つの局部湾曲要素123b,123c,123dの
部分の各アクチュエータ126が電圧印加されていない
場合にはばね部材125のばね力によって図15(A)
に示す通り円弧状に丸まった湾曲形状で保持されてい
る。
【0088】そこで、上記構成のものにあっては図14
(A),(B)の変形例と同様の効果を得ることができ
る他、多関節湾曲が実現できる。さらに、この変形例で
は最先端の局部湾曲要素123aにのみ可撓管121の
管壁内に2組のケモメカニカル物質からなるワイヤ状の
アクチュエータ124を埋設したので、可撓管121の
先端部を目的部位に接近させる作業の作業性を高めるこ
とができる。
【0089】図16(A)は多関節構造の一対の操作ア
ーム131を備えたマイクロロボット132を示すもの
である。このマイクロロボット132のケース133の
内部には図16(A)に示すように電源134,体外か
らの信号を受信する受信部135,体外へ信号を送る送
信部136,及び制御部137がそれぞれ接続して設け
られている。
【0090】また、制御部137には体内で観察を行な
うためのCCD(固体撮像素子)から成る観察部13
8,及びLED(発光ダイオード)から成る照明部13
9がそれぞれ接続されている。
【0091】さらに、マイクロロボット132のケース
133には両側に出入口140が形成されている。この
出入口140はケース133内の操作アーム131の収
納室に連通されている。そして、収納室内に収納された
多関節構造の操作アーム131はこの出入口140から
ケース133の外部に出入可能になっている。
【0092】また、多関節構造の操作アーム131は図
15(A),(B)の可撓管121によって形成されて
いる。この操作アーム131の最先端の局部湾曲要素1
23aのアクチュエータ124および後方の3つの局部
湾曲要素123b,123c,123dの各アクチュエ
ータ126はそれぞれ制御部137に接続され、この制
御部137からの指令によって電源電圧を可変して選択
的に印加可能になっている。
【0093】そして、操作アーム131は後方の3つの
局部湾曲要素123b,123c,123dの部分のば
ね部材125のばね力によって図15(A)に示す通り
円弧状に丸まった湾曲形状でケース133内の操作アー
ム131の収納室の内部に格納されている。
【0094】さらに、操作アーム131の最先端の局部
湾曲要素123aには体内で各種処理を行なうためのグ
リッパ141が設けられている。このグリッパ141は
制御部137に接続され、この制御部137からの指令
によって動作が制御されるようになっている。
【0095】また、マイクロロボット132の使用時に
は患者の体内の患部142の近傍にマイクロロボット1
32を導入したのち、観察部138より観察を行なう。
観察された映像は送信部136から送信され、体外にて
モニターされる。そして、患部142を治療する為に体
外から信号を受信部135へ送り、操作アーム131を
駆動させる。
【0096】すなわち、操作アーム131は体外からの
信号によって図16(A)の丸まった湾曲形状からケー
ス133の出入口140を介して外部側に突出され、図
16(B)に示すように伸長された状態に変形操作され
る。続いて、体外から信号を送り、グリッパ141を駆
動させて患部142を治療する。
【0097】また、治療が終了したら、再度体外から信
号を送り、操作アーム131を図16(A)の丸まった
湾曲形状に変形させ、ケース133内の操作アーム13
1の収納室の内部に格納させる。
【0098】そこで、上記構成のものにあっては処理を
行う時のみマイクロロボット132の操作アーム131
を伸長し、通常はケース133内の操作アーム131の
収納室の内部に格納させることができるので、マイクロ
ロボット132の操作アーム131による処理が行なわ
れていない場合にマイクロロボット132の操作アーム
131が邪魔になるおそれがない。なお、本発明は上記
実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0099】
【発明の効果】本発明によればケモメカニカル材料がシ
ート状に成形されたケモメカニカルシートを設け、この
ケモメカニカルシートに電圧印加電極が装着された膜型
アクチュエータ構成要素を形成するとともに、膜型アク
チュエータ構成要素を巻回して巻回構造体を形成し、こ
の巻回構造体によって湾曲部を湾曲操作する湾曲操作手
段を設けたので、湾曲部内に高充填率で充填させ、電圧
印加駆動型のケモメカニカル材料を利用したアクチュエ
ータによる湾曲力量・応答性を向上でき、かつ電圧印加
駆動時のガス発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例のアクチュエータの膜
型アクチュエータ構成要素を示す斜視図。
【図2】 アクチュエータの巻回構造体を示すもので、
(A)は非電圧印加状態の巻回構造体の斜視図、(B)
は電圧印加状態の巻回構造体の斜視図。
【図3】 可撓管の湾曲部を示すもので、(A)は非湾
曲状態の湾曲部を示す斜視図、(B)は湾曲状態の湾曲
部を示す斜視図。
【図4】 本発明の第2の実施例の可撓管の湾曲部を示
す横断面図。
【図5】 本発明の第3の実施例における内視鏡の挿入
部の湾曲部を示す横断面図。
【図6】 内視鏡の湾曲状態の湾曲部を示す斜視図。
【図7】 湾曲部の第1の変形例を示す断面斜視図。
【図8】 アクチュエータを示すもので、(A)は非電
圧印加状態のアクチュエータを示す斜視図、(B)は電
圧印加状態のアクチュエータを示す斜視図。
【図9】 可撓管の多段型の湾曲部を示す斜視図。
【図10】 湾曲部の第2の変形例を示すもので、
(A)は要部の概略構成図、(B)は非電圧印加状態の
アクチュエータを示す斜視図、(C)は電圧印加状態の
アクチュエータを示す斜視図。
【図11】 アクチュエータの変形例を示すもので、
(A)は非電圧印加状態のアクチュエータを示す斜視
図、(B)は電圧印加状態のアクチュエータを示す斜視
図。
【図12】 アクチュエータの他の変形例を示すもの
で、(A)は非電圧印加状態のアクチュエータを示す斜
視図、(B)は電圧印加状態のアクチュエータを示す斜
視図。
【図13】 湾曲部の第3の変形例を示すもので、
(A)は湾曲部の要部の概略構成図、(B)は湾曲部の
横断面図。
【図14】 湾曲部の第4の変形例を示すもので、
(A)は非電圧印加状態のアクチュエータを示す斜視
図、(B)は電圧印加状態のアクチュエータを示す斜視
図。
【図15】 湾曲部の第5の変形例を示すもので、
(A)は非電圧印加状態のアクチュエータを示す斜視
図、(B)はアクチュエータへの電圧印加時の湾曲部の
変形状態のを示す側面図。
【図16】 多関節構造のマイクロロボットを示すもの
で、(A)はマイクロロボットの内部の概略構成図、
(B)はマイクロロボットの使用状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…可撓管、2…湾曲部、5,6,21,22,23,
33,34,35…アクチュエータ(湾曲操作手段)、
7…膜型アクチュエータ構成要素、8…ケモメカニカル
シート、9a,9b…くし形電極(電圧印加電極)、1
4…巻回構造体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳沢 一向 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 内山 秀紀 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓管の湾曲部の湾曲操作用のアクチュ
    エータとしてケモメカニカル材料を用いた可撓管の湾曲
    機構において、前記ケモメカニカル材料がシート状に成
    形されたケモメカニカルシートを設け、このケモメカニ
    カルシートに電圧印加電極が装着された膜型アクチュエ
    ータ構成要素を形成するとともに、前記膜型アクチュエ
    ータ構成要素を巻回して巻回構造体を形成し、この巻回
    構造体によって前記湾曲部を湾曲操作する湾曲操作手段
    を設けたことを特徴とする可撓管の湾曲機構。
JP4286084A 1992-10-23 1992-10-23 可撓管の湾曲機構 Withdrawn JPH06133922A (ja)

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