JPH06129941A - パイプラインの監視方法及びその装置 - Google Patents

パイプラインの監視方法及びその装置

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JPH06129941A
JPH06129941A JP5145959A JP14595993A JPH06129941A JP H06129941 A JPH06129941 A JP H06129941A JP 5145959 A JP5145959 A JP 5145959A JP 14595993 A JP14595993 A JP 14595993A JP H06129941 A JPH06129941 A JP H06129941A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パイプラインに圧力変動を伴う事象が発生し
た場合に、たとえS/N比が低い圧力信号であったとし
ても、時間遅れなく、前記事象に起因する圧力先頭波の
到達時刻及び強度を正しく検出する。 【構成】 パイプライン中の流体に圧力変動を発生させ
る事象に起因して、流体を媒体として伝播する圧力先頭
波の到達時刻を検出する圧力先頭波の到達時刻検出方法
において、パイプライン中の流体圧力に関係する特性値
を測定し、測定された特性値を電気信号に変換し、所定
時間に亘る電気信号を記憶保持し、記憶保持された所定
時間の電気信号から統計的手法を用いて圧力先頭波の到
達時刻を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パイプラインにおける
漏洩現象や弁の開閉操作等の各種の事象の発生を監視す
るパイプラインの監視方法及びその装置に係わり、特
に、前記事象に起因して発生しパイプライン内の流体中
を伝播する圧力先頭波の到達時刻を正確に検出する圧力
先頭波の到達時刻検出方法と圧力先頭波の到達時刻検出
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ガス等の気体や石油等の液体を輸送
するパイプラインにおいては、弁操作、ポンプの起動/
停止等の通常の運転状態における各事象、又は漏洩等の
事象が発生すると、その事象の発生した地点でパイプラ
イン内を通流する前述した各流体の圧力が急激に変化す
る。この圧力の瞬時の変化により、圧力波が発生し、発
生地点から上流側と下流側に向かって伝播していく。こ
の伝播速度はこのパイプライン中を流れる流体を伝搬す
る音の速度にほぼ等しい。
【0003】パイプライン中を通流する流体の圧力を検
出する圧力検出器を取付け、この圧力検出器の出力信号
を常時監視し、適切な処理を行えば、前記各種の事象に
起因して発生する圧力波、すなわち圧力先頭波を検出で
きることになる。これにより、例えばパイプライン上に
互いに離間した2か所に圧力検出器を取付ける事によっ
て、各圧力検出器が各圧力先頭波を検出した時刻の時間
差でもって、漏洩等の事象の発生位置を推定したり、弁
操作やポンプの作動操作が正常に行われたかどうかを確
認できる。
【0004】この事象の発生位置を求めるための一つの
技術がオッテンシュタインに付与された米国特許第 3,8
51,521号に開示されている。また、欧州特許出願第 0
042212 号の公開公報には、圧力先頭波の強度から事象
の発生位置を推定する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、パイプライン
中を通流する流体の圧力は絶えず変動している。その結
果、例えば図2に示すように、圧力検出器で検出された
圧力信号に高いレベルの雑音が混入して、S/N比が大
幅に低下し、圧力波の先端(即ち、圧力先頭波)を正確
に検出するための妨げとなる。
【0006】なお、圧力先頭波の到達の検出を意図する
先行技術の例が、コビントンに付与された米国特許第
4,144,748号,4,091,658 号と 4,012,944号や、ファー
マに付与された米国特許第4,796,446 号に開示されてい
る。しかし、この開示された技術によると、検出された
圧力信号に含まれる雑音成分を除去するために、圧力先
頭波に続く圧力信号を著しいフィルタリングを介して観
察し、圧力先頭波通過後の圧力変化の傾向を検出するよ
うにしている。したがって、この技術は圧力先頭波が通
過(到達)したことを確認する技術であり、圧力先頭波
の到達時刻そのものを検出するものではない。
【0007】コビントンの積分器やファーマのフィルタ
のような単一のフィルタを使えば、ある程度の雑音を除
去でき、圧力変化の傾向を把握するのに役立つ。しか
し、雑音を充分除去するためには、ローパスフィルタの
遮断周波数を例えば5Hz程度に設定する必要がある。し
かし、このように遮断周波数を低い値に設定すると、本
来の検出しようとする圧力先頭波の変化特性がフィルタ
の時定数に影響される。その結果、検出された圧力先頭
波の到達時刻が実際の到達時刻より遅れてしまい、正確
な到達時刻を検出できない問題がある。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、クロック信号等に同期して得られる各時刻
の圧力値のうちの所定個数の圧力値を統計処理し、この
統計的な変化量でもって圧力先頭波の到達を判定する事
によって、たとえS/N比が低い圧力信号であったとし
ても、時間遅れなく、正しい圧力先頭波の到達時刻を検
出できる圧力先頭波の到達時刻検出方法及び圧力先頭波
の到達時刻検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、請求項1の発明は、パイプライン中の流体に圧力変
動を発生させる事象に起因して流体を媒体として伝播す
る圧力先頭波の到達時刻を検出する圧力先頭波の到達時
刻検出方法である。
【0010】そして、この方法は、パイプライン中の流
体圧力に関係する特性値を測定する工程と、測定された
特性値を電気信号に変換する工程と、所定時間に亘る電
気信号を記憶保持する工程と、記憶保持された所定時間
の電気信号から統計的手法を用いて前記圧力先頭波の到
達時刻を決定する工程とで構成されている。
【0011】また、請求項2の発明は、パイプライン中
の流体に圧力変動を発生させる事象に起因して流体を媒
体として伝播する圧力先頭波の到達時刻をパイプライン
上の所定位置で検出する圧力先頭波の到達時刻検出方法
である。
【0012】そして、この方法は、パイプライン上の所
定位置で流体の圧力値を所定時間間隔で測定して、各時
刻における各圧力値からなる圧力値群を求める工程と、
圧力値群に含まれる複数の圧力値のうちから連続する所
定個数の圧力値からなるサブ圧力値群を指定する工程
と、各圧力値がそれぞれ最新の圧力値として得られたと
き、自己が最新値として所属するサブ圧力値群に含まれ
る全部の圧力値から所定位置における圧力の時間変化特
性を直線近似する工程と、時間変化特性が所定の閥値を
越えた時刻を特定する工程と、特定された時刻以前の所
定期間における各圧力値の時間変化特性を示す参照直線
を求める工程と、特定された時刻以降の所定期間におけ
る各圧力値の時間変化特性の最大勾配直線を求める工程
と、参照直線と最大勾配直線との交点を求める工程と、
交点に対応する時刻を圧力先頭波の到達時刻として出力
する工程とで構成されている。
【0013】また、請求項3の発明は、上記請求項2の
発明に対して、最大勾配直線を求めた以降に得られた圧
力の時間変化特性が所定の変化閥値未満になった時点に
おける各圧力値の最新直線を求める工程と、最新直線と
参照直線との間隔で示される圧力値変化量を前記圧力先
頭波の強度として出力する工程とを加えたものである。
【0014】さらに、請求項4の発明は、パイプライン
中の流体に圧力変動を発生させる事象に起因して流体を
媒体として伝播する圧力先頭波の到達時刻をパイプライ
ン上の所定位置で検出する圧力先頭波の到達時刻検出装
置である。
【0015】そして、この装置は、パイプライン上の所
定位置で流体の圧力値を所定時間間隔で測定して、各時
刻における各圧力値からなる圧力値群を求める手段と、
圧力値群に含まれる複数の圧力値のうちから連続する所
定個数の圧力値からなるサブ圧力値群を指定する手段
と、各圧力値がそれぞれ最新の圧力値として得られたと
き、自己が最新値として所属するサブ圧力値群に含まれ
る全部の圧力値から所定位置における圧力の時間変化率
を直線近似する手段と、得られた時間変化特性と所定の
閥値とを比較することによって、圧力先頭波の到達時刻
を特定する手段とで構成されている。
【0016】また、請求項5の発明は、請求項4の装置
における圧力先頭波の到達時刻を特定する手段を、圧力
の時間変化特性が所定の閥値を越えた時刻を特定する手
段と、特定された時刻以前の所定期間における各圧力値
の時間変化特性を示す参照直線を求める手段と、特定さ
れた時刻以降の所定期間における各圧力値の時間変化特
性の最大勾配直線を求める手段と、参照直線と最大勾配
直線との交点を求める手段と、交点に対応する時刻を圧
力先頭波の到達時刻として出力する手段とで構成してい
る、また、請求項6の発明は、上述した請求項4の装置
に対して、所定位置における圧力の時間変化特性から圧
力先頭波の強度を求める手段を加えたものである。
【0017】さらに、請求項7の発明は、パイプライン
中の流体に圧力変動を発生させる事象に起因して流体を
媒体として伝播する圧力先頭波の到達時刻をパイプライ
ン上の所定位置で検出する圧力先頭波の到達時刻検出装
置である。
【0018】そして、この装置は、パイプライン上の所
定位置における流体の圧力に関する特性値をアナログ信
号として検出する検出器と、標準時刻情報によりクロッ
ク信号を出力する基準時刻発生部と、検出器から出力さ
れる特性値のアナログ信号を、クロック信号を付加しA
/D変換して各時刻におけるデジタル信号として出力す
るA/D変換器と、A/D変換器から出力される最新の
所定時間内に含まれる特性値の時間的変化を示す最適直
線を求める最適直線算出回路と、最適直線の勾配が所定
の閥値を越えたとき圧力先頭波検出信号を出力する比較
器と、圧力先頭波検出信号と基準時刻発生部から出力さ
れるクロック信号とから圧力先頭波の到達時刻を求める
到達時刻算出回路とで構成されている。
【0019】
【作用】このように構成された圧力先頭波の到達時刻検
出方法及び到達時刻検出装置の基本動作を説明する。パ
イプライン内に圧力変動を伴う事象が発生した場合、圧
力波がパイプライン内の流体中を伝播していくが、この
圧力波(即ち圧力先頭波)はパイプライン内の流体の圧
力に関係する特性値を測定する事によって検出される。
測定された圧力に関係する特性値は電気信号に変換され
る。そして、測定された各圧力に関係する特性値は所定
時間に亘り記憶保持される。したがって、常時最新の所
定時間分の圧力に関係する特性値が記憶保持される。そ
して、この最新の所定時間分の圧力圧力に関係する特性
値から統計的手法を用いて圧力先頭波の到達時刻を決定
している。すなわち、常に最新の統計量が得られ、例え
ばこの統計量の変化度合い等によって圧力先頭波の到達
時刻が一義的に定まる。
【0020】また、請求項2においては、上記手法にお
ける好ましいより具体的な手法を示している。すなわ
ち、パイプライン上の所定位置で流体の圧力値を所定時
間間隔で測定して、各時刻における各圧力値からなる圧
力値群を定義し、さらに、この圧力値群に含まれる複数
の圧力値のうちから連続する所定個数の圧力値からなる
サブ圧力値群を定義している。
【0021】そして、このサブ圧力値群に所属する所定
個数の圧力値から所定位置(測定位置)における圧力の
時間変化特性が直線近似される。すなわち、最新の所定
個数の圧力値から測定位置における圧力の時間的変化を
示す直線が統計的に求められる。そして、この直線は、
新規に圧力値が測定される毎に、新たな直線に更新され
る。
【0022】圧力の時間的変化特性を示すこの直線の勾
配が所定の閥値を越えると、圧力先頭波の影響による圧
力変動が生じ始めたと判断する。そして、この時点以前
の所定個数の圧力値から前記圧力変動が生じていない通
常の状態での各圧力値の時間変化特性を示す参照直線を
求める。
【0023】次に、閥値を越えた後の所定期間における
各圧力値の時間変化特性の最大勾配直線を求める。そし
て、参照直線と最大勾配直線との交点に対応する時刻が
圧力先頭波の到達時刻となる。
【0024】さらに、最大勾配直線を求めた以降に得ら
れた各圧力値の時間変化特性が所定の閥値未満になった
時点における各圧力値の最新直線を求め、この最新直線
と前記参照直線との間隔で示される圧力値変化量を圧力
先頭波の強度とする。
【0025】すなわち、圧力先頭波が測定位置(所定位
置)を通過すると、この測定位置(所定位置)における
圧力値は圧力先頭波が到達する前に比較して大きく変化
するが、圧力先頭波が通過した後は、圧力値の時間変化
特性は元の通常状態時に近くなる。したがって、圧力値
の時間変化特性が所定の閥値未満に低下した時点で、こ
の時点における最新直線と先の参照直線との間隔が圧力
先頭波の圧力変化幅、すなわち圧力先頭波の強度に対応
する値となる。
【0026】また、請求項7の発明においては、パイプ
ライン上の所定位置に配置された検出器でパイプライン
内の流体の圧力がアナログ信号として検出され、A/D
変換器でもって、基準時刻発生部から出力されるクロッ
ク信号を付加して、デジタルの圧力値に変換される。こ
のA/D変換器から出力される最新の所定時間内に含ま
れる各時刻における各圧力値の時間的変化を示す最新直
線が最適直線算出回路で算出される。
【0027】そして、比較器において最新直線の勾配が
所定の閥値を越えたと判定された場合に、圧力先頭波が
到達したと判断して、先頭波検出信号が出力される。さ
らに、到達時刻算出回路でもって、先頭波検出信号と基
準時刻情報から圧力先頭波の到達時刻が算出される。
【0028】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。図1は実施例の圧力先頭波の到達時刻検出方法を適
用した圧力先頭波の到達時刻検出装置の概略構成を示す
ブロック図である。
【0029】図1に示すように、パイプライン2の所定
位置に、このパイプライン2内部の流体圧力をアナログ
電気信号に変換する圧力検出器1が取付けられている。
この圧力検出器1は、パイプの管壁の変形を測定する歪
み計、またはマイクロフォン、その他の圧力の過渡的事
象に感応する検出器であれば、どんな検出器であっても
よい。
【0030】この実施例においては、最大流体圧力及び
雑音を処理するに十分な機能範囲を備え、更に、パイプ
ライン内における圧力先頭波の減衰に鑑み、測定が望ま
れる長距離のパイプラインにおける微小な圧力先頭波の
強度も分析するに充分な機能を備える高品質の工業用圧
力検出器が使用されている。
【0031】また、その周波数応答は、過渡的事象の圧
力先頭波の形状を正確に測定するに充分なものでなけれ
ばならない。例えば、ガソリン輸送のパイプラインの場
合、少なくとも0.03 psiの分解能を持ち、また少なくと
も50 Hz の周波数応答を持ち、かつ 0〜 2000 psi の圧
力測定レンジを有する圧力検出器であれば、0.1 psiの
過渡的圧力変化の検出が可能である。
【0032】一般に、圧力検出器1からの出力信号は、
流体の運動の乱れや検出器に起因する雑音を含んでい
る。この雑音は、A/D変換器3のサンプリング周波数
の半分(ナイキスト周波数)より高い周波数を含む場合
もある。また、パイプライン2の圧力値の絶対値に相当
する信号のオフセット成分(直流成分)もある。
【0033】これらの圧力信号の構成成分がデジタル信
号演算処理部5における圧力先頭波検出の処理動作を妨
げる。これらの不要成分をアナログ信号処理部6内に設
けられたフィルタを通過させて、できるだけ排除する必
要がある。このフィルタのパラメーターとしては、ノイ
ズの特性次第であるが、およそ0.1 から50 Hz の周波数
通過帯域のものが通常使用される。
【0034】なお、このフィルタは、先行技術の説明で
述べたフィルタとはその機能が異なる。すなわち、先行
技術のフィルタは、遮断周波数がかなり低い値に設定さ
れたローパスフィルタである。したがって、圧力先頭波
の強度と到達時刻を正確に決定するため必要となる圧力
先頭波に関する情報を切り捨てることになる。
【0035】本発明では、このような極めて有用な圧力
先頭波の情報を保持する広い周波数の通過帯域を持つフ
ィルタを使用する。勿論、一部の雑音は、このようなフ
ィルタで除去されずにそのまま通過する。しかし、本発
明では、以下に述べる統計的な演算の手法を用いて、こ
のような雑音を排除できる。
【0036】実際、この発明の手法を採用することによ
って、パイプラインの中の例えば図2に示したpeak to
peakの雑音が、漏洩等を示す圧力先頭波の強度に近似し
たり又はこの強度を超えて、すなわちS/N比が1を下
回る程度である場合でも、圧力先頭波を正確に測定でき
る。
【0037】圧力検出器1からの圧力値を示すアナログ
電気信号は、アナログ信号処理部6内のフィルタに導か
れる。A/D変換器3は、フィルタから出力されたアナ
ログ信号を受信し、圧力先頭波の先端の形状を分析する
に充分なサンプリング周波数でデジタル信号に変換す
る。サンプリング周波数としては、上昇または下降して
いる圧力先頭波内に含まれる2乃至3個の圧力サンプル
値が採取できれば、通常はそれで充分である。このサン
プリング周波数は、パイプライン2の種類によるが、10
〜100 Hzの間で適当な値に設定される。この実施例にお
いては、25Hzのサンプリング周波数が使用されてい
る。
【0038】基準時刻発生部4により各圧力サンプル値
採取の正確な時刻が定まる。これは、圧力先頭波の到達
時刻の正確な決定に必要である。この実施例では、衛星
通信(GPS)を一定周期で受信して、基準時刻を得
る。なお、衛星通信(GPS)を利用する他にも、JJ
Y(標準時刻電波)のラジオ放送を受信したり、原子の
半減期を利用した原子時計等を利用することができる。
【0039】デジタル信号演算処理部5は、A/D変換
器3から出力された各圧力サンプル値を受取り、圧力先
頭波検出のアルゴリズムを実行して、到達時刻と強度と
を出力する。この実施例においては、デジタル信号演算
処理部5はマイクロコンピュータで構成されている。
【0040】図4に示す圧力先頭波検出アルゴリズム
は、パイプライン2中を伝搬する圧力先頭波が流体圧力
の統計的に意味のある変化を示すことを前提として作動
する。すなわち、あるデータ群が他のデータ群に含まれ
るか否かを統計的に決定する手法である。
【0041】この手法においては、最も最新の所定個数
の圧力サンプル値の統計的な代表値が母集団の統計的代
表値に比較して異なっている場合は、この所定個数の圧
力サンプル値は、異なる母集団に所属すると判断する。
したがって、パイプライン2の運転状態に変化があった
ことを意味する。
【0042】なお、図4のフローチャートに関する以下
の議論は、負の圧力先頭波の検出について説明するが、
正の圧力先頭波の検出においても全く同様の手順で実行
できる。
【0043】図4において、先ず、A/D変換器3のサ
ンプリング周波数で定まる所定周期(サンプリング周
期)に相当する時間が経過して、A/D変換器3から出
力される1個の圧力サンプル値を読取る(ステップ
1)。
【0044】ステップ2でその読取った圧力サンプル値
が、例えば図3に示すように、次々に生じる最新のNP
個の圧力サンプル値を常に含むメモリに蓄積される。こ
の実施例では、メモリに常時蓄積されている最新の圧力
サンプル値の個数NP は500個である。したがって、
この個数NP は、1秒当たり25サンプルの採取速度
(すなわち、25Hzのサンプリング周波数)において
は、20秒間の時間間隔、又は時間窓を表わす。
【0045】各圧力サンプル値がメモリに蓄積される
と、ステップ3で、時間と圧力サンプル値とを直線的な
関数関係に置き換えるような最小自乗法を用いて、最新
のNC個の圧力サンプル値に最もよく適合する最新直線
を算定する。但し、ここでは、個数NC は個数NP より
小さいものとする。この実施例では、NC は125個で
あり、5秒間の時間窓を表わす。
【0046】この算出された最新直線の勾配はステップ
4で最新のNh 個の勾配を含む勾配メモリに蓄積され
る。なお、この実施例では、個数Nh はNP に等しい
(Nh =NP )。この勾配メモリに記憶されているNh
個全部の勾配の平均値Mh 及び標準偏差σh がステップ
5で計算される。
【0047】ステップ6で最も最新に得られた勾配と平
均値Mh との差(勾配−Mh )の絶対値が、標準偏差σ
h のKS 倍を超えた場合、この最新の勾配は、Nh 個の
勾配群とは異なる母集団に含まれると推定される。すな
わち、この勾配は、通常の圧力状態とは異なる圧力先頭
波を意味すると判断される。なお、係数KS は、パイプ
ライン固有の雑音環境で最もよく機能するように調整す
る必要がある。この実施例では、この係数KS は約5〜
10である。
【0048】一旦、勾配と平均値Mh との差の絶対値が
この閾値(KS ・σh )を超えると、ステップ7で過渡
的変化事象が既に検出されていたかどうかを判断するた
めに、二者択一式の偏差フラグの設定状態を調べる。偏
差フラグがまだ設定されていなければ、該当偏差フラグ
を設定する(ステップ8)。その後、この圧力低下の前
に生じた圧力状況を知る必要がある。そのため、この閾
値(KS ・σh )を超えたとき、図3に示す参照直線が
r 個の各圧力サンプル値を用いて算出される。そし
て、算出された参照直線は一旦記憶される(ステップ
9)。
【0049】この個数Nr は、監視対象パイプラインの
条件により変わるが、例えば、個数Nr は個数NC に等
しくてもよい。但し、この参照直線を求めるためのNr
個の圧力サンプル値に対応する時間窓は、圧力低下部分
の採取時点を含んではならない。
【0050】すなわち、Ni 個目の圧力サンプル値を採
取した時点で、このNi 個目の圧力サンプル値を含むN
C 個の圧力サンプル値を代表する勾配と平均値Mh との
差の絶対値が前記閥値(KS ・σh )を越えた場合に
は、前記参照直線がNi 個目の圧力サンプル値を含む圧
力低下部分の影響を受けないようにするため、その参照
直線の時間窓はNi-Nr個目からNi 個目までとすること
はできない。
【0051】この結果、具体的には、監視対象パイプラ
インの条件次第で変わるが、本発明によると、この参照
直線の時間窓はNi-Roの点で終了するのが望ましい。な
お、RO は、Ni 個目の圧力サンプル値から、それ以前
へRO 個遡ることを意味する。監視対象パイプラインの
条件により変わるが、RO は10程度であるのが望まし
い。即ち、Nr 個の圧力サンプル値は、採取時点N
i-Ro-Nr から採取時点Ni-Roまでに採取されたものであ
る。この算出された参照直線の勾配SR 及び切片OFF
R は前述したように後で使用するために蓄積される。
【0052】ステップ6において、勾配の平均値Mh と
の差(勾配−Mh )の絶対値が標準偏差σh のKS 倍か
らなる閾値(KS ・σh )を越えても、圧力サンプル値
の読取りは継続される。すなわち、ステップ1からステ
ップ7を繰返すことによって最適直線が算出される。
【0053】そして、最も最新に得られたNC 個の圧力
サンプル値を代表する直線の勾配と平均値Mh との差の
絶対値がこの閾値(KS ・σh )を下回る値に入るまで
戻ったとき、ステップ6からステップ10へ進む。そし
て、偏差フラグが設定されていた場合は、ステップ11
において、過渡的変化事象がなお観察されるか否かを調
べる。具体的には、最新の直線の勾配と、その時点での
Mh 個の勾配群の平均値Mh との差(勾配−Mh )の絶
対値が、閥値(Ke ・σh )未満に低下しているか否か
を調べる。
【0054】低下した場合は、過渡的変化事象が終了し
たと判断できる。この閥値(Ke ・σh )は、この圧力
低下の終了の検出を最適に行うように調整される。な
お、この実施例においては、Ke は1に等しい。
【0055】次に、発見されたこの圧力低下現象がパイ
プライン運転状態の著しい変化によるものであるかどう
かを評価する必要がある。具体的には、圧力先頭波の強
度をある閾値と比較する。この強度を求めるために、図
3に示すように、参照直線が時間軸の正方向に延ばさ
れ、この参照直線と最新のNC 個の圧力サンプル値を代
表する勾配を持つ最新直線とのy軸方向の差異がNC
の圧力サンプル値の中の最も古い採取点においてステッ
プ12で計算される。
【0056】ステップ12は、偏差フラグがステップ7
で設定された後に1回だけ、即ち、ステップ11が「Y
ES」を示した直後にのみ実行される。この様な場合、
偏差フラグは、ステップ17で解除される。偏差フラグ
がステップ7で再度設定されない限り、ステップ10で
「NO」を示すことにより、ステップ12に到達するこ
とはない。なお、ステップ12に相当する回路が実施さ
れる場合の詳細は、後述する図6,図7に示す。
【0057】ステップ12で算出された図3におけるy
軸方向の差異の絶対値が、ステップ13において、予め
定められた閾値KP を越えている場合には、この差異
は、ノイズではなく、過渡的変化事象に起因する圧力低
下によるものと判断できる。そして、この差異の絶対値
が過渡的変化事象による圧力先頭波の強度と見なされ
る。
【0058】なお、差異の絶対値が閾値KP より小さい
場合には、ノイズに起因するものと判断され、無視され
る。この閾値KP は過渡的変化事象に対する本発明の検
出シテスムの感度を決めるために調整される。この実施
例においては、この閾値KPは約0.1 psi である。
【0059】ステップ13において閾値KP を超える変
化量(図3のy軸方向の差異)が検出されると、次のス
テップでは、その変化の正確な開始時点、即ち、圧力先
頭波の到達時刻が検出される。先ず、最大勾配直線がス
テップ14で設定される。この最大勾配直線は、圧力が
実際に低下している時のNM 個の圧力サンプル値を使用
して計算される全ての直線のうち最大勾配を持っている
直線である。
【0060】かくして、NM 個の圧力サンプル値は、ス
テップ6で最初に閥値(KS ・σh)を越えた採取時点
と、ステップ11が成立(YESとなる)した時の直線
を決定するのに使用された圧力サンプル値の最も古い採
取時点との間に含まれる圧力サンプル値から得られる。
個数NM (この実施例では5である)は、個数NC より
相当小さい個数である。この最大勾配直線と前述の参照
直線との交差点に対応する時刻がステップ15で算出さ
れる。この算出された時刻が圧力先頭波の到達時刻とし
てステップ16において、先に求めた強度(変化量)と
共に出力される。
【0061】なお、この採取時点とステップ15に相当
する回路は、図6及び図7に記載されている。また、ス
テップ13において、算出された変化量(強度)が閾値
P を超えていない場合であっても、次の圧力先頭波の
到達を検出できるようにシステムをリセットするため
に、ステップ17において偏差フラグが解除される。
【0062】なお、上述した各定数NP ,NC ,Nh ,
r ,NM ,KS ,Ke ,KP の各値は、監視対象パイ
プラインの固有のノイズ環境下においても圧力先頭波の
到達時刻及び強度検出をより正確に実行するために調整
される。この調整は、熟練した運転技術者により経験的
に行われる。また、これは、運転技術者のパイプライン
全般の専門的知識、且つ、この発明の原理を具現化する
システムが設置された監視対象パイプラインにおいて、
このシステムの運用をすることで得られる知見により行
われる。
【0063】これらの各値は、固定することもでき、ま
た、実際のシステム運用状態に合わせて、継続的に変更
することができる。例えば、本発明を使用しての運用経
験を積むことによって、この発明の使用結果が蓄積さ
れ、分析されるにつれて、このシステムは、前述の各定
数を誤警報を発しないぎりぎりの感度の高い水準に調整
等、自動的にシステム自体を最適に調節することができ
ると考えらる。
【0064】図5は本発明の他の実施例に係わる圧力先
頭波の到達時刻検出装置の概略構成を示すブロック図で
ある。図1の実施例と同一部分には同一符号が付してあ
る。したがって、重複する部分の説明は省略する。この
実施例では、図1の実施例におけるアナログ処理部6が
除去されて、デジタル演算処理部5aで全てが処理され
ている。
【0065】パイプライン2内の流体の圧力は圧力検出
器1で検出されてアナログ信号に変換されてA/D変換
器3へ入力される。A/D変換器3には基準時刻発生部
4内の一定周期で標準時刻を受領するクロック信号発振
器からのクロック信号が印加されている。したがって、
A/D変換器3により各圧力信号を採取した時刻が基準
時刻により正確に決められる。A/D変換器3の圧力信
号の取込み速度、すなわちサンプリング周波数は、サン
プリング定理により、圧力検出器1の出力信号中の検出
しようとするノイズを含む情報の周波数の少なくとも2
倍以上に設定される。
【0066】デシタル演算処理部5aで全てを処理する
実施例においては、サンプリング周波数は100 〜1000Hz
程度に設定する。ノイズを除去するためのデジタル・フ
ィルタはデジタル演算処理部5a内に組込まれている。
このデジタル・フィルタを実現するための詳細技術は既
に既知であるのでここでは説明を省略する。この技術に
関して、参考書として、オッペンハイム、アラン、V.
とシェイファー、ロナルド W.著、「離散的時系列信
号処理」、プレンティス ホール、エングルェウッド
クリフス社、N.J.,1989年等がある。
【0067】図6は本発明の他の実施例に係わる圧力先
頭波の到達時間検出装置の概略構成を示すブロック図で
ある。パイプライン2の流体の圧力を検出する圧力検出
器1、A/D変換器3、アナログ信号処理部6,基準時
刻発生部4は、図1に示す実施例と同一番号が付されて
いるので、重複する部分の説明は省略する。この実施例
は、図1の実施例におけるデジタル演算処理部5をハー
ド回路で構成したものである。
【0068】A/D変換器3から出力された各時刻にお
ける各圧力サンプル値は例えばシフトレジスタから構成
されたメモリ30へ入力される。このメモリ30は、例
えば500個のレジスタからなり、最新の圧力サンプル
値が1個入力すると最も古い1個が掃出される。また、
全部でNP (=500)個の圧力サンプル値を蓄積可能
である、このレジスタ30のクロック端子には基準時刻
発生部4内の一定周期で基準時刻を受領するクロック信
号発振器からのクロック信号が入力されている。
【0069】メモリ30を構成するNP (=500)個
の各レジスタから各圧力サンプル値が並列に出力され
る。すなわち、クロック信号が入力される毎にメモリ3
0からその時点における最新の500個の各圧力サンプ
ル値が同時に出力される。メモリ30から出力されたN
P (=500)個の圧力サンプル値は、最新直線算出回
路32,参照直線算出回路34,最大勾配直線算出回路
36へ入力される。
【0070】この3つの各最適直線を求める各回路3
2,34,36は同一構成であり2個の入力信号のみが
異なる。1番目の入力信号は、前記NP (=500)個
の圧力サンプル値のうち、これら各々の最適直線の算出
に用いる複数の圧力サンプル値のうちの先頭(時間軸で
表現すると最も新しい時点)の圧力サンプル値に対応す
る採取時刻の開始位置を示す信号である。2番目の信号
は、前記開始位置から何個の圧力サンプル値まで時間的
に遡って用いるかを示す、圧力サンプル値の個数Nc
r ,NM のいずれかを示す信号である。
【0071】図7において、圧力サンプル値個数を示す
カウンタ44は、外部からリセット信号が入力されると
計数値が0にクリアされ、クロック信号発生回路45か
らクロック信号が入力される毎に、計数値を1ずつカウ
ントアップする。計数値は加算器46でもって開始位置
が加算されて、マルチプレクサ回路40へ印加される。
【0072】したがって、マルチプレクサ回路40へ入
力される信号は、圧力サンプル値の最適直線の算出に使
用する圧力サンプル値の先頭の採取時点から1採取時点
ずつ加算されていく信号となる。そして、カウンタ44
は、外部から入力された圧力サンプル値個数n(=N
c ,Nr ,NM )に達すると、計数値の計数動作を停止
する。
【0073】マルチプレクサ回路40にはメモリ30か
ら出力されたNP (=500)個の各圧力サンプル値が
入力されている。マルチプレクサ回路40はNP (=5
00)個の圧力サンプル値のうち、加算器46から出力
される信号の示す採取時点に対応する1個の圧力サンプ
ル値を次の算術ロジック・ユニット(以下ALUと略記
する)42のy端子へ送出する。
【0074】この場合、加算器46の値が小さい程、シ
フトレジスタに後から入力された圧力サンプル値を示
す。したがって、加算器46の値が0の場合は、メモリ
30としてのシフトレジスタに最後に入力された最新の
圧力サンプル値がALU42へ送出される。
【0075】したがって、カウンタ44の計数値が0か
ら指定された圧力サンプル値個数に達すると、メモリ3
0に記憶されているNP (=500)個の圧力サンプル
値のうち、外部から指定された採取時間開始位置から、
同じく指定された圧力サンプル値個数n(=Nc ,N
r ,NM )までの各圧力サンプル値がALU42へ入力
されたことになる。
【0076】また、ALU42のx入力端子には、カウ
ンタ44から出力された計数値xが入力される。また、
n端子には、外部から指定された圧力サンプル値個数n
(=Nc ,Nr ,NM )が入力される。さらに、ALU
42には前記クロック信号発生回路45からクロック信
号が入力され、さらに、リセット信号も入力される。
【0077】ALU42のx入力端子に入力される各計
数値は各圧力サンプル値の各採取時刻位置を示している
ので、ALU42のy入力端子に入力される各圧力サン
プル値とx入力端子に入力される各採取時刻との関係
は、図3に示すように、y軸を圧力サンプル値とし、x
軸を時間軸とする(x−y)座標で表示することが可能
である。
【0078】このALU42は一種のマイクロコンピュ
ータで構成されており、入力されたn個の各採取時刻x
における各圧力サンプル値yとの直線関係を、例えば最
小自乗法を用いて求める。この最適直線はy=Sx+O
ffの形式で求まり、Sが最適直線の勾配であり、Offが
y軸を横切る位置を示す切片である。この勾配S及び切
片OFFは(1)(2)式で求まる。
【0079】 勾配=(nΣxy−ΣxΣy)/[nΣx2 −(Σx)2 ] …(1) 切片=(Σx2 Σy−ΣxΣxy)/[nΣx2 −(Σx)2 ] …
(2) ALU42は算出した最適直線の勾配Sと切片Offを
出力する。適当な時間に、以下に説明するように、カウ
ンタ44とALU42はリセットされる。ALU42は
クロック信号発生回路45から出力されるクロック信号
に同期して作動する。
【0080】与えられた圧力サンプル値の採取時点Ni
に対するxの値は、第3図に示されるように過去に向か
って延びるx軸に対応する。最新の採取点は、x=0に
おけるものであり、先行する採取点は、xの正の数値側
におけるものである。最新の圧力サンプル値がシフトレ
ジスタからなるメモリ30に入力される毎にx=0とな
るレジスタ番地に蓄積される。クロック信号が入力する
毎に、各レジスタに記憶されている各圧力サンプル値は
1つずつシフトされる。すなわち、最も古い採取時刻の
圧力サンプル値が掃出される。
【0081】図7に示した構造を有する各直線算出回路
32,34,36にて算出された3つの最適直線は、そ
れぞれ最新直線、参照直線、最大勾配直線として出力さ
れる。各直線算出回路32,34,36毎に各3つの最
適直線は、互いに異なるx軸座標系(直線の出発点でx
=0)において計算され、表示される。3つの最適直線
は、次の方程式により定義される。
【0082】 最新直線 y=SCC +OffC …(3) 参照直線 y=SRR +OffR …(4) 最大勾配直線 y=SMM +OffM …(5) 但し、SとOffは、それぞれ、勾配と切片を示す。
【0083】図4のフローチャートのステップ11の条
件を満たした時点において、すなわち、圧力先頭波が圧
力検出器1の設置位置を通過した場合に、上述した(3)
(4)(5) 式を用いて圧力先頭波の到達時刻XTDA と強度
Am を算出する必要がある。よって、上述した(3)(4)
(5) 式は次の関係を有する。
【0084】 xc =x(最新の直線は常に0から出発するから) …(6) xR =x − PR …(7) xM =x − PM …(8) 但し、図4に示すように、PR とPM は、参照直線と最
大勾配直線の図中左方向へ延長する場合の開始位置を示
す採取時点である。
【0085】方程式(3)(4)(5) に上記(6)(7)(8) を代入
して、上述した過渡的変化事象の終了時刻における各最
適直線は次の(10)(11)(12)式となる。 最新直線 y=SC x+ OffC …(10) 参照直線 y=S(x−PR )+OffR …(11) 最大勾配直線 y=S(x−PM )+OffM …(12) 図4に示すフローチャートのステップ12で求めること
になる圧力先頭波の強度Am は、参照直線のx=0方向
に延長された直線部分と最新直線のx=NC の時点にお
けるy軸方向の差異として次のように計算される。
【0086】 強度Am =[SR (NC −PR )+OffR ]−[SCC +OffC ] …(13) =SRC −SRR +OffR −SCC −OffC …(14) 圧力先頭波の到達時刻XTDA は、参照直線と最大勾配直
線との交差点のx座標と考えられる。これは方程式(11)
(12)から次の(15)(16)式で算出される。
【0087】 SR (XTDA −PR )+OFFR =SM (XTDA −PM )+OffM …(15) この式を解いて、到達時刻XTDA は、次の通りである。 XTDA =(SMM −SRR +OffR −OffM )/(SM −SR ) …(16) さて、図6に戻る。最新直線算出回路32は、上述した
ように動作し、x=0の出発採取時点の信号と例えば1
25等のNC の採取時点(圧力サンプル値数)の番号の
信号を受信する。その結果、最新直線算出回路32は求
めた最適直線の勾配SC と切片OffC を出力する。
【0088】同様に、参照直線回路34は、例えば10
等の最初の採取点R0 の信号を受信する。換言すれば、
上に述べた通り、出発点となる採取点は、図4のフロー
チャートにおけるステップ6において、(勾配−Mh)
の絶対値が所定の閾値(KS・σh )を越えた時点(x
=0)から遡って10番目の採取時点(R0 =10,図
3においてはx軸上のPR 点)が採取開始時点となる。
【0089】そして、参照直線を算出するために用いる
圧力サンプル値個数はこの採取開始時点に先行するNr
個である。その結果、参照直線算出回路34は求めた参
照直線の勾配SR と切片OffR を出力する。
【0090】最大勾配直線算出回路36は最大勾配位置
カウンタ50からの開始信号を受信する。また、この最
大勾配直線算出回路36は例えば5個等の採取点数(計
算に使用する圧力サンプル値個数)NM を受信する。そ
して、この最大勾配直線算出回路36は最大勾配直線を
算出して、勾配SM と切片OFFM を出力する。
【0091】次に、図6に示す回路の各部の動作を順を
追って説明する。クロック信号発生回路52からのクロ
ック信号に同期して、A/D変換器3が圧力検出器1か
ら出力されたアナログ信号を各採取時点に対応するデジ
タルの各圧力サンプル値に変換して、シフトレジスタか
らなるメモリ30へ格納していく。最新直線算出回路3
2はクロック信号に同期して、新たに算出した最新直線
の勾配SC と切片OFFC を出力する。
【0092】勾配メモリ54は、メモリ30と同様にシ
フトレジスタで構成されており、最新直線算出回路32
から順次出力される各勾配SC を受信し、例えば500
個等の最新の勾配群Nh 個を記憶保持する。マイクロコ
ンピュータから構成されたALU56は、勾配メモリ5
4に蓄積されている500個の勾配SC から、平均値M
h と標準偏差σh を計算する。
【0093】また、図6の回路図において、次のよう
に、図4のフローチャートにおけるステップ6に相当す
る作業を行う。減算器58は、最新直線算出回路32か
ら出力された最新直線の勾配SC からALU56により
提供される勾配の平均値Mh を差し引く。そして、差の
絶対値|SC −Mh |が絶対値算出回路60で計算さ
れ、比較器62の一方の入力端子へ入力される。
【0094】この比較器62の他方の入力端子には、乗
算器64にて算出された係数KS とALU56から得た
標準偏差σh との乗算値(KS ・σh )が入力されてい
る。比較器62は両者の比較を行う(ステップ6)。差
の絶対値|SC −Mh |が乗算値(KS ・σh )を超え
ると、比較器62はハイ(H)レベル信号を出力する。
その結果、アンドゲート66の出力がハイ(H)レベル
となる。
【0095】これは、初期状態においては偏差フラグ回
路70に偏差フラグが設定されておらず、偏差フラグ回
路70からの出力がロー(L)レベルであるので、イン
バータ68からの出力はハイ(H)レベルであり、した
がって、比較器62の出力がハイ(H)レベルに変化す
ると、アンドゲート66の出力もハイ(H)レベルに変
化するからである。
【0096】したがって、これらの回路が図4における
ステップ6の[YES]に対応する。アンドゲート66
の出力がハイ(H)レベルに変化すると、例えばRSフ
リップフロップで構成された偏差フラグ回路70におけ
る偏差フラグが設定される。
【0097】偏差フラグ回路70に偏差フラグが設定さ
れると、インバータ68を介してアンドゲート72の一
方の入力端子がロー(L)レベルに変化する。その結
果、参照直線算出回路34のリセット端子には、クロッ
ク信号発生回路52から新たなクロック信号は入力され
ない。
【0098】したがって、偏差フラグが設定されている
限り、参照直線算出回路34は新たな参照直線の算出処
理を停止し、偏差フラグが設定された時点における参照
直線の勾配SR と切片OFFR を継続して出力する。
【0099】また、アンドゲート66が成立すると、参
照直線位置カウンタ102がリセットされ、圧力サンプ
ル値の採取時点xの計数値を一旦0に戻す。また、図4
のフローチャートにおけるステップ11に相当する手順
は、図6の回路において、次のように実施される。
【0100】絶対値算出回路60から出力される絶対値
|勾配SC −Mh |は比較器74の一方の入力端子へ入
力される。この比較器74の他方の入力端子には、乗算
器76にて算出された係数Ke とALU56から得た標
準偏差σh との乗算値(Ke・σh )が入力されてい
る。比較器74は両者の比較を行う(ステップ11)。
【0101】乗算値(Ke ・σh )が差の絶対値|SC
−Mh |を超えると、比較器74はハイ(H)レベル信
号を出力する。この時、偏差フラグ回路70からの出力
は偏差フラグが既に設定されているために、ハイ(H)
レベルとなっているので、アンドゲート78の出力がハ
イ(H)レベルとなる。アンドゲート78の出力がハイ
(H)レベルとなると、偏差フラグ回路70の偏差フラ
グがリセット(解除)される。
【0102】また、アンドゲート78のハイレベル信号
は遅延回路81を介してアンドゲート80の一方の入力
端子へ入力される。アンドゲート80の他方の入力端子
には比較器82の出力信号が入力されている。比較器8
2は、絶対値算出回路83から出力される前述した(14)
式で示す強度Am の絶対値|Am |(変化量)と予め設
定された閥値KP とを比較し、 強度Am =SRC −SRR +OffR −SCC −OffC …(14) この強度が閥値を越えた場合には、ハイ(H)レベル信
号をアンドゲート80へ送出する。アンドゲート80が
成立すると、ラッチ回路98へラッチ信号が入力され
る。
【0103】次に、絶対値算出回路83に入力される強
度Am の算出手順を説明する。乗算器84は、最新直線
算出回路32から出力される勾配SC と予め設定されて
いる圧力サンプル値個数NC との乗算値SC ・NC を算
出する。乗算値SC ・NC は次の加算器86で、最新直
線算出回路32から出力される切片OFFC に加算され
る。
【0104】また、別の乗算器90は参照直線算出回路
34から出力される勾配SR に同じく圧力サンプル値数
C を乗算して、乗算値SR ・NC を次の減算器88へ
送出する。減算器88は、乗算器90からの乗算値SR
・NC と加算器86からの加算値との差 SRC −(SCC +OFFC ) を算出して、次の加算器96へ送出する。
【0105】また、別の乗算器94は、参照直線位置カ
ウンタ102から出力される計数値PR に、参照直線算
出回路34から出力される勾配SR を乗算し、乗算値S
R ・PR を次の減算器92へ送出する。この減算器92
は、参照直線算出回路34の切片OffR から乗算値SR
・PR を減算する。減算値を次の各加算器96,110
へ送出する。加算器96は、前述した(14)式で示す強度
Am を算出する。
【0106】加算器96から出力された圧力先頭波の強
度Am はラッチ回路98に入力される。アンドゲート7
8と比較器82が共にハイレベル信号を出力するとアン
ドゲート80が成立し、ラッチ回路98が、前記圧力先
頭波の強度Am 及び加算器112から出力された圧力先
頭波の到達時刻TTDA をラッチして、出力する。
【0107】次に、圧力先頭波の到達時刻TTDA の算出
手順を説明する。最大勾配直線算出回路36は、x=N
C とx=PR との間に存在するNM 個(例えば5個)の
採取時点の各圧力サンプル値を用いて、図3に示す最大
勾配直線を算出して、その勾配SM 及び切片OffM を出
力する。
【0108】最大勾配直線位置カウンタ50は、図6に
示すように、アンドゲート78のハイレベル出力に応動
してリセットされる。アンドゲート78からハイレベル
信号が出力されると、最大勾配直線を設定するための各
圧力サンプル値の採取時点が図3におけるx=NC の点
から始まる。クロック信号発生回路51から出力される
クロック信号に同期して、最大勾配直線位置カウンタ5
0は入力されている初期値x=NC から計数値を増加し
ていく。
【0109】最大勾配直線算出回路36の内部クロック
信号発生回路45の周波数は、全ての計算がクロック信
号発生回路51の1パルス分の周期内に十分終了できる
程に十分に高いものである。同様に、クロック信号発生
回路51の周波数は、クロック信号発生回路52のクロ
ック信号に同期して最大勾配直線位置カウンタ50の作
動開始から終了までに亘り、全ての圧力サンプル値の採
取時点に対する計算を完全に行う程に十分に高いもので
ある。
【0110】最大勾配直線位置カウンタ50の作動範囲
の最後の採取時点は、参照直線位置カウンタ102によ
って設定されている。参照直線位置カウンタ102はア
ンドゲート66が成立したことにより0にリセットされ
る。すなわち、ステップ6の条件が成立している。図3
においては、x=PR −R0 の時である。参照直線位置
カウンタ102は時間の経過とともに、すなわち、xy
座標の原点が右に動くにつれて、前記x(=PR −R
0 )に動いた分だけの個数を加えていく。
【0111】アンドゲート78が成立したとき(ステッ
プ11の条件が適合したとき)、参照直線位置カウンタ
102は、参照直線が計算され始めた採取時点から演算
処理されてきた採取時点の正確な番号を登録する(即
ち、これは、1回目のステップ6に対応する)。
【0112】最大勾配直線算出回路36にて計算され
た、最大勾配直線の勾配SM と切片OFFM とはこの最大
勾配直線のx軸座標上の位置計算値と一緒にラッチ回路
100に入力される。最大勾配直線に対する位置計算値
は、最大勾配直線位置カウンタ50から出力される。ラ
ッチ回路100は、入力に際して、最新の勾配を、既に
入力されている勾配と比較する。そして、これらの2つ
の直線の勾配のうちで急な勾配を持つ方の直線に対応す
る勾配、切片、時刻位置データを蓄積する。
【0113】この手順は、最終点(即ち、例えばx=P
R −R0 )のX軸座標の数値に達するまで繰り返され
る。したがって、最終的に、このラッチ回路100にラ
ッチされて出力される最大勾配は、SM であり、これに
対応する切片と位置計算値は、それぞれ、OFFM とPM
である。
【0114】乗算器104、減算器106、108及び
加算器110、除算器112は、ラッチ回路98の入力
時に、圧力先頭波の到達時刻XTDA の数値を、前述した
式(16)に基づいて算出する。算出された圧力先頭波の到
達時刻XTDA は、前述したように、アンドゲート80
が、ラッチ回路98にラッチ信号を入力した時点で、ラ
ッチされ、出力される。
【0115】なお、遅延回路81は、アンドゲート78
が成立したときに使用され、ラッチ回路100の入力時
に発信される信号は、最大勾配直線位置カウンタ50と
最大勾配直線算出回路36が再設定された後の時点にの
み(即ち、かかる遅延の後に)、ラッチ回路98が作動
した場合に有用である。すなわち、アンドゲート74が
成立した後に、最大勾配直線位置カウンタ50と最大勾
配直線算出回路36が正常に動作が終了するまでの時間
を稼ぐ回路である。
【0116】本発明をもってすれば、簡単な設置形態
で、圧力先頭波の到達時刻の検出が可能であり、この到
達時刻情報と、漏洩の位置及び規模を発見するのに役立
つ強度情報とともに、警報を発することに利用できる。
もっと高度な適用形態では、パイプライン上の幾つかの
地点のそれぞれから時刻、強度及びその他の情報を中央
ステーションに送ることを含む。この中央ステーション
では、運転技術者、或いは、マスターコンピュータによ
り前記情報を利用して漏洩あるいはその他の事象(例え
ば弁の開閉等)の発生位置を特定することができる。
【0117】なお、弁の開閉等を監視する利用形態の場
合、圧力検出器1の設置地点は、監視対象とする弁から
数マイル離れたパイプライン上の都合のよい場所に設定
することができる。弁が作動の指令を受ける度に、適当
な強度(極性を含む)と到達時刻の過渡的圧力事象を、
本発明によって検出することができ、単純な論理的比較
によって、弁に対する指令が正しく行われていることを
確認できる。
【0118】ここに述べたのは、圧力先頭波の到達時刻
と強度が、一旦、多くのノイズを含むパイプラインの圧
力信号から抽出されると、いろいろな面に適用できる多
くの実施例のうちのごく僅かのものである。
【0119】また、前記の如く、実施例について詳しく
述べてきたが、これに対する種々の改良がこの技術分野
に熟練している通常の知識を有する者によれば、容易に
行うことができる。例えば、直線以外に曲線を使用して
圧力・時間の関係を近似することもできる。即ち、近似
のために、「最小自乗法」以外の何らかの基準に基づい
て、曲線による適合手順を使用することもできようが、
これらの修正やその他の修正は、本発明の範疇に属する
ものである。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように本発明の圧力先頭波
の到達時刻検出方法及び圧力先頭波の到達時刻検出装置
によれば、クロック信号等に同期して所定時間毎に得ら
れる各時刻の圧力サンプル値のうちの常時最新の所定個
数の圧力サンプル値を処理し、これにより圧力先頭波の
到達時刻及び圧力先頭波の強度を算出することができ
る。したがって、たとえS/N比が低い圧力信号であっ
たとしても、時間遅れなく、正しい圧力先頭波の到達時
刻及び強度を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる圧力先頭波の到達
時刻検出装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】 典型的なパイプライン上の1箇所の地点にお
ける圧力波形の時間経過図。
【図3】 同実施例装置を用いて圧力先頭波の到達時刻
と強度を決定するために使用される諸直線を示す説明
図。
【図4】 同実施例装置の動作を示す流れ図。
【図5】 本発明の他の実施例に係わる圧力先頭波の到
達時刻検出装置の概略構成を示すブロック図。
【図6】 本発明のさらに別の実施例に係わる圧力先頭
波の到達時刻検出装置の概略構成を示すブロック図。
【図7】 同実施例装置の要部を取出して示すブロック
図。
【符号の説明】
1…圧力検出器、2…パイプライン、3…A/D変換
器、4…基準時刻発生部、5,5a…デジタル演算処理
部、6…アナログ信号処理部、30…メモリ、32…最
新直線算出回路、34…参照直線算出回路、36…最大
勾配直線算出回路、50…最大勾配直線位置カウンタ、
45,51,52…クロック信号発生回路、54…勾配
メモリ、70…偏差フラグ回路、98,100…ラッチ
回路、102…参照直線位置カウンタ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプライン中の流体に圧力変動を発生
    させる事象に起因して前記流体を媒体として伝播する圧
    力先頭波の到達時刻を検出する方法において、 前記パイプライン中の流体圧力に関係する特性値を測定
    する工程と、 この測定された特性値を電気信号に変換する工程と、 所定時間に亘る前記電気信号を記憶保持する工程と、 この記憶保持された所定時間の電気信号から統計的手法
    を用いて前記圧力先頭波の到達時刻を決定する工程とを
    備えた圧力先頭波の到達時刻検出方法。
  2. 【請求項2】 パイプライン中の流体に圧力変動を発生
    させる事象に起因して前記流体を媒体として伝播する圧
    力先頭波の到達時刻を前記パイプライン上の所定位置で
    検出する方法において、 前記パイプライン上の所定位置で前記流体の圧力値を所
    定時間間隔で測定して、各時刻における各圧力値からな
    る圧力値群を求める工程と、 前記圧力値群に含まれる複数の圧力値のうちから連続す
    る所定個数の圧力値からなるサブ圧力値群を指定する工
    程と、 前記各圧力値がそれぞれ最新の圧力値として得られたと
    き、自己が最新値として所属するサブ圧力値群に含まれ
    る全部の圧力値から前記所定位置における圧力の時間変
    化特性を直線近似する工程と、 この時間変化特性が所定の閥値を越えた時刻を特定する
    工程と、 この特定された時刻以前の所定期間における各圧力値の
    時間変化特性を示す参照直線を求める工程と、 前記特定された時刻以降の所定期間における各圧力値の
    時間変化特性の最大勾配直線を求める工程と、 前記参照直線と最大勾配直線との交点を求める工程と、 この交点に対応する時刻を前記圧力先頭波の到達時刻と
    して出力する工程とを備えた圧力先頭波の到達時刻検出
    方法。
  3. 【請求項3】 前記最大勾配直線を求めた以降に得られ
    た圧力の時間変化特性が所定の閥値未満になった時点に
    おける各圧力値の最新直線を求める工程と、この最新直
    線と前記参照直線との間隔で示される圧力値変化量を前
    記圧力先頭波の強度として出力する工程とを備えた請求
    項2記載の圧力先頭波の到達時刻検出方法。
  4. 【請求項4】 パイプライン中の流体に圧力変動を発生
    させる事象に起因して前記流体を媒体として伝播する圧
    力先頭波の到達時刻を前記パイプライン上の所定位置で
    検出する圧力先頭波の到達時刻検出装置において、 前記パイプライン上の所定位置で前記流体の圧力値を所
    定時間間隔で測定して、各時刻における各圧力値からな
    る圧力値群を求める手段と、 前記圧力値群に含まれる複数の圧力値のうちから連続す
    る所定個数の圧力値からなるサブ圧力値群を指定する手
    段と、 前記各圧力値がそれぞれ最新の圧力値として得られたと
    き、自己が最新値として所属するサブ圧力値群に含まれ
    る全部の圧力値から前記所定位置における圧力の時間変
    化特性を直線近似する手段と、 この得られた時間変化特性と所定の閥値とを比較するこ
    とによって、前記圧力先頭波の到達時刻を特定する手段
    とを備えた圧力先頭波の到達時刻検出装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力先頭波の到達時刻を特定する手
    段は、 前記圧力の時間変化特性が所定の閥値を越えた時刻を特
    定する手段と、 この特定された時刻以前の所定期間における各圧力値の
    時間変化特性を示す参照直線を求める手段と、 前記特定された時刻以降の所定期間における各圧力値の
    時間変化特性の最大勾配直線を求める手段と、 前記参照直線と最大勾配直線との交点を求める手段と、 この交点に対応する時刻を前記圧力先頭波の到達時刻と
    して出力する手段とを備えた請求項4記載の圧力先頭波
    の到達時刻検出装置。
  6. 【請求項6】 前記所定位置における圧力の時間変化特
    性から前記圧力先頭波の強度を求める手段を備えた請求
    項4記載の圧力先頭波の到達時刻検出装置。
  7. 【請求項7】 パイプライン中の流体に圧力変動を発生
    させる事象に起因して前記流体を媒体として伝播する圧
    力先頭波の到達時刻を前記パイプライン上の所定位置で
    検出する圧力先頭波の到達時刻検出装置において、 前記パイプライン上の所定位置における前記流体の圧力
    に関する特性値をアナログ信号として検出する検出器
    と、 標準時刻情報によりクロック信号を出力する基準時刻発
    生部と、 前記検出器から出力される特性値のアナログ信号を、前
    記クロック信号を付加しA/D変換して各時刻における
    デジタル信号として出力するA/D変換器と、 このA/D変換器から出力される最新の所定時間内に含
    まれる特性値の時間的変化を示す最適直線を求める最適
    直線算出回路と、 前記最適直線の勾配が所定の閥値を越えたとき圧力先頭
    波検出信号を出力する比較器と、 この圧力先頭波検出信号と前記基準時刻発生部から出力
    されるクロック信号とから前記圧力先頭波の到達時刻を
    求める到達時刻算出回路とを備えた圧力先頭波の到達時
    刻検出装置。
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