JP2575810B2 - 弁漏洩監視装置 - Google Patents
弁漏洩監視装置Info
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- JP2575810B2 JP2575810B2 JP14041388A JP14041388A JP2575810B2 JP 2575810 B2 JP2575810 B2 JP 2575810B2 JP 14041388 A JP14041388 A JP 14041388A JP 14041388 A JP14041388 A JP 14041388A JP 2575810 B2 JP2575810 B2 JP 2575810B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、弁シート部からの流体漏洩時に発生する超
音波をAE(アコースティック・エミッション)センサを
使用して測定し、これを解析することによってバックグ
ランドノイズ(BGN)による影響を除去し、弁からの流
体漏洩の有無を正確に検出できるようにした弁漏洩監視
装置に関する。
音波をAE(アコースティック・エミッション)センサを
使用して測定し、これを解析することによってバックグ
ランドノイズ(BGN)による影響を除去し、弁からの流
体漏洩の有無を正確に検出できるようにした弁漏洩監視
装置に関する。
(従来の技術) 発電プラントや化学プロセスプラント等においては、
プラントのコントロールのために多数の弁が配置され、
流量、圧力、温度の制御や系統分離等の用途に使用され
ている。
プラントのコントロールのために多数の弁が配置され、
流量、圧力、温度の制御や系統分離等の用途に使用され
ている。
これらの弁のうち、特にプラントの通常運転中に比較
的高い圧力の流体を遮断する用途に使用される弁には、
漏洩を防止するため完全な遮断性能が要求される。
的高い圧力の流体を遮断する用途に使用される弁には、
漏洩を防止するため完全な遮断性能が要求される。
このような弁に、異物の噛み込みやシート部の欠陥等
によって漏洩が生じると、流体が損失する上、高圧の流
体が長い間流れ続けた場合には、初期に発見できれば異
物の除去や簡単な修理等によって再び使用できるものも
使用不能になったり、修理等に多大な手数を要すること
になる。また、流体の漏洩はプラントの運転効率を低下
させ、結果的にプラントの運転コストを増大させること
になる。
によって漏洩が生じると、流体が損失する上、高圧の流
体が長い間流れ続けた場合には、初期に発見できれば異
物の除去や簡単な修理等によって再び使用できるものも
使用不能になったり、修理等に多大な手数を要すること
になる。また、流体の漏洩はプラントの運転効率を低下
させ、結果的にプラントの運転コストを増大させること
になる。
そこで従来から、弁の流体漏洩を早期に発見するため
に弁漏洩監視装置が使用されている。
に弁漏洩監視装置が使用されている。
この弁漏洩監視装置は、第3図に示すように、弁1ま
たはその近くに設置したAEセンサ2と、このAEセンサ2
で検出した漏洩信号を増幅してフィルタリングするAE計
測装置3と、このAE計測装置3からの信号を解析してそ
の実効値と周波数スペクトルを求める信号解析装置4
と、この解析結果を入力し、予め蓄えられている周波数
スペクトルデータと比較することによって、弁1におけ
る流体漏洩の有無を検出する処理装置5と、その出力を
表示する出力装置6とから構成されている。
たはその近くに設置したAEセンサ2と、このAEセンサ2
で検出した漏洩信号を増幅してフィルタリングするAE計
測装置3と、このAE計測装置3からの信号を解析してそ
の実効値と周波数スペクトルを求める信号解析装置4
と、この解析結果を入力し、予め蓄えられている周波数
スペクトルデータと比較することによって、弁1におけ
る流体漏洩の有無を検出する処理装置5と、その出力を
表示する出力装置6とから構成されている。
第4図は上述の弁漏洩監視装置の流れ線図を示すもの
で、信号解析装置4で解析した周波数スペクトルaと、
処理装置5内に蓄えられている基準周波数スペクトルb
を処理装置5で比較してスペクトル差cを求める。この
スペクトル差cが処理装置5内に記憶されている基準値
αと同じか、それより大きい場合には漏洩有りと判断
し、それ以外の場合には漏洩無しと判断する。
で、信号解析装置4で解析した周波数スペクトルaと、
処理装置5内に蓄えられている基準周波数スペクトルb
を処理装置5で比較してスペクトル差cを求める。この
スペクトル差cが処理装置5内に記憶されている基準値
αと同じか、それより大きい場合には漏洩有りと判断
し、それ以外の場合には漏洩無しと判断する。
また、信号解析装置4で求めた漏洩信号の実効値と弁
の漏洩量との間には、第5図に示すような対応関係があ
る。そこで、処理装置5はこの関係に基づいて漏洩量を
算出し、出力装置6は結果を表示する。
の漏洩量との間には、第5図に示すような対応関係があ
る。そこで、処理装置5はこの関係に基づいて漏洩量を
算出し、出力装置6は結果を表示する。
以上のように構成した弁漏洩監視装置によれば弁から
の漏洩を早期に検出することができ、プラントの効率低
下を防ぎ、また弁体への損傷を軽減させることができ
る。
の漏洩を早期に検出することができ、プラントの効率低
下を防ぎ、また弁体への損傷を軽減させることができ
る。
(発明が解決しようとする課題) 一般に、弁にはそれに付随するポンプやモータ等の回
転機や流体の流動音等がノイズとして配管やサポートを
介して伝えられる。従って、AEセンサ2によって検出さ
れる音響信号にはバックグランドノイズが含まれること
になる(前述の基準周波数スペクトルbがこれに相当す
る)。
転機や流体の流動音等がノイズとして配管やサポートを
介して伝えられる。従って、AEセンサ2によって検出さ
れる音響信号にはバックグランドノイズが含まれること
になる(前述の基準周波数スペクトルbがこれに相当す
る)。
ところで、バックグランドノイズはプラントの運転状
態、例えば起動パターンや負荷によって大きく変化す
る。従って、弁からの漏洩を正しく検出するためには、
プラントのあらゆるバックグランドノイズを基準周波数
スペクトルbのデータとして記憶させておく必要があ
る。
態、例えば起動パターンや負荷によって大きく変化す
る。従って、弁からの漏洩を正しく検出するためには、
プラントのあらゆるバックグランドノイズを基準周波数
スペクトルbのデータとして記憶させておく必要があ
る。
しかしながら、このように全てのバックグランドノイ
ズを基準周波数スペクトルのデータとして記憶させよう
とすると、バックグランドノイズの採集に多大な労力を
要する上、プラントの経年変化や改造等によってデータ
の信頼性が失われるという問題がある。
ズを基準周波数スペクトルのデータとして記憶させよう
とすると、バックグランドノイズの採集に多大な労力を
要する上、プラントの経年変化や改造等によってデータ
の信頼性が失われるという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の欠点を解決すべくなさ
れたもので、バックグランドノイズを簡便に除去すると
ともに、プラントやセンサの経年変化や改造等によって
影響を受けることがなく、弁漏洩有無の正しい評価と、
正確な漏洩量の算出が可能な弁漏洩監視装置を提供する
ことを目的とするものである。
れたもので、バックグランドノイズを簡便に除去すると
ともに、プラントやセンサの経年変化や改造等によって
影響を受けることがなく、弁漏洩有無の正しい評価と、
正確な漏洩量の算出が可能な弁漏洩監視装置を提供する
ことを目的とするものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の弁漏洩監視装置は、弁またはその近傍に設置
され、この弁のシート部からの流体漏洩に伴って発生す
るリーク音を検出する第1のAEセンサと、前記弁の上流
側および下流側に設置したバックグランドノイズ測定用
の第2および第3のAEセンサと、これら第1、第2およ
び第3のAEセンサからの信号をそれぞれ計測する第1、
第2および第3のAE計測装置と、これら第1、第2およ
び第3のAE計測装置からの信号よりパワースペクトルを
それぞれ求める第1、第2および第3の信号解析装置
と、前記第1および第2のAE計測装置からの信号よりク
ロススペクトルを求める第4の信号解析装置と、前記第
1およぴ第3のAE計測装置からの信号よりクロススペク
トルを求める第5の信号解析装置と、前記第1および第
2の信号解析装置のパワースペクトルおよび前記第4の
信号解析装置のクロススペクトルに基づいて前記第1の
AEセンサと第2のAEセンサ間のコヒーレンス度を求める
第1の関数解析装置と、前記第1および第3の信号解析
装置のパワースペクトルおよび前記第5の信号解析装置
のクロススペクトルに基づいて前記第1のAEセンサと第
3のAEセンサ間のコヒーレンス度を求める第2の関数解
析装置と、前記第2の信号解析装置で求めたパワースペ
クトルと前記第1の関数解析装置で求めたコヒーレンス
度とを乗算しパワースペクトルを求める第1の演算装置
と、前記第3の信号解析装置で求めたパワースペクトル
と前記第2の関数解析装置で求めたコヒーレンス度とを
乗算しパワースペクトルを求める第2の演算装置と、前
記第1の信号解析装置で求めたパワースペクトルから前
記第1および第2の演算装置で求めたパワースペクトル
を除去し、漏洩検知を行う処理装置と、この処理装置の
出力を表示する出力装置とからなることを特徴とするも
のである。
され、この弁のシート部からの流体漏洩に伴って発生す
るリーク音を検出する第1のAEセンサと、前記弁の上流
側および下流側に設置したバックグランドノイズ測定用
の第2および第3のAEセンサと、これら第1、第2およ
び第3のAEセンサからの信号をそれぞれ計測する第1、
第2および第3のAE計測装置と、これら第1、第2およ
び第3のAE計測装置からの信号よりパワースペクトルを
それぞれ求める第1、第2および第3の信号解析装置
と、前記第1および第2のAE計測装置からの信号よりク
ロススペクトルを求める第4の信号解析装置と、前記第
1およぴ第3のAE計測装置からの信号よりクロススペク
トルを求める第5の信号解析装置と、前記第1および第
2の信号解析装置のパワースペクトルおよび前記第4の
信号解析装置のクロススペクトルに基づいて前記第1の
AEセンサと第2のAEセンサ間のコヒーレンス度を求める
第1の関数解析装置と、前記第1および第3の信号解析
装置のパワースペクトルおよび前記第5の信号解析装置
のクロススペクトルに基づいて前記第1のAEセンサと第
3のAEセンサ間のコヒーレンス度を求める第2の関数解
析装置と、前記第2の信号解析装置で求めたパワースペ
クトルと前記第1の関数解析装置で求めたコヒーレンス
度とを乗算しパワースペクトルを求める第1の演算装置
と、前記第3の信号解析装置で求めたパワースペクトル
と前記第2の関数解析装置で求めたコヒーレンス度とを
乗算しパワースペクトルを求める第2の演算装置と、前
記第1の信号解析装置で求めたパワースペクトルから前
記第1および第2の演算装置で求めたパワースペクトル
を除去し、漏洩検知を行う処理装置と、この処理装置の
出力を表示する出力装置とからなることを特徴とするも
のである。
(作用) 上述のように構成した弁漏洩監視装置においては、プ
ラントの運転状態が変化すると、弁の上流側および下流
側に設けたバックグランドノイズ測定用センサの出力が
変化するが、その際、弁またはその近傍に設置したセン
サの出力も変化するので、これらの出力から、弁の上流
側および下流側からのバックグランドノイズがどれだけ
関与しているかを求め、この関与分を弁またはその近傍
に設置したセンサの出力から差引くようにしたので、弁
のリーク信号がバックグランドノイズの影響を受けるこ
とはない。
ラントの運転状態が変化すると、弁の上流側および下流
側に設けたバックグランドノイズ測定用センサの出力が
変化するが、その際、弁またはその近傍に設置したセン
サの出力も変化するので、これらの出力から、弁の上流
側および下流側からのバックグランドノイズがどれだけ
関与しているかを求め、この関与分を弁またはその近傍
に設置したセンサの出力から差引くようにしたので、弁
のリーク信号がバックグランドノイズの影響を受けるこ
とはない。
次に、その理由を第6図を参照して説明する。なお、
以下の説明では、簡略化のため、弁上流側のバックグラ
ンドノイズ源とリーク音との関係についてのみ記述す
る。
以下の説明では、簡略化のため、弁上流側のバックグラ
ンドノイズ源とリーク音との関係についてのみ記述す
る。
第6図において、弁上流側からのバックグランドノイ
ズをひとつの発生源から発生するバックグランドノイズ
と考え、弁上流側の配管上にBGN発生源Xを置く。ま
た、弁で発生するリーク音もひとつの発生源と考え、リ
ーク発生源Zを置く。
ズをひとつの発生源から発生するバックグランドノイズ
と考え、弁上流側の配管上にBGN発生源Xを置く。ま
た、弁で発生するリーク音もひとつの発生源と考え、リ
ーク発生源Zを置く。
BGN発生源Xからのバックグランドノイズが配管(そ
の伝達関数をH(ω)とする。)を経て伝達され、弁1
に取付けたセンサによってモニタされ、出力Yを生ずる
ものとする。
の伝達関数をH(ω)とする。)を経て伝達され、弁1
に取付けたセンサによってモニタされ、出力Yを生ずる
ものとする。
いま、BGN発生源Xの信号Gx(ω)をゲインαxの変
換器で測定し、また伝達関数H(ω)を通った後の信
号、即ち出力Yをゲインαyを持つ変換器で計測してい
るものと考えると、X点、Y点で計測されるスペクトル
(リニアスペクトル)Gx′およびGy′は、 X点では Gx′(ω)=αxGx(ω) ……(1) Y点では Gy′(ω)=αy[HGx(ω)+Gz(ω)] ……(2) ここで、Gx′、Gy′はそれぞれ変換器による測定量を
表し、また、Gzはリーク音によるスペクトル(リニアス
ペクトル)を意味する。なお、第(1)式中にGzの項が
含まれていないのは、リーク音はバックグランドノイズ
に比べて高周波成分が多いため、配管伝達中での減衰が
大きく、X点では検出されないためである。
換器で測定し、また伝達関数H(ω)を通った後の信
号、即ち出力Yをゲインαyを持つ変換器で計測してい
るものと考えると、X点、Y点で計測されるスペクトル
(リニアスペクトル)Gx′およびGy′は、 X点では Gx′(ω)=αxGx(ω) ……(1) Y点では Gy′(ω)=αy[HGx(ω)+Gz(ω)] ……(2) ここで、Gx′、Gy′はそれぞれ変換器による測定量を
表し、また、Gzはリーク音によるスペクトル(リニアス
ペクトル)を意味する。なお、第(1)式中にGzの項が
含まれていないのは、リーク音はバックグランドノイズ
に比べて高周波成分が多いため、配管伝達中での減衰が
大きく、X点では検出されないためである。
従って、変換器X点におけるパワースペクトルSxx′
(ω)は、 Sxx′(ω)=Gx′(ω)・Gx′(ω)* =αx2・Sxx(ω) ……(3) となり、また変換器Y点におけるパワースペクトルSy
y′(ω)は、 Syy′(ω)=αy2[H・H*Gx(ω)・Gx(ω)* +H*Gx(ω)*・Gz(ω)+HGx(ω)・Gz(ω)* +Gz(ω)・Gz(ω)*]=αy2[|H|2Sxx(ω) +H*Szx(ω)+HSxz(ω)+Szz(ω)]……(4) となる。なお上式中、*印は複素共役数を示す。
(ω)は、 Sxx′(ω)=Gx′(ω)・Gx′(ω)* =αx2・Sxx(ω) ……(3) となり、また変換器Y点におけるパワースペクトルSy
y′(ω)は、 Syy′(ω)=αy2[H・H*Gx(ω)・Gx(ω)* +H*Gx(ω)*・Gz(ω)+HGx(ω)・Gz(ω)* +Gz(ω)・Gz(ω)*]=αy2[|H|2Sxx(ω) +H*Szx(ω)+HSxz(ω)+Szz(ω)]……(4) となる。なお上式中、*印は複素共役数を示す。
第(3)式と第(4)式には、Sxz(ω)で表される
X点のスペクトルと、リーク源Zのスペクトルの相互積
が入っているが、リーク源Zの信号と入力信号Xとは独
立の無相関であるので、これらの相互積は0になる。従
って、第(4)式は Syy′(ω)=αy2[|H|2Sxx(ω)+Szz(ω)] ……
(5) となる。
X点のスペクトルと、リーク源Zのスペクトルの相互積
が入っているが、リーク源Zの信号と入力信号Xとは独
立の無相関であるので、これらの相互積は0になる。従
って、第(4)式は Syy′(ω)=αy2[|H|2Sxx(ω)+Szz(ω)] ……
(5) となる。
また、クロススペクトルSxy′は次式のようになる。
Sxy′(ω)=Gx′(ω)Gy′(ω)* =αxGx(ω)αy[HGx(ω)*+Gz(ω)*] =αxαy:HxxSxx(ω)+Sxz(ω)] ……(6) リーク源Zの信号と入力信号Xは前述のように独立な
無相関であるので、これらの相互積は0になる。従っ
て、第(6)式は Sxy′(ω)=αxαyHSxx(ω) ……(6′) となる。
無相関であるので、これらの相互積は0になる。従っ
て、第(6)式は Sxy′(ω)=αxαyHSxx(ω) ……(6′) となる。
以上の関係によりコヒーレンス度を書き直すと、 γxy2(ω)=|Sxy′(ω)|2/Sxx′(ω) ・Syy′(ω) =Sxy′(ω)・Sxy′(ω)* /Sxx′(ω)・Syy′(ω) =αx2αy2H・H*・ Sxx′(ω)2/αx2αy2・ Sxx(ω)[|H|2Sxx(ω) +Szz(ω)] =|H|2Sxx(ω)/[|H|2 ・Sxx(ω)+Szz(ω)] ……(7) となる。
第(7)式から明らかなように、γxy2(ω)は、Y
点で受ける全パワー [|H|2Sxx(ω)+Szz(ω)] の内、X点からのパワー |H|2Sxx(ω) が占める割合いを示していることになる。
点で受ける全パワー [|H|2Sxx(ω)+Szz(ω)] の内、X点からのパワー |H|2Sxx(ω) が占める割合いを示していることになる。
さらに、コヒーレンス度をY点のパワースペクトルに
乗じると、 γxy2(ω)・Syy′(ω)=αy2・|H|2Sxx(ω) となる。これはX点からのパワーのみを計測したことに
なり、バックグランドノイズによるパワースペクトルを
分離できる。従って、これをY点のパワースペクトルか
ら除去すれば、リーク音だけのパワースペクトルを求め
ることができる訳である。
乗じると、 γxy2(ω)・Syy′(ω)=αy2・|H|2Sxx(ω) となる。これはX点からのパワーのみを計測したことに
なり、バックグランドノイズによるパワースペクトルを
分離できる。従って、これをY点のパワースペクトルか
ら除去すれば、リーク音だけのパワースペクトルを求め
ることができる訳である。
(実施例) 次に、第1図および第2図を参照して本発明の実施例
を説明する。なお、これらの図では、第4図における同
じ部分には同一の符号を付してある。
を説明する。なお、これらの図では、第4図における同
じ部分には同一の符号を付してある。
第1図において、弁1には直接、あるいはその近くに
AEセンサ2が取付けられており、また弁1の上流側と下
流側にもAEセンサ2a、2bが設置されている。
AEセンサ2が取付けられており、また弁1の上流側と下
流側にもAEセンサ2a、2bが設置されている。
これらのAEセンサ2、2a、2bで検出された信号はAE計
測装置3、3a、3bによって増幅・フィルタリングされた
後、信号解析装置4、4a、4bによって周波数スペクトル
(パワースペクトル)を求められる。
測装置3、3a、3bによって増幅・フィルタリングされた
後、信号解析装置4、4a、4bによって周波数スペクトル
(パワースペクトル)を求められる。
また信号解析装置10a、10bではAE計測装置3と3aの
間、および3と3bの間の周波数スペクトル(クロススペ
クトル)が求められる。
間、および3と3bの間の周波数スペクトル(クロススペ
クトル)が求められる。
信号解析装置10a、10bで解析された周波数スペクトル
信号は、信号解析装置4と4aまたは4と4bからのパワー
スペクトルとともに関数解析装置11a、11bに入力され、
AEセンサ2の出力に対して弁1の上流側と下流側からの
バックグランドノイズがどれだけ関与しているかを表す
関数が求められる。
信号は、信号解析装置4と4aまたは4と4bからのパワー
スペクトルとともに関数解析装置11a、11bに入力され、
AEセンサ2の出力に対して弁1の上流側と下流側からの
バックグランドノイズがどれだけ関与しているかを表す
関数が求められる。
演算装置12a、12bは信号解析装置4a、4bと関数解析装
置11a、11bの出力を演算し、弁1の上流側と下流側から
の影響を表す周波数スペクトル(パワースペクトル)を
求める。
置11a、11bの出力を演算し、弁1の上流側と下流側から
の影響を表す周波数スペクトル(パワースペクトル)を
求める。
処理装置5では、信号解析装置4の出力から演算装置
12a、12bの出力を差引くことにより正確な弁リーク量を
求めることができる。
12a、12bの出力を差引くことにより正確な弁リーク量を
求めることができる。
これにより、プラントの運転状態によるバックグラン
ドノイズの変化に影響されない漏洩信号の検出が可能と
なり、基準値αとの比較により、漏洩発生の有無の判断
を正確に行うことができ、また、漏洩量の正確な推定が
可能となる。
ドノイズの変化に影響されない漏洩信号の検出が可能と
なり、基準値αとの比較により、漏洩発生の有無の判断
を正確に行うことができ、また、漏洩量の正確な推定が
可能となる。
次に、上述の実施例の作用を第2図を参照して説明す
る。なお、同図中の各グラフにおいて、点線は弁1に漏
洩がない場合を示し、実線は漏洩がある場合を示す。
る。なお、同図中の各グラフにおいて、点線は弁1に漏
洩がない場合を示し、実線は漏洩がある場合を示す。
AE計測装置3、3a、3bは、前述のようにAEセンサ2、
2a、2bから入力する信号を増幅するとともにフィルタリ
ングして出力TAE1、TAE2、TAE3を生ずる。これらの出力
TAE1、TAE2、TAE3は信号解析装置4、4a、4bによってパ
ワースペクトルSAE11、SAE22、SAE33に変換される。
2a、2bから入力する信号を増幅するとともにフィルタリ
ングして出力TAE1、TAE2、TAE3を生ずる。これらの出力
TAE1、TAE2、TAE3は信号解析装置4、4a、4bによってパ
ワースペクトルSAE11、SAE22、SAE33に変換される。
信号解析装置10aはTAE1とTAE2に基づいてクロススペ
クトルSAE12を求める。また、信号解析装置10bはTAE1と
TAE3に基づいてクロススペクトルSAE13を求める。
クトルSAE12を求める。また、信号解析装置10bはTAE1と
TAE3に基づいてクロススペクトルSAE13を求める。
関数解析装置11aは先に求めたSAE11、SAE12、SAE22か
らコヒーレンス度γ12を求める。また、関数解析装置11
bはSAE11、SAE13、SAE33からコヒーレンス度γ13を求め
る。
らコヒーレンス度γ12を求める。また、関数解析装置11
bはSAE11、SAE13、SAE33からコヒーレンス度γ13を求め
る。
なお、コヒーレンス度は結合の度合いを0から1の間
の数値で表したものである。
の数値で表したものである。
一般に、コヒーレンス度γxyは次式で表すことができ
る。
る。
γxy2=|SAExy(ω)|2/[SAExx(ω) ×SAEyy(ω)]=|H|2SAExx(ω)/[|H|2 ×SAExx(ω)+SAEyy(ω)] ……(8) 但し、SAExy:点x、y間のクロススペクトル SAExx:点xのパワースペクトル SAEyy:点yのパワースペクトル H:点xから点yに対する伝達関数 従って、コヒーレンス度γxyに点yのパワースペクト
ルSAEyyを乗算すると、点xにおける点yからの影響に
よるパワースペクトルを求めることができる。同様に、
コヒーレンス度γxyに点xのパワースペクトルSAExxを
乗算すると、点yにおける点xからの影響によるパワー
スペクトルを求めることができる。
ルSAEyyを乗算すると、点xにおける点yからの影響に
よるパワースペクトルを求めることができる。同様に、
コヒーレンス度γxyに点xのパワースペクトルSAExxを
乗算すると、点yにおける点xからの影響によるパワー
スペクトルを求めることができる。
弁1に漏洩がない場合は、AEセンサ2によって検出さ
れる信号は、第2図のγ1およびγ13中の点線で示すよ
うに、強い結合関係を示し、弁1の上流側および下流側
からのバックグランドノイズであることが分る。
れる信号は、第2図のγ1およびγ13中の点線で示すよ
うに、強い結合関係を示し、弁1の上流側および下流側
からのバックグランドノイズであることが分る。
一方、弁1に漏洩がある場合は、AEセンサ2によって
検出される信号は、リークによる信号成分の割合いが多
くなる。この場合、弁1の上流側および下流側に設置し
たバックグランドノイズ計測用のAEセンサ2a、2bの信号
レベルも多少は大きくなるが、AEセンサ2によって検出
されるリーク信号に比べると非常に小さいので、第2図
のγ12およびγ13中の実線で示すように、弱い結合関係
を示し、弁1からの漏洩であることが分る。
検出される信号は、リークによる信号成分の割合いが多
くなる。この場合、弁1の上流側および下流側に設置し
たバックグランドノイズ計測用のAEセンサ2a、2bの信号
レベルも多少は大きくなるが、AEセンサ2によって検出
されるリーク信号に比べると非常に小さいので、第2図
のγ12およびγ13中の実線で示すように、弱い結合関係
を示し、弁1からの漏洩であることが分る。
演算装置12aでは、弁上流側からの検出信号のパワー
スペクトルSAE22とコヒーレンスγ12に基づいて、弁1
上流側からの影響を示すパワースペクトルSBGN12を演算
する。また、演算装置12bでは、弁下流側からの検出信
号のパワースペクトルSAE33とコヒーレンス度γ13に基
づいて、弁1下流側からの影響を示すパワースペクトル
SBGN13を演算する。
スペクトルSAE22とコヒーレンスγ12に基づいて、弁1
上流側からの影響を示すパワースペクトルSBGN12を演算
する。また、演算装置12bでは、弁下流側からの検出信
号のパワースペクトルSAE33とコヒーレンス度γ13に基
づいて、弁1下流側からの影響を示すパワースペクトル
SBGN13を演算する。
処理装置5においては、信号解析装置4の出力SAE11
から、弁上流側と弁下流側からの影響SBGN12、SBGN13を
差引く。
から、弁上流側と弁下流側からの影響SBGN12、SBGN13を
差引く。
これによりプラントの運転状態によるバックグランド
ノイズの変化に影響されることなく漏洩信号SLの検出が
可能となり、基準値αとの比較によって漏洩発生の有無
の判定を正確に行うことができる。また、漏洩信号SLよ
り求めた実効値により漏洩量の推定を正確に行うことが
できる。
ノイズの変化に影響されることなく漏洩信号SLの検出が
可能となり、基準値αとの比較によって漏洩発生の有無
の判定を正確に行うことができる。また、漏洩信号SLよ
り求めた実効値により漏洩量の推定を正確に行うことが
できる。
[発明の効果] 上述のように、本発明に係る弁漏洩監視装置によれ
ば、プラントの運転状態によるバックグランドノイズの
変化に影響されることかう漏洩信号を検出することがで
き、弁から漏洩が生じた場合、これを正確に判別するこ
とができる上、正確な漏洩量の推定も可能である。
ば、プラントの運転状態によるバックグランドノイズの
変化に影響されることかう漏洩信号を検出することがで
き、弁から漏洩が生じた場合、これを正確に判別するこ
とができる上、正確な漏洩量の推定も可能である。
第1図は本発明の弁漏洩監視装置の実施例を示すブロッ
ク図、第2図は第1図に示す弁漏洩監視装置の作動を示
す流れ線図、第3図は従来の弁漏洩監視装置を例示する
ブロック図、第4図は第3図の弁漏洩監視装置の作動を
示す流れ線図、第5図は第3図における信号解析装置に
よって求めた漏洩量と実効値との関係を示すグラフ、第
6図はバックグランドノイズ源とリーク音との関係を説
明する流れ図である。 1……弁 2、2a、2b……AEセンサ 3、3a、3b……AE計測装置 4、4a、4b……信号解析装置 5……処理装置 6……出力装置 10a、10b……信号解析装置 11a、11b……関数解析装置 12a、12b……演算装置。
ク図、第2図は第1図に示す弁漏洩監視装置の作動を示
す流れ線図、第3図は従来の弁漏洩監視装置を例示する
ブロック図、第4図は第3図の弁漏洩監視装置の作動を
示す流れ線図、第5図は第3図における信号解析装置に
よって求めた漏洩量と実効値との関係を示すグラフ、第
6図はバックグランドノイズ源とリーク音との関係を説
明する流れ図である。 1……弁 2、2a、2b……AEセンサ 3、3a、3b……AE計測装置 4、4a、4b……信号解析装置 5……処理装置 6……出力装置 10a、10b……信号解析装置 11a、11b……関数解析装置 12a、12b……演算装置。
Claims (1)
- 【請求項1】弁またはその近傍に設置され、この弁のシ
ート部からの流体漏洩に伴って発生するリーク音を検出
する第1のAEセンサ(2)と、前記弁の上流側および下
流側に設置したバックグランドノイズ測定用の第2およ
び第3のAEセンサ(2a,2b)と、これら第1、第2およ
び第3のAEセンサからの信号をそれぞれ計測する第1、
第2および第3のAE計測装置(3,3a,3b)と、これら第
1、第2および第3のAE計測装置からの信号よりパワー
スペクトルをそれぞれ求める第1、第2および第3の信
号解析装置(4,4a,4b)と、前記第1および第2のAE計
測装置からの信号よりクロススペクトルを求める第4の
信号解析装置(10a)と、前記第1およぴ第3のAE計測
装置からの信号よりクロススペクトルを求める第5の信
号解析装置(10b)と、前記第1および第2の信号解析
装置のパワースペクトルおよび前記第4の信号解析装置
のクロススペクトルに基づいて前記第1のAEセンサと第
2のAEセンサ間のコヒーレンス度を求める第1の関数解
析装置(11a)と、前記第1および第3の信号解析装置
のパワースペクトルおよび前記第5の信号解析装置のク
ロススペクトルに基づいて前記第1のAEセンサと第3の
AEセンサ間のコヒーレンス度を求める第2の関数解析装
置(11b)と、前記第2の信号解析装置で求めたパワー
スペクトルと前記第1の関数解析装置で求めたコヒーレ
ンス度とを乗算しパワースペクトルを求める第1の演算
装置(12a)と、前記第3の信号解析装置で求めたパワ
ースペクトルと前記第2の関数解析装置で求めたコヒー
レンス度とを乗算しパワースペクトルを求める第2の演
算装置(12b)と、前記第1の信号解析装置で求めたパ
ワースペクトルから前記第1および第2の演算装置で求
めたパワースペクトルを除去し、漏洩検知を行う処理装
置(5)と、この処理装置の出力を表示する出力装置
(6)とからなることを特徴とする弁漏洩監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14041388A JP2575810B2 (ja) | 1988-06-09 | 1988-06-09 | 弁漏洩監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14041388A JP2575810B2 (ja) | 1988-06-09 | 1988-06-09 | 弁漏洩監視装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01311242A JPH01311242A (ja) | 1989-12-15 |
JP2575810B2 true JP2575810B2 (ja) | 1997-01-29 |
Family
ID=15268151
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14041388A Expired - Lifetime JP2575810B2 (ja) | 1988-06-09 | 1988-06-09 | 弁漏洩監視装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2575810B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3272798B2 (ja) * | 1992-01-16 | 2002-04-08 | 株式会社東芝 | 埋設管体の異常位置検出方法及び装置 |
JP3535329B2 (ja) * | 1996-11-27 | 2004-06-07 | 東京瓦斯株式会社 | 音響式漏洩位置特定装置 |
US6128946A (en) * | 1997-06-26 | 2000-10-10 | Crane Nuclear, Inc. | Method and apparatus for on-line detection of leaky emergency shut down or other valves |
JP3639145B2 (ja) * | 1999-02-01 | 2005-04-20 | 三菱電機株式会社 | 異常箇所検出装置 |
JP2005214666A (ja) * | 2004-01-27 | 2005-08-11 | Japan Nuclear Cycle Development Inst States Of Projects | リーク検出装置及び方法 |
JP4391370B2 (ja) * | 2004-09-17 | 2009-12-24 | 千代田化工建設株式会社 | 漏洩検出装置及び方法 |
JP5211379B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2013-06-12 | 学校法人日本大学 | 配管補修後液密性検査装置 |
US10641412B2 (en) | 2012-09-28 | 2020-05-05 | Rosemount Inc. | Steam trap monitor with diagnostics |
JP6502821B2 (ja) * | 2015-10-06 | 2019-04-17 | 株式会社東芝 | 弁シートリーク検査装置および弁シートリーク検査方法 |
JP6881531B2 (ja) * | 2019-09-05 | 2021-06-02 | 株式会社デンソーEmcエンジニアリングサービス | 信号源推定装置 |
RU2754620C1 (ru) * | 2020-09-01 | 2021-09-06 | Акционерное Общество "Российский Концерн По Производству Электрической И Тепловой Энергии На Атомных Станциях" (Ао "Концерн Росэнергоатом") | Способ контроля герметичности и обнаружения места течи в трубопроводе с запорным элементом |
CN113310636B (zh) * | 2021-04-13 | 2022-08-12 | 华电电力科学研究院有限公司 | 一种火电厂阀门内漏检测装置及检测方法 |
-
1988
- 1988-06-09 JP JP14041388A patent/JP2575810B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01311242A (ja) | 1989-12-15 |
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