JPH06129476A - 流体封入式防振マウント - Google Patents

流体封入式防振マウント

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JPH06129476A
JPH06129476A JP27559692A JP27559692A JPH06129476A JP H06129476 A JPH06129476 A JP H06129476A JP 27559692 A JP27559692 A JP 27559692A JP 27559692 A JP27559692 A JP 27559692A JP H06129476 A JPH06129476 A JP H06129476A
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Yoichi Kawamoto
洋一 河本
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Kurashiki Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】流体封入式防振マウントの縦方向の剛性と横方
向の剛性とを任意に設定できるようにする。 【構成】筒状外郭部材1の内部に流体封入用チャンバ1
1が形成されるよう第1弾性体4と第2弾性体5とを縦
方向に間隔をおいて設け、第1弾性体4に支持部材3を
結合して該支持部材3に振動体を支持する一方、外郭部
材1を振動受体に結合し、縦方向の荷重を上記第1及び
第2の両弾性体4,5によって受ける。第1弾性体4と
第2弾性体5とを非結合状態として第2弾性体5が上記
支持部材3の横移動を拘束しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動体と当該振動を受
ける振動受体との間に介装される流体封入式防振マウン
トに関する。
【0002】
【従来の技術】流体封入式防振マウントは、自動車にお
けるエンジンの車体への支持等に用いられている。その
一般的な構造は、車体に結合される一端が可撓性膜によ
って閉じられた筒状の外郭部材と、該外郭部材の開口端
側に配置されエンジンに結合される支持部材とを有し、
上記外郭部材と支持部材とが弾性体によって連結され
て、当該外郭部材の内部に非圧縮性流体を収容する密閉
されたチャンバが形成されている、というものである。
【0003】例えば、特開昭64−21238号公報に
は、かかる流体封入式防振マウントにおいて、上記チャ
ンバがオリフィスを有する仕切部材によって上記弾性体
側の受圧室と上記可撓性膜側の平衡室とに二分されてい
るとともに、上記弾性体が空隙を存して設けられた第1
弾性体と第2弾性体とによって形成されているものが記
載されている。このものは、上記第1弾性体に振動体を
弾性支持させることによって、第2弾性体の弾性係数及
び形状を所期の防振特性が得られるよう任意に設定でき
るようにするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
の場合、第1弾性体及び第2弾性体の両者が支持部材に
連結されているため、外郭部材の筒軸方向(縦方向)の
剛性が高くなり、大重量の振動体を筒軸方向に支持する
上では有利になるが、同時に筒軸方向に直交する方向
(横方向)の剛性も高くなる。そのため、例えばエンジ
ンの中高速回転域で生ずるこもり音(100〜200H
z付近)を抑えることが難しくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、第1弾性体及び第2弾性体の両者を支持部
材に結合するのではなく、第1弾性体のみを支持部材に
結合して、第2弾性体は上記筒軸方向の荷重を受けるだ
けで支持部材の横方向の移動を拘束しないようにし、且
つ第1弾性体と第2弾性体との間に流体を介在せしめる
ようにするものである。
【0006】すなわち、上記課題を解決する第1の手段
(請求項1に記載の発明)は、振動体と当該振動を受け
る振動受体との間に介装される流体封入式防振マウント
であって、上記振動体及び振動受体のうちの一方に結合
される筒状の外郭部材と、上記外郭部材の一端部近傍に
配置され、上記振動体及び振動受体のうちの他方に結合
される支持部材と、上記外郭部材と支持部材とを弾性的
に連結し且つこの両者間を密閉する第1弾性体と、上記
支持部材を上記外郭部材に対し筒軸方向に弾性的に支持
し且つ該外郭部材に対する支持部材の上記筒軸方向に直
交する方向への移動を実質的に拘束しないよう上記外郭
部材の内部に配置され、上記第1弾性体との間に非圧縮
性流体を収容する密閉されたチャンバを形成するよう、
周縁部が全周にわたって上記外郭部材に結合された第2
弾性体とを備えていることを特徴とする。
【0007】上記課題を解決する第2の手段(請求項2
に記載の発明)は、上記第1の手段を発展させてなるも
のであって、上記外郭部材が振動受体に結合され上記支
持部材が振動体に結合されていて、上記第2弾性体は、
上記振動体の上記筒軸方向の荷重が上記外郭部材に受け
られている状態で上記筒軸方向に直交する方向に略平面
状に広がる上面を備えている点に特徴がある。
【0008】上記課題を解決する第3の手段(請求項3
に記載の発明)は、上記第1の手段を発展させてなるも
のであって、上記チャンバは、上記第1弾性体及び第2
弾性体のうちの一方より突出した仕切部によって上記筒
軸方向と直交する方向に対向する第1室と第2室とに仕
切られていて、この両室間が絞り通路によって結ばれて
いる点に特徴がある。
【0009】上記課題を解決する第4の手段(請求項4
に記載の発明)は、上記第1の手段を発展させてなるも
のであって、上記外郭部材の他端は上記第2弾性体との
間に非圧縮性流体を封入するチャンバが形成されるよう
可撓性の膜によって閉じられていて、当該チャンバがオ
リフィスを有する仕切部材によって上記第2弾性体側の
受圧室と上記可撓性膜側の平衡室とに二分されている点
に特徴がある。
【0010】上記課題を解決する第5の手段(請求項5
に記載の発明)は、上記第4の手段を発展させてなるも
のであって、上記第1弾性体と第2弾性体との間のチャ
ンバに封入されている非圧縮性流体は、上記第2弾性体
と可撓性膜との間のチャンバに封入されている非圧縮性
流体よりも粘性が高い流体である点に特徴がある。
【0011】上記課題を解決する第6の手段(請求項6
に記載の発明)は、振動体と当該振動を受ける振動受体
との間に介装される流体封入式防振マウントであって、
一端が可撓性の膜によって閉じられた筒状に形成されて
いて、上記振動体及び振動受体のうちの一方に結合され
る筒状の外郭部材と、上記外郭部材の開口端側に配置さ
れていて、上記振動体及び振動受体のうちの他方に結合
される支持部材と、上記外郭部材の内部に非圧縮性流体
を封入する密閉されたチャンバを形成するよう上記支持
部材と外郭部材とを弾性的に連結する第1弾性体と、上
記支持部材にロッドを介して支持されて上記チャンバに
配置され、周縁部が当該チャンバ内周面との間に上記流
体が流通可能な隙間を存して対峙した作用部材と、上記
第1弾性体との間に上記流体を介在させる隙間を存して
上記チャンバ内に配置され、中央に上記ロッドが隙間を
存して貫通する貫通孔を有し、上記支持部材を上記外郭
部材に対し筒軸方向に弾性的に支持し且つ該外郭部材に
対する支持部材の上記筒軸方向に直交する方向への移動
を実質的に拘束しないよう、周縁部が全周にわたって上
記外郭部材に結合された第2弾性体とを備えていること
を特徴とする。
【0012】
【作用】上記第1の手段においては、第2弾性体が支持
部材を外郭部材に対しその筒軸方向(以下、縦方向とい
う)に弾性的に支持するから、縦方向の剛性には第1及
び第2の両弾性体が関与する。これに対して、上記第2
弾性体は、上記外郭部材に対する上記支持部材の上記筒
軸方向に直交する方向(以下、横方向という)への移動
を実質的に拘束しないから、横方向の剛性には実質的に
は第1弾性体のみが関与する。よって、防振マウントの
縦方向の剛性を高くしながら、その横方向の剛性を相対
的に低くすることが可能になり、横方向の振動低減に有
利になる。
【0013】しかして、上記第1弾性体と第2弾性体と
の間にはチャンバが形成されて非圧縮性流体が封入され
ているから、上記外郭部材に対して支持部材が相対的に
振動するとき、上記チャンバが変形して上記流体の流動
を生じ、この流体の流動による液柱共振によって当該振
動の吸収ないしは減衰の効果を得ることができる。
【0014】上記第2の手段においては、上記振動体の
縦方向の荷重が上記外郭部材に受けられている状態で
は、第2弾性体の上面が横方向に略平面状に広がるか
ら、筒軸方向に直交する全方向において支持部材の横移
動が拘束されないことになり、横方向剛性の低減による
防振がより効果的なものになる。
【0015】上記第3の手段においては、外郭部材に対
して支持部材が相対的に振動するとき上記チャンバが変
形し、第1室と第2室との間で流体が絞り通路を介して
流動するから、上記液柱共振による防振効果が高くな
る。
【0016】上記第4の手段においては、第1弾性体と
第2弾性体との間のチャンバでの流体の流動による防振
効果を得ることができるとともに、第2弾性体と可撓性
膜との間のチャンバにおける受圧室と平衡室との間でも
流体がオリフィスを介して流動するから、それによって
異なる特性の防振効果を得ることができる。
【0017】上記第5の手段においては、第1弾性体と
第2弾性体との間に封入された流体の粘性が高く、当該
流体が流動する際のずり剪断抵抗が高くなるから、減衰
効果が高くなる。
【0018】第6の手段においては、上記各手段と同様
に縦方向の剛性に対して横方向の剛性を相対的に低くす
ることができるとともに、支持部材が外郭部材に対して
相対的に振動した場合、それによって作用部材がチャン
バ内で揺動して流体の流動を生じ、液柱共振による防振
効果を得ることができ、さらに、チャンバにおける第1
弾性体と第2弾性体との間の部位と、第2弾性体と可撓
性膜との間の部位とで第2弾性体の中央の貫通孔を介し
て流体が流動するから、この流動による防振効果を得る
ことができる。
【0019】
【発明の効果】第1の手段(請求項1に記載の発明)に
よれば、外郭部材と支持部材とを連結する第1弾性体の
他に第2弾性体を設けて両弾性体間に流体を封入し、第
2弾性体によって支持部材を外郭部材に弾性的に支持し
ながら、第2弾性体が外郭部材に対する支持部材の横方
向の移動を実質的に拘束しないようにしたから、大重量
の振動体を振動受体に支持する場合でも、縦方向の剛性
に対して横方向の剛性を相対的に低くすることが容易に
なり、第1弾性体と第2弾性体との間に封入した流体の
流動による振動低減効果を得ながら、上記横方向の剛性
の低減によって防振効果を高めることが可能になる。
【0020】第2の手段(請求項2に記載の発明)によ
れば、第2弾性体は、上記振動体の上記筒軸方向の荷重
が上記外郭部材に受けられている状態で上記筒軸方向に
直交する方向に略平面状に広がる上面を備えているか
ら、筒軸方向に直交する全方向において支持部材の横移
動が拘束されないようにすることができ、低周波数域の
防振効果をより高めることができる。
【0021】第3の手段(請求項3に記載の発明)によ
れば、第1弾性体及び第2弾性体のうちの一方より突出
した仕切部によってチャンバを第1室と第2室とに仕切
り、この両室間を絞り通路によって結んだから、当該チ
ャンバでの液柱共振を利用した防振効果が高くなる。
【0022】第4の手段(請求項4に記載の発明)によ
れば、外郭部材の他端の可撓性膜と第2弾性体との間に
非圧縮性流体を封入するチャンバを形成し、該チャンバ
を、オリフィスを有する仕切部材によって上記第2弾性
体側の受圧室と上記可撓性膜側の平衡室とに二分したか
ら、第1弾性体と第2弾性体との間のチャンバでの流体
の流動と、第2弾性体と可撓性膜との間のチャンバにお
ける流体の流動とによって、異なる周波数域で防振効果
を得ることが可能になる。
【0023】第5の手段(請求項5に記載の発明)によ
れば、第1弾性体と第2弾性体との間のチャンバに封入
されている非圧縮性流体が、上記第2弾性体と可撓性膜
との間のチャンバに封入されている非圧縮性流体よりも
粘性が高いから、この高粘性の流体の高いずり剪断抵抗
を利用して防振効果を高めることができる。
【0024】第6の手段(請求項6に記載の発明)によ
れば、上記支持部材と外郭部材とを第1弾性体によって
連結して非圧縮性流体を封入する密閉されたチャンバを
形成する一方、貫通孔を有する第2弾性体をチャンバ内
に設けて支持部材を外郭部材に対し縦方向に弾性的に支
持するとともに、支持部材の横移動を実質的に拘束しな
いようにし、さらに、上記支持部材より上記貫通孔を通
してチャンバ内に突設したロッドに作用部材を取り付け
たから、横方向の剛性の低減によって所期の防振効果を
得ながら、作用部材による流体の流動及び第2弾性体の
貫通孔を通しての流体の流動を利用して防振効果を高め
ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0026】<実施例1> −全体構造− 図1は流体封入式防振マウントを振動体(例えば自動車
のエンジン)の荷重が作用する前の状態で示し、図2は
同荷重が作用した状態の同マウントを示す。この両図に
示す防振マウントにおいて、1は振動体の振動を受ける
振動受体(例えば車体のエンジン支持メンバー)に結合
される筒状の外郭部材、2はこの外郭部材1の下端開口
側を閉止するカップ状保護部材、3は上記外郭部材1の
上端開口側に設けられ上記振動体に結合される支持部
材、4はこの支持部材3と上記外郭部材1とを連結する
ゴム製の第1弾性体、5は上記支持部材3を上記外郭部
材1に対し縦方向(筒軸方向)に弾性的に支持するゴム
製の第2弾性体である。
【0027】上記保護部材2には連結ボルト2aが下方
に突設されており、この連結ボルト2aによって保護部
材2が振動受体に結合される。一方、支持部材3にも連
結ボルト3aが上方に突設されており、この連結ボルト
3aによって支持部材3が振動体に結合される。上記保
護部材2は、仕切部材7及びゴム製のダイヤフラム(可
撓性膜)8と共に上記外郭部材1の下端縁部にかしめに
よって固定されている。また、上記第1弾性体4の外周
面には断面逆L字状の環状支持金9が焼付接着されてい
て、この支持金9が外郭部材1の上端縁部にかしめによ
って固定されている。
【0028】−各部の構造− 上記第1弾性体4は、上記外郭部材1の上端開口を密閉
するように該外郭部材1の中心部から半径方向(横方
向)に広がり、且つその半径方向の中間部に上方へ突出
した環状凸部が形成されている。この環状凸部の下面側
は環状凹部4aに形成されている。上記支持部材3は当
該第1弾性体4の中央部上側に結合されている。
【0029】上記第2弾性体5は、図1に示すように振
動体の荷重が作用する前の状態では内部が空洞の円錐状
をなし、上記振動体の荷重が作用した状態では図2に示
すようにその上面が横方向に平面的に広がった状態にな
るものである。すなわち、当該第2弾性体4は、中心部
にコア5aを備えているとともに、その外周部が全周に
わたって上記外郭部材1の内周面に接着されていて、上
記第1弾性体4との間に密閉された第1チャンバ11を
形成しているとともに、上記ダイヤフラム8との間に密
閉された第2チャンバ12を形成している。
【0030】上記第1チャンバ11は、薄く面状に広が
っていて、内部に高粘性の非圧縮性流体として500c
ps以上のシリコーンオイルが封入されている。上記第
2チャンバ12は、第1チャンバ11よりも上下に高く
形成されていて、内部に低粘性のシリコーンオイル(或
いはエチレングリコール等)が封入されている。
【0031】本例の場合、上記第1弾性体4の中心部下
面が上記第2弾性体5のコア5aに摺動自在に当接して
おり、従って、上記第1チャンバ11は環状になってい
る。また、第2弾性体5は、第1弾性体4の摺動を許容
することによって、上記外郭部材1に対する上記支持部
材3の横方向への移動を実質的に拘束しないものであ
る。
【0032】上記第2チャンバ12は、上記仕切部材8
によって上側(第2弾性体5側)の受圧室12aと、下
側(ダイヤフラム8側)の平衡室12bとに仕切られて
いる。上記仕切部材7は、樹脂によって形成されてい
て、中央に可動板7aが上下動自在に設けられた中空部
7bを有するとともに、周縁部に環状のオリフィス通路
7cを有する。仕切部材7の中空部7bを構成する上下
の壁には複数の孔7dが形成されている。オリフィス通
路7aは、上記受圧室12aに開口した孔と上記平衡室
12bに開口した孔とを互いに離隔させて備えている。
【0033】−作用効果− 従って、上記防振マウントにおいては、支持部材3に結
合される振動体の荷重は第1弾性体4と第2弾性体5と
によって外郭部材1ひいては振動受体に支持されるが、
第2弾性体5は支持部材3の横移動を拘束しない。この
ことは、防振マウントの縦方向の剛性は高いが、横方向
の剛性には第1弾性体4のみが寄与するため、この横方
向剛性が相対的に低いということを意味する。
【0034】よって、当該防振マウントは、エンジンの
ような大重量の振動体であっても、これを支持して第1
チャンバ11及び第2チャンバ12の流体の流動によっ
てその縦方向の振動を吸収、減衰しながら、当該振動体
の横方向の振動、特に低い周波数域の振動を抑えること
ができるものである。
【0035】上記防振作用について説明すると、上記支
持部材3に上下方向に振動が入った場合、上記第1弾性
体4及び第2弾性体5が一緒に上下に撓む。そして、こ
の第2弾性体5の上下動に伴い、第2チャンバ12では
受圧室12aと平衡室12bとの間で流体が上記オリフ
ィス通路7cを通して流動し、この流体の流動による液
柱共振によって当該振動が吸収、減衰される。
【0036】振動の周波数が高くなると、上記オリフィ
ス通路7cでの流体の流動抵抗が高くなって、該オリフ
ィス通路7cが目詰り状態になるが、仕切部材7の中空
部7bに流体が出入りすることによって受圧室12aの
容積補償がなされるため、上記第1及び第2の両弾性体
4,5の上下揺動は可能である。よって、高周波振動で
あっても流体の流動を利用してその低減を図ることがで
きる。この場合、可動板7aは、孔7dから受圧室12
aと平衡室12bとの間で中空部7bを介して流体が出
入りすることにより、中空部7bにおいて上下動して、
上記作用を生ずるよう受圧室12aと平衡室12bとの
間の体積補償をする。
【0037】また、上記第1弾性体4と第2弾性体5と
が上下に撓む際に、第1チャンバ11はその形状が変化
するため、当該第1チャンバ11内の流体も内部で動く
ことになり、それによっても当該振動の吸収、減衰が行
なわれる。特に、第1チャンバ11の流体は高粘性であ
るから、流体が流動する際のずり剪断抵抗によって効果
的な防振作用を発揮する。
【0038】また、上述の如く防振マウントの横方向剛
性が低くなるから、エンジンのこもり音のような構造変
形によって生ずる振動ないしは騒音を抑えることができ
るものである。当実施例の場合、上記第1弾性体4に形
成されている環状凹部4aは当該第1弾性体4を横方向
に変形し易くするものであり、これによっても上記横方
向剛性の低減が図られている。
【0039】<実施例2>本例の防振マウントは図3
(振動体の荷重が作用した状態)及び図4に示されてお
り、実施例1のものとの相違点は、第1チャンバ21の
構造及び仕切部材27の構造にある。当該防振マウント
の他の構成及び作用効果については、実施例1のものと
同様であり、実質的に同一の要素には実施例1のものと
同じ符号を付して、その具体的な説明は省略する(この
点は以下の実施例3及び実施例4でも同様である)。
【0040】まず、上記第1チャンバ21の構造につい
て説明するに、この第1チャンバ21の内部は第2弾性
体25の上面に突設された仕切部25aによって直径方
向に対向する第1室21aと第2室21bとに二分され
ている。また、上記仕切部25aには上記第1室21a
と第2室21bとを連通させる絞り通路21c,21c
が形成されている。そして、第1弾性体24の下面から
は上記絞り通路21cを通しての流体の流動を促す作用
部24a,24aが上記第1室21a及び第2室21b
にそれぞれ突出している。
【0041】次に、仕切部材27の構造を説明すると、
これは、2枚の板材を上下に重ねて形成されていて、外
周部に環状のオリフィス通路27aを備えている。この
オリフィス通路27aは、上記受圧室12aに開口した
孔と上記平衡室12bに開口した孔とを互いに離隔させ
て備えている。
【0042】従って、本例の防振マウントの場合、横方
向の振動、特に上記第1チャンバ21における両室21
a,21bの配列方向の振動が入力された際に、上記作
用部24a,24aが各室21a,21bにおいて横方
向に移動する。そして、この作用部24aの移動によっ
て両室21a,21b間で流体が強制的に流動させら
れ、該流体の液柱共振によって振動低減効果が得られ
る。なお、上記作用部がない場合でも、第1室21a及
び第2室21bの変形によって上記流体の流動は生ずる
ため、液柱共振を振動低減に利用することはできる。
【0043】<実施例3>本例の防振マウントについて
は振動体の荷重が作用する前の状態で図5に示されてお
り、実施例1のものとの相違点は作用部材31の有無に
ある。
【0044】すなわち、上記作用部材31は、第2弾性
体5の中心コア5aにロッドを介して結合されて、第2
チャンバ12の受圧室12aに配置されている。この作
用部材31はチャンバ中央より半径方向に広がった下開
きのかさ形状に形成されていて、周縁部がチャンバ内壁
との間に流体が流動可能な隙間32を存して対峙してい
る。
【0045】従って、本例の防振マウントでは、高周波
振動が入った場合、上記仕切部材7のオリフィス通路7
aは流体の流動抵抗が大きくなるため目詰り状態になる
が、上記作用部材31があるため、該高周波振動の低減
が図れる。すなわち、第2弾性体5に縦方向の振動が入
った場合、この第2弾性体5の上下動に伴って作用部材
31が揺動し、その際に、上記隙間32において流体が
強制的に流動させられ、該流体の液柱共振によって当該
振動が吸収、減衰される。この場合の受圧室12aの体
積補償は仕切部材7の中空部7bによって行なわれる。
【0046】<実施例4>本例の防振マウントについて
は振動体の荷重が作用する前の状態で図6に示されてお
り、実施例1のものとの相違点は第1弾性体44の取付
構造、第2弾性体45の構造(チャンバ52構造)、作
用部材31の取付構造及び仕切部材47の構造にある。
【0047】まず、第1弾性体44は、外郭部材41に
対して焼付接着によって固定されていて、実施例1のも
のと同様の環状凹部41aを備えている。次に第2弾性
体45は、中央に貫通孔45aを有する環状に形成され
ていて、中央部に貫通孔45aに沿ったリングコア45
bが固着されているとともに、周縁には金属環45cが
固着されている。この第2弾性体45は外郭部材41に
対して圧入によって固定されている。第1弾性体44は
上記第2弾性体45のリングコア45bに摺動自在に当
接しており、これにより、第2弾性体45が支持部材3
の横移動を拘束しないようになっている。
【0048】作用部材31は、支持部材3にロッド51
を介して固定されていて、該ロッド51は上記貫通孔4
5aを該貫通孔周縁との間に隙間を存して貫通してい
る。そうして、本例の場合、チャンバ52は、外郭部材
41、第1弾性体44及びダイヤフラム8によって形成
されていて、仕切部材47によって受圧室52a及び平
衡室52bに仕切られているとともに、受圧室52aの
上部に第2弾性体45によって区画された面状室52c
が設けられている。そして、当該面状室52cは完全独
立の室ではなく、上記第1弾性体44のリングコア45
bと第2弾性体45との接触面間の微小間隙を介して受
圧室52aに連通可能になっている。
【0049】仕切部材47は、オリフィス通路47cが
2枚の板材を重ねて形成されている点を除き実施例1の
ものと同様のものである。すなわち、当該2枚の板材は
中央に貫通孔を備えていて、可動板47aが上下動自在
に設けられた中空部47bを有し中空部47bを構成す
る上下の壁には複数の孔47dが形成された体積補償器
が上記貫通孔に嵌着されている。
【0050】従って、本例の場合、第1弾性体44と第
2弾性体45とによって縦方向の剛性を高くながら横方
向の剛性を低くすることができる点は先の各実施例と同
様であり、さらに、上記第1弾性体44と第2弾性体4
5との間の面状室52cと受圧室52aとの間で流体が
流動可能であるから、液柱共振による防振効果が高くな
る。
【0051】<実施例5>本例の防振マウントについて
は振動体の荷重が作用する前の状態で図7に示されてお
り、実施例3のものに類似しているが、第1チャンバ6
1の構造が相違する。
【0052】すなわち、先の各実施例では第1弾性体と
第2弾性体とが互いの中央部において摺動自在に接触し
ているが、本例のものでは第1弾性体64と第2弾性体
65とが縦方向に間隔をおいて、つまり互いの中央部に
おいても非接触状態に配置されている。そのため、第1
チャンバ61は仕切りのない室になっている。
【0053】従って、本例の場合、第2弾性体65は振
動体の荷重を第1弾性体64から上記チャンバ61の流
体を介して受けることになる。この場合でも、縦方向の
剛性には第1弾性体64と第2弾性体65とが関与する
から高いものになり、横方向の剛性には実質的には第1
弾性体64のみが関与するから、該剛性が低いものにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の防振マウントを無負荷状態で示す縱
断面図
【図2】実施例1の防振マウントを荷重が作用した状態
で示す縱断面図
【図3】実施例2の防振マウントを荷重が作用した状態
で示す縱断面図
【図4】図3のA−A線断面図
【図5】実施例3の防振マウントを無負荷状態で示す縱
断面図
【図6】実施例4の防振マウントを無負荷状態で示す縱
断面図
【図7】実施例5の防振マウントを無負荷状態で示す縱
断面図
【符号の説明】
1,41 外郭部材 3 支持部材 4,24,44,64 第1弾性体 5,25,45,65 第2弾性体 7,27,47 仕切部材 7a,27a,47a オリフィス通路 8 ダイヤフラム(可撓性膜) 11,21,61 第1チャンバ 12 第2チャンバ 12a 受圧室 12b 平衡室 21a 第1室 21b 第2室 21c 絞り通路 25a 仕切部 31 作用部材 45a 貫通孔 51 ロッド 52 チャンバ 52a 受圧室 52b 平衡室 52c 面状室 32 隙間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動体と当該振動を受ける振動受体との間
    に介装される流体封入式防振マウントであって、 上記振動体及び振動受体のうちの一方に結合される筒状
    の外郭部材と、 上記外郭部材の一端部近傍に配置され、上記振動体及び
    振動受体のうちの他方に結合される支持部材と、 上記外郭部材と支持部材とを弾性的に連結し且つこの両
    者間を密閉する第1弾性体と、 上記支持部材を上記外郭部材に対し筒軸方向に弾性的に
    支持し且つ該外郭部材に対する支持部材の上記筒軸方向
    に直交する方向への移動を実質的に拘束しないよう上記
    外郭部材の内部に配置され、上記第1弾性体との間に非
    圧縮性流体を収容する密閉されたチャンバを形成するよ
    う、周縁部が全周にわたって上記外郭部材に結合された
    第2弾性体とを備えていることを特徴とする流体封入式
    防振マウント。
  2. 【請求項2】上記外郭部材が振動受体に結合され、上記
    支持部材が振動体に結合されていて、 上記第2弾性体は、上記振動体の上記筒軸方向の荷重が
    上記外郭部材に受けられている状態で上記筒軸方向に直
    交する方向に略平面状に広がる上面を備えている請求項
    1に記載の流体封入式防振マウント。
  3. 【請求項3】上記チャンバは、上記第1弾性体及び第2
    弾性体のうちの一方より突出した仕切部によって上記筒
    軸方向と直交する方向に対向する第1室と第2室とに仕
    切られていて、この両室間が絞り通路によって結ばれて
    いる請求項1に記載の流体封入式マウント。
  4. 【請求項4】上記外郭部材の他端は上記第2弾性体との
    間に非圧縮性流体を封入するチャンバが形成されるよう
    可撓性の膜によって閉じられていて、当該チャンバがオ
    リフィスを有する仕切部材によって上記第2弾性体側の
    受圧室と上記可撓性膜側の平衡室とに二分されている請
    求項1に記載の流体封入式防振マウント。
  5. 【請求項5】上記第1弾性体と第2弾性体との間のチャ
    ンバに封入されている非圧縮性流体は、上記第2弾性体
    と可撓性膜との間のチャンバに封入されている非圧縮性
    流体よりも粘性が高い流体である請求項4に記載の流体
    封入式防振マウント。
  6. 【請求項6】振動体と当該振動を受ける振動受体との間
    に介装される流体封入式防振マウントであって、 一端が可撓性の膜によって閉じられた筒状に形成されて
    いて、上記振動体及び振動受体のうちの一方に結合され
    る筒状の外郭部材と、 上記外郭部材の開口端側に配置されていて、上記振動体
    及び振動受体のうちの他方に結合される支持部材と、 上記外郭部材の内部に非圧縮性流体を封入する密閉され
    たチャンバを形成するよう上記支持部材と外郭部材とを
    弾性的に連結する第1弾性体と、 上記支持部材にロッドを介して支持されて上記チャンバ
    に配置され、周縁部が当該チャンバ内周面との間に上記
    流体が流通可能な隙間を存して対峙した作用部材と、 上記第1弾性体との間に上記流体を介在させる隙間を存
    して上記チャンバ内に配置され、中央に上記ロッドが隙
    間を存して貫通する貫通孔を有し、上記支持部材を上記
    外郭部材に対し筒軸方向に弾性的に支持し且つ該外郭部
    材に対する支持部材の上記筒軸方向に直交する方向への
    移動を実質的に拘束しないよう、周縁部が全周にわたっ
    て上記外郭部材に結合された第2弾性体とを備えている
    ことを特徴とする流体封入式防振マウント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7044455B2 (en) * 2001-04-27 2006-05-16 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled vibration damping device
JP2009079678A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Tokai Rubber Ind Ltd 防振装置及び該防振装置の製造方法
US7584945B2 (en) * 2005-07-21 2009-09-08 Tokai Rubber Industries, Ltd. Vibration damping device

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