JPH06129321A

JPH06129321A - 内燃機関の燃料供給装置

Info

Publication number: JPH06129321A
Application number: JP4276039A
Authority: JP
Inventors: Tomomi Sakaeno; 友美栄野; Shinichi Iwamoto; 伸一岩元; Makoto Miwa; 真三輪
Original assignee: NipponDenso Co Ltd
Current assignee: Denso Corp
Priority date: 1992-10-14
Filing date: 1992-10-14
Publication date: 1994-05-10

Abstract

(57)【要約】【目的】燃料調圧で生じる余剰燃料のリターンによる
燃料タンク内の温度上昇を防止すると共に、燃料配管中
のベーパを抜くことができ、しかもエンジン再始動の際
に始動不良を生じることがない燃料供給装置の提供によ
り、燃料蒸発ガスによる大気汚染や、ラフアイドルやエ
ンジンストールの発生を防止する。【構成】燃料供給ライン13のタンク近傍位置に調圧用
のプレッシャレギュレータ19を配設し、調圧によるリタ
ーン燃料はエンジン部分を通過しないように構成する。
また、エンジン1 の上方にもう一つのリターンライン23
とプレッシャレギュレータ25とを配設し、プレッシャレ
ギュレータ25の直後には絞り27を設ける。このプレッシ
ャレギュレータ25は、エンジン駆動中は開きっぱなしと
なり、絞り27を介して、エンジン近傍部分で発生したベ
ーパを排出する。エンジン停止中は、各プレッシャレギ
ュレータ19，25が閉じ、再始動時の燃料圧を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンクから燃料を
汲み上げて燃料噴射弁まで供給すると共に、余剰燃料を
燃料タンクへリターンする様に構成される内燃機関の燃
料供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両用のガソリンエンジンにおい
ては、インジェクタの近くにプレッシャレギュレータを
設けて燃料供給ライン内の圧力を一定に調圧すると共
に、プレッシャレギュレータから延ばされたリターンラ
インを介して、燃料供給ライン内の余剰燃料及びベーパ
を燃料タンクへリターンする構成が採用されていた。こ
の構成によって、一定の燃料噴射圧力を確保すると共
に、ベーパ混入による燃料噴射量の変動を防止して、ラ
フアイドルやエンジンストールの発生を防止していた。

【０００３】しかし、この構成によってリターンされる
燃料は、エンジンの近傍を通過したものであるため高温
となっていた。このため、一般の車両で毎分１００リッ
トル程度と大量にリターンされる燃料は、燃料タンク内
の燃料温度を上昇させ、燃料タンク内に燃料蒸発ガスを
多量に発生させていた。

【０００４】このため、ディーゼルエンジン用として実
用化されているコモンレール式ユニットインジェクタの
構成をガソリンエンジンにも応用し、リターン燃料自体
が発生しない様にする技術が提案された（特開平４−１
２８５１８号）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ガソリンエン
ジンでの燃料噴射圧力はディーゼルエンジンのそれより
もはるかに小さいため、コモンレールからインジェクタ
までの部分に発生したベーパが噴射燃料中に気泡として
混入し、ベーパの占める体積の影響で噴射燃料量が不足
したり不安定となったりして、やはりラフアイドルやエ
ンジンストールが発生してしまうという問題があった。

【０００６】なお、コモンレールに、例えば実開昭５９
−１９０９６５号に提案される様な微小通路を配設し、
これによってベーパを抜くようにする対策が考えられ
る。しかし、今度は、エンジン停止中にこの微小通路か
ら燃料が抜けてしまい、エンジンを再始動するときに十
分な燃料圧が得られず、エンジンストールを起こすなど
の不具合を生じることとなる。

【０００７】そこで、本発明は、燃料調圧で生じる余剰
燃料のリターンによる燃料タンク内の温度上昇を防止す
ると共に、燃料配管中のベーパを抜くことができ、しか
もエンジン再始動の際に始動不良を生じることのない内
燃機関の燃料供給装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び作用】本発明の内燃機
関の燃料供給装置は、燃料タンクから汲み上げた燃料を
燃料供給ラインを介して内燃機関の燃料噴射弁まで供給
すると共に、調圧手段によって該燃料供給ライン内の燃
料圧を一定に調圧し、該調圧の結果余剰となった燃料を
リターンラインを介して燃料タンクへと戻す内燃機関の
燃料供給装置において、前記調圧手段及びリターンライ
ンを、燃料供給ラインが内燃機関近傍を通過する位置よ
りも上流側に配設すると共に、前記燃料噴射弁近傍に、
燃料供給ライン内のベーパを少量の燃料と共に燃料タン
クへ戻すベーパ戻しラインを配設し、さらに、内燃機関
の停止中は、前記燃料供給ラインと、リターンライン及
びベーパ戻しラインとの連通を絶つ停止時非連通化手段
をも配設したことを特徴とする。

【０００９】この内燃機関の燃料供給装置によれば、調
圧手段及びリターンラインを、燃料供給ラインが内燃機
関近傍を通過する位置よりも上流側に配設したので、リ
ターン燃料は内燃機関近傍を通過せず、温度が低い。従
って、燃料タンク内の温度を上昇させることがない。ま
た、この様にリターンラインを配設したにもかかわら
ず、ベーパ戻しラインを介して燃料供給ライン内のベー
パを燃料タンクへ戻すので、噴射燃料中にベーパが混入
しない。しかも、内燃機関の停止中は、停止時非連通化
手段が燃料供給ラインと、リターンライン及びベーパ戻
しラインとの連通を絶つので、燃料供給ラインの圧力が
抜けてしまうことがない。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を適用したガソリン自動車用エ
ンジンの燃料供給装置の一実施例を図面に従って説明す
る。実施例の自動車用エンジン１は、図１に示す様に、
ロータリエンジンであり、高速運転に対応するため吸気
管３に２個のインジェクタ５，７を備えている。このエ
ンジン１では、燃料タンク９からフューエルポンプ１１
で汲み上げた燃料を、燃料供給ライン１３を介して２個
のインジェクタ５，７へ供給する。この燃料供給ライン
１３のタンク近傍位置には、燃料中の異物を除去する燃
料フィルタ１５が配設されている。そして、この燃料フ
ィルタ１５と燃料タンク９との間に、分岐管１７を介し
てプレッシャレギュレータ１９が配設されている。そし
て、このプレッシャレギュレータ１９と燃料タンク９と
の間にリターンライン２１が形成されている。このプレ
ッシャレギュレータ１９は、燃料供給ライン１３内の燃
料圧力を一定の噴射圧に保つ役目を果たし、開弁圧２．
５５〜２．９９ｋｇ／ｃｍ² に設定されている。以下、
このプレッシャレギュレータ１９を調圧用レギュレータ
１９といい、リターンライン２１を調圧用リターンライ
ン２１という。この調圧用リターンライン２１を介して
燃料タンク９へリターンされる燃料の流量は、概ね毎分
１００リットル程度になる。

【００１１】一方、下流側のインジェクタ７と燃料タン
ク９との間にもリターンライン２３が設けられている。
このリターンライン２３にも、ちょうどエンジン１の上
方に当たる位置にプレッシャレギュレータ２５が配設さ
れている。こちらのプレッシャレギュレータ２５は、開
弁圧２．０〜２．３ｋｇ／ｃｍ² に設定されている。ま
た、リターンライン２３において、プレッシャレギュレ
ータ２５の直後には絞り２７が設けられている。この絞
り２７は、２．５５〜２．９ｋｇ／ｃｍ² の圧力に対し
て毎分２リットル程度の流量になる様に構成されてい
る。

【００１２】このプレッシャレギュレータ２５は、燃料
供給ライン１３内の調圧条件より低い開弁圧に設定され
ているため、エンジン運転中は常に開きっぱなしとな
る。従って、エンジン運転中には絞り２７を介して毎分
２リットルの割合で余剰燃料がリターンされることにな
る。この余剰燃料は、エンジン部分を通過した後のもの
であるため、高温となっており、ベーパを含んでいる。
以下、このプレッシャレギュレータ２５をベーパ戻し用
レギュレータ２５といい、リターンライン２３をベーパ
戻し用リターンライン２３という。

【００１３】エンジン１は、これら燃料供給のための構
成の他に、燃料タンク９内で発生した燃料蒸発ガスを吸
着し、負荷に応じて吸気管内へパージするキャニスタ３
１及びパージ制御弁３２をも備えている。なお、図中の
符号３３はサージタンクを、符号３４は排気管を、符号
３５はエアフィルタを、符号３６はスロットルバルブ
を、符号３７はサイレンサを、符号３８は点火プラグを
それぞれ表している。

【００１４】実施例のエンジン１では燃料供給系統が以
上の様に構成されているため、エンジン駆動中は、調圧
用プレッシャレギュレータ１９によってフューエルポン
プ１１から絞り２７までの配管内の圧力は２．５５〜
２．９ｋｇ／ｃｍ² に保持される。この間、調圧用リタ
ーンライン２１を介して毎分１００リットルの大量の燃
料が燃料タンク９へリターンされる。しかし、この燃料
はエンジン部分を通過していないため、低温である。従
って、燃料タンク９内の燃料温度は上昇することがな
い。

【００１５】一方、ベーパ戻し用リターンライン２３を
介しては、エンジン部分を通過した高温の燃料がリター
ンされてくる。しかし、こちらは毎分２リットルと少量
であるため、燃料タンク９内の燃料温度を上昇させるこ
とはない。むしろ、このベーパ戻し用リターンライン２
３からリターンされる燃料は、エンジン部分の配管中に
発生するベーパを含むことになるため、配管中からベー
パを排出する作用を奏する。

【００１６】一方、エンジンが停止すると、燃料ポンプ
が停止すると共に、各プレッシャレギュレータ１９，２
５には負圧がかからなくなる。ここで、フューエルポン
プ１１にはチェック弁が内蔵されているため、フューエ
ルポンプ１１から燃料が逆流することはない。また、各
プレッシャレギュレータ１９，２５も閉じるため、燃料
供給ライン１３は密閉されることになり、内部の燃料圧
は２．５５〜２．９ｋｇ／ｃｍ² に保たれたままとな
る。従って、エンジンを再始動するとき、最初から燃料
噴射圧の不足を来すことがなく、良好な始動性が得られ
る。

【００１７】以上説明した様に、本実施例によれば、燃
料タンク９へ高温の燃料が大量にリターンされることが
なく、燃料蒸発ガスの大量発生を防止することができ
る。この結果、キャニスタ３１が能力不足となることが
なく、燃料蒸発ガスの大気中への漏洩を避けることがで
きる。また、燃料配管の高温部分に発生するベーパも抜
くことができるので、噴射燃料中へのベーパの混入によ
るラフアイドルやエンジンストールの発生を防止するこ
とができる。しかも、かかる作用・効果を奏しながら、
エンジン再始動性を悪化させることがない。

【００１８】以上、一実施例を説明したが、本発明の内
燃機関の燃料供給装置は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、例えばベーパ戻し用レギュレータ２５及び絞
り２７に代えて電磁弁を配設し、エンジン駆動中はデュ
ーティ制御によってベーパを含んだ少量の燃料をリター
ンし、かつエンジン停止中は閉として燃料供給ライン１
３の内圧を保持するように構成するなど、本発明の要旨
を逸脱しない限り種々なる態様に変形することが可能で
ある。

【００１９】

【効果】以上詳述したように、本発明の内燃機関の燃料
供給装置によれば、燃料調圧で生じる余剰燃料のリター
ンによる燃料タンク内の温度上昇を防止すると共に、燃
料配管中のベーパを抜くことができ、しかもエンジン再
始動の際に始動不良を生じることがない。この結果、燃
料蒸発ガスによる大気汚染を招いたり、ラフアイドルや
エンジンストールの発生といった不具合を招くことがな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の全体構成図である。

【符号の説明】

１・・・エンジン、３・・・吸気管、５，７・・・イン
ジェクタ、９・・・燃料タンク、１１・・・フューエル
ポンプ、１３・・・燃料供給ライン、１５・・・燃料フ
ィルタ、１７・・・分岐管、１９・・・調圧用レギュレ
ータ、２１・・・調圧用リターンライン、２３・・・ベ
ーパ戻し用リターンライン、２５・・・ベーパ戻し用レ
ギュレータ、２７・・・絞り。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】燃料タンクから汲み上げた燃料を燃料供
給ラインを介して内燃機関の燃料噴射弁まで供給すると
共に、調圧手段によって該燃料供給ライン内の燃料圧を
一定に調圧し、該調圧の結果余剰となった燃料をリター
ンラインを介して燃料タンクへと戻す内燃機関の燃料供
給装置において、前記調圧手段及びリターンラインを、燃料供給ラインが
内燃機関近傍を通過する位置よりも上流側に配設すると
共に、前記燃料噴射弁近傍に、燃料供給ライン内のベーパを少
量の燃料と共に燃料タンクへ戻すベーパ戻しラインを配
設し、さらに、内燃機関の停止中は、前記燃料供給ラインと、
リターンライン及びベーパ戻しラインとの連通を絶つ停
止時非連通化手段をも配設したことを特徴とする内燃機
関の燃料供給装置。