JPH06128225A - 非晶性ビスマレイミドの製造方法 - Google Patents
非晶性ビスマレイミドの製造方法Info
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- JPH06128225A JPH06128225A JP28017492A JP28017492A JPH06128225A JP H06128225 A JPH06128225 A JP H06128225A JP 28017492 A JP28017492 A JP 28017492A JP 28017492 A JP28017492 A JP 28017492A JP H06128225 A JPH06128225 A JP H06128225A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 2,2−ビス−〔4−(4−マレイミドフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン等の芳香族エーテルイミド
型のビスマレイミド(式〔I〕)の有機溶媒溶液を、温
度80℃以上に加熱して、該有機溶媒を留去させた後、
冷却固化させることを特徴とする非晶性ビスマレイミド
の製造方法。 〔式中、Yは、−CH−,−C(CX3)2−基(X
は、水素、フッ素、塩素原子を示す。)、若しくは−C
(CH3)(Ph)−基(Phはフェニル基を示す。)または
直接結合を示し、Xは−O−または−S−基を示し、R
1〜R6は水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜
4のアルキル基である。〕 【効果】 溶媒等への溶解性が良く、温作業性に優れ
た、エーテルイミド型のビスマレイミドを、純度が高
く、かつ、簡易に製造することができる。
ノキシ)フェニル〕プロパン等の芳香族エーテルイミド
型のビスマレイミド(式〔I〕)の有機溶媒溶液を、温
度80℃以上に加熱して、該有機溶媒を留去させた後、
冷却固化させることを特徴とする非晶性ビスマレイミド
の製造方法。 〔式中、Yは、−CH−,−C(CX3)2−基(X
は、水素、フッ素、塩素原子を示す。)、若しくは−C
(CH3)(Ph)−基(Phはフェニル基を示す。)または
直接結合を示し、Xは−O−または−S−基を示し、R
1〜R6は水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜
4のアルキル基である。〕 【効果】 溶媒等への溶解性が良く、温作業性に優れ
た、エーテルイミド型のビスマレイミドを、純度が高
く、かつ、簡易に製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶性ビスマレイミド
の製造方法に関する。本発明の方法で得られるビスマレ
イミドは、溶媒等への溶解性が良く作業性に優れ、積層
材料、封止材料、電気絶縁材料、導電性ペースト、接着
剤および構造材料として有用なものである。
の製造方法に関する。本発明の方法で得られるビスマレ
イミドは、溶媒等への溶解性が良く作業性に優れ、積層
材料、封止材料、電気絶縁材料、導電性ペースト、接着
剤および構造材料として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】N,N'-(4,4'- ジフェニルメタン) ビスマ
レイミドに代表されるビスマレイミド樹脂は、耐熱性に
優れ、エポキシ樹脂や熱硬化型アクリル樹脂等の耐熱向
上剤として用いられている。しかしながら、これらのビ
スマレイミド樹脂は、一般に結晶性が高く、他の液状樹
脂や一般の有機溶媒への溶解性が悪く、また、それらの
溶液中で結晶化が起こり易い。さらに、エポキシ樹脂等
へ添加使用する際に、高温で加熱溶融する必要があり、
その際にゲル化を生じやすい、という問題点を有してい
る。
レイミドに代表されるビスマレイミド樹脂は、耐熱性に
優れ、エポキシ樹脂や熱硬化型アクリル樹脂等の耐熱向
上剤として用いられている。しかしながら、これらのビ
スマレイミド樹脂は、一般に結晶性が高く、他の液状樹
脂や一般の有機溶媒への溶解性が悪く、また、それらの
溶液中で結晶化が起こり易い。さらに、エポキシ樹脂等
へ添加使用する際に、高温で加熱溶融する必要があり、
その際にゲル化を生じやすい、という問題点を有してい
る。
【0003】一方、2,2−ビス〔4−(4−マレイミ
ドフェノキシ)フェニル〕プロパンの様なエーテルイミ
ド型のビスマレイミドは、芳香族炭化水素溶媒中で結晶
析出させると、結晶内に溶媒が内包され乾燥が困難にな
るので、高純度品を得るためには、低沸点ハロゲン化炭
化水素溶媒に再溶解して、結晶析出させることが必要と
なる(特開平1−238568号公報参照)。
ドフェノキシ)フェニル〕プロパンの様なエーテルイミ
ド型のビスマレイミドは、芳香族炭化水素溶媒中で結晶
析出させると、結晶内に溶媒が内包され乾燥が困難にな
るので、高純度品を得るためには、低沸点ハロゲン化炭
化水素溶媒に再溶解して、結晶析出させることが必要と
なる(特開平1−238568号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決した、高純度で、溶媒等への溶解性が良く作業性
に優れた、エーテルイミド型の非晶性ビスマレイミドの
簡易な製造方法を提供せんとするものである。
を解決した、高純度で、溶媒等への溶解性が良く作業性
に優れた、エーテルイミド型の非晶性ビスマレイミドの
簡易な製造方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
〔I〕
〔I〕
【化2】 〔式中、Yは、−CH−、−C(CX3 )2 −基(X
は、水素、フッ素、塩素原子を示す。)、若しくは−C
(CH3)(Ph)−基(Phはフェニル基を示す。)または
直接結合を示し、Xは−O−または−S−基を示し、R
1 〜R6 は水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜
4のアルキル基である。〕で示されるビスマレイミドの
有機溶媒溶液を温度80℃以上に加熱して、該有機溶媒
を留去させた後、冷却固化させることを特徴とする、純
度が高く、かつ、溶媒等への溶解性が良く作業性に優れ
た、エーテルイミド型のビスマレイミドを簡易に製造す
る方法を提供するものである。
は、水素、フッ素、塩素原子を示す。)、若しくは−C
(CH3)(Ph)−基(Phはフェニル基を示す。)または
直接結合を示し、Xは−O−または−S−基を示し、R
1 〜R6 は水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜
4のアルキル基である。〕で示されるビスマレイミドの
有機溶媒溶液を温度80℃以上に加熱して、該有機溶媒
を留去させた後、冷却固化させることを特徴とする、純
度が高く、かつ、溶媒等への溶解性が良く作業性に優れ
た、エーテルイミド型のビスマレイミドを簡易に製造す
る方法を提供するものである。
【0006】(ビスマレイミド)本発明に用いられる一
般式〔I〕で示されるビスマレイミドとしては、例え
ば、2,2−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス−〔3−メチル
−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス−〔3−ブチル−4−(4−マレイミ
ドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス−
〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス−〔3−メトキ
シ−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロ
パン、1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−
2,2−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3,−ヘキサ
クロロ−2,2−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、1−フェニル−1−メチル
−1,1−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキシ)
フェニル〕メタン、1−フェニル−1−メチル−1,1
−ビス−〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフ
ェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス−〔4−
(4−マレイミドフェニルチオ)フェニル〕プロパン等
が挙げられる。これらの中で、好ましいのは、2,2−
ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕
プロパンである。これらのビスマレイミドは、例えば、
対応するエーテル芳香族ジアミンと無水マレイン酸と
を、公知の方法により、反応させることにより得られ
る。
般式〔I〕で示されるビスマレイミドとしては、例え
ば、2,2−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス−〔3−メチル
−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス−〔3−ブチル−4−(4−マレイミ
ドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス−
〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス−〔3−メトキ
シ−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロ
パン、1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−
2,2−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3,−ヘキサ
クロロ−2,2−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、1−フェニル−1−メチル
−1,1−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキシ)
フェニル〕メタン、1−フェニル−1−メチル−1,1
−ビス−〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフ
ェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス−〔4−
(4−マレイミドフェニルチオ)フェニル〕プロパン等
が挙げられる。これらの中で、好ましいのは、2,2−
ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕
プロパンである。これらのビスマレイミドは、例えば、
対応するエーテル芳香族ジアミンと無水マレイン酸と
を、公知の方法により、反応させることにより得られ
る。
【0007】(有機溶媒)本発明の方法において用いら
れる有機溶媒は、上記ビスマレイミドを溶解する有機溶
媒である。具体的には、ベンゼン,トルエン,キシレ
ン,エチルベンゼン,ジエチルベンゼン,ブチルベンゼ
ン,キュメン,メシチレン等の芳香族炭化水素類、クロ
ロホルム、ジクロルメタン、トリクロルエチレン、テト
ラクロルエチレン、1,2−ジクロルエタン、クロルベ
ンゼン、ジクロルベンゼン、クロルトルエン、トリクロ
ルエタン、1,1,2,2−テトラクロルエタン等のハ
ロゲン化炭化水素類、ギ酸エチル、ギ酸−n−ブチル、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸−sec−ヘキシル、酢酸−2−エチル
ヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−ブ
チル、イソ吉草酸エチル等のエステル類、ジエチルエー
テル、ジn−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、エチレングリコール−モノ−メチ
ルエーテル、エチレングリコール−モノ−エチルエーテ
ル、エチレングリコール−モノ−ブチルエーテル、ジエ
チレングリコール−モノ−エチルエーテル、ジエチレン
グリコール−モノ−n−ブチルエーテル等のエーテル
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及び、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホロアミド、モノグライム、ジグ
ライム等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられる。
れる有機溶媒は、上記ビスマレイミドを溶解する有機溶
媒である。具体的には、ベンゼン,トルエン,キシレ
ン,エチルベンゼン,ジエチルベンゼン,ブチルベンゼ
ン,キュメン,メシチレン等の芳香族炭化水素類、クロ
ロホルム、ジクロルメタン、トリクロルエチレン、テト
ラクロルエチレン、1,2−ジクロルエタン、クロルベ
ンゼン、ジクロルベンゼン、クロルトルエン、トリクロ
ルエタン、1,1,2,2−テトラクロルエタン等のハ
ロゲン化炭化水素類、ギ酸エチル、ギ酸−n−ブチル、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸−sec−ヘキシル、酢酸−2−エチル
ヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−ブ
チル、イソ吉草酸エチル等のエステル類、ジエチルエー
テル、ジn−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、エチレングリコール−モノ−メチ
ルエーテル、エチレングリコール−モノ−エチルエーテ
ル、エチレングリコール−モノ−ブチルエーテル、ジエ
チレングリコール−モノ−エチルエーテル、ジエチレン
グリコール−モノ−n−ブチルエーテル等のエーテル
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及び、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホロアミド、モノグライム、ジグ
ライム等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられる。
【0008】本発明の方法において用いられる有機溶媒
溶液中のビスマレイミドと有機溶媒の割合は、ビスマレ
イミド1重量部に対し、有機溶媒が0.4〜20重量
部、好ましくは0.6〜10重量部である。
溶液中のビスマレイミドと有機溶媒の割合は、ビスマレ
イミド1重量部に対し、有機溶媒が0.4〜20重量
部、好ましくは0.6〜10重量部である。
【0009】(製造方法)本発明の方法において用いら
れるビスマレイミドの有機溶媒溶液としては、例えば、
対応するエーテル芳香族ジアミンと無水マレイン酸とを
公知の方法により反応させ、前記有機溶媒溶液中でイミ
ド化させて得られたビスマレイミドの有機溶媒溶液を使
用することができる。また、常法で得られた前記一般式
〔I〕で示される結晶性のビスマレイミドを、前記有機
溶媒に添加し、20〜200℃で攪拌して均一な溶液と
することにより得られる。その後、ビスマレイミドの結
晶を析出させずに、該有機溶媒溶液を、温度80℃以
上、好ましくは80〜200℃、より好ましくは100
〜160℃に加熱して、圧力760〜0.1mmHgの
範囲で、該有機溶媒を留去させる。温度が80℃未満で
は、有機溶媒の留去中にビスマレイミドの結晶が析出す
るので、安定性のよい非晶性のビスマレイミドが得られ
ない。また、200℃を超えるとビスマレイミドの重合
がおこるので好ましくない。
れるビスマレイミドの有機溶媒溶液としては、例えば、
対応するエーテル芳香族ジアミンと無水マレイン酸とを
公知の方法により反応させ、前記有機溶媒溶液中でイミ
ド化させて得られたビスマレイミドの有機溶媒溶液を使
用することができる。また、常法で得られた前記一般式
〔I〕で示される結晶性のビスマレイミドを、前記有機
溶媒に添加し、20〜200℃で攪拌して均一な溶液と
することにより得られる。その後、ビスマレイミドの結
晶を析出させずに、該有機溶媒溶液を、温度80℃以
上、好ましくは80〜200℃、より好ましくは100
〜160℃に加熱して、圧力760〜0.1mmHgの
範囲で、該有機溶媒を留去させる。温度が80℃未満で
は、有機溶媒の留去中にビスマレイミドの結晶が析出す
るので、安定性のよい非晶性のビスマレイミドが得られ
ない。また、200℃を超えるとビスマレイミドの重合
がおこるので好ましくない。
【0010】加熱は、有機溶媒の留去に伴い、ビスマレ
イミドの軟化温度以上の温度に達し、実質的に有機溶媒
を含まなくなるまで、具体的には、ビスマレイミド中の
溶媒残存量が2重量%以下となるまで、有機溶媒を留去
させるように行う。有機溶媒を留去させた後、ビスマレ
イミドを冷却固化させることにより、非晶性のビスマレ
イミドを得る。冷却固化させるには、通常、溶融状態の
ビスマレイミドを、反応器の底部から溶融状態のまま抜
き出すか、薄膜式蒸留装置などを用いて溶融状態で抜き
出し、0.1℃/分以上の、好ましくは5℃/分以上の
冷却速度で冷却し固化させる。冷却速度が遅いと、冷却
中にビスマレイミドの結晶が析出するので、安定性のよ
い非晶性のビスマレイミドが得られない。
イミドの軟化温度以上の温度に達し、実質的に有機溶媒
を含まなくなるまで、具体的には、ビスマレイミド中の
溶媒残存量が2重量%以下となるまで、有機溶媒を留去
させるように行う。有機溶媒を留去させた後、ビスマレ
イミドを冷却固化させることにより、非晶性のビスマレ
イミドを得る。冷却固化させるには、通常、溶融状態の
ビスマレイミドを、反応器の底部から溶融状態のまま抜
き出すか、薄膜式蒸留装置などを用いて溶融状態で抜き
出し、0.1℃/分以上の、好ましくは5℃/分以上の
冷却速度で冷却し固化させる。冷却速度が遅いと、冷却
中にビスマレイミドの結晶が析出するので、安定性のよ
い非晶性のビスマレイミドが得られない。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を、より具体的に
説明する。 実施例1 冷却器、温度計、および攪拌機を備えた500mlの四
口フラスコ内に、融点が158〜161℃の高結晶性
2,2−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン150gおよびトルエン150gを仕
込み、溶媒の還流下、温度115℃で1時間攪拌し、均
一な溶液を得た。続いて、温度160℃に保持した油浴
中、常圧下、温度116〜140℃でトルエンを留去し
た。トルエンの留去量が少なくなったところで減圧(5
mmHg)にして、温度140℃に保持しながら、トル
エンを更に留去した。
説明する。 実施例1 冷却器、温度計、および攪拌機を備えた500mlの四
口フラスコ内に、融点が158〜161℃の高結晶性
2,2−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン150gおよびトルエン150gを仕
込み、溶媒の還流下、温度115℃で1時間攪拌し、均
一な溶液を得た。続いて、温度160℃に保持した油浴
中、常圧下、温度116〜140℃でトルエンを留去し
た。トルエンの留去量が少なくなったところで減圧(5
mmHg)にして、温度140℃に保持しながら、トル
エンを更に留去した。
【0012】トルエンが完全に留去しなくなってから、
ビスマレイミドを溶融状態でアルミ皿に抜き出し、室温
で、冷却固化させて、黄褐色のビスマレイミド148.
2gを得た。このビスマレイミドのキャピラリー法によ
る融点は67〜75℃、ガスクロマトグラフ(FID)
の絶対検量線法で測定した残存溶媒量は0.2重量%で
あった。尚、ビスマレイミドはブロードなX線回折ピー
クを示し、示差走査熱量計の融解熱量から求めた非晶化
率(120℃未満でのピークにおける融解熱量の全融解
熱量に対する%)は91%であった。又、このビスマレ
イミドはテトラヒドロフランに対し50重量%以上溶解
した。
ビスマレイミドを溶融状態でアルミ皿に抜き出し、室温
で、冷却固化させて、黄褐色のビスマレイミド148.
2gを得た。このビスマレイミドのキャピラリー法によ
る融点は67〜75℃、ガスクロマトグラフ(FID)
の絶対検量線法で測定した残存溶媒量は0.2重量%で
あった。尚、ビスマレイミドはブロードなX線回折ピー
クを示し、示差走査熱量計の融解熱量から求めた非晶化
率(120℃未満でのピークにおける融解熱量の全融解
熱量に対する%)は91%であった。又、このビスマレ
イミドはテトラヒドロフランに対し50重量%以上溶解
した。
【0013】実施例2 実施例1において、トルエンに代えてキシレン300g
を用い、溶媒の留去温度を当初145〜150℃、減圧
時150℃とした他は、実施例1と同様にして、ビスマ
レイミドを得た。実施例1と同様にして測定した、この
ビスマレイミドの融点は70〜77℃、残存溶媒量は
0.3重量%、非晶化率は100%であった。
を用い、溶媒の留去温度を当初145〜150℃、減圧
時150℃とした他は、実施例1と同様にして、ビスマ
レイミドを得た。実施例1と同様にして測定した、この
ビスマレイミドの融点は70〜77℃、残存溶媒量は
0.3重量%、非晶化率は100%であった。
【0014】実施例3 実施例1において、トルエンに代えて1,4−ジオキサ
ン400gを用い、溶媒の留去温度を当初104〜14
0℃とした他は、実施例1と同様にして、ビスマレイミ
ドを得た。融点69〜76℃、残存溶媒量0.5重量
%、、非晶化率90%であった。
ン400gを用い、溶媒の留去温度を当初104〜14
0℃とした他は、実施例1と同様にして、ビスマレイミ
ドを得た。融点69〜76℃、残存溶媒量0.5重量
%、、非晶化率90%であった。
【0015】実施例4 実施例1において、ビスマレイミドを融点170〜17
2℃の高結晶性1−フェニル−1−メチル−1,1−ビ
ス−〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノ
キシ)フェニル〕メタン150gに代え、溶媒として酢
酸n−ブチル100gを用い、溶媒の留去温度を当初1
30〜150℃減圧時150℃とした他は、実施例1と
同様にして、ビスマレイミドを得た。このビスマレイミ
ドの融点は93〜98℃、残存溶媒量0.3重量%、非
晶化率100%であった。
2℃の高結晶性1−フェニル−1−メチル−1,1−ビ
ス−〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノ
キシ)フェニル〕メタン150gに代え、溶媒として酢
酸n−ブチル100gを用い、溶媒の留去温度を当初1
30〜150℃減圧時150℃とした他は、実施例1と
同様にして、ビスマレイミドを得た。このビスマレイミ
ドの融点は93〜98℃、残存溶媒量0.3重量%、非
晶化率100%であった。
【0016】比較例1 実施例1において、溶媒の留去を、温度90℃に保持し
た油浴中、減圧下、温度65〜70℃とした他は、実施
例1と同様に行ったところ、トルエンを80g留去した
ところでビスマレイミドの結晶が析出し、固形化したの
で以後の操作は行わなかった。
た油浴中、減圧下、温度65〜70℃とした他は、実施
例1と同様に行ったところ、トルエンを80g留去した
ところでビスマレイミドの結晶が析出し、固形化したの
で以後の操作は行わなかった。
【0017】比較例2 実施例1において、ビスマレイミドを融点161〜16
3℃の高結晶性N,N’−(3,3’−ジエチル−5,
5’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタン)ビスマ
レイミド150gに代え、溶媒の留去温度を当初116
〜170℃、減圧時170℃とした他は、実施例1と同
様にして、ビスマレイミドを得た。このビスマレイミド
は、融点161〜163℃、残存溶媒量0.1重量%で
あり、X線回折測定結果はシャープなX線回折ピークを
示し、実施例1と同様にして測定した示差走査熱量計の
融解熱量から求めた非晶化率は0%であった。
3℃の高結晶性N,N’−(3,3’−ジエチル−5,
5’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタン)ビスマ
レイミド150gに代え、溶媒の留去温度を当初116
〜170℃、減圧時170℃とした他は、実施例1と同
様にして、ビスマレイミドを得た。このビスマレイミド
は、融点161〜163℃、残存溶媒量0.1重量%で
あり、X線回折測定結果はシャープなX線回折ピークを
示し、実施例1と同様にして測定した示差走査熱量計の
融解熱量から求めた非晶化率は0%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 裕美 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 金山 薫 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式〔I〕 【化1】 〔式中、Yは、−CH−、−C(CX3 )2 −基(X
は、水素、フッ素、塩素原子を示す。)、若しくは−C
(CH3)(Ph)−基(Phはフェニル基を示す。)または
直接結合を示し、Xは−O−または−S−基を示し、R
1 〜R6 は水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜
4のアルキル基である。〕で示されるビスマレイミドの
有機溶媒溶液を温度80℃以上に加熱して、該有機溶媒
を留去させた後、冷却固化させることを特徴とする非晶
性ビスマレイミドの製造方法。 - 【請求項2】 有機溶媒が、芳香族炭化水素、ハロゲン
化炭化水素、エステル、エーテル、ケトン及び非プロト
ン性極性溶媒から選ばれるものである請求項1に記載の
方法。 - 【請求項3】 有機溶媒を留去させる温度が80〜20
0℃の範囲である請求項1記載の方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28017492A JPH06128225A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 非晶性ビスマレイミドの製造方法 |
US08/077,763 US5371236A (en) | 1992-06-18 | 1993-06-18 | Non-crystalline ether-imide type high purity bismaleimide composition and process for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28017492A JPH06128225A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 非晶性ビスマレイミドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06128225A true JPH06128225A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17621338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28017492A Pending JPH06128225A (ja) | 1992-06-18 | 1992-10-19 | 非晶性ビスマレイミドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06128225A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020079871A1 (ja) * | 2018-10-19 | 2020-04-23 | ケイ・アイ化成株式会社 | ポリマレイミド組成物、その製造方法及びそれを用いた硬化性組成物、並びに硬化物の製造方法 |
KR20230113611A (ko) | 2020-12-22 | 2023-07-31 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 말레이미드 수지, 비대칭 비스말레이미드 화합물, 경화성조성물, 경화물, 반도체 봉지 재료, 반도체 봉지 장치, 프리프레그, 회로 기판, 및 빌드업 필름 |
-
1992
- 1992-10-19 JP JP28017492A patent/JPH06128225A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020079871A1 (ja) * | 2018-10-19 | 2020-04-23 | ケイ・アイ化成株式会社 | ポリマレイミド組成物、その製造方法及びそれを用いた硬化性組成物、並びに硬化物の製造方法 |
CN112888718A (zh) * | 2018-10-19 | 2021-06-01 | Ki化成股份有限公司 | 聚马来酰亚胺组合物、其制造方法及使用了该组合物的固化性组合物、以及固化物的制造方法 |
JPWO2020079871A1 (ja) * | 2018-10-19 | 2021-09-02 | ケイ・アイ化成株式会社 | ポリマレイミド組成物、その製造方法及びそれを用いた硬化性組成物、並びに硬化物の製造方法 |
CN112888718B (zh) * | 2018-10-19 | 2023-01-31 | Ki化成股份有限公司 | 聚马来酰亚胺组合物及其制造方法 |
KR20230113611A (ko) | 2020-12-22 | 2023-07-31 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 말레이미드 수지, 비대칭 비스말레이미드 화합물, 경화성조성물, 경화물, 반도체 봉지 재료, 반도체 봉지 장치, 프리프레그, 회로 기판, 및 빌드업 필름 |
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