JPH06125697A - ほうれん草入り包装体 - Google Patents

ほうれん草入り包装体

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JPH06125697A
JPH06125697A JP28164492A JP28164492A JPH06125697A JP H06125697 A JPH06125697 A JP H06125697A JP 28164492 A JP28164492 A JP 28164492A JP 28164492 A JP28164492 A JP 28164492A JP H06125697 A JPH06125697 A JP H06125697A
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Takahide Saito
隆英 斉藤
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 開孔面積比率が、7×10-5〜5×10-4
であり、袋内表面積が、ほうれん草200gあたり20
0〜900mm2 の有孔合成樹脂フィルムからなるほう
れん草用袋および前記包装体に対応する量のほうれん草
を封入密閉したほうれん草入り包装体。 【効果】 本発明の包装袋を用いてほうれん草を包装す
ることによって、嫌気呼吸に起因する臭気、および過剰
の酸素による黄化、軟腐から長期間にわたって防ぐこと
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ほうれん草が合成樹脂
フイルムの包装袋により包装された後も、ほうれん草が
適正な酸素雰囲気下で呼吸作用を継続させることによっ
て、鮮度保持をさせるための包装体に関するものであ
る。さらに詳しくはほうれん草の呼吸作用に起因する低
酸素状態での嫌気呼吸をさせないような酸素雰囲気を保
持しつつ、しかも酸素による酸化に起因する品質の劣化
を抑えるような条件を保持する包装体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ほうれん草は収穫された後も呼吸作用を
持続する。このため収穫後の貯蔵・流通の間および食す
るまでは、ほうれん草の品質劣化を防止することが必要
である。また、ほうれん草の生産形態は夏場には従来通
りの栽培、冬場には温室による栽培が行われている。ほ
うれん草はその性質上、品質の低下が早く、鮮度保持の
為にポリプロピレン性の開封包装が使用されている。開
封されているものは、ほうれん草は包装された後、空気
中と同様の呼吸を行う為に、養分の消費、水分の蒸散が
早く、保存期間が非常に短くなっている。
【0003】また、一般の野菜等の植物資材に関して、
酸素を供給し、鮮度を保つ方法として有孔フィルムを用
いる方法が提案されている(特開昭62ー148247号公報、
特開昭63ー119647号公報等)が、これらのフイルムは開
孔面積比率が2×10-2〜2×10%と極めて大きく、
これらのフイルムで包装しても袋内の酸素は殆ど大気状
態と変わらず、オープン状態と同じである。枝豆につい
ても、このようなフィルムを用いて包装することが考え
られてきたが、これらのオープンに近い包装では、空気
中の酸素量と同等となってしまい、ほうれん草が、酸素
量が多いためほうれん草の呼吸作用が活発となってしま
い、ほうれん草がさらに生育してビタミンなどの養分が
消費され、味が低下してしまうという問題、さらには水
分の蒸散により萎れやすいといった問題がある。したが
って、ほうれん草本来の味を残し、新鮮な状態を保った
ままで食卓に供せるような包装材料や包装方法は、いま
だ発見されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ほう
れん草の鮮度を長時間保つための望ましい酸素濃度雰囲
気を形成し、異臭が発生せず、養分の低下、萎れもない
商品を供給するため、鋭意研究した結果なされたもので
あり、ほうれん草の生存に必要な最低量の酸素を供給
し、ほうれん草をいわば冬眠状態に保つことにより、高
酸素量の障害である糖度の低下と褐変を抑えて、鮮度の
高いほうれん草を供給するためのほうれん草用包装袋お
よびほうれん草入り包装体を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ほうれん草を
密封した有孔合成樹脂フィルムよりなるほうれん草入り
包装体において、有孔合成樹脂フィルムの開孔面積比率
が7×10-5〜5×10-4%であり、ほうれん草100
gあたりの袋内表面積が200〜900cm2であるこ
とを特徴とするほうれん草入り包装体であり、とくに、
その孔の平均孔径が20μ〜150μであり、またその
孔の個数が1包装袋あたり複数個であることが好まし
い。
【0006】本発明に用いる有孔フィルムとしては、ほ
うれん草の包装に用いることのできるものであればどの
ようなものであっても差し支えはないが、一般には無延
伸ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニール、等が用いられるが、これ等以外
のポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート等のフ
イルム、さらにはこれらの複合フイルムであっても良
く、さらには、これらのフイルム表面にシーラント層を
設けたものでも、防曇処理したフイルムであっても何等
差し支えはない。また、これらのフイルムの厚さは通常
20〜40μのものが用いられる。さらに、これらのフ
イルムは透明であっても、不透明であっても良く、また
表面に印刷を付したものであっても何等差し支えはな
い。
【0007】本発明の有孔フイルムを用いた包装袋は、
包装するほうれん草の量によってその開孔面積比率が決
められ、その開孔面積比率は7×10-5〜5×10-4
であることが必要である。この理由は包装袋中の酸素量
および炭酸ガス量をほうれん草の鮮度保持に適した条件
に保持するためのものであり、本発明者等の実験結果か
らは酸素濃度が6%以上18%以下が望ましく、これら
の条件を満たすための開孔面積比率は7×10-5〜5×
10-4%となる。開孔面積比率が7×10-5%以下とな
ればほうれん草は包装後の呼吸作用により、流通過程中
で低酸素状態となり嫌気呼吸を始めてしまい、異臭を発
生する。また、開孔面積比率が5×10-4%以上となれ
ば包装袋中の酸素量が多くなりすぎ、この酸素の影響を
受けて、ほうれん草の黄化、軟腐現象を引き起こし、さ
らには酸素量が多いため、ほうれん草の呼吸作用が活発
化し、ほうれん草が必要以上に生育して養分が消耗して
しまうという問題が発生する。従ってほうれん草の包装
袋として用いられる有孔フイルムの開孔面積比率として
は7×10-5〜5×10-4%であることが必要であり、
望ましくは9×10-5〜3×10-4%、とくに望ましく
は1×10-4〜2×10-4%の範囲にあることがさらに
有効である。
【0008】また、有孔フイルムにおける孔部の平均径
は出来るだけ小さいことが望ましく、一般的には20〜
150μ程度、好ましくは30〜100μである。孔径
は出来るだけ小さいことが望ましいが、20μ以下では
有孔フイルムの生産性が低下する。また、平均孔径が1
50μ以上であれば、適正な開孔面積比率を得るに必要
な孔数が減少して、鮮度保持の品質精度に不安が生じ
る。また、孔の形状は、円形や四角または三角形など、
どのような形状であってもよく、長径方向の平均径が1
50μ以下であれば何等差し支えはないが、円形が開孔
作業性等の面より望ましい。
【0009】また、ほうれん草包装袋に用いる有孔フイ
ルムの袋当たりの孔の個数は開孔面積比率と平均孔径よ
り算出されるが、できる限り複数個とすることが望まし
い。内容物の付着や外的条件たとえば値段表の添付等で
孔がふさがれてしまう場合があるので、鮮度を保証する
には複数個の孔が好ましく、さらに袋あたり5個以上の
孔をもち、孔1個あたりの影響度を20%以下にするこ
とが望ましい。また、ほうれん草の包装袋としては、三
方シール袋、四方シール袋またはガゼット袋などの形態
の袋であっても何等差し支えなく、さらには、トレー、
カップ等にほうれん草を充填し、これを包装袋で包装す
る形態のものであってもよい。
【0010】ほうれん草用包装袋の大きさはほうれん草
100gあたり袋内表面積が200〜900cm2 であ
る必要があり、好ましくは300〜800cm2 であ
る。袋の内表面積で規定しているのは、シール部分すな
わちとじ代が計算に含まれないようにするためである。
ほうれん草100gあたり袋内表面積が200cm2 以
下であると、袋内のほうれん草の密度が高くなり、ほう
れん草同士での接触により傷が付き、褐変しやすくな
り、前記の開孔面積比率では酸素不足になり嫌気呼吸に
陥り好ましくない。更に、ほうれん草100gあたり袋
内表面積が900cm2 以上になると、袋内のほうれん
草の密度が低くなり、袋内の初期の酸素量も多く、前記
の開孔面積比率では酸素供給量も多く、ほうれん草の呼
吸作用が活発になり褐変しやすくなり、ほうれん草の養
分が消耗していまうことになる。またフィルムの使用量
が多いため袋のコストも高くなってしまう。
【0011】なお、ほうれん草の包装に限るものではな
いが、野菜等の鮮度保持には、当然ながら、その流通過
程、および店頭における温度管理が重要なポイントであ
り、ほうれん草の呼吸量も当然これらの温度に依存し、
これらの温度が高くなるにつれてその呼吸量も増加する
が、本発明はこれらの温度を3〜20℃を想定したもの
である。
【0012】
【実施例】
《実施例1》内寸が200mm×350mmの、厚さ2
5μの延伸ポリプロピレンからなる包装袋に、開孔面積
比率が4.8×10-4%となるように平均孔径80μの
孔を135個あけた三方シール袋に、ほうれん草を20
0g充填し(袋内表面積は200×350×2=140
000mm2 であるから、ほうれん草100gあたりの
袋内表面積は70000mm2 すなわち700cm2
ある)、15℃で保存し、その3日および7日後の鮮度
を臭気発生状況、褐変状況を観察し、その結果を表1に
示す。
【0013】《実施例2》実施例1と同様な大きさの包
装袋であり、25μ厚の延伸ポリプロピレンを用い、開
孔面積比率が7.2×10-5%となるよう平均孔径が4
0μの孔を80個開けた包装袋を用い、実施例1で用い
たと同様のほうれん草を200g充填し、実施例1と同
様に3日および7日後の鮮度を調べた結果を表1に示
す。
【0014】《実施例3》実施例1と同様な大きさの包
装袋であり、25μ厚の延伸ポリプロピレンを用い、開
孔面積比率が2.0×10-4%となるよう平均孔径が8
0μの孔を56開けた包装袋を用い、実施例1で用いた
と同様のほうれん草を200g充填し、実施例1と同様
に3日および7日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。
【0015】《比較例1》内寸が200mm×350m
mの厚さ25μの無延伸ポリプロピレンからなる無孔の
包装袋に、実施例1で用いたと同様のほうれん草を20
0g充填し、実施例1と同様に3日および7日後の鮮度
を調べた結果を表1に示す。
【0016】《比較例2》実施例1と同様な大きさの包
装袋であり、25μの厚の延伸ポリプロピレンを用い、
開孔面積比率が4.7×10-5%となるよう平均孔径が
40μの孔を52個開けた包装袋を用い、実施例1で用
いたと同様のほうれん草を200g充填し、実施例1と
同様に3日および7日後の鮮度を調べた結果を表1に示
す。
【0017】《比較例3》実施例1と同様な大きさの包
装袋であり、25μ厚の無延伸ポリプロピレンを用い、
開孔面積比率が6.2×10-4%となるよう平均孔径が
100μの孔を110個開けた包装袋を用い、実施例1
で用いたと同様のほうれん草を200g充填し、実施例
1と同様3日および7日後の鮮度を調べた結果を表1に
示す。
【0018】《比較例4》実施例1と同様な大きさの包
装袋であり、25μ厚の無延伸ポリプロピレンを用い、
上部が解放されている包装袋を用い、実施例1で用いた
と同様のほうれん草を200g充填し、実施例1と同様
3日および7日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の包装袋を使用することによっ
て、ほうれん草の嫌気呼吸のため発生する臭気を防ぎ、
しかも嫌気呼吸による養分の消化を防止し、一方、過剰
の酸素による黄化、軟腐を防ぎ、ほうれん草の鮮度を保
った状態で永く保存することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほうれん草を密封した有孔合成樹脂フィ
    ルムよりなるほうれん草入り包装体において、有孔合成
    樹脂フィルムの開孔面積比率が7×10-5〜5×10-4
    %であり、ほうれん草100gあたりの袋内表面積が2
    00〜900cm2 であることを特徴とするほうれん草
    入り包装体。
  2. 【請求項2】 有孔合成樹脂フイルムの有する孔の平均
    孔径が20〜150μである請求項1記載のほうれん草
    入り包装体。
  3. 【請求項3】 1つの包装体に有する前記孔の数が複数
    個である請求項1又は2記載のほうれん草入り包装体。
  4. 【請求項4】 前記開孔面積比率が9×10-5〜3×1
    -4%である請求項1、2または3記載のほうれん草入
    り包装体。
  5. 【請求項5】 ほうれん草100gあたりの袋内表面積
    が300〜800cm2 である請求項1、2、3または
    4記載のほうれん草入り包装体。
JP28164492A 1992-10-20 1992-10-20 ほうれん草入り包装体 Expired - Lifetime JP3117557B2 (ja)

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