JPH06122651A - 4,4′−ビフェニルジカルボン酸の製造方法 - Google Patents
4,4′−ビフェニルジカルボン酸の製造方法Info
- Publication number
- JPH06122651A JPH06122651A JP27424692A JP27424692A JPH06122651A JP H06122651 A JPH06122651 A JP H06122651A JP 27424692 A JP27424692 A JP 27424692A JP 27424692 A JP27424692 A JP 27424692A JP H06122651 A JPH06122651 A JP H06122651A
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- Japan
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- biphenyldicarboxylic acid
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- biphenyldicarboxylic
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 液晶ポリマーの基本モノマーである、4,
4′−ビフェニルジカルボン酸の安価で安全な製造方法
を提供する。 【構成】 4,4′−ビフェニルジカルボン酸は、4−
クロル安息香酸を、アルカリ性水溶液中において、パラ
ジウム触媒およびDMF又は糖類からなる還元剤の存在
下に二量化反応させることにより製造される。
4′−ビフェニルジカルボン酸の安価で安全な製造方法
を提供する。 【構成】 4,4′−ビフェニルジカルボン酸は、4−
クロル安息香酸を、アルカリ性水溶液中において、パラ
ジウム触媒およびDMF又は糖類からなる還元剤の存在
下に二量化反応させることにより製造される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4,4′−ビフェニル
ジカルボン酸の製造法に関するものである。この4,
4′−ビフェニルジカルボン酸は、液晶ポリマー製造用
基本モノマーとして有用なものである。
ジカルボン酸の製造法に関するものである。この4,
4′−ビフェニルジカルボン酸は、液晶ポリマー製造用
基本モノマーとして有用なものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲノ安息香酸をパラジウム触媒の存
在下に二量化する反応としては、そのハロゲン置換基と
して沃素、又は臭素を用いる場合の例が知られている。
しかしこれらのハロゲノ安息香酸は、クロル安息香酸よ
り高価であるため工業的には使用が困難であり、さらに
ハロゲンのリサイクルを必要とするなどの制約がある。
クロル安息香酸は、安価であるため4,4′−ビフェニ
ルジカルボン酸の工業的製造用原料として最も有利なも
のである。これを原料とした4,4′−ビフェニルジカ
ルボン酸の既知製造法としては、クロル安息香酸を、オ
ートクレーブ中の加圧下、アルカリ性水溶液中におい
て、パラジウム触媒の存在下において、一酸化炭素と反
応させる方法が知られている(特開昭61−29393
2号公報)。しかし、この製造法は、有害な一酸化炭素
を使用しているため、安全な製造法とは言い難い。
在下に二量化する反応としては、そのハロゲン置換基と
して沃素、又は臭素を用いる場合の例が知られている。
しかしこれらのハロゲノ安息香酸は、クロル安息香酸よ
り高価であるため工業的には使用が困難であり、さらに
ハロゲンのリサイクルを必要とするなどの制約がある。
クロル安息香酸は、安価であるため4,4′−ビフェニ
ルジカルボン酸の工業的製造用原料として最も有利なも
のである。これを原料とした4,4′−ビフェニルジカ
ルボン酸の既知製造法としては、クロル安息香酸を、オ
ートクレーブ中の加圧下、アルカリ性水溶液中におい
て、パラジウム触媒の存在下において、一酸化炭素と反
応させる方法が知られている(特開昭61−29393
2号公報)。しかし、この製造法は、有害な一酸化炭素
を使用しているため、安全な製造法とは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、4,4′−
ビフェニルジカルボン酸を、安価な原料から安全に製造
する方法を提供しようとすものである。
ビフェニルジカルボン酸を、安価な原料から安全に製造
する方法を提供しようとすものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
4,4′−ビフェニルジカルボン酸の製造方法は、4−
クロル安息香酸を、塩基性水溶液中において、パラジウ
ム触媒、並びにジメチルホルムアミド(DMF)およ
び、糖類から選ばれた少なくとも1種からなる還元剤の
存在下に二量化反応させることを含むものである。
4,4′−ビフェニルジカルボン酸の製造方法は、4−
クロル安息香酸を、塩基性水溶液中において、パラジウ
ム触媒、並びにジメチルホルムアミド(DMF)およ
び、糖類から選ばれた少なくとも1種からなる還元剤の
存在下に二量化反応させることを含むものである。
【0005】
【作用】以下に本発明の製造方法を詳細に述べる。本発
明方法において、4−クロル安息香酸から下記反応
(I)および(II)によって、4,4′−ビフェニルジ
カルボン酸が製造される。
明方法において、4−クロル安息香酸から下記反応
(I)および(II)によって、4,4′−ビフェニルジ
カルボン酸が製造される。
【化1】
【0006】本発明において出発物質として使用される
4−クロル安息香酸は、市販品をそのまま使用可能であ
るが、必要により、それに精製処理を施してから使用す
る。
4−クロル安息香酸は、市販品をそのまま使用可能であ
るが、必要により、それに精製処理を施してから使用す
る。
【0007】本発明の製造方法において塩基性水溶液を
構成するために使用される塩基性化合物は、反応(I)
により副生する塩素をトラップ出来るものであれば何れ
でも使用できる。このような塩基性化合物を列記すれ
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等の炭酸塩、トリエチルアミン等のアミン類が
あげられる。その使用量は、4−クロル安息香酸に対し
て2〜5倍モルであることが好ましい。
構成するために使用される塩基性化合物は、反応(I)
により副生する塩素をトラップ出来るものであれば何れ
でも使用できる。このような塩基性化合物を列記すれ
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等の炭酸塩、トリエチルアミン等のアミン類が
あげられる。その使用量は、4−クロル安息香酸に対し
て2〜5倍モルであることが好ましい。
【0008】本発明の製造方法において使用される還元
剤は、ジメチルホルムアミド(DMF)および糖類から
選ばれた少なくとも1種からなるものである。その中
の、糖類についてその具体的に列挙すれば、グルコー
ス、マンノース、ガラクトース、スクロース、ラクトー
ス等である。本発明では、反応系中に、上記還元剤を存
在させて反応を行なうものである。還元剤の使用量は、
4−クロル安息香酸に対して1〜20倍モルであること
が好ましい。
剤は、ジメチルホルムアミド(DMF)および糖類から
選ばれた少なくとも1種からなるものである。その中
の、糖類についてその具体的に列挙すれば、グルコー
ス、マンノース、ガラクトース、スクロース、ラクトー
ス等である。本発明では、反応系中に、上記還元剤を存
在させて反応を行なうものである。還元剤の使用量は、
4−クロル安息香酸に対して1〜20倍モルであること
が好ましい。
【0009】本発明に用いられるパラジウム触媒は、パ
ラジウムが担体に担持されたものならば何れでもよく、
担体として活性炭、シリカゲル、モレキュラーシーブ、
炭酸バリウム、アルミナ等を使用することができる。
ラジウムが担体に担持されたものならば何れでもよく、
担体として活性炭、シリカゲル、モレキュラーシーブ、
炭酸バリウム、アルミナ等を使用することができる。
【0010】このようなパラジウム触媒において、パラ
ジウムが担体重量に対して通常0.1〜10重量%担持
されているものが好適である。パラジウム触媒の使用量
は、4−クロル安息香酸1モルに対し、金属原子換算で
5〜0.1μモルであることが好ましい。
ジウムが担体重量に対して通常0.1〜10重量%担持
されているものが好適である。パラジウム触媒の使用量
は、4−クロル安息香酸1モルに対し、金属原子換算で
5〜0.1μモルであることが好ましい。
【0011】本発明の反応は溶媒の存在下で実施するこ
とができるが、通常水性媒体が好適に用いられる。本発
明方法においては、塩基性化合物の水溶液が用いられ、
この際の溶媒の使用量は、4−クロル安息香酸に対して
6〜20容量倍程度である。
とができるが、通常水性媒体が好適に用いられる。本発
明方法においては、塩基性化合物の水溶液が用いられ、
この際の溶媒の使用量は、4−クロル安息香酸に対して
6〜20容量倍程度である。
【0012】本発明の反応温度は、通常60〜100℃
であることが好ましく、より好ましくは80〜100℃
である。反応時間は、反応条件によって変化するが、通
常3〜12時間である。本発明方法の反応には加圧の必
要はなく、常圧で行なうことができる。
であることが好ましく、より好ましくは80〜100℃
である。反応時間は、反応条件によって変化するが、通
常3〜12時間である。本発明方法の反応には加圧の必
要はなく、常圧で行なうことができる。
【0013】本発明方法において、反応(I)により生
成した4,4′−ビフェニルジカルボン酸塩水溶液を、
酸、例えば硫酸を用いて処理し(反応(II))、これを
4,4′−ビフェニルジカルボン酸として結晶析出さ
せ、これを分離する。
成した4,4′−ビフェニルジカルボン酸塩水溶液を、
酸、例えば硫酸を用いて処理し(反応(II))、これを
4,4′−ビフェニルジカルボン酸として結晶析出さ
せ、これを分離する。
【0014】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、本発明の範囲はこれら実施例にのみ限定さ
れるものではない。
する。なお、本発明の範囲はこれら実施例にのみ限定さ
れるものではない。
【0015】実施例1 温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた300mlの四つ
口フラスコに、48%水酸化ナトリウム水溶液26.6
gを仕込み、これを水129.1gに溶解し、このアル
カリ性水溶液に4−クロル安息香酸10.0g、および
5%パラジウムカーボン粉末0.37gを加えた。その
混合液を100℃に加熱し攪拌しながら、これにDMF
81.6gを約4時間かけて滴下し、その間反応液の温
度を80〜100℃に維持した。DMFの滴下終了後、
反応液を冷却し、触媒を濾別除去して4,4′−ビフェ
ニルジカルボン酸ナトリウム水溶液を得た。この水溶液
を硫酸を用いて酸性とし、4,4′−ビフェニルジカル
ボン酸の結晶を析出させ、この結晶を濾別後乾燥し、
4.7gの4,4′−ビフェニルジカルボン酸を得た。 収率:60% NMRスペクトル(DMSO−d6 )δppm :3.3
(2H.br−s),7.9(4H.d),8.1(4
H.d)
口フラスコに、48%水酸化ナトリウム水溶液26.6
gを仕込み、これを水129.1gに溶解し、このアル
カリ性水溶液に4−クロル安息香酸10.0g、および
5%パラジウムカーボン粉末0.37gを加えた。その
混合液を100℃に加熱し攪拌しながら、これにDMF
81.6gを約4時間かけて滴下し、その間反応液の温
度を80〜100℃に維持した。DMFの滴下終了後、
反応液を冷却し、触媒を濾別除去して4,4′−ビフェ
ニルジカルボン酸ナトリウム水溶液を得た。この水溶液
を硫酸を用いて酸性とし、4,4′−ビフェニルジカル
ボン酸の結晶を析出させ、この結晶を濾別後乾燥し、
4.7gの4,4′−ビフェニルジカルボン酸を得た。 収率:60% NMRスペクトル(DMSO−d6 )δppm :3.3
(2H.br−s),7.9(4H.d),8.1(4
H.d)
【0016】実施例2 実施例1と同様にして4,4′−ビフェニルジカルボン
酸を調製した。但し、還元剤としてグルコース102.
9gを用い、これを水160gの水に溶解し、この溶液
を8時間かけて5%パラジウムカーボン粉末含有4−ク
ロル安息香酸溶液に滴下した。 収量:4.0g 収率:52%
酸を調製した。但し、還元剤としてグルコース102.
9gを用い、これを水160gの水に溶解し、この溶液
を8時間かけて5%パラジウムカーボン粉末含有4−ク
ロル安息香酸溶液に滴下した。 収量:4.0g 収率:52%
【0017】
【発明の効果】本発明方法により、液晶ポリマーの主要
モノマーである4,4′−ビフェニルジカルボン酸を安
価に、そして安全に調製することができる。
モノマーである4,4′−ビフェニルジカルボン酸を安
価に、そして安全に調製することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 4−クロル安息香酸を、塩基性水溶液中
において、パラジウム触媒、並びに、ジメチルホルムア
ミド、および糖類から選ばれた少なくとも1種からなる
還元剤の存在下に二量化反応させることを含む、4,
4′−ビフェニルジカルボン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27424692A JPH06122651A (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | 4,4′−ビフェニルジカルボン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27424692A JPH06122651A (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | 4,4′−ビフェニルジカルボン酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06122651A true JPH06122651A (ja) | 1994-05-06 |
Family
ID=17539039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27424692A Pending JPH06122651A (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | 4,4′−ビフェニルジカルボン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06122651A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006290836A (ja) * | 2005-04-14 | 2006-10-26 | Jfe Chemical Corp | ビフェニルテトラカルボン酸の製造方法 |
-
1992
- 1992-10-13 JP JP27424692A patent/JPH06122651A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006290836A (ja) * | 2005-04-14 | 2006-10-26 | Jfe Chemical Corp | ビフェニルテトラカルボン酸の製造方法 |
WO2006112426A1 (ja) * | 2005-04-14 | 2006-10-26 | Jfe Chemical Corporation | ビフェニルテトラカルボン酸の製造方法 |
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