JPH06120703A - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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JPH06120703A
JPH06120703A JP4267299A JP26729992A JPH06120703A JP H06120703 A JPH06120703 A JP H06120703A JP 4267299 A JP4267299 A JP 4267299A JP 26729992 A JP26729992 A JP 26729992A JP H06120703 A JPH06120703 A JP H06120703A
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resonance
electrode
resonant
capacitance
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Takami Hirai
隆己 平井
Shinsuke Yano
信介 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】共振素子間の誘導結合度を調整可能として、所
望の帯域幅が得られる積層型誘電体フィルタを提供す
る。 【構成】共振素子21、23の開放端に対向する内層ア
ース電極81を誘電体層12上に形成する。誘電体層1
3上に、入力用電極41および出力用電極42を形成す
る。アース電極70に一端部がそれぞれ接続されて1/
4波長型ストリップライン共振器を構成する共振素子2
1、23を誘電体層14上に形成する。共振素子21、
23に共に重なる結合調整電極91を誘電体層15上に
形成する。共振素子21、23の開放端側に対向する内
層アース電極82を誘電体層16上に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層型誘電体フィルタに
関し、特に携帯用電話機等の高周波回路無線機器に利用
する高周波回路フィルタや、アンテナデュプレクサ等に
使用される積層型誘電体フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】図14、15は、それぞれ本発明者らが
案出した積層型誘電体フィルタの模式展開図および斜視
図である。
【0003】この積層型誘電体フィルタにおいては、後
記する共振素子21、22、23の開放端側の一部に誘
電体層13、14を挟んで重なり、端部が後記するアー
ス電極70と接続される内層アース電極81を誘電体層
12上に形成し、後記する出力端側の共振素子23の一
部に誘電体層14を挟んで重なる出力用電極42を誘電
体層13上に形成し、後記するアース電極70に一端部
がそれぞれ接続されて1/4波長ストリップライン共振
器を構成する共振素子21〜23を誘電体層14上に形
成し、さらに一端部が後記するアース電極70に接続さ
れかつ他端部が共振素子21〜23の開放端から所定の
間隔離れて共振素子21〜23とそれぞれ対向する電極
31〜33を誘電体層14上に形成し、誘電体層15上
に、入力端側の共振素子21の一部に誘電体層15を挟
んで重なる入力用電極41を形成し、共振素子21、2
2、23の開放端側の一部に誘電体層15、16を挟ん
で重なり、端部が後記するアース電極70と接続される
内層アース電極82を誘電体層16上に形成し、誘電体
層16上に、表面にアース電極70が形成される誘電体
層17を積層して、誘電体層12〜17を一体に構成
し、その後焼成して、積層体500を形成する。
【0004】次に、図15に示すように、積層体500
の上下面および入力端子部61、出力端子部62を除く
側面にアース電極70を形成する。さらに、積層体50
0の一方の側面の入力端子部61内に、アース電極70
と絶縁され、かつ入力用電極41と接続される入力端子
51を形成し、さらに同様に、積層体500の他方の側
面の出力端子部62内に、アース電極70と絶縁され、
かつ出力用電極42と接続される出力端子52を形成す
る。
【0005】上述した積層型誘電体フィルタの等価回路
は図16に示すようになる。図16において符号111
は共振素子21と入力用電極41間の静電容量であり、
符号112は共振素子23と出力用電極42間の静電容
量であり、符号121〜123はそれぞれ共振素子21
と電極31間の静電容量、共振素子22と電極32間の
静電容量、共振素子23と電極33間の静電容量であ
り、符号132は共振素子21と共振素子22との間の
誘導結合を示すインダクタンスであり、符号133は共
振素子22と共振素子23との間の誘導結合を示すイン
ダクタンスであって、バンドパスフィルタを構成してい
る。なお、並列共振回路の静電容量211、221、2
31およびインダクタンス212、222、232は、
共振素子21、22、23をそれぞれ等価変換したとき
の静電容量およびインダクタンスである。
【0006】また、静電容量141および142はそれ
ぞれ共振素子21の開放端側と内層アース電極81およ
び82との間に形成される静電容量であり、静電容量1
43および144はそれぞれ共振素子22の開放端側と
内層アース電極81および82との間に形成される静電
容量であり、静電容量145および146はそれぞれ共
振素子23の開放端側と内層アース電極81および82
との間に形成される静電容量である。
【0007】この積層型誘電体フィルタにおいては、共
振素子21、22、23の開放端側と対向する内層アー
ス電極81、82を設けている。従って、内層アース電
極81、82と対向している共振素子の開放端側の部分
はアースにより近くなり、共振素子21、22、23の
開放端側と内層アース電極81、82との間には静電容
量141〜146がそれぞれ形成され、この静電容量1
41〜146も共振素子21、22、23を等価変換し
たときの並列共振回路の静電容量121、122、12
3に付加されることになる。従って、共振周波数を同一
とすれば、並列共振回路のインダクタンスは小さくて済
むことになり、共振素子21、22、23の長さもより
短くなり、積層型誘電体フィルタ全体の長さも短くする
ことができる。
【0008】また、内層アース電極81、82と対向し
ている共振素子21〜23の開放端側の部分はよりアー
スに近くなり、アースとの結合が強くなるから、内層ア
ース電極81、82と対向している開放端側の部分の共
振素子同士の結合が弱くなる。従って、共振素子同士の
結合は内層アース電極81、82と重ならない部分で主
として結合するようになる。このことは、実質的に共振
素子の結合電気長が短くなったことを意味する。このよ
うに電気長が短くなると、共振素子同士を結合する分布
定数素子のリアクタンスも小さくなり、共振素子同士が
強く誘導結合するようになり、フィルタの特性が広帯域
化する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、積層型
誘電体フィルタをさらに小型化するために内層アース電
極81、82と共振素子21〜23との対向面積を増加
させていくと、共振素子の実質的な電気長が短くなって
共振素子同士がより強く誘導結合するようになりフィル
タの特性が広帯域化しすぎるという問題があった。
【0010】さらに、上述した構造の誘電体フィルタに
おいては、共振素子21〜23の短絡部分や内層アース
81、82のエッジ部分では共振素子の電磁界が乱れて
誘導結合が強くなるように作用し、フィルタの特性をよ
り広帯域化させてしまう傾向があるから、積層型誘電体
フィルタを小型化するために内層アース電極81、82
と共振素子21〜23との対向面積を増加させていく
と、共振素子同士がますます強く誘導結合してフィルタ
の特性を広帯域化させすぎてしまい、所望の帯域幅を有
するフィルタを得ることができないという問題があっ
た。
【0011】従って、本発明の一目的は、共振素子間の
誘導結合度を調整可能として、所望の帯域幅が得られる
積層型誘電体フィルタを提供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、積層型誘電体
フィルタを小型化してもフィルタの特性が広帯域化しす
ぎることのない積層型誘電体フィルタを提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1の
アース電極と、第2のアース電極と、前記第1のアース
電極と前記第2のアース電極との間に設けられた誘電体
層と、前記誘電体層内に設けられた片側短絡型の第1の
共振素子と、前記誘電体層内かつ前記第1の共振素子と
同一平面内に前記第1の共振素子と近接して設けられた
片側短絡型の第2の共振素子と、前記第1のアース電極
と前記第1の共振素子および前記第2の共振素子との間
の前記誘電体層内に設けられ前記第1の共振素子の一主
面の一部と前記第2の共振素子の一主面の一部とに対向
する結合調整電極と、を有することを特徴とする積層型
誘電体フィルタが得られる。
【0014】前記積層型誘電体フィルタが、前記誘電体
層内かつ前記第1の共振素子および前記第2の共振素子
と同一平面内であって前記第1の共振素子に対して前記
第2の共振素子とは反対側に前記第1の共振素子と近接
して設けられた片側短絡型の第3の共振素子とをさらに
有する場合には、前記第2のアース電極と前記第1の共
振素子および前記第3の共振素子との間の前記誘電体層
内に設けられ前記第1の共振素子の前記一主面とは反対
側の他の主面の一部と前記第3の共振素子の一主面の一
部とに対向する第2の結合調整電極をさらに有すること
が好ましい。
【0015】また、前記積層型誘電体フィルタが、前記
第1および前記第2の共振素子の開放端側と対向して前
記誘電体層内に設けられた内層アース電極、または前記
第1乃至第3の共振素子の開放端側と対向して前記誘電
体層内に設けられた内層アース電極をさらに有すること
が好ましい。
【0016】
【作用】本発明においては、片側短絡型の第1の共振素
子および第2の共振素子を同一平面内に近接して設け、
第1の共振素子の一主面の一部と第2の共振素子の一主
面の一部とに対向する第1の結合調整電極を設けている
から、この第1の結合調整電極と第1の共振素子と第2
の共振素子との間にはそれぞれ容量が形成される。そし
てこれらの容量の合成容量が第1の共振素子と第2の共
振素子との間に形成される誘導結合と並列に接続される
ことになるから、この容量によって第1の共振素子と第
2の共振素子との間に形成される誘導結合を抑制するこ
とができる。従って、この容量の値を調整することによ
って第1の共振素子と第2の共振素子との間の誘導結合
度を調整することができ、所望の帯域幅を有するフィル
タを得ることができる。なお、この容量の調整は、第1
の共振素子と第1の結合調整電極の重なり面積およびこ
れらの間の距離並びに第2の共振素子と第1の結合調整
電極との重なり面積およびこれらの間の距離を変化させ
ることによって容易に行うことができる。
【0017】また、積層型誘電体フィルタが、第1の共
振素子および第2の共振素子と同一平面内であって第1
の共振素子に対して第2の共振素子とは反対側に第1の
共振素子と近接して設けられた片側短絡型の第3の共振
素子とをさらに有する場合には、第1の共振素子と第3
の共振素子とに対向して設けられる第2の結合調整電極
を第1の結合調整電極が対向する第1の共振素子の一主
面とは反対側の他の主面の一部と第3の共振素子の一主
面の一部とに対向するように設けることにより、第1の
結合調整電極と第2の結合調整電極とは第1の共振素子
に対してそれぞれ反対側の層に設けられることになる。
その結果、第1の結合調整電極と第1の共振素子との対
向面積および第2の結合調整電極と第1の共振素子との
対向面積をそれぞれ独立に大きくすることができ、これ
らの間に大きい容量を形成することができる。このよう
に大きい容量が形成できれば、共振素子間に形成される
誘導結合をその容量によって調整して所望の帯域幅のフ
ィルタを得ることも容易となる。
【0018】また、積層型誘電体フィルタが共振素子の
開放端側と対向する内層アース電極をさらに有するよう
にすることによって、共振素子の開放端側と内層アース
との間に形成される静電容量も共振素子を等価変換した
ときの並列共振回路の静電容量に付加されることになる
から、共振周波数を同一とすれば、並列共振回路のイン
ダクタンスは小さくて済むことになり、その結果、共振
素子の長さもより短くなり、積層型誘電体フィルタ全体
の長さも短くすることができる。
【0019】この場合に、積層型誘電体フィルタを小型
化するために内層アース電極と共振素子との対向面積を
増加させていくと、共振素子同士がますます強く誘導結
合してフィルタの特性を広帯域化させすぎてしまうとい
う問題が発生するが、本発明においては隣接する共振素
子間に共に対向する結合調整電極を設けているから、こ
の結合調整電極と共振素子との間に形成される容量によ
って共振素子間に形成される誘導結合を抑制することが
でき、所望の帯域幅を有するフィルタを得ることができ
る。このように共振素子の開放端側に対向する内層アー
ス電極と、隣接する共振素子に共に対向する結合調整電
極とを設けることによって、積層型誘電体フィルタを小
型化してもフィルタの特性が広帯域化しすぎることのな
い積層型誘電体フィルタを得ることができる。
【0020】また、上述のように、本発明においては、
隣接する共振素子に共に対向する結合調整電極を設ける
ことにより隣接する共振素子と結合調整電極間にそれぞ
れ形成される容量の合成容量が隣接する共振素子間に形
成される誘導結合と並列に接続されることになるから、
隣接する共振素子間には容量とインダクタンスとからな
る並列共振回路が挿入されたことになる。そして、この
容量とインダクタンスとからなる並列共振回路のインピ
ーダンスは並列共振点の前後で誘導性から容量性へと変
化するから、隣接する共振素子と結合調整電極間にそれ
ぞれ形成される容量の値を調整することにより共振素子
間の結合を誘導性にも容量性にもすることができる。い
ま、共振素子間の結合を誘導性にした場合を考えると、
通過帯域の高周波側に並列共振点が存在するから高周波
側に減衰ピークを持ったフィルタが得られ、また、共振
素子間の結合を容量性にすると、通過帯域の低周波側に
並列共振点が存在することになり低周波側に減衰ピーク
を持ったフィルタが得られ、いずれの場合もフィルタの
減衰特性を改善することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付の図面を参照し
て説明する。
【0022】図1は本発明の第1の実施例の模式展開図
であり、図2は本実施例の斜視図である。
【0023】後記する共振素子21、23の開放端側に
誘電体層13、14を挟んで重なり、端部が後記するア
ース電極70と接続される内層アース電極81を誘電体
層12上に形成する。なお、誘電体層11の裏面にはア
ース電極70が後に形成される。
【0024】誘電体層13上に、入力端側の共振素子2
1の一部に誘電体層14を挟んで重なる入力用電極41
および出力端側の共振素子23の一部に誘電体層14を
挟んで重なる出力用電極42を形成する。
【0025】後記するアース電極70に一端部がそれぞ
れ接続されて1/4波長型ストリップライン共振器を構
成する共振素子21、23を誘電体層14上に形成す
る。さらに、一端部が後記するアース電極70に接続さ
れ、かつ他端部が共振素子21、23の開放端から所定
の間隔離れて共振素子の開放端とそれぞれ対向する電極
31、33を誘電体層14上に形成して、共振素子2
1、23が分布結合されることを利用してコムライン型
のフィルタを構成する。
【0026】共振素子21、23に誘電体層15を挟ん
で共に重なる結合調整電極91を誘電体層15上に形成
する。 共振素子21、23の開放端側に誘電体層1
5、16を挟んで重なり、端部が後記するアース電極7
0と接続される内層アース電極82を誘電体層16上に
形成する。
【0027】誘電体層16上に、表面にアース電極70
が形成される誘電体層17を積層して、誘電体層11〜
17を一体に構成し、その後焼成して、積層体500を
形成する。
【0028】積層体500の上下面および入力端子部6
1、出力端子部62を除く側面に、図2に示すように、
アース電極70を形成する。さらに、積層体500の一
方の側面の入力端子部61内に、アース電極70と絶縁
され、かつ入力用電極41と接続される入力端子51を
形成し、さらに同様に、積層体500の他方の側面の出
力端子部62内に、アース電極70と絶縁され、かつ出
力用電極42と接続される出力端子52を形成する。
【0029】以上のように構成した本実施例において、
共振素子21、23、電極31、33、入力用電極4
1、出力用電極42、内層アース電極81、82および
結合調整電極91の空間的な構成を平面図、そのX−X
線断面図およびY−Y線断面図で示せば図3、図4およ
び図5に示すようになる。
【0030】共振素子21、23の開放端と電極31、
33との間にはそれぞれ静電容量121、123が形成
されている。そして、これらの静電容量121、123
が存在することによって、共振素子21と23とはイン
ダクタンス131で結合されている。
【0031】入力用電極41と共振素子21との間には
静電容量111が形成され、出力用電極42と共振素子
23との間には静電容量112が形成されている。
【0032】また、共振素子21と結合調整電極91と
の間には静電容量151が形成され、共振素子23と結
合調整電極91との間には静電容量152が形成されて
いる。
【0033】さらに、共振素子21の開放端と内層アー
ス電極81、82との間には静電容量141、142が
それぞれ形成され、共振素子23の開放端と内層アース
電極81、82との間には静電容量145、146がそ
れぞれ形成されている。
【0034】上記のようにして構成された積層型誘電体
フィルタの等価回路は図6のようになり、バンドパス特
性を示す。なお、図6において符号161は、共振素子
21と結合調整電極91との間に形成される静電容量1
51および共振素子23と結合調整電極91との間に形
成される静電容量152の合成容量を表わす。このよう
に、本実施例においては、共振素子21と共振素子23
との間に形成されるインダクタンス131と並列に静電
容量161が接続されることになるから、この静電容量
161によって、共振素子21と共振素子23との間に
形成されここではインダクタンス131で表わされてい
る誘導結合を抑制することができる。従って、この静電
容量161の値を調整することによって共振素子21と
共振素子23との間の誘導結合度を調整することがで
き、所望の帯域幅を有するフィルタを得ることができ
る。なお、この静電容量161は共振素子21と結合調
整電極91との間に形成される静電容量151および共
振素子23と結合調整電極91との間に形成される静電
容量152の合成容量であるから、その調整は、共振素
子21と結合調整電極91の重なり面積およびこれらの
間の距離並びに共振素子23と結合調整電極91との重
なり面積およびこれらの間の距離を変化させることによ
って容易に行うことができる。
【0035】また、本実施例においては、共振素子2
1、23の開放端と対向する内層アース電極81、82
を設けているから、共振素子21の開放端と内層アース
81、82との間にそれぞれ形成される静電容量14
1、142が共振素子21を等価変換したときの並列共
振回路の静電容量211に付加され、共振素子23の開
放端と内層アース81、82との間にそれぞれ形成され
る静電容量145、146も共振素子23を等価変換し
たときの並列共振回路の静電容量231に付加されるこ
とになるから、共振周波数を同一とすれば、並列共振回
路のインダクタンス212、232は小さくて済むこと
になり、その結果、共振素子21、23の長さもより短
くなり、積層型誘電体フィルタ全体の長さも短くするこ
とができる。
【0036】この場合に、積層型誘電体フィルタを小型
化するために内層アース電極81、82と共振素子2
1、23との対向面積を増加させていくと、共振素子2
1と共振素子23とがますます強く誘導結合してフィル
タの特性を広帯域化させすぎてしまうという問題が発生
するが、本実施例においては共振素子21、23に共に
対向する結合調整電極91を設けているから、この結合
調整電極91と共振素子21、23との間にそれぞれ形
成される静電容量151、152によって共振素子2
1、23間に形成される誘導結合を抑制することがで
き、所望の帯域幅を有するフィルタを得ることができ
る。このように共振素子21、23の開放端に対向する
内層アース電極81、82と、共振素子21、23に共
に対向する結合調整電極91とを設けることによって積
層型誘電体フィルタを小型化してもフィルタの特性が広
帯域化しすぎることのない積層型誘電体フィルタを得る
ことができる。
【0037】また、上述のように、本実施例において
は、共振素子21、23に共に対向する結合調整電極9
1を設けることにより共振素子21、23と結合調整電
極91との間にそれぞれ形成される静電容量151、1
52の合成容量161が共振素子21、23間に形成さ
れるインダクタンス131と並列に接続されることにな
るから、共振素子21、23間には静電容量161とイ
ンダクタンス131とからなる並列共振回路が挿入され
たことになる。そして、この静電容量161とインダク
タンス131とからなる並列共振回路のインピーダンス
は、図7に示すように並列共振点fpの前後で誘導性か
ら容量性へと変化するから、共振素子21,23と結合
調整電極91との間にそれぞれ形成される静電容量15
1、152の容量値を調整することにより共振素子2
1、23間の結合を誘導性にも容量性にもすることがで
きる。いま、共振素子21、23間の結合を誘導性にし
た場合を考えると、通過帯域の高周波側に並列共振点が
存在するから図8Aに示すように高周波側に減衰ピーク
を持ったフィルタが得られ、また、共振素子21、23
間の結合を容量性にすると、通過帯域の低周波側に並列
共振点が存在することになり図8Bに示すように低周波
側に減衰ピークを持ったフィルタが得られ、いずれの場
合もフィルタの減衰特性を改善することができる。
【0038】次に、第1の実施例の積層型誘電体フィル
タの製造方法について説明する。
【0039】本実施例の積層型誘電体フィルタは共振素
子21、23、電極31、33、入力用電極41、出力
用電極42、内層アース電極81、82および結合調整
電極91を完全に誘電体中に内蔵することから、共振素
子21、23、電極31、33、入力用電極41、出力
用電極42、内層アース電極81、82および結合調整
電極91には損失の少ない比抵抗の低いものを用いるこ
とが望ましく、低抵抗のAg系、若しくはCu系の導体
を用いることが好ましい。
【0040】使用する誘電体としては、信頼性が高く誘
電率εγが大きいために小型化が可能となるセラミック
ス誘電体が好ましい。
【0041】また、製造方法としては、セラミックス粉
末の成形体に導体ペーストを塗布して電極パターンを形
成した後、各々の成形体を積層しさらに焼成して緻密化
し、導体がその内部に積層された状態でセラミックス誘
電体と一体化することが望ましい。
【0042】Ag系やCu系の導体を使用する場合に
は、それらの導体の融点が低く、通常の誘電体材料と同
時焼成することは困難であるところから、それらの融点
(1100℃以下)よりも低い温度で焼成され得る誘電
体材料を用いる必要がある。また、マイクロ波フィルタ
としてのデバイスの性格上、形成される並列共振回路の
共振周波数の温度特性(温度係数)が±50ppm/℃
以下になるような誘電体材料が好ましい。このような誘
電体材料としては、例えば、コージェライト系ガラス粉
末とTiO2 粉末およびNd2 Ti2 7 粉末との混合
物等のガラス系のものや、BaO−TiO2 −Re2
3 −Bi2 3 系組成(Re:レアアース成分)に若干
のガラス形成成分やガラス粉末を添加したもの、酸化バ
リウム−酸化チタン−酸化ネオジウム系誘電体磁気組成
物粉末に若干のガラス粉末を添加したものがある。
【0043】一例として、MgO:18wt%−Al2
3 :37wt%−SiO2 :37wt%−B2 3
5wt%−TiO2 :3wt%なる組成のガラス粉末の
73wt%と、市販のTiO2 粉末の17wt%と、N
2 Ti2 7 粉末の10wt%を充分に混合し、混合
粉末を得た。なお、Nd2 Ti2 7 粉末は、Nd2
3 粉末とTiO2 粉末を1200℃で仮焼した後、粉砕
して得たものを使用した。次いで、この混合粉末に、ア
クリル系有機バインダー、可塑剤、トルエンおよびアル
コール系の溶剤を加え、アルミナ玉石で充分に混合して
スラリーとした。そして、このスラリーを用いて、ドク
ターブレード法により、0.2mm〜0.5mmの厚み
のグリーンテープを作製した。
【0044】次に、上記第1の実施例の場合は、銀ペー
ストを導体ペーストとして図1に示した導体パターンを
それぞれ印刷し、次いで、これら導体パターンが印刷さ
れたグリーンテープの厚みを調整するため必要なグリー
ンテープを重ねて図1の構造となるように重ね、積層し
た後、900℃で焼成して、積層体500を作成した。
【0045】上記のように構成した積層体500の上
面、下面および入力端子部61、出力端子部62を除く
側面に図2に示すように銀電極からなるアース電極70
を印刷し、さらにアース電極70から絶縁し、かつ入力
用電極41、出力用電極42に各別に接続する銀電極を
入力端子部61、出力端子部62内に入力端子51、出
力端子52として印刷し、印刷した電極を850℃で焼
きつけた。
【0046】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
図9は本実施例の模式展開図である。
【0047】第1の実施例においては、共振素子が2個
の場合を例示したが、本実施例においては、共振素子2
2を共振素子21と23との間の誘電体層14上に形成
して共振素子を3個としている。 後記する共振素子2
1、22、23の開放端側に誘電体層12、13を挟ん
で重なり、端部が後記するアース電極70と接続される
内層アース電極81を誘電体層12上に形成する。な
お、誘電体層11の裏面にはアース電極70が後に形成
される。
【0048】誘電体層13上に、出力端側の共振素子2
3の一部に誘電体層14を挟んで重なる出力用電極42
および共振素子21、22に誘電体層14を挟んで共に
重なる結合調整電極92を形成する。
【0049】後記するアース電極70に一端部がそれぞ
れ接続されて1/4波長型ストリップライン共振器を構
成する共振素子21、22、23を誘電体層14上に形
成する。さらに、一端部が後記するアース電極70に接
続され、かつ他端部が共振素子21、22、23の開放
端から所定の間隔離れて共振素子21、22、23の開
放端とそれぞれ対向する電極31、32、33を誘電体
層14上に形成して、共振素子21、22、23が分布
結合されることを利用してコムライン型のフィルタを構
成する。
【0050】誘電体層15上に、入力端側の共振素子2
1の一部に誘電体層15を挟んで重なる入力用電極41
および共振素子22、23に誘電体層15を挟んで共に
重なる結合調整電極93を形成する。
【0051】共振素子21、22、23の開放端側に誘
電体層15、16を挟んで重なり、端部が後記するアー
ス電極70と接続される内層アース電極82を誘電体層
16上に形成する。
【0052】誘電体層16上に、表面にアース電極70
が形成される誘電体層17を積層して、誘電体層11〜
17を一体に構成し、その後焼成して、積層体500を
形成する。
【0053】図2に示すように、積層体500の上下面
および入力端子部61、出力端子部62を除く側面に、
アース電極70を形成する。さらに、積層体500の一
方の側面の入力端子部61内に、アース電極70と絶縁
され、かつ入力用電極41と接続される入力端子51を
形成し、さらに同様に、積層体500の他方の側面の出
力端子部62内に、アース電極70と絶縁され、かつ出
力用電極42と接続される出力端子52を形成する。
【0054】以上のように構成した本実施例において、
共振素子21、22、23、電極31、32、33、入
力用電極41、出力用電極42、内層アース電極81、
82および結合調整電極91、92の空間的な構成を平
面図、そのX−X線断面図およびY−Y線断面図で示せ
ば図10、図11および図12に示すようになる。
【0055】共振素子21、22、23の開放端と電極
31、32、33との間にはそれぞれ静電容量121、
122、123が形成されている。そして、これらの静
電容量121、122、123が存在することによっ
て、共振素子21と22とはインダクタンス132で結
合され、共振素子22と23とはインダクタンス133
で結合されている。
【0056】入力用電極41と共振素子21との間には
静電容量111が形成され、出力用電極42と共振素子
23との間には静電容量112が形成されている。
【0057】また、共振素子21と結合調整電極92と
の間には静電容量153が形成され、共振素子22と結
合調整電極92との間には静電容量154が形成されて
いる。共振素子22と結合調整電極93との間には静電
容量155が形成され、共振素子23と結合調整電極9
3との間には静電容量156が形成されている。
【0058】さらに、共振素子21の開放端と内層アー
ス電極81、82との間には静電容量141、142が
それぞれ形成され、共振素子22の開放端と内層アース
電極81、82との間には静電容量143、144がそ
れぞれ形成され、共振素子23の開放端と内層アース電
極81、82との間には静電容量145、146がそれ
ぞれ形成されている。
【0059】上記のようにして構成された積層型誘電体
フィルタの等価回路は図13のようになり、バンドパス
特性を示す。なお、図13において符号162は、共振
素子21と結合調整電極92との間に形成される静電容
量153および共振素子22と結合調整電極92との間
に形成される静電容量154の合成容量を表わし、符号
163は、共振素子22と結合調整電極93との間に形
成される静電容量155および共振素子23と結合調整
電極93との間に形成される静電容量156の合成容量
を表わす。
【0060】このように、本実施例においても、共振素
子21と共振素子22との間に形成されるインダクタン
ス132と並列に静電容量162が接続されることにな
り、共振素子22と共振素子23との間に形成されるイ
ンダクタンス133と並列に静電容量163が接続され
ることになるから、この静電容量162、163によっ
て共振素子21と共振素子22との間に形成され、ここ
ではインダクタンス132で表わされている誘導結合お
よび共振素子22と共振素子23との間に形成され、こ
こではインダクタンス133で表わされている誘導結合
をそれぞれ抑制することができる。従って、この静電容
量162、163の値を調整することによって共振素子
21、22、23間の誘導結合度を調整することがで
き、所望の帯域幅を有するフィルタを得ることができ
る。
【0061】なお、この静電容量162は共振素子21
と結合調整電極92との間に形成される静電容量153
および共振素子22と結合調整電極92との間に形成さ
れる静電容量154の合成容量であり、静電容量163
は共振素子22と結合調整電極93との間に形成される
静電容量155および共振素子23と結合調整電極93
との間に形成される静電容量156の合成容量であるか
ら、その調整は、共振素子21、22と結合調整電極9
2の重なり面積およびこれらの間の距離並びに共振素子
22、23と結合調整電極93との重なり面積およびこ
れらの間の距離を変化させることによって容易に行うこ
とができる。
【0062】本実施例においては、結合調整電極92を
共振素子21〜23が設けられる誘電体層14の下層の
誘電体層13上に設け、結合調整電極93を共振素子2
1〜23が設けられる誘電体層14の上層の誘電体層1
5上に設けているから、結合調整電極92と共振素子2
2との対向面積および結合調整電極93と共振素子22
との対向面積をそれぞれ独立して大きくすることがで
き、これらの間に大きい容量を形成することができる。
このように大きい容量が形成できれば、共振素子間21
〜23に形成される誘導結合をその容量によって調整し
て所望の帯域幅のフィルタを得ることも容易となる。
【0063】また、本実施例においても、共振素子2
1、22、23の開放端と対向する内層アース電極8
1、82を設けているから、共振素子21の開放端と内
層アース81、82との間にそれぞれ形成される静電容
量141、142が共振素子21を等価変換したときの
並列共振回路の静電容量211に付加され、共振素子2
2の開放端と内層アース81、82との間にそれぞれ形
成される静電容量143、144が共振素子22を等価
変換したときの並列共振回路の静電容量221に付加さ
れ、共振素子23の開放端と内層アース81、82との
間にそれぞれ形成される静電容量145、146も共振
素子23を等価変換したときの並列共振回路の静電容量
231に付加されることになるから、共振周波数を同一
とすれば、並列共振回路のインダクタンス212、22
2、232は小さくて済むことになり、その結果、共振
素子21、22、23の長さもより短くなり、積層型誘
電体フィルタ全体の長さも短くすることができる。
【0064】この場合に、積層型誘電体フィルタを小型
化するために内層アース電極81、82と共振素子2
1、22、23との対向面積を増加させていくと、共振
素子21〜23がますます強く誘導結合してフィルタの
特性を広帯域化させすぎてしまうという問題が発生する
が、本実施例においては共振素子21、22に共に対向
する結合調整電極92および共振素子22、23に共に
対向する結合調整電極93を設けているから、この結合
調整電極92と共振素子21、22との間にそれぞれ形
成される静電容量153、154および結合調整電極9
3と共振素子22、23との間にそれぞれ形成される静
電容量155、156によって共振素子21〜23間に
形成される誘導結合を抑制することができ、所望の帯域
幅を有するフィルタを得ることができる。このように共
振素子21〜23の開放端に対向する内層アース電極8
1、82と、共振素子21、22に共に対向する結合調
整電極92および共振素子22、23に共に対向する結
合調整電極93とを設けることによって積層型誘電体フ
ィルタを小型化してもフィルタの特性が広帯域化しすぎ
ることのない積層型誘電体フィルタを得ることができ
る。
【0065】また、上述のように、本実施例において
も、共振素子21、22に共に対向する結合調整電極9
2を設けることにより共振素子21、22と結合調整電
極92との間にそれぞれ形成される静電容量153、1
54の合成容量162が共振素子21、22間に形成さ
れるインダクタンス132と並列に接続されることにな
り、共振素子22、23に共に対向する結合調整電極9
3を設けることにより共振素子22、23と結合調整電
極93との間にそれぞれ形成される静電容量155、1
56の合成容量163が共振素子22、23間に形成さ
れるインダクタンス133と並列に接続されることにな
るから、共振素子21、22間には静電容量162とイ
ンダクタンス132とからなる並列共振回路が挿入され
たことになり、共振素子22、23間には静電容量16
3とインダクタンス133とからなる並列共振回路が挿
入されたことになる。そして、この静電容量162とイ
ンダクタンス132とからなる並列共振回路のインピー
ダンスおよび静電容量163とインダクタンス133と
からなる並列共振回路のインピーダンスは、第1の実施
例において説明したのと同様に並列共振点の前後で誘導
性から容量性へと変化するから、共振素子21,22と
結合調整電極92との間にそれぞれ形成される静電容量
153、154の容量値および共振素子22,23と結
合調整電極93との間にそれぞれ形成される静電容量1
55、156の容量値を調整することにより共振素子2
1、22間の結合および共振素子22、23間の結合を
誘導性にも容量性にもすることができる。いま、これら
の共振素子21〜23間の結合を誘導性にした場合を考
えると、高周波側に減衰ピークを持ったフィルタが得ら
れ、また、共振素子21〜23間の結合を容量性にする
と、低周波側に減衰ピークを持ったフィルタが得られ、
いずれの場合もフィルタの減衰特性を改善することがで
きる。
【0066】次に、本実施例の積層型誘電体フィルタの
製造方法について説明する。本実施例においても、第1
の実施例において使用したグリーンシートを用い、銀ペ
ーストを導体ペーストとして図9に示した導体パターン
をそれぞれ印刷し、次いで、これらに導体パターンが印
刷されたグリーンシートの厚みを調整するために必要な
グリーンシートを重ねて図9の構造となるように積層し
た後、900℃で焼成して、積層体500を作成した。
【0067】上記のように構成した積層体500上面、
入力端子部61、出力端子部62を除く側面に図2に示
すように銀電極からなるアース電極70を印刷し、さら
にアース電極70から電気的に絶縁し、かつ入力用電極
41、出力用電極42に各別に接続する銀電極を入力端
子部61、出力端子部62内に入力端子51、出力端子
52として印刷し、印刷した電極を850℃で焼きつけ
た。
【0068】
【発明の効果】本発明においては、片側短絡型の第1の
共振素子および第2の共振素子を同一平面内に近接して
設け、第1の共振素子の一主面の一部と第2の共振素子
の一主面の一部とに対向する第1の結合調整電極を設け
ているから、この第1の結合調整電極と第1の共振素子
と第2の共振素子との間にはそれぞれ容量が形成され
る。そしてこれらの容量の合成容量が第1の共振素子と
第2の共振素子との間に形成される誘導結合と並列に接
続されることになるから、この容量によって第1の共振
素子と第2の共振素子との間に形成される誘導結合を抑
制することができる。従って、この容量の値を調整する
ことによって第1の共振素子と第2の共振素子との間の
誘導結合度を調整することができ、所望の帯域幅を有す
るフィルタを得ることができる。また、積層型誘電体フ
ィルタが、第1の共振素子および第2の共振素子と同一
平面内であって第1の共振素子に対して第2の共振素子
とは反対側に第1の共振素子と近接して設けられた片側
短絡型の第3の共振素子とをさらに有する場合には、第
1の共振素子と第3の共振素子とに対向して設けられる
第2の結合調整電極を第1の結合調整電極が対向する第
1の共振素子の一主面とは反対側の他の主面の一部と第
3の共振素子の一主面の一部とに対向するように設ける
ことにより、第1の結合調整電極と第2の結合調整電極
とは第1の共振素子に対してそれぞれ反対側の層に設け
られることになる。その結果、第1の結合調整電極と第
1の共振素子との対向面積および第2の結合調整電極と
第1の共振素子との対向面積をそれぞれ独立に大きくす
ることができ、これらの間に大きい容量を形成すること
ができる。このように大きい容量が形成できれば、共振
素子間に形成される誘導結合をその容量によって調整し
て所望の帯域幅のフィルタを得ることも容易となる。
【0069】また、積層型誘電体フィルタが共振素子の
開放端側と対向する内層アース電極をさらに有するよう
にすることによって、共振素子の開放端側と内層アース
との間に形成される静電容量も共振素子を等価変換した
ときの並列共振回路の静電容量に付加されることになる
から、共振周波数を同一とすれば、並列共振回路のイン
ダクタンスは小さくて済むことになり、その結果、共振
素子の長さもより短くなり、積層型誘電体フィルタ全体
の長さも短くすることができる。
【0070】この場合に、本発明においては隣接する共
振素子間に共に対向する結合調整電極を設けているか
ら、この結合調整電極と共振素子との間に形成される容
量によって共振素子間に形成される誘導結合を抑制する
ことができ、所望の帯域幅を有するフィルタを得ること
ができる。
【0071】また、本発明においては、隣接する共振素
子に共に対向する結合調整電極を設けることにより隣接
する共振素子と結合調整電極間にそれぞれ形成される容
量の合成容量が隣接する共振素子間に形成される誘導結
合と並列に接続されることになるから、隣接する共振素
子間には容量とインダクタンスとからなる並列共振回路
が挿入されたことになる。そして、この容量とインダク
タンスとからなる並列共振回路のインピーダンスは並列
共振点の前後で誘導性から容量性へと変化するから、隣
接する共振素子と結合調整電極間にそれぞれ形成される
容量の値を調整することにより共振素子間の結合を誘導
性にも容量性にもすることができ、それに応じて高周波
側に減衰ピークを持ったフィルタは低周波側に減衰ピー
クを持ったフィルタが得られ、いずれの場合もフィルタ
の減衰特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の模式展開図である。
【図2】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例の主要部の平面図であ
る。
【図4】図3のX−X線断面図である。
【図5】図3のY−Y線断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の等価回路図である。
【図7】静電容量とインダクタンスからなる並列共振回
路のインピーダンスを説明するための図である。
【図8】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の周波数特性を説明するための図である。
【図9】本発明の第2の実施例の積層型誘電体フィルタ
の模式展開図である。
【図10】本発明の第1の実施例の主要部の平面図であ
る。
【図11】図10のX−X線断面図である。
【図12】図10のY−Y線断面図である。
【図13】本発明の第2の実施例の積層型誘電体フィル
タの等価回路図である。
【図14】本発明者らが案出した従来の積層型誘電体フ
ィルタの模式展開図である。
【図15】本発明者らが案出した従来の積層型誘電体フ
ィルタの斜視図である。
【図16】本発明者らが案出した従来の積層型誘電体フ
ィルタの等価回路図である。
【符号の説明】
11〜17…誘電体層 21〜23…共振素子 31〜33…電極 41…入力用電極 41…入力用電極 51…入力端子 52…出力端子 70…アース電極 81、82…内層アース電極 91、92、93…結合調整電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のアース電極と、 第2のアース電極と、 前記第1のアース電極と前記第2のアース電極との間に
    設けられた誘電体層と、 前記誘電体層内に設けられた片側短絡型の第1の共振素
    子と、 前記誘電体層内かつ前記第1の共振素子と同一平面内に
    前記第1の共振素子と近接して設けられた片側短絡型の
    第2の共振素子と、 前記第1のアース電極と前記第1の共振素子および前記
    第2の共振素子との間の前記誘電体層内に設けられ前記
    第1の共振素子の一主面の一部と前記第2の共振素子の
    一主面の一部とに対向する結合調整電極と、を有するこ
    とを特徴とする積層型誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の積層型誘電体フィルタにお
    いて、前記積層型誘電体フィルタが、 前記誘電体層内かつ前記第1の共振素子および前記第2
    の共振素子と同一平面内であって前記第1の共振素子に
    対して前記第2の共振素子とは反対側に前記第1の共振
    素子と近接して設けられた片側短絡型の第3の共振素子
    と、 前記第2のアース電極と前記第1の共振素子および前記
    第3の共振素子との間の前記誘電体層内に設けられ前記
    第1の共振素子の前記一主面とは反対側の他の主面の一
    部と前記第3の共振素子の一主面の一部とに対向する第
    2の結合調整電極とをさらに有することを特徴とする積
    層型誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の積層型誘電体フィルタにお
    いて、前記積層型誘電体フィルタが前記第1および前記
    第2の共振素子の開放端側と対向して前記誘電体層内に
    設けられた内層アース電極をさらに有することを特徴と
    する積層型誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】請求項2記載の積層型誘電体フィルタにお
    いて、前記積層型誘電体フィルタが前記第1乃至第3の
    共振素子の開放端側と対向して前記誘電体層内に設けら
    れた内層アース電極をさらに有することを特徴とする積
    層型誘電体フィルタ。
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