JP2957051B2 - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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JP2957051B2
JP2957051B2 JP4267300A JP26730092A JP2957051B2 JP 2957051 B2 JP2957051 B2 JP 2957051B2 JP 4267300 A JP4267300 A JP 4267300A JP 26730092 A JP26730092 A JP 26730092A JP 2957051 B2 JP2957051 B2 JP 2957051B2
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隆己 平井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層型誘電体フィルタに
関し、特に携帯用電話機等の高周波回路無線機器に利用
する高周波回路フィルタや、アンテナデュプレクサ等に
使用される積層型誘電体フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】図18、19は、それぞれ本発明者らが
案出した積層型誘電体フィルタの模式展開図および斜視
図である。
【0003】この積層型誘電体フィルタにおいては、後
記する共振素子21、22、23の開放端側の一部に誘
電体層12、16を挟んで重なり、端部が後記するアー
ス電極70と接続される内層アース電極81を誘電体層
11上に形成し、後記する出力端側の共振素子23の一
部に誘電体層12を挟んで重なる出力用電極42を誘電
体層16上に形成し、後記するアース電極70に一端部
がそれぞれ接続されて1/4波長ストリップライン共振
器を構成する共振素子21〜23を誘電体層12上に形
成し、さらに一端部が後記するアース電極70に接続さ
れかつ他端部が共振素子21〜23の開放端から所定の
間隔離れて共振素子21〜23とそれぞれ対向する電極
31〜33を誘電体層12上に形成し、誘電体層17上
に、入力端側の共振素子21の一部に誘電体層17を挟
んで重なる入力用電極41を形成し、共振素子21、2
2、23の開放端側の一部に誘電体層14、17を挟ん
で重なり、端部が後記するアース電極70と接続される
内層アース電極82を誘電体層14上に形成し、誘電体
層14上に、表面にアース電極70が形成される誘電体
層15を積層して、誘電体層11、16、12、17、
14、15を一体に構成し、その後焼成して、積層体5
00を形成する。
【0004】次に、図19に示すように、積層体500
の上下面および入力端子部61、出力端子部62を除く
側面にアース電極70を形成する。さらに、積層体50
0の一方の側面の入力端子部61内に、アース電極70
と絶縁され、かつ入力用電極41と接続される入力端子
51を形成し、さらに同様に、積層体500の他方の側
面の出力端子部62内に、アース電極70と絶縁され、
かつ出力用電極42と接続される出力端子52を形成す
る。
【0005】上述した積層型誘電体フィルタの等価回路
は図20に示すようになる。図20において符号111
は共振素子21と入力用電極41間の静電容量であり、
符号112は共振素子23と出力用電極42間の静電容
量であり、符号121〜123はそれぞれ共振素子21
と電極31間の静電容量、共振素子22と電極32間の
静電容量、共振素子23と電極33間の静電容量であ
り、符号131は共振素子21と共振素子22との間の
誘導結合を示すインダクタンスであり、符号132は共
振素子22と共振素子23との間の誘導結合を示すイン
ダクタンスであって、バンドパスフィルタを構成してい
る。なお、並列共振回路の静電容量211、221、2
31およびインダクタンス212、222、232は、
共振素子21、22、23をそれぞれ等価変換したとき
の静電容量およびインダクタンスである。
【0006】また、静電容量141および142はそれ
ぞれ共振素子21の開放端側と内層アース電極81およ
び82との間に形成される静電容量であり、静電容量1
43および144はそれぞれ共振素子22の開放端側と
内層アース電極81および82との間に形成される静電
容量であり、静電容量145および146はそれぞれ共
振素子23の開放端側と内層アース電極81および82
との間に形成される静電容量である。
【0007】この積層型誘電体フィルタにおいては、共
振素子21、22、23の開放端側と対向する内層アー
ス電極81、82を設けている。従って、内層アース電
極81、82と対向している共振素子の開放端側の部分
はアースにより近くなり、共振素子21、22、23の
開放端側と内層アース電極81、82との間には静電容
量141〜146がそれぞれ形成され、この静電容量1
41〜146も共振素子21、22、23を等価変換し
たときの並列共振回路の静電容量121、122、12
3に付加されることになる。従って、共振周波数を同一
とすれば、並列共振回路のインダクタンスは小さくて済
むことになり、共振素子21、22、23の長さもより
短くなり、積層型誘電体フィルタ全体の長さも短くする
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動車電話や携
帯電話などの高周波機器が普及するに従いその小型化の
要求が強まっており、それにつれてその内部に用いられ
るフィルタも小型化することが強く要求されるようにな
っているが、上述した構造の積層型誘電体フィルタにお
いては、その小型化にも限度があった。
【0009】すなわち、上述した構造の積層型誘電体フ
ィルタにおいて、さらに小型化をすすめるためには、誘
電体層12、16や誘電体層14、17の厚さを薄くし
て、共振素子21、22、23の開放端側と内層アース
電極81、82との間に形成される静電容量141〜1
46を大きくすることが必要となる。誘電体層12、1
6、14、17を薄くするためには積層前のグリーンテ
ープの厚さを薄くする必要があるが、このようにグリー
ンテープの厚さを薄くするとグリーンテープの取扱いが
困難となり、また、グリーンテープの薄膜化にも製造上
の限界があるから、上述した構造の積層型誘電体フィル
タにおいては、その小型化にも限界があった。さらに、
グリーンテープの厚さが薄いとテープの厚みばらつきや
印刷精度によって特性のばらつきも大きくなるという問
題も生じてくる。
【0010】従って、本発明の主目的は、より小型化さ
れた積層型誘電体フィルタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1の
アース電極と、第2のアース電極と、前記第1のアース
電極と前記第2のアース電極との間に設けられた複数の
誘電体層からなる誘電体基板と、前記誘電体基板内に設
けられた複数の片側短絡型の共振素子とを有する積層型
誘電体フィルタにおいて、前記誘電体基板に内装され、
前記複数の共振素子のうち、入力端側の共振素子と電気
的に接続される入力用電極と、前記誘電体基板に内装さ
れ、前記複数の共振素子のうち、出力端側の共振素子と
電気的に接続される出力用電極と、前記誘電体基板を構
成する前記複数の誘電体層のうち、前記複数の共振素子
の形成面と異なる平面上に設けられ、前記複数の共振素
子の開放端に対向し、かつ、これら開放端を平面的に含
む内層アース電極を有し、前記複数の共振素子の開放
端側の導体幅が短絡端側の導体幅よりも広くされ、前記
複数の共振素子の開放端側における導体幅が広くなって
いる部分の全部が前記内層アース電極と平面的に重なっ
ていることを特徴とする積層型誘電体フィルタが得られ
る。
【0012】
【作用】本発明においては、共振素子の開放端側と対向
して誘電体層内に内層アース電極を設けるとともに共振
素子の開放端側の導体幅を短絡端側の導体幅よりも広く
しているから、共振素子の開放端側の導体幅が短絡端側
の導体幅と同じ場合に比べて共振素子の開放端側と内層
アースとの間に形成される静電容量の容量値はより大き
くなる。そしてこの共振素子の開放端側と内層アースと
の間に形成される静電容量も共振素子を等価変換したと
きの並列共振回路の静電容量に付加されることになるか
ら、共振周波数を同一とすれば、並列共振回路のインダ
クタンスは小さくて済むことになり、その結果、共振素
子の長さもより短くなり、積層型誘電体フィルタ全体の
長さも短くなる。
【0013】また、内層アース電極と対向している共振
素子の開放端側の部分はよりアースに近くなり、アース
との結合が強くなるから、内層アース電極と対向してい
る開放端側の部分の共振素子同士の結合が弱くなる。従
って、共振素子同士の結合は内層アース電極と重ならな
い部分で主として結合するようになる。このことは、実
質的に共振素子の結合電気長が短くなったことを意味す
る。このように結合電気長が短くなると、共振素子同士
を結合する分布定数素子のリアクタンスも小さくなり、
共振素子同士が強く結合するようになり、フィルタの特
性が広帯域化する。
【0014】なお、内層アース電極を設けずに共振素子
の開放端側の導体幅を短絡端側の導体幅よりも広くする
と、共振素子の開放端間の間隔が小さくなり、共振素子
間の容量結合が大きくなってしまう。その結果共振素子
間の誘導結合が小さくなってフィルタの特性が狭帯域化
してしまうという問題が生じる。また、共振素子間の容
量結合を大きくしないようにしてこのような問題を避け
ようとすると、共振素子間の開放端側の間隔をより大き
くせざるを得ず、今度はフィルタが大型化してしまうと
いう別の問題が生じる。
【0015】これに対して、本発明においては、共振素
子の開放端側と対向して誘電体層内に内層アース電極を
設けているから、内層アース電極と対向している共振素
子の開放端側の部分はよりアースに近くなってアースと
の結合が強くなり、その結果、内層アース電極と対向し
ている開放端側の部分の共振素子同士の結合が弱くな
る。従って、共振素子の開放端側の導体幅を短絡端側の
導体幅よりも広くして共振素子の開放端間の間隔を小さ
くしても、内層アース電極と対向している開放端側の部
分の共振素子同士の結合は弱いままであり、共振素子同
士の結合は内層アース電極と重ならない部分で主として
結合するようになる。その結果、上述のように共振素子
間が強く結合するようになるから、フィルタの特性が狭
帯域化してしまうことはないばかりかむしろ広帯域化す
ることができる。また、このようにフィルタの特性を狭
帯域化させることなく共振素子間の開放端側の間隔を小
さくできるから、共振素子の開放端側の導体幅を短絡端
側の導体幅よりも広くしても共振素子間の開放端側の間
隔を小さくすることによって、フィルタが大型化するこ
とを抑制できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付の図面を参照し
て説明する。
【0017】図1は本発明の第1の実施例の模式展開図
であり、図2は本実施例の斜視図である。
【0018】後記する共振素子21、23の開放端側の
部分210、230に誘電体層12を挟んで重なり、端
部が後記するアース電極70と接続される内層アース電
極81を誘電体層11上に形成する。なお、誘電体層1
1の裏面にもアース電極70が後に形成される。
【0019】後記するアース電極70に一端部がそれぞ
れ接続されて1/4波長型ストリップライン共振器を構
成する共振素子21、23を誘電体層12上に形成す
る。共振素子21、23の開放端側の部分210、23
0の導体幅を短絡端側の導体幅よりも広くしている。さ
らに、一端部が後記するアース電極70に接続され、か
つ他端部が共振素子21、23の開放端側の部分21
0、230から所定の間隔離れて共振素子の開放端側の
部分210、230とそれぞれ対向する電極31、33
を誘電体層12上に形成して、共振素子21、23が分
布結合されることを利用してコムライン型のフィルタを
構成する。共振素子21が入力端側の共振素子であり、
共振素子23が出力端側の共振素子である。
【0020】誘電体層13上に、入力端側の共振素子2
1の一部に誘電体層13を挟んで重なる入力用電極41
および出力端側の共振素子23の一部に誘電体層13を
挟んで重なる出力用電極42を形成する。
【0021】共振素子21、23の開放端側の部分21
0、230に誘電体層13、14を挟んで重なり、端部
が後記するアース電極70と接続される内層アース電極
82を誘電体層14上に形成する。
【0022】誘電体層14上に、表面にアース電極70
が形成される誘電体層15を積層して、誘電体層11〜
15を一体に構成し、その後焼成して、積層体500を
形成する。
【0023】積層体500の上下面および入力端子部6
1、出力端子部62を除く側面に、図2に示すように、
アース電極70を形成する。さらに、積層体500の一
方の側面の入力端子部61内に、アース電極70と絶縁
され、かつ入力用電極41と接続される入力端子51を
形成し、さらに同様に、積層体500の他方の側面の出
力端子部62内に、アース電極70と絶縁され、かつ出
力用電極42と接続される出力端子52を形成する。
【0024】以上のように構成した本実施例において、
共振素子21、23、電極31、33、入力用電極4
1、出力用電極42および内層アース電極81、82の
空間的な構成を平面図およびそのX−X線断面図で示せ
ば図3および図4に示すようになる。
【0025】共振素子21、23の解放端側の部分21
0、230と電極31、33との間にはそれぞれ静電容
量121、123が形成されている。そして、これらの
静電容量121、123が存在することによって、共振
素子21と23とはインダクタンス130で結合されて
いる。
【0026】また、共振素子21の開放端側の部分21
0と内層アース電極81、82との間には静電容量14
1、142がそれぞれ形成され、共振素子23の開放端
側の部分230と内層アース電極81、82との間には
静電容量145、146がそれぞれ形成されている。
【0027】上記のようにして構成された積層型誘電体
フィルタの等価回路は図5のようになり、バンドパス特
性を示す。なお、符号111は共振素子21と入力用電
極41間の静電容量であり、符号112は共振素子23
と出力用電極42間の静電容量である。
【0028】次に、本発明において用いられた内層アー
ス電極の作用・効果について説明する。
【0029】先ず、図6に示すように、コムライン型の
2つの共振素子321、322が存在する場合を考え
る。共振素子321、322の電気長はともにθであ
る。図7は図6のコムライン型の配線の等価回路図であ
る。ここで共振素子321、322の偶モードのインピ
ーダンスをZe とし、奇モードのインピーダンスをZo
とすると、共振素子321、322を分布定数的に結合
する分布定数素子323の特性インピーダンスZo は
【0030】
【数1】
【0031】となる。さらにこの特性インピーダンスZ
o のラインの開放側からみたインピーダンスZは、Z=
jZo tan θと表される。
【0032】図8はこのインピーダンスZのリアクタン
スZc tan θと電気長θとの関係を示したものである。
θ=90°(すなわち、1/4波長)では分布定数素子
323のリアクタンスZc tan θが∞となり、共振素子
321、322の間には、結合が存在しないことがわか
る。次に、電気長θが1/4波長よりも短くなれば、す
なわち、0<θ<90°の場合においては、tan θが有
限の値となり、分布定数素子323のリアクタンスZc
tan θも有限の値となり、共振素子321、322が結
合するようになり、θの値が小さいほどリアクタンスZ
c tan θが小さくなり、強く結合するようになる。そし
て、この場合、すなわち、0<θ<90°の場合はZc
tan θの値が正だから、分布定数素子323はインダク
タンスとして表されることになる。
【0033】ここで、もう一度図3、4、5を参照すれ
ば、内層アース電極81、82を部分的に共振素子2
1、23の開放端側に対向するように追加したことによ
り、共振素子21、23の開放端側であって、内層アー
ス電極81、82と重なった部分はよりアースに近くな
り、アースとの結合が強くなるから、内層アース電極8
1、82と重なった部分の共振素子21、23同士の結
合が弱くなる。従って、共振素子21、23同士の結合
は内層アース電極81、82と重ならない部分で主とし
て結合するようになる。このことは、共振素子21、2
3の結合電気長θが、実質的には内層アース電極81、
82と重ならない部分の長さと等しくなることを意味す
る。このように共振素子21〜23の結合電気長θが短
くなれば、共振素子21〜23同士を結合する分布定数
素子323のリアクタンスZc tanθも小さくなるか
ら、共振素子21〜23同士がより強く結合するように
なり、フィルタ特性の広帯域化が図られるようになる。
【0034】また、電極31、33を設けているから共
振素子21、23とアースとの間には静電容量121、
123がそれぞれ加わっているが、さらに、内層アース
電極81、82を設けることにより、共振素子21、2
3と内層アース電極81、82との間には静電容量14
1および142、145および146がそれぞれ形成さ
れ、これらの静電容量も共振素子21、23とアースと
の間に付加されることになる。従って、図5に示す並列
共振回路の静電容量は共振素子21、23を等価交換し
たときの静電容量211、231と、これらの付加され
た静電容量との和からなる合成静電容量となって、共振
周波数を同一とすれば、並列共振回路のインダクタンス
はより小さくて済むことになる。従って、共振素子2
1、23の長さもより短くなり、積層型誘電体フィルタ
の全体の長さも短くなる。
【0035】そして、本実施例においては、共振素子2
1、23の開放端側の部分210、230の導体幅を短
絡端側の部分の導体幅よりも広くしているから、共振素
子の開放端側の導体幅が短絡端側の導体幅と同じ場合に
比べて共振素子21、23の開放端側と内層アース電極
81、82との間にそれぞれ形成される静電容量14
1、142、145、146の容量値はより大きくな
る。そしてこの静電容量141、142、145、14
6も共振素子を等価変換したときの並列共振回路の静電
容量211、231にそれぞれ付加されることになるか
ら、並列共振回路のインダクタンス212、232はよ
り小さくて済むことになり、その結果、共振素子の開放
端側の導体幅が短絡端側の導体幅と同じ場合に比べて共
振素子の長さもより短くなり、積層型誘電体フィルタ全
体の長さもより短くなる。
【0036】次に、第1の実施例の積層型誘電体フィル
タの製造方法について説明する。
【0037】本積層型誘電体フィルタは共振素子21、
23、電極31、33、入力用電極41、出力用電極4
2および内層アース電極81、82を完全に誘電体中に
内蔵することから、共振素子21、23、電極31、3
3、入力用電極41、出力用電極42および内層アース
電極81、82には損失の少ない比抵抗の低いものを用
いることが望ましく、低抵抗のAg系、若しくはCu系
の導体を用いることが好ましい。
【0038】使用する誘電体としては、信頼性が高く誘
電率εγが大きいために小型化が可能となるセラミック
ス誘電体が好ましい。
【0039】また、製造方法としては、セラミックス粉
末の成形体に導体ペーストを塗布して電極パターンを形
成した後、各々の成形体を積層しさらに焼成して緻密化
し、導体がその内部に積層された状態でセラミックス誘
電体と一体化することが望ましい。
【0040】Ag系やCu系の導体を使用する場合に
は、それらの導体の融点が低く、通常の誘電体材料と同
時焼成することは困難であるところから、それらの融点
(1100℃以下)よりも低い温度で焼成され得る誘電
体材料を用いる必要がある。また、マイクロ波フィルタ
としてのデバイスの性格上、形成される並列共振回路の
共振周波数の温度特性(温度係数)が±50ppm/℃
以下になるような誘電体材料が好ましい。このような誘
電体材料としては、例えば、コージェライト系ガラス粉
末とTiO2 粉末およびNd2 Ti2 7 粉末との混合
物等のガラス系のものや、BaO−TiO2 −Re2
3 −Bi2 3 系組成(Re:レアアース成分)に若干
のガラス形成成分やガラス粉末を添加したもの、酸化バ
リウム−酸化チタン−酸化ネオジウム系誘電体磁気組成
物粉末に若干のガラス粉末を添加したものがある。
【0041】一例として、MgO:18wt%−Al2
3 :37wt%−SiO2 :37wt%−B2 3
5wt%−TiO2 :3wt%なる組成のガラス粉末の
73wt%と、市販のTiO2 粉末の17wt%と、N
2 Ti2 7 粉末の10wt%を充分に混合し、混合
粉末を得た。なお、Nd2 Ti2 7 粉末は、Nd2
3 粉末とTiO2 粉末を1200℃で仮焼した後、粉砕
して得たものを使用した。次いで、この混合粉末に、ア
クリル系有機バインダー、可塑剤、トルエンおよびアル
コール系の溶剤を加え、アルミナ玉石で充分に混合して
スラリーとした。そして、このスラリーを用いて、ドク
ターブレード法により、0.2mm〜0.5mmの厚み
のグリーンテープを作成した。
【0042】次に、上記第1の実施例の場合は、銀ペー
ストを導体ペーストとして図1に示した導体パターンを
それぞれ印刷し、次いで、これら導体パターンが印刷さ
れたグリーンテープの厚みを調整するため必要なグリー
ンテープを重ねて図1の構造となるように重ね、積層し
た後、900℃で焼成して、積層体500を作成した。
【0043】上記のように構成した積層体500の上
面、下面および入力端子部61、出力端子部62を除く
側面に図2に示すように銀電極からなるアース電極70
を印刷し、さらにアース電極70から絶縁し、かつ入力
用電極41、出力用電極42に各別に接続する銀電極を
入力端子部61、出力端子部62内に入力端子51、出
力端子52として印刷し、印刷した電極を850℃で焼
きつけた。
【0044】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
図9は本実施例の模式展開図である。
【0045】第1の実施例においては、共振素子が2個
の場合を例示したが、本実施例においては、共振素子2
2を共振素子21と23との間の誘電体層12上に形成
して共振素子を3個とした点が第1の実施例と異なるが
他の構成は第1の実施例と同様である。なお、共振素子
22の開放端側の部分220の導体幅を短絡端側の導体
幅よりも広くしている点や共振素子の開放端側の部分2
20から所定の間隔離れて共振素子の開放端側の部分2
20と対向するするとともにアース電極70に接続され
る電極32を誘電体層12上に形成している点も第1の
実施例と同様であり、また、製造方法も同様である。
【0046】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
図10は本実施例の模式展開図であり、図11は本実施
例の斜視図である。
【0047】図10に示すように、誘電体層401の左
側面上に形成される入力端子51と後記する入力用容量
パターン511とを接続するビアホール512を誘電体
層401を貫通して形成する。
【0048】誘電体層402の右側面上には、後記する
入力端側の共振素子21の一部に誘電体層403を挟ん
で重なる入力用容量パターン511と、後記する共振素
子21の開放端側の部分210に誘電体層403を挟ん
で重なり端部が後記するアース電極70と接続される内
層アース電極481とを形成する。なお、誘電体層40
2を貫通して入力端子51と後記する入力用容量パター
ン511とを接続するビアホール512も形成されてい
る。
【0049】後記するアース電極70に一端部が接続さ
れて1/4波長型ストリップライン共振器を構成する共
振素子21を誘電体層403の右側面上に形成する。共
振素子21の開放端側の部分210の導体幅を短絡端側
の導体幅よりも広くしている。共振素子21が入力端側
の共振素子である。
【0050】誘電体層404の右側面上には、入力端側
の共振素子21の開放端側の部分210に誘電体層40
4を挟んで重なり端部が後記するアース電極70と接続
される内層アース電極482を形成する。
【0051】誘電体層405の右側面上には、出力端側
の共振素子23の開放端側の部分230に誘電体層40
6を挟んで重なり端部が後記するアース電極70と接続
される内層アース電極483を形成する。
【0052】後記するアース電極70に一端部が接続さ
れて1/4波長型ストリップライン共振器を構成する共
振素子23を誘電体層406の右側面上に形成する。共
振素子23の開放端側の部分230の導体幅を短絡端側
の導体幅よりも広くしている。共振素子23が出力端側
の共振素子である。
【0053】誘電体層407の右側面上には、出力端側
の共振素子23の一部に誘電体層407を挟んで重なる
出力用容量パターン521と、共振素子23の開放端側
の部分230に誘電体層407を挟んで重なり端部が後
記するアース電極70と接続される内層アース電極48
4とを形成する。
【0054】誘電体層408を貫通して後記する誘電体
層409の右側面上に形成される入力端子51と出力用
容量パターン521とを接続するビアホール522を形
成する。
【0055】誘電体層408の右側面上に、右側面にア
ース電極70および出力端子521が形成される誘電体
層409を積層し、誘電体層401〜409を一体に構
成して積層体500を形成する。なお、誘電体層409
を貫通して出力用電極52と出力用容量パターン521
を接続するビアホール522を形成する。
【0056】図11に示すように、積層体500の上
面、入力端子部61および出力端子部62を除く側面に
アース電極70を形成する。さらに積層体500の側面
の入力端子部61内に、アース電極70と電気的に絶縁
され、かつ入力用容量パターン511とビアホール51
2を介して接続される入力端子51を形成する。また同
様に、積層体500の側面の出力端子部62内に、アー
ス電極70および入力端子51と電気的に絶縁され、か
つ出力用容量パターン521とビアホール522を介し
て接続される出力端子52を形成する。
【0057】以上のように構成した本実施例において、
共振素子21、23、内層アース電極481〜484の
空間的な構成を図10のX−X線断面図で示せば図12
に示すようになる。
【0058】共振素子21の開放端側の部分210と内
層アース電極481、482との間には静電容量44
1、442がそれぞれ形成され、共振素子23の開放端
側の部分230と内層アース電極483、484との間
には静電容量445、446がそれぞれ形成されてい
る。
【0059】上記のようにして構成された積層型誘電体
フィルタの等価回路は図13のようになり、バンドパス
特性を示す。なお、符号111は共振素子21と入力用
容量パターン511間の静電容量であり、符号112は
共振素子23と出力用容量パターン521間の静電容量
である。
【0060】また、本実施例においても、内層アース電
極481〜484を設けることにより形成される静電容
量441、442、445、446がそれぞれ共振素子
21、23とアースとの間に付加されることになる。従
って、図13に示す並列共振回路の静電容量は共振素子
21、23を等価交換したときの静電容量211、23
1と、これらの付加された静電容量との和からなる合成
静電容量となって、共振周波数を同一とすれば、並列共
振回路のインダクタンスはより小さくて済むことにな
る。従って、共振素子21、23の長さもより短くな
り、積層型誘電体フィルタの全体の長さも短くなる。そ
して、本実施例においても、共振素子21、23の開放
端側の部分210、230の導体幅を短絡端側の部分の
導体幅よりも広くしているから、共振素子の開放端側の
導体幅が短絡端側の導体幅と同じ場合に比べて共振素子
21、23の開放端側と内層アース電極481〜484
との間にそれぞれ形成される静電容量441、442、
445、446の容量値はより大きくなる。そしてこの
静電容量441、442、445、446も共振素子を
等価変換したときの並列共振回路の静電容量211、2
31にそれぞれ付加されることになるから、並列共振回
路のインダクタンス212、232はより小さくて済む
ことになり、その結果、共振素子の開放端側の導体幅が
短絡端側の導体幅と同じ場合に比べて共振素子の長さも
より短くなり、積層型誘電体フィルタ全体の長さもより
短くなる。
【0061】また、本実施例において内層アース電極4
81〜484を部分的に共振素子21、23の開放端側
に対向するように追加したことにより、共振素子21、
23の開放端側であって、内層アース電極481〜48
4と重なった部分は、アース電極によって隣り合う共振
器からシールドされるため、この重なった部分での共振
素子間の結合はない。従って、共振素子21、23同士
の結合は内層アース電極481〜484と重ならない部
分で結合するようになる。このことは、共振素子21、
23の結合電気長θが、実質的には内層アース電極48
1〜484と重ならない部分の長さと等しく、すなわち
短くなることを意味し、その結果上述のように共振素子
21、23同士がより強く結合するようになり、フィル
タ特性の広帯域化が図られるようになる。
【0062】また、本実施例において、入力用容量パタ
ーン511および出力用容量パターン521を積層体5
00の内部に設けているのは次の理由による。すなわ
ち、両端の共振素子21、23とアース電極70との間
の誘電体層が薄いと、フィルタのQが低下して、フィル
タの挿入損失が増加するから、両端の共振素子21、2
3とアース電極70との距離はある程度大きくする必要
がある。そして、このような状態で、入力端子51、出
力端子52を積層体500の表面にのみ設けた構造とす
ると、入力端子51、出力端子52と両端の共振素子2
1、23との距離が大きくなり、これらの間に形成され
る静電容量の容量値が小さくなり、リップルが大きくな
ってしまう。そこで、入力用容量パターン511、出力
用容量パターン521を積層体500の内部に設け、こ
れらの容量パターンと両端の共振素子21、23との距
離を小さくすることによって、これらの間に形成される
静電容量の容量値を大きくすることができ、リップルを
小さくすることができる。
【0063】また、本実施例において、積層体500の
表面に入力端子51、出力端子52を設けているのは、
実装時に半田がこれらの入力端子51、出力端子52に
沿って這い上がり、フィルタの実装がより確実なものと
なるからである。
【0064】なお、本実施例においては、入力用容量パ
ターン511および出力用容量パターン521と入力端
子51および出力端子52とをそれぞれビアホール51
2、522を介して接続しているから、入力用容量パタ
ーン511および出力用容量パターン521と入力端子
51および出力端子52とをそれぞれ接続するための接
続用端子を積層体500の下面に設ける必要がなくな
る。その結果、フィルタを実装基板上に実装したときに
これらの接続用端子が実装基板と接触することによりフ
ィルタの特性に影響を与えるという問題を解決でき、安
定したフィルタ特性を得ることができるようになる。
【0065】次に、本実施例の積層型誘電体フィルタの
製造方法について説明する。本実施例においても、第1
の実施例において使用したグリーンシートを用い、銀ペ
ーストを導体ペーストとして図10に示した導体パター
ンをそれぞれ印刷し、次いで、これらに導体パターンが
印刷されたグリーンシートの厚みを調整するために必要
なグリーンシートを重ねて図10の構造となるように積
層した後、900℃で焼成して、積層体500を作成し
た。
【0066】上記のように構成した積層体500上面、
入力端子部61、出力端子部62を除く側面に図11に
示すように銀電極からなるアース電極70を印刷し、さ
らにアース電極70から電気的に絶縁し、かつ入力用容
量パターン511、出力用容量パターン521にビアホ
ール512、522をそれぞれ介して接続する銀電極を
入力端子部61、出力端子部62内に、入力端子51、
出力端子52としてそれぞれ印刷し、印刷した電極を8
50℃で焼きつけて、本実施例の積層型誘電体フィルタ
を製造した。
【0067】次に、本発明の第4の実施例を説明する。
図14は本実施例の模式展開図である。
【0068】第3の実施例においては、共振素子が2個
の場合を例示したが、本実施例においては、共振素子2
2を共振素子21と23との間の誘電体層411の右側
面上に形成して共振素子を3個とした点および誘電体層
411の両側の誘電体層410の右側面上および誘電体
層412の右側面上に共振素子22の開放端側の部分2
20に誘電体層411、412をそれぞれ挟んで重なり
端部が後記するアース電極70と接続される内層アース
電極485、486をそれぞれ形成した点が第3の実施
例と異なるが他の構成は第3の実施例と同様である。な
お、共振素子22の開放端側の部分220の導体幅を短
絡端側の導体幅よりも広くしている点も第3の実施例と
同様であり、また、製造方法も同様である。
【0069】次に、本発明の第5の実施例を説明する。
図15は本実施例の模式展開図であり、図16は本実施
例の斜視図であり、図17は本実施例の底面図である。
【0070】第3の実施例においては、入力用容量パタ
ーン511と入力端子51および出力用容量パターン5
21と出力端子52とをそれぞれビアホール512、5
22によって接続したが、本実施例においては、入力用
容量パターン513と入力端子51とを誘電体層501
の右側面上に設けた入力用接続端子514および積層体
500の底面に設けた入力用接続端子515によって接
続し、出力用容量パターン523と出力端子52とを誘
電体層506の右側面上に設けた出力用接続端子524
および積層体500の底面に設けた出力用接続端子52
5によって接続した点が第3の実施例と異なるが他の構
成は第3の実施例と同様である。なお、誘電体層502
の右側面上の共振素子21の開放端側の部分210の導
体幅を短絡端側の導体幅よりも広くしている点、誘電体
層505の右側面上の共振素子23の開放端側の部分2
30の導体幅を短絡端側の導体幅よりも広くしている
点、さらに、誘電体層501、503、504、506
の右側面上にも共振素子21、23の開放端側の部分2
10、230に対向して内層アース電極581〜584
を設けている点も第3の実施例と同様であり、また、製
造方法も同様である。
【0071】本実施例においても、内層アース電極58
1〜584を設けることにより積層型誘電体フィルタの
長さも短くなり、そして、さらに、共振素子21、23
の開放端側の部分210、230の導体幅を短絡端側の
部分の導体幅よりも広くしているから、共振素子の開放
端側の導体幅が短絡端側の導体幅と同じ場合に比べて共
振素子の長さもより短くなり、積層型誘電体フィルタ全
体の長さもより短くなる。
【0072】また、本実施例においても内層アース電極
581〜584を部分的に共振素子21、23の開放端
側に対向するように追加したことにより、共振素子2
1、23同士がより強く結合するようになり、フィルタ
特性の広帯域化が図られるようになる。
【0073】また、本実施例においても、入力用容量パ
ターン513および出力用容量パターン523を積層体
500の内部に設けることによりリップルを小さくする
ことができる。
【0074】また、本実施例においても、積層体500
の表面に入力端子51、出力端子52を設けることによ
り、実装時に半田がこれらの入力端子51、出力端子5
2に沿って這い上がり、フィルタの実装がより確実なも
のとなる。
【0075】
【発明の効果】本発明においては、共振素子の開放端側
と対向して誘電体層内に内層アース電極を設けるととも
に共振素子の開放端側の導体幅を短絡端側の導体幅より
も広くしているから、共振素子の開放端側の導体幅が短
絡端側の導体幅と同じ場合に比べて共振素子の開放端側
と内層アースとの間に形成される静電容量の容量値はよ
り大きくなる。そしてこの共振素子の開放端側と内層ア
ースとの間に形成される静電容量も共振素子を等価変換
したときの並列共振回路の静電容量に付加されることに
なるから、共振周波数を同一とすれば、並列共振回路の
インダクタンスは小さくて済むことになり、その結果、
共振素子の長さもより短くなり、積層型誘電体フィルタ
全体の長さも短くなる。
【0076】また、内層アース電極と対向している共振
素子の開放端側の部分はよりアースに近くなり、アース
との結合が強くなるから、内層アース電極と対向してい
る開放端側の部分の共振素子同士の結合が弱くなる。従
って、共振素子同士の結合は内層アース電極と重ならな
い部分で主として結合するようになる。このことは、実
質的に共振素子の結合電気長が短くなったことを意味す
る。このように結合電気長が短くなると、共振素子同士
を結合する分布定数素子のリアクタンスも小さくなり、
共振素子同士が強く結合するようになり、フィルタの特
性が広帯域化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の模式展開図である。
【図2】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例の主要部の平面図であ
る。
【図4】図3のX−X線断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の等価回路図である。
【図6】コムライン型の共振素子を説明するための図で
ある。
【図7】図6の配線の等価回路図である。
【図8】図7の等価回路図における分布定数素子323
のインピーダンスのリアクタンスと電気長との関係を示
す図である。
【図9】本発明の第2の実施例の積層型誘電体フィルタ
の模式展開図である。
【図10】本発明の第3の実施例の積層型誘電体フィル
タの模式展開図である。
【図11】本発明の第3の実施例の積層型誘電体フィル
タの斜視図である。
【図12】図10のX−X線断面図である。
【図13】本発明の第3の実施例の積層型誘電体フィル
タの等価回路図である。
【図14】本発明の第4の実施例の積層型誘電体フィル
タの模式展開図である。
【図15】本発明の第5の実施例の積層型誘電体フィル
タの模式展開図である。
【図16】本発明の第5の実施例の積層型誘電体フィル
タの斜視図である。
【図17】本発明の第5の実施例の積層型誘電体フィル
タの底面図である。
【図18】本発明者らが案出した従来の積層型誘電体フ
ィルタの模式展開図である。
【図19】本発明者らが案出した従来の積層型誘電体フ
ィルタの斜視図である。
【図20】本発明者らが案出した従来の積層型誘電体フ
ィルタの等価回路図である。
【符号の説明】 21、22、23…共振素子 210、220、230…共振素子の開放端側の部分 81、82、481〜486…内層アース電極 11〜15、401〜412…誘電体層 51…入力端子 52…出力端子 511、513…入力用容量パターン 521、523…出力用容量パターン 512、522…ビアホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−95202(JP,A) 特開 平3−145803(JP,A) 特開 平4−72804(JP,A) 実開 平3−92803(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のアース電極と、第2のアース電極
    と、前記第1のアース電極と前記第2のアース電極との
    間に設けられた複数の誘電体層からなる誘電体基板と、
    前記誘電体基板内に設けられた複数の片側短絡型の共振
    素子とを有する積層型誘電体フィルタにおいて、前記誘電体基板に内装され、前記複数の共振素子のう
    ち、入力端側の共振素子と電気的に接続される入力用電
    極と、 前記誘電体基板に内装され、前記複数の共振素子のう
    ち、出力端側の共振素子と電気的に接続される出力用電
    極と、 前記誘電体基板を構成する前記複数の誘電体層のうち、
    前記複数の共振素子の形成面と異なる平面上に設けら
    れ、前記複数の共振素子の開放端に対向し、かつ、これ
    ら開放端を平面的に含む内層アース電極を有し、 前記複数の共振素子の開放端側の導体幅が短絡端側の導
    体幅よりも広くされ、前記複数の共振素子の開放端側に
    おける導体幅が広くなっている部分の全部が前記内層ア
    ース電極と平面的に重なっていることを特徴とする積層
    型誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の積層型誘電体フィルタにお
    いて、 前記複数の共振素子が同一平面上に形成されていること
    を特徴とする積層型誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 第1のアース電極と、第2のアース電極
    と、前記第1のアース電極と前記第2のアース電極との
    間に設けられた複数の誘電体層からなる誘電体基板と、
    前記誘電体基板内に設けられた複数の片側短絡型の共振
    素子とを有する積層型誘電体フィルタにおいて、 前記複数の共振素子が前記複数の誘電体層にそれぞれ個
    別に形成され、 前記誘電体基板に内装され、前記複数の共振素子のう
    ち、入力端側の共振素子と電気的に接続される入力用電
    極と、 前記誘電体基板に内装され、前記複数の共振素子のう
    ち、出力端側の共振素子と電気的に接続される出力用電
    極と、 前記誘電体基板を構成する前記複数の誘電体層のうち、
    前記複数の共振素子の形成面と異なる平面上に設けら
    れ、前記複数の共振素子の開放端に対向し、かつ、これ
    ら開放端を平面的に含む内層アース電極とを有し、 前記複数の共振素子の開放端側の導体幅が短絡端側の導
    体幅よりも広くされ、 前記複数の共振素子の開放端側における導体幅が広くな
    っている部分の全部が前記内層アース電極と平面的に重
    なっていることを特徴とする積層型誘電体フィルタ。
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