JPH0612044B2 - 回転式流体機械 - Google Patents

回転式流体機械

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JPH0612044B2
JPH0612044B2 JP60228413A JP22841385A JPH0612044B2 JP H0612044 B2 JPH0612044 B2 JP H0612044B2 JP 60228413 A JP60228413 A JP 60228413A JP 22841385 A JP22841385 A JP 22841385A JP H0612044 B2 JPH0612044 B2 JP H0612044B2
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JP
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curve
radius
point
bodies
revolution
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隆久 平野
憲明 松村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C1/00Rotary-piston machines or engines
    • F01C1/02Rotary-piston machines or engines of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F01C1/0207Rotary-piston machines or engines of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F01C1/0246Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は回転式流体機械に関する。
〔従来の技術〕 例えば、公知のスクロール型圧縮機は、第8図作動原理
図に示すように、同一形状の2つのうずまき体の一方2
を略中央に吐出口4を有するシール端板に固定し、両者
を、相対的に180゜回転させ、かつこの両者のうずま
き体が51,52及び51′,52′の4点で互いに接
触するように、距離2ρ(=うずまきのピッチ−2×う
ずまきの板厚)だけ相対的にずらして、互いに重ね合
せ、一方のうずまき体2を静止し、他方のうずまき体1
をクランク半径ρを有するクランク機構にて、一方のう
ずまき体2の中心Oの周りに自転を行なうことなく半径
ρ=OO′で公転運動をなすように構成される。
そうすると、2つのうずまき体1,2間には、両うずま
き体が当接する点51,52及び点51′,52′間に
密閉された小室3,3が形成され、密閉小室3,3の容
積がうずまき体1の公転に伴い徐々に変化する。
すなわち、同図(1)の状態からうずまき体1をまず90
゜公転させると、同図(2)となり、180゜公転させる
と同図(3)に、270゜公転させると同図(4)となり、こ
の間、小室3の容積は徐々に減少し、同図(4)では2つ
の小室3,3は連通して小室53となり、同図(4)の状
態から更に90゜公転すると、同図(1)となり、小室5
3の容積は同図(2)より同図(3)へとその容積を減少し、
同図(3)と同図(4)の間で最小の容積となり、この間、同
図(2)で開きはじめた外側空間が同図(3),同図(4)から
同図(1)に移り、新たな気体を取りこんで密閉小室を形
成し、以後これをくりかえし、うずまき体外側空間より
取りこまれた気体が圧縮され吐出口4より吐出される。
上記は、スクロール型圧縮機の作動原理であるが、スク
ロール型圧縮機は具体的には、第9図縦断面図に示すよ
うに、ハウジング10はフロントエンドプレート11,
リヤエンドプレート12,シリンダープレート13より
なり、リヤエンドプレート12に吸入口14,吐出口1
5を突設するとゝもに、うずまき体252および円板2
51よりなる静止スクロール部材25を固定し、フロン
トエンドプレート11にクランクピン23を有する主軸
17を枢着し、クランクピン23に、第10図(第9図
のX−X断面図)に示すように、ラジアルニードル軸受
26,公転スクロール部材24のボス243,角筒部材
271,摺動体291,リング部材292,回り止め2
93等よりなる公転機構を介して、うずまき体242お
よび円板241よりなる公転スクロール部材24が付設
されている。
この種のスクロール型圧縮機のうずまき体1,2の形状
を決めるものとしては、本発明者らがさきに提案した特
願昭56−197672号(以下提案Iという),特願昭57−20
6088号(以下提案IIという),特願昭59−111658号(以
下提案IIIという),特願昭59−105971号(以下提案IV
という)等がある。
こゝで、Iは、スクロールのうずまき体の基本形状を与
えるもの、IIはいわゆるトップクリアランスボリューム
を零にするもの、IIIはうずまき体内方部先端の破損防
止あるいは摩耗の低減のための改良形状であり、IVは特
にうずまき体の強度向上を目的としたものである。
いずれのうずまき体も、前記提案Iに詳細に述べたよう
に、うずまき体の外側及び内側の曲線の大部分をインボ
リュート曲線で構成することができるのであるが、作動
原理で述べたように、小室53は漸時その容積を減少
し、これにより吐出ポートから高圧の流体が吐出される
際、うずまき体には厚さがあるため小室の容積は零とは
ならず、いわゆるトップクリアランス容積を残す現象が
存在する。
すなわち、第11図中心部拡大図に示すように、同図
(1)は第8図(3)に対応し、2つのうずまき体1,2の2
つの当接点52,52′間に形成された小室53は、更
に公転すると同図(2)のようになり、こゝで小室53の
容積は最小となり、更にうずまき体1を公転させると、
2つのうずまき体1,2は離れ、当接点52,52′は
なくなり、2つのうずまき体1,2間で形成されていた
小室53は各々のうずまき体外側に形成されている小室
3,3に連通する。
このため、同図(2)で表わされる小室の最小容積中の高
圧流体は、吐出ポート4より外部へ吐出されることな
く、再度小室3,3に連通されてしまい、このトップク
リアランス容積の流体に対してなされた圧縮機の仕事は
そのまゝ損失となるのである。
また、うずまき体1,2の中央部先端はそれぞれシャー
プエッジとなっているので、運転中にこの部分が破損す
ることがあり、さらにこの先端部分の機械加工に工数が
かゝっている。
そこで、本発明者等はこの点を解決するために、さきに
前記提案IIとして、第12図正面図に示すようなうずま
き体を具えた回転式流体機械を提案した。
すなわち、同図において、501は固定側うずまき体、
601及び602はそれぞれうずまき体501の外側曲
線及び内側曲線で、外側曲線601は基円半径b,始点
Aのインボリュート曲線、内側曲線602のEF間は外
側曲線601と角度 だけ位相をずらせたインボリュート曲線、DE間は半径
Rの円弧とし、外側曲線601と内側曲線602を接続
する接続曲線603は半径rの円弧とし、点Aは外側曲
線601のインボリュート始点、点Bは外側曲線601
と接続曲線603の境界点で、両曲線はこの点でそれぞ
れの接線を等しくする、点Cは外側曲線601の十分外
方の点、点Dは内側曲線602と接続曲線603の境界
点で、こゝで半径R及びrの2つの円弧は接する、点E
は内側曲線602の円弧(DE間)とインボリュート曲
線EFの境界点で、こゝで両曲線はそれぞれの接線を等
しくする、点Fは内側曲線602の十分外方の点であ
る。
他方の公転側うずまき体502も同様である。
こゝで、半径R,rは下記式で表わされる。
R=ρ+bβ+d…………………(1) r=bβ+d………………………(2) たゞし、ρ:公転半径 b:基円半径 β=パラメーター である。
パラメーターβは原点0を通る直線と負のX軸がなす角
に等しく、原点0を通り、角βの直線と基円との2つの
交点は直線EO及び直線BO上に存在し、直線EO
及び直線BOは上記交点にて基円に接している。
次に、第13図において、502は公転側うずまき体、
552,552′はそれぞれ両うずまき体の当接点、5
53は当接点552,552′にて形成される小室、5
03,503はそれぞれ外方の小室で同図(1)は、第1
1図(1)に、同図(2)は、第11図(2)に、それぞれ対応
し、また同図(3),(4),(5)は同図(2)よりうずまき体5
02を更に公転させた場合をそれぞれ示す。
この提案では両うずまき体501,502が相対的に第
13図(1),(2),(3),(4),(5)の順に、公転を行う
と、当接点552,552′で形成される小室553の
容積が減少し、同図(5)で当接点552と552′が同
一点となり、これにより小室553の容積が零となる。
このため、従来存在したいわゆるトップクリアランスボ
リュームは零となるから、これより圧縮された流体は吐
出ポート(図示せず)より外部へすべて吐出され、圧縮
機が流体に加えた仕事は、すべて流体に与えられ、従来
存在した損失はなくなる。
上記実施例においては、説明の便宜上、吐出ポートの大
きさを無視したが、実際には小室553が形成される適
当な位置に吐出ポートを形成する必要があるので、これ
により、若干のトップクリアランスボリュームが生ずる
が、従来のものに比べこの量ははるかに小さく実質的に
零とみなすことができる。
うずまき体501,502のそれぞれ中央部の先端形状
は、第12図に示したように、円弧の接続曲線603と
したことにより、シャープエッジはなくなり、機械の運
転中にこの部分が破損することはなく、また内側曲線6
02のDE間および接続曲線603をそれぞれ円弧とし
たことによりうずまき体の加工が容易となる。
上記提案によれば、大きな効果が得られるのであるが、
その反面下記のような不都合を生ずる場合もある。
すなわち、両うずまき体にある程度の加工誤差が生じた
り、あるいは両うずまき体の相対的位置関係が正しく組
立てられていない場合等には、両うずまき体に異常な力
が発生し、例えば、スクロール型圧縮機の場合、特に低
圧側圧力と高圧側圧力との差が大きい高負荷運転時等
に、上記の異常な力は更に大きくなるため、第12図の
うずまき体の先端部半径rの円弧付近の剛性が相対的に
小さく、この部分が破損することがある。
また、両うずまき体が接触するように設計された機械に
おいては、内方部での両うずまき体の相対すべり率が外
方に比べはるかに大きいため、内方部ほどうずまき体が
摩耗するものであるが、高負荷運転時には、この摩耗量
が許容限界を超え摩耗粉が圧縮機内あるいは装置内に充
満し、不都合を生ずる。
両うずまき体が非接触となるように設計された機械にお
いても、うずまき体のある程度の加工誤差あるいは両う
ずまき体が正しく組立てられていない場合には、この部
分で摩耗が生じ、同様の不具合を発生する。
前記提案はこのような事情に鑑みて提案されたもので、
加工誤差,組立誤差がある場合にもうずまき体が損傷し
たり、異常摩耗することを防止する高性能の回転式流体
機械を提供することを目的とし、それぞれ実質的に同一
形状のうずまき体よりなる静止側うずまき体及び公転側
うずまき体を180゜回して噛み合せ、公転側うずまき
体を静止側うずまき体に対し公転半径ρで公転するよう
にしたものにおいて、両うずまき体をそれぞれインボリ
ュート曲線よりなる外側曲線と、内方に半径Rの円弧を
有するインボリュート曲線よりなる内側曲線と、上記外
側曲線と上記半径Rの円弧とを滑かに接続する半径rの
円弧を有する接続曲線とで形成するとゝもに、パラメー
タβで決まるインボリュート曲線成立限界点間の内側曲
線及び接続曲線の一部又は全部を当接から離すように両
うずまき体間に僅小のすきまを与えたこと(たゞし、 b:インボリュート曲線の基円半径)を特徴とする。
その一実施例を図面について説明すると、第14図正面
図において、第12図と同一の符号はそれぞれ同図と同
一の部材,寸度を示し、701は固定側うずまき体、7
11,712はそれぞれうずまき体701の外側曲線及
び内側曲線である。
外側曲線711は基円半径b,始点Aのインボリュート
曲線、内側曲線712EF間は外側曲線711と角度 だけ位相をずらせたインボリュート曲線、EI間はエン
ドミルカッターの径と同一の半径Rcの円弧IG間は中
心Oの半径Rの円弧とし、外側曲線711と内側曲線
712との間を接続する接続曲線713は半径rの円弧
とする。
こゝで、内側曲線712のEIG間は、第12図の内側
曲線602より、外側曲線711に若干近づけるように
すきま△Cだけ引込めて構成し、説明の便宜上すきま△
Cは大きく図示されているが、実際はわずかな量とす
る。
点Bは外側曲線711と接続曲線713の境界点で、そ
れぞれの接線を等しくし、点Bより外方(C側)ではイ
ンボリュート曲線、点Bより内方(G側)では円弧とす
る。
点Aは外側曲線711のインボリュート始点、点Cは外
側曲線711の十分外方の任意点、点Fは内側曲線71
2の十分外方の任意点、点Gは内側曲線712の半径R
の円弧と接続曲線713の交点で、半径rの円弧上でD
B間の任意の位置に設ける。
公転側うずまき体も同様の構成とする。
こゝで、 R=ρ+bβ+d r=bβ+d ρ:公転半径 b:基円半径 β:パラメーターで、原点0を通りX軸と角度βの直線
と直線EO,BO直線はそれぞれ直交し、EO
BOは平行である。
本実施例が第12図のものと異なる点は、内側曲線71
2のEIGの構成と接続曲線713のBGの長さの両者
に在り、破線は同図と差異を示す。
このようなうずまき体においては、両うずまき体を噛み
合せると、固定側うずまき体701の内側曲線上の十分
外方の任意のインボリュート曲線上の点Fとこれに対応
する公転側うずまき体(図示せず)の外側曲線のインボ
リュート対応点が当接し、公転側うずまき体の公転に伴
い、当接点は徐々に内方に移動し、固定側うずまき体7
01の内側曲線712上の点Eと公転側うずまき体の外
側曲線上の対応点(これは、固定側うずまき体701の
点Bと同一点)まで当接し、これ以後公転が進むと、両
うずまき体は、曲線602のEDGと曲線712のEI
G間のすきま△Cだけ離れて運転されることゝなる。
そこで、両うずまき体間の内方部での当接は、点E(他
方のうずまき体の点Bと当接)まで生じ、これ以降△C
だけのわずかなすきまがあくので、下記の効果が奏せら
れる。
(1)うずまき体にある程度の加工誤差があっても、ある
いは両うずまき体が正しく組付けられていなくても、う
ずまき体内方先端部近傍が異常に当接することはなくな
り、高負荷運転時特に相対的に剛性の低い半径rの円弧
部分の破損が防止される。
(2)また、内方部で異常に当接することはなくなるの
で、両うずまき体の相対すべり率が高い内方部で異常に
うずまき体が摩耗するという不都合は解消される。
(3)すきま△Cはわずかであるから、前記提案IIの思想
は損われることなく実質的に実現され、良好な効率を有
する機械を提供することが可能である。
(4)うずまき体の加工においては、EI間をエンドミル
カッター径と同一の半径Rcであること、IG間は半径
Rの円弧であることにより、非常にスムーズに加工でき
る。
さらに、前記提案IVでは、うずまき体の内方先端部の損
傷を防止する目的で、前記式にて決定されるうずまき体
の形状にパラメーターβの制限を与え、これにより、う
ずまき体の内方先端部の損傷を防止し、外径を大とする
ことなく、うずまき体の高さを大きくすることにより大
容量化を図っている。
しかしながら、上述の形状のうずまき体において、特に
その強度を向上するためにうずまき体内方中央部の厚さ
を増大していくと次のような不都合を生ずる場合があ
る。
すなわち、第15図は前記提案III,IVによるうずまき
体を示し、まず同図(1)では公転角をθとすると、θ=
θで公転側うずまき体1000が吐出ポート1002
に若干かかっているが、また吐出は行われず、同図(2)
では、θ=θとなり、両うずまき体は第12図及び第
14図に示したE点にて噛み合っており、これ以後、両
うずまき体間にはわずかなスキマが形成され、同図(3)
ではθ=θの公転位置で、公転側うずまき体1000
の背側曲線(第14図711に相当)が吐出ポート1002
にかかり、ここより、流体の吐出が行われ、同図(4)で
はθ=θとなり公転側うずまき体1000の先端が吐
出ポート1002の一部を塞ぐ状態で流体の吐出が行わ
れる。
その際の両うずまき体の関係位置に対する小室の圧力変
化は第16図に示すように、θ=θ(第15図(1))
では、小室1003A,1003Bはそれぞれ独立して圧縮を行
っており、θ=θで両うずまき体が点E(第12図,
14図)にて離れ始めるので、小室1003A,1003B及び
小室1004が連通を開始するが、両うずまき体のスキ
マが小さいため、そのまま圧縮を行い、θ=θで吐出
し側圧力と小室内圧力が等しくなり、小室から吐出ポー
トを通って液体の吐出が開始され、θ=θでは引続き
吐出が行われるが、公転側うずまき体が吐出ポートの一
部を塞いでいるため、小室内圧力は、吐出側圧力を超え
ハッチングで示すように、いわゆる吐出圧力損失を発生
し、この吐出圧力損失はうずまき体の強度を上げるため
うずまき体先端の厚さを大とすると、すなわちパラメー
ターβを大とすると大きくなり、機械の性能の低下を惹
起する。
吐出圧力損失の低減に関しては、本出願人の出願に係る
実願昭58−199147の提案があるが、これは小室1003A
と小室1004との間の圧力損失の改善であり、公転側うず
まき体が吐出ポートを塞く形状のうずまき体に係るもの
とは異なる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はこのような事情に鑑みて提案されたもので、吐
出力損失の大巾な減少を図る高性能の回転式流体機械を
提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そのために本発明は、それぞれ実質的に同一形状のうず
まき体よりなる静止側うずまき体及び公転側うずまき体
を互いに180゜回して噛み合せ公転側うずまき体を静
止側うずまき体に対し公転半径ρで公転するようにした
ものにおいて、両うずまき体をそれぞれインボリュート
曲線よりなる外側曲線と、内方に半径Rの円弧を有する
インボリュート曲線よりなる内側曲線と、上記外側曲線
と上記半径Rの円弧とを滑かに接続する半径rの円弧を
有する接続曲線とで形成するとゝもに、パラメーターβ
で決まるインボリュート曲線成立限界点間の内側曲線及
び接続曲線に少なくともその一部分を外側曲線寄りにず
らせた逃げ部を与えたこと、(ただし、 b:インボリュート曲線の基円半径)を特徴とする。
〔作 用〕
このような構成により、吐出圧力損失の大巾な減少を図
る高性能の回転式流体機械を得ることができる。
〔実施例〕
本発明をスクロール型圧縮機に適用した一実施例を図面
について説明すると、第1図はその固定側うずまき体を
示す部分正面図、第2図は第1図の固定側うずまき体の
中央部を示す斜視図、第3図は第1図のうずまき体を有
するスクロール型圧縮機の作動説明図、第4図は第3図
における公転側うずまき体の公転位置と小室圧力との関
係を示す線図、第5図、第6図、第7図はそれぞれ第1
図の変形例を示す同じく部分正面図である。
上図において、第12図,第14図と同一の記号はそれ
ぞれ第12図,第14図と同一の部材を示し、1101
は固定側うずまき体、1111,1112はそれぞれ固定側うず
まき体の外側曲線,内側曲線で、外側曲線1111は基円半
径b,始点Aのインボリュート曲線、内側曲線1112のE
F間は、外側曲線1111と角度 だけ位相をずらせたインボリュート曲線、EI間はエン
ドミルカッターと同一半径Rcの円弧、IH及びGJ間
は中心Oの半径Rの円弧、1113は外側曲線1111と内側
曲線1112の間を接続する半径rの円弧よりなる接続曲
線、1200は吐出ポートである。
こゝで、内側曲線1112のEIH及びGJ間は、第14図
の内側曲線712と同じく、第12図の内側曲線602
より外側曲線1111に若干近づけるように△Cだけ引込め
て構成し、説明の便宜上すきま△Cは大きく図示してあ
るが、実際はわずかな量とする。
また、内側曲線1112のHJ間は、第14図の内側曲線71
2より外側曲線1111に更に近づけるように構成し、
以下この内側曲線HJ間を逃げ部と呼び、同図では、逃
げ部の大きさすなわち1112と712間の大きさは、判り
易くするため大きく示してあるが、適宜決めれば良い。
点Bは外側曲線1111と接続曲線1113の境界点で、それぞ
れの接線を等しくし、点Bより外方(C側)ではインボ
リュート曲線、点Bより内方(G側)では円弧とする。
点Aは外側曲線1111のインボリュート始点、点Cは外側
曲線1111の十分外方の任意点、点Fは内側曲線112の
十分外方の任意点、点Gは内側曲線712の半径Rの円
弧と接続曲線1113の交点で、半径rの円弧DB上の任意
の位置に設ける。
公転側うずまき体も同様の構成とする。
こゝで、 R=ρ+bβ+d r=bβ+d ρ:公転半径 b:基円半径 β:パラメーターで、原点0を通りX軸と角度βの直線
と直線EO,BO直線はそれぞれ直交し、EO
BOは平行である。
本実施例が、第14図のものと異る点は、内側曲線1112
のHJ間の構成のし方にあり、同図の内側曲線EG間の
一部分であるHJ間を外側曲線に近づけ、逃げ部を構成
したことにあり、公転側うずまき体も同様の逃げ部を有
する。
このような固定側及び公転側うずまき体においては、第
3図に示すような作用が行われる。
すなわち、まず同図(1)に示すように、公転側うずまき
体の公転面θ=θにて両うずまき体は噛み合ってお
り、両うずまき体の噛み合いは同図(2),(3),(4)の順
に移ってゆく。
こゝで、1200は公転側うずまき体、1101は固定側うずま
き体、1120は固定側うずまき体に設けられた吐出ポー
ト、1203A,1203B,1204はそれぞれ小室、1205は公転
側うずまき体逃げ部、1206は固定側うずまき体逃げ部で
ある。
次に、同(2)に示すように、θ=θの公転位置で、両
うずまき体1200,1101は第1〜2図に示したE点(第1
〜2図参照)にて噛み合っており、これ以後両うずまき
体間にはわずかなスキマが形成されるが、圧縮行程を続
行する。
同図(3)においては、θ=θで両うずまき体の逃げ部1
205,1206のH点が相手側うずまき体と体応し、この点
で吐出側圧力と小室内圧力が等しくなり、流体の吐出が
開始される。
これ以後、両うずまき体間には、逃げ部1205,1206が対
応するため比較的大きなスキマが形成され、この大きな
スキマのため小室1203Aと小室1204が、小室1203Bと小
室1204がそれぞれ連通し、流体は小室1203Aから1204
へ、小室1203Bから1204へ流れ、吐出ポート1120を経て
外部へスムースに吐出される。
同図(4)においては、θ=θとなり、公転側うずまき
体1200の一部が吐出ポートを塞ぐものの、公転側うずま
き体の逃げ部により、従来のものに比べ吐出通路面積は
大きくなっており、圧力損失は低下し、第3図(1)〜(4)
の小室圧力の変化は第4図に示すようになり、圧力損失
を示す斜線部は第16図に示したものに比べて大きく減
少する。
すなわち、このようなうずまき体によれば、下記の効果
が奏せられる。
(1)小室1203Aから1204へ、小室1203Bから1204への圧
縮流体の流れをスムースにすることができる。
(2)公転側うずまき体が吐出ポートを塞ぐことを減少す
るので、吐出ポートよりの吐出をスムースにすることが
できる。
(3)内側曲線に逃げ部を設置したことにより、従来のも
のに比べ吐出ポートをより大きくとることができ、この
点からも吐出ポート系の圧力損失を低減することができ
るものである。
本発明の意図するところは、前記提案II,III,IVにお
いて、パラメーターβで決まるインボリュート成立限界
点E,Bの間の内側曲績712(602)が接線曲線713
(603)の一部を外側曲線に近づけた逃げ部HJを設け
ることにあるので、この意図を逸脱しない範囲におい
て、次のような変形例が可能である。
まず、第5図に示す第1変形例は第14図のEG間全体
にスキマ△Cを設ける代わりに、EG間の任意の一部に
のみスキマ△Cを設けたものである。
こゝで、802はうずまき体、Kは内側曲線上の点で、
KEは半径Rの円弧、KGは第12図の602よりわず
かなスキマ△Cだけ外側曲線に引込めて構成された内側
曲線であり、パラメーターβより小さいパラメーター
β′に対応するK点より第12図の内側曲線602とス
キマ△Cを設けて逃げ部1250を構成したものである。
次に、第6図に示す第2変形例は、内側曲線上にスキマ
△Cを設ける代わりに接続曲線にスキマ△Cを設けたも
ので、913は第12図の接続曲線603より△Cのわ
ずかなスキマをもって引込めて形成された接続曲線で、
第12図の接続曲線603と内側曲線602との接点D
より内側曲線側(点E側)に内側曲線602との交点L
を設けて逃げ部1251を形成する。
さらに、第7図に示す第3変形例は、固定側うずまき体
もしくは公転側うずまき体の何れか一方の形状を第12
図と同一としておき、他方のうずまき体のみ内側曲線及
び接続曲線の両者にてスキマ△Cを設けたものである。
こゝで、R及びnはそれぞれR′>R及びr′<rとな
るように構成されている。
912は内側曲線、914は接続曲線、点Lは912と
914の接続点で、ELBの両曲線にて第12図のED
Bの両曲線よりわずかなスキマを設ける。
更に、両うずまき体とも第7図の形状とすることもで
き、その際、R′−r′=ρとすると、R′とr′の交
点は接することになり滑らかなる曲線の逃げ部1252が作
られる。
こゝで、本発明は勿論、スキマ△Cを設けない、前記提
案IIに適用しても良く、両うずまき体の逃げ部HJ間の
形状及び設置は両者で同一である必要はなく適宜決めれ
ば良い。
本発明は、圧縮機のほか、ポンプ,エキスパンダー等に
も勿論適用可能である。
〔発明の効果〕
要するに本発明によれば、それぞれ実質的に同一形状の
うずまき体よりなる静止側うずまき体及び公転側うずま
き体を互いに180゜回して噛み合せ公転側うずまき体
を静止側うずまき体に対し公転半径ρで公転するように
したものにおいて、両うずまき体をそれぞれインボリュ
ート曲線よりなる外側曲線と、内方に半径Rの円弧を有
するインボリュート曲線よりなる内側曲線と、上記外側
曲線と上記半径Rの円弧とを滑かに接続する半径rの円
弧を有する接続曲線とで形成するとゝもに、パラメータ
ーβで決まるインボリュート曲線成立限界点間の内側曲
線及び接続曲線に少なくともその一部分を外側曲線寄り
にずらせた逃げ部を与えたこと、(たゞし、 b:インボリュート曲線の基円半径)により、吐出圧力
損失の大巾な減少を図る高性能の回転式流体機械を得る
から、本発明は産業上極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す固定側うずまき体を示
す部分正面図、第2図は第1図の固定側うずまき体の中
央部を示す斜視図、第3図は第1図のうずまき体を有す
るスクロール型圧縮機の作動説明図、第4図は第3図に
おける公転側うずまき体の公転位置と小室圧力との関係
を示す線図、第5図、第6図、第7図はそれぞれ第1図
の変形例を示す同じく部分正面図である。第8図は公知
のスクロール型圧縮機の作動原理図、第9図は公知のス
クロール型圧縮機を示す縦断面図、第10図は第9図の
X−Xに沿った横断面図、第11図は第9図のうずまき
体の相対的位置の変化を示す中央部拡大図、第12図は
特願昭57−206088号により提案されたうずまき体を示
す正面図、第13図は第12図のうずまき体を具えたス
クロール型圧縮機の両うずまき体の相対的位置の変化を
示す部分拡大図、第14図は特願昭59−111658号によ
り提案されたうずまき体を示す正面図、第15図は第1
4図のうずまき体を具えたスクロール型圧縮機の両うず
まき体の相対的位置の変化を示す正面図、第16図は第
15図における小室圧力の変化を示す線図である。 1101……固定側うずまき体、1111……外側曲線、1112…
…内側曲線、1113……接続曲線、1120……吐出ポート、
1200……公転側うずまき体、1203A,1203B,1204……
小室、1205,1206,1252……逃げ部、 A……インボリュート曲線始点、b……インボリュート
曲線の基円半径、△C……スキマ、G……交点、HJ…
…逃げ部、O……原点、r……接続曲線円弧半径、R…
…接続曲線円弧半径、Rc……エンドミルカッターと同
一半径、 β,β′……パラメーター、ρ……公転半径。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ実質的に同一形状のうずまき体よ
    りなる静止側うずまき体及び公転側うずまき体を互いに
    180゜回して噛み合せ公転側うずまき体を静止側うず
    まき体に対し公転半径ρで公転するようにしたものにお
    いて、両うずまき体をそれぞれインボリュート曲線より
    なる外側曲線と、内方に半径Rの円弧を有するインボリ
    ュート曲線よりなる内側曲線と、上記外側曲線と上記半
    径Rの円弧とを滑かに接続する半径rの円弧を有する接
    続曲線とで形成するとゝもに、パラメーターβで決まる
    インボリュート曲線成立限界点間の内側曲線及び接続曲
    線に少なくともその一部分を外側曲線寄りにずらせた逃
    げ部を与えたこと、 (ただし b:インボリュート曲線の基円半径) を特徴とする回転式流体機械。
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