JP2007297995A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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英司 小林
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Abstract

【課題】固定及び可動渦巻体の形状を簡素化してその加工性が向上され、且つ、シールオフ後の冷媒に対する擬似的圧縮仕事を低減して圧縮機の圧縮効率が向上されるスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】各渦巻体(60,62)の外壁(60c,62c)のインボリュート開始点(ΦfOUT,ΦmOUT)は、同一渦巻体の中央端部(60a,62a)先端(60d,62d)近傍に位置づけられるとともに、少なくとも各渦巻体のいずれか一方の内壁(60b,62b)及び外壁のインボリュート展開角の位相差(ΦfIN1-ΦfOUT,ΦmIN1-ΦmOUT)がπ未満である。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の空調に使用される冷凍回路に好適したスクロール圧縮機に関する。
この種のスクロール圧縮機は、固定スクロールの端壁に立設された固定渦巻体、及び可動スクロールの端壁に立設された可動渦巻体が協働することで、作動流体としての冷媒を吸入し、そして、吸入された冷媒を圧縮した後、圧縮された冷媒が固定スクロールの端壁に穿設された吐出孔から吐出する。
詳しくは、固定及び可動渦巻体はそれぞれ内壁及び外壁を有し、これら内壁及び外壁は、同一基礎円上の異なる仮想点から延びる各インボリュート曲線上に形成される。
ここで、固定及び可動渦巻体の内壁及び外壁がインボリュート曲線上に沿って形成され始めるのは各インボリュート開始点からであり、基礎円上の仮想点と基礎円の中心とを結ぶ線分から、インボリュート開始点における接線の垂線が基礎円と接する接点と基礎円の中心とを結ぶ線分に亘って、インボリュート曲線の展開方向に基礎円の中心を基点としたインボリュート展開角がそれぞれ形成される。(例えば特許文献1参照)。
特開平10−9157号公報
この特許文献1に開示されたスクロール圧縮機では、固定及び可動渦巻体の外壁のインボリュート開始点、符号を付すとΦfOUT、ΦmOUTは、それぞれ固定及び可動渦巻体の中央端部先端近傍に位置づけられている。
一方、固定及び可動渦巻体の内壁のインボリュート開始点、同じく符号を付すとΦfIN、ΦmINは、それぞれ外壁インボリュート開始点ΦfOUT、ΦmOUTとインボリュート展開角の位相差がπ、すなわち角度にして180度以上遅れて形成されており、各渦巻体の中央端部の先端から内壁インボリュート開始点ΦfIN、ΦmINまでの間は、インボリュート曲線が形成されていない。このため、各渦巻体の中央端部の内壁は、渦巻体の半径方向の肉厚がインボリュート曲線より渦巻体の中央側に厚くなる方向に直線と複数の円弧とを連続させてつなぎ合わせた形状となっている。
しかし、このような内壁の形状は、各渦巻体中央端部の先端近傍のクリアランスを小さくするため、内壁のシールオフ点でシールオフされて所望の圧縮が完了した冷媒に対し、各渦巻体が更に擬似的な圧縮仕事をすることによって圧縮機に不要な負荷がかかり、圧縮機の圧縮効率が低下するとの問題がある。
また、各渦巻体の中央端部の内壁が複雑な形状となって加工が困難であるとの問題もある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、固定及び可動渦巻体の形状を簡素化してその加工性が向上され、且つ、シールオフ後の冷媒に対する擬似的圧縮仕事を低減して圧縮機の圧縮効率が向上されるスクロール圧縮機を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載のスクロール圧縮機は、吐出孔を有する端壁、及び該端壁に立設され、内壁及び外壁を含む固定渦巻体を有する固定スクロールと、端壁に対峙する端壁、及び該端壁に立設され、内壁及び外壁を含み、固定渦巻体と協働して圧縮された作動流体を吐出孔から吐出させる可動渦巻体を有する可動スクロールとを具備し、同一基礎円上の異なる仮想点から各インボリュート曲線が延び、各渦巻体の内壁及び外壁は、各インボリュート曲線に沿って該内壁及び外壁が形成され始めるインボリュート開始点をそれぞれ有し、仮想点と基礎円の中心とを結ぶ線分から、インボリュート開始点における接線の垂線が基礎円と接する接点と中心とを結ぶ線分に亘って、インボリュート曲線の展開方向に中心を基点としたインボリュート展開角がそれぞれ形成され、各渦巻体の外壁のインボリュート開始点は、同一渦巻体の中央端部先端近傍に位置づけられるとともに、少なくとも各渦巻体のいずれか一方の内壁及び外壁のインボリュート展開角の位相差がπ未満であることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、インボリュート展開角の位相が略等しいことを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明のスクロール圧縮機によれば、固定渦巻体の内壁及び外壁のインボリュート開始点におけるインボリュート展開角の位相差がπ未満である場合(ΦfIN1−ΦfOUT<π)には、内壁インボリュート開始点が固定渦巻体の中央端部先端に近づき、内壁及び外壁のインボリュート開始点ΦfIN、ΦfOUTにおけるインボリュート展開角の位相差がπ以上である場合に比して、よりインボリュート曲線に沿う形状で内壁が形成される。よって、固定渦巻体の中央端部の先端近傍と吐出孔とのクリアランスが大きくなるため、固定渦巻体の内壁から作動流体がシールオフした後、このシールオフ後の作動流体に対して固定渦巻体が行う擬似的な圧縮仕事が低減され、圧縮機の圧縮効率が向上される。
また、この場合には、固定渦巻体の内壁が、その中央端部の先端にかけて直線や複数の円弧をつないだ複雑な形状になることが抑制され、簡素化された形状となるため、固定渦巻体の加工コストが低減される。
一方、可動渦巻体の内壁及び外壁のインボリュート開始点におけるインボリュート展開角の位相差がπ未満である場合(ΦmIN1−ΦmOUT<π)には、内壁インボリュート開始点ΦmINが可動渦巻体の中央端部先端に近づき、位相差がπ以上である場合に比して固定及び可動渦巻体の中央端部間のクリアランスが大きくなる。よって、シールオフ後の作動流体に対して可動渦巻体が行う擬似的な圧縮仕事が低減されるため、圧縮機の圧縮効率が向上され、また、可動渦巻体の内壁が簡素化された形状になるため、可動渦巻体の加工コストが低減される。
そして、上記した内壁の形状を固定及び可動渦巻体の両方に適用した場合(ΦfIN1−ΦfOUT<π、ΦmIN1−ΦmOUT<π)には、各渦巻体の両方の擬似的圧縮仕事が低減されるため、各渦巻体のいずれか一方の内壁に適用した場合に比して、圧縮機の圧縮効率が更に向上され、また、各渦巻体の両方の加工コストが低減される。
また、請求項2記載の発明によれば、固定渦巻体の内壁及び外壁のインボリュート開始点におけるインボリュート展開角の位相が略等しい場合(ΦfIN2=ΦfOUT)には、内壁インボリュート開始点ΦfINが固定渦巻体の中央端部の先端に更に近づき、固定渦巻体の中央端部の先端近傍と吐出孔とのクリアランスが更に大きくなる。よって、固定渦巻体による擬似的圧縮仕事が大幅に低減されるため、圧縮機の圧縮効率が大幅に向上される。
また、この場合には、固定渦巻体の内壁が、その中央端部の先端を除いてすべてインボリュート曲線で形成されて更に簡素化された形状となるため、可動渦巻体の加工コストが大幅に低減される。
一方、可動渦巻体の内壁及び外壁のインボリュート開始点におけるインボリュート展開角の位相が略等しい場合(ΦmIN2=ΦmOUT)には、上記固定渦巻体の場合と同様に、可動渦巻体による擬似的圧縮仕事が大幅に低減されるため、圧縮機の圧縮効率が大幅に向上され、可動渦巻体の加工コストも大幅に低減される。
そして、上記内壁の形状を固定及び可動渦巻体の両方に適用した場合(ΦfIN2=ΦfOUT、ΦmIN2=ΦmOUT)には、各渦巻体のいずれか一方の内壁に適用した場合に比して、各渦巻体の両方の擬似的圧縮仕事が大幅に低減されるため、圧縮機の圧縮効率が極めて向上され、且つ各渦巻体の両方の加工コストが大幅に低減される。
図1はスクロール圧縮機を示し、このスクロール圧縮機は車両を空調するための冷凍回路に組み込まれ、冷凍回路を循環する冷媒の圧縮に使用される。
スクロール圧縮機はリアケーシング10及びフロントケーシング12を備え、リアケーシング10内にスクロールユニット14が収容されている。スクロールユニット14はリアケーシング10に固定された固定スクロール16と、この固定スクロール16に対して噛み合うように組付けられた可動スクロール18とからなり、この可動スクロール18の旋回運動により、スクロールユニット14は冷媒の吸入から圧縮を経て吐出までの一連のプロセスを連続して実行する。
より詳しくは、リアケーシング10内にはその端壁とスクロールユニット14の固定スクロール16との間に吐出室20が形成され、この吐出室20は固定スクロール16の端壁16aに穿設された吐出孔24にリードバルブタイプの吐出弁25を介して接続可能である一方、リアケーシング10に形成した吐出ポート(図示しない)を介して冷凍回路の冷媒循環経路に接続されている。
なお、リアケーシング10には冷媒の吸入ポート(図示しない)もまた形成されており、この吸入ポートは冷媒循環経路からリアケーシング10内に冷媒を導入し、導入された冷媒はスクロールユニット14内に吸入される。
一方、フロントケーシング12内には駆動軸26が配置され、この駆動軸26は大径端部28及び小径軸部30を有する。大径端部28はニードル軸受32を介してフロントケーシング12に回転自在に支持され、小径軸部30はボール軸受34を介してフロントケーシング12に回転自在に支持されている。更に、小径軸部30とフロントケーシング12との間にはリップシール36が配置され、このリップシール36はフロントケーシング12内を気密に区画している。
駆動軸26の小径軸部30はフロントケーシング12から突出し、この突出端が電磁クラッチを内蔵した駆動プーリ38に連結され、この駆動プーリ38は軸受40を介してフロントケーシング12に回転自在に支持されている。駆動プーリ38はベルトを介して車両のエンジン側の出力プーリに接続され、エンジンからの動力を受けて回転される。従って、エンジンの駆動中、駆動プーリ38内の電磁クラッチがオン作動されていれば、駆動軸26は駆動プーリ38とともに回転される。
一方、駆動軸26の大径端部28からは可動スクロール18に向けてクランクピン42が突出され、このクランクピン42は偏心ブッシュ44及びニードル軸受46を介して可動スクロール18のボス48を支持している。従って、駆動軸26が回転されると、クランクピン42及び偏心ブッシュ44を介して可動スクロール18が旋回運動する。
より詳しくは、固定スクロール16はその端壁16aに一体に立設された固定渦巻体60を有し、可動スクロール18にもその端壁18aに一体に立設された可動渦巻体62を有し、吐出孔24は、固定渦巻体60の中央端部60aの近傍に位置づけられ、この中央端部60aとの間には一定のクリアランスが確保されている。
一方、固定スクロール16には端壁16aの内面上に耐摩耗性材料からなる固定ボトムプレート64を備え、この固定ボトムプレート64は渦巻形状をなし、固定渦巻体60のターン間に形成される渦巻スペースに配置されている。固定ボトムプレート64には可動渦巻体62の可動チップシール66が摺接され、固定ボトムプレート64は可動渦巻体62とともに可動チップシール66が旋回運動する際、その旋回運動領域をカバーする大きさを有する。しかしながら、固定ボトムプレート64は吐出孔24を閉塞するものではなく、固定ボトムプレート64における中央端部の先端と吐出孔24との間には一定のクリアランスが確保されている。こうして、固定渦巻体60と可動渦巻体62とが協働することで冷媒の吸入から圧縮を経て吐出孔24から圧縮された冷媒が吐出される。
なお、可動スクロール18もまた上述した固定ボトムプレート64と同様な可動ボトムプレート68を備えており、可動スクロール18の旋回運動中、可動ボトムプレート68に対して固定渦巻体60の固定チップシール70が相対的に摺接する。
また、図1中、参照符号50は可動スクロール18に対するカウンタウエイトを示し、このカウンタウエイト50は偏心ブッシュ44に取付けられている。
更に、フロントケーシング12と可動スクロール18の端壁18aとの間には自転阻止カップリングが配置されている。この実施例の場合、自転阻止カップリングはいわゆるEMカップリング52からなり、EMカップリング52はそれぞれリング形状をなす可動プレート54及び固定プレート56双方の環状レース溝間にボール58を挟み込んで構成されている。
以下、固定渦巻体60、可動渦巻体62の中央端部60a、62aの形状について順に詳細に説明する。
図2に示されるように、固定渦巻体60は内壁60b及び外壁60cを有しており、これら内壁60b及び外壁60cは、その中央端部60aの先端60d近傍を除き、インボリュート曲線から形成されている。
より詳しくは、図3に示されるように、固定渦巻体60の内壁60bは、基礎円BCf上の仮想点PfINから延びる破線で示すインボリュート曲線ICfINに沿って形成され、曲線ICfINに沿って形成され始める点が内壁60bのインボリュート開始点IPfIN1となっている。
また、仮想点PfINと基礎円BCfの中心点Cfとを結ぶ線分から、インボリュート開始点IPfIN1における接線の垂線が基礎円BCfに接する接点CPfIN1と中心点Cfとを結ぶ線分に亘って、曲線ICfINの展開方向に中心点Cfを基点とした角度ΦfIN1が形成されている。この角度ΦfIN1は、基礎円BCf上の仮想点PfINから展開するインボリュート曲線の開始点IPfIN1におけるインボリュート展開角であり、このインボリュート展開角が決まるとインボリュート曲線上の点が一義に決定されることから、以降、インボリュート開始点IPfIN1をインボリュート開始点ΦfIN1とも称する(後述する他のインボリュート開始点も同様とする)。
一方、固定渦巻体60の外壁60cは、内壁60bのインボリュート曲線ICfINと同一の基礎円BCf上の異なる仮想点PfOUTから開始される破線で示すインボリュート曲線ICfOUTに沿って形成されており、外壁60cが曲線ICfOUTに沿って形成され始める点がインボリュート開始点IPfOUTとなっている。換言すると、この開始点IPfOUTの接線の垂線が基礎円BCfに接して形成される接点CPfOUT及び仮想点PfOUTが、曲線ICfOUTの展開方向に中心点Cfを基点とした角度ΦfOUTが形成され、外壁60c上にインボリュート開始点ΦfOUTを形成している。
ここで、内壁60bは、中央端部60aの先端60dからインボリュート開始点ΦfIN1までは、直線及び複数の円弧をつなぎ合わせた形状となっており、先端60d近傍では、インボリュート曲線ICfINより吐出孔24に近づく方向、すなわち、吐出孔24とのクリアランスが小さくなる方向に形成されている。
一方、外壁60cのインボリュート開始点ΦfOUTは、インボリュート開始点ΦfIN1に比して、固定渦巻体60の中央端部60aの先端60dにより近く位置づけられている。好ましくは、後で詳述するが、基礎円BCfと同一半径の基礎円からなるインボリュート曲線で形成される可動渦巻体62の内壁62bと気密に協働可能なように、先端60dを半径r1の半円形状の円弧で形成し、この円弧で形成された先端60d以外は外壁60cをインボリュート曲線ICfOUTで形成するべく、先端60d近傍、好適には先端60dの端縁にインボリュート開始点ΦfOUTが位置づけられている。
より詳しくは、これら内壁60b及び外壁60cの各インボリュート開始点ΦfIN1、ΦfOUTは、インボリュート展開角の位相差が、π未満、換言すると角度にして180度未満となっている。すなわち、インボリュート展開角の位相は、ΦfIN1−ΦfOUT<πの関係式を満たしている。
好ましくは、内壁60bが、外壁60cと同様に半径r1の半円形状の円弧となる先端60d以外はインボリュート曲線ICfINで形成されるべく、インボリュート開始点が開始点ΦfIN2(図示しない)となっており、この開始点ΦfIN2は開始点ΦfOUTと同一の接線で同一の接点CPfOUTにおいて基礎円BCfに接すべく位置づけられる。すなわち、内壁60b及び外壁60cの各インボリュート開始点ΦfIN2、ΦfOUTにおけるインボリュート展開角の位相が略等しくなって、位相差が生じたとしても角度にして約10度程度の範囲内にあり、更に好適にはその位相差がゼロ、すなわち、インボリュート展開角の位相がΦfIN2=ΦfOUTの関係式を満たしている。
こうして、内壁60bは、半径r1の半円形状となる先端60dから連なるようにインボリュート曲線ICfINで形成されるため、インボリュート開始点ΦfIN1である場合に比して、内壁60bと吐出孔24とのクリアランスが大きくなる。
次に、図4に示されるように、可動渦巻体62は、内壁62b及び外壁62cを有しており、これら内壁62b及び外壁62cは、その中央端部62aの先端62d近傍を除き、インボリュート曲線から形成されている。
より詳しくは、図5に示されるように、可動渦巻体62の内壁62bは、基礎円BCm上の仮想点PmINから展開される破線で示すインボリュート曲線ICmINに沿って形成され、内壁62bが曲線ICmINに沿って形成され始める点がインボリュート開始点IPmIN1となっている。この開始点IPmIN1の接線の垂線が基礎円BCmに接して接点CPmIN1を形成し、この接点CPmIN1は、仮想点PmINと基礎円BCmの中心点Cmを基点として曲線ICmINの展開方向に角度ΦmIN1をなしている。この角度ΦmIN1は、基礎円BCm上の仮想点PmINから展開するインボリュート曲線のインボリュート展開角であり、インボリュート開始点ΦfIN1を形成している。
一方、可動渦巻体62の外壁62cは、内壁62bが形成されるインボリュート曲線ICmINと同一の基礎円BCm上の異なる仮想点PmOUTから開始される破線で示すインボリュート曲線ICmOUTに沿って形成されており、外壁62cが曲線ICmOUTに沿って形成され始める点がインボリュート開始点IPmOUTとなっている。この開始点IPmOUTの接線の垂線が基礎円BCmに接して形成される接点CPmOUT及び仮想点PmOUTが中心点Cmを基点として曲線ICmOUTの展開方向に角度ΦmOUTで展開し、外壁62c上にインボリュート開始点ΦmOUTを形成している。
ここで、内壁62bは、中央端部62aの先端62dからインボリュート開始点ΦmIN1までは、直線及び複数の円弧をつなぎ合わせた形状となっており、先端62d近傍では、インボリュート曲線ICmINより可動渦巻体60の中心に近づく方向、すなわち、この中心におけるクリアランスが小さくなる方向に形成されている。
一方、外壁62cのインボリュート開始点ΦmOUTは、インボリュート開始点ΦmIN1に比して、可動渦巻体62の中央端部62aの先端62dにより近く位置づけられている。好ましくは、固定渦巻体60の内壁60bのインボリュート曲線と気密に協働可能なように、この円弧で形成された先端62dを半径r2の半円形状の円弧で形成し、この円弧で形成された先端62d以外は外壁62cがインボリュート曲線ICmOUTで形成されるべく、先端62d近傍、好適には先端62dの端縁にインボリュート開始点ΦmOUTが位置づけられている。
より詳しくは、内壁62b及び外壁62cの各インボリュート開始点ΦmIN1、ΦmOUTにおけるインボリュート展開角の位相差は、π未満、換言すると角度にして180度未満となっており、ΦmIN1−ΦmOUT<πの関係式を満たしている。
好ましくは、内壁62bは、外壁62cと同様に半径r2の半円形状の円弧となる先端62d以外はインボリュート曲線ICMINで形成されるべく、インボリュート開始点が開始点ΦmIN2(図示しない)となっており、この開始点ΦmIN2は開始点ΦMOUTと同一の接線で同一の接点CPmOUTにおいて基礎円BCmに接すべく位置づけられる。すなわち、内壁62b及び外壁62cの各インボリュート開始点ΦmIN2、ΦmOUTにおけるインボリュート展開角の位相が略等しくなって位相差は角度にして約10度程度の範囲内にあり、更に好適にはその位相差がゼロとなってΦmIN2=ΦmOUTの関係式を満たしている。
こうして、内壁62bは、半径r2の半円形状となる先端62dから連なるようにインボリュート曲線ICmINで形成され、インボリュート開始点ΦmIN1である場合に比して、固定及び可動渦巻体60、62間のクリアランスが大きくなる方向に形成される。
以上のように、本実施形態では、固定渦巻体60の内壁60b及び外壁60cのインボリュート開始点ΦfIN1、ΦfOUTにおけるインボリュート展開角の位相差はπ未満(ΦfIN1−ΦfOUT<π)となり、また、可動渦巻体62の内壁62b及び外壁62cのインボリュート開始点ΦmIN、ΦmOUTにおけるインボリュート展開角の位相差もπ未満(ΦmIN1−ΦmOUT<π)となっている。
一方、再び図3をみると、固定渦巻体60の内壁60bのインボリュート開始点がΦfINである従来の場合には、インボリュート開始点ΦfIN、ΦfOUTにおけるインボリュート展開角の位相差がπとなっており、開始点ΦfINまでは2点鎖線で示されるように、固定渦巻体60の中央端部60aの内壁は、固定渦巻体60の半径方向の肉厚がインボリュート曲線ICfINより吐出孔24側に厚くなっている。
また、再び図5をみると、従来の可動渦巻体62の内壁62bでは、インボリュート開始点がΦfINに位置づけられ、インボリュート開始点ΦfIN、ΦfOUTにおけるインボリュート展開角の位相差がπとなっている。そして、インボリュート開始点ΦfINまでは2点鎖線で示され、内壁60bと同様に内壁62bも、可動渦巻体62の半径方向の肉厚がインボリュート曲線ICmINより可動渦巻体62の中心に向けて厚くなっている。
このように、固定及び可動渦巻体60、62の内壁60b、62bのインボリュート開始点ΦfIN、ΦmINをそれぞれΦfIN1、ΦmIN1にして、それぞれ中央端部60a、62aの先端60d、62dに近づけることにより、よりインボリュート曲線ICfIN、ICmINに沿う形状で内壁60b、60cが形成される。よって、固定渦巻体60の中央端部60aの先端60d近傍と吐出孔24とのクリアランス、及び可動渦巻体62の中央端部62aの先端62d近傍と固定渦巻体60の内壁60bとのクリアランスが共に大きくなる。
これにより、固定及び可動渦巻体60、62の内壁60b、62bからシールオフ点からシールオフした冷媒が、再び内壁60b、62bによって圧縮されることが抑制され、過圧縮されることなく吐出孔24から吐出される。すなわち、このシールオフ後の冷媒に対して固定及び可動渦巻体60、62bがそれぞれ行う擬似的な圧縮仕事が低減され、圧縮機の圧縮効率が大幅に向上される。なお、固定及び可動渦巻体60、62の渦巻巻数が、特に、吐出孔24からの冷媒の所望の吐出圧力を得るのに十分な確保されている圧縮機の場合には、このようなシールオフ後の冷媒が擬似圧縮され難くすることによる圧縮効率の向上効果がより顕著となる。
また、固定及び可動渦巻体60、62の内壁60b、62bが、よりインボリュート曲線ICfIN、ICmINに沿って形成され、その中央端部60a、62aの先端60d、62dにかけて直線や複数の円弧をつないだ複雑な形状になることが抑制され、簡素化された形状になるため、固定及び可動渦巻体60、62の加工コストが低減される。
好ましくは、固定及び可動渦巻体60、62の内壁60b、62bのインボリュート開始点をΦfIN2、ΦmIN2とすると、対応する外壁60c、62cのインボリュート開始点ΦfOUT、ΦmOUTとのインボリュート展開角の位相が略等しくなる(ΦfIN2=ΦfOUT、ΦmIN2=ΦmOUT)。
これにより、内壁60b、62bのインボリュート開始点が固定及び可動渦巻体60、62の中央端部60a、62aの先端60d、62dに更に近づき、上記クリアランスが更に大きくなるため、固定及び可動渦巻体60、62による擬似的圧縮仕事が大幅に低減され、圧縮機の圧縮効率が極めて向上される。
また、固定及び可動渦巻体60、62が、その中央端部60a、62aの先端60d、62dを除いてすべてインボリュート曲線ICfIN、ICmINで形成される。よって、固定及び可動渦巻体60、62の内壁60b、62bにおける直線や複数の円弧をつないだ複雑な形状が防止されて更に簡素化された形状になるため、固定及び可動渦巻体60、62の加工コストが大幅に低減される。
更に、内壁60b、62bがインボリュート曲線ICfIN、ICmINのみで形成されて高圧冷媒による応力集中が生じない理想的な形状となり、固定及び可動渦巻体60、62の中央端部60a、62aの相対的な強度が向上する。
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、固定及び可動渦巻体60、62の内壁60b、62bの両方のインボリュート開始点が、外壁60c、62cのインボリュート開始点と、ΦfIN1−ΦfOUT<π、及びΦmIN1−ΦmOUT<π、好ましくは、ΦfIN2=ΦfOUT、及びΦmIN2=ΦmOUTのインボリュート展開角における位相の関係式を満たしているが、内壁60b、62bのいずれか一方がこの関係式を満たすだけでもよく、この場合にも、ΦfIN−ΦfOUT≧π、及びΦmIN−ΦmOUT≧πとなる従来の内壁60b、62bに比して、圧縮機の圧縮効率が向上し、該当する渦巻体の加工性が向上する。
スクロール圧縮機を示した断面図である。 図1の固定スクロールをII方向からみた平面図である。 図2の中央部近傍の拡大図である。 図1の可動スクロールをIV方向からみた平面図である。 図4の中央部近傍の拡大図である。
符号の説明
16 固定スクロール
16a 端壁
18 可動スクロール
18a 端壁
24 吐出孔
60 固定渦巻体
60a 中央端部
60b 内壁
60c 外壁
60d 先端
62 可動渦巻体
62a 中央端部
62b 内壁
62c 外壁
62d 先端
ΦfIN1 固定渦巻体の内壁のインボリュート開始点(インボリュート展開角)
ΦfIN2 固定渦巻体の内壁のインボリュート開始点(インボリュート展開角)
ΦfOUT 固定渦巻体の外壁のインボリュート開始点(インボリュート展開角)
ΦmIN1 可動渦巻体の内壁のインボリュート開始点(インボリュート展開角)
ΦmIN2 可動渦巻体の内壁のインボリュート開始点(インボリュート展開角)
ΦmOUT 可動渦巻体の外壁のインボリュート開始点(インボリュート展開角)

Claims (2)

  1. 吐出孔を有する端壁、及び該端壁に立設され、内壁及び外壁を含む固定渦巻体を有する固定スクロールと、
    前記端壁に対峙する端壁、及び該端壁に立設され、内壁及び外壁を含み、前記固定渦巻体と協働して圧縮された作動流体を前記吐出孔から吐出させる可動渦巻体を有する可動スクロールとを具備し、
    同一基礎円上の異なる仮想点から各インボリュート曲線が延び、前記各渦巻体の前記内壁及び外壁は、前記各インボリュート曲線に沿って該内壁及び外壁が形成され始めるインボリュート開始点をそれぞれ有し、前記仮想点と前記基礎円の中心とを結ぶ線分から、前記インボリュート開始点における接線の垂線が前記基礎円と接する接点と前記中心とを結ぶ線分に亘って、前記インボリュート曲線の展開方向に前記中心を基点としたインボリュート展開角がそれぞれ形成され、
    前記各渦巻体の前記外壁の前記インボリュート開始点は、同一渦巻体の中央端部先端近傍に位置づけられるとともに、少なくとも前記各渦巻体のいずれか一方の前記内壁及び外壁の前記インボリュート展開角の位相差がπ未満であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記インボリュート展開角の位相が略等しいことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS58152585U (ja) * 1982-04-06 1983-10-12 三菱重工業株式会社 スクロ−ル型流体機械
JPS6287601A (ja) * 1985-10-14 1987-04-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 回転式流体機械

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