JPH06116889A - 木材化学パルプの漂白法 - Google Patents

木材化学パルプの漂白法

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JPH06116889A
JPH06116889A JP4262078A JP26207892A JPH06116889A JP H06116889 A JPH06116889 A JP H06116889A JP 4262078 A JP4262078 A JP 4262078A JP 26207892 A JP26207892 A JP 26207892A JP H06116889 A JPH06116889 A JP H06116889A
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pulp
treatment
hydrogen peroxide
bleaching
chemical pulp
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Takaaki Nishimura
高明 西村
Osamu Kitao
修 北尾
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木材化学パルプの漂白法において、AOXの
発生を押さえ、且つ褪色性を改善した木材化学パルプの
漂白法を提供する。 【構成】未晒の木材化学パルプをアルカリ媒体中で酸素
処理を施した後、キシラナーゼ処理を行い、次いで、少
なくとも2回以上の過酸化水素処理を施すに際し、第1
段および第2段目の過酸化水素処理工程間で二酸化塩素
処理を行う木材化学パルプの漂白法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木材化学パルプの漂白
法に関し、特にAOXの発生を押さえ、且つ褪色性を改
善した木材化学パルプの漂白法に関する。
【0002】
【従来の技術】木材等のリグノセルロース材料は製紙用
原料とするために、蒸解工程を経て未晒パルプとなり、
更には必要に応じて漂白され晒パルプとなる。晒パルプ
の製造には、従来より塩素ガスや塩素化合物が専ら使用
されてきた。
【0003】ところで、近年、パルプ漂白排水中のダイ
オキシンやAOX(吸着可能な有機ハロゲン化合物)が
環境問題としてクローズアップされている。ダイオキシ
ンと塩素との関連性については明白でないところもある
が、AOXの発生量は塩素ガスの使用量と比例してお
り、AOXの発生を抑制するためには塩素ガスの使用を
減少させるか、または全く使用しないことが必要であ
る。この場合の他の代替え対策としては、蒸解工程での
拡大脱リグニン法の導入、酸素脱リグニン法の導入が行
われ、塩素ガスの代替或いは一部代替として二酸化塩素
が使用されている。さらには漂白シーケンスに酵素処理
を組み込む技術が開示されている。
【0004】例えば、特開平2−221482号には酵
素処理後洗浄をし、次いで二酸化塩素/塩素で漂白処理
を施すことによりAOXを減少させる方法,公表特許平
4−503695号にはキシラナーゼ処理後に塩素系漂
白剤を用いることにより有機結合塩素を減少させ、且
つ、白色度の戻りを減少させる方法,特開平2−264
087号には酸素による脱リグニンと酵素処理によるリ
グノセルロースの漂白方法が開示されている。
【0005】しかし、これらの技術は、酵素による脱リ
グニンの効果を単に述べているものに過ぎない。一方、
酵素処理後の漂白シーケンスも依然として塩素系漂白剤
を主体に構築しているものであり、排水中のTOCl及
びAOXの減少については大幅な減少効果が期待できな
い。また、特開平4−245988号には未晒パルプに
ヘミセルラーゼを作用させ、次いで過酸化水素及び酸素
で強化されたアルカリ抽出と二酸化塩素を組み合わせる
ことにより漂白を行う方法が開示されている。なお、過
酸化水素で強化された抽出工程はアルカリによる残存リ
グニンの抽出を行う工程であり、過酸化水素処理は、過
酸化水素の酸化力によりリグニンを酸化する工程であ
り、その作用は大きく異なる。
【0006】晒パルプは、パルプ中のリグニンを漂白薬
品によって化学変化させ、できる限りリグニンをパルプ
中から除去し白色度を高めるが、その白色度のレベルは
晒パルプの用途によって異なってくる。残存リグニンの
量に比例して、そのパルプの褪色性は悪化する。
【0007】一方、メカニカルパルプは漂白に過酸化水
素を使用するので、AOXの発生が無く環境の観点より
注目を浴びている。中でも、晒ケミサーモメカニカルパ
ルプは、白色度が高いので好まれるが、リグニンの含有
量が高く、褪色性が悪いのでその使用量および用途が限
定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、木材化学パ
ルプの漂白法に関し、特にAOXの発生並びに排水量を
押さえ、その排水量を減少させ、且つ褪色性(色もど
り)の改善された木材化学パルプの漂白法を提供するも
のである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明は、未晒の木材化学
パルプをアルカリ媒体中で酸素処理を施した後、キシラ
ナーゼ処理を行い、次いで、少なくとも2回以上の過酸
化水素処理を施すに際し、第1段および第2段目の過酸
化水素処理工程間で二酸化塩素処理を行うことを特徴と
する木材化学パルプの漂白法である。
【0010】
【作用】本発明に係る木材化学パルプの漂白法につい
て、以下に詳細を述べる。一般に、木材化学パルプを酵
素処理するだけでは、高白色度レベルの晒パルプを得る
ことは非常に困難である。従って、高白色度レベルの晒
パルプを得るには、当然その後に何らかの漂白薬品によ
る処理が必要となってくる。
【0011】即ち、本発明の方法では、蒸解後の未晒パ
ルプをアルカリ媒体中で酸素処理を施し、脱リグニンを
行って得られるパルプにヘミセルロースの加水分解酵素
の一つであるキシラナーゼを添加し処理するものであ
る。そして、この場合、特にキシラナーゼの種類を限定
するものではなく、pH5〜9、処理温度40〜60℃
で作用するものであれば、適宜選択して使用できるもの
である。因みに、処理時間は1〜3時間程度である。
【0012】酵素処理後、少なくとも、2回以上の過酸
化水素処理が施される。この場合の過酸化水素はパルプ
に残留しているリグニンを酸化分解し、さらにパルプ中
から一部のリグニンを離脱させる作用機能と残留リグニ
ンを酸化,変化させて特に発色団と呼ばれる構造を変化
させる機能を有する。
【0013】この場合、一度の過酸化水素処理では、高
白色度の晒パルプにすることは難しく、半晒グレードの
パルプに留まっている。勿論、そのままで使用可能では
あるものの、その用途が限定される。従って、本発明者
等は種々検討を重ねた結果、高白色度レベルの晒パルプ
を得るには少なくとも2回以上の過酸化水素処理が必要
であり、且つ、最初の2回の過酸化水素処理工程の間で
二酸化塩素処理を施すことによって、白色度のレベルが
著しく向上することを初めて見出したのである。これは
過酸化水素処理がアルカリサイドで行われるのに対し、
二酸化塩素処理は酸性サイドで行われる。そのため、2
回目の過酸化水素処理の効果が著しく向上するものと推
定される。
【0014】一般に、各化学薬品による漂白処理を連続
して進行させる場合、各漂白処理後次工程へ送る前に薬
品処理後のパルプの洗浄を行うが、この洗浄時に生じる
排水(以下洗浄排水という)中にはリグニン,セルロー
ス,ヘミセルロース等に由来する有機化合物が含有され
ているために汚濁負荷が高く、そのまま流出させること
は環境保全の面から悪影響がある。
【0015】ところで、従来の初期段階での塩素及び塩
素化合物を使用する漂白法の場合、洗浄排水中に塩素化
合物や塩素イオンが多量に存在し、系内に回収した場
合、塩素イオンによる腐食の問題,或いは薬品のバラン
スが崩れる等の問題があり,そのまま、漂白工程より流
出させ、最終の汚濁排水設備により清澄化させて河川や
海洋に放出させているのが現状であった。
【0016】本発明の方法では、蒸解後の未晒パルプ
を、先ずアルカリ媒体中で酸素処理を施し、次いで酵素
処理を、更に過酸化水素処理を行うために塩素イオンと
は無関係で、酵素処理及び過酸化水素処理後の洗浄排水
は全量回収が可能である。一方、2段目以降の過酸化水
素処理後の洗浄排水は二酸化塩素処理工程が前にあるた
めに回収が難しい。しかし、系内における部分的なクロ
ーズドシステム化が可能となり、実際上の洗浄排水の発
生量は非常に少なくなる。回収された洗浄排水は向流洗
浄方式により前段の洗浄水として使用される。即ち、1
段目の過酸化水素処理段の洗浄排水は酵素処理段の洗浄
水となり、酵素処理段の洗浄排水は前段の酸素処理後の
パルプの洗浄水となる。そして、最終的には黒液として
回収ボイラーで燃焼され、薬品の回収に供されるといっ
たメリットがある。
【0017】漂白工程において過酸化水素を用いた場
合、本来の酸化の対象物であるリグニンの他に、パルプ
繊維(セルロース繊維)にも薬品の作用がおよび、セル
ロースの重合度を低下させるといった難点がある。その
ために、セルロースの重合度低下を防ぎ、且つ過酸化水
素の使用量を減らすことを目的として、過酸化水素処理
前にキレート剤処理を行うことが好ましい。この場合の
キレート剤はパルプに付着している金属イオンをマスキ
ングすることを目的とするものである。因みに、金属イ
オンが存在すると、過酸化水素の自己分解、或いはセル
ロースへの過酸化水素の過度の作用が誘発されるので、
好ましくない。
【0018】なお、前述のキレート剤としては、エチレ
ンジアミン四酢酸(EDTA),ニトリロ三酢酸(NT
A),ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HE
DTA),ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA),
トリエチレンテトラミン六酢酸,ヒドロキシルエチルイ
ミノ二酢酸,ジヒドロキシエチルグリシン等が挙げられ
るが、好ましくはEDTA,NTA,HEDTA,DT
PAの中から一種が選択され使用される。
【0019】これらのキレート剤の付加処理は過酸化水
素処理の前ならどこでもよいが、好ましくは過酸化水素
処理の直前で行う方が効果が大きい。また、キレート剤
処理後の洗浄の有無によって、特にその作用効果には影
響を及ぼさないものである。
【0020】なお、本発明の漂白法における白色度レベ
ルは、特に限定するものではないが下記(1)式を満足
するレベルのものが望ましい。即ち、光或いは熱による
処理(褪色処理条件としては:光処理の場合−310〜
400nmの紫外線を3時間照射、熱処理の場合−12
0℃の雰囲気中で20分間放置)の前後における比光吸
光係数(k)と比光散乱係数(s)の比(k/s)の差
が0.015以下にある場合が特に好ましい実施態様と
なる。 k1 /s1 −k2 /s2 ≦0.015……(1) ここに、k1 =褪色後の比光吸収係数,s1 =褪色後の
比光散乱係数,k2 =褪色前の比光吸収係数,s2 =褪
色前の比光散乱係数をそれぞれ示す。
【0021】パルプのk/sはパルプシートを調製して
特定波長(457nm)の光を用いて測定された白色度
を下記(2)式に入れて算出される値である。即ち、 k/s=(1−Rw )/2Rw ……(2)(注:Rw
白色度) 白色度は一般にハンター白色度計やエルレホ白色度計等
により測定される値が用いられる。
【0022】ここでいう比光散乱係数(s)は、そのパ
ルプシートに光を照射したとき、シートを構成するパル
プ繊維の表面において光が乱反射する度合いを示し、一
方、比光吸収係数(k)はパルプシートを構成するパル
プ繊維によって光が吸収される度合いを示すものであ
る。そして、その両者の比k/sはパルプ繊維の光学的
特徴を示す指数として広く利用されている。パルプの褪
色は、通常光が当たるか、或いは熱が加えられるかによ
り、パルプ繊維の成分であるセルロース,ヘミセルロー
ス,およびリグニン等が化学変化を受けて比光吸収係数
が変化するものであるが、比光散乱係数(s)の方は殆
ど変化しない性質のものである。
【0023】因みに、その差が0.015を越えると、
褪色度合いが大きくなり、得られるパルプの使用用途が
限定されるようになり、好ましくない。一般に、パルプ
中のリグニン残留量を示す値としては過マンガン酸カリ
ウム価(以下K価という)が使用されているが、通常晒
パルプでは脱リグニンが高度に進み、K価では定量でき
ない。本発明の方法で得られるパルプはK価として1〜
2.5の値を示す。一般的にはリグニンが存在すれば、
光或いは熱によるエネルギーによりリグニンを化学変化
させ、結果的に、そのパルプの白色度が大きく低下する
といわれている。しかしながら、本発明によって得られ
るパルプはリグニンが存在するにもかかわらず、白色度
の低下度合いが極めて少ないものである。
【0024】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
なお、例中の%は重量%を示す。
【0025】実施例1 広葉樹の未晒パルプを、酸素脱リグニン処理(アルカリ
媒体中)後、希釈脱水により洗浄されたパルプ(カッパ
ー価9.1)を用い、以下の薬品処理による各漂白処理
工程を経て晒パルプを得た。なお、薬品添加率は全て対
パルプ比率(固形分対比)とする。
【0026】(酵素処理)上記パルプに酵素処理後のp
Hが8になるように、予め水酸化ナトリウムを0.00
6%、次いでキシラナーゼ含有液(SP473、キシラ
ナーゼ活性1150EXU/g:ノボ・ノルディスクバ
イオインダストリー社製)を0.217%添加し、パル
プ濃度が10%となるように水を加えて調整した。さら
に、その状態で50℃、120分間に亘る反応処理を行
った後、次段の過酸化水素処理後に得られる洗浄済の廃
液を用いて希釈脱水し、酵素処理済パルプを得た。
【0027】(過酸化水素処理)前記酵素処理済パルプ
に、過酸化水素2.0%、および水酸化ナトリウム0.
8%を添加し、パルプ濃度が10%となるように水を加
えて調整した。さらに、その状態で70℃、120分間
に亘る反応処理を行った後、希釈脱水をし、過酸化水素
処理済パルプを得た。
【0028】(二酸化塩素処理)前記過酸化水素処理済
パルプに、二酸化塩素0.5%を添加し、パルプ濃度が
10%となるように水を加えて調整した。さらに、その
状態で70℃、180分間に亘る反応処理を行った後、
希釈脱水をし、二酸化塩素処理パルプを得た。
【0029】(過酸化水素処理)前記二酸化塩素処理済
パルプに、過酸化水素1.0%、および水酸化ナトリウ
ム1.0%をそれぞれ添加し、パルプ濃度が10%とな
るように水を加え調整した。次いで、70℃、120分
間に亘る反応処理を行った後、希釈脱水をし、晒パルプ
を得た。この晒パルプの品質及び排水中のAOXおよび
CODを測定し表1に示した。
【0030】実施例2 実施例1において、酵素処理済の洗浄後パルプに、エチ
レンジアミン四酢酸0.6%を添加し、パルプ濃度が
3.5%となるように水を加え調整した。その状態で7
0℃、30分間に亘る反応処理を行った後、希釈脱水を
し、キレート処理パルプを得た。次いで、1段目の過酸
化水素処理で過酸化水素を1.6%、水酸化ナトリウム
0.7%をそれぞれ添加した以外は、実施例1と同様に
パルプを漂白し、晒パルプを得た。この晒パルプの品質
及び排水中のAOXおよびCODを測定し、表1に示し
た。
【0031】実施例3 実施例2において、エチレンジアミン四酢酸による処理
済パルプを洗浄せずに、パルプ濃度が10%となるよう
に脱水をし、1段目の過酸化水素処理を行った以外は、
実施例2と同様の処理を行い、晒パルプを得た。この晒
パルプの品質及び排水中のAOXおよびCODを測定し
表1に示した。
【0032】実施例4 実施例2において、二酸化塩素処理済の洗浄後パルプに
エチレンジアミン四酢酸0.6%を添加し、パルプ濃度
が3.5%となるように水を加え調整した。次いで、7
0℃、30分間に亘る反応処理を行った後、希釈脱水を
し、キレート処理パルプを得た。さらに、第2回目の過
酸化水素処理において過酸化水素を0.8%添加した以
外は、実施例3と同様にしてパルプを漂白し、晒パルプ
を得た。この晒パルプの品質及び排水中のAOXおよび
CODを測定し表1に示した。
【0033】実施例5 実施例1において、二酸化塩素処理済の洗浄後パルプに
エチレンジアミン四酢酸0.6%を添加し、パルプ濃度
が3.5%となるように水を加え調整した。次いで、7
0℃、30分間に亘る反応処理を行い、希釈脱水をし、
キレート処理パルプを得た。さらに、第2回目の過酸化
水素処理において過酸化水素を0.8%添加した以外
は、実施例1と同様にしてパルプを漂白し、晒パルプを
得た。この晒パルプの品質及び排水中のAOXおよびC
ODを測定し表1に示した。
【0034】比較例1 (塩素処理)カッパー価9.1の酸素脱リグニン後パル
プに塩素1.8%を添加し、パルプ濃度が3.5%とな
るように水を加え調整した。次いで、40℃、50分間
に亘る反応処理を行い、希釈脱水をし、塩素処理パルプ
を得た。
【0035】(アルカリ抽出処理)前記塩素処理パルプ
に、1.0%の水酸化ナトリウムを添加し、パルプ濃度
が10%となるように水を加え調整した。50℃、12
0分間に亘る反応処理後、希釈脱水をし、アルカリ抽出
処理パルプを得た。
【0036】(次亜塩素酸ナトリウム処理)前記アルカ
リ抽出処理パルプに0.7%の次亜塩素酸ナトリウムを
添加し、パルプ濃度が10%となるように水を加え調整
した。次いで、55℃、150分間に亘る反応処理後、
希釈脱水をし、次亜塩素酸ナトリウム処理パルプを得
た。
【0037】(二酸化塩素処理)前記次亜塩素酸ナトリ
ウム処理パルプに0.2%の二酸化塩素を添加し、パル
プ濃度が10%となるように水を加え調整した。70
℃、180分間に亘る反応処理後、希釈脱水をし、晒パ
ルプを得た。また、実施例1と同様に晒パルプの品質及
び排水中のAOXおよびCODを測定し表1に示した。
【0038】比較例2 塩素処理前のカッパー価9.1の酸素脱リグニン後パル
プに実施例1で行った同一の酵素処理を行い、次いで塩
素処理での塩素添加率1.1%、アルカリ抽出処理での
水酸化ナトリウム添加率0.6%、次亜塩素酸ナトリウ
ム処理での次亜塩素酸ナトリウム添加率0.5%、二酸
化塩素処理での二酸化塩素添加率0.2%とした以外
は、比較例1と同様の処理を行い晒パルプを得た。ま
た、この晒パルプの品質及び排水中のAOXおよびCO
Dを測定し表1に示した。
【0039】比較例3 (酵素処理工程)酵素処理は実施例1と同様の処理を行
い1回目の過酸化水素処理での洗浄廃液を用いて希釈脱
水をし、酵素処理パルプを得た。
【0040】(過酸化水素処理)酵素処理をしたパルプ
に過酸化水素2.0%及び水酸化ナトリウム0.8%を
添加し、パルプ濃度が10%となるように水を加えて調
整した。次いで、70℃、120分間に亘る反応処理
後、2回目の過酸化水素処理での洗浄廃液を用いて希釈
脱水をし、1回目の過酸化水素処理パルプを得た。
【0041】(過酸化水素処理)前記過酸化水素処理を
したパルプに1.0%の過酸化水素と1.0%の水酸化
ナトリウムを添加し、パルプ濃度が10%となるように
水を加えて調整した。70℃、120分間に亘る過酸化
水素処理をした後、希釈脱水をし、2回目の過酸化水素
処理パルプを得た。
【0042】(二酸化塩素処理)前記過酸化水素処理パ
ルプに0.5%の二酸化塩素(対絶乾パルプ)を添加
し、パルプ濃度を10%となるように水を加え、調整し
た。70℃、180分間処理をした後、希釈脱水をし、
晒パルプを得た。この晒パルプの品質を測定し、表1に
示した。
【0043】比較例4 比較例3において2回目の過酸化水素処理のあと二酸化
塩素処理を行わず、3回目の過酸化水素処理を行った。
なお、各段での洗浄水は後段の洗浄廃液を用いた。3回
目の過酸化水素処理条件は以下の通りである。
【0044】(過酸化水素処理)2回目の過酸化水素処
理パルプに1.0%の過酸化水素と1.0%の水酸化ナ
トリウムを添加し、パルプ濃度が10%となるように水
を加えて調整した。70℃、120分間に亘る過酸化水
素処理をした後、希釈脱水をし、晒パルプを得た。この
晒パルプの品質を測定し、表1に示した。
【0045】〔パルプ品質の測定〕得られたパルプにつ
いてのパルプのK価(値が大きい程、残存リグニン量が
多い)はTAPPI−UM251に準拠し測定した。パ
ルプ白色度はTAPPI−STD−T218om−83
に準拠しパルプシートを調整し、ハンター白色度計で測
定した。
【0046】なお、褪色処理の方法としては、熱処理は
パルプシートを熱風循環乾燥機を使用して120℃、2
0分間処理をした。処理前後のパルプシートのk/s比
を測定した。また、光処理としてはパルプシートをウェ
ザーメーター(スガ試験機WE−2型、アークランプ2
灯、6kW、15A×200V、紫外線310〜400
nm)中で180分間の照射処理をした。この場合の処
理前後のパルプシートのk/s比を測定した。そして、
各々処理前後のk/s値の差(Δk/s)を求め、その
結果を表1に示した。
【0047】AOXは各処理段での漂白排水について三
菱化成社製全有機ハロゲン分析装置TOX−10型を用
いて測定した。CODの測定は、100℃における過マ
ンガン酸カリウムによる酸素消費量を求める方法で、J
IS−K0102−1986に準拠し測定した。なお、
AOXおよびCODの表示は、各処理段における排水に
ついてAOXおよびCODとして測定した後、それらを
合計し風乾晒パルプ1トンに対して発生する量(kg/
ADT)に換算して表示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の漂白法を採用することによっ
て、排水量の削減、および排水中のAOXの削減を図る
ことができ、且つ得られたパルプ中に残存リグニンが存
在するにもかかわらず、高白色度で極めて褪色が起こり
難いパルプを得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21C 9/16 7199−3B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未晒の木材化学パルプをアルカリ媒体中で
    酸素処理を施した後、キシラナーゼ処理を行い、次い
    で、少なくとも2回以上の過酸化水素処理を施すに際
    し、第1段および第2段目の過酸化水素処理工程間で二
    酸化塩素処理を行うことを特徴とする木材化学パルプの
    漂白法。
  2. 【請求項2】過酸化水素処理を行う前にキレート剤処理
    を施す請求項1記載の木材化学パルプの漂白法。
  3. 【請求項3】キレート剤が、少なくともエチレンジアミ
    ン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレン
    ジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸から選ば
    れる一種である請求項2記載の木材化学パルプの漂白
    法。
  4. 【請求項4】各漂白法に基づいて得られる化学パルプが
    下記(1)式を満足する化学パルプである請求項1〜請
    求項3記載の木材化学パルプの漂白法。 k1 /s1 −k2 /s2 ≦0.015……(1) ここに、k1 =褪色後の比光吸収係数,s1 =褪色後の
    比光散乱係数,k2 =褪色前の比光吸収係数,s2 =褪
    色前の比光散乱係数
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Cited By (3)

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